説明

ガスタービン設備、及びその排出二酸化炭素の削減方法

【課題】ガスタービン設備で、その設備コスト等を抑えつつ、長期間に渡って排出二酸化炭素を軽減する。
【解決手段】メタンを含む元ガス燃料Fに水蒸気ST,STを供給して、元ガス燃料を二酸化炭素及び水素を含む改質ガスFに改質する改質器10,20と、改質器10,20からの改質ガスF中の二酸化炭素を吸収水に溶解させることによって、改質ガスFから二酸化炭素を除去する溶解器30と、ガス燃料の少なくとも一部として、二酸化炭素が除去された改質ガスFをガスタービン4の燃焼器3に導く改質燃料ライン83と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器と、この燃焼器からの高温ガスにより駆動されるガスタービンと、を備えているガスタービン設備、及びその排出二酸化炭素の削減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量は、京都議定書やEU域内排出量取引制度のように国際的な規制により、より厳しく制限されるようになってきている。
【0003】
このため、化石燃料を燃焼させてタービンを駆動させるガスタービン設備においても、二酸化炭素の排出量の削減が検討されている。例えば、以下の特許文献1に記載の技術では、マイクロポーラスカーボン等で形成されたメンブランにガスタービンから排気された排気ガスを通過させることで、排気ガス中の二酸化炭素を除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−149317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、ガスタービンからの排気ガスを通過させることが可能な大型のメンブランの製品コストが極めて高く、しかもこのメンブランがガスタービンからの高温の排気ガスに晒されるために短期間のうちに劣化してしまう。すなわち、上記特許文献1に記載の技術は、多くのガスタービン設備で採用し得る技術ではく、実用的でないという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明は、以上のような従来技術の問題点に着目し、設備コスト等を抑えつつ、長期間に渡って二酸化炭素を除去することができる実用的なガスタービン設備、及びその排出二酸化炭素の削減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するための発明に係るガスタービン設備の排出二酸化炭素の削減方法は、
ガス燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼器と、前記高温ガスにより駆動されるガスタービンと、を備えているガスタービン設備の排出二酸化炭素の削減方法において、少なくとも二酸化炭素と燃料成分ガスとを含む混合ガスにおける、該二酸化炭素を吸収水に溶解させることによって、該混合ガスから該二酸化炭素を除去する溶解工程と、前記燃料の少なくとも一部として、前記二酸化炭素が除去された前記混合ガスを前記燃焼器に導く改質燃料供給工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
前記問題点を解決するための発明に係るガスタービン設備は、
ガス燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼器と、前記高温ガスにより駆動されるガスタービンと、を備えているガスタービン設備において、少なくとも二酸化炭素と燃料成分ガスとを含む混合ガスにおける、該二酸化炭素を吸収水に溶解させることによって、該混合ガスから該二酸化炭素を除去する溶解器と、前記ガス燃料の少なくとも一部として、前記二酸化炭素が除去された前記混合ガスを前記燃焼器に導く改質燃料ラインと、を備えていることを特徴とする。
【0009】
これらの発明では、高価でしかも短期間のうちに劣化してしまうメンブランを用いず、二酸化炭素を吸収水に効率的に溶解させることで、混合ガスから二酸化炭素を除去している。しかも、これらの発明では、燃料が圧縮空気と混合されて燃焼した後で流量が多い燃焼ガスから二酸化炭素を除去するのではなく、圧縮空気と混合される前で、流量が比較的少ないガスから二酸化炭素を除去している。したがって、これらの発明では、設備コスト等を抑えつつ、長期間に渡って二酸化炭素を除去することができる。
【0010】
ここで、前記排出二酸化炭素の削減方法において、外部から供給される炭化水素に水蒸気を供給して、前記二酸化炭素及び前記燃料成分ガスを含む前記混合ガスを生成する改質工程を有してもよい。
【0011】
また、前記ガスタービン設備において、外部から供給される炭化水素に水蒸気を供給して、前記二酸化炭素及び前記燃料成分ガスを含む前記混合ガスを生成する改質器を有してもよい。
