ガスセンサ
【課題】外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供すること。
【解決手段】センサ素子2と、センサ素子2を挿通保持する素子保持部(素子側絶縁碍子3)と、素子保持部を内側に保持するハウジング4と、素子保持部の基端側に配設された大気側絶縁碍子5と、大気側絶縁碍子5を覆うようにハウジング4の基端側に設けた大気側カバー6とを有するガスセンサ1。大気側絶縁碍子5の内壁面とセンサ素子2との間には、センサ素子2を厚み方向から挟圧するように該センサ素子2の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネ11が対向配置されている。大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間には、センサ素子2の厚み方向に伸縮する外方バネ12が介在している。外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上である。
【解決手段】センサ素子2と、センサ素子2を挿通保持する素子保持部(素子側絶縁碍子3)と、素子保持部を内側に保持するハウジング4と、素子保持部の基端側に配設された大気側絶縁碍子5と、大気側絶縁碍子5を覆うようにハウジング4の基端側に設けた大気側カバー6とを有するガスセンサ1。大気側絶縁碍子5の内壁面とセンサ素子2との間には、センサ素子2を厚み方向から挟圧するように該センサ素子2の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネ11が対向配置されている。大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間には、センサ素子2の厚み方向に伸縮する外方バネ12が介在している。外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の内燃機関等の排気系には、排ガス中の酸素や窒素酸化物等の特定ガスの濃度を測定するガスセンサ9が配設されている。該ガスセンサ9として、図11に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための板棒状のセンサ素子92を、素子側絶縁碍子93に挿通保持させてなるものがある。そして、素子側絶縁碍子93は、ハウジング94の内側に保持されている。素子側絶縁碍子93の基端側には、センサ素子92の基端部921を覆うように配設された大気側絶縁碍子95が配設され、該大気側絶縁碍子95を覆うように大気側カバー96がハウジング94の基端側に設けてある。
【0003】
かかる構成において、センサ素子92を基準にして上記大気側絶縁碍子95の位置を決めて配設する場合、ハウジング94もしくは素子側絶縁碍子93等の素子保持部側に対して大気側絶縁碍子95を強く押圧するように固定することはできない。素子保持部側と大気側絶縁碍子95との接触面が傾斜していると、押圧力をかけることにより、センサ素子92に曲げ力が作用し、破損のおそれがあるからである。それ故、大気側絶縁碍子95は素子保持部側に対して浮いた状態、即ちいわゆるフローティング状態で配設される。
【0004】
しかし、この状態で、図12に示すごとく、ガスセンサ9に振動や衝撃等の外力Fが働いた場合、大気側絶縁碍子95が動き、センサ素子92に曲げ力が働くおそれがある。即ち、大気側絶縁碍子95とセンサ素子92との間の端子バネ94の付勢力f、f’に偏りが生じ、|f−f’|という力がセンサ素子92の基端部に作用し、曲げ力が生じる。これにより、場合によっては、センサ素子92が折損したりするおそれがある。
【0005】
かかる問題に対して、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に押圧バネを配設して、大気側絶縁碍子を大気側カバーの所定の位置に固定したガスセンサが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記ガスセンサは、大気側絶縁碍子が複数の挟持部材を組合わせて構成されているなど、複雑な構成となっている。また、上記押圧バネの合成バネ定数や最大ストロークについての規定がない。
【0006】
それ故、場合によっては、センサ素子への曲げ力の作用を充分に抑制することが困難となるおそれもある。
また、押圧バネの最大ストロークが大きすぎると、ガスセンサに過大な外力が作用したとき、大気側絶縁碍子が大きく動くことによってセンサ素子に過大な曲げ力が加わることも考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−144732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0010】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサにおいては、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に、上記外方バネが介在している。そのため、大気側絶縁碍子が外方バネによって大気側カバーの内側において保持されることとなる。それ故、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにおける、大気側絶縁碍子の大気側カバーに対する動き(変位)を抑制することができ、ひいては、大気側絶縁碍子のセンサ素子に対する動き(変位)を抑制することができる。
【0011】
すなわち、ガスセンサに大きな外力が働いたとき、外方バネが伸縮して大気側カバーに対して大気側絶縁碍子が動き、このとき、端子バネも上記外方バネと同じ方向に伸縮する。これにより、センサ素子には、端子バネを介して曲げ力が作用することとなる。ところが、上記外力は、外方バネと端子バネとに分散されることとなるため、この外方バネ力により、大気側絶縁碍子の変位量を抑制することができる。これにより、センサ素子に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子の破損を防ぐことができる。
【0012】
そして、特に、外方バネの合成バネ定数は端子バネの合成バネ定数以上であるため、外力は、外方バネの方に多くかかることとなり、それにより大気側絶縁碍子の変位量をより抑制することができ、端子バネには、大きな付勢力が蓄積されることが無く、センサ素子に作用する力を小さくすることができる。その結果、センサ素子の破損を効果的に防ぐことができる。
【0013】
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0014】
第2の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサにある(請求項2)。
【0015】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサにおいては、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に、上記外方バネが介在している。そのため、上記第1の発明と同様に、ガスセンサに外力が働いたときにおける大気側絶縁碍子のセンサ素子に対する動き(変位)を抑制することができる。これにより、センサ素子に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子の破損を防ぐことができる。
