説明

ガスハイドレート生成装置

【課題】コンパクトな装置構成で、効率的にガスハイドレートを生成することが可能なガスハイドレート生成装置を提供する。
【解決手段】原料ガスを気泡状にして原料水と混合させる混合器と、原料ガスと原料水とからなる混合流体が内部を流れ、内部を流れるこの混合流体との熱交換によって混合流体を冷却する管路とを有し、原料水と原料ガスの組み合わせに固有のガスハイドレート生成分解平衡特性に応じて、混合流体の流れる方向に沿って、前記管路の温度を調整する。また、管路の内部を流れる混合流体の流速が一定となるよう、混合流体の流入側から流出側へいくにしたがって、管路の内径を小さく調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスハイドレートの生成装置に関し、より詳細には、例えば、天然ガス、メタンガス、炭酸ガス等からガスハイドレートを生成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスハイドレートは、水分子とガス分子からなる氷状の固体物質であり、水分子により形成されるかご状構造の内部にガス分子を取り込んだ構造の水和物である。このガスハイドレートは、高いガス包蔵性、大きな生成・解離熱、小さな温度変化による高い圧力の発生、ハイドレート化ガスの選択性等の性質を有するため、例えば天然ガス等の輸送・貯蔵手段や、蓄熱システム、アクチュエータ、ガスの分離回収等多様な用途での利用が注目されており、研究が行われている。
【0003】
このようなガスハイドレートは、天然ガス等の原料ガスと水の温度および圧力を、平衡曲線(ガスハイドレート生成分解平衡特性を表す状態図における平衡曲線)で示されるハイドレート生成範囲に保持し、両者を接触、混合させて反応させることで生成される。ガスハイドレートの生成速度を規律する最も重要なファクタは、ガスと水との気液界面積の大きさと、ガスと水とが反応するときの反応熱を奪う抜熱効率である。
【0004】
従来より、反応容器内に水と原料ガスとを充填し、攪拌とともに原料ガスを水中に強制的にバブリングさせて気液界面積を増加させて、効率的にガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成方法が提案され、ガスハイドレートの製造が試みられている。この方法では、攪拌とバブリングによる強制対流で生成熱を除去する。
また、反応容器内にガスを充填し、その中に水をスプレーさせて気液界面積を増加させて効率的にガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成方法も試みられている。この方法では、液滴の熱容量とガスの強制対流で生成熱を除去する。
このように、反応容器内でガスハイドレートを生成する方法では、反応容器内で気液を接触させる気液接触スペースを一定以上確保することが必要となることから、反応容器の容積を大きくする必要があり、設備が大きくなるという問題がある。
また、ガスハイドレート生成時の反応熱の除去も、ガスハイドレートの生成における重要なファクターである。反応熱を充分に除去するには、反応容器内の原料ガスや水を充分に冷却する必要がある。しかし、上述の各方法では、大きな反応容器の容積が必要であることから、反応容器を直接冷却する場合であっても、反応容器を冷却する以外の冷却手段を設ける場合であっても、冷却手段が大型化、複雑化するといった問題もある。
【0005】
このような問題を解決するガスハイドレート製造方法および製造装置が、例えば下記特許文献1に提案されている。図6は、下記特許文献1記載の従来のガスハイドレート製造システム100について説明する概略構成図である。
下記特許文献1記載のガスハイドレート製造システム100は、天然ガス等の原料ガスの圧力を昇圧するガス昇圧機101および102、原料水を供給する原料水ポンプ103および119、原料水と原料ガスを混合して原料ガスを原料水に溶解させるラインミキサー105、ラインミキサー105でミキシングされたものを冷却してガスハイドレートを生成する反応管路107、反応管路107で生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離する分離器109とを備えている。そして、各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管によって連結され、要所には圧力検出器110が配置され、この圧力検出器110の信号によって配管ラインに設置された各バルブ112が制御され、当該配管ラインの圧力、流量を調整している。また、分離器109には、分離器109内の水位を検知するレベル計121が設けられており、分離器9内の水位が一定となるよう制御可能となっている。
