説明

ガスタービン部品を冷却するためのシステム及び方法

【課題】タービンの部品を冷却するためのシステムを提供する。
【解決手段】本タービン(16、64)の部品を冷却するためのシステムは、ガス化炉(32)で炭化水素燃料から生成した合成ガスから除去された二酸化炭素ガスの供給源と流体連通した1以上の入力と、1以上の入力と流体連通しておりかつ二酸化炭素ガス供給源からの二酸化炭素ガスの一部分を合成ガスを燃焼させるように構成されたタービン(16)の1以上の部品に分流させるように構成された1以上の第1の導管(62、69)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示した主題は、ガスタービンに関し、より具体的には、ガスタービンにおける冷却メカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
統合型ガス化複合発電(IGCC)システムは、ますます発電用として利用されてきている。IGCCでは、ガス化プロセスを使用して、石炭、重油残留物、バイオマス及びその他のもののような燃料源から合成ガス(シンガス)を生成している。シンガスは、発電用のガスタービンにおいて燃料として使用される。IGCCシステムは、予燃焼炭素捕捉のようなメカニズムにより二酸化炭素(CO)エミッションを低減する上で利点を有することができる。
【0003】
IGCC発電プラントは、CO捕捉のための予燃焼システムを採用している。現在のところ、IGCCプラントからのCOの捕捉は、そのようなプラントの性能、特に発生出力及び効率の点で不利益を有する。さらに、タービンの圧縮機から空気を抽出する従来型の方法によってガスタービンの静止及び回転部品を冷却することにより、例えばブレイトンサイクル効率が減少することによってタービン効率が低下する。このような効率損失は、非充填流れによる燃焼温度の低下が燃焼器出口温度を低下させること、タービンの上流段における加圧空気のバイパスにより仕事量が減少すること及び主ガス通路内での冷却媒体ストリーム混合の希釈作用により仕事可能性が減少すること並びにそれらに関連した空気力学的効率の低下のような要因に起因して生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7359198号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によると、タービンの部品を冷却するためのシステムは、ガス化炉で炭化水素燃料から生成した合成ガスから除去された二酸化炭素ガスの供給源と流体連通した1以上の入力と、1以上の入力と流体連通しておりかつ二酸化炭素ガス供給源からの二酸化炭素ガスの一部分を合成ガスを燃焼させるように構成されたタービンの1以上の部品に分流させるように構成された1以上の第1の導管とを含む。
【0006】
本発明の別の態様によると、発電のためのシステムは、入力燃料から原合成ガスを生成するように構成されたガス化炉と、ガス化炉と流体連通しておりまた二酸化炭素ガスを含む酸性ガスを原合成ガスから取出しかつ清浄合成ガスを生成するように構成された酸性ガス除去プラントと、清浄合成ガスを燃焼させるように構成されたガスタービンと、酸性ガス除去プラントと流体連通しておりかつ二酸化炭素ガスの少なくとも一部分をガスタービンの1以上の部品に分流させるように構成された冷却装置とを含む。
【0007】
本発明のさらに別の態様によると、タービンの部品を冷却する方法は、ガス化プロセスによって生成された合成ガスから二酸化炭素ガスを抽出する段階と、二酸化炭素ガスを貯蔵システムに送る段階と、二酸化炭素ガスの一部分をタービンに分流して該タービンの1以上の部品を冷却する段階とを含む。
【0008】
これらの及びその他の利点並びに特徴は、図面と関連させて行った以下の説明から一層明らかになるであろう。
【0009】
本発明と見なされる主題は、本明細書と共に提出した特許請求の範囲において具体的に指摘しかつ明確に特許請求している。本発明の前述の及びその他の特徴並びに利点は、添付図面と関連させて行った以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的なガスタービンの断面図。
【図2】CO捕捉を行う例示的な統合型ガス化複合サイクル(IGCC)発電プラントのブロック図。