【0016】
また、外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であるため、外力が作用したときに、大気側カバーに対する大気側絶縁碍子の最大の変位量は外方バネの最大ストローク量となる。即ち、ガスセンサに過大な外力が作用しても、大気側カバーに対する大気側絶縁碍子の変位量が、外方バネの最大ストローク量よりも大きくなることがない。その結果、端子バネを介してセンサ素子に作用する力が過大となることを防ぐことができる。
【0017】
換言すると、ガスセンサに過大な外力がかかって、大気側カバーに対して大気側絶縁碍子が最も変位したときでも、大気側絶縁碍子とセンサ素子との間の端子バネは未だ伸縮しきっていない状態となる。そのため、端子バネ力(素子曲げ力)の最大値が固定され、センサ素子に作用する力を抑制することができる。
その結果、センサ素子の破損を効果的に防ぐことができる。
【0018】
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0019】
第3の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサにある(請求項3)。
【0020】
上記ガスセンサにおいては、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータの破損を効果的に防ぐことができる。これは、上記第1の発明におけるセンサ素子の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータを内側に配するセンサ素子にヒータを介して作用する力も抑制されるため、センサ素子の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにヒータやセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0021】
第4の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサにある(請求項4)。
【0022】
上記ガスセンサにおいては、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータの破損を効果的に防ぐことができる。これは、上記第2の発明におけるセンサ素子の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータを内側に配するセンサ素子にヒータを介して作用する力も抑制されるため、センサ素子の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにヒータやセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
上記第1の発明〜上記第4の発明において、合成バネ定数とは、上記複数の端子バネからなる組合せバネ、或いは上記複数の外方バネからなる組合せバネのバネ定数をいう。即ち、複数の端子バネ及び複数の外方バネは、それぞれ組合せバネとみなすことができるため、その組合せバネのバネ定数が上記合成バネ定数である。
また、上記外方バネは、伸びる方向に付勢された状態(自由状態よりも縮んだ状態)で配設されていることが好ましいが、縮む方向に付勢された状態(自由状態よりも伸びた状態)で配設されていてもよい。
なお、本明細書においては、ガスセンサについて、被測定ガスに曝される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
【0024】
上記第2の発明(請求項2)又は上記第4の発明(請求項4)において、上記外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記第1の発明と上記第2の発明との組合せの効果を得ることができ、センサ素子あるいはヒータの破損を一層効果的に防ぐことができる。
【0025】
また、上記外方バネは、上記大気側カバーよりも内側に形成した内側保護筒と上記大気側絶縁碍子との間に配設されていてもよい(請求項6)。
この場合には、外力によって大気側カバーが変形したとき、その変形を大気側カバーと内側保護筒とのスペースにおいて吸収することができる。そのため、大気側カバーの変形を外方バネが受けることがなく、安定したバネ力の状態を維持することができ、センサ素子あるいはヒータの破損防止の効果を維持することができる。
【0026】
また、上記内側保護筒を設けることにより、大気側絶縁碍子と内側保護筒との間に配する外方バネの最大ストローク量を小さくすることが容易となる。その結果、ガスセンサに過大な外力がかかったときにもセンサ素子あるいはヒータに作用する力を抑制することができるという、上記第2の発明(請求項2)又は上記第4の発明(請求項4)の作用効果を容易に得ることができる。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
本発明の実施例にかかるガスセンサにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図1に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための板棒状のセンサ素子2を内蔵してなる。そして、ガスセンサ1は、センサ素子2を挿通保持する素子保持部としての素子側絶縁碍子3と、該素子側絶縁碍子3を内側に保持するハウジング4と、素子側絶縁碍子3の基端側においてセンサ素子2の基端部21を覆うように配設された大気側絶縁碍子5と、該大気側絶縁碍子5を覆うようにハウジング4の基端側に設けた大気側カバー6とを有する。
【0028】
図1、図2に示すごとく、大気側絶縁碍子5の内壁面とセンサ素子2との間には、センサ素子2を厚み方向から挟圧するように該センサ素子2の基端部21に接触する二対の端子バネ11が対向配置されている。
また、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間には、センサ素子2の厚み方向、即ち端子バネ11の挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネ12が介在している。
外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上となっている。
【0029】
上記大気側絶縁碍子5は、図2に示すごとく、断面略C字状であってスリットを有する筒状のホルダ13によって保持され、該ホルダ13と大気側カバー6との間に、外方バネ12が配設されている。図1、図2に示すごとく、外方バネ12は、ホルダ13から斜め外方に突出するように形成されており、広がる方向、即ち大気側カバー6の内側面を押圧した状態で当接している。逆に、外方バネ12は、大気側絶縁碍子5を保持したホルダ13を外側から押圧する方向に付勢された状態となっている。
