説明

カーボンブラックを含有する導電性ポリエーテルエステル組成物およびそれから製造される製品

カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを含有する組成物が開示される。カーボンブラック含有ポリエーテルエステルは、カーボンブラックがDBP>420cc/100gを有する場合、カーボンブラック≦3.5重量%、またはカーボンブラックがDBP220cc/100g〜420cc/100gまたは150cc/100g〜210cc/100gを有する場合、カーボンブラック≦15重量%を含むか、またはそれから本質的になり、そのカーボンブラックは、ASTM D 3037−81による窒素吸着表面積測定値>700m2/gを有する。この組成物を製造する方法および組成物から製造される成形物品もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンブラックを含有する導電性組成物ポリエーテルエステル、そのための方法、およびそれから製造される物品に関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンブラック充填ポリマーは通常、その電気特性によって当技術分野内で3つのカテゴリー:帯電防止性、静電散逸性または中程度に導電性、および導電性に分類される。導電性材料は一般に、100,000オーム/スクエア未満を有すると定義される。かかる材料は、電荷を生成しない、または部分品(parts)表面上に電荷が局在化した状態にし、迅速に電荷をアースするか、または電磁場から部分品を遮蔽することができる。例えば、米国特許第6,540,945号明細書および米国特許第6,545,081号明細書を参照のこと。
【0003】
導電性カーボンブラックは、絶縁性ポリマーマトリックス中に分散することができる。分散カーボンブラック粒子の量が増加し、「パーコレーション閾値」濃度に達した場合には、導電性粒子は互いに十分に接触するようになり、その結果、導電率の著しい増加が示される。所望の電気的性質は、導電性カーボンブラックのレベルを制御することによって調整される。
【0004】
公知の導電性ポリエステル組成物は、他の望ましい特性を損なう、高いカーボンブラック添加率を有する。例えば、JP61000256A2号公報、米国特許第3803453号明細書、米国特許第4559164号明細書、JP01022367号公報、JP61000256号公報、JP3327426B2号公報、米国特許第5262470号明細書、米国特許第5484838号明細書、米国特許第5643991号明細書、米国特許第5698148号明細書、米国特許第5776608号明細書、米国特許第5952099号明細書、米国特許第5726283号明細書、米国特許第5916506号明細書、米国特許第6242094号明細書、JP06340799A2号公報、米国特許第6096818号明細書、米国特許第6291567号明細書、米国特許第6139943号明細書、米国特許第6174427号明細書、米国特許第6331586号明細書、および欧州特許出願公開第1277807A2号明細書を参照されたい。
【0005】
電気的性質を向上させるために、カーボンブラックはポリエーテルエステル中に組み込まれている。例えば、米国特許第4351745号明細書、米国特許第4610925号明細書、米国特許第4610925号明細書、およびJP50133243号公報を参照されたい。
【0006】
ポリエステルマトリックス中に分散するのが難しいカーボンブラックは、カーボンブラック充填ポリエステル組成物の溶融粘度を高めることができる。かかる組成物は、高せん断および高温条件にて酷使され、その結果、樹脂の貴重な物理的性質および熱的性質の一部が損なわれ、失われる。カーボンブラック充填ポリエステル組成物の溶融粘度が高いと、モノフィラメント、紡織繊維、フィルム、シート、成形品等の有用な成形物品を製造する製造プロセスが複雑になる。カーボンブラック充填ポリエステル組成物から製造される成形物品は、低下した性質を有する。例えば、米国特許第3969559号明細書、米国特許第4255487号明細書、米国特許第5952099号明細書、米国特許第6037395号明細書、米国特許第6139943号明細書、および米国特許第6331586号明細書を参照されたい。
【0007】
高い表面積を有する高次構造を組み込んだ高導電性カーボンブラック充填剤の出現によって、これらの欠点は克服されていない。前記カーボンブラック材料の高次構造および高表面積の特性は、カーボンブラックのレベルの低減によって、所望の電気的性質を達成するのを可能にするが、実際のところ、それらが取って代るカーボンブラック材料よりもかなり大きな程度まで、ポリエステル組成物の溶融粘度に影響を及ぼす。例えば、米国特許第6331586号明細書、米国特許第6441084号明細書、および欧州特許出願公開第1277807A2号明細書を参照されたい。
【0008】
上記の欠点を回避するための、これらの高導電性カーボンブラック充填剤のレベルの低減によって、所望の電気的性質が得られることは開示されていない。実際に、米国特許第6037395号明細書では、導電率が低いため、溶融混合プロセスによって製造される特定のポリカーボネート/ポリエステルブレンド中にKetjenblack EC 600 JDカーボンブラックなどの導電性カーボンブラック<約5重量%を使用することと対照して開示がなされている(米国特許第6037395号明細書)。米国特許第6096818号明細書、米国特許第6291567号明細書、米国特許第6331586号明細書、および米国特許第6096818号明細書(すべてが、低レベルの導電性カーボンブラックの使用と対照して教示している)を参照されたい。
【0009】
ポリエステル組成物に色を付けるための、ポリエステル重合媒体中へのカーボンブラックの添加が開示されている。例えば、JP02043764号公報、JP08026137号公報、JP45023029号公報、JP48056251号公報、JP48056252号公報、JP49087792号公報、JP50037849号公報、JP51029898号公報、JP51029899号公報、JP55066922号公報、JP57041502号公報、JP58030414号公報、JP59071357号公報、米国特許第3275590号明細書、米国特許第4408004号明細書、米国特許第4476272号明細書、米国特許第4535118号明細書、米国特許第5925710号明細書、米国特許第6503586号明細書、およびDE10118704号明細書を参照されたい。
【0010】
したがって、低レベルのカーボンブラックを含有するポリエーテルエステル組成物、およびそのために他の貴重な溶融粘度、加工特性および成形物品の特性を過度に損なうことなく、所望の電気的性質を有する組成物を製造するプロセスを開発する必要がある。ポリエーテルエステル組成物中のレベルを低減する場合には、高レベルのカーボンブラックを使用した場合に一般に必要とされる耐衝撃性改良剤および強化剤は、そのレベルが低減されるか、または排除される。ポリエーテルエステル組成物の溶融粘度は、低レベルの導電性カーボンブラック材料の添加によって比較的維持され、加工が容易になる。低レベルの導電性カーボンブラック材料を組み込んだ導電性ポリエーテルエステル組成物は、成形作業などの加工中および製造された最終製品において、カーボンブラックが脱落し、こすれ落ちるのを最小限にする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、DBP(ジブチルフタレート油吸着量)>約420cc/100gを有するカーボンブラック≦約3.5、約0.5〜約3.5、または約1〜約3.5重量%を含有する、カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを含むか、またはそれから本質的になる、電気的性質などの所望の特性を有する組成物を含む。
【0012】
組成物は、DBP約220cc/100g〜約420cc/100gを有するカーボンブラック≦約15、約1〜約10、または約2〜約10重量%を含み得る。
【0013】
組成物は、DBP約150cc/100g〜約210cc/100gを有するカーボンブラック≦約15、約2〜約12.5、または約6〜約10重量%も含み得る。
【0014】
組成物は、(a)DBP>約420cc/100gを有するカーボンブラック約0.1〜約3.5、約0.5〜約3、または約0.5〜約2重量%;(b)DBP約220cc/100g〜約420cc/100gを有するカーボンブラック約0.1〜約10、約0.5〜約7.5、または約0.5〜約5;(c)DBP約150cc/100g〜約210cc/gを有するカーボンブラック約1〜約12.5、約2〜約10、または約2〜約7.5;のうちの2つ以上を含む、カーボンブラック粒子の組み合わせもまた含み、それによって生成物が製造され、前記生成物から成形物品が形成される。好ましくは、カーボンブラック(a)、(b)、および/または(c)の総レベルは、ポリエーテルエステル組成物の重量を基準にして、約1〜約15、約1.5〜約12.5、または約2〜約7.5重量%である。
【0015】
本発明は、その組成物を含有するか、またはその組成物から製造された成形物品も含む。
【0016】
本発明は、混合物をカーボンブラックと接触させることを含むか、またはそのことから本質的になる方法であって、その混合物が、少なくとも1種類のジカルボン酸、少なくとも1種類のグリコール、少なくとも1種類のポリ(アルキレンエーテル)グリコールを含み;カーボンブラックが、混合物を基準にして3.5重量%未満で存在し;カーボンブラックが、ASTM D2414−93によるジブチルフタレート油吸着量>420cc/100gを有する、方法も含む。その方法では、回復することができる向上した電気的性質を有するポリエーテルエステル組成物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
導電性カーボンブラック充填剤の粒径、粒子構造、多孔度、または揮発分は、導電率に影響を及ぼす。好ましい導電性カーボンブラックは、粒子間距離を低減するため、単位体積当たりの粒子数が多くなるような小さな粒径を有する。かかるカーボンブラックは、電子が炭素を横切る際に、電子がそれを通って移動する導電性経路を増加する高次構造もまた有し得る。理論に束縛されないが、高次構造では、絶縁ギャップの数が低減し、低い抵抗を有するカーボンブラックを通って電子が移動し、より高い導電性のカーボンブラックが得られる。高い多孔性のカーボンブラックは、粒子間の距離をさらに低減する役割を果たし、より高い導電率の結果が得られることから、低い多孔性の粒子と比較して、単位重量当たりの粒子数が多くなるように、高多孔度のカーボンブラックを有することもさらに好ましい。カーボンブラックを通り抜ける電子を促進し、その結果、より高い導電率が得られる、低揮発分カーボンブラックもまた好ましい。
【0018】
導電性カーボンブラック充填剤は、ジブチルフタレートの吸収によって定義されるその構造によって、本明細書において定義される。ジブチルフタレート吸収は、ASTM法番号D2414−93に従って測定される。DBPは、当技術分野の範囲内でカーボンブラックの構造に関連している。高次構造カーボンブラックは一般に、高い表面積も有する。カーボンブラックの表面積は、ASTM法番号D3037−81によって測定される。この方法では、カーボンブラックの窒素吸着(BET)を測定する。
【0019】
電気的性質などの所望の特性を有するカーボンブラック含有ポリエーテルエステル組成物には、DBP>約420cc/100gを有するカーボンブラック≦約3.5、約0.5〜約3.5、または約1.0〜約3.5、重量%が組み込まれる。低いppmレベル(5〜25ppm)では、カーボンブラックは、ソーダボトルなどの容器を製造するための溶融ブロー成形プロセスにおける予備成形のための再加熱触媒としての役割を果たし得る。中間のレベル、例えば組成物の全重量を基準にして0.05〜0.5重量%では、カーボンブラックは、特定のポリエーテルエステル組成物の結晶化率を高める強力な核生成剤としての役割を果たし得る。
【0020】
カーボンブラック成分は、DBP吸収量>約420cc/100gおよび窒素吸着表面積>約1000m2/gを有する。本発明において適しているかかるカーボンブラック成分の市販の例としては、Akzo Companyから市販されている、DBP吸収量480〜520cc/100gおよび窒素吸着1250〜1270m2/gを有するKetjenblack(登録商標)EC 600 JDカーボンブラックが挙げられる。本発明のポリエーテルエステル組成物中に組み込まれるカーボンブラック材料のレベルは、所望の電気的性質の全範囲:帯電防止性、静電散逸性または中程度の導電性、および導電性を可能にする。組み込まれるカーボンブラック成分は、高められる電気的性質および低減される溶融粘度に基づいて、≦約3.5、約0.5〜約3.5、または約1.0〜約3.5重量%である。
【0021】
DBP>約420cc/100gおよび窒素吸着表面積>約1000m2/gを有するカーボンブラックの市販の例としては、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JDカーボンブラック(DBP480〜520cc/100g、およびBET1250〜1270m2/g)などのAkzo Companyから市販のカーボンブラックが挙げられる。
【0022】
DBP約220cc/100g〜約420cc/100gおよび窒素吸着表面積>約700m2/gを有する市販のカーボンブラックの例としては、Ketjenblack(登録商標)EC 300 Jカーボンブラック(DBP350〜385cc/100gおよび窒素吸着800m2/g)、Black Pearls(登録商標)2000カーボンブラック(DBP吸収量330cc/100gおよびBET1475〜1635m2/g)、およびPrintex(登録商標)XE−2カーボンブラック(DBP吸収量380〜400cc/100gおよび窒素吸着1300m2/g)などのAkzo Companyから市販のカーボンブラックが挙げられる。
【0023】
DBP約150cc/100g〜約210cc/100gおよび窒素吸着表面積>約200m2/gを有する市販のカーボンブラックの例としては、Columbian Companyから市販のカーボンブラック(Conductex(登録商標)975、DBP170cc/100gおよびBET250m2/g)、Cabot Corporationから市販のカーボンブラック(Vulcan(登録商標)XC−72、DBP78〜192cc/100gおよび窒素吸着245m2/g)が挙げられる。
【0024】
ポリエーテルエステルは、ジカルボン酸、グリコール、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール、および任意に、多官能性分岐剤成分から誘導される反復単位を含むか、またはそれから本質的になる。
【0025】
ジカルボン酸成分としては、非置換、置換、直鎖状および分岐状ジカルボン酸、炭素2〜36個を有するジカルボン酸の低級アルキルエステル、ジカルボン酸のビスグリコール酸エステルが挙げられる。ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、イソフタル酸、ジメチルイソフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−2,6−ナフタレート、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−2,7−ナフタレート、5−スルホイソフタル酸の金属塩、ジメチル−5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ジメチル−5−スルホイソフタル酸リチウム、3,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジメチル−3,4’ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジカルボキシレート、3,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ジフェニルスルフィドジカルボキシレート、4,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルスルフィドジカルボキシレート、3,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ジフェニルスルホンジカルボキシレート、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ジフェニルスルホンジカルボキシレート、3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ジメチル−3,4’−ベンゾフェノンジカルボキシレート、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、ジメチル−4,4’−ベンゾフェノンジカルボキシレート、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−1,4−ナフタレート、4,4’−メチレンビス(安息香酸)、ジメチル−4,4’−メチレンビス(ベンゾエート)、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)イソフタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)イソフタレート、シュウ酸、シュウ酸ジメチル、マロン酸、マロン酸ジメチル、コハク酸、コハク酸ジメチル、メチルコハク酸、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、3−メチルアジピン酸、2,2,5,5−テトラメチルヘキサン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸、二量体酸、ビス(2−ヒドロキシエチル)グルタレート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)グルタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)グルタレート)等、およびそれから得られる混合物が挙げられる。