【0012】
これらの発明では、燃焼器で燃焼するガス燃料中の二酸化炭素や燃焼により二酸化炭素になる炭素分が相対的に少ないため、ガスタービンから排気される排気ガス中の二酸化炭素の量を少なくすることができる。
【0013】
また、前記排出二酸化炭素の削減方法において、前記改質工程で生成された前記混合ガスを冷却し、冷却後の該混合ガスを前記溶解工程に送る溶解前冷却工程を有してもよい。
【0014】
また、前記ガスタービン設備において、前記改質器で生成された前記混合ガスを冷却し、冷却後の該混合ガスを前記溶解器に送る溶解前冷却器を有してもよい。
【0015】
これらの発明では、混合ガスを冷却することで、混合ガス中の二酸化炭素の吸収液への溶解度を高めることができる。
【0016】
また、前記排出二酸化炭素の削減方法において、前記改質工程は、前記炭化水素に水蒸気を供給して、該炭化水素の少なくとも一部を一酸化炭素と水素とに改質する第一改質工程と、該第一改質工程を経たガスに水蒸気を供給して該ガス中の該一酸化炭素を前記二酸化炭素と水素とに改質する第二改質工程と、を有してもよい。
【0017】
また、前記ガスタービン設備において、前記改質器は、前記炭化水素に水蒸気を供給して、該炭化水素の少なくとも一部を一酸化炭素と水素とに改質する第一改質器と、該第一改質器を経たガスに水蒸気を供給して該ガス中の該一酸化炭素を前記二酸化炭素と水素とに改質する第二改質器と、を有してもよい。
【0018】
これらの発明では、炭化水素を効率的に二酸化炭素と水素とに改質することができる。
【0019】
また、前記排出二酸化炭素の削減方法において、前記第一改質工程を経た前記ガスを冷却して、冷却後の該ガスを第二改質工程に送る改質中冷却工程を有してもよい。
【0020】
また、ガスタービン設備において、前記第一改質器を経た前記ガスを冷却して、冷却後の該ガスを第二改質器に送る改質中冷却器を有してもよい。
【0021】
これらの発明では、第一改質工程を経たガスを冷却することで、このガス中の一酸化炭素を二酸化炭素と水素とに効率的に改質することができる。
【0022】
また、前記排出二酸化炭素の削減方法において、前記改質工程では、前記ガスタービンからの高温の排気ガスにより、前記炭化水素と前記水蒸気とのうち少なくとも一方を加熱してもよい。また、前記ガスタービンからの高温の排気ガスの熱により、水蒸気を発生させる排熱回収工程を有し、前記改質工程では、前記排熱回収工程で発生した前記水蒸気の少なくとも一部を前記炭化水素に供給してもよい。
【0023】
また、前記ガスタービン設備において、前記改質器は、前記ガスタービンからの高温の排気ガスにより、前記炭化水素と前記水蒸気とのうち少なくとも一方を加熱する加熱器を有してもよい。また、前記ガスタービン設備において、前記ガスタービンからの高温の排気ガスの熱により、水蒸気を発生させる排熱回収器と、前記排熱回収器で発生した前記水蒸気の少なくとも一部を前記改質器内に送る蒸気ラインと、を備えてもよい。
【0024】
これらの発明では、ガスタービン設備自体が生成した蒸気や排気ガスを利用して、ガスの改質を行っているので、ランニングコストを抑えることができる。
【0025】
また、前記排出二酸化炭素の削減方法において、前記溶解工程で前記二酸化炭素を溶解させる環境の圧力よりも低い圧力の減圧環境下で、該溶解工程で用いられた前記吸収水から前記二酸化炭素を分離して回収する回収工程を有してもよい。
【0026】
また、前記ガスタービン設備において、前記溶解器で前記二酸化炭素を溶解させる環境の圧力よりも低い圧力の減圧環境下で、該溶解器で用いられた前記吸収水から前記二酸化炭素を分離して回収する回収器を有してもよい。
【0027】
これらの発明では、吸収水に溶解した二酸化炭素を回収することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明では、高価でしかも短期間のうちに劣化してしまうメンブランを用いず、二酸化炭素を吸収水に効率的に溶解させることで、混合ガスから二酸化炭素を除去している。しかも、本発明では、燃料が圧縮空気と混合されて燃焼した後で流量が多い燃焼ガスから二酸化炭素を除去するのではなく、圧縮空気と混合される前で、流量が比較的少ないガス燃料から二酸化炭素を除去している。
【0029】
よって、本発明によれば、設備コスト等を抑えつつ、長期間に渡って二酸化炭素を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る第一実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
【図2】100℃〜1000℃の間で水蒸気改質反応に関する平衡状態と温度との関係の一例を示すグラフである。
