説明

ガスクラスターイオンビームを用いて系統的な不均一性を補正する装置及び方法

ガスクラスターイオンビーム(202)を用いて系統的な不均一性を補正するための装置及び方法の実施例が一般的に本書で記載される。他の実施例は、記載され且つクレームされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野は、一般的に、半導体集積回路の製造の分野に関連し、より具体的で且つ非排他的には、ガスクラスターイオンビームを用いた系統的な不均一性の補正に関連する。
【背景技術】
【0002】
ガスクラスターイオンビーム(GCIB)は、薄いフィルムをエッチングし、洗浄し、平滑化し、また、形成するために用いられる。この考察の目的のため、ガスクラスター群は、標準温度及び標準圧力の条件の下でガス状となる物質のナノサイズの凝集体群である。そのようなガスクラスター群は、数個から数千個、或いはそれ以上の、緩く結合した分子を含む凝集体群を含み得る。それらガスクラスター群は、電子衝撃によってイオン化されることが可能で、そのことは、それらガスクラスター群が、制御可能なエネルギーを持つ方向付けられたビーム群を形成するのを可能にする。そのようなクラスターイオン群のそれぞれは、典型的には、電子電荷の大きさとそのクラスターイオンの荷電状態を表す値以上の整数との積で与えられる正電荷を帯びている。
【0003】
より大きなサイズのクラスターイオン群は、クラスターイオン毎にかなりのエネルギーを持ち運ぶという能力と、その一方で、個々の分子毎に僅かなエネルギーしか持っていないという点で、しばしば最も有用であるとされる。それらイオンクラスター群は、ワークピースとの衝突で分解する。特定の分解したイオンクラスターにおける個々の分子のそれぞれは、総クラスターエネルギーのうちのほんのわずかなものしか持っていない。結果として、大きなイオンクラスターの衝撃効果はかなりのものであるが、極めて浅い表面領域に限定される。これは、従来型のイオンビーム処理の特徴であるより深い表面下損傷を生成する傾向なく、ガスクラスターイオン群を、様々な表面調節処理にとって効果的なものとする。
【0004】
従来型のクラスターイオンソースは、数千個の分子にまで達し得る各クラスターにおける分子の数に対応する幅広いサイズ分布を持つクラスターイオン群を生成する。原子群から成るクラスター群は、ノズルから真空内へ向かう高圧ガスの断熱膨張の際の、個々のガス原子(又は分子)の凝縮によって形成され得る。小さな開口を持つスキマーは、クラスター群の平行ビームを生成するために、この膨張するガス流の中心からの分岐流を取り除く。様々なサイズの中立なクラスターが生成され、ファン・デル・ワールス力として知られる弱い原子間力によってまとめられる。この方法は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素、酸素、二酸化炭素、六フッ化硫黄、酸化窒素、亜酸化窒素、及びそれらガスの混合物といった、様々なガスからクラスター群のビームを生成するために用いられている。
【0005】
工業規模でのワークピースのGCIB処理の複数の新興の応用には、半導体分野におけるものがある。ワークピース群のGCIB処理は、幅広い種類のガスクラスターソースガスを用いて実行されるが、それらの多くは、不活性ガスであり、多くの半導体処理における応用は、GCIBを形成するために、反応性ソースガスを用い、時々、不活性ガス又は希ガスとの組み合わせ又は混合物を用いる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Bluetooth Special Interest Group, Inc.、“Specification of the Bluetooth System: Core, Version 1.1,”、 2001年2月22日
【非特許文献2】“Local and Metropolitan Area Networks, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications: Higher-Speed Physical Layer Extension in the 2.4 GHz Band”、1999年9月16日
【非特許文献3】“Local and Metropolitan Area Networks, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specification, Amendment 4: Further Higher Rate Extension in the 2.4 GHz Band”、2003年6月27日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ガスクラスターイオンビーム群は、ワークピースの上部層における変動を補正するために用いられたが、ガスクラスターイオンビーム群は、GCIB装置の出力処理パラメータに繰り返し影響を与える、ツール固有の処理異常によって引き起こされる不均一性を補正するためには用いられていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】GCIB処理装置の線図である。
【図2】ガスクラスターイオンビーム装置と前処理計測及び後処理計測との相互関係を説明する線図である。
【図3】ワークピースにおける上部層の分光偏光解析法によるフィルム厚マップを示す。
【図4】調整されていないガスクラスターイオンビームのデータと平均化された後処理のパラメータに関するデータとに基づいて系統的なエラーレスポンスを創出する方法の一実施例を説明するフローチャートである。
【図5】系統的な不均一性を補正する方法の一実施例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、例を通じて説明され、添付図面の図に限定されるものではない。
【0010】