【図3】図2のIGCC発電プラントで使用するための例示的なガスタービン冷却システムの図。
【図4】図2のIGCC発電プラントで使用するための例示的なガスタービン冷却システムの図。
【図5】ガスタービンを冷却する例示的な方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明では、図面を参照しながら実施例によって、本発明の実施形態をその利点及び特徴と共に説明する。
【0012】
ガス化を利用してタービン燃焼燃料を供給するタービンシステムの出力及び効率を向上させるためのシステム及び方法を提供する。例示的なタービンシステムは、統合型ガス化複合サイクル(IGCC)発電システムを含む。一実施形態では、本システム及び方法は、二酸化炭素(CO)捕捉のための予燃焼システムを組入れたIGCC又はその他のタービンシステムと関連させて利用される。例示的なシステム及び方法は、発電及び/又はCO除去システムによって捕捉したCOを使用してタービンを冷却する段階を含む。例示的なシステム及び方法は、冷却媒体として捕捉COを利用して閉ループ冷却スキームでガスタービンのようなタービンの静止及び/又は回転部品を冷却するようにする。
【0013】
一実施形態では、本システム及び方法は、合成ガス清浄化システム、CO除去システム、及び/又はIGCCプラントのような発電プラントにおいて利用できる合成ガス清浄化溶媒又はその他の流体を利用する段階を含む。溶媒により、ガス化によって生成されたタービン燃料からCOを捕捉することが可能になり、この捕捉したCOは、本明細書で説明するタービン冷却のためのシステム及び方法によって利用される。
【0014】
図1を参照すると、本発明の例示的な実施形態により製作したガスタービン組立体を、その全体を参照符号10で示している。本組立体10は、圧縮機14及び出力タービン16に取付けられたロータ12を含む。燃焼チャンバ18は、圧縮機14及び出力タービン16の両方と流体連通しておりかつ燃料及び空気混合気を点火燃焼させて出力タービン16及びロータ12の回転を生じさせるように作動する。ロータ12の回転は次に、例えば発電機20を駆動する。排出ガス22は、出力タービン16から排出される。一実施形態では、排出ガス22の少なくとも一部分は、該高温排出ガス22から熱を回収しかつ例えば発電システムにおける蒸気タービンで使用できる蒸気を発生させる熱回収蒸気発生器(HRSG)に導かれる。
【0015】
タービンは、タービン組立体10の作動時に高温に曝される様々な内部部品を含む。そのような部品には、中心軸線の周りで回転するロータシャフト及びロータディスクが含まれる。例示的な部品にはまた、各ロータディスクの外周辺部に着脱自在に取付けることができるブレード又はバケットのような回転部品24が含まれる。その他の部品には、ステータベーン又はノズルのような静止部品26が含まれる。
【0016】
一実施形態では、図2を参照すると、IGCC発電プラント30を示している。石炭又はその他の炭化水素燃料、石油残留物、及びバイオマスのような1以上の燃料はガス化及びスクラビング装置32内に送給され、ガス化及びスクラビング装置32内において、燃料は還元反応を受けかつ合成ガス(「シンガス」)つまり主として一酸化炭素(CO)及び水素の混合気が生成される。原合成ガスは、例えば放射合成ガス冷却器及び/又は低温ガス冷却(LTGC)システム36によって冷却することができる。
【0017】
一実施形態では、燃焼チャンバ18又はその他の好適な装置は、オキシ燃料サイクルとして利用される。オキシ燃料サイクルは一般的に、空気の代わりに純粋酸素での燃料の燃焼を含む。一実施形態では、オキシ燃料は、ガスタービン排気(つまり、主としてCO及びHOから成る煙道ガス)のような燃焼ガスで希釈された酸素濃縮ガス混合気を含む。
【0018】
一実施形態では、ガスは、その中で水蒸気を使用してCOを二酸化炭素(CO)に転換する2段シフト反応器34内に送られる。この段階では、合成ガスは、CO及び硫化水素(HS)のような様々な汚染物質を含む酸性ガスを含む単なる原合成ガスに過ぎない。様々なその他のガスもまた、ガス化プロセスにおいて生成されかつ合成ガス内には窒素、一酸化炭素及びその他のものなどが存在する。
【0019】