大気側絶縁碍子5は、例えばアルミナ(Al2O3)、ステアタイト(MgO・SiO2)等のセラミックからなる。
【0030】
センサ素子2は、アルミナ(Al2O3)やジルコニア(ZrO2)等のセラミック板を積層して構成した積層型の素子であって、被測定ガス中の特定ガスの濃度(例えば内燃機関の排ガス中の酸素濃度や窒素酸化物濃度等)を検出するセンサセルと、該センサセルの温度を調整するためのヒータとを一体的に設けてなる(図示略)。
【0031】
センサ素子2は、素子側絶縁碍子3に挿通されており、センサ素子2と素子側絶縁碍子3との間は、ガラス封止材141によって封止されると共に固定されている。また、素子側絶縁碍子3はハウジング4に保持され、素子側絶縁碍子3とハウジング4との間には、リング状のパッキン材142が配設されている。そして、素子側絶縁碍子3の基端側は、ハウジング4の基端部によって、リング状の皿バネ143を介して、かしめ固定されている。
【0032】
また、大気側絶縁碍子5は、ハウジング4もしくは素子側絶縁碍子3等の素子保持部側に対して固定されておらず、基本的には素子保持部側から浮いた、いわゆるフローティング状態にある。そして、大気側絶縁碍子5は、端子バネ11と外方バネ12とを介して、センサ素子2及び大気側カバー6に対して保持された状態にある。
また、ハウジング4の先端側には、センサ素子2をカバーする被測定ガス側カバー144が配設されている。
【0033】
また、図2に示すごとく、端子バネ11は、合計4本配設されており、そのうちの2本はセンサ素子2におけるセンサセルの出力端子に接触し、他の2本はセンサセルに積層されたヒータの通電用端子に接触している。
また、端子バネ11は、外部リード145に電気的に接続されている。
【0034】
端子バネ11は、金属板を折り曲げ形成してなり、背板部111と前板部112と両者を連結する屈曲部113とを有する。そして、背板部111を大気側絶縁碍子5の内壁面に当接させ、前板部112をセンサ素子2に当接させている。
また、図3、図4に示すごとく、端子バネ11の付勢方向(矢印f1)と外方バネ12の付勢方向(矢印f2)とはいずれもセンサ素子2の厚み方向であって、同一方向となっている。なお、図3、図4は、端子バネ11及び外方バネ12の位置に、それぞれのバネの付勢力を表したものであり、特に図4は、模式化、簡略化した図である。
【0035】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ1においては、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間に、上記外方バネ12が介在している。そのため、大気側絶縁碍子5が外方バネ12によって大気側カバー6の内側において保持されることとなる。それ故、ガスセンサ1に衝撃等の外力が働いたとき、大気側絶縁碍子5の大気側カバー6に対する動き(変位)を抑制することができ、ひいては、大気側絶縁碍子5のセンサ素子2に対する動き(変位)を抑制することができる。
【0036】
すなわち、ガスセンサ1に大きな外力が働いたとき、外方バネ12が伸縮して大気側カバー6に対して大気側絶縁碍子5が動き、このとき、端子バネ11も上記外方バネ12と同じ方向に伸縮する。これにより、センサ素子2には、端子バネ11を介して曲げ力が作用することとなる。ところが、上記外力は、外方バネ12と端子バネ11とに分散されることとなるため、この外方バネ力により、大気側絶縁碍子5の変位量を抑制することできる。これにより、センサ素子2に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子2の破損を防ぐことができる。
【0037】
そして、特に、外方バネ12の合成バネ定数k2は端子バネ11の合成バネ定数k1以上であるため、衝撃等により大気側絶縁碍子5に動き(変位)が生じた場合、その変位を生む外力は、外方バネ12の方に多くかかることとなり、端子バネ11には、大きな付勢力が蓄積されることが無く、センサ素子2に作用する力を小さくすることができる。
言い換えると、外方バネ12により、外力発生時の大気側絶縁碍子5の変位量を抑えることで、結果としてセンサ素子2への作用する力(故に端子バネ11による発生バネ力)を小さくできる。
【0038】
即ち、大気側絶縁碍子5の変位がΔLとなったとき、2つの外方バネ12により働く付勢力F2は、F2=k2×ΔLとなり、4つの端子バネ11により働く付勢力F1は、F1=k1×ΔLとなる。このとき、k1≦k2であるため、F1≦F2となり、外力は、外方バネ12の方に多く割り当てられ、センサ素子2に作用する力(大気側絶縁碍子5の変位量)を小さくすることができる。
その結果、センサ素子2の破損を効果的に防ぐことができる。
【0039】
以上のごとく、本例によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0040】
(実施例2)
本例は、図5〜図7に示すごとく、外方バネ12の最大ストローク量s2を、端子バネ11の最大ストローク量s1以下としたガスセンサ1の例である。
図7に示すごとく、特に、端子バネ11及び外方バネ12の縮み方向には、その縮み幅に限界がある。この最も縮んだ状態(図7(b)、(d)の状態)と、ガスセンサ1に外力がかかっていない通常の状態(図7(a)、(c)の状態)との間の端子バネ11及び外方バネ12の変位量を最大ストロークs1、s2と考えることができる。
【0041】
そこで、端子バネ11と外方バネ12との最も縮んだ状態の厚みを無視して(0として)模式化すると、通常状態と最大変位状態とは、それぞれ図5、図6のように表すことができる。即ち、図5に示すごとく、ガスセンサ1に外力が作用していない状態において、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間のクリアランスを外方バネ12の最大ストローク量s2とし、大気側絶縁碍子5とセンサ素子2との間のクリアランスを端子バネ11の最大ストローク量s1とすることができる。
その他は、実施例1と同様である。
【0042】
なお、実際には、端子バネ11と外方バネ12との最も縮んだ状態においても、その厚みは0ではないため、最大ストローク量s1、s2と上記クリアランスとは一致しないが、端子バネ11の最大ストローク量s1と外方バネ12の最大ストローク量s2との差について考察するに当たり、上記のような仮定をしても、実際の現象と等価な考察を行うことは可能である。
【0043】
本例においては、外方バネ12の最大ストローク量s2は、端子バネ11の最大ストローク量s1以下であるため(即ち、s2≦s1であるため)、図6に示すごとく、外力が作用したときに、大気側カバー6に対する大気側絶縁碍子5の最大の変位量は外方バネ12の最大ストローク量s2となる。即ち、ガスセンサ1に過大な外力が作用しても、大気側カバー6に対する大気側絶縁碍子5の変位量が、外方バネ12の最大ストローク量s2よりも大きくなることがない。その結果、端子バネ11を介してセンサ素子2に作用する力が過大となることを防ぐことができる。
【0044】
具体的には、図6に示すごとく、大気側絶縁碍子5の変位量が最大となったとき、端子バネ11によってセンサ素子2に作用する力F1MAXは、F1MAX=k1×s2となり、最大ストローク量s2によってF1MAXを求めることができる。逆に、このF1MAXよりも大きな力がセンサ素子に作用することを防ぐことができる。