入ってくる(incoming)ワークピースの上部層の不均一性、及び、ガスクラスターイオンビームツールのようなプロセスツールにおける固有の変動によって引き起こされる系統的な不均一性を含む不均一性を、ガスクラスターイオンビームを用いて補正する装置及び方法は、様々な実施例で開示されている。しかしながら、関連する技術分野における当業者は、一以上の具体的な詳細なしに、或いは、他の代替品並びに/又は追加的な方法、材料若しくは構成要素を用いて、様々な実施例が実施され得ることを認識するであろう。他の例では、本発明の様々な実施例における態様を目立たなくするのを避けるために、周知の構造、材料、又は操作が詳細には図示も記載もされていない。同様に、説明目的で、本発明の完全な理解を与えるために、特定の数値、材料、及び構成が説明される。それでもなお、本発明は、具体的な詳細なしに実施され得る。また、当然のことながら、図で示される様々な実施例は、説明のための代表的なものであり、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。
【0011】
発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において、用語“結合された”及び“接続された”が、それらの派生語と共に、用いられる。当然のことながら、それらの用語は、互いに同義であるとはされない。むしろ、特定の実施例において、“接続された”は、二以上の要素が互いに直接的に物理的に或いは電気的に接触していることを示すために用いられ、一方で、“結合された”は、二以上の要素が互いに直接的には接触してはいないがそれでもなお互いに協働し或いは相互に作用しあうことを更に意味し得る。
【0012】
本明細書を通じた“一実施例”又は“ある実施例”なる参照は、その実施例と共に記載される特定の特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味するが、それらが全ての実施例に存在することを意味しない。従って、この明細書を通じた様々な場所における“一実施例では”又は“ある実施例では”なる表現の出現は、必ずしも、本発明における同じ実施例に言及しているものではない。更に、その特定の特徴、構造、材料、又は特性は、一以上の実施例において、任意の適切な手法で組み合わされてもよい。様々な追加の層及び/又は構造が、別の実施例において含まれていてもよく、且つ/或いは、記載された特徴が、別の実施例では省略されていてもよい。
【0013】
様々な操作が、複数の個別の操作として、本発明を理解するのに最も役立つ手法で、順々に説明される。しかしながら、説明の順番は、それらの操作が必ず順番に従うものであることを暗示するものとして解釈されてはならない。具体的に言うと、それらの操作は、提示順に実施される必要はない。記載された操作は、記載された実施例とは異なる順番で実施されてもよい。様々の付加的な操作は、付加的な実施例において実施されてもよく、且つ/或いは、記載された操作が付加的な実施例では省略されてもよい。
【0014】
ガスクラスターイオンビームを用いて不均一性を補正することに対する一般的必要性が存在する。入ってくるワークピースの上部層の不均一性、及び、ガスクラスターイオンビームツールのような処理ツールにおける固有の変動によって引き起こされる系統的な不均一性を含む不均一性を補正することによって、より繰り返し可能でより一定した処理が提供され得る。
【実施例】
【0015】
図1を参照すると、GCIB処理装置200は、ソースチャンバ104と、イオン化/加速チャンバ106と、イオン化/加速チャンバ106によってソースチャンバ104から分離される処理チャンバ108とを含む連通チャンバ群に分割される真空容器102を含む。チャンバ群104、106、108は、それぞれ、真空ポンプシステム146a、146b、及び146cによって、適切な作動圧まで圧抜きされる。ソースガスシリンダ111に保管された凝縮性ソースガス112(例えば、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO)、酸素(O)、又は窒素(N))は、圧力下で、ガス絞り弁113及びガスフィードチューブ114を通じて停滞チャンバ116内に入れられる。そのソースガスは、その後、停滞チャンバ116から、適切に形成されたノズル110を通じて、ソースチャンバ104の内側にある実質的により低圧の真空空間内に放出される。結果として、ガスジェット118がソースチャンバ104内で生じる。ジェット118の急速膨張によって生じる冷却は、ガスジェット118の一部をクラスター群に凝縮させ、そのクラスター群のそれぞれは、数個から数千個の弱く結合した原子又は分子で構成される。
【0016】
ソースチャンバ104とイオン化/加速チャンバ106との間に位置付けられるガススキマー開口120は、部分的に、クラスター群内に凝縮されていない任意のガス分子を、凝縮してガスジェット118の一部となったものから分離する。その凝縮していないガス分子の除去は、イオン化/加速チャンバ106内のイオナイザー122及び高電圧電極126の近く、並びに処理チャンバ108内のような、高圧が有害となる下流領域における圧上昇を極小化させる。
【0017】
ソースチャンバ104でガスジェット118が形成された後、ガスジェット118内の構成要素であるガスクラスター群は、イオナイザー122によってイオン化される。イオナイザー122は、典型的には、一以上のフィラメント124から電子を生成し、且つ、イオン化/加速チャンバ106内でガスジェット118内のガスクラスター群にそれら電子を衝突させるべくそれら電子を加速して方向付ける電子衝撃イオナイザーである。その電子衝撃は、イオン化分子を生成しそれによってそのガスクラスター群にクラスターイオン群を規定するための正味の正電荷を与えるべく、そのガスクラスター群内の分子から電子を取り出す。フィラメント電源136は、イオナイザーフィラメント124を加熱するための電圧Vを供給する。
【0018】