【特許文献1】特開2002−356685号公報
【0006】
このような特許文献1記載のガスハイドレート製造システム100において、ガスハイドレートが生成する部分は反応管路107である。ガスハイドレート製造システム100では、ラインミキサー105によって原料水と原料ガスが混合されてなる混合流体を、反応管路107の内部に流している。反応管路107は、単数または複数の屈曲した管からなり、この管の周面がチラー117によって冷却されている。特許文献1記載のガスハイドレート製造システム100では、このように、予め原料水と原料ガスとを混合した混合流体を反応管路107に流し、管路107と混合流体との熱交換によって混合流体を冷却する。この冷却によって、原料ガスと原料水の温度(および圧力)をハイドレート生成範囲に調整して、ガスハイドレートを生成している。混合流体を管路107の内部で流動させ、この混合流体を冷却してガスハイドレートを製造する特許文献1のガスハイドレート製造システム100を用いることで、反応容器内でガスハイドレートを製造する場合に比べて周囲からの冷却を効率良く行なえるようにし、装置の構成を単純かつコンパクトにすることを可能としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような特許文献1記載のガスハイドレート製造システム100において、効率的にガスハイドレートを製造するには、反応管路107の内部を流動させて混合流体を充分に冷却する必要がある。また、混合流体内の原料ガスと原料水とが充分に反応させるための充分な時間が必要である。充分な反応時間を確保するためには、混合流体が流れる反応管路107は充分な長さが必要である。このように、充分に長い反応管路107では、内部を流れる混合流体の流速や温度に分布が生じる。
【0008】
特許文献1記載のガスハイドレート製造システム100では、図6に示すように、各構成機器が配管によって連結されており、この配管の要所に圧力検出器110が配置されている。この圧力検出器110の信号によって各バルブ112が制御され、配管ラインの圧力、流量を調整している。しかし、反応管路107の内部を流れる混合流体の流速変化や、反応管路107の温度の分布を制御する手段は有していない。このため、従来のガスハイドレート製造システム100では、反応管路内部の混合流体の流速変化や、反応管路内部の温度分布によるガスハイドレート生成速度の分布が生じていた。
【0009】
従来のガスハイドレート製造システム100では、これらの流速変化やガスハイドレート生成速度の分布に起因して、混合流体に混在する生成された粒状のガスハイドレートが、反応管路107の内壁に部分的に滞留してしまうといった問題があった。反応管路107の内壁にガスハイドレートの部分的な滞留が一旦始まると、混合流体の流速が更に低下し、滞留はますます進行する。このような滞留が進行して増大すると、反応管路107内壁に凹凸が生じ、反応管路107内部における混合流体の圧力損失が大きくなってしまう。このように圧力損失が大きくなると、ポンプ等の動力の無駄が増加するといった問題があった。また、滞留が極度に進行すると、反応管路107が閉塞して混合流体が流れなくなってガスハイドレートの生成が出来なくなり、装置自体も破損してしまうといった問題さえあった。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に着目してなされたもので、コンパクトな装置構成で、効率的にガスハイドレートを生成することが可能なガスハイドレート生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記問題を解決するために、本発明は、所定の圧力範囲および所定の温度範囲の条件下、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを生成する装置であって、原料ガスを気泡状にして原料水と混合させる混合器と、前記原料ガスと前記原料水とからなる混合流体が内部を流れ、この混合流体との熱交換によって前記混合流体を冷却する管路とを有し、前記管路は、前記原料水と前記原料ガスの組み合わせに応じて定まるガスハイドレート生成分解平衡特性に応じて、前記混合流体の流れる方向に沿って温度が調整されていることを特徴とするガスハイドレート生成装置を提供する。
【0012】
本発明のガスハイドレート生成装置は、前記管路を冷却する冷却手段を備え、前記冷却手段は、前記ガスハイドレート生成分解平衡特性に応じて制御されていることが好ましい。また、この冷却手段は、前記混合流体の流れる方向に沿って前記管路に複数設けられていることが好ましい。