【0026】
好ましくは、ジカルボン酸は、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)テレフタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)テレフタレート、イソフタル酸、ジメチルイソフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、ビス(3−ヒドロキシプロピル)イソフタレート、ビス(4−ヒドロキシブチル)イソフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジメチル−2,6−ナフタレートなどの芳香族ジカルボン酸、およびそれから得られる混合物である。当技術分野で公知の本質的にあらゆるジカルボン酸の本発明における有用性を見出すことができる。ジカルボン酸成分は、ジカルボン酸成分と、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分と、グリコール成分との合計200モル%を基準にして、約90〜約110、約95〜約105、または約97.5〜約102.5モル%のレベルでポリエーテルエステル中に組み込むことができる。
【0027】
グリコールとしては、炭素原子2〜36個を有する、非置換、置換、直鎖、分枝鎖、環状脂肪族、脂肪族−芳香族または芳香族ジオールが挙げられる。望ましいグリコール成分の具体的な例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、二量体ジオール、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.0/2.6]デカン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、ジ(エチレングリコール)、トリ(エチレングリコール)等およびそれから得られる混合物が挙げられる。当技術分野で公知の本質的にあらゆるグリコールの本発明における用途が見出される。グリコール成分は、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分と、グリコール成分との合計100モル%を基準にして、約50.0〜約99.99、約75.0〜約99.9、または約75.0〜約99.0モル%のレベルでポリエーテルエステル組成物中に組み込むことができる。
【0028】
ポリ(アルキレンエーテル)グリコールは好ましくは、約500〜約4000の範囲の分子量を有する。ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分の具体的な例としては、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(1,3−プロピレングリコール)、ポリ(1,4−ブチレングリコール)、(ポリテトラヒドロフラン)、ポリ(ペンタメチレングリコール)、ポリ(ヘキサメチレングリコール)、ポリ(ヘプタメチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、4,4’−イソプロピリデンジフェノールエトキシレート(ビスフェノールAエトキシレート)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールAPエトキシレート)、4,4’−エチリデンビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールEエトキシレート)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレート(ビスフェノールFエトキシレート)、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールMエトキシレート)、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールPエトキシレート)、4,4’スルホニルジフェノールエトキシレート(ビスフェノールSエトキシレート)、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールZエトキシレート)、およびそれから得られる混合物が挙げられる。しかしながら、公知の本質的にあらゆるポリ(アルキレンエーテル)グリコールを使用することができる。ポリ(アルキレンエーテル)グリコールは、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分と、グリコール成分との合計100モル%を基準にして約0.01〜約50.0、約0.1〜約25.0、または約1.0〜約25.0モル%のレベルでポリエーテルエステル組成物中に組み込むことができる。グリコール成分と、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分との合計は、ジカルボン酸成分と、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分と、グリコール成分との合計200モル%を基準にして、約90〜約110、約95〜約105、約97.5〜約102.5、または約100モル%のレベルでポリエーテルエステル組成物中に組み込まれる。
【0029】
任意の多官能性分岐剤成分としては、3つ以上のカルボン酸官能基、ヒドロキシ官能基を有するいずれかの材料またはその混合物が挙げられる。望ましい多官能性分岐剤成分の具体的な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリト酸)、トリメチル−1,2,4−ベンゼントリカルボキシレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリト酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリト酸)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリト酸無水物)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、クエン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、ペンタエリトリトール、グリセロール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸等およびその混合物が挙げられる。これは、限定されるものではない。3つ以上のカルボン酸官能基またはヒドロキシル官能基を含む本質的にあらゆる多官能性材料の本発明における使用が見出される。より高い樹脂溶融粘度が特定の最終用途で望まれる場合に、多官能性分岐剤が含まれる。その最終用途の例としては、溶融押出しコーティング、溶融ブロー成形フィルムまたは容器、発泡体等が挙げられる。ポリエーテルエステルは、ジカルボン酸成分100モル%を基準にして、多官能性分岐剤0〜1.0モル%を含む。
【0030】
ポリエーテルエステルは、熱安定剤(例えば、フェノール系酸化防止剤)、第2熱安定剤(例えば、チオエーテルおよびリン酸塩)、紫外線吸収剤(例えば、ベンゾフェノン−およびベンゾトリアゾール−誘導体)、UV安定剤(例えば、ヒンダードアミン光安定剤またはHALS)等の当技術分野で公知の添加剤または充填剤と共に使用することができる。添加剤としてはさらに、可塑剤、加工助剤、流れ向上添加剤、潤滑剤、顔料、難燃剤、耐衝撃性改良剤、結晶化度を高める核剤、シリカなどの粘着防止剤、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、およびテトラメチル水酸化アンモニウムなどの塩基性バッファー等(例えば、米国特許第3779993号明細書、米国特許第4340519号明細書、米国特許第5171308号明細書、米国特許第5171309号明細書、米国特許第5219646号明細書、およびそれに記載の参考文献)が挙げられる。加工特性、最終的な機械的性質を向上させるため、または本発明のフィルム、コーティングおよびラミネートのガサガサ音(rattle)またはカサカサ音(rustle)を抑えるために添加される可塑剤の例としては、ダイズ油、エポキシ化ダイズ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、アマニ油、エポキシ化アマニ油、鉱油、アルキルリン酸エステル、Tween(登録商標)20可塑剤、Tween(登録商標)40可塑剤、Tween(登録商標)60可塑剤、Tween(登録商標)80可塑剤、Tween(登録商標)85可塑剤、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、クエン酸トリメチル、クエン酸トリエチルなどのクエン酸エステル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)2可塑剤)、クエン酸トリブチル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)4可塑剤)、クエン酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリ−n−ブチル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)A−4可塑剤)、クエン酸アセチルトリエチル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)A−2可塑剤)、クエン酸アセチルトリ−n−ヘキシル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)A−6可塑剤)、およびクエン酸ブチルトリ−n−ヘキシル(Morflex,Inc.,Greensboro,NCによって製造されているCitroflex(登録商標)B−6可塑剤)、酒石酸ジメチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、および酒石酸ジオクチルなどの酒石酸エステル、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)の誘導体、パラフィン、モノアシル炭水化物、例えば6−O−ステアリル(steryl)グルコピラノシド、モノステアリン酸グリセリン、Myvaplex(登録商標)600可塑剤(濃モノステアリン酸グリセロール)、Nyvaplex(登録商標)可塑剤(水素化ダイズ油から生成された、最低90%蒸留されたモノグリセリドであり、かつステアリン酸で主に構成される濃モノステアリン酸グリセロール)、Myvacet(登録商標)可塑剤(変性脂肪の蒸留アセチル化モノグリセリド)、Myvacet(登録商標)507可塑剤(アセチル化48.5〜51.5%)、Myvacet(登録商標)707可塑剤(アセチル化66.5〜69.5%)、Myvacet(登録商標)908可塑剤(最低96%のアセチル化)、Myverol(登録商標)可塑剤(濃モノステアリン酸グリセリン)、Acrawax(登録商標)可塑剤、N,N−エチレンビス−ステアルアミド、N,N−エチレンビス−オレアミド、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、二安息香酸ジエチレングリコール、二安息香酸ジプロピレングリコール、ポリマー可塑剤、例えばポリ(アジピン酸1,6−ヘキサメチレン)、ポリ(アジピン酸エチレン)、Rucoflex(登録商標)可塑剤、および他の適合性の低分子量ポリマー等およびその混合物が挙げられる。
【0031】
組成物またはポリエーテルエステルは、最終組成物の全重量を基準にして、約1〜約40重量%または約1〜約30重量%の無機、有機および粘土充填剤、例えば、木粉、セッコウ、タルク、マイカ、カーボンブラック、珪灰石、モンモリロナイト鉱物、チョーク、珪藻土、砂、砂利、砕石、ボーキサイト、石灰岩、砂岩、エーロゲル、キセロゲル、微小球、多孔性セラミック球、セッコウ二水和物、アルミン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セラミック材料、ポゾラミック(pozzolamic)材料、ジルコニウム化合物、ゾノトライト(結晶質ケイ酸カルシウムゲル)、真珠岩、バーミキュライト、水和または非水和水硬セメント粒子、軽石、真珠岩、ゼオライト、粘土充填剤、酸化ケイ素、カルシウムテレフタレート、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ポリマー粒子、粉末金属、パルプ粉末、ゴム、セルロース、デンプン、化学修飾デンプン、熱可塑性デンプン、リグニン粉末、コムギ、キチン、キトサン、ケラチン、グルテン、堅果殻粉末、木粉、トウモロコシ穂軸粉末、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、シーゲル(seagel)、コルク、種子、ゼラチン、木粉、オガクズ、寒天ベース材料、補強剤、例えばガラス繊維、天然繊維、例えばサイザル、麻、綿、羊毛、木材、亜麻、アバカ、サイザル、ラミー、バガス、セルロース繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、金属繊維、ステンレス鋼繊維、例えば再パルプ化作業から得られる再生紙繊維などで充填される。充填剤は、組成物の靱性を向上させ、ヤング率を増加し、デッドフォールド性を向上させ、フィルム、コーティング、ラミネート、または成形物品の剛性を高め、コストを減少し、加工または使用中にフィルム、コーティング、またはラミネートがブロッキングまたは粘着する傾向を低減することができる。充填剤によって、質感および触感などの紙の質の多くを有するプラスチック物品を製造することもできる。例えば、米国特許第4578296号明細書を参照のこと。重合プロセス前、重合プロセス中のいずれかの段階で、または重合プロセス後に、添加剤、充填剤またはブレンド材料を添加することができる。
【0032】
粘土充填剤は、有機粘土、およびポリエステルマトリックスとの付着性を高めるためにシランまたはステアリン酸で表面処理されている粘土など、天然および合成粘土の両方、未処理および処理粘土の両方を含む。その例としては、カオリン、スメクタイト粘土、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土等、およびその混合物が挙げられる。粘土を有機親和性にするために、界面活性剤などの有機材料で粘土を処理することができる。粘土の市販の例としては、Southern Clay Company(例えば、Gelwhite(登録商標)MAS 100粘土、白色スメクタイト粘土(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)およびNanocor Company(例えば、Nanomer(登録商標)粘土,相溶化剤で処理されているモンモリロナイト鉱物)から市販されている粘土が挙げられる。
【0033】
特にメクタイト粘土、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土等の層状ケイ酸塩粘土に関して、充填剤の一部が、プロセスを経て剥離して、ナノ複合材が得られる。
【0034】
充填剤の粒径は、充填ポリエーテルエステル組成物の所望の用途に基づいて調整することができる。例えば、充填剤の平均直径は、約200μ未満または<約40μまたは<約20μである。充填剤は、40メッシュ(米国規格)まで、または40メッシュ以上の範囲の粒径を含み得る。充填剤の粒径の混合を用いることができる。例えば、平均粒径約5μおよび平均粒径約0.7μを有する炭酸カルシウム充填剤の混合物は、ポリエステルマトリックス中で充填剤のより良い空間充填を提供することができる。2種類以上の充填剤粒径を使用することによって、粒子充填が向上し、その使用は、大きな粒子のグループ間の空間が、それより小さな充填剤粒子の選択されたグループによって実質的に占有されるように、充填剤粒径の2つ以上の範囲を選択するプロセスである。一般に、粒子の所定のセットが、粒子の第1グループよりも少なくとも約2倍大きいまたは小さい粒径を有する粒子の他のセットと混合される時はいつでも、粒子充填は増加する。2粒子システムの粒子充填密度は、所定のセットの粒子の粒径比が、もう1つのセットの粒子の粒径の約3〜10倍である時はいつでも最大となるだろう。同様に、3種類以上の異なるセットの粒子を使用して、粒子充填密度をさらに増加することができる。最適な充填密度の程度は、熱可塑性相および固体充填剤相両方の中の種々の成分の種類および濃度、使用されるフィルム、コーティングまたはラミネーションプロセス、および製造される最終製品の所望の機械的性質、熱的性質および他の性能特性などの因子に応じて異なる。例えば、米国特許第5,527,387号明細書を参照のこと。上記の粒子充填技術に基づいて、充填剤粒径の混合物が組み込まれた充填剤濃縮物は、商標Papermatch(登録商標)としてShulman Companyによって市販されている。
【0035】