イオン化/加速チャンバ106内にある適切にバイアスされた一組の高電圧電極126は、イオナイザー122からクラスターイオン群を抽出する。その後、高電圧電極126は、抽出したクラスターイオン群を所望のエネルギーまで加速し、GCIB128を定義すべくそれらを収束する。GCIB128におけるクラスターイオン群の運動エネルギーは、典型的には、1000エレクトロンボルト(1keV)から数十keVの範囲である。アノード電源134は、フィラメント124から放出された電子群を加速し且つそれら電子群をガスジェット118内のガスクラスター群に衝突させてクラスターイオン群を生成するために、高電圧電極126の少なくとも一つに電圧Vを供給する。
【0019】
抽出電源138は、イオナイザー122のイオン化領域からイオン群を抽出し且つGCIB128を形成すべく、高電圧電極126の少なくとも一つをバイアスさせるために電圧Vを供給する。加速電源140は、VAccエレクトロンボルト(eV)に等しい総GCIB加速エネルギーをもたらすよう、イオナイザー122に対して高電圧電極126の一つをバイアスさせるために電圧VAccを供給する。レンズ電源142、144は、GCIB128を収束すべく、高電圧電極126のいくつかをある電位(例えば、VL1及びVL2)でバイアスさせるために提供され得る。イオン化/加速チャンバ106内のビームフィルタ256は、処理チャンバ108に入るGCIB202を定義すべく、GCIB128からモノマー群、又は、モノマー群及びライトクラスターイオンを除去する。
【0020】
ビームゲート222は、イオン化/加速チャンバ106内のGCIB128の経路内に配置される。ビームゲート222は、GCIB202を定義するために、GCIB128がイオン化/加速チャンバ106から処理チャンバ108に移行するのを許容する開状態と、GCIB128が処理チャンバ108に入るのを阻止する閉状態とを有する。コントロールケーブル224は、線量測定プロセッサ214からビームゲート222へ制御信号群を導く。それら制御信号群は、その開状態とその閉状態との間でビームゲート222を制御可能に切り換える。
【0021】
半導体ウエハ又はGCIBプロセシングによって処理される他の基板であってもよいワークピース210は、処理チャンバ108内のGCIB202の経路内に配置される。ほとんどの応用が、空間的に均一な結果を伴う大きなワークピース210の処理を意図するので、スキャンシステムは、空間的に均一な結果を生じさせるために、大きなエリアに亘ってGCIB202を均一に走査することが望まれ得る。
【0022】
ワークピース210に向けられるGCIB202は、実質的に静的(すなわち、走査されないもの)であってもよい。ワークピース210は、処理チャンバ108内で、二軸方向にワークピース210を動かすことができ、GCIB202に対してワークピース210を効果的に走査するX−Y位置決めテーブル204上に保持される。GCIB202は、ワークピース210の表面にある投影衝突領域244のところでワークピース210に衝突する。X−Y動作によって、X−Y位置決めテーブル204は、GCIB202による処理のためにワークピース210の表面の全ての領域を投影衝突領域244に一致させられるよう、ワークピース210の表面の各部分をGCIB202の経路内に位置付けることができる。X−Yコントローラ216は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおける位置及び速度を制御するために電気ケーブル218を通じてX−Y位置決めテーブル204に電気信号群を供給する。X−Yコントローラ216は、電気ケーブル226を通じてシステムコントローラ228から制御信号群を受信し、電気ケーブル226を通じてシステムコントローラ228により操作可能である。X−Y位置決めテーブル204は、投影衝突領域244内にワークピース210の様々な領域を位置付けるために、従来のX−Yテーブル位置決め技術に従って、連続的動作により、或いは、段階的動作により動く。一実施例において、X−Y位置決めテーブル204は、GCIB202によるGCIB処理のために、投影衝突領域244を通じてワークピース210の任意の部分を、プログラム可能な速度で走査するために、システムコントローラ228によってプログラム可能に操作可能である。
【0023】
或いは、位置決めテーブル204を使用する代わりに或いはそれに加えて、ワークピース210上の所望の処理エリアに亘ってGCIB202のラスター又は他の走査パターンをもたらすために、直交配向した静電走査プレート130、132が利用されてもよい。ビーム走査が実行されると、走査発電機131は、走査プレート130、132にX軸走査信号電圧及びY軸走査信号電圧を供給する。走査プレート130、132に供給されるそれら走査信号電圧は、ワークピース210の表面全域に亘ってGCIB202を走査させる様々な周波数の三角波であってもよい。
【0024】
位置決めテーブル204のワークピース保持面260は、導電性であり、導線212によって線量測定プロセッサ214に接続される。位置決めテーブル204の電気絶縁層258は、位置決めテーブル204の他の部分からワークピース210及びワークピース保持面260を絶縁する。GCIB202を衝突させることによってワークピース210で誘起された電荷は、測定のために、ワークピース210、ワークピース保持面260、及び導線212を通じて、線量測定プロセッサ214に導かれる。線量測定プロセッサ214は、GCIB処理の線量を決定するために、GCIB電流を統合するための統合手段を有する。特定の状況下において、電子フラッドと呼ばれることもある電子群のターゲット中和ソース(図示せず。)が、GCIB202を中和するために用いられてもよい。そのような場合、追加された電荷ソースにかかわらず、正確な線量測定を確実にするためにファラデーカップ(図示せず。)が用いられてもよい。
【0025】