【図3】100℃〜700℃の間で水蒸気改質反応に関する平衡状態と温度との関係の一例を示すグラフである。本発明に係る第一実施形態における単位空間ファイルのデータ構成を示す説明図である。
【図4】本発明に係る第二実施形態におけるガスタービン設備の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0032】
「第一実施形態」
まず、本発明に係るガスタービン設備の第一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
【0033】
本実施形態のガスタービン設備は、図1に示すように、ガス燃料源1からのメタンを含む元ガス燃料Fにより駆動する設備である。このガスタービン設備は、空気Aを圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機2と、ガス燃料を圧縮空気に混合して燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼器3からの燃焼ガスにより回転駆動させるガスタービン4と、ガスタービン4の回転駆動により発電する発電機5と、ガスタービン4から排気された排気ガスExの熱により水蒸気を生成する排熱回収ボイラー(排熱回収器)6と、を備えている。
【0034】
さらに、このガスタービン設備は、ガス燃料源1からのメタンを含む元ガス燃料Fを改質させて改質ガスを生成し、この改質ガスを燃焼器3に供給するガス燃料改質系を備えている。このガス燃料改質系は、ガス燃料源1からの元ガス燃料Fに水蒸気STを供給して元ガス燃料Fを第一改質ガスFに改質する第一改質器10と、第一改質ガスFを冷却する改質中冷却器18と、冷却された第一改質ガスFに水蒸気STを供給して第一改質ガスFを二酸化炭素を含む第二改質ガスFに改質する第二改質器20と、第二改質ガスFを冷却する溶解前冷却器28と、冷却された第二改質ガスF中の二酸化炭素を吸収水に溶解させて第二改質ガスFから二酸化炭素を除去した第三改質ガスFを生成する溶解器30と、吸収水としての苛性ソーダ水溶液を生成する吸収水タンク40と、吸収水タンク40内の吸収水を溶解器30に圧送する吸収水ポンプ48と、第三改質ガスFをガス燃料の一部として燃焼器3内へ圧送する改質ガス圧縮機38と、を備えている。
【0035】
第一改質器10は、元ガス燃料Fの第一改質ガスFへの改質を促進するための充填物が充填されている充填部11及び充填部11の両側に存在する中空部12,13を有する充填塔と、2つの中空部12,13のうちの第一中空部12の外周を覆うジャケット(加熱器)14と、充填部11の外周に配置されているヒータ15と、を備えている。第一改質器10のジャケット14内には、第一中空部12内のガスを加熱するためにガスタービン4からの排気ガスExの一部が充填される。
【0036】
第二改質器20は、第一改質ガスFの第二改質ガスFへの改質を促進するための充填物が充填されている充填部21及びこの充填部21の両側に存在する中空部22,23を有する充填塔である。
【0037】
溶解器30は、吸収液が蓄えられる容器31と、容器31内に吸収液を噴霧する噴霧配管32と、容器31内に溜まった吸収液中に第二改質ガスFを気泡として供給するバブリング配管33と、を有している。さらに、容器31の底には、吸収液を排出する吸収液排出ライン84が接続されている。この吸収液排出ライン84には、この吸収液排出ライン84から排出される吸収液の流量を調節する流量調節弁85が設けられている。
【0038】
ガス燃料源1は、燃焼器3内に元ガス燃料Fを送るために、燃焼器3と元ガス燃料ライン70で接続されている。この元ガス燃料ライン70は途中で元ガス燃料分岐ライン71として分岐している。この元ガス燃料分岐ライン71は、第一改質器10の充填塔内に元ガス燃料Fを送るために、この充填塔の第一中空部12に接続されている。元ガス燃料分岐ライン71、及び元ガス燃料ライン70の分岐部よりも下流側の位置には、元ガス燃料Fの流量を調節するための流量調節弁73,72が設けられている。
【0039】
ガスタービン4と排熱回収ボイラー6とは、ガスタービン4からの排気ガスExを排熱回収ボイラー6に送る排気ガスライン74で接続されている。この排気ガスライン74は途中で排気ガス分岐ライン75として分岐している。この排気ガス分岐ライン75は、第一改質器10のジャケット14内に排気ガスExを送るため、このジャケット14に接続されている。
【0040】