仮に、s2>s1とした場合、ガスセンサ1に過大な外力が作用すると、端子バネ11が伸縮しきった状態から、更に大気側絶縁碍子5が変位しようとする。これにより、大気側絶縁碍子5から端子バネ11を介してセンサ素子2へ作用する力は、バネ力を超えた力となり、センサ素子2を破壊させるおそれがある。
【0045】
換言すると、本発明においては、ガスセンサ1に過大な外力がかかって、大気側カバー6に対して大気側絶縁碍子5が最も変位したときでも、大気側絶縁碍子5とセンサ素子2との間の端子バネ11は未だ伸縮しきっていない状態となる。即ち、s1−s2の分だけ端子バネ11にはストローク量に余裕がある。そのため、端子バネ11からセンサ素子2に作用する力(F1)が過大となることなく、センサ素子2に作用する力を抑制することができる。
その結果、センサ素子2の破損を効果的に防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0046】
(実施例3)
本例は、図8に示すごとく、大気側カバー6よりも内側に内側保護筒61を配設した例である。そして、該内側保護筒61と大気側絶縁碍子5との間に、外方バネ12を配設している。
なお、内側保護筒61は、素子側絶縁碍子3及び皿バネ143と共に、ハウジング4の基端部にかしめ固定されている。
その他は、実施例1、2と同様である。
【0047】
本例の場合には、飛び石等の外力によって大気側カバー6が変形したとき、その変形を大気側カバー6と内側保護筒61とのスペース62において吸収することができる。そのため、大気側カバー6の変形による外方バネ12のストローク量s2の変化を防ぎ、F1とF2およびs1とs2の関係を維持していくことができ、センサ素子2の破損防止の効果を維持することができる。
【0048】
また、上記内側保護筒61を設けることにより、大気側絶縁碍子5と内側保護筒61との間に配する外方バネ12の最大ストローク量を小さくすることが容易となる。その結果、ガスセンサ1に過大な外力がかかったときにもセンサ素子2に作用する力を抑制することができるという、上記実施例2において示した作用効果を容易に得ることができる。
その他、実施例1、2と同様の作用効果を有する。
【0049】
なお、上記実施例においては、端子バネ及び外方バネを板バネ状のバネによって構成した例を示したが、例えばコイルバネ等、他のバネを用いることもできる。
【0050】
(実施例4)
本例は、図9、図10に示すごとく、有底筒状のコップ型のセンサ素子20を有するガスセンサ1の例である。
センサ素子20は、図9に示すごとく、有底筒状の固体電解質体と、該固体電解質体の内側表面と外側表面とに設けた一対の電極(図示略)とを有する。
【0051】
センサ素子20はハウジング4の内側に保持されている。また、センサ素子20の内側には、センサ素子20を加熱するヒータ22が、その基端部221を突出させた状態で挿入されている。ヒータ22は、略円柱形状を有するアルミナ等からなるセラミックヒータである。
また、ハウジング4の基端側に、ヒータ22の基端部221を覆うように、大気側絶縁碍子50が配設されている。
【0052】
図9、図10に示すごとく、大気側絶縁碍子50の内壁面とヒータ22との間には、該ヒータ22を径方向から挟圧するようにヒータ22の基端部221に接触する一対の端子バネ11が対向配置されている。
ヒータ22の基端部221には、発熱部と導通する端子222が設けてあり、該端子222に端子バネ11が接触することにより、リード線146とヒータ22とが導通されている。
【0053】
大気側絶縁碍子50と大気側カバー6との間には、一対の端子バネ11の挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネ12が介在している。
そして、外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上である。
その他は、実施例1と同様である。
【0054】
本例のガスセンサ1においては、ガスセンサ1に衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータ22の破損を効果的に防ぐことができる。これは、実施例1におけるセンサ素子2の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータ22を内側に配するセンサ素子2にヒータ22を介して作用する力も抑制されるため、センサ素子2の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本例によれば、外力が作用したときにヒータ22やセンサ素子2が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0055】
また、上記実施例4(図9、図10)に示す構成において、外方バネ12の最大ストローク量を、端子バネ11の最大ストローク量以下とすることもできる。この場合には、上記実施例2と同様の原理により、外力が作用したときにヒータ22やセンサ素子2が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1における、ガスセンサの縦断面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図1のA−A線矢視断面相当における、バネの付勢力を示す説明図。
【図4】実施例1における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図5】実施例2における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図6】実施例2における、過大な外力が作用したときのバネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図7】実施例2における、端子バネ及び外方バネの最大ストローク量を示す説明図。
【図8】実施例3における、ガスセンサの縦断面図。
【図9】実施例4における、ガスセンサの縦断面図。
【図10】図9のB−B線矢視断面図。
【図11】従来例における、ガスセンサの縦断面図。
【図12】従来例における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【符号の説明】
【0057】
1 ガスセンサ
11 端子バネ
12 外方バネ
2、20 センサ素子
22 ヒータ
3 素子側絶縁碍子
4 ハウジング
5、50 大気側絶縁碍子
6 大気側カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車の内燃機関等の排気系には、排ガス中の酸素や窒素酸化物等の特定ガスの濃度を測定するガスセンサ9が配設されている。該ガスセンサ9として、図11に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための板棒状のセンサ素子92を、素子側絶縁碍子93に挿通保持させてなるものがある。そして、素子側絶縁碍子93は、ハウジング94の内側に保持されている。素子側絶縁碍子93の基端側には、センサ素子92の基端部921を覆うように配設された大気側絶縁碍子95が配設され、該大気側絶縁碍子95を覆うように大気側カバー96がハウジング94の基端側に設けてある。
