説明

カーボンブラックを含む印刷インキ用組成物の評価方法及び印刷インキ用組成物の製造方法

【課題】カーボンブラックを含む印刷インキ用組成物において、漆黒度等のインキ特性を低下させることなく、エージング工程における終点判定、すなわち、CB粒子表面がビヒクルでよく湿潤されたことの判定を適性に行えるようにすること。
【解決手段】カーボンブラック含む印刷インキ用組成物を分散処理した後、エージングする際に、該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出することを特徴とする、印刷インキ用組成物の評価方法、該評価方法を有する印刷インキの製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カーボンブラックを含む印刷インキの製造過程における、印刷インキ用組成物の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平版インキ、凹版インキ、凸版インキ、孔版インキをはじめとする印刷インキは、原料のカーボンブラック(以下、CB)の粒子表面を有機溶剤、ワニスなどの混合物(以下、ビヒクルと言うことがある)で良く湿潤させることにより、漆黒度(黒色度)、着色力、光沢、乳化特性等のインキ特性が向上する。そのため、CBとビヒクルの混練物を40〜100℃でエージング(加熱熟成)することにより湿潤させる方策がとられている。この際、エージング時間が長いほどCBに対してビヒクルが良く湿潤し、漆黒度等のインキ特性も向上するため好ましく、逆に、エージング時間が不足すると、湿潤せずに漆黒度等のインキ特性も著しく低下する。しかしながら、現在、エージング工程は、その終点判定をする方法が無いことから、経験則に基づき、おおむね24〜360時間程度を目安として行っており、過剰に熟成時間を要しているのが現状である。このため、消費エネルギー、労力を始めとする生産性の悪化を招いており、生産コストを考慮した場合、必要以上の時間をかけエージングを行うことは好ましくない。
【0003】
一方、W/Oエマルションインクの品質判定を交流インピーダンスの測定結果に基づいて判断する方法が知られている(特許文献1)。これは水相Wの抵抗率が10〜10Ω・cmであることを利用して、W/Oエマルションインキの抵抗率と静電容量の両検知結果から、インクの状態が印刷に適するか否かを判定するものである。しかしながら、非水系の印刷インキ用組成物のエージング工程における品質状態を評価する方法はこれまで知られていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4100564号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
印刷インキ用組成物において、CBの粒子表面をビヒクルで良く湿潤されたことが評価できれば、エージングの終点判定が可能となり、消費エネルギーの削減などが可能となる。そこで、本発明が解決しようとする課題は、カーボンブラック、ワニスおよび有機溶剤を含む印刷インキ用組成物において、印刷インキの印刷適正、例えば、漆黒性や印字部の腐食防止性、高速印刷時の印刷適正を低下させることなく、エージング工程における終点判定、すなわち、CB粒子表面がビヒクルでよく湿潤されたことの判定を適性に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、前記エージング工程において静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出することによって、当該印刷インキ用組成物の評価を、迅速かつ簡単に行えることを見いだし、印刷インキの印刷適正、例えば、漆黒性や印字部の腐食防止性、高速印刷時の印刷適正を落とすことなく、エージングの終点判定が可能となり、より生産性よく製造できることを明らかにした。
【0007】
すなわち、本発明は、カーボンブラック、ワニスおよび有機溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理した後、エージングする際に、該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出することを特徴とする、印刷インキ用組成物の評価方法を提供する。また、本発明は、カーボンブラック、ワニスおよび有機溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理する工程、分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程を含む印刷インキの製造方法であって、前記分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程において該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率が要求閾値の範囲内となったときに、当該印刷インキ用組成物を使用可能品と評価し、当該評価に基づきエージング工程を終了することを特徴とする、印刷インキの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の評価方法により、カーボンブラックを含む印刷インキ用組成物を用いた印刷インキの製造工程において、漆黒度(黒色度)、着色力、光沢、乳化特性、高速印刷時の印刷特性等のインキ特性や、印字部の腐食防止性を低下させることなく、エージング工程における終点判定、すなわち、CB粒子表面がビヒクルでよく湿潤されたことの判定を適性に行えるようにでき、また、本発明の製造方法により、漆黒度(黒色度)、着色力、光沢、乳化特性等のインキ特性や、印字部の腐食防止性に優れた印刷インキを、より生産性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の静電容量を測定するための測定装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
印刷インキ用組成物の製造方法