充填剤または添加剤は、重合中のいずれかの段階で、または重合が完了した後に添加することができる。例えば、充填剤は、重合プロセスの最初にポリエーテルエステルモノマーと共に添加される。これは、ポリエーテルエステルマトリクス中の充填剤の適切な分散を得るために、例えばシリカおよび二酸化チタン充填剤について好ましい。充填剤は、予備凝縮物(precondensate)が重合容器中に入る際に、またはポリエーテルエステルが重合装置を出た後に添加される。例えば、本発明のプロセスによって製造されたポリエーテルエステル組成物は、静的ミキサーまたは一軸もしくは二軸スクリュー押出機などの集中的な混合操作に溶融供給され、充填剤と配合される。ポリエーテルエステル組成物は、その後の重合後のプロセスにおいて充填剤と合わせることができる。一般に、かかるプロセスは、静的ミキサー、ブラベンダーミキサー、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機等によって、充填剤と溶融ポリエーテルエステルを集中的に混合することを含む。ポリエーテルエステルおよび充填剤は、押出機の2つの異なる位置に供給される。例えば、米国特許第6,359,050号明細書を参照のこと。あるいは、充填剤は、以下に記載のように、本発明のフィルムおよびコーティングを形成する間、ポリエーテルエステル材料とブレンドされる。
【0036】
ポリエーテルエステルは、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリ(エチレン−co−グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチル(メタ)アクリレート−co−グリシジルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−n−ブチルアクリレート−co−グリシジルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−ブチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−(メタ)アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−(メタ)アクリル酸)の金属塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)などのポリ((メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン−co−一酸化炭素)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン−co−ビニルアルコール)、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、PETG、ポリ(エチレン−co−1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、PVDC、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、novalac、ポリ(クレゾール)、ポリアミド、ナイロン、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン612、ポリカーボネート、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリスルフィド、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエーテル、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)、ポリスルホン、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、例えばBiomax(登録商標)(E.I.du Pont de Nemours and Company)、脂肪族−芳香族コポリエステル、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−テレフタレート(55:45,モル))、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート−co−アジペート(50:50,モル))、脂肪族ポリエステル、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−co−スクシネート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(アミドエステル)、ポリカーボネート、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(カプロラクトン)、およびポリ(ラクチド)等およびそのコポリマーおよびその混合物などの他のポリマーとブレンドすることができる。
【0037】
ブレンド可能な天然ポリマーの例としては、デンプン、デンプン誘導体、修飾デンプン、熱可塑性デンプン、カチオンデンプン、アニオンデンプン、デンプンエステル、例えば酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、アルキルデンプン、デキストリン、アミンデンプン、リン酸デンプン、ジアルデヒドデンプン、セルロース、セルロース誘導体、修飾セルロース、セルロースエステル、例えば酢酸セルロース、二酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、吉草酸セルロース、三酢酸セルロース、トリプロピオン酸セルロース、三酪酸アセルロース、およびセルロース混合エステル、例えば酢酸プロピオン酸セルロースおよび酢酸酪酸セルロース、セルロースエーテル、例えばメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびヒドロキシエチルプロピルセルロース、多糖、アルギン酸、アルジネート、フィココロイド、寒天、アラビアゴム、ガーゴム、アカシアゴム、カラゲナンゴム、ファーセレランゴム、ガッチゴム、オオバコゴム、マルメロゴム、タマリンドゴム、イナゴマメゴム、カラヤゴム、キサンタンガム、トラガカントゴム、タンパク質、コラーゲン、およびその誘導体、例えばゼラチンおよびにかわ、カゼイン(牛乳における主要なタンパク質)、ヒマワリタンパク質、卵タンパク質、ダイズタンパク質、植物性ゼラチン、グルテン等およびその混合物が挙げられる。
【0038】
本発明のポリマーとブレンドされるポリマー材料は、充填剤について開示されているのと同様に、ポリマーの重合中のいずれかの段階で、または重合が完了した後に、本発明のポリマーに添加される。例えば、ポリエーテルエステルおよびポリマー材料は、静的ミキサーまたは一軸もしくは二軸スクリュー押出機などの集中的な混合操作に溶融供給され、ポリマー材料と配合される。
【0039】
あるいは、ポリエーテルエステルのブレンドおよびポリマー材料、ポリエーテルエステルは、その後の重合後のプロセスにおいてポリマー材料と合わせることができる。かかるプロセスは、静的ミキサー、ブラベンダーミキサー、一軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機等によって、ポリマー材料と溶融ポリエーテルエステルを集中的に混合することを含む。
【0040】
成形物品としては、フィルム、シート、繊維、モノフィラメント、不織布構造、溶融ブロー成形容器、成形品、発泡部品、基材上のポリマー溶融押出しコーティング、基材上のポリマー溶液コーティング等が挙げられ、開示される組成物から製造することができる。
【0041】
成形物品へのポリエーテルエステルの成形は、圧縮成形または溶融形成などの当技術分野で公知のプロセスによって行われる。溶融成形は、射出成形、熱成形、押出し成形、吹込み成形、またはこれらの方法の組み合わせなど、熱可塑性材料のための通常の方法によって行うことができる。圧縮成形は、当技術分野において公知のいずれかのプロセスによって行われる。圧縮成形プロセスの例としては、例えば、手動成形、半自動成形、および自動成形が挙げられる。一般的な3種類の金型のデザインとしては、オープンフラッシュ型、完全ポジティブ型、セミポジティブ型が挙げられる。一般的な圧縮成形作業において、粉末、ペレットまたはディスクなどの本質的にすべての形状のポリエーテルエステルを好ましくは、乾燥および加熱する。次いで、使用される正確なポリエーテルエステル組成物に応じて、温度150〜300℃に一般に維持された金型に加熱されたポリエーテルエステルを入れる。次いで、金型を一部閉じて、圧力を加える。圧力は一般に、2000〜5000psiであるが、用いられる正確な圧縮成形プロセス、正確なポリエーテルエステル材料、成形される部分品等に応じて異なる。ポリエーテルエステルは、熱および加えられた圧力の作用によって溶融し、金型の凹部に流れて、成形物品が形成される。
【0042】
射出成形は、当技術分野で公知のプロセスによって行われる。ポリエーテルエステルは、粉末、ペレットまたはディスクなどのいずれかの形状をとることができ、K−Tron(登録商標)またはAccurate(登録商標)フィーダーなどの自動式フィーダーを一般に備えた押出機の後部に供給される。上述の他の所望の添加剤、可塑剤、ブレンド材料等を本発明のポリエステルと予め配合するか、または押出機に同時供給することができる。次いで、ポリエーテルエステル組成物は、押出機内で溶融され、押出機の終端に運ばれる。次いで、一般には水圧シリンダーによって、スクリューが前方に押し出され、溶融樹脂組成物が金型内に注入される。金型は一般に、圧力で締められる。金型温度は一般に、ポリエステル組成物が結晶化し、固化するような温度で設定される。一般に、およそ室温〜200℃である。通常、金型温度は、可能な限り最短の成形サイクル時間となるように設定される。ポリ(エチレンテレフタレート)などの材料をゆっくりと結晶化するためには、一般に電気加熱器または熱油が望ましい。ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)などの材料を迅速に結晶化するためには、蒸気熱で十分である。成形物品が一旦固化すると、成形圧力を抜き、金型を開き、一般にノックアウトピン、突出ピン、ノックアウトプレート、ストリッパーリング、圧縮空気、またはその組み合わせを使用して、金型キャビティから成形品を取り出す。
【0043】
成形は、ディスク、プラーク、ブッシング、ドアハンドル、窓のクランクなどの自動車部品、電気部品、電子機械部品、電気化学センサー、PTCデバイス、温度センサー、コンダクターシールド用の半導電性シールド、電熱センサー、電気シールド、高誘電率デバイス、電子装置用のハウジング、引火性固形物、粉末、液体およびガス用の容器およびパイプライン等の多種多様な成形物品を提供する。成形品は、識別のためのレーザーマーキングでの有用性も見出すことができる。組成物は、「外観部品」として、つまり表面外観が重要である部品としても有用である。これは、組成物の表面が直接見られようと、あるいはそれが塗料または金属などの他の材料でコーティングされようと適用可能である。かかる部品としては、自動車のボディーパネル、例えばフェンダー、看板、フード、タンクフラップ、ロッカーパネル、スポイラー、および他の内部部品および外部部品;内部自動車パネル、自動車トリム部品、電気器具部品、例えばハンドル、制御盤、シャーシ(ケース)、洗濯槽および外部部品、内部または外部冷蔵庫パネル、および食器洗浄器のフロントまたは内部パネル;例えばドリルおよびのこぎりなどの電動工具のハウジング;パーソナルコンピューターハウジング、プリンターハウジング、周辺装置ハウジング、サーバハウジングなどの電子キャビネットおよびハウジング;列車、トラクター、芝刈機デッキ、トラック、スノーモービル、航空機および船などの乗り物の外部または内部パネル;建物の装飾用内部パネル;会社および/または家庭の椅子およびテーブルなどの家具;電話機および他の電話装置が挙げられる。これらの部品は塗装することができるし、あるいは組成物の色で未塗装のままにしておくことができる。自動車の車体パネルは特に、厄介な用途である。これらの材料は好ましくは、滑らかかつ再生可能な外観表面を有し、それらが著しいひずみなく、そのオーブン内の温度が各段階で30分までの間に約200℃の高さに達する、自動車Eコートおよび塗装オーブンを通過することができるように耐熱性であり、くぼみ傷または軽度の衝撃からの他の物理的損傷に耐えるのに十分に強靭である。
【0044】
カーボンブラック含有ポリエーテルエステルによって、それが静電塗装される際に部分品上に形成される電荷を部分品が散逸させることが可能となり、部分品全体にわたって塗装の均一なコーティングが形成される。基材の静電塗装は、非静電塗装プロセスと比較して塗料の無駄および排出を低減し、部分品の表面全体にわたって色差なく、比較的大きな部分品をむらなく塗装することを可能にする。本明細書で開示されるポリエーテルエステル組成物は、組み込まれる炭素充填量が低いため、望ましい物理的性質を維持しながら、静電塗装することができる。
【0045】
ポリエーテルエステルを含有するフィルムは、例えばラミネートとしての、包装、特に食品の包装、接着テープ、絶縁体、蓄電器、写真現像、X線現像などの様々な用途を有する。特に注目すべきなのは、EMIシールドにおいて、マイクロ波アンテナ用の保護フィルムとして、レードームとして、サンシールドとして、電子機器、導電性フィルムなどの電気的に損傷を受けやすい製品用の包装、エレクトログラフ画像装置の電荷移動構成部品等として使用することができ、識別のためのレーザーマーキングに使用することができる。より良い耐熱性、より安定な電気特性を得るためには、より高い融点、ガラス転移温度、結晶化度レベルを有するフィルムが望ましい。フィルムは、防湿バリア、酸素バリア、および二酸化炭素バリアなどの優れた遮断性、優れた耐脂性、引張り強さおよび高い破断点伸びを有することもまた望まれる。
【0046】
ポリエーテルエステルは、包装、ラベル、EMIシールド等の多くの異なる用途のいずれかで使用されるフィルムに形成される。限定されないが、ポリエーテルエステルポリマーのモノマー組成は好ましくは、フィルムの形成に望ましい部分的に結晶質のポリマーが得られるように選択され、その結晶性が強度および弾性を付与する。最初に製造される際には、ポリエーテルエステルは一般に、半結晶性構造である。フィルムの製造において生じた場合、結晶性は、ポリマーを再加熱および/または延伸すると増大する。
【0047】
フィルムは、米国特許第4,372,311号明細書(薄膜が、浸せき塗装によって形成される)、米国特許第4,427,614号明細書(圧縮成形)、米国特許第4,880,592号明細書(溶融押出し成形)、米国特許第5,525,281号明細書(溶融ブロー成形)に開示されているプロセス、または溶液流延などの他のプロセスなど、当技術分野で公知のいずれかのプロセスによって製造される。プロセスはよく知られているため、その説明は簡略のために省略する。フィルムは、≦厚さ0.25mm(10ミル)、約0.025mm〜0.15mm(1ミル〜6ミル)、または約0.50mm(20ミル)である。
【0048】
押出し成形は、連続長として押し出される、フィルムおよびシートなどの「継ぎ目のない」製品を形成することができる。押出し成形において、溶融ポリマーとして、またはプラスチックペレットもしくは顆粒として提供されようと、そうでなかろうと、ポリマー材料は流動化され、均一化される。所望の場合には、熱もしくは紫外線安定剤、可塑剤、充填剤などの上述の添加剤および/またはブレンド可能なポリマー材料を添加することができる。押出し成形は当業者にはよく知られているため、その説明は簡略のために省略する。
【0049】
大量のフィルムを製造するために、圧延カレンダーが使用される。逆方向に回転し、ポリマーを広げ、それを必要な厚さに伸ばす、多くの加熱可能な平行な円筒形ローラーを含む機械である、カレンダーのギャップに、未加工フィルムが供給される。このように製造されたフィルムは、最後のローラーによって平滑化される。フィルムがテクスチャ加工された面を有する必要がある場合には、最終ローラーに、適切なエンボスパターンが設けられる。あるいは、フィルムを再加熱し、次いでエンボスカレンダーに通すことができる。カレンダーの後に、1つまたは複数の冷却ドラムが続く。最後に、完成フィルムが巻き取られる。
【0050】
押出フィルムは、他の製品の出発原料として使用することができる。フィルムは、射出成形などの他の加工方法のための供給材料として使用される小さなセグメントに切断される。その他の例としては、以下に記載のように、フィルムを基材上にラミネートすることができる。その他の例としては、当技術分野で教示されているように、フィルムを金属化することができる。ブロー成形フィルム作業から得ることができるフィルムチューブを、例えばヒートシールプロセスによって袋に加工することができる。
【0051】
重要な用途の要求を解決するため、特定の特性をフィルムに与えることができるように、二層、三層などの多層フィルム、および多層フィルム構造もまた製造することができ、より高価な成分が、それらがより大きな要求を与える外部層に委ねることが可能となる。多層フィルム構造は、同時押出し成形、ブロー成形フィルム、浸し塗り、溶液塗布、ナイフ塗布、パドル塗布、エアナイフ塗布、印刷、ダールグレン、グラビアコーティング、粉体コーティング、吹付け塗布、または当業者によく知られている他のプロセスによって製造することができる。例えば、米国特許第4842741号明細書、米国特許第6309736号明細書、米国特許第3748962号明細書、米国特許第4522203号明細書、米国特許第4734324号明細書、米国特許第5261899号明細書および米国特許第6309736号明細書を参照されたい。
【0052】
フィルムは、当業者によく知られているように、一軸または二軸延伸にかけることができる。
【0053】