酸性ガス除去(AGR)プラント42は次に、原合成ガスを受ける。AGRプラント42は、原合成ガスを処理して該原合成ガスからHS及びCOを取出し、HSは、テールガス処理装置(TGTU)40に送ることができる。AGRプラント42は、例えばその中で溶媒が原合成ガスからHS及びCOを吸収して「スイートニング処理した」つまり清浄な合成ガスを生成する吸収装置を含む。好適な溶媒の実施例には、Selexol(商標)(Union Carbide Corporation)があるが、ガス混合気から酸性ガスを取出すことができるあらゆる溶媒を使用することができる。溶媒ベースのプロセスに加えて、AGRプラント42は、合成ガスをスイートニング処理するあらゆる好適なプロセスを使用することができる。そのようなスイートニング処理プロセスの実施例には、CO及びHS選択薄膜、温間硫黄除去法及びその他の利用のような選択ガス除去プロセスが含まれる。
【0020】
一実施形態では、合成ガスを清浄化した後に、溶媒は、HS及びCOの凝縮物を含み、「リッチ」溶媒と呼ぶことができる。リッチ溶媒は、1以上の再生器(例えば、ストリッパ及びボイラを含む)内に送給され、その再生器内において該溶媒からHS及びCOが取除かれて「リーン」溶媒となる。リーン溶媒は、後続の酸性ガス除去作業での使用に再利用することができる。
【0021】
一実施形態では、取出したCOは、例えば統合型CO濃縮システム44を通して送られ、かつCO捕捉及び/又はオイル回収の強化のために圧縮及び/又は貯蔵装置46に送られる。一実施形態では、COの一部分は、再利用/圧縮システム38を介して分流されかつガス化炉32内に戻るように導かれる。さらに、TGTU40は、原合成ガスから硫黄を除去するために使用することができる。
【0022】
清浄合成ガスは次に、発電のために様々な飽和及び加熱システム48を通して送られかつ複合サイクル発電ブロック50内に送給される。発電ブロック50は、ガスタービン組立体10のようなガスタービンを含みかつガスタービン排出ガスからエネルギーを生成する蒸気タービンを含むこともできる。
【0023】
一実施形態では、IGCCプラント30は、空気分離装置(ASU)52を含む。空気は、ガスタービン圧縮機から分流させかつASU52内に送給することができる。ASU52は、ガス化炉32内に送給することができる酸素を空気から分離し、また冷却のためにタービンに戻るように分流させることができる窒素を生成する。
【0024】
一実施形態では、好適な圧力におけるCOの一部分は、CO除去システムから抽出しかつ発電ブロック50に分流させて、COが取得した熱を回収する閉ループシステムとしてガスタービン静止又は回転部品を冷却する。COは、あらゆる好適な冷却システム54を介してガスタービンに分流される。一実施形態では、冷却システム54、複合サイクル発電ブロック50及び/又はIGCC発電プラント30は、COをガスタービンに供給した結果として加熱された該COから熱エネルギーを回収(再生)する1以上の熱交換器を含む。熱交換器は、ガスタービン或いは蒸気タービンに流入する燃料及び/又は希釈剤ストリームのような成分、並びにボイラ流体のようなあらゆるその他の所望の流体を加熱するように構成される。ガスタービン及び/又は蒸気タービン並びにあらゆる付加的部品に対してCOを適用した後に、続いて圧縮及び/又は貯蔵システム46に対してCOを送り、このCOを、圧縮及び/又は貯蔵システム46において、2000psig(〜140バール)のような選択圧力つまり増強オイル回収(EOR)用途において液体COを供給するための一般的圧力に加圧する(圧縮する)ことができる。
【0025】
図3を参照すると、冷却システムの一実施形態が、CO除去及び/又は捕捉を利用するガスタービンシステム内に組込まれている。冷却システム60は、ガスタービン64の様々な部品にCOを適用するための1以上の導管62又はその他のメカニズムを含む。一実施形態では、冷却システム60はまた、該冷却システム60の作動を制御すると同時に該冷却システム60に関する情報を受信し、処理し、表示しかつ/又は送信するのに好適なプロセッサ、メモリ、送信装置及び/又は表示装置を備えたガスタービン冷却CO制御装置66を含む。
【0026】