処理チャンバ108は、光学ウィンドウ230、232を含む。追加的な送信オプティクス236を有し得る光学的送信トランスデューサ234、及び、追加的な受信オプティクス240を有し得る光学的受信トランスデューサ238は、従来型の光学的計装システムを形成する。送信トランスデューサ234は、システムコントローラ228から電気ケーブル246を通じてやり取りされる制御用電気信号群を受信し且つ応答する。送信トランスデューサ234は、光学ウィンドウ230を通じて光学ビームをワークピース210の方に向ける。受信トランスデューサ238は、光学ウィンドウ232を通じてその光学ビームを検出する。受信トランスデューサ238は、電気ケーブル242を通じてシステムコントローラ228に測定信号を送信する。
【0026】
その光学的計装システムは、GCIBプロセシングの進展を追跡するための様々な異なる器具の任意のものを含み得る。例えば、その光学的計装システムは、ワークピース210上の上部フィルム層の厚みを測定し或いはマッピングするための分光偏光解析システムを構成してもよい。別の例として、その光学的計装システムは、そのワークピース表面上の層の厚みを測定し或いはマッピングするための散乱計を含んでいてもよい。システムコントローラ228の制御下で、X−Y位置決めテーブル204と共に操作することによって、その光学的計装システムは、ワークピース210の一以上の特性をマッピングすることができる。
【0027】
ガスシリンダ112に加えて、GCIB処理装置200は、例えば、酸素、窒素、二酸化炭素、酸化窒素、亜酸化窒素、他の酸素含有の凝縮性ガス、又は六フッ化硫黄である反応性ガス252を収容する第二ガスシリンダ250を有する。遮断弁246及び248は、GCIBプロセシングのためにソースガス112又はソースガス252の何れかを選択すべく、システムコントローラ228により電気ケーブル254を通じて送信される信号群によって操作可能である。
【0028】
線量測定プロセッサ214は、当該技術分野において公知である多くの従来型の線量制御回路の一つであってもよく、その制御システムの一部として、プログラム可能なコンピュータシステムの全部又は一部を含んでいてもよい。X−Yコントローラ216は、そのロジックの一部として、プログラム可能なコンピュータシステムの全部又は一部を含んでいてもよい。線量測定プロセッサ214は、そのロジックの一部として、プログラム可能なコンピュータシステムの全部又は一部を含んでいてもよい。X−Yコントローラ216及び線量測定プロセッサ214のそれらロジックの一部又は全部は、システムコントローラ228を含め、GCIB処理装置200の他の部分をも制御する小型汎用コンピュータによって実行されてもよい。
【0029】
作動中、線量測定プロセッサ214は、GCIB202でワークピース210を照射するために、ビームゲート222の開放を信号で伝える。線量測定プロセッサ214は、ワークピース210が受けた累積の線量を計算するために、ワークピース210が集めたGCIB電流を測定する。ワークピース210が受けた線量が所定の所要線量に達した場合、線量測定プロセッサ214は、ビームゲート222を閉じ、ワークピース210の処理は終了する。
【0030】
線量測定プロセッサ214は、電気ケーブル220によってシステムコントローラ228に電気的に結合される。ワークピース210の処理の間、その線量速度は、線量測定プロセッサ214によって、電気ケーブル220上を送信される電気信号群によりシステムコントローラ228に伝えられる。システムコントローラ228は、例えば、GCIBビーム光束が実質的に一定であることを確認するために、或いは、そのGCIBビーム光束の変動を検出するために、それら電気信号群を分析する。X−Yコントローラ216は、電気ケーブル226上を送信される、システムコントローラ228からの電気信号群に応答する。X−Yコントローラ216は、実質的に均一な厚みのフィルムを提供するのに効果的な所望の局所的な厚みまで材料をエッチングし或いは材料を堆積させるための適切なビーム滞留時間をもたらす所定の速度に従った処理のために、ワークピース210の全ての部分を位置付けるべく、そのX−Y位置決めテーブルを走査することができる。
【0031】
代替的な方法として、GCIB202は、ワークピース210の表面に亘って固定パターンで一定の速度で走査され得るが、そのGCIBの強度は、そのサンプルに対して意図的に不均一な線量を供給するために、調節される(しばしばZ軸変調と称される。)。そのGCIB強度は、GCIBソース源からのガス流を変えること、フィラメント電圧Vを変えること或いはアノード電圧Vを変えることの何れかによってそのイオナイザーを調節すること、レンズ電圧VL1及び/若しくはVL2を変えることによってレンズ焦点を調節すること、又は、様々なビームブロック、調節可能シャッター、若しくは様々な開口によりそのガスクラスターイオンビームの一部を機械的にブロックすることを含む、様々な方法の任意のものによって、GCIB処理装置200内で調節され得る。その調節の変動は、連続的なアナログ変動であってもよく、或いは、時間変調スイッチング又は時間変調ゲーティングであってもよい。
【0032】
図2を参照すると、ガスクラスターイオンビーム装置200、前処理計測ツール420、及び後処理計測ツール440は、互いに交信し且つホストサーバ450と交信するよう構成される。前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、分光偏光解析法、散乱計、干渉分光法、蛍光X線、又は四探針法を用いるフィルム厚測定ツールであってもよい。図2で示される実施例では、前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、GCIB処理装置200の外(ex-situ)に位置付けられ、それは、その測定機器が真空容器102の外に位置付けられ且つGCIB処理装置200から分離されることを意味する。別の実施例では、前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、現場(in-situ)に位置付けられ、そのために、GCIB処理装置200での真空内測定を許容すべく真空容器102(図1)内に収容されてもよい。更に別の実施例では、前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、真空容器102の外ではあるがそれでもなおGCIB処理装置200の一部と認識される現場(in-situ)に位置付けられてもよい。前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、個別の装置であってもよく、或いは、良好に適合する場合には、それらは、同じ計測装置であってもよい。