延伸は、フィルムバブル直径とダイ直径との比として定義される、ブローアップ比(BUR)を調節することによって、ブロー成形フィルム作業において高められる。バランスのとれたフィルムを得るためには、BUR約3:1が適切である。一方向で容易に裂ける、「引裂き可能な(splitty)」フィルムを有することが望ましい場合には、BUR1:1〜約1.5:1が好ましい。
【0054】
延伸位置でフィルムを保持し、急冷前に数秒間加熱することによって、収縮を制御することができる。この熱は、延伸フィルムを安定化し、次いでフィルムは、熱安定化温度を超える温度でのみ収縮するようにされる。さらに、フィルムは、圧延、カレンダー加工、コーティング、エンボス加工、印刷、または当技術分野で公知の他の一般的な仕上げ作業にかけることもできる。
【0055】
所望の場合には、米国特許第4626252号明細書、米国特許第5073316号明細書、および米国特許第6359050号明細書に開示されているように、フィルム、特に充填フィルムを、多孔質に形成することができる。印刷適性、表面のインク受容性または他の望ましい特性を高めるために、公知の従来の形成後の作業、例えばコロナ放電、化学処理、火炎処理等によって、フィルムを処理することができる。フィルムをさらに加工して、容器などの他の望ましい物品を製造することができる。例えば、米国特許第3303628号明細書、米国特許第3674626号明細書、および米国特許第5011735号明細書に開示されているように、フィルムを熱成形することができる。
【0056】
カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを基材上にコーティングまたはラミネートすることができる。それから成形物品が製造される。ロール塗り、スプレッドコーティング(spreading)、吹付け塗布、はけ塗り、または流し込みプロセスによって、本発明のコポリエステルのポリマー溶液、分散液、ラテックス、およびエマルジョンで基材をコーティングし、続いて乾燥させ、予め形成された基材上にポリエーテルエステルを他の材料、粉体コーティングと共に同時押出しすることによって、または予め形成された基材を本発明のポリエーテルエステルで溶融/押出しコーティングすることによって、コーティングを形成することができる。コーティングされた基材は、包装、特に、例えば損傷を受けやすい電子部品用の静電荷散逸性包装、半導電性ケーブルジャケット、EMIシールドおける用途、および使い捨ての製品としての用途など、様々な用途を有する。さらに、より良い耐熱性を提供するためには、より高い融点、ガラス転移温度および結晶度レベルが望ましく、コーティングは、水分、グリース、酸素、および二酸化炭素に対する優れた遮断性を提供することができ、優れた引張り強さと高い破断点伸びを有する。
【0057】
コーティングは、浸し塗り(例えば、米国特許第4372311号明細書および米国特許第4503098号明細書参照)、基材上への押出し成形(例えば、米国特許第5294483号明細書、米国特許第5475080号明細書、米国特許第5611859号明細書、米国特許第5795320号明細書、米国特許第6183814号明細書、米国特許第6197380号明細書参照)、吹付け塗布(例えば、米国特許第4117971号明細書、米国特許第4168676号明細書、米国特許第4180844号明細書、米国特許第4211339号明細書、米国特許第4283189号明細書、米国特許第5078313号明細書、米国特許第5281446号明細書、および米国特許第5456754号明細書参照)、ナイフ塗布、パドル塗布、エアナイフ塗布、印刷、ダールグレン(Dahlgren)、グラビアコーティング、粉体コーティング、吹付け塗布、または他の技術プロセスなど、当技術分野で公知のいずれかのプロセスによってポリマーから製造することができる。米国特許第3924013号明細書、米国特許第4147836号明細書、米国特許第4391833号明細書、米国特許第4595611号明細書、米国特許第4957578号明細書、米国特許第5942295号明細書、米国特許第3924013号明細書、米国特許第4836400号明細書、米国特許第5294483号明細書もまた参照されたい。
【0058】
コーティングは、≦2.5mm(100ミル)または≦0.25mm(10ミル)、または約0.025mm〜0.15mm(1ミル〜6ミル)の厚さ、または約0.50mm(20ミル)以上の厚さまでを含むいずれかの厚さであることができる。コーティングは当業者によく知られているため、その説明は簡略のために省略する。
【0059】
コーティングの基材としては、金属、ガラス、セラミックタイル、れんが、コンクリート、木材、石材(masonry)、繊維、革、フィルム、プラスチック、ポリスチレンフォーム、ポリマーフォーム、有機フォーム、無機フォーム、有機−無機フォーム、石(stone)、フォイル、金属箔、板紙、厚紙、ファイバーボード、セルロース、有機ポリマーなどの織物、金属箔、漂白または無漂白紙および板紙、不織布、およびかかる材料の複合材が挙げられる。
【0060】
コーティングプロセスを向上させるために、コロナ放電、化学処理、例えばプライマー、火炎処理、接着剤等の公知の従来の形成後の作業によって処理することができる。例えば、ポリエチレンイミンの水溶液(Adcote(登録商標)313)、またはスチレン−アクリルラテックスで基材を下塗りすることができ、あるいは、米国特許第4,957,578号明細書および米国特許第5,868,309号明細書に教示されているように、火炎処理することができる。
【0061】
にかわ、ゼラチン、カゼイン、デンプン、セルロースエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ(アルカノエート)、脂肪族−芳香族ポリエステル、スルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル、ポリアミドエステル、ロジン/ポリカプロラクトントリブロックコポリマー、ロジン/ポリ(エチレンアジペート)トリブロックコポリマー、ロジン/ポリ(エチレンスクシネート)トリブロックコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−co−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−co−プロピレン)、ポリ(エチレン−co−1−ブテン)、ポリ(エチレン−co−1−ペンテン)、ポリ(スチレン)、アクリル樹脂、Rhoplex(登録商標)N−1031(Rohm & Haas Companyからの市販のアクリルラテックス)等、およびその混合物などの接着剤で基材をコーティングすることができる。溶融プロセスによって、または溶液、エマルジョン、分散液等のコーティングプロセスによって、接着剤を塗布することができる。
【0062】
基材は、コーティング前に特定の物品に形成することができ、あるいは基材がコーティングされた後に特定の物品に形成することができる。
【0063】
ポリエーテルエステルを含有するフィルムは、熱成形、真空熱成形、真空ラミネーション、加圧ラミネーション、機械的ラミネーション、スキンパック、または接着ラミネーションによって、多種多様な基材上にラミネートすることができる。
【0064】
例えば、容器およびカートンとして使用されるコーティングまたはラミネートされた紙および板紙の基材を製造するプロセスは、当技術分野でよく知られている(例えば、米国特許第3,863,832号明細書、米国特許第3,866,816号明細書、米国特許第4,337,116号明細書、米国特許第4,456,164号明細書、米国特許第4,698,246号明細書、米国特許第4,701,360号明細書、米国特許第4,789,575号明細書、米国特許第4,806,399号明細書、米国特許第4,888,222号明細書、米国特許第5,002,833号明細書、米国特許第3,924,013号明細書、米国特許第4,130,234号明細書、米国特許第6,045,900号明細書および米国特許第6,309,736号明細書参照)。ポリエステル製ラミネート基材の目的の用途に応じて、基材の一方の面または両面がラミネートされる。
【0065】
ポリエーテルエステル組成物はさらに、シート状での用途が見出される。ポリマーシートは、例えば信号、窓ガラス、熱成形物品、ディスプレイおよびディスプレイ基材などの様々な用途を有する。ポリエーテルエステル中のカーボンブラック成分によって、シートが静電塗装された場合に、部分品(part)上に形成された電荷をシートが散逸することが可能となり、シート全体に塗料の均一なコーティングが形成される。これによって、部分品の表面全体にわたって色差なく、比較的大きなシートをむらなく塗装することが可能となる。ポリエーテルエステル組成物は、それに組み込まれる炭素充填量が低いため、望ましい物理的性質を維持しながら、静電塗装することができる。それから製造されるシートは、識別のためのレーザーマーキングに使用することができる。
【0066】
押出し成形、溶液流延、射出成形などの当技術分野で公知の方法によって、または重合溶融物から直接、シートを形成することができる。かかる方法は当業者によく知られているため、その説明は簡略のために省略する。このシートは、看板、窓ガラス(バス停の待合所、天窓、または娯楽用の乗り物などにおける)、ディスプレイ、自動車のライトを形成するために、かつ物品、カバー、天窓、温室窓ガラス、食品トレイ等の熱成形において使用することができる。シートは、上記で開示されるフィルムとして延伸することもできる。
【0067】
ディスクなどのシートまたはシート状物品は、当技術分野で公知の方法によって射出成形することにより形成することができる。
【0068】
シートとフィルムの違いは厚さであるが、フィルムがシートとなる場合に関しては、業界標準は設定されていない。シートは、厚さ>約0.25mm(10ミル)、約0.25mm〜25mm、約2mm〜約15mm、約3mm〜約10mmである。>25mmのシートおよび0.25よりも薄いシートを形成することができる。
【0069】
カーボンブラック含有ポリエーテルエステルは、特に綿および羊毛などの天然繊維と組み合わせて、生地において使用するのに望ましい繊維状で使用することができる。衣類、敷物、および他の品物をこれらの繊維から製造することができる。さらに、ポリエステル繊維は、その弾性および強度から、工業用途で使用するのに望ましい。特に、タイヤコードおよびローブなどの物品を製造するために使用される。
【0070】
カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを含有する繊維(「繊維」としては、連続モノフィラメント、撚り合わされていない、または絡み合わされていないマルチフィラメント糸、ステープルヤーン、紡績糸、溶融ブロー成形繊維、不織材料、および溶融ブロー成形不織材料が挙げられる)は、電気的性質;帯電防止性、静電散逸性または中程度の導電性、および導電性の全範囲を含む。繊維は、均一成分および二成分を含む多くの形態をとり得る。このポリエーテルエステルは、誘電性外装材によって覆われた導電性コアとしての役割を果たす。ポリエーテルエステルから製造される帯電防止繊維は、編物、パイル生地、織布、および不織布、ヘアブラシ、例えば紙製造用クロス、家禽用ベルト、包装運搬ベルト等のベルト材を含む、すべての種類の生地の最終用途において帯電防止保護を提供する。カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを含有する繊維は、カーペット構造に帯電防止保護を提供する。
【0071】
この繊維を他の合成または天然ポリマーと共に使用して、均一な繊維を形成することができ、それによって、向上した特性を有する繊維が得られ、あるいは有効量(ポリエーテルエステルを基準にして0.1〜10.0重量%など)の公知の加水分解安定化添加剤で安定化することができる。加水分解安定化添加剤は、カルボン酸末端基と化学的に反応し、カルボジイミドであることが好ましい。加水分解安定化添加剤は、ジアゾメタン、カルボジイミド、エポキシド、環状カーボネート、オキサゾリン、アジリジン、ケテンイミン、イソシアネート、アルコキシ末端キャップ化ポリアルキレングリコール等を含む。かかる添加剤の組み込みは、当業者にはよく知られている。
【0072】
カーボンブラック含有ポリエーテルエステルは、米国特許第3,051,212号明細書、米国特許第3,999,910号明細書、米国特許第4,024,698号明細書、米国特許第4,030,651号明細書、米国特許第4,072,457号明細書、および米国特許第4,072,663号明細書に開示されているような、当技術分野で公知の方法によってモノフィラメントに形成することができる。
【0073】
低いppmレベル(5〜25ppm(重量))では、カーボンブラックは、ソーダボトルなどの容器を製造する溶融ブロー成形での予備成形のための再加熱触媒としての役割を果たし得る。中間のレベル(0.05〜0.5重量%)では、カーボンブラックは、特定のポリエーテルエステル組成物の結晶化度を高める強力な核生成剤としての役割を果たし得る。
【0074】
カーボンブラック成分は、乾燥した、未精製のブラック(black)として、適切な液体中の、好ましくは上記のグリコール成分中のスラリーとして、または適切な液体中の、好ましくは上記のグリコール成分中の分散液として、本発明のプロセスに添加される。カーボンブラックは、好ましくは、上述のように製造される特定のポリエーテルエステル組成物中で使用されるグリコール中の脱凝集状態の分散液としてポリエステル重合プロセスに添加される。
【0075】
カーボンブラックは、乾燥した、未精製のブラックとして、上記のグリコールまたはポリ(アルキレンエーテル)グリコールなどの適切な液体中のスラリーとして、またはグリコールもしくはポリ(アルキレンエーテル)グリコールなどの適切な液体中の分散液としてプロセスに添加される。
【0076】
カーボンブラック分散液を調製するために、好ましいグリコール−カーボンブラックのスラリーをボールミル、Epenbauchミキサー、Kady高せん断ミル、サンドミル(例えば、3P Redheadサンドミル)、およびアトリション粉砕装置などの機械的分散装置を使用して、集中的な混合および粉砕にかけることができる。
【0077】
セラミックまたはステンレス鋼ボールを使用して、例えば、ボールミル粉砕プロセスを通してカーボンブラックをエチレングリコールなどのグリコールに添加し、所望の分散液を調製するのに必要な時間、ボールミルを回転させることによって、カーボンブラック分散液を調製することができる。一般に、この時間は、0.5〜50時間である。分散液をさらに遠心して、カーボンブラックの大きな粒子、または所望の場合には粉砕媒体を取り除くことができる。
【0078】
グリコール中に分散されるカーボンブラックの量は、分散されるカーボンブラックの正確な構造および性質に応じて異なり、グリコール中に均一に分散される量である。
【0079】
グリコールによる炭素粒子の湿潤を高めるため、かつ安定な分散液の形成の維持を助けるために、所望の場合には、カーボンブラック成分中に分散剤を組み込むことができる。安定な分散剤の例としては、ポリビニルピロリドン、エポキシ化ポリブタジエン、スルホン化ナフタレンのナトリウム塩、および脂肪酸が挙げられる。分散剤のレベルは、分散液全体(カーボンブラック、分散剤、およびグリコール)を基準にして約0.1〜8重量%の範囲である。
【0080】
カーボンブラック成分は、ポリエーテルエステルの前に、ポリエーテルエステル重合のいずれかの段階で添加され、約0.20dL/gを超えるIVを達成するか、あるいは、ジカルボン酸、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール、またはグリコールなどと共にモノマー段階で添加されるか、またはビス(グリコレート)から約10以下の重合度(DP)を有するポリエーテルエステルオリゴマーにおよぶ、初期(トランス)エステル化生成物(予備凝縮物)に添加されるか、あるいはグリコールと共に、または初期(トランス)エステル化生成物に添加される。
【0081】
ポリエーテルエステル組成物は、公知の従来の重縮合技術によって製造することができる。例えば、生成された際に塩酸を中和するピリジンなどの塩基の存在下で、トルエンなどの溶媒中でジカルボン酸の酸塩化物をグリコールおよびポリ(アルキレンエーテル)グリコールと合わせる。かかる手順は公知である。例えば、R.Storbeck,et.al.,in J.Appl.Polymer Science,Vol.59,pp.1199−1202(1996)を参照のこと。
【0082】
ポリマーが酸塩化物を使用して製造される場合には、生成物ポリマーにおけるモノマー単位の比は、反応するモノマーの比とおよそ同じである。したがって、反応器に装入されるモノマーの比は、生成物における所望の比とおよそ同じである。高分子量ポリマーを得るために、グリコールと、ポリ(アルキレンエーテル)グリコールと、ジカルボン酸との合計の理論当量が一般に用いられる。
【0083】
ポリエーテルエステルは、溶融重合法によって製造することができ、その方法では、触媒の存在下で、モノマーが結合してエステルおよびジエステル、次いでオリゴマー、最終的にポリマーが形成するのに十分に高い温度に、ジカルボン酸(酸、エステル、ビスグリコレートまたはその混合物としての)、グリコール、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール、カーボンブラック、および任意の多官能性分岐剤を混合する。重合プロセスの終わりでのポリマー生成物は、溶融生成物であり、重合が進行するにしたがって、グリコール成分が反応器から蒸留される。かかる手順は一般に、当技術分野の教示において知られている。
【0084】
