説明

ガスセンサ

【課題】多品種のガスセンサを作製することなく、機種毎に異なるエンジンルームや流路に取付可能なガスセンサを提供する。
【解決手段】ガスセンサ1は、被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部11を有する検出素子10と、検出素子10の径方向周囲を取り囲む筒状の主体金具50と、内部に検出素子10の検出部11を収容しつつ、主体金具に固定されるプロテクタ100と、内部に検出素子10の後端側を収容しつつ、主体金具50に固定される筒状の金属外筒30と、少なくとも主体金具50及び外筒30のいずれか一方に固着され、被測定ガスが流れる流路へ取り付けるための取付孔221を有する樹脂製の固定部220を備え、プロテクタ100は、被測定ガスを外部からプロテクタ100内に導入可能なガス導入部115を有し、取付部221とガス導入部115とが特定の位置関係にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスセンサに関する。更に詳しくは、酸素センサ、炭化水素センサ、酸化窒素センサなど、測定雰囲気中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1のようなガスセンサが知られている。このガスセンサは、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出する検出部を先端に備える検出素子と、検出部を被測定ガスに晒すようにして検出素子を保持する主体金具と、検出部を覆うようにして主体金具に固定されるプロテクタと、検出素子の後端側を覆うようにして主体金具に固定される筒状の外筒等の複数の部材が組み合わされて構成されている。
【0003】
このガスセンサは、自動車等の被測定ガスが流れる流路(例えば給気管や排気管等)に取り付けられて、被測定ガス中の酸素濃度を検出する等に用いられる。そのため、主体金具の外表面には、ガスセンサを自動車の流路に取り付けるための雄ねじ部が形成されており、流路に設けられた雌ねじ部に螺合させてガスセンサを流路に固定させている。
【特許文献1】特開2005−61420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的にエンジンを配置するエンジンルームのレイアウトや流路のレイアウトは機種毎に異なるものであり、ガスセンサの配置位置も機種毎に異なるものである。これに対し、ガスセンサの取付位置が主体金具に形成された雄ねじ部のみに形成されていると、エンジンルームや流路のレイアウトに適合できず、ガスセンサが取り付けられてない虞がある。
【0005】
これに対し、主体金具以外に雄ねじ部を形成して、エンジンルームや流路のレイアウトに適合させようとすると、機種毎にガスセンサの部品(具体的には、検出素子、主体金具、外筒等)を作製する必要があり、多品種にわたってしまう。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、多品種のガスセンサを作製することなく、機種毎に異なるエンジンルームや流路に取付可能なガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のガスセンサは、軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有する検出素子と、前記検出部の先端側及び後端側を突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状の主体金具と、内部に前記検出素子の前記検出部を収容しつつ、前記主体金具に固定されるプロテクタと、内部に前記検出素子の後端側を収容しつつ、前記主体金具に固定される筒状の金属外筒と、を備えるガスセンサにおいて、
前記ガスセンサは、少なくとも前記主体金具及び前記外筒のいずれか一方に固着され、前記被測定ガスが流れる流路へ取り付けるための取付部を有する樹脂製の固定部を備え、前記プロテクタは、前記被測定ガスを外部から前記プロテクタ内に導入可能なガス導入部を有し、前記取付部と前記ガス導入部とが特定の位置関係にあることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明のガスセンサは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記固定部は、少なくとも前記主体金具及び前記外筒のいずれか一方の周囲を取り囲む本体部と、該本体部から軸線方向に垂直な方向に突出し、前記取付部を有するフランジ部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3に係る発明のガスセンサは、請求項1又は請求項2記載の発明の構成に加え、前記フランジ部は、前記軸線方向において前記外筒と同じ位置に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明のガスセンサでは、前記主体金具及び前記外筒の少なくともいずれか一方に固着され、被測定ガスが流れる流路へ取り付けるための取付部を有する樹脂製の固定部を有する。