一実施形態では、冷却システム60は、ガスタービン64及びAGRプラント42の一部分と作動可能に連通している。AGRプラント42は、リッチ溶媒からCOを分離する1以上のフラッシュタンク68を含む。ガス導管69は、フラッシュタンク68からの分離COを圧縮及び/又は貯蔵装置46のような所望の部位に送るように構成される。一実施形態では、HS再吸収装置67からのCO流体が、ガスタービン冷却CO制御装置66に送られる。冷却システム導管62は、分離COの一部分を冷却システム60内に分流させるためのそれぞれのガス導管69と流体連通している。冷却システム内へのCOの流れは、制御装置66によって制御することができる。一実施形態では、冷却システム60は、ガス導管69から冷却システム60を通してガスタービン64内に至るCOの流れを制御するバルブ70を含む。バルブ70は、例えば制御装置66によって選択的に制御することができる。
【0027】
一実施形態では、冷却システム60は、閉ループシステムである。例えば、図3に示すように、COガスは、冷却システム60から出力タービン段72のような選択タービン段内に流れかつ選択回転及び/又は静止部品に導かれる。COは、部品から熱を吸収し、また加熱したCOは、燃料ライン熱交換器74及び希釈剤ライン熱交換器76を通して送給されて、タービンの燃焼チャンバ78内に送給される燃料及び希釈剤を加熱することができる。COは、1以上の付加的熱交換器80に流れ続けて蒸気発生及びトリム冷却において使用する排出ガスを加熱した後に、ガス導管68の1以上及び/或いはCO貯蔵システムに戻される。
【0028】
図4を参照すると、冷却システム60の別の実施形態を示されている。この実施形態における冷却システム60は、間接冷却装置(ICU)と連通するように構成される。ICUは、タービン部品の閉ループ冷却を形成する。ICUからのCO流体は、熱交換器(例えば、空気−流体熱交換器、流体−燃料熱交換器、ヒートシンク、再生熱交換器)に送られ、かつ該CO流体は、CO圧縮及び分離装置90に戻される。
【0029】
この実施形態では、ICUからのCO流体は、抽気COからの熱を燃料、希釈剤、圧縮機吐出空気及び/又はボイラ給水(BFW)のような流体に伝達するように構成された熱交換器82に送給される。さらに、熱は、再生熱交換器システム84を通ってICUに流入しているCOに伝達して戻される。CO流体はまた、COをさらに冷却して圧縮、液化及び/又は分離を可能にする任意選択的低温熱交換器システム94(例えば、トリム冷却器、蒸気熱交換器のその他の領域及び/又はその他のもの)を通して冷却することができる。最後に、冷却したCOは、圧縮及び分離装置90に分流される。
【0030】
一実施形態では、冷却システム60は、CO捕捉、回収及び分離システム86と流体連通している。CO捕捉装置は、多くの捕捉モジュール88を含む。例示的な捕捉モジュールは、それを通してリッチ溶媒が流れるフラッシュタンク68を含む。捕捉モジュール88は、CO圧縮及び分離装置90と流体連通した高圧(HP)、中圧(MP)及び/又は低圧(LP)モジュール88を含むことができる。
【0031】
使用中に、捕捉モジュール88からのCOの一部分は、任意選択的ガス圧縮システム92を通しかつ再生熱交換器84を通してタービン部品の選択ICUに分流させることができる。
【0032】
図5は、タービンの部品を冷却する方法100を示している。本方法100は、1以上の段階101〜104を含む。本方法100は、IGCC発電プラント30及び冷却システム60と組合せて説明しているが、本方法100は、本明細書で説明するようなタービン組立体を冷却することができるあらゆるシステムで使用することができる。一実施形態では、本方法100は、記載した順序で段階101〜104の全ての実行を含む。しかしながら、一部の段階を省略することができ、段階を付加することができ、或いは段階の順序を変更することができる。
【0033】
第1の段階101では、燃料が、ガス化及びスクラビング装置32のようなガス化システム内に流されかつ原合成ガスが生成される。原合成ガスは、該原合成ガスから酸性ガスを取出すためのAGRプラント42のような好適なクリーニングシステムによって清浄化されるか又はスイートニング処理される。
【0034】
第2の段階102では、COガスが、原合成ガスから及び/又は該原合成ガスを清浄化する副産物から抽出される。例えば、COガスは、フラッシュタンク68又はその他のCO抽出メカニズムによって原合成ガスを清浄化するために使用した溶媒から除去される。COガスは、圧縮及び/又は貯蔵装置46のようなCO捕捉及び/又は貯蔵システムに送られる。