グリコール成分、ポリ(アルキレンエーテル)グリコール成分、ジカルボン酸成分、カーボンブラック成分、および任意の分岐剤の量は、最終生成物が上述の種々のモノマー単位の所望の量を含有するように選択されることが望ましい。以下の範囲などの、特定の反応器に装入されるモノマーの正確な量は、当業者によって容易に決定される。望ましくは、過剰量のジカルボン酸およびグリコールが装入されることが多く、余分なジカルボン酸およびグリコールは望ましくは、重合反応が進行するにしたがって、蒸留によって、または蒸発の他の手段によって除去される。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、および1,4−ブタンジオールなどの好ましいグリコール成分は、最終ポリマーにおける望ましい組み込みレベルよりも10〜100%高いレベルで装入されることが望ましい。例えば、エチレングリコールは、最終ポリマーにおける望ましい組み込みレベルよりも40〜100%高いレベルで装入され、1,3−プロパンジオールおよび1,4−ブタンジオールは、最終ポリマーにおける望ましい組み込みレベルよりも20〜70%高いレベルで装入される。他のグリコール成分は望ましくは、他のグリコール成分の正確な揮発性に応じて、最終生成物における望ましい組み込みレベルよりも0〜100%高いレベルで装入される。
【0085】
重合中のモノマー損失が変動するため、蒸留カラムおよび他の種類の回収および再循環システムの効率等に応じて、モノマーについて示される範囲は広く、単に近似値である。特定の組成物を得るために、特定の反応器に装入されるモノマーの正確な量は、当業者によって容易に決定される。
【0086】
重合は、任意に触媒または触媒混合物を混合しながら徐々に、モノマーとカーボンブラックを含む混合物を約200℃〜約330℃、望ましくは220℃〜295℃の範囲の温度に加熱することを含む。正確な条件および触媒は、ジカルボン酸成分が、真の酸として、ジメチルエステルとして、またはビスクリコレートとして重合されるかどうかに依存する。触媒は最初に、反応物中に含ませてもよいし、かつ/または加熱されるにしたがって混合物に1回または複数回で添加してもよい。使用される触媒は、反応が進行するにしたがって変性される。一般に余分な反応物を蒸留することによって除去しながら、二次加工品を製造するのに適するように十分に高い分子量を有する溶融ポリマーを得るのに十分な時間および十分な温度で加熱および攪拌が続けられる。
【0087】
触媒としては、すべてのポリエステル重縮合触媒、例えば酢酸塩などのLi、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、Ge、およびTiの塩、酸化物、例えばグリコール付加物、およびTiアルコキシドが挙げられる。これらは一般に、当技術分野で公知であり、その説明は簡略のために省略する。
【0088】
所望の物理的性質としては、分子量の指標である、少なくとも≧0.25dL/gまたは≧0.35dL/gまたは≧0.5dL/gのインヘレント粘度(IV)が挙げられ、その粘度はトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン溶媒システムの50:50(重量)溶液中のポリエステルの0.5%(重量/体積)溶液で測定される。フィルム、ボトル、シート、成形用樹脂等の他の用途には、より高いインヘレント粘度が望ましい。少なくとも約0.5dL/gまで、望ましくは>0.65dL/gの所望のIVが得られるように、重合条件が調節される。ポリエーテルエステルをさらに処理することによって、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0dL/gおよびさらにそれ以上のインヘレント粘度を達成することができる。
【0089】
分子量は通常、直接測定されない。その代わりに、溶解状態のポリマーのIVまたは溶融粘度を分子量の指標として使用する。IVは、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)等のポリマーファミリー内の試料の比較のための分子量の指標であり、本明細書において分子量の指標として使用される。さらに高いIV(分子量)を達成するために、固相重合が用いられる。
【0090】
押出し、冷却、ペレット化の後に溶融重合によって製造された生成物は、本質的に非晶質である。非晶質材料は、ガラス転移温度を超える温度にそれを長時間加熱することによって半結晶性にすることができる。これによって結晶化が誘導され、その結果、次いで生成物をより高い温度に加熱して、分子量を高くすることができる。
【0091】
結晶化を誘導する、ポリエーテルエステルに対して相対的に溶解度が低い溶媒で処理することによって、固相重合前にポリマーを結晶化することができる。かかる溶媒によってガラス転移温度(Tg)が下がり、結晶化が可能となる。例えば、米国特許第5,164,478号明細書および米国特許第3,684,766号明細書を参照のこと。
【0092】
しばしばポリマーの融解温度未満である高温で、不活性ガス、通常窒素のストリーム中に、または1トルの真空下に、ペレット化または微粉砕ポリマーを長時間置くことによって、半結晶性ポリマーを固相重合にかけることができる。
【0093】
カーボンブラック成分は、乾燥した、未精製のブラックとして、適切な液体中の、好ましくは上記のグリコール成分中のスラリーとして、または適切な液体中の、好ましくは上記のグリコール成分中の分散液としてプロセスに添加される。
【0094】
本発明のプロセスによって生成されたポリエーテルエステル組成物には、上記の添加剤、可塑剤、充填剤、または他のブレンド材料が組み込まれる。生成されたポリエーテルエステルは、上述のように、成形品、フィルム、シート、繊維、モノフィラメント、不織布構造、溶融ブロー成形容器、コーティング、ラミネート等の成形物品に形成することができる。
【実施例】
【0095】
実施例および比較例
試験法
示差走査熱量測定(DSC)をTA Instruments型番2920装置で行った。試料を窒素雰囲気下にて20℃/分で300℃に加熱し、速度20℃/分で冷却して室温に戻すように設定し、次いで、速度20℃/分で300℃に再加熱した。以下に示す、観察された試料のガラス転移温度(Tg)および結晶融解温度(Tm)は、第2の加熱から得られた温度である。
【0096】
“Preparative Methods of Polymer Chemistry”,W.R.Sorenson and T.W.Campbell,1961,p.35に定義されるIVは、50:50重量%のトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン酸溶媒システム100mlにつき0.5gの濃度で、室温にてGoodyear R−103B法によって決定された。
【0097】
実験室相対粘度(LRV)は、硫酸80ppmを含有するヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)10mlに溶解されたポリエステル試料0.6gの溶液の粘度と、硫酸含有ヘキサフルオロイソプロパノール自体の粘度との比であり、どちらの粘度も毛管粘度計で25℃で測定された。LRVは、数値的にIVに関連する。この関係を用いた場合には、「IV計算値」という用語を記した。
【0098】
表面抵抗率は、記載の組成物の溶融加圧フィルム(melt pressed film)について、試験電圧10VにてT Rex型番152CE抵抗計(TRek,Inc.)を使用して測定された。この抵抗計では、試料を103Ω/スクエアまでのみ試験した。103Ω/スクエアで測定された測定値は、103Ω/スクエア未満の表面抵抗率を有した。
【0099】
実施例1
250mlガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(65.87g)、1,4−ブタンジオール(39.74g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(74.63g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(0.75g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1174g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物17.3gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.2時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物7.1gをさらに回収し、固体生成物127.0gを回収した。
【0100】
上述のように試料のLRVを測定し、試料がLRV44.33を有することが見出され、IV1.05dL/gを有すると計算された。
【0101】
試料を示差DSC分析にかけた。第1熱サイクル後の設定された冷却で、174.3℃での開始および168.2℃(27.2J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、198.4℃(24.8J/g)で認められた。
【0102】
表面抵抗率は、1.54×1012Ω/スクエアであった。
【0103】
実施例2
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(65.54g)、1,4−ブタンジオール(39.54g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(74.25g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(1.50g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1220g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で1.0時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を255℃に0.8時間にわたって加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.8時間攪拌した。無色の留出物12.8gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.3時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物8.1gをさらに回収し、固体生成物97.0gを回収した。
【0104】
試料は、LRV20.16およびIV0.61dL/gを有した。
【0105】
DSC分析によって、第1熱サイクル後の設定された冷却で、173.6℃での開始および168.0℃(23.8J/g)でのピークを有する再結晶化温度が示された。結晶質Tmは、197.7℃(17.9J/g)で認められた。
【0106】
実施例3
ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(165.45g)、ポリ(エチレングリコール)(22.05g、平均分子量=1500)、エチレングリコール中のKetjenblack(登録商標)EC 600 JD1.0重量%のボールミル粉砕された分散液(227.3g、Solution Dispersions,Inc.からAquablak(登録商標)6025として提供されている)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を500mLガラスフラスコに添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.6時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を1.1時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物244.4gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物18.9gをさらに回収し、固体生成物136.7gを回収した。
【0107】
試料は、LRV17.63およびIV0.56dL/gを有した。
【0108】
DSC分析によって、第1熱サイクル後の設定された冷却で、196.3℃での開始および191.0℃(32.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が示された。結晶質Tmは、232.5℃(32.5J/g)で認められた。
【0109】
表面抵抗率は、3.93×105Ω/スクエアであった。
【0110】
実施例4
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(65.21g)、1,4−ブタンジオール(39.34g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(73.88g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(2.25g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1188g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.3時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物17.3gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物7.3gをさらに回収し、固体生成物134.4gを回収した。
【0111】
試料は、LRV23.21およびIV0.67dL/gを有した。
【0112】
DSC分析によって、第1熱サイクル後の設定された冷却で、173.7℃での開始および168.0℃(28.4J/g)でのピークを有する再結晶化温度が見出されることが示された。結晶質Tmは、197.5℃(30.8J/g)で認められた。
【0113】
実施例5
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(105.07g)、ジメチルイソフタレート(11.77g)、1,4−ブタンジオール(73.00g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(14.93g、平均分子量1000)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1580g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で1.0時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.7時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、攪拌しながら、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。窒素でわずかにパージしながら、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物26.5gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.2時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物8.8gをさらに回収し、固体生成物127.6gを回収した。
【0114】
試料は、LRV24.40およびIV0.69dL/gを有した。
【0115】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、176.6℃での開始および173.1℃(40.4J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。Tmは、205.9℃(35.8J/g)で認められた。
【0116】
表面抵抗率は、1.15×104Ω/スクエアであった。
【0117】
実施例6
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(170.82g)、ポリ(エチレングリコール)(18.00g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.00g)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0676g)および三酸化アンチモン(III)(0.0540g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、攪拌しながら、反応混合物を0.6時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で1.1時間攪拌した。無色の留出物22.6gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物17.4gをさらに回収し、固体生成物132.3gを回収した。
【0118】
試料は、LRV13.88およびIV0.50dL/gを有した。
【0119】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、210.3℃での開始および205.5℃(36.5J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。Tmは、247.0℃(37.6J/g)で認められた。
【0120】
表面抵抗率は、6.17×103Ω/スクエアであった。
【0121】
実施例7
500mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(170.82g)、ポリ(エチレングリコール)(18.00g、平均分子量=1500)、エチレングリコール中のKetjenblack(登録商標)EC 600 JD2.9重量%とポリビニルピロリドン0.7重量%とのボールミル粉砕された分散液(103.45g、Solution Dispersions,Inc.からAquablak(登録商標)6026として提供されている)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.7時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、攪拌しながら、反応混合物を0.9時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物127.6gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.9時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物16.3gをさらに回収し、固体生成物133.8gを回収した。
【0122】
試料は、LRV13.12およびIV0.48dL/gを有した。
【0123】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、204.5℃での開始および200.2℃(39.2J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、240.8℃(41.8J/g)で認められた。
【0124】
表面抵抗率は、3.94×104Ω/スクエアであった。
【0125】
実施例8
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(165.45g)、ポリ(エチレングリコール)(22.05g、平均分子量1500)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.00g)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.9時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.8時間攪拌した。無色の留出物27.3gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.4時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物15.8gをさらに回収し、固体生成物137.5gを回収した。
【0126】
試料は、LRV10.70およびIV0.44dL/gを有した。
【0127】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、205.9℃での開始および201℃(36.5J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、247.4℃(38.5J/g)で認められた。
【0128】
実施例9
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(64.88g)、1,4−ブタンジオール(39.14g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(73.50g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1175g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物17.7gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物6.7gをさらに回収し、固体生成物131.1gを回収した。
【0129】
試料は、LRV17.83およびIV0.57dL/gを有した。
【0130】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、173.3℃での開始および168.2℃(28.5J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、197.7℃で認められた(32.7J/g)。
【0131】
実施例10
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(64.55g)、1,4−ブタンジオール(38.94g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(73.13g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.75g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1172g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.5時間攪拌した。無色の留出物18.0gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.0時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物5.7gをさらに回収し、固体生成物134.5gを回収した。
【0132】
試料は、LRV17.16およびIV0.56dL/gを有した。
【0133】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、174.1℃での開始および169.4℃(29.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、197.5℃(28.7J/g)で認められた。
【0134】
表面抵抗率は、3.80×104Ω/スクエアであった。
【0135】
実施例11
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(48.00g)、1,3−プロパンジオール(19.00g)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(59.00g、平均分子量1100、ポリ(エチレングリコール)10重量%、CAS番号9003−11−6)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1250g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.9時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.3時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物0.9gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物0.7gをさらに回収し、固体生成物88.9gを回収した。
【0136】
試料は、LRV15.66およびIV0.53dL/gを有した。
【0137】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、158.8℃での開始および143.7℃(16.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、207.6℃(15.0J/g)で認められた。
【0138】
表面抵抗率は、3.15×103Ω/スクエアであった。
【0139】
実施例12
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(64.22g)、1,4−ブタンジオール(38.74g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.75g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(4.50g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1188g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物16.8gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物5.6gをさらに回収し、固体生成物133.9gを回収した。
【0140】
試料は、LRV16.78およびIV0.55dL/gを有した。
【0141】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、173.5℃での開始および168.9℃(27.5J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、196.7℃(32.9J/g)で認められた。
【0142】
表面抵抗率は、3.75×103Ω/スクエアであった。
【0143】
実施例13
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(82.10g)、ジメチルイソフタレート(4.32g)、1,3−プロパンジオール(44.03g)、ポリ(エチレングリコール)(4.83g、平均分子量3400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(3.50g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1179g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物18.4gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.3時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物2.7gをさらに回収し、固体生成物88.9gを回収した。
【0144】
試料は、LRV13.48およびIV0.49dL/gを有した。
【0145】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、177.9℃での開始および168.2℃(49.6J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、226.3℃(41.0J/g)で認められた。
【0146】
表面抵抗率は、1.88×103Ω/スクエアであった。
【0147】
実施例14
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(63.92g)、1,4−ブタンジオール(38.58g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.48g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(5.40g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1280g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.7時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.3時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物13.5gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて0.8時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物4.5gをさらに回収し、固体生成物122.9gを回収した。
【0148】
試料は、LRV32.07およびIV0.83dL/gを有した。
【0149】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、170.7℃での開始および164.8℃(21.3J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、195.4℃(15.8J/g)で認められた。
【0150】
表面抵抗率は、4.20×103Ω/スクエアであった。
【0151】
実施例15
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(42.48g)、1,4−ブタンジオール(19.27g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(109.00g、平均分子量2000)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(5.25g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1320g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.7時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.8時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、攪拌しながら、反応混合物を0.2時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物6.5gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて0.8時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。固体生成物120.5gを回収した。
【0152】
試料は、LRV48.56およびIV1.12dL/gを有した。
【0153】
DSC分析。結晶質Tmは、認められなかった。
【0154】
表面抵抗率は、9.52×104Ω/スクエアであった。
【0155】
比較例CE1
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(63.56g)、1,4−ブタンジオール(38.40g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.34g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(6.12g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1930g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合攪拌し、0.4時間にわたって222℃に加熱した。222℃に達した後、得られた反応混合物は非常に濃厚であることが確認され、スターラーの周りに巻き付いていた。動いている物質は認められなかった。この時点で反応を停止した。
【0156】
実施例16
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(162.87g)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(22.50g、平均分子量2000、エチレングリコール10重量%、CAS番号9003−11−6)、Printex(登録商標)XE−2カーボンブラック(4.50g)、酢酸マンガン(II)4水和物、(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.6時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を1.1時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物28.2gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物14.2gをさらに回収し、固体生成物139.8gを回収した。
【0157】
試料は、LRV7.61およびIV0.38dL/gを有した。
【0158】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、211.8℃での開始および207.9℃(37.0J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、243.4℃(34.6J/g)で認められた。
【0159】
表面抵抗率は、9.47×104Ω/スクエアであった。
【0160】
実施例17
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(162.87g)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(22.50g、平均分子量2000、エチレングリコール10重量%、CAS番号9003−11−6)、Printex(登録商標)XE−2カーボンブラック5.88重量%とポリビニルピロリドン0.7重量%とのボールミル粉砕された分散液(76.53g、Solution Dispersions CompanyからAquablak(登録商標)6024として供給されている)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、攪拌しながら、反応混合物を0.8時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物100.0gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.3時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物13.5gをさらに回収し、固体生成物134.2gを回収した。