これにより、機種毎に異なるエンジンルームや流路であっても、主体金具又は外筒のうち機種毎にあわせた所定の部位に、樹脂製の固定部を固着させてガスセンサと一体とすることで、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【0011】
その上、機種毎にガスセンサの部品(具体的には、検出素子、主体金具、外筒等)を作製する必要がなくなり、多品種にわたることを防止できる。
【0012】
さらに、プロテクタは、被測定ガスを外部からプロテクタ内に導入可能なガス導入部を有しているが、このガス導入部と固定部の取付部とを特定の位置関係にすることで、被測定ガスを効果的にプロテクタ内に導入することができ、ガス検出精度を高めることができる。他方、被測定ガス中には水滴が含まれており、検出素子に付着することで、検出素子にクラックが生じる虞がある。また、被測定ガスには不純物(例えば煤)が含まれており、ガス導入部近傍に付着することで、ガス導入部を塞いでしまう(以下、目詰まりとも言う)虞がある。これに対し、ガス導入部と固定部の取付部とを特定の位置関係にすることで、被測定ガスが直接プロテクタ内に導入されないようにすることができ、検出素子に水滴が付着することを抑制したり、ガス導入部近傍に煤が付着することを抑制できる。
【0013】
なお、固定部は主体金具のみに固着されていてもよいし、外筒のみに固着されていてもよいし、主体金具と外筒の両方に固着されていてもよい。つまり、エンジンルームや流路のレイアウトにあわせた部位に固着されていればよい。
また、取付部は、流路にネジ等で取り付ける取付孔にて構成しても良いし、袋ナット等を用いて取り付けられる構成でも良い。
さらに、「特定の位置関係」とは、固定部を用いてガスセンサを流路等に取り付けた場合に、ガス導入孔から被測定ガスが導入されやすい位置、もしくは被測定ガス中の不純物や水滴等を考慮し、流路の上流側から下流側に流れる被測定ガスが直接プロテクタ内に導入されない位置にすることを指す。
【0014】
さらに、固定部は、少なくとも前記主体金具及び前記外筒のいずれか一方の周囲を取り囲む本体部と、該本体部から軸線方向に垂直な方向に突出し、取付部を有するフランジ部とを備えることが好ましい。この構成により、主体金具や外筒を有するガスセンサにおいて、機種毎に異なるエンジンルームや流路であっても、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【0015】
さらに、フランジ部は、軸線方向において前記外筒と同じ位置に配置されていることが好ましい。これにより、ガスセンサの主体金具、プロテクタ、外筒の一部を流路内に配置できるため、流路の外側に配置される部位が少なくなる。よって、ガスセンサを配置する場所が小さくすることができ、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具体化したガスセンサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、一例としてのガスセンサ1の構造について、図1、図2、図3を参照して説明する。図1は、ガスセンサ1の部分断面図である。図2は、ガスセンサ1の斜視図である。図3はガスセンサ1の後端側から先端側に向かって見た斜視図である。なお、図1において、ガスセンサ1の軸線O方向(1点鎖線で示す。)を上下方向として図示し、内部に保持する検出素子10の検出部11側をガスセンサ1の先端側、後端部12側をガスセンサ1の後端側として説明する。
【0017】
図1に示すガスセンサ1は、内燃機関の吸気流路(図示せず)に取り付けられ、内部に保持する検出素子10の検出部11が吸気流路を流通する吸気ガスや吸気再循環ガス中に晒されて、その吸気ガスや吸気再循環ガス中の酸素濃度から空燃比を検出する、いわゆる全領域空燃比センサである。なお、以下の文章では吸気ガス及び吸気再循環ガスをまとめて「ガス」という。
【0018】