本発明の印刷インキの製造方法は、カーボンブラック、ワニス及び有機溶剤を含む印刷インキ用組成物(以下、墨インキということがある)を分散処理する工程、分散処理された印刷インキ用組成物をージングする工程を含む印刷インキの製造方法であって、前記分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程において該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率が要求閾値の範囲内となったときに、当該印刷インキ用組成物を使用可能品と評価し、当該評価に基づきエージング工程を終了することを特徴とする。
【0011】
本発明の印刷インキ用組成物の主成分はカーボンブラックとワニス及び有機溶剤等のビヒクルである。本発明の印刷インキ用組成物を溶解し安定な分散液を得るためには、適当な有機溶剤や分散剤を始めとする助剤を用いる必要がある。以下、詳述する。
【0012】
本発明に用いるカーボンブラックは市販の粉末状のものでも、ペレット状のものでも良い。
【0013】
本発明で用いられるワニスとしては、例えば、フェノール樹脂ワニス(フェノール樹脂ワニスは主たる成分がフェノール樹脂であるものであれば良く、ロジンや石油樹脂で変性されたものでも良い)、ロジン変性マレイン酸樹脂ワニス、石油樹脂ワニス、変性石油樹脂ワニス、アルキッド樹脂ワニスなど、印刷用墨インキに通常用いられる樹脂ワニスであれば、任意に単独または複数を組み合わせて使用することができる。より好ましくはフェノール樹脂ワニスと石油樹脂ワニス、変性石油樹脂ワニスが用いられる。印刷インキ用組成物中の樹脂ワニスの添加量は15〜70%、好ましくは30〜60%である。変性フェノール樹脂ワニス、石油樹脂ワニス、アルキド樹脂ワニスなどであげられる。
【0014】
本発明で用いられる有機溶剤としては、高沸点石油系溶剤、脂肪族炭化水素溶媒、高級アルコール系溶剤など、やはり墨インキに通常用いられる溶剤であれば、任意に単独または複数を組み合わせて使用することができる。また油としては鉱物油や植物油を任意に単独または複数を組み合わせて使用することができる。溶剤と油を合わせて、インキ組成物中の添加量は5〜20%になることが多いが、インキに必要とされる粘度にあわせて使用量を調節する。
【0015】
その他顔料分散剤、耐摩擦性向上のための滑剤、乾燥性調整剤、可塑剤などの公知慣用の各種添加剤も必要に応じ添加することができる。
【0016】
本発明の印刷インキ用組成物の製造方法は、カーボンブラック、ワニス及び溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理する工程、分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程を含む。
【0017】
通常、印刷インキは、原材料の配合、プレミキシング、練肉・分散、調整・検査、充填・包装などの工程を経て出荷される。さらに、この練肉・分散工程は、カーボンブラック、ワニス及び溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理する工程(分散処理工程)と、分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程(エージング工程)を少なくとも有する。分散処理工程と、エージング工程はそれぞれ少なくとも1回、望ましくは、それぞれ2回以上繰り返すこともできる。
【0018】
分散処理工程は、印刷インキの製造時にプレミキシングしたカーボンブラック、ワニス及び溶剤の混合物を3本ロールやビーズミル(アジテータミル、サンドミル等)などの練肉分散機を用いて解きほぐし、カーボンブラックをワニス中に細かく分散させる工程である。練肉が不十分であると、濃度不良や光沢不良の原因となる。
【0019】
エージング工程は、通常、分散処理工程後の印刷インキ用組成物を40〜100℃の範囲内で加熱熟成する。エージング工程を十分に行うことによって墨インキとしての印刷適正、例えば、漆黒性等の向上や、印字部の腐食防止性を向上させることができる。
【0020】
エージング工程は、通常、24〜360時間を要するが、本発明においては、後述する評価方法に従って当該印刷インキ用組成物を使用可能品と評価し、最終印刷インキの印刷適正、例えば、漆黒性や印字部の腐食防止性を落とすことなく、当該評価に基づきより短時間、例えば、従来の1/2、より好ましい例では1/4の時間でエージング工程を終了することができる。エージングを終了した印刷インキ用組成物は、適宜、ロール等により調整を行うことができる。
【0021】
印刷インキ用組成物の評価方法
本発明の印刷インキ用組成物の評価方法は該印刷インキ用組成物を分散処理した後、エージングする際に、該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出することを特徴とする。
静電容量の測定は、印刷インキ用組成物をエージングしている貯蔵タンクに直接、測定装置を設けて行ってもよいし、また、貯蔵タンクから印刷インキ用組成物を必要量取り出して、別途、測定装置を設けたタンクにて測定してもよい。測定装置は、インキ中に挿入された一対の電極、電源、静電容量を測定検知する交流インピーダンス測定回路が設けられていれば公知慣用のものでよい。例えば、図1に示すように、一対の電極1、インキに交流電圧を印加した際に静電容量を測定するインピーダンス測定装置2、電極とインピーダンス測定機とを接続して交流印加電圧及び印加電圧に対する応答信号の経路となるケーブル3より構成されている。
【0022】
インピーダンス測定装置の測定結果に所定の演算処理を加えることにより静電容量の変化率を求める。該変化率に基づきあらかじめ設定された要求閾値の範囲内にあるかを判定する。前記要求閾値の範囲内にあれば、エージングを終了する。当該要求閾値の範囲は、漆黒度等のインキ特性や印字部の腐食防止性の要求特性を満たす範囲を、別途、予備実験から求めればよい。
【0023】
静電容量の変化率は以下の方法で行う。すなわち、該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出する。静電容量の変化率(ΔC)は下記式によって算出する。
【0024】
【数1】