【0161】
試料は、LRV8.66およびIV0.40dL/gを有した。
【0162】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、210.7℃での開始および206.8℃(43.0J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、242.3℃(43.4J/g)で認められた。
【0163】
表面抵抗率は、6.96×104Ω/スクエアであった。
【0164】
実施例18
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(64.00g)、1,4−ブタンジオール(38.34g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.00g、平均分子量2000)、Printex(登録商標)XE−2カーボンブラック(6.15g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.130g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.3時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.6時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物13.1gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて0.9時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物1.3gをさらに回収し、固体生成物120.0gを回収した。
【0165】
試料は、LRV22.24およびIV0.65dL/gを有した。
【0166】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、189.3℃での開始および185.5℃(17.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、207.4℃(15.4J/g)で認められた。
【0167】
表面抵抗率は、7.52×103Ω/スクエアであった。
【0168】
実施例19
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(47.00g)、1,3−プロパンジオール(19.00g)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(59.00g、平均分子量1100、CAS番号9003−11−6)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(2.50g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1350g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.7時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.8時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.9時間攪拌した。無色の留出物4.4gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.2時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物0.4gをさらに回収し、固体生成物90.6gを回収した。
【0169】
試料は、LRV26.36およびIV0.73dL/gを有した。
【0170】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、157.2℃での開始および143.6℃(19.3J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、204.2℃で認められた(17.8J/g)。
【0171】
表面抵抗率は、2.99×106Ω/スクエアであった。
【0172】
実施例20
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(64.22g)、1,4−ブタンジオール(38.74g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.75g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(4.50g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1175g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.5時間攪拌した。無色の留出物16.6gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.7時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物8.0gをさらに回収し、固体生成物131.1gを回収した。
【0173】
試料は、LRV19.22およびIV0.59dL/gを有した。
【0174】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、173.9℃での開始および168.0℃(28.7J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、197.5℃(28.2J/g)で認められた。
【0175】
表面抵抗率は、2.55×104Ω/スクエアであった。
【0176】
実施例21
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(42.00g)、1,4−ブタンジオール(19.27g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(108.56g、平均分子量2000)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(5.25g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1390g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.1時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.3時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物4.9gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.3時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。固体生成物137.6gを回収した。
【0177】
試料は、LRV49.27およびIV1.14dL/gを有した。
【0178】
DSC分析。結晶質Tmは確認されなかった。
【0179】
表面抵抗率は、1.06×106Ω/スクエアであった。
【0180】
実施例22
500mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(166.85g)、ポリ(エチレングリコール)(18.00g、平均分子量=1500)、エチレングリコール中のKetjenblack(登録商標)EC 300 J8.0重量%とポリビニルピロリドン0.7重量%とのボールミル粉砕された分散液(75.00g、Solution Dispersions,Inc.からAquablak(登録商標)6071として提供されている)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌しながら0.7時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物95.4gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物14.0gをさらに回収し、固体生成物130.8gを回収した。
【0181】
試料は、LRV20.76およびIV0.62dL/gを有した。
【0182】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、206.2℃での開始および200.9℃(38.6J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、242.1℃(40.1J/g)で認められた。
【0183】
表面抵抗率は、1.90×105Ω/スクエアであった。
【0184】
実施例23
500mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(166.85g)、ポリ(エチレングリコール)(18.00g、平均分子量=1500)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(6.00g)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌しながら0.9時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.8時間攪拌した。無色の留出物25.5gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物14.1gをさらに回収し、固体生成物135.0gを回収した。
【0185】
試料は、LRV9.76およびIV0.42dL/gを有した。
【0186】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、208.9℃での開始および203.6℃(38.6J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、247.0℃で認められた(57.3J/g)。
【0187】
表面抵抗率は、1.35×104Ω/スクエアであった。
【0188】
実施例24
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(63.55g)、1,4−ブタンジオール(38.34g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(72.00g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(6.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1176g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物15.5gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.1時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物9.2gをさらに回収し、固体生成物132.8gを回収した。
【0189】
試料は、LRV13.66およびIV0.49dL/gを有した。
【0190】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、175.4℃での開始および170.1℃(26.8J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、199.8℃で認められた(27.4J/g)。
【0191】
表面抵抗率は、8.00×103Ω/スクエアであった。
【0192】
実施例25
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(61.24g)、1,4−ブタンジオール(36.94g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(69.38g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(11.25g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1207g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物15.2gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.9時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物6.7gをさらに回収し、固体生成物126.7gを回収した。
【0193】
試料は、LRV16.30およびIV0.54dL/gを有した。
【0194】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、172.7℃での開始および167.0℃(24.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、196.7℃で認められた(32.6J/g)。
【0195】
表面抵抗率は、1.45×103Ω/スクエアであり、1.00×103Ω/スクエア未満までの範囲であった。
【0196】
実施例26
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(59.58g)、1,4−ブタンジオール(35.95g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(67.50g、平均分子量1400)、Ketjenblack(登録商標)EC 300 J(15.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1188g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物攪拌しながら、0.9時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物14.7gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物6.6gをさらに回収し、固体生成物129.3gを回収した。
【0197】
試料は、LRV28.80およびIV0.77dL/gを有した。
【0198】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、172.6℃での開始および168.0℃(22.6J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、193.9℃で認められた(20.3J/g)。
【0199】
表面抵抗率は、1.0×103Ω/スクエア未満であった。
【0200】
実施例27
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(177.00g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(7.50g、平均分子量=2000)、Vulcan(登録商標)XC−72カーボンブラック(9.00g)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0681g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0541g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌しながら、0.6時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物27.0gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.4時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物15.5gをさらに回収し、固体生成物142.4gを回収した。
【0201】
試料は、LRV15.06およびIV0.52dL/gを有した。
【0202】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、211.3℃での開始および207.6℃(39.7J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、247.2℃で認められた(35.0J/g)。
【0203】
表面抵抗率は、3.12×105Ω/スクエアであった。
【0204】
実施例28