検出素子10は公知にあるような軸線O方向に延びる短冊状をなし、酸素濃度の検出を行うガス検出体と、そのガス検出体を早期活性化させるために加熱を行うヒータ体とが互いに貼り合わされ、略角柱状をなす積層体として一体化されたものである。ガス検出体はジルコニアを主体とする固体電解質体と白金を主体とする検出電極と(共に図示しない)から構成され、その検出電極は、検出素子10の先端側に形成された検出部11に配置されている。そして、検出電極をガスによる被毒から保護するため、検出素子10の検出部11には、その外周面を包むように保護層15が形成されている。他方、検出素子10の後端側の後端部12には、ガス検出体やヒータ体から電極を取り出すための5つの電極パッド16(図1ではそのうちの1つを図示している。)が形成されている。なお、本実施の形態では検出素子10を本発明における「検出素子」として説明を行うが、厳密には、検出素子の構成としてヒータ体は必ずしも必要ではなく、ガス検出体が本発明の「検出素子」に相当する。
【0019】
検出素子10の胴部13の中央よりやや先端側には、有底筒状をなす金属製の金属カップ20が、自身の内部に検出素子10を挿通させ、その検出部11を筒底の開口25から突出させた状態で配置されている。金属カップ20は主体金具50内に検出素子10を保持するための部材であり、筒底の縁部分の先端周縁部23は外周面にかけてテーパ状に形成されている。金属カップ20内には、アルミナ製のセラミックリング21と滑石粉末を圧縮して固めた滑石リング22とが、自身を検出素子10に挿通させた状態で収容されている。滑石リング22は金属カップ20内で押し潰されて細部に充填されており、これにより、検出素子10が金属カップ20内で位置決めされて保持されている。
【0020】
金属カップ20と一体となった検出素子10は、その周囲を筒状の主体金具50に取り囲まれて保持されている。主体金具50は、SUS430等の低炭素鋼からなり、通常の場合に外周先端側に吸気流路への取り付け用の雄ねじ部51が形成されている。この雄ねじ部51よりも先端側には、後述するプロテクタ100が係合される先端係合部56が形成されている。また、主体金具50の外周中央には突出部52が形成されており、その突出部52の先端面と雄ねじ部51の後端との間にはガスケット55が嵌挿されている。更に、突出部52の後端側には、後述する外筒30が係合される後端係合部57と、その後端側に、主体金具50内に検出素子10を加締め保持するための加締め部53とが形成されている。
【0021】
また、主体金具50の内周で雄ねじ部51付近には段部54が形成されている。この段部54には、検出素子10を保持する金属カップ20の先端周縁部23が係止されている。更に、主体金具50の内周には滑石リング26が、自身を検出素子10に挿通させた状態で、金属カップ20の後端側から装填されている。そして、滑石リング26を後端側から押さえるように、筒状のスリーブ27が主体金具50内に嵌め込まれている。スリーブ27の後端側外周には段状をなす肩部28が形成されており、その肩部28には、円環状の加締めパッキン29が配置されている。この状態で主体金具50の加締め部53が、加締めパッキン29を介してスリーブ27の肩部28を先端側に向けて押圧するように加締められている。スリーブ27に押圧された滑石リング26は主体金具50内で押し潰されて細部にわたって充填され、この滑石リング26と、金属カップ20内にあらかじめ装填された滑石リング22とによって、金属カップ20および検出素子10が主体金具50内で位置決め保持される。主体金具50内の気密は、加締め部53とスリーブ27の肩部28との間に介在される加締めパッキン29によって維持され、燃焼ガスの流出が防止される。
【0022】
検出素子10は、その後端部12が主体金具50の後端(加締め部53)よりも後方に突出されており、その後端部12には、絶縁性セラミックスからなる筒状のセパレータ60が被せられている。セパレータ60は、検出素子10の後端部12に形成された5つの電極パッド16とそれぞれ電気的に接続される5つの接続端子61(図1ではそのうちの1つを図示している。)を内部に保持すると共に、それら各接続端子61と、ガスセンサ1の外部に引き出される5本のリード線65(図1ではそのうちの3本を図示している。)との各接続部分を収容して保護している。
【0023】
そして、セパレータ60が嵌められた検出素子10の後端部12の周囲を囲うように、筒状の外筒30が配設されている。外筒30はステンレス(例えばSUS304)製であり、主体金具50の後端係合部57の外周に自身の先端側の開口端31が係合されている。その開口端31は、外周側から加締められ、更に外周を一周してレーザ溶接が施されて後端係合部57に接合されており、外筒30と主体金具50とが一体に固定されている。
【0024】