【0035】
第3の段階103では、COガスの一部分は、該COガスの一部分をガスタービンのようなタービンの選択部品に適用する冷却システム60のような冷却システムに分流される。例示的な部品は、回転ブレード又はバケット及びステータベーンのような静止部品を含む。
【0036】
第4の段階104では、タービン部品によって加熱されたCOガスの一部分は、熱エネルギーとして回収/再生され、かつ次にCO捕捉及び/又は貯蔵システムに戻される。一実施形態では、加熱COガスの一部分が冷却されかつその熱エネルギーが燃料、希釈剤、及び/又は発電システムのその他の部品に伝達された後に、COガスの一部分は、CO捕捉及び/又は貯蔵システムに戻される。
【0037】
一実施形態では、COガスの一部分は、再生熱交換器84のような好適な熱交換メカニズムによってCOガスの一部分からの熱エネルギーを間接冷却装置に伝達することによって冷却される。
【0038】
本明細書で説明したシステム及び方法は、ガスタービンと組合せて使用しているが、あらゆるその他の好適なタイプのタービンを使用することができる。例えば、本明細書で説明したシステム及び方法は、蒸気タービン又はガス及び蒸気発生の両方を備えたタービンで使用することができる。
【0039】
本明細書で説明した本システム及び方法は、様々なタービン発電システムのいずれかと組合せて利用することができ、かつ本明細書で説明した特定の発電システムに限定されるものではない。さらに、本明細書で説明した本システム及び方法は、様々なその他の冷却システムの代わりに又はそれらに加えて利用することができる。このような冷却システムの実施例は、高温ガス通路部品において蒸気、窒素及び液体(例えば、水)クーラントのような冷却媒体を使用する閉ループシステムを含む。
【0040】
本明細書で説明した本装置、システム及び方法により、従来技術システムに勝る数多くの利点が得られる。本装置、システム及び方法により、タービンにおけるますます高まる効率及び性能に関して技術的な効果が得られる。例えば、例示的なシステムの分析に基づいて、本明細書で説明したもののような本システム及び方法は、例えば従来技術で実施されている基準シナリオに比して、正味出力を14.5%だけ、また効率を0.52ポイントだけ高めることによって出力及び効率を向上させることができる。
【0041】
限られた数の実施形態に関してのみ本発明を詳細に説明してきたが、本発明がそのような開示した実施形態に限定されるものではないことは、容易に理解される筈である。むしろ、本発明は、これまで説明していないが本発明の技術思想及び技術的範囲に相応するあらゆる数の変形、変更、置換え又は均等な構成を組込むように改良することができる。さらに、本発明の様々な実施形態について説明してきたが、本発明の態様は説明した実施形態の一部のみを含むことができることを理解されたい。従って、本発明は、上記の説明によって限定されるものと見なすべきではなく、本発明は、特許請求の範囲の技術的範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0042】
10 組立体
12 ロータ
14 圧縮機
16 出力タービン
18 燃焼チャンバ
20 発電機
22 排出ガス
24 回転部品
26 静止部品
30 発電プラント
32 ガス化及びスクラビング装置
34 シフト反応器
36 低温ガス冷却(LTGC)システム
38 再利用/圧縮システム
40 テールガス処理装置(TGTU)
42 酸性ガス除去(AGR)
44 CO濃縮システム
46 圧縮及び/又は貯蔵装置
48 飽和及び加熱システム
50 発電ブロック
52 空気分離装置(ASU)
54、60 冷却システム
62 導管
64 ガスタービン
66 制御装置
67 HS再吸収装置
68 フラッシュタンク
69 ガス導管
70 バルブ
72 出力タービン段
74 燃料ライン熱交換器
76 希釈剤ライン熱交換器
78 燃焼チャンバ
80、82 熱交換器
84 再生熱交換器シテム
86 捕捉、回収及び分離システム
88 捕捉モジュール
90 圧縮及び分離装置
92 圧縮システム
94 低温熱交換器システム
100 方法
101 第1の段階
102 第2の段階
103 第3の段階