【0013】
また、複数の前記冷却手段それぞれに対応する前記管路の各部分領域毎に設けられ、前記管路の各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の圧力データを取得する圧力データ取得手段と、前記現在の圧力データと前記ガスハイドレート生成分解平衡特性とに基づいて、前記管路を流れる混合流体の温度が満たすべく温度条件を、各部分領域毎に設定して出力する温度条件設定手段と、前記管路の各部分領域毎に設けられ、前記管路の各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の温度データを取得する温度データ取得手段と、各部分領域毎の前記現在の温度データ、および各部分領域毎の前記温度条件を受け取り、各部分領域にそれぞれ対応する前記現在の温度データと前記温度条件とに基づいて、各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の温度が前記温度条件を満たすよう、前記冷却手段による冷却強度を各部分領域毎に制御する制御手段とを有することが好ましい。
【0014】
各部分領域の前記温度条件は、前記ガスハイドレート生成分解平衡特性に基づいて定まる前記現在の圧力におけるガスハイドレートの生成分解平衡温度に比べ、予め設定された過冷却温度だけ低い設定温度に、各部分領域の内部を流れる前記混合流体の温度を調整する条件であることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、所定の圧力範囲および所定の温度範囲の条件下、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを生成する装置であって、原料ガスを気泡状にして原料水と混合させる混合器と、前記原料ガスと前記原料水とからなる混合流体が内部を流れ、内部を流れるこの混合流体との熱交換によって前記混合流体を冷却する管路とを有し、前記管路の内部を流れる前記混合流体の流速が一定となるよう、前記混合流体の流入側から流出側へいくにしたがって、前記管路の内径が小さく調整されていることを特徴とするガスハイドレート生成装置も併せて提供する。
【0016】
このガスハイドレート生成装置の前記管路は、前記原料水および前記原料ガスの組み合わせに応じて定まるガスハイドレートの生成分解平衡特性に応じて、前記混合流体の経路に沿って温度が調整されていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明のガスハイドレート生成装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明のガスハイドレート生成装置の一例であるハイドレート生成ユニット20を有して構成される、ガスハイドレート製造システム10(以降、システム10とする)を説明する概略構成図である。
本発明のガスハイドレート生成装置であるガスハイドレート生成ユニット20を含んで構成されるシステム10は、ガスハイドレート生成ユニット20によってガスハイドレートを生成し、生成したガスハイドレートのみを分離して抽出する。
システム10は、天然ガス等の原料ガスの圧力を昇圧するガス昇圧機11、12、原料水を供給する原料水ポンプ13、14、原料ガスを原料水に混合させ、混合された原料水と原料ガスとからなる混合流体を冷却してガスハイドレートを生成するハイドレート生成ユニット20、ハイドレート生成ユニット20で生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離する分離器19とを備えている。
そして、各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管によって連結され、要所には圧力検出器16が設置され、この圧力検出器16からの信号によって配管ラインに設置された各バルブ18が制御され、当該配管ラインの圧力、流量が調整されるよう構成されている。また、分離器19には、分離器19内の水位を検知するレベル計21が設けられており、分離器19内の水位が一定となるよう制御可能に構成されている。
【0019】
図2は、システム10の各構成機器のうち、本発明のガスハイドレート生成装置であるハイドレート生成ユニット20について、さらに詳細に説明する概略構成図である。
ハイドレート生成ユニット20は、原料ガスを原料水に混合させるラインミキサー25、ラインミキサー25で混合された原料水と原料ガスからなる混合流体を冷却してガスハイドレートを生成する反応管路27、および反応管路27の温度を制御するための温度制御ユニット30を備えている。