排熱回収ボイラー6は、各種温度の水蒸気を発生することができる。ここでは、例えば、600℃の高温蒸気STや、300℃の中温蒸気STや、120℃の低温蒸気等を発生することができる。このため、この排熱回収ボイラー6には、高温蒸気STを外部に供給するための高温蒸気ライン76、中温蒸気STを外部に供給するための中温蒸気ライン77、低温蒸気を外部に供給するための低温蒸気ライン(不図示)が接続されている。高温蒸気ライン76は、途中で高温蒸気分岐ライン78として分岐している。この高温蒸気分岐ライン78は、第一改質器10の充填塔内に高温蒸気STを送るために、この充填塔の第一中空部12に接続されている。また、中温蒸気ライン77は、途中で中温蒸気分岐ライン79として分岐している。この中温蒸気分岐ライン79は、第二改質器20内に中温蒸気STを送るために、この第二改質器20の第一中空部22に接続されている。
【0041】
第一改質器10の第二中空部13と第二改質器20の第一中空部22とは、第一改質器10の第二中空部13からの第一改質ガスF1を第二改質器20の第一中空部22へ送る第一改質ガスライン80で接続されている。この第一改質ガスライン80には、改質中冷却器18が設けられている。この改質中冷却器18には、第一改質ガスFを冷却するために冷却水CWが供給される。
【0042】
第二改質器20の第二中空部23と溶解器30のバブリング配管33とは、第二改質器20の第二中空部23からの第二改質ガスFを溶解器30のバブリング配管33に送る第二改質ガスライン81で接続されている。この第二改質ガスライン81には、溶解前冷却器28が設けられている。この溶解前冷却器28には、第二改質ガスFを冷却するために冷却水CWが供給される。
【0043】
吸収水タンク40と溶解器30の噴霧配管32とは、吸収水タンク40から溶解器30の噴霧配管32へ吸収液を送る吸収液供給ライン83で接続されている。この吸収液供給ライン83には、吸収水ポンプ48が設けられている。
【0044】
溶解器30の上部と燃焼器3とは、溶解器30の上部に溜まった第三改質ガスFをガス燃料として燃焼器3に送る改質燃料ライン82で接続されている。この改質燃料ライン82には、改質ガス圧縮機38が設けられている。
【0045】
次に、本実施形態のガスタービン設備の動作について説明する。
【0046】
空気圧縮機2は、空気Aを圧縮して圧縮空気を生成し、この圧縮空気を燃焼器3に送る。この燃焼器3には、空気圧縮機2からの圧縮空気が供給される共に、ガス燃料源1からの元ガス燃料F及び/又はガス燃料改質系からの第三改質ガスFがガス燃料として供給される。燃焼器3は、ガス燃料を圧縮空気と混合して燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成する。ガスタービン4には、この高温高圧の燃焼ガスが供給されて、タービンロータが回転する。発電機5は、このタービンロータと接続されており、タービンロータの回転により発電を行う。
【0047】
ガスタービン4に供給された高温高圧の燃焼ガスは、タービンロータを回転させた後、ガスタービン4から排気されて、排気ガスライン74を介して、排熱回収ボイラー6に送られる。この排熱回収ボイラー6では、外部から供給された水Wとガスタービン4から排気された高温の排気ガスExとを熱交換して、水蒸気を生成する(排熱回収工程)。この排熱回収ボイラー6は、前述したように、例えば、600℃の高温蒸気STや、300℃の中温蒸気STや、120℃の低温蒸気等を発生する。この排熱回収ボイラー6で生成された高温蒸気STは高温蒸気ライン76で外部に供給され、中温蒸気STは中温蒸気ライン77で外部に供給され、低温蒸気は低温蒸気ライン(不図示)で外部に供給される。
【0048】
ガス燃料源1からの元ガス燃料Fは、場合によって、一部又は全てがガス燃料改質系に送られる。このガス燃料改質系に送る元ガス燃料Fの流量は、元ガス燃料分岐ライン71に設けられている流量調節弁73の弁開度を調節することで制御することができる。
【0049】
この元ガス燃料Fは、前述したように、ガス燃料改質系で改質させる。
【0050】
元ガス燃料Fに含まれているメタン(CH)は、以下の反応式(1)に示すように、水蒸気(HO)と改質反応し、一酸化炭素(CO)と水素(H)とになる。さらに、この一酸化炭素(CO)は、以下の反応式(2)に示すように、水蒸気(HO)と改質反応し、二酸化炭素(CO)と水素(H)とになる。
【0051】
CH+HO→CO+3H ・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
CO+HO→CO+H ・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
【0052】
以上の改質反応のうち、反応式(1)に示す第一改質反応は、図2に示すように、この改質反応の環境温度が800℃以上のときに最も促進される。すなわち、800℃以上でメタン(CH)と水蒸気(HO)とを接触させると、これらが一酸化炭素(CO)と水素(H)とになる割合が最も高くなる。
【0053】