【0003】
かかる構成において、センサ素子92を基準にして上記大気側絶縁碍子95の位置を決めて配設する場合、ハウジング94もしくは素子側絶縁碍子93等の素子保持部側に対して大気側絶縁碍子95を強く押圧するように固定することはできない。素子保持部側と大気側絶縁碍子95との接触面が傾斜していると、押圧力をかけることにより、センサ素子92に曲げ力が作用し、破損のおそれがあるからである。それ故、大気側絶縁碍子95は素子保持部側に対して浮いた状態、即ちいわゆるフローティング状態で配設される。
【0004】
しかし、この状態で、図12に示すごとく、ガスセンサ9に振動や衝撃等の外力Fが働いた場合、大気側絶縁碍子95が動き、センサ素子92に曲げ力が働くおそれがある。即ち、大気側絶縁碍子95とセンサ素子92との間の端子バネ94の付勢力f、f’に偏りが生じ、|f−f’|という力がセンサ素子92の基端部に作用し、曲げ力が生じる。これにより、場合によっては、センサ素子92が折損したりするおそれがある。
【0005】
かかる問題に対して、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に押圧バネを配設して、大気側絶縁碍子を大気側カバーの所定の位置に固定したガスセンサが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記ガスセンサは、大気側絶縁碍子が複数の挟持部材を組合わせて構成されているなど、複雑な構成となっている。また、上記押圧バネの合成バネ定数や最大ストロークについての規定がない。
【0006】
それ故、場合によっては、センサ素子への曲げ力の作用を充分に抑制することが困難となるおそれもある。
また、押圧バネの最大ストロークが大きすぎると、ガスセンサに過大な外力が作用したとき、大気側絶縁碍子が大きく動くことによってセンサ素子に過大な曲げ力が加わることも考えられる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−144732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
【0010】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサにおいては、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に、上記外方バネが介在している。そのため、大気側絶縁碍子が外方バネによって大気側カバーの内側において保持されることとなる。それ故、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにおける、大気側絶縁碍子の大気側カバーに対する動き(変位)を抑制することができ、ひいては、大気側絶縁碍子のセンサ素子に対する動き(変位)を抑制することができる。
【0011】
すなわち、ガスセンサに大きな外力が働いたとき、外方バネが伸縮して大気側カバーに対して大気側絶縁碍子が動き、このとき、端子バネも上記外方バネと同じ方向に伸縮する。これにより、センサ素子には、端子バネを介して曲げ力が作用することとなる。ところが、上記外力は、外方バネと端子バネとに分散されることとなるため、この外方バネ力により、大気側絶縁碍子の変位量を抑制することができる。これにより、センサ素子に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子の破損を防ぐことができる。
【0012】
そして、特に、外方バネの合成バネ定数は端子バネの合成バネ定数以上であるため、外力は、外方バネの方に多くかかることとなり、それにより大気側絶縁碍子の変位量をより抑制することができ、端子バネには、大きな付勢力が蓄積されることが無く、センサ素子に作用する力を小さくすることができる。その結果、センサ素子の破損を効果的に防ぐことができる。
【0013】
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0014】
第2の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサにある(請求項2)。
【0015】
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサにおいては、大気側絶縁碍子と大気側カバーとの間に、上記外方バネが介在している。そのため、上記第1の発明と同様に、ガスセンサに外力が働いたときにおける大気側絶縁碍子のセンサ素子に対する動き(変位)を抑制することができる。これにより、センサ素子に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子の破損を防ぐことができる。
【0016】
また、外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であるため、外力が作用したときに、大気側カバーに対する大気側絶縁碍子の最大の変位量は外方バネの最大ストローク量となる。即ち、ガスセンサに過大な外力が作用しても、大気側カバーに対する大気側絶縁碍子の変位量が、外方バネの最大ストローク量よりも大きくなることがない。その結果、端子バネを介してセンサ素子に作用する力が過大となることを防ぐことができる。
【0017】
換言すると、ガスセンサに過大な外力がかかって、大気側カバーに対して大気側絶縁碍子が最も変位したときでも、大気側絶縁碍子とセンサ素子との間の端子バネは未だ伸縮しきっていない状態となる。そのため、端子バネ力(素子曲げ力)の最大値が固定され、センサ素子に作用する力を抑制することができる。
その結果、センサ素子の破損を効果的に防ぐことができる。
【0018】
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0019】
第3の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサにある(請求項3)。
【0020】
上記ガスセンサにおいては、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータの破損を効果的に防ぐことができる。これは、上記第1の発明におけるセンサ素子の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータを内側に配するセンサ素子にヒータを介して作用する力も抑制されるため、センサ素子の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにヒータやセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0021】
第4の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサにある(請求項4)。
【0022】