また、外筒30とセパレータ60との間の間隙には、金属製で筒状の保持金具70が配設されている。保持金具70は自身の後端を内側に折り曲げて構成した支持部71を有し、自身の内部に挿通されるセパレータ60の後端側外周に鍔状に設けられた鍔部62を支持部71に係止させて、セパレータ60を支持している。この状態で、保持金具70が配置された部分の外筒30の外周面が加締められ、セパレータ60を支持した保持金具70が外筒30に固定されている。
【0025】
そして外筒30の後端側の開口には、フッ素系ゴム製のグロメット75が嵌合されている。グロメット75は5つの挿通孔76(図1ではそのうちの1つを図示している。)を有し、各挿通孔76に、セパレータ60から引き出された5本のリード線65が気密に挿通されている。この状態でグロメット75は、セパレータ60を先端側に押圧しつつ、外筒30の外周から加締められて、外筒30の後端に固定されている。
【0026】
そして、主体金具50の先端係合部56には、センサ素子10の検出部11を、ガス中のデポジット(燃料灰分やオイル成分など被毒性の付着物質)による汚損や被水などによる折損等から保護するためのプロテクタ100が嵌められ、レーザ溶接によって固定されている。プロテクタ100は、側面に複数の孔を有した有底筒状の内側プロテクタ120と、内側プロテクタ120の外周面との間に空隙を有した状態で内側プロテクタ120の径方向周囲を取り囲む筒状をなし、側面に複数の孔を有した外側プロテクタ110とから構成される2重構造を有する。
【0027】
内側プロテクタ120は、その内径が主体金具50の先端係合部56よりも小さく形成されており、後端側の基端部121は、先端係合部56に係合するように拡径されている。内側プロテクタ120の側壁122には、周方向にわたって複数の内側導入孔130が形成されている。また、内側プロテクタ120の側壁122の先端側には、内部に向けて切り込み状に開口された水抜き孔150が、外周面の周方向の複数箇所に設けられている。さらに、内側プロテクタ120の底壁123にも、排出孔160が開口されている。
【0028】
他方、外側プロテクタ110は、内側プロテクタ120と同様に開口端側の基端部111の外径が拡径されており、その基端部111が、内側プロテクタ120の基端部121に係合されている。また、この外側プロテクタ110の先端側の端部113は、内側プロテクタ120の底壁123付近にて内側プロテクタ120の外周面に向けて内側に折り曲げられている。また、外側プロテクタ110の側壁112には、周方向にわたって外側導入孔115が形成されている。これら外側導入孔115のそれぞれには、内側に向けて延出するガイド体が設けられている。
【0029】
次に、本発明の主要部である固定部200について説明する。
固定部200は、主体金具50の工具係合部52と外筒30の先端側を取り囲むようにして固着されている。この固定部200は、30%のガラス繊維が含まれるPPS等の樹脂材料からなり、本体部210と本体部210からガスセンサ1の径方向に突出するフランジ部220を有する。
【0030】
本体部210は、略均一の厚みを有するとともに、主体金具50の工具係合部52及び外筒30に固着されている。そして、本体部210の略中央には、凹部211が形成されている。この凹部211には、固定部200を、例えば吸気流路に取り付けた際に、固定部200と吸気流路とのクリアランスによってガスが外部に流れないように、パッキン(図示せず)が配置される。
【0031】
他方、フランジ部220は、ガスセンサ1のうち、外筒30の径方向外側に向かって突出する略菱形形状を有する。フランジ部220には、ガスセンサ1を排気管に取り付けるための取付孔221が、ガスセンサ1を挟んで対称に軸方向に貫通するように設けられている。なお、取付孔221は、プロテクタ100のうち、外側プロテクタ110の外側導入孔115と、所定の位置関係を有するようにしてフランジ部220に設けられている。なお、取付孔221が特許請求の範囲の「取付部」に相当する。
【0032】
次にガスセンサ1の製造方法について説明する。
ガスセンサ1は公知の方法により、センサ素子10、主体金具50、外筒30、プロテクタ100等を組み付ける。その後、主体金具50、及び外筒30の外周に固定部200を型取った治具を取り付け、樹脂材料を治具内に流しこむことで固定部200が形成される。
【0033】
このように、主体金具50及び外筒30に固着され、吸気流路へ取り付けるための取付孔221を有する樹脂製の固定部200を有する。これにより、機種毎に異なるエンジンルームや吸気流路であっても、主体金具50及び外筒30のうち機種毎にあわせた所定の部位に、樹脂製の固定部200を固着させてガスセンサ1と一体とすることで、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【0034】