また、反応式(2)に示す第二改質反応は、図3に示すように、この改質反応の環境温度が300℃以下のとき、一酸化炭素(CO)と水蒸気(HO)とを接触させると、これらが二酸化炭素(CO)と水素(H)とになる割合が高まる。
【0054】
以上で説明した改質反応のうち、反応式(1)に示す第一改質反応は、主として第一改質器10内で行われ、反応式(2)に示す第二改質反応は、主として第二改質器20内で行われる。
【0055】
以下、ガスタービン設備のガス燃料改質系内での処理について具体的に説明する。
【0056】
ガス燃料源1からのガス燃料改質系へ送られた元ガス燃料F0は、第一改質器10の第一中空部12に流入する。また、第一改質器10のジャケット14内には、ガスタービン4からの排気ガスExの一部が排気ガス分岐ライン75を経て流入する。第一中空部1222内の元ガス燃料Fは、ジャケット14内の高温の排気ガスEx(例えば、600℃)により加熱される。
【0057】
第一改質器10の第一中空部12には、さらに、排熱回収ボイラー6からの高温蒸気ST(例えば、600℃)が高温蒸気分岐ライン78を経て流入する。第一中空部1222に流入した高温蒸気ST及び加熱された元ガス燃料Fは、いずれも第一改質器10の充填部11に流入する。第一改質器10の充填部11内は、ヒータ15により800℃以上に加熱されている。このため、充填部11内に流入した元ガス燃料Fと元ガス燃料Fは、800℃以上の環境下で接触し、前述の反応式(1)に示す第一改質反応して、そのほとんどが一酸化炭素(CO)と水素(H)になる。すなわち、元ガス燃料Fは、高温蒸気STとの改質反応により、そのほとんどが一酸化炭素(CO)と水素(H)で占める第一改質ガスFになる(改質工程、第一改質工程)。
【0058】
なお、本実施形態では、第一改質器10の充填部11内の複数の充填物の表面には、第一改質反応を促進する触媒が付されており、この第一改質反応をより促進している。また、ここでは、元ガス燃料Fのみをガスタービン4からの排気ガスExで加熱しているが、第一改質器10内に供給する水蒸気STの温度が排気ガスExの温度(600℃)よりも低い場合には、この排気ガスExでこの水蒸気STを加熱してもよい。
【0059】
第一改質器10で生成された第一改質ガスFは、第一改質ガスライン80を経て、第二改質器20の第一中空部22に流入する。第一改質ガスFは、この過程で、改質中冷却器18で冷却水CWと熱交換して、例えば、300℃以下に冷却される(改質中冷却工程)。
【0060】
第二改質器20の第一中空部22には、さらに、排熱回収ボイラー6からの中温蒸気ST(例えば、300℃)が中温蒸気分岐ライン79を経て流入する。第一中空部22に流入した中温蒸気ST(300℃)及び冷却された第一改質ガスF(300℃以下)は、いずれも第二改質器20の充填部21に流入して、300℃以下の環境下で接触する。この結果、第一改質ガスF中の一酸化炭素(CO)は、中温蒸気STと第二改質反応して、その多くが二酸化炭素(CO)と水素(H)になる。すなわち、第一改質ガスFは、第二改質反応により、そのほとんどが二酸化炭素(CO)と水素(H(燃料成分ガス))で占める第二改質ガスF(混合ガス)になる(改質工程、第二改質工程)。
【0061】
なお、本実施形態では、第二改質器20の充填部21内の複数の充填物の表面には、第二改質反応を促進する触媒が付されており、この第二改質反応をより促進している。
【0062】
第二改質器20で生成された第二改質ガスFは、第二改質ガスライン81を経て、溶解器30内に流入する。第二改質ガスFは、この過程で、溶解前冷却器28で冷却水CWと熱交換して、例えば、常温程度に冷却される(溶解前冷却工程)。
【0063】
溶解器30には、吸収水タンク40から吸収水が供給される。この吸収水は、吸収水タンク40内で水に苛性ソーダを混ぜて生成した苛性ソーダ水溶液でもよいが、吸収水タンク40内で苛性ソーダを混ぜていない単なる水でもよい。この吸収水は、溶解器30の噴霧配管32から容器31内に噴霧され、容器31内に溜まる。一方、冷却された第二改質ガスF(混合ガス)は、溶解器30の容器31内に溜まっている吸収水内に、溶解器30のバブリング配管33から気泡として供給される。第二改質ガスF中の二酸化炭素の少なくとも一部は、この吸収水を通過する過程で、この吸収水に溶解する(溶解工程)。すなわち、第二改質ガスFは、吸収水を通過することで、二酸化炭素が少なくなり、相対的に水素が多くなった第三改質ガスFに改質される。なお、吸収水が苛性ソーダ水溶液である場合、二酸化炭素は苛性ソーダと反応して、炭酸ナトリウムとなる。
【0064】