上記ガスセンサにおいては、ガスセンサに衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータの破損を効果的に防ぐことができる。これは、上記第2の発明におけるセンサ素子の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータを内側に配するセンサ素子にヒータを介して作用する力も抑制されるため、センサ素子の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本発明によれば、外力が作用したときにヒータやセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
上記第1の発明〜上記第4の発明において、合成バネ定数とは、上記複数の端子バネからなる組合せバネ、或いは上記複数の外方バネからなる組合せバネのバネ定数をいう。即ち、複数の端子バネ及び複数の外方バネは、それぞれ組合せバネとみなすことができるため、その組合せバネのバネ定数が上記合成バネ定数である。
また、上記外方バネは、伸びる方向に付勢された状態(自由状態よりも縮んだ状態)で配設されていることが好ましいが、縮む方向に付勢された状態(自由状態よりも伸びた状態)で配設されていてもよい。
なお、本明細書においては、ガスセンサについて、被測定ガスに曝される側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
【0024】
上記第2の発明(請求項2)又は上記第4の発明(請求項4)において、上記外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記第1の発明と上記第2の発明との組合せの効果を得ることができ、センサ素子あるいはヒータの破損を一層効果的に防ぐことができる。
【0025】
また、上記外方バネは、上記大気側カバーよりも内側に形成した内側保護筒と上記大気側絶縁碍子との間に配設されていてもよい(請求項6)。
この場合には、外力によって大気側カバーが変形したとき、その変形を大気側カバーと内側保護筒とのスペースにおいて吸収することができる。そのため、大気側カバーの変形を外方バネが受けることがなく、安定したバネ力の状態を維持することができ、センサ素子あるいはヒータの破損防止の効果を維持することができる。
【0026】
また、上記内側保護筒を設けることにより、大気側絶縁碍子と内側保護筒との間に配する外方バネの最大ストローク量を小さくすることが容易となる。その結果、ガスセンサに過大な外力がかかったときにもセンサ素子あるいはヒータに作用する力を抑制することができるという、上記第2の発明(請求項2)又は上記第4の発明(請求項4)の作用効果を容易に得ることができる。
【実施例】
【0027】
(実施例1)
本発明の実施例にかかるガスセンサにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のガスセンサ1は、図1に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための板棒状のセンサ素子2を内蔵してなる。そして、ガスセンサ1は、センサ素子2を挿通保持する素子保持部としての素子側絶縁碍子3と、該素子側絶縁碍子3を内側に保持するハウジング4と、素子側絶縁碍子3の基端側においてセンサ素子2の基端部21を覆うように配設された大気側絶縁碍子5と、該大気側絶縁碍子5を覆うようにハウジング4の基端側に設けた大気側カバー6とを有する。
【0028】
図1、図2に示すごとく、大気側絶縁碍子5の内壁面とセンサ素子2との間には、センサ素子2を厚み方向から挟圧するように該センサ素子2の基端部21に接触する二対の端子バネ11が対向配置されている。
また、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間には、センサ素子2の厚み方向、即ち端子バネ11の挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネ12が介在している。
外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上となっている。
【0029】
上記大気側絶縁碍子5は、図2に示すごとく、断面略C字状であってスリットを有する筒状のホルダ13によって保持され、該ホルダ13と大気側カバー6との間に、外方バネ12が配設されている。図1、図2に示すごとく、外方バネ12は、ホルダ13から斜め外方に突出するように形成されており、広がる方向、即ち大気側カバー6の内側面を押圧した状態で当接している。逆に、外方バネ12は、大気側絶縁碍子5を保持したホルダ13を外側から押圧する方向に付勢された状態となっている。
大気側絶縁碍子5は、例えばアルミナ(Al2O3)、ステアタイト(MgO・SiO2)等のセラミックからなる。
【0030】
センサ素子2は、アルミナ(Al2O3)やジルコニア(ZrO2)等のセラミック板を積層して構成した積層型の素子であって、被測定ガス中の特定ガスの濃度(例えば内燃機関の排ガス中の酸素濃度や窒素酸化物濃度等)を検出するセンサセルと、該センサセルの温度を調整するためのヒータとを一体的に設けてなる(図示略)。
【0031】
センサ素子2は、素子側絶縁碍子3に挿通されており、センサ素子2と素子側絶縁碍子3との間は、ガラス封止材141によって封止されると共に固定されている。また、素子側絶縁碍子3はハウジング4に保持され、素子側絶縁碍子3とハウジング4との間には、リング状のパッキン材142が配設されている。そして、素子側絶縁碍子3の基端側は、ハウジング4の基端部によって、リング状の皿バネ143を介して、かしめ固定されている。
【0032】
また、大気側絶縁碍子5は、ハウジング4もしくは素子側絶縁碍子3等の素子保持部側に対して固定されておらず、基本的には素子保持部側から浮いた、いわゆるフローティング状態にある。そして、大気側絶縁碍子5は、端子バネ11と外方バネ12とを介して、センサ素子2及び大気側カバー6に対して保持された状態にある。
また、ハウジング4の先端側には、センサ素子2をカバーする被測定ガス側カバー144が配設されている。
【0033】
また、図2に示すごとく、端子バネ11は、合計4本配設されており、そのうちの2本はセンサ素子2におけるセンサセルの出力端子に接触し、他の2本はセンサセルに積層されたヒータの通電用端子に接触している。
また、端子バネ11は、外部リード145に電気的に接続されている。
【0034】
端子バネ11は、金属板を折り曲げ形成してなり、背板部111と前板部112と両者を連結する屈曲部113とを有する。そして、背板部111を大気側絶縁碍子5の内壁面に当接させ、前板部112をセンサ素子2に当接させている。
また、図3、図4に示すごとく、端子バネ11の付勢方向(矢印f1)と外方バネ12の付勢方向(矢印f2)とはいずれもセンサ素子2の厚み方向であって、同一方向となっている。なお、図3、図4は、端子バネ11及び外方バネ12の位置に、それぞれのバネの付勢力を表したものであり、特に図4は、模式化、簡略化した図である。
【0035】