【0033】
前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440は、SECS/GEM(SEMI Equipment Communications Standard/Generic Equipment Model)有線インタフェースのような有線インタフェースを通じてやり取りされる電気信号群によってGCIB処理装置200と交信可能である。SECS/GEM通信は、ホストサーバ450とGCIB処理装置200、前処理計測ツール420及び後処理計測ツール440、並びに他の半導体製造ツール又は装置(図示せず。)との間の有線プロトコルである。SECSは、メッセージの内容を記述する第6層プロトコルであり、一方、GEMは、それらメッセージ自身を定義するより高層のアプリケーションプロトコルである。或いは、ホストサーバ450、GCIB処理装置200、前処理計測ツール420、及び後処理計測ツール440の間で電気信号群がやり取りされるところである有線インタフェースは、8ピンイーサネット(8P8C)若しくは2ピン(RJ−11)コネクタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、又はRS−232シリアルバイナリデータ接続のような、登録済みジャック(RJ:Registered Jack)の標準化された物理的インタフェースであってもよい。
【0034】
一実施例では、SECS/GEM通信は、ガスクラスターイオンビーム装置200と前処理計測ツール420との間で、サーバ450を介して有線通信経路415及び455上を伝達される。別の実施例では、SECS/GEM通信は、GCIB処理装置200と後処理計測ツール440との間で、サーバ450を介して有線通信経路425及び455を通じて伝達される。更に別の実施例では、前処理計測ツール420は、サーバ450を介して有線通信経路415及び425を通じて、後処理計測ツール440と交信する。
【0035】
或いは、GCIB処理装置200及び前処理計測ツール420、並びに、GCIB処理装置200及び後処理計測ツール440は、それぞれのトランシーバインタフェースによって特徴付けられる短距離無線技術による接続410、430のそれぞれを用いた通信で結合されてもよい。一実施例において、無線通信410、430は、他の処理装置とのインタフェースを制限するための短距離無線技術による接続を含んでいてもよいが、本発明は、長距離無線接続が他の実施例で用いられるほどまで限定されることはない。ブルートゥース無線技術のような短距離無線技術は、2.402ギガヘルツ(GHz)と2.480(GHz)との間の周波数帯域で10メートルまでの距離におけるデータ信号のやり取りを可能にする。ブルートゥースプロトコルは、Bluetooth Special Interest Group, Inc.によって2001年2月22日に公表された“Specification of the Bluetooth System: Core, Version 1.1,”に記載されている。旧バージョン又は新バージョンを含む、ブルートゥース標準の関連するバージョンもまた、無線接続410、430によってサポートされ得る。或いは、ウルトラワイドバンド(UWB)のような短距離無線技術は、3.1GHzと10.6GHzとの間の周波数帯域にわたる広範囲の周波数バンドにおけるデジタルデータの通信を可能にする。短距離無線技術の他の例には、認証ワイヤレスユニバーサルシリアルバス(Certified Wireless USB)、IEEE(the Institute of Electrical and Electronic Engineers:電気電子技術者協会)802.11によって定義された通信、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、及びIEEE802.16WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access suites of standards)がある。IEEE802.11bは、関連文書と共に1999年9月16日に承認された“Local and Metropolitan Area Networks, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications: Higher-Speed Physical Layer Extension in the 2.4 GHz Band”というタイトルのIEEE標準802.11b−1999に対応する。IEEE802.11gは、関連文書と共に2003年6月27日に承認された“Local and Metropolitan Area Networks, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specification, Amendment 4: Further Higher Rate Extension in the 2.4 GHz Band”というタイトルのIEEE標準802.11g−2003に対応する。
【0036】