水又は苛性ソーダ水溶液に対する二酸化炭素の溶解度は、温度が低いほど大きくなる。このため、本実施形態では、二酸化炭素を含む第二改質ガスFを溶解前冷却器28で常温程度まで冷却している。また、水又は苛性ソーダ水溶液に対する二酸化炭素の溶解度は、圧力が高いほど大きくなる。このため、本実施形態では、溶解器30の容器31内の圧力を大気圧よりも高い圧力、例えば、数MPa程度に維持している。このように、溶解器30の容器31内の圧力を数MPa程度に維持するため、本実施形態では、溶解器30よりも上流側の第二改質器20内及び第一改質器10内の圧力を、溶解器30の容器31内の圧力よりも高くしている。
【0065】
溶解器30の容器31内で二酸化炭素を吸収した吸収水は、この容器31の下部に接続されている吸収液排出ライン84から適宜目的の場所に送られる。なお、容器31内の吸収水の液レベルは、この吸収液排出ライン84に設けられている流量調節弁85の弁開度が調節されて、ほぼ一定のレベルに維持される。
【0066】
水素の割合が相対的に多い第三改質ガスFは、ガス燃料の一部として、溶解器30の容器31の上部に接続されている改質燃料ライン82を通り、改質ガス圧縮機38で加圧された後、燃焼器3に送られ(改質燃料供給工程)、前述したように、圧縮空気と混合して燃焼し、高温高圧の燃焼ガスとなる。
【0067】
以上、本実施形態では、燃焼器3で燃焼するガス燃料には、水素の割合が相対的に多く、二酸化炭素や燃焼により二酸化炭素になる炭素分が少ないため、ガスタービン4から排気される排気ガスEx中の二酸化炭素の量を少なくすることができる。
【0068】
また、本実施形態では、第二改質ガスFから二酸化炭素を除去するために、高価でしかも短期間のうちに劣化してしまうメンブランを用いず、二酸化炭素を吸収水に効率的に溶解させることで、第二改質ガスFから二酸化炭素を除去しているので、設備コストやランニングコスト等を抑えつつ、長期間に渡って二酸化炭素を除去することができる。
【0069】
また、本実施形態では、ガスタービン設備の構成装置の一つである排熱回収ボイラー6で生成された水蒸気ST,STと、同じくガスタービン設備の構成装置の一つであるガスタービン4からの排気ガスExとを用いて、元ガス燃料Fを第二改質ガスFに改質しているので、元ガス燃料Fの改質に関するランニングコストを抑えることができる。
【0070】
「第二実施形態」
次に、本発明に係るガスタービン設備の第二実施形態について、図4を参照して説明する。
【0071】
本実施形態のガスタービン設備は、第一実施形態のガスタービン設備に、二酸化炭素を吸収した吸収水から二酸化炭素を分離して回収する回収器50を追加する一方で、第一実施形態のガスタービン設備から吸収水タンク40及び吸収水ポンプ48を削除したもので、その他の構成は基本的に第一実施形態のガスタービン設備と同じである。
【0072】
回収器50は、吸収液が蓄えられる容器51と、この容器51内に吸収液を噴霧する噴霧配管52とを有している。
【0073】
溶解器30の容器31の下部と回収器50の噴霧配管52とは、溶解器30の容器31内から二酸化炭素を吸収した吸収液を回収器50の噴霧配管52に送る吸収液回収ライン86で接続されている。この吸収液回収ライン86には、吸収液ポンプ39と、その回収器50側に配置されている減圧弁87とが設けられている。また、回収器50の容器51の底部と溶解器30の噴霧配管32とは、回収器50の容器51内から吸収液を溶解器30の噴霧配管32に戻す吸収液戻しライン88で接続されている。この吸収液戻しライン88には、吸収液戻しポンプ58が設けられている。さらに、吸収液戻しライン88には、水を補充するための水補充ライン89が接続されている。回収器50の容器51の上部には、この容器51内の二酸化炭素を目的の場所に送る二酸化炭素回収ライン90が接続されている。この二酸化炭素回収ライン90には、回収器50の容器51内から二酸化炭素を吸引して、目的の箇所に送るための吸引ブロワー(不図示)が設けられている。
【0074】
本実施形態では、溶解器30の容器31内で二酸化炭素を吸収した吸収水が、この容器31の下部に接続されている吸収液回収ライン86から回収器50の噴霧配管52に送られる。この過程で、吸収液は、減圧弁87により大気圧程度にまで減圧される。
【0075】
減圧された吸収液は、回収器50の噴霧配管52から回収器50の容器51内に噴霧される。この回収器50の容器51内は、吸引ブロワーにより吸引されており、大気圧程度又は大気圧よりも僅かに低い圧力になっている。二酸化炭素の水への溶解度は、前述したように、圧力が高いほど大きく、逆に、圧力が低いほど小さくなる。このため、溶解器30の容器31内より低圧環境下の回収器50の容器51内に吸収液が噴霧されると、この吸収液から二酸化炭素が離脱する(回収工程)。この二酸化炭素は、二酸化炭素回収ライン90を経て目的の場所に送られて所定の処理が施される。
【0076】
また、回収器50の容器51内で二酸化炭素が離脱した吸収液は、吸収液戻しライン88を介して、溶解器30の噴霧配管32に戻される。