【0025】
式中、C及びCは、それぞれエージング開始後T、T時間後の静電容量〔C〕を表し、T<Tである。TとTの時間的間隔は1秒から1時間の範囲、より好ましくは1〜10分の範囲で良い。
エージングを開始して静電容量の変化率が要求閾値の範囲外から範囲内になった時点(T)で、エージング工程における加熱を終了する。
【0026】
要求閾値の具体的数値範囲は、カーボンブラックの種類や、ビヒクルとの組合せにもよるため一概に規定することはできないが、おおむねその上限値が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下であり、一方、下限値は0%以上である。
【0027】
静電容量を測定する際、電場周波数は特に限定されるわけではないが、10〔Hz〕〜30〔kHz〕の範囲が好ましい。電場周波数と静電容量の絶対値が反比例する関係にあり、30〔kHz〕以下でより精度良く静電容量値を測定でき、かつ、その変化率とインキ特性との関連性を正確に評価できる。
【0028】
印刷インキ特性と静電容量の変化率とが関連する理由について出願時点において定かではないが、本発明者らは以下の理由によるものと考えている。すなわち、一般にCB表面には配合原料由来、生産工程由来の様々な不純物、例えば硫黄成分や、カリウム等のアルカリ金属成分が存在している。CBとビヒクルなどが混練されることで、CB表面の一部とビヒクルが接触し、CB表面に存在する不純物由来のイオン、例えば硫黄イオンやカリウムイオン等のアルカリ金属イオンがビヒクル中に溶出する。エージングによってCBとビヒクルとの接触面積が徐々に増加すれば、不純物由来のイオンがビヒクル中に溶出する量も徐々に多くなる。つまり溶出した不純物由来のイオンによって分極が生じ、その分極由来の静電容量はエージングによって徐々に増加する。その後、CB表面が十分に湿潤すれば、追加で溶出する不純物由来のイオンの量が大幅に減少するので、静電容量は増加しなくなる。従ってエージング中の静電容量変化率の測定で、CBとビヒクルの湿潤状態の評価ができるようになり、エージングの終点判定が可能となる。また、電場周波数10〔Hz〕〜30〔kHz〕は、上記不純物由来のイオン(硫黄イオンやカリウムイオン)の空間電荷分極や界面分極に対応した範囲であるため、特に好ましいと推測している。
上記の理由から、本願発明に用いるCBは、予め別途予備試験等を行い、エージング処理前と、充分にエージング処理を行った後(例えば120時間のエージング処理後)の静電容量の差が、測定周波数40〔Hz〕、60℃で当該CBを含む印刷インキ用組成物を測定して、少なくとも5倍、好ましくは少なくとも10倍の範囲となるものを用いることが好ましい。
【実施例】
【0029】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
・配合およびプレミキシング
カーボンブラック #970(三菱化学製) 28.6部、アルキッド樹脂 32.7部、アルキルベンゼン 28.7部を分散撹拌機を用い3000rpmで1時間プレミキシングを行った。
【0031】
・分散処理工程
三本ロールミルで分散処理(練肉)を行った。グラインドメーターは溝の深さが25μm〜0μmのものを使用。目視で7.5μm以上の粗粒子による筋が見られないことを確認した。その後、アルキルベンゼンを10部追加し、印刷インキ用組成物を得た。
【0032】
・エージング工程
印刷インキ用組成物を、60℃で、表1に記載の時間、エージングを実施した。
・静電容量の測定方法
印刷インキ用組成物の各エージング工程終了後の静電容量の変化率を下記の方法で算出した。静電容量Cには平板電極(縦45mm×横20mm、電極板間距離10mm)に接続したLCRメーター(エヌエフ回路設計ブロック社製、ZM2353)を用いた。測定周波数は40〔Hz〕で行った。静電容量の変化率(ΔC)は下記式によって算出した。その結果を表1に示す。
【0033】
【数2】