【0020】
ラインミキサー25は、公知のラインミキサーであり、原料ガスを微細気泡62に砕いて原料水64に混合させる。ラインミキサー25で原料水64と原料ガスの微細気泡62とを混合させて得られる混合流体66は、反応管路27へと排出される。
【0021】
反応管路27は、単数または複数の屈曲した管で構成されている(図2および図5においては、簡略化のため直線状に示している)。反応管路27の一方の端部はラインミキサー25と接続され、他方の端部は分離器19へと接続されている。ラインミキサー25から排出された混合流体66は、反応管路27に流入して反応管路27の内部を流れ、分離器19へと流出する。図2においても示されるように、反応管路27に沿って、混合流体66の流入側Aから流出側Bへ近づくに従い、反応管路27の内径は徐々に小さくなっている。反応管路27の長さは、例えば100(m)である。
【0022】
図2に示すように、反応管路27の内径は、混合流体の流入側Aから流出側Bへ近づくに従って、段階的に徐々に小さくなっている。図2に示す例では内径が変化する部分において、内径の変化を滑らかにする傾斜28が設けられている。この傾斜28によって、反応管路27を流れる混合流体66が、内径の変化部分で剥離等を生じることなく、安定した流速で反応管路27の内部を流れることが可能となる。このように、反応管路27の内径を、流入側Aから流出側Bへ近づくに従って徐々に小さくさせることの効果については、後に詳述する。
【0023】
温度制御ユニット30は、混合流体66の流方向に沿って設けられた複数の冷却手段36と、複数の冷却手段36に対応する反応管路27の各部分領域それぞれに設けられ、各部分領域毎に、反応管路27の内部を流れる混合流体66の温度を計測して現在の温度データを出力する温度センサ32と、各部分領域毎に、反応管路27の内部を流れる混合流体66の圧力を計測して現在の圧力データを出力する圧力センサ34とを有する。温度制御ユニット30は、さらに、温度センサ32および圧力センサ34から出力されたデータ(現在の温度データおよび現在の圧力データ)を各部分領域毎に受け取り、これらの情報、および予め記憶されたガスハイドレート生成分解平衡特性に基づき、各冷却手段36の冷却強度を制御するための制御信号を、各冷却手段36にそれぞれ出力する温度制御装置50を有している。
【0024】
反応管路27を流れる混合流体66は、反応管路27の内壁と熱交換することで冷却される。冷却手段36は、この反応管路27の内壁の温度を制御するために反応管路27を冷却する。冷却手段36は、例えばエチレングリコールなどの冷媒を循環させて反応管路27の周面を冷却する冷媒循環型の冷却器など、公知の冷却手段である。複数の冷却手段36それぞれは、温度制御装置50から出力された制御信号に応じ、例えば冷媒の温度を変化させたり冷媒の循環速度を変化させるなどして、各部分領域毎に反応管路27の冷却強度を調節可能となっている。
【0025】
温度センサ32および圧力センサ34は、複数の冷却手段36それぞれに対応する各部分領域毎に、反応管路27に設けられている。温度センサ32は、反応管路27の内部を流れる混合流体の温度を計測して、各部分領域毎に現在の温度データを出力する公知の温度センサであり、圧力センサ34は、反応管路27の内部を流れる混合流体の圧力(静圧)を計測して、各部分領域毎に現在の圧力データを出力する公知の圧力センサである。
複数の温度センサ32と圧力センサ34、および冷却手段36は、それぞれ温度制御装置50に接続されている。
【0026】
温度制御装置50は、複数の温度センサ32および圧力センサ34から出力された、反応管路27を流れる混合流体66の、各部分領域毎の現在の温度データおよび現在の圧力データを受け取り、これらの情報に基づいて、各部分領域毎に冷却手段36の冷却強度を調整して、各部分領域内を流れる混合流体66の温度を制御する。
温度制御装置50は、設定温度決定手段52、制御信号出力手段54、およびメモリ56を有する。温度制御装置50は、図示しないCPUを有し、プログラムによって各部位が機能するコンピュータであってもよく、各部位が専用装置で構成されていてもよい。また、温度制御装置50は図示しない入力装置と接続されている。
【0027】
メモリ56には、原料ガスと原料水との組み合わせに応じて定まる、ガスハイドレート生成分解平衡曲線(以降、平衡曲線とする)が記憶可能となっている。また、ガスハイドレート生成における所望の過冷却度を、図示しない入力装置からの入力に応じて記憶可能となっている。