【0077】
以上、本実施形態でも、第一実施形態と同様に、元ガス燃料Fを改質し、水素の割合が相対的に多く、二酸化炭素や燃焼により二酸化炭素になる炭素分が少ない第三改質ガスFをガス燃料の一部として燃焼器3に送っているため、ガスタービン4から排気される排気ガスEx中の二酸化炭素の量を少なくすることができる。また、本実施形態でも、二酸化炭素を吸収水に効率的に溶解させることで、第二改質ガスFから二酸化炭素を除去しているので、設備コストやランニングコスト等を抑えつつ、長期間に渡って二酸化炭素を除去することができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、二酸化炭素をガスとして回収しているので、この二酸化炭素を適宜処理することができる。また、本実施形態では、吸収水を循環利用しているので、第一実施形態よりもさらにランニングコストを抑えることができる。なお、本実施形態では、減圧環境下で吸収液から二酸化炭素を離脱させているので、第一実施形態のように、吸収水として苛性ソーダ水溶液を用いることはできない。これは、吸収液が苛性ソーダ水溶液である場合、二酸化炭素が苛性ソーダと反応して、炭酸ナトリウムとなり、ここから二酸化炭素を離脱させるためには別途特別な処理が必要になるからである。
【0079】
なお、以上の実施形態のガスタービン設備は、いずれも、第一改質器10と第二改質器20を備えているが、本発明のガスタービン設備は、第二改質器20を省き、第一改質器10のみを備えていてもよい。この場合、第一改質器10内の元ガス燃料Fと水蒸気とが接触する環境温度を、図2に示すように、二酸化炭素の割合が最も高くなる550℃程度にすることが好ましい。
【0080】
また、本実施形態における各改質器10,20は、充填塔を有して構成されているものであるが、本発明ではこれに限らず、改質対象のガスと水蒸気とが接触し、効果的にガスの改質反応を行わせることができるものであれば、如何なるものであってもよい。
【0081】
また、本実施形態の溶解器30は、バブリング法で吸収水に二酸化炭素を溶解させているが、充填物が充填されている充填塔を利用して、吸収水に二酸化炭素を溶解させてもよい。
【0082】
また、元ガス燃料Fは、メタンのほか、さらに、ブタンやプロパン、水素等を含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1:ガス燃料源、2:空気圧縮機、3:燃焼器、4:ガスタービン、5:発電機、6:排熱回収ボイラー(排熱回収器)、10:第一改質器、18:改質中冷却器、20:第二改質器、28:溶解前冷却器、30:溶解器、40:吸収水タンク、50:回収器、70:元ガス燃料ライン、71:元ガス燃料分岐ライン、74:排気ガスライン、75:排気ガス分岐ライン、76:高温蒸気ライン、77:中温蒸気ライン、78:高温蒸気分岐ライン、79:中温蒸気分岐ライン、80:第一改質ガスライン、81:第二改質ガスライン、82:改質燃料ライン、86:吸収液回収ライン、88:吸収液戻しライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼器と、前記高温ガスにより駆動されるガスタービンと、を備えているガスタービン設備の排出二酸化炭素の削減方法において、
少なくとも二酸化炭素と燃料成分ガスとを含む混合ガスにおける、該二酸化炭素を吸収水に溶解させることによって、該混合ガスから該二酸化炭素を除去する溶解工程と、
前記燃料の少なくとも一部として、前記二酸化炭素が除去された前記混合ガスを前記燃焼器に導く改質燃料供給工程と、
を有することを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項2】
請求項1に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
外部から供給される炭化水素に水蒸気を供給して、前記二酸化炭素及び前記燃料成分ガスを含む前記混合ガスを生成する改質工程を有する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項3】
請求項2に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記改質工程で生成された前記混合ガスを冷却し、冷却後の該混合ガスを前記溶解工程に送る溶解前冷却工程を有する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記改質工程は、前記炭化水素に水蒸気を供給して、該炭化水素の少なくとも一部を一酸化炭素と水素とに改質する第一改質工程と、該第一改質工程を経たガスに水蒸気を供給して該ガス中の該一酸化炭素を前記二酸化炭素と水素とに改質する第二改質工程と、