【0034】
式中、Cは表 1におけるエージング時間〔h〕時の静電容量値であり、Cは、Cの10分前の静電容量値を表す。
【0035】
【表1】

【0036】
・印刷インキ調整
エージング終了後の各印刷インキ用組成物を、更にロール練肉、溶剤による調整を行い印刷インキを得た。その後、下記の測定方法にてインキ特性を評価した。各印刷インキ特性をエージング終了時間とともに表記する。
【0037】
(測定例)
・インキ特性の測定方法
RIテスターで印刷インキのインキ量0.30mlをアルミ板に印刷した。印刷インキの硬化方法は、ウェットオンウェット方式でオーバープリント用ワニスを塗装した後、130〜210℃で5秒〜15分程度焼付け乾燥し、塗板を得た。その後、分光色差計(日本電色工業株式会社製SE2000)で測色し、Lab表色系を求めた。その結果を表2に示す。なお、黒色度はLab表色系の明度指数L値で表され、L値が小さいほど黒色度が強いことを示す。
【0038】
・印字部の腐食防止性の評価
前記塗板を、塩化ナトリウム3%、中性洗剤(ライポンF:花王製)1%水溶液中に60℃で24時間浸漬した。その後、該塗板を取り出して、印字部にセロファン粘着テープを貼り付け、その後、該テープを剥がした。印字部のインキが剥がれているか(腐食状況)、目視で判定を行った。表2にその結果を示す。印字部のインキが剥がれていれば「×」、剥がれていなければ「○」とした。
【0039】
(高速印刷時の印刷適性)
高速印刷適性試験機(エスエムテー株式会社製)にて、9.9m/sの速度にてアルミ板上に上記印刷インキを印刷し、インキ転移直後のつぶれ等の印刷状態をルーペにて視覚判定し、良好な物を「○」、不良なものを「×」として評価した。
【0040】
・印刷インキとしての使用判定
漆黒度および印字部の腐食防止度および高速印刷時の印刷適正から、印刷インキとして使用可能なものを「○」、使用不可能なものを「×」とした。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】

【0042】
上記測定結果から、漆黒度を低下させず、印字部の腐食防止性、かつ、高速印刷時の印刷特性を低下させることなく、エージング工程を終了しても良い時間がエージング開始後4時間であった。そして、表2の印刷インキ特性は、表1の静電容量の変化率と関連しており、静電容量の変化率が10%以下の範囲内で、エージング工程を終了可能であることが明かとなった。
【符号の説明】
【0043】
1 電極
2 インピーダンス測定装置
3 ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラック、ワニスおよび有機溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理した後、エージングする際に、該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率を算出することを特徴とする、印刷インキ用組成物の評価方法。
【請求項2】
印刷インキ用組成物を電場周波数10〔Hz〕〜30〔kHz〕の範囲で静電容量を測定する、請求項1記載の印刷インキ用組成物の評価方法。
【請求項3】
前記変化率が10%以下となったときに、当該印刷インキ用組成物を使用可能品と評価する、請求項1または2記載の印刷インキ用組成物の評価方法。
【請求項4】
静電容量の変化率(ΔC)が下記式によって算出されたものである請求項1から3のいずれか一項記載の印刷インキ用組成物の評価方法。
【数1】

(式中、C及びCは、それぞれエージング開始後T、T時間後の静電容量〔C〕を表し、T<Tであり、TとTの時間的間隔は1秒から1時間の範囲である。)
【請求項5】
カーボンブラック、ワニスおよび溶剤を含む印刷インキ用組成物を分散処理する工程、分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程を含む印刷インキの製造方法であって、
前記分散処理された印刷インキ用組成物をエージングする工程において該印刷インキ用組成物の静電容量を測定し、その測定値の変化率が要求閾値の範囲内となったときに、当該印刷インキ用組成物を使用可能品と評価し、当該評価に基づきエージング工程を終了することを特徴とする、印刷インキの製造方法。
【請求項6】
該印刷インキ用組成物の静電容量を電場周波数10〔Hz〕〜30〔kHz〕の範囲で測定する請求項5記載の印刷インキ用組成物の製造方法。
【請求項7】
前記変化率の要求閾値が10%以下である請求項5または6記載の印刷インキ用組成物の製造方法。
【請求項8】
静電容量の変化率(ΔC)が下記式によって算出されたものである請求項5から7のいずれか一項記載の印刷インキ用組成物の製造方法。
【数2】

(式中、C及びCは、それぞれエージング開始後T、T時間後の静電容量〔C〕を表し、T<Tであり、TとTの時間的間隔は1秒から1時間の範囲である。)

【図1】
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【公開番号】特開2010−256346(P2010−256346A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−74887(P2010−74887)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】