500mLガラスフラスコ、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(176.78g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(7.50g、平均分子量=2000)、エチレングリコール中のVulcan(登録商標)XC−72 10.88重量%とポリビニルピロリドン0.7重量%とのボールミル粉砕された分散液(82.72g、Solution Dispersions,Inc.からAquablak(登録商標)6027として提供されている)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0669g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0539g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.6時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌しながら、1.1時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.7時間攪拌した。無色の留出物84.2gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.6時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物15.8gをさらに回収し、固体生成物137.7gを回収した。
【0205】
試料は、LRV17.17およびIV0.56dL/gを有した。
【0206】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、199.4℃での開始および194.6℃(40.6J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、240.4℃で認められた(37.3J/g)。
【0207】
表面抵抗率は、2.75×107Ω/スクエアであった。
【0208】
実施例29
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(44.91g)、1,3−プロパンジオール(17.87g)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)(55.80g、平均分子量1100、CAS番号9003−11−6)、Vulcan(登録商標)XC−72(7.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1198g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.4時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物7.1gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.0時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物1.0gをさらに回収し、固体生成物95.2gを回収した。
【0209】
試料は、LRV22.37およびIV0.65dL/gを有した。
【0210】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、126.1℃での開始および112.5℃(19.7J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、176.5℃で認められた(16.6J/g)。
【0211】
表面抵抗率は、1.90×105Ω/スクエアであった。
【0212】
実施例30
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(61.00g)、1,4−ブタンジオール(37.00g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(70.00g、平均分子量1400)、Vulcan(登録商標)XC−72カーボンブラック(11.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.120g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.4時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で1.3時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.4時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.5時間攪拌した。無色の留出物13.9gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて1.3時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物4.9gをさらに回収し、固体生成物118.6gを回収した。
【0213】
試料は、LRV17.48およびIV0.56dL/gを有した。
【0214】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、166.7℃での開始および161.9℃(24.2J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、192.6℃(24.4J/g)で認められた。
【0215】
表面抵抗率は、6.19×105Ω/スクエアであった。
【0216】
実施例31
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(78.27g)、ジメチルイソフタレート(4.12g)、1,3−プロパンジオール(41.97g)、ポリ(エチレングリコール)(4.60g、平均分子量3400)、Vulcan(登録商標)XC−72(8.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1171g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.2時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.5時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.6時間攪拌した。無色の留出物18.6gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.7時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物4.3gをさらに回収し、固体生成物89.7gを回収した。
【0217】
試料は、LRV26.57およびIV0.73dL/gを有した。
【0218】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、152.9℃での開始および141.5℃(42.4J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、222.1℃で認められた(39.4J/g)。
【0219】
表面抵抗率は、7.45×105Ω/スクエアであった。
【0220】
実施例32
250mLガラスフラスコに、ジメチルテレフタレート(59.58g)、1,4−ブタンジオール(35.95g)、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール(67.50g、平均分子量1400)、Vulcan(登録商標)XC−72(15.00g)、およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.1206g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって190℃に加熱した。190℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を190℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.3時間にわたって200℃に加熱した。200℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を200℃で0.6時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.6時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.5時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.3時間にわたって255℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を255℃で0.8時間攪拌した。無色の留出物17.9gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、255℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて2.0時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物6.5gをさらに回収し、固体生成物106.2gを回収した。
【0221】
試料は、LRV25.63およびIV0.71dL/gを有した。
【0222】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、166.0℃での開始および161.6℃(25.3J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、191.5℃で認められた(27.6J/g)。
【0223】
実施例33
250mLガラスフラスコに、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(113.22g)、ポリ(エチレングリコール)(12.00g、平均分子量=1500)、エチレングリコール中のKetjenblack(登録商標)EC 300 J8.0重量%とポリビニルピロリドン0.7重量%とのボールミル粉砕された分散液(25.00g、Solution Dispersions,Inc.からAquablak(登録商標)6071として提供されている)、Ketjenblack(登録商標)EC 600 JD(0.50g)、酢酸マンガン(II)4水和物(0.0446g)、および三酸化アンチモン(III)(0.0359g)を添加した。ゆっくりとした窒素パージ下にて反応混合物を攪拌し、180℃に加熱した。180℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を180℃で0.5時間攪拌した。次いで、ゆっくりとした窒素パージ下にて、反応混合物を攪拌し、0.5時間にわたって225℃に加熱した。225℃に達した後、ゆっくりとした窒素パージ下にて、得られた反応混合物を225℃で0.6時間攪拌した。ゆっくりとした窒素パージ下にて攪拌しながら、反応混合物を0.9時間にわたって295℃に加熱した。わずかな窒素パージ下にて、得られた反応混合物を295℃で0.5時間攪拌した。無色の留出物40.2gをこの加熱サイクルにわたって回収した。次いで、295℃で攪拌しながら、反応混合物を段階的に完全真空にした。得られた反応混合物を完全真空(100ミリトル未満の圧力)下にて3.5時間攪拌した。次いで、窒素と共に真空を開放し、反応物を室温に冷却した。留出物12.7gをさらに回収し、固体生成物90.4gを回収した。
【0224】
試料は、LRV18.10およびIV0.57dL/gを有した。
【0225】
DSC分析。第1熱サイクル後の設定された冷却で、298.1℃での開始および203.3℃(39.9J/g)でのピークを有する再結晶化温度が明らかとなった。結晶質Tmは、244.3℃(38.9J/g)で認められた。
【0226】
表面抵抗率は、5.15×104Ω/スクエアであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンブラックがDBP>約420cc/100gを有する場合には、カーボンブラック≦約3.5重量%、またはカーボンブラックがDBP約220cc/100g〜約420cc/100gまたは約150cc/100g〜約210cc/100gを有する場合には、カーボンブラック≦約15重量%を含むカーボンブラック含有ポリエーテルエステルを含む組成物であって、前記カーボンブラックが、ASTM D3037−81による窒素吸着表面積測定値>700m2/gを有し、かつ前記DBPが、ASTM D2414−93によって測定されたジブチルフタレート油吸着量である、前記組成物。
【請求項2】
前記カーボンブラックが、DBP>約420cc/100gまたは480〜520cc/100gを有し、かつ約0.5〜約3.5または約1〜約3.5重量%の範囲でカーボンブラック含有ポリエーテルエステル中に存在し;前記カーボンブラックが好ましくは、窒素吸着1250〜1270m2/gを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記カーボンブラックが、DBP約220cc/100g〜約420cc/100gを有し、かつ約1〜約10または約2〜約10重量%の範囲でカーボンブラック含有ポリエーテルエステル中に存在し;前記カーボンブラックが任意に、脱凝集されており;好ましくは前記カーボンブラックが、(1)DBP350〜385cc/100gおよび窒素吸着約800m2/g、(2)DBP330cc/100gおよび窒素吸着約1475〜約1635m2/g、(3)DBP380〜400cc/100gおよび窒素吸着約1300m2/g、または(4)(1)、(2)、および(3)のうちの2つ以上の組み合わせを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記カーボンブラックが、DBP約150cc/100g〜約210cc/100gを有し、かつ約2〜約12.5重量%または約6〜約10重量%の範囲でカーボンブラック含有ポリエーテルエステル中に存在し;前記カーボンブラックが任意に、脱凝集されており;好ましくは前記カーボンブラックが、(1)DBP約170cc/100gおよび窒素吸着約250m2/g、(2)DBP約78cc/100g〜約192cc/100gおよび窒素吸着約245m2/g、または(3)(1)と(2)の組み合わせを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カーボンブラックが、第1カーボンブラック、第2カーボンブラック、第3カーボンブラックのうちの2つ以上の組み合わせであり;前記第1カーボンブラックが、DBP>約420cc/100gを有するカーボンブラック約0.1〜約3.5、約0.5〜約3、または約0.5〜約2重量%で存在し;第2カーボンブラックが、DBP約220cc/100g〜約420cc/100gを有するカーボンブラック約0.1〜約10、約0.5〜約7.5、または約0.5〜約5重量%で存在し;前記第3カーボンブラックが、DBP約150cc/100g〜約210cc/100gを有するカーボンブラック約1〜約12.5、約2〜約10、または約2〜約7.5重量%で存在し;好ましくは、前記第2カーボンブラック、前記第3カーボンブラック、またはその両方が脱凝集されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物または前記カーボンブラック含有ポリエーテルエステルがさらに、最終組成物の全重量を基準にして、補強剤約1〜約40重量%、または強化剤約1〜約30重量%、またはその両方を含み;前記補強剤が、ガラス繊維、天然繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、金属繊維、ステンレス鋼繊維、再生紙繊維、またはその2つ以上の組み合わせを含み;前記強化剤が、ゴムを含む、請求項1、2、3、または4に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物または前記カーボンブラック含有ポリエーテルエステルがさらに、補強剤、ゴムを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項8】
組成物を含むか、または組成物から製造される成形物品であって、前記物品が、モノフィラメント、繊維、生地、フィルム、シート、成形品、発泡体、基材上のポリマー溶融押出しコーティング、基材上のポリマー溶液コーティング、ラミネート、容器、ブロー成形ボトル、またはその2つ以上の組み合わせであり、かつ前記組成物が、請求項1、2、3、4、5、6、または7に記載のとおりである、成形物品。
【請求項9】
任意に補強剤または強化剤の存在下で、混合物をカーボンブラックと接触させることを含む方法であって、前記混合物が、少なくとも1種類のジカルボン酸、少なくとも1種類のグリコール、および少なくとも1種類のポリ(アルキレンエーテル)グリコールを含み;前記カーボンブラックが、請求項1、2、3、4、5、6、または7に記載のとおりであり、かつ前記補強剤および前記強化剤がそれぞれ、請求項6または7に記載の記載のとおりである、方法。
【請求項10】
前記接触によって、カーボンブラック含有ポリエーテルエステルが生成され、前記方法がさらに、カーボンブラック含有ポリエーテルエステルを回収することを含む、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2008−503612(P2008−503612A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516721(P2007−516721)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/021245
【国際公開番号】WO2006/009762
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】