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ1においては、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間に、上記外方バネ12が介在している。そのため、大気側絶縁碍子5が外方バネ12によって大気側カバー6の内側において保持されることとなる。それ故、ガスセンサ1に衝撃等の外力が働いたとき、大気側絶縁碍子5の大気側カバー6に対する動き(変位)を抑制することができ、ひいては、大気側絶縁碍子5のセンサ素子2に対する動き(変位)を抑制することができる。
【0036】
すなわち、ガスセンサ1に大きな外力が働いたとき、外方バネ12が伸縮して大気側カバー6に対して大気側絶縁碍子5が動き、このとき、端子バネ11も上記外方バネ12と同じ方向に伸縮する。これにより、センサ素子2には、端子バネ11を介して曲げ力が作用することとなる。ところが、上記外力は、外方バネ12と端子バネ11とに分散されることとなるため、この外方バネ力により、大気側絶縁碍子5の変位量を抑制することできる。これにより、センサ素子2に大きな曲げ力がかかることを防ぎ、センサ素子2の破損を防ぐことができる。
【0037】
そして、特に、外方バネ12の合成バネ定数k2は端子バネ11の合成バネ定数k1以上であるため、衝撃等により大気側絶縁碍子5に動き(変位)が生じた場合、その変位を生む外力は、外方バネ12の方に多くかかることとなり、端子バネ11には、大きな付勢力が蓄積されることが無く、センサ素子2に作用する力を小さくすることができる。
言い換えると、外方バネ12により、外力発生時の大気側絶縁碍子5の変位量を抑えることで、結果としてセンサ素子2への作用する力(故に端子バネ11による発生バネ力)を小さくできる。
【0038】
即ち、大気側絶縁碍子5の変位がΔLとなったとき、2つの外方バネ12により働く付勢力F2は、F2=k2×ΔLとなり、4つの端子バネ11により働く付勢力F1は、F1=k1×ΔLとなる。このとき、k1≦k2であるため、F1≦F2となり、外力は、外方バネ12の方に多く割り当てられ、センサ素子2に作用する力(大気側絶縁碍子5の変位量)を小さくすることができる。
その結果、センサ素子2の破損を効果的に防ぐことができる。
【0039】
以上のごとく、本例によれば、外力が作用したときにセンサ素子が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【0040】
(実施例2)
本例は、図5〜図7に示すごとく、外方バネ12の最大ストローク量s2を、端子バネ11の最大ストローク量s1以下としたガスセンサ1の例である。
図7に示すごとく、特に、端子バネ11及び外方バネ12の縮み方向には、その縮み幅に限界がある。この最も縮んだ状態(図7(b)、(d)の状態)と、ガスセンサ1に外力がかかっていない通常の状態(図7(a)、(c)の状態)との間の端子バネ11及び外方バネ12の変位量を最大ストロークs1、s2と考えることができる。
【0041】
そこで、端子バネ11と外方バネ12との最も縮んだ状態の厚みを無視して(0として)模式化すると、通常状態と最大変位状態とは、それぞれ図5、図6のように表すことができる。即ち、図5に示すごとく、ガスセンサ1に外力が作用していない状態において、大気側絶縁碍子5と大気側カバー6との間のクリアランスを外方バネ12の最大ストローク量s2とし、大気側絶縁碍子5とセンサ素子2との間のクリアランスを端子バネ11の最大ストローク量s1とすることができる。
その他は、実施例1と同様である。
【0042】
なお、実際には、端子バネ11と外方バネ12との最も縮んだ状態においても、その厚みは0ではないため、最大ストローク量s1、s2と上記クリアランスとは一致しないが、端子バネ11の最大ストローク量s1と外方バネ12の最大ストローク量s2との差について考察するに当たり、上記のような仮定をしても、実際の現象と等価な考察を行うことは可能である。
【0043】
本例においては、外方バネ12の最大ストローク量s2は、端子バネ11の最大ストローク量s1以下であるため(即ち、s2≦s1であるため)、図6に示すごとく、外力が作用したときに、大気側カバー6に対する大気側絶縁碍子5の最大の変位量は外方バネ12の最大ストローク量s2となる。即ち、ガスセンサ1に過大な外力が作用しても、大気側カバー6に対する大気側絶縁碍子5の変位量が、外方バネ12の最大ストローク量s2よりも大きくなることがない。その結果、端子バネ11を介してセンサ素子2に作用する力が過大となることを防ぐことができる。
【0044】
具体的には、図6に示すごとく、大気側絶縁碍子5の変位量が最大となったとき、端子バネ11によってセンサ素子2に作用する力F1MAXは、F1MAX=k1×s2となり、最大ストローク量s2によってF1MAXを求めることができる。逆に、このF1MAXよりも大きな力がセンサ素子に作用することを防ぐことができる。
仮に、s2>s1とした場合、ガスセンサ1に過大な外力が作用すると、端子バネ11が伸縮しきった状態から、更に大気側絶縁碍子5が変位しようとする。これにより、大気側絶縁碍子5から端子バネ11を介してセンサ素子2へ作用する力は、バネ力を超えた力となり、センサ素子2を破壊させるおそれがある。
【0045】
換言すると、本発明においては、ガスセンサ1に過大な外力がかかって、大気側カバー6に対して大気側絶縁碍子5が最も変位したときでも、大気側絶縁碍子5とセンサ素子2との間の端子バネ11は未だ伸縮しきっていない状態となる。即ち、s1−s2の分だけ端子バネ11にはストローク量に余裕がある。そのため、端子バネ11からセンサ素子2に作用する力(F1)が過大となることなく、センサ素子2に作用する力を抑制することができる。
その結果、センサ素子2の破損を効果的に防ぐことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0046】
(実施例3)
本例は、図8に示すごとく、大気側カバー6よりも内側に内側保護筒61を配設した例である。そして、該内側保護筒61と大気側絶縁碍子5との間に、外方バネ12を配設している。
なお、内側保護筒61は、素子側絶縁碍子3及び皿バネ143と共に、ハウジング4の基端部にかしめ固定されている。
その他は、実施例1、2と同様である。
【0047】
本例の場合には、飛び石等の外力によって大気側カバー6が変形したとき、その変形を大気側カバー6と内側保護筒61とのスペース62において吸収することができる。そのため、大気側カバー6の変形による外方バネ12のストローク量s2の変化を防ぎ、F1とF2およびs1とs2の関係を維持していくことができ、センサ素子2の破損防止の効果を維持することができる。
【0048】
また、上記内側保護筒61を設けることにより、大気側絶縁碍子5と内側保護筒61との間に配する外方バネ12の最大ストローク量を小さくすることが容易となる。その結果、ガスセンサ1に過大な外力がかかったときにもセンサ素子2に作用する力を抑制することができるという、上記実施例2において示した作用効果を容易に得ることができる。
その他、実施例1、2と同様の作用効果を有する。
【0049】
なお、上記実施例においては、端子バネ及び外方バネを板バネ状のバネによって構成した例を示したが、例えばコイルバネ等、他のバネを用いることもできる。