104 第4の段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(16、64)の部品を冷却するためのシステムであって、
ガス化炉(32)で燃料から生成した合成ガスから除去された二酸化炭素ガスの供給源と流体連通した1以上の入力と、
前記1以上の入力と流体連通しておりかつ前記二酸化炭素ガス供給源からの前記二酸化炭素ガスの一部分を前記合成ガスを燃焼させるように構成された前記タービン(16)の1以上の部品に分流させるように構成された1以上の第1の導管(62、69)と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記二酸化炭素ガス供給源が、前記ガス化炉(32)と流体連通した酸性ガス除去プラント(42)からのものであり、前記酸性ガス除去プラント(42)が、前記合成ガスから二酸化炭素ガスを含む酸性ガスを除去するように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記酸性ガス除去プラント(42)が、前記合成ガスに溶媒を適用するように構成され、前記溶媒が、前記合成ガスから前記酸性ガスを抽出しかつ該溶媒内に該酸性ガスを保持するように構成される、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記二酸化炭素ガス供給源が、前記溶媒から前記二酸化炭素ガスを取出すように構成されたガス化炉(32)、オキシ燃料サイクル及びフラッシュタンク(68)の少なくとも1つを含む、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記二酸化炭素ガスの一部分を前記1以上の部品に分流させた後に前記二酸化炭素ガスの一部分を受けるように構成された第2の導管(62、69)をさらに含み、第2の導管(62、69)が、1以上の二酸化炭素貯蔵装置と流体連通している、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
第2の導管(62、69)と流体連通しておりかつ前記二酸化炭素ガスの一部分からの熱エネルギーを前記タービン(16、64)を含む発電システム(30)の1以上の部品に伝達するように構成された1以上の熱交換器(74、76)をさらに含む、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記発電システム(30)の1以上の部品が、間接タービン冷却装置、閉ループ、タービン燃料、タービン希釈剤及び蒸気タービンの少なくとも1つを含む、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
発電のためのシステムであって、
入力燃料から原合成ガスを生成するように構成されたガス化炉(32)と、
前記ガス化炉(32)と流体連通しておりまた二酸化炭素ガスを含む酸性ガスを前記原合成ガスから取出しかつ清浄合成ガスを生成するように構成された酸性ガス除去プラント(42)と、
前記清浄合成ガスを燃焼させるように構成されたガスタービン(16)と、
前記酸性ガス除去プラント(42)と流体連通しておりかつ前記二酸化炭素ガスの少なくとも一部分をガスタービン(16、64)の1以上の部品に分流させるように構成された冷却装置と
を備えるシステム。
【請求項9】
前記酸性ガス除去プラント(42)と流体連通した二酸化炭素貯蔵装置をさらに含む、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記1以上の部品及び貯蔵装置(46)と流体連通した導管(62、69)をさらに含み、
前記導管(62、69)が、前記二酸化炭素ガスの一部分を前記1以上の部品に分流させた後に前記二酸化炭素ガスの一部分を前記貯蔵装置(46)に送るように構成される、
請求項9記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−196378(P2011−196378A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62478(P2011−62478)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】