一実施例において、パラメータに関するデータは、不均一性を補正するために、計測ツール420、440とGCIB処理装置200との間でやり取りされる。この実施例によれば、フィルム厚マップ情報は、パラメータに関するデータのファイルとしてGCIB処理装置200に供給される。事前に測定されたビーム除去関数と、事前に測定された(GCIBエネルギー及びクラスター種を含む)特定のGCIBパラメータセットに対するエッチ速度と線量との間の関係とを用いて、数学的アルゴリズムであり、その不均一なデータを取得し、その不均一なプロファイルに適合すべくビームスポットエッチングパターンを反転させ、そして、表面物質を選択的に除去すべく系統的なエラーレスポンスとしてビーム−線量等高線(beam-dose contour)を創出し、それによって、均一な厚みのフィルムを実現させる数学的アルゴリズムがその後に採用される。数学的アルゴリズムの選択のための多くの異なるアプローチが、この実施例において、成功裏に採用され得る。別の実施例では、そのビーム−線量等高線は、均一な厚みのフィルムを実現させるために、その表面上に系統的なエラーレスポンスとして追加的な材料を選択的に堆積させてもよい。
【0037】
第一近似として、ビームプロファイルは、ビーム伝搬軸をその座標系のZ軸として有する円筒座標におけるビーム202(図1)の任意の断面スライスに対するガウス関数である。そのビーム滞留時間における変動によってプロファイルする場合、実行されなければならないその数学的な反転及びデコンボリューションは、そのサンプルの応答関数が線量の変化に対して線形であるため、簡素化される。それ故に、そのビーム除去関数は、そのビーム強度プロファイルと本質的に同じ数学的関数的形状を有する。ビーム走査パターンを直接的に決定するビーム滞留時間マップは、オングストロームスケールの均一性が求められる場合には、系統的に変化するフィルムバッチのそれぞれに対して実装されなければならない。一旦GCIBの仕様通りに処理されると、ワークピース(群)の均一性は、その場(in-situ)で或いは外(ex-situ)で検査され、そして、その処理は、終了させられ、或いは、必要に応じて改善される。
【0038】
この実施例によると、図2で示されるようなGCIB処理装置200は、GCIB処理装置200に対してその現場(in-situ)で或いは外(ex-situ)で確立されるような、不均一性マップデータからの直接的なフィードバックによるビーム走査プロファイルの制御のための設備を有する。また、その現場での測定方法は、最も時間効率の良い方法であり、繰り返される真空/大気の循環にワークピース210をさらすことなく反復を可能にするので、好適となり得る。
【0039】
図3は、市販されているKLA-Tenchor Corporaiton製のモデルUV−1280SE薄膜測定装置を用いて分光偏光解析法によって測定されるような薄いフィルム又は層を含む上部層を有するウエハのフィルム厚マップを示す。図3から明らかなように、ワークピース上の薄いフィルムの厚みは、位置の関数としてマッピングされ得る。
【0040】
ワークピース210上の上部フィルム層の当初の厚みの不均一性は、GCIB装置200の外(ex-site)で、分光偏光解析法又は他の適切な従来技術によって特徴付けられ得る。そのような技術は、図3で示されるような厚み等高線(或いはそれと同様のもの)に要約され得るポイント毎のフィルム厚マップを生成することができる。同様に、分光偏光解析法又は他の適切な従来型のフィルム厚マッピング技術を用いたその場均一性マッピング機器(in-situ uniformity-mapping instrument)は、プロファイル処理をガイドするためにGCIB装置200(図1)内に統合されてもよい。何れの場合においても、その不均一性の測定値は、正確なワークピース位置を伴う一連の厚みポイントとして標準的なコンピュータに保存され得る。分光偏光解析法のようなフィルム測定方法は、ワークピースの厚みにおける変動、下部のフィルム群の厚み、又は表面平坦性とは無関係に、上部フィルム層のみの厚みをマッピングするために用いられる。
【0041】
図4は、調節されていないガスクラスターイオンビームのデータと平均化された後処理のパラメータに関するデータとに基づいて系統的なエラーレスポンスを創出する方法の一実施例を説明するフローチャートを示す。系統的なエラーレスポンスは、処理ツールの系統的な不均一性を補正するために用いられる。系統的な不均一性は、ガスクラスターイオンビームツールのような処理ツールにおける固有の変動の結果である。ブロック500において、同じように位置付けられた上部フィルム層を有するウエハのような複数のワークピース210が集められる。一実施例では、それら複数のワークピース210は、蒸着処理ツールを用いて各ウエハの上面に均一に適用された薄いフィルムを有するウエハのカセットであってもよい。ブロック510において、それら複数のワークピース210は、調節されていないGCIB202を用いて処理される。この実施例では、ワークピース210のそれぞれは、ワークピース210の上部層の全エリアが同等のクラスターイオンの適用線量を受けられるように、調節されていない態様で、一定のビーム強度及び一定の走査速度で、GCIB処理装置200で処理される。
【0042】
ブロック520において、後処理のパラメータに関するデータが、後処理計測ツールを用いて、複数のワークピース210から集められる。それら後処理のパラメータに関するデータは、誘電性フィルム厚の測定値、金属フィルム厚の測定値、レジストフィルム厚の測定値、抵抗率の測定値、表層汚れの測定値、表面粗さの測定値、又は他のパラメータに関するデータの集合であってもよい。ブロック530において、それら後処理のパラメータに関するデータは平均化される。ブロック540において、系統的な不均一性は、その平均化された後処理のパラメータに関するデータに基づいて特定される。ブロック550において、系統的なエラーレスポンスが、少なくとも部分的にそれら平均化された後処理のパラメータに関するデータに基づいて、導き出される。その系統的なエラーレスポンスは、少なくとも部分的に、そのガスクラスターイオンビームのエッチ速度又は堆積速度、処理されるワークピースに対する不均一性マップデータ、及び、ガスクラスターイオンビームの直径にわたるイオン濃度が特徴付けられるところのガスクラスターイオンビーム光束のプロファイルに基づいて、公式化され得る。
【0043】