【0050】
(実施例4)
本例は、図9、図10に示すごとく、有底筒状のコップ型のセンサ素子20を有するガスセンサ1の例である。
センサ素子20は、図9に示すごとく、有底筒状の固体電解質体と、該固体電解質体の内側表面と外側表面とに設けた一対の電極(図示略)とを有する。
【0051】
センサ素子20はハウジング4の内側に保持されている。また、センサ素子20の内側には、センサ素子20を加熱するヒータ22が、その基端部221を突出させた状態で挿入されている。ヒータ22は、略円柱形状を有するアルミナ等からなるセラミックヒータである。
また、ハウジング4の基端側に、ヒータ22の基端部221を覆うように、大気側絶縁碍子50が配設されている。
【0052】
図9、図10に示すごとく、大気側絶縁碍子50の内壁面とヒータ22との間には、該ヒータ22を径方向から挟圧するようにヒータ22の基端部221に接触する一対の端子バネ11が対向配置されている。
ヒータ22の基端部221には、発熱部と導通する端子222が設けてあり、該端子222に端子バネ11が接触することにより、リード線146とヒータ22とが導通されている。
【0053】
大気側絶縁碍子50と大気側カバー6との間には、一対の端子バネ11の挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネ12が介在している。
そして、外方バネ12の合成バネ定数は端子バネ11の合成バネ定数以上である。
その他は、実施例1と同様である。
【0054】
本例のガスセンサ1においては、ガスセンサ1に衝撃等の外力が働いたときにも、ヒータ22の破損を効果的に防ぐことができる。これは、実施例1におけるセンサ素子2の破損防止効果と同様の原理に基づくものである。また、ヒータ22を内側に配するセンサ素子2にヒータ22を介して作用する力も抑制されるため、センサ素子2の破損も充分に防止することができる。
以上のごとく、本例によれば、外力が作用したときにヒータ22やセンサ素子2が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0055】
また、上記実施例4(図9、図10)に示す構成において、外方バネ12の最大ストローク量を、端子バネ11の最大ストローク量以下とすることもできる。この場合には、上記実施例2と同様の原理により、外力が作用したときにヒータ22やセンサ素子2が破損することを充分に防ぐことができるガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実施例1における、ガスセンサの縦断面図。
【図2】図1のA−A線矢視断面図。
【図3】図1のA−A線矢視断面相当における、バネの付勢力を示す説明図。
【図4】実施例1における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図5】実施例2における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図6】実施例2における、過大な外力が作用したときのバネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【図7】実施例2における、端子バネ及び外方バネの最大ストローク量を示す説明図。
【図8】実施例3における、ガスセンサの縦断面図。
【図9】実施例4における、ガスセンサの縦断面図。
【図10】図9のB−B線矢視断面図。
【図11】従来例における、ガスセンサの縦断面図。
【図12】従来例における、バネの付勢力を示すガスセンサの縦断面模式図。
【符号の説明】
【0057】
1 ガスセンサ
11 端子バネ
12 外方バネ
2、20 センサ素子
22 ヒータ
3 素子側絶縁碍子
4 ハウジング
5、50 大気側絶縁碍子
6 大気側カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項3】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項4】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項5】
請求項2又は4において、上記外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記外方バネは、上記大気側カバーよりも内側に形成した内側保護筒と上記大気側絶縁碍子との間に配設されていることを特徴とするガスセンサ。
【請求項1】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を挿通保持する素子保持部と、該素子保持部を内側に保持するハウジングと、上記素子保持部の基端側において上記センサ素子の基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記センサ素子との間には、上記センサ素子を厚み方向から挟圧するように該センサ素子の基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項3】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項4】
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための有低筒状のセンサ素子と、該センサ素子を内側に保持するハウジングと、基端部を突出させた状態で上記センサ素子の内側に配され該センサ素子を加熱するヒータと、上記ハウジングの基端側において上記ヒータの基端部を覆うように配設された大気側絶縁碍子と、該大気側絶縁碍子を覆うようにハウジングの基端側に設けた大気側カバーとを有するガスセンサであって、
上記大気側絶縁碍子の内壁面と上記ヒータとの間には、該ヒータを径方向から挟圧するように該ヒータの基端部に接触する少なくとも一対の端子バネが対向配置されており、
上記大気側絶縁碍子と上記大気側カバーとの間には、上記一対の端子バネの挟圧方向と同方向に伸縮する外方バネが介在しており、
該外方バネの最大ストローク量は、上記端子バネの最大ストローク量以下であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項5】
請求項2又は4において、上記外方バネの合成バネ定数は上記端子バネの合成バネ定数以上であることを特徴とするガスセンサ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において、上記外方バネは、上記大気側カバーよりも内側に形成した内側保護筒と上記大気側絶縁碍子との間に配設されていることを特徴とするガスセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−127619(P2007−127619A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146671(P2006−146671)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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