その上、機種毎にガスセンサ1のセンサ素子10、主体金具50、外筒30等を作製する必要がなくなり、多品種にわたることを防止できる。
【0035】
さらに、プロテクタ100は、被測定ガスを外部からプロテクタ100内に導入可能なガス導入部(本実施形態では外側ガス導入部115)を有しているが、この外側ガス導入部115と固定部200の取付孔221とを特定の位置関係にすることで、被測定ガスを効果的にプロテクタ100内に導入することができたり、また、被測定ガスが直接プロテクタ100内に導入されないようにすることができる。
【0036】
さらに、固定部200は、主体金具50及び外筒30の周囲を取り囲む本体部210と、該本体部210から軸線方向に垂直な方向に突出し、取付孔221を有するフランジ部220とを備えることで、主体金具50や外筒30を有するガスセンサ1において、機種毎に異なるエンジンルームや吸気流路であっても、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【0037】
さらに、フランジ部220は、軸線方向において外筒30と同じ位置に配置されていることで、ガスセンサ1の主体金具50、プロテクタ100、外筒30の一部を吸気流路内に配置できるため、吸気流路の外側に配置される部位が少なくなる。よって、ガスセンサ1を配置する場所が小さくすることができ、それぞれのレイアウトに適合することができる。
【0038】
なお、本発明は上記各実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、本実施形態では、プロテクタ100を外側プロテクタ110及び内側プロテクタ120の2重のプロテクタを用いたが、これに限られず、1重のプロテクタであってもよいし、3重以上のプロテクタであってもよい。
【0039】
また、本実施形態では、外側ガス導入部115が矩形状、内側ガス導入孔130が円形状であるが、これに限られず、いずれもが円形状や矩形状であってもよい。
【0040】
また、本実施形態では全領域空燃比センサを例に説明したが、酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサ、温度センサ等にも同様に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施形態のガスセンサ1の部分断面図である。
【図2】本実施形態のガスセンサ1の斜視図である。
【図3】本実施形態のガスセンサ1の後端側から先端側に向かって見た斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ガスセンサ
10 検出素子
11 検出部
30 外筒
50 主体金具
100 プロテクタ
110 外側プロテクタ
120 内側プロテクタ
200 固定部
210 本体部
220 フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延び、自身の先端側に被測定ガス中の特定ガス成分を検出するための検出部を有する検出素子と、
前記検出部の先端側及び後端側を突出させつつ、前記検出素子の径方向周囲を取り囲む筒状の主体金具と、
内部に前記検出素子の前記検出部を収容しつつ、前記主体金具に固定されるプロテクタと、
内部に前記検出素子の後端側を収容しつつ、前記主体金具に固定される筒状の金属外筒と、
を備えるガスセンサにおいて、
前記ガスセンサは、少なくとも前記主体金具及び前記外筒のいずれか一方に固着され、前記被測定ガスが流れる流路へ取り付けるための取付部を有する樹脂製の固定部を備え、
前記プロテクタは、前記被測定ガスを外部から前記プロテクタ内に導入可能なガス導入部を有し、
前記取付部と前記ガス導入部とが特定の位置関係にあることを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記固定部は、少なくとも前記主体金具及び前記外筒のいずれか一方の周囲を取り囲む本体部と、該本体部から軸線方向に垂直な方向に突出し、前記取付部を有するフランジ部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記フランジ部は、前記軸線方向において前記外筒と同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−127667(P2010−127667A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300393(P2008−300393)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】