図5は、少なくとも部分的に系統的なエラーレスポンスに基づいて不均一性を補正する方法の一実施例を説明するフローチャートである。ブロック600において、入ってくるパラメータに関するデータが、ワークピース210の上部層から集められる。それら入ってくるパラメータに関するデータは、分光偏光解析法、散乱計、干渉分光法、蛍光X線、又は四探針抵抗率測定のような技術を利用したフィルム厚測定ツールを用いて集められるデータであってもよい。それら入ってくるパラメータに関するデータは、ガスクラスターイオンビームツール200によって処理されるワークピース210上で測定されてもよい。ブロック610において、不均一性は、それら入ってくるパラメータに関するデータにおいて特定される。ブロック620において、GCIB202は、ワークピース210の表面に向けられる。ブロック630において、GCIB202からの適用線量は、系統的な不均一性を補正するために、系統的なエラーレスポンスを用いて調節される。
【0044】
調節は、GCIB202がその上部層を横切るときのX−Y位置決めテーブル204の走査速度における変化を通じた、或いは、GCIB202の強度の変化を通じた、上部層に対する不均一な線量の適用を意味する。適用線量を調節するために、何れの方法が個別に或いは組み合わせで用いられてもよい。適用線量は、時間を掛けてワークピース210に衝突するGCIB202からの物質の量の尺度である。GCIB202からの物質は、何らかの形でそのワークピースに統合され、或いは、ガス又は蒸気の形でそのワークピースから抜け出し得る。
【0045】
その走査速度を変えるために、X−Yコントローラ216(図1)は、系統的な不均一性を補正すべく、また、均一な厚みのフィルムをもたらすべく、所望の厚みにまで物質をエッチングにより取り除き、或いは、所望の厚みにまで物質を蒸着させるための適切なビーム滞留時間をもたらす所定の速度に従った処理のために、ワークピース210の全ての部分を位置付けられるよう、X−Y位置決めテーブル204を操作する。これは、GCIB202(図1)の適用線量を調節するための一実施例である。或いは、ビームは、その表面にわたって固定パターンにより一定速度で走査されるが、意図的に不均一な線量をそのサンプルに供給するため、そのGCIB強度が調節される(しばしば、Z軸変調と称される。)。これは、GCIB202の適用線量を調節するための別の実施例である。GCIB強度は、例えば、GCIBソース源からのガス流を変えることによる方法、フィラメント電圧Vを変えること或いはアノード電圧Vを変えることの何れかによってGCIB処理装置200のイオナイザーを調節することによる方法、GCIB処理装置200におけるレンズ電圧VL1及び/若しくはVL2を変えることによってレンズ焦点を調節することによる方法、又は、様々なビームブロック、調節可能シャッター、若しくは様々な開口によりそのビームの一部を機械的にブロックすることによる方法を含むが、それらに限定されない方法のうちの何れか或いは様々な方法によって、調節され得る。その調節の変動は、連続的なアナログ変動であってもよく、或いは、時間変調スイッチング又は時間変調ゲーティングであってもよい。
【0046】
入ってくるワークピースの上部層の不均一性、及び、ガスクラスターイオンビームツールのような処理ツールにおける固有の変動によって引き起こされる系統的な不均一性を含む不均一性を、ガスクラスターイオンビームを用いて補正するための複数の実施例が説明された。本発明の実施例に係る前述の説明は、説明目的のために提示されたものである。それは、網羅的となることや、開示されたまさにその形状に本発明を限定することを意図していない。この詳細な説明及び後続の請求項は、左、右、頂部、底部、上、下、上部、下部、第一、第二等の用語であり、便宜的に用いられるのみで限定的に解釈されるべきでない用語を含む。例えば、相対的な垂直位置を指定する用語は、基板又は集積回路の装置側(或いはアクティブ面)がその基板の“上”面とされる状況に言及する。その基板は、実際には、基板の“上”側が標準的な地球上の視点における“底”側よりも低いものとなり得るが、それでもなお、その用語“上”の意味に含まれるよう、任意の幾何学的配置となり得る。(請求項を含めて)本書で用いられる用語“上に”は、明示されない限り、第二層の“上に”ある第一層が直接的に且つ直にその第二層と接触していることを意味しない。第三層又は他の構造がその第一層とその第一層の上にあるその第二層との間に存在し得る。本書で説明された装置又は物の実施例は、様々な姿勢及び配置で、製造され、使用され、或いは、出荷され得る。
【0047】
関連する技術分野における当業者は、上述の教示を踏まえて、多くの修正及び変更が可能であることを理解し得る。当業者は、図で示された様々な構成要素の様々な同等の組み合わせ及び代用品を認識する。それ故、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本書に添付された特許請求の範囲によって限定されるものであるとされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスクラスターイオンビームを用いてワークピースの上部層を変更する方法であって:
前記ワークピースの上部層に関するパラメータのデータを集めるステップ;
前記パラメータのデータにおける不均一性を特定するステップ;
前記ワークピースの前記上部層に前記ガスクラスターイオンビームを向けるステップ;及び
前記不均一性を補正するために、少なくとも部分的には系統的なエラーレスポンスと前記パラメータのデータとに基づいて、前記ワークピースの前記上部層における位置に応じて前記ガスクラスターイオンビームの適用線量を空間的に調節するステップ;
を有する方法。
【請求項2】
前記不均一性は、前記ガスクラスターイオンビームが前記基板の前記上部層に向けられる前に前記基板の前記上部層で実行される処理によって形成される、
請求項1の方法。
【請求項3】
前記パラメータのデータを集めるステップは、
前記ガスクラスターイオンビームが前記ワークピースの前記上部層に向けられるところであるガスクラスターイオンビームツールの真空容器の外にある外部計測ツールを用いて前記パラメータのデータを集めるステップを更に有する、
請求項1の方法。