を有することを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項5】
請求項4に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記第一改質工程を経た前記ガスを冷却して、冷却後の該ガスを第二改質工程に送る改質中冷却工程を有する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一項に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記改質工程では、前記ガスタービンからの高温の排気ガスにより、前記炭化水素と前記水蒸気とのうち少なくとも一方を加熱する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項7】
請求項2から6のいずれか一項に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記ガスタービンからの高温の排気ガスの熱により、水蒸気を発生させる排熱回収工程を有し、
前記改質工程では、前記排熱回収工程で発生した前記水蒸気の少なくとも一部を前記炭化水素に供給する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の排出二酸化炭素の削減方法において、
前記溶解工程で前記二酸化炭素を溶解させる環境の圧力よりも低い圧力の減圧環境下で、該溶解工程で用いられた前記吸収水から前記二酸化炭素を分離して回収する回収工程を有する、
ことを特徴とする排出二酸化炭素の削減方法。
【請求項9】
ガス燃料を燃焼させて高温ガスを生成する燃焼器と、前記高温ガスにより駆動されるガスタービンと、を備えているガスタービン設備において、
少なくとも二酸化炭素と燃料成分ガスとを含む混合ガスにおける、該二酸化炭素を吸収水に溶解させることによって、該混合ガスから該二酸化炭素を除去する溶解器と、
前記ガス燃料の少なくとも一部として、前記二酸化炭素が除去された前記混合ガスを前記燃焼器に導く改質燃料ラインと、
を備えていることを特徴とするガスタービン設備。
【請求項10】
請求項9に記載のガスタービン設備において、
外部から供給される炭化水素に水蒸気を供給して、前記二酸化炭素及び前記燃料成分ガスを含む前記混合ガスを生成する改質器を有する、
ことを特徴とするガスタービン設備。
【請求項11】
請求項10に記載のガスタービン設備において、
前記改質器で生成された前記混合ガスを冷却し、冷却後の該混合ガスを前記溶解器に送る溶解前冷却器を有する、
ことを特徴とするガスタービン設備。
【請求項12】
請求項10又は11に記載のガスタービン設備において、
前記改質器は、前記炭化水素に水蒸気を供給して、該炭化水素の少なくとも一部を一酸化炭素と水素とに改質する第一改質器と、該第一改質器を経たガスに水蒸気を供給して該ガス中の該一酸化炭素を前記二酸化炭素と水素とに改質する第二改質器と、
を有することを特徴とするガスタービン設備。
【請求項13】
請求項12に記載のガスタービン設備において、
前記第一改質器を経た前記ガスを冷却して、冷却後の該ガスを第二改質器に送る改質中冷却器を有する、
ことを特徴とするガスタービン設備。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記改質器は、前記ガスタービンからの高温の排気ガスにより、前記炭化水素と前記水蒸気とのうち少なくとも一方を加熱する加熱器を有する、
ことを特徴とするガスタービン設備。
【請求項15】
請求項10から14のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記ガスタービンからの高温の排気ガスの熱により、水蒸気を発生させる排熱回収器と、
前記排熱回収器で発生した前記水蒸気の少なくとも一部を前記改質器内に送る蒸気ラインと、
を備えていることを特徴とするガスタービン設備。
【請求項16】
請求項9から15のいずれか一項に記載のガスタービン設備において、
前記溶解器で前記二酸化炭素を溶解させる環境の圧力よりも低い圧力の減圧環境下で、該溶解器で用いられた前記吸収水から前記二酸化炭素を分離して回収する回収器を有する、
ことを特徴とするガスタービン設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−255367(P2012−255367A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128271(P2011−128271)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】