【請求項4】
前記外部計測ツールは、分光偏光解析器、散乱計、干渉計、蛍光X線ツール、及び四探針ツールを含むグループから選択される、
請求項3の方法。
【請求項5】
前記ガスクラスターイオンビームの適用線量を空間的に調節するステップは、
少なくとも部分的には前記系統的なエラーオフセットによって決定される各位置での滞留時間を有する前記ガスクラスターイオンビームに対して第二のワークピースを動かすステップを更に有する、
請求項1の方法。
【請求項6】
ガスクラスターイオンビームを用いて系統的な不均一性を補正する方法であって:
複数のワークピースのそれぞれに対する第一データセットを生成するステップ;
上部層の全域で調節なしに前記クラスターイオンビームを走査するステップ;
前記複数のワークピースのそれぞれに対する第二データセットを生成するステップ;
前記複数のワークピースのそれぞれにおける第一データセットのパラメータと第二データセットのパラメータとを比較することにより生成されるパラメータに関するデータにおける系統的な不均一性を特定するステップ;
別のワークピースの上部層の全域で前記ガスクラスターイオンビームを走査するステップ;及び
前記系統的な不均一性を補正するために、前記別のワークピースの前記上部層における位置に応じて前記ガスクラスターイオンビームの適用線量を空間的に調節するステップ;
を有する方法。
【請求項7】
調節なしに前記クラスターイオンビームを走査するステップは、
前記系統的な不均一性を生じさせるために、前記別のワークピースの前記上部層を、前記ガスクラスターイオンビームにさらすステップを更に有する、
請求項6の方法。
【請求項8】
前記第一データセットは、前記複数のワークピースからのガスクラスターイオンビーム処理前のデータを含み、前記第二データセットは、前記複数のワークピースからのガスクラスターイオンビーム処理後のデータを含む、
請求項6の方法。
【請求項9】
前記第一データセット又は前記第二データセットの少なくとも一つは、外部計測ツールを用いて集められる、
請求項6の方法。
【請求項10】
前記外部計測ツールは、分光偏光解析器、散乱計、干渉計、蛍光X線ツール、及び四探針ツールを含むグループから選択される、
請求項9の方法。
【請求項11】
前記ガスクラスターイオンビームの適用線量を空間的に調節するステップは、
少なくとも部分的には前記系統的なエラーオフセットによって決定される各位置での滞留時間を有する前記ガスクラスターイオンビームに対して第二のワークピースを動かすステップを更に有する、
請求項6の方法。
【請求項12】
計測ツールと共に用いる処理システムであり、該計測ツールが、処理されたワークピースのそれぞれにおける上部層のパラメータをマッピングし、且つ、該マッピングされたパラメータを表すパラメータに関するデータを生成するよう構成されるところの、処理システムであって:
ガスクラスターイオンビーム装置;及び
前記ガスクラスターイオンビーム装置に連通して結合され、且つ、前記計測ツールに連通して結合されるよう適合されるコントローラであり、前記計測ツールから前記パラメータに関するデータを受信し、前記計測ツールから受信した前記パラメータに関するデータに基づく、前記ガスクラスターイオンビーム装置の操作のための制御信号を生成し、且つ、前記ガスクラスターイオンビーム装置に該制御信号を伝えるよう構成されるコントローラ;を有する、
処理システム。
【請求項13】
ガスクラスターイオンビーム装置は、真空容器、該真空容器内でガスクラスターイオンビームを生成するよう構成されるソース、及び、該真空容器にあるワークピースサポートを含む、
請求項12の処理システム。
【請求項14】
前記ワークピースサポートは、X−Y位置決めテーブルを含む、
請求項13の処理システム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記パラメータに関するデータにおける系統的な不均一性を特定し、前記ワークピースサポートによってサポートされるワークピースにおける位置に応じて前記ガスクラスターイオンビームの適用線量を空間的に調節するために、少なくとも部分的には該系統的な不均一性に基づいて前記制御信号を生成するよう構成される、
請求項13の処理システム。
【請求項16】
前記ガスクラスターイオンビーム装置は、
複数の走査プレート;及び
前記複数の走査プレートに電気的に結合される走査発電機であり、前記ワークピースサポートに対する前記ガスクラスターイオンビームの経路を変えるために前記複数の走査プレートに電圧を掛けるよう構成される走査発電機;を更に有する、
請求項13の処理システム。
【請求項17】
前記ソースは、反応性ソースである、
請求項13の処理システム。
【請求項18】
前記パラメータに関するデータは、ガスクラスターイオンビーム処理前のデータ又はガスクラスターイオンビーム処理後のデータの少なくとも一つを含む、
請求項13の処理システム。
【請求項19】
前記パラメータに関するデータは、フィルム厚データを含む、
請求項18の処理システム。
【請求項20】
前記コントローラは、第一の無線技術による接続によって前記ガスクラスターイオンビーム装置と交信し、随意的に、第二の無線技術による接続によって前記計測ツールと交信するよう構成される、
請求項12の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−524155(P2010−524155A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501171(P2010−501171)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/058171
【国際公開番号】WO2008/121628
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507239422)ティーイーエル・エピオン・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】