図3は、メモリ56に記憶される平衡曲線について説明する図で、メタンガスと水とを混合させた際の相平衡図であり、図3に示す実線が平衡曲線である。平衡曲線とは、相平衡状態における温度と圧力の関係を示す曲線のことを指す。図3においては、平衡曲線よりも左側の領域(平衡状態よりも低温度かつ高圧の領域)が、ガスハイドレートが生成される領域であり、平衡曲線よりも右側の領域(平衡状態よりも高温度かつ低圧の領域)が、ガスハイドレートが分解される領域である。
また、過冷却度とは、ガスハイドレート生成時の混合流体66の設定温度を決定する際、設定温度の決定の基準となる温度の大きさ(温度の幅)である。過冷却度および設定温度の決定については後に詳述する。
【0028】
設定温度決定手段52は、複数の冷却手段36にそれぞれ対応する部分領域毎に設けられた圧力センサ34それぞれと接続されており、圧力センサ34から出力された混合流体66の現在の圧力データを各部分領域毎にそれぞれ取得する。圧力センサ34のそれぞれから現在の圧力データを取得すると、設定温度決定手段52は、メモリ56に記憶された上述の平衡曲線を読み出し、現在の圧力におけるガスハイドレート平衡温度を、各部分領域毎に求める。そして、この平衡温度よりも、予め設定された過冷却度ΔT(例えば3〜4(℃))だけ低い温度を、各部分領域毎の設定温度として決定する。
【0029】
例えば、図3の例で示すと、1つの部分領域に設けられた圧力センサ34から出力された現在の圧力データがPであった場合、設定温度決定手段52は、平衡曲線に基づいて現在の圧力Pにおけるガスハイドレート平衡温度Tを求める。そして、この平衡温度Tに比べて、予め設定された過冷却度ΔTだけ低い温度Tc1を、この部分領域の設定温度として決定する。
すなわち、設定温度とは、原料水と原料ガスの組合せにおける相平衡図において、平衡曲線を過冷却度ΔTだけ低温度側に平行移動して得られる設定曲線(図3において破線で示す曲線)における、現在の圧力データに対応する温度である。
設定温度決定手段52では、反応管路27に設けられた複数の圧力センサ34から送信された現在の圧力データそれぞれについて、過冷却度ΔTが同一となるように上述の設定温度を決定し、決定した複数の設定温度それぞれを制御信号出力手段54に送信する。図3の例で示すと、例えば、現在の圧力がPの場合、設定温度はTcnとなる。決定された設定温度は、制御信号出力手段54に送られる。
【0030】
ここで、過冷却度ΔTとは、ハイドレート生成における非平衡の度合いを示すものであり、ハイドレート生成の駆動力として作用する。図4は、攪拌およびバブリング法を用いたハイドレート生成方法による、過冷却度の大きさとハイドレート生成速度との関係を示すグラフである(加藤 裕一、新井 敬、永森 茂、小野 純二他、「天然ガスハイドレートの生成特性に関する実験的研究」、三井造船技報No.175、2002年2月、p6引用)。
図4のグラフに示す各データを取得したガスハイドレート生成方法では、製造容器に水を所定量充填して生成温度まで冷却し、さらに製造容器にメタンを投入して生成圧力まで昇圧して、気相と液相の温度を均一にさせた後、液相内の攪拌翼を所定回転数で回転させるとともに、ガスを液相にバブリングさせてガスハイドレートを生成する。この際、ガスハイドレート生成中もガスを連続的に供給して、製造容器内の圧力を常に一定としてガスハイドレートの生成を行なっている。ハイドレート生成中のガス流量は、単位時間あたりに低減するガスの体積に相当する。すなわち、ハイドレート生成中のガス流量Qは、単位時間あたりのハイドレート生成量Mすなわちハイドレート生成速度に対応している。
【0031】
図4では、生成温度および攪拌条件を種々変化させてハイドレートを生成した際の、過冷却度とガス流量との関係を、それぞれ異なる攪拌レイノルズ数で表された、それぞれ異なる攪拌条件毎に示している。
図4に示すグラフから、ガス流量は過冷却度に比例して大きく増加しているのがわかる。すなわち、過冷却度ΔTはハイドレート生成の駆動力となっており、過冷却度が異なれば、ハイドレートの反応生成速度は大きく異なる。上述のように、過冷却度が一定となるように反応管路27の各部分の設定温度を決定することで、反応管路27の各部分ともに一様な生成速度でガスハイドレート68が生成される。
【0032】
圧力センサ34で取得した現在の圧力データに応じて決定された複数の設定温度それぞれは、制御信号出力手段54に送られる。制御信号出力手段54は、各部分領域に設けられた複数の温度センサ32と接続されている。制御信号出力手段54は、各部分領域に設けられた温度センサ32から出力された、混合流体66の現在の温度データ(現在の圧力データと同タイミングで取得された温度データ)をそれぞれ取得する。また、制御信号出力手段54は、複数の冷却手段36ともそれぞれ接続されている。
【0033】
制御信号出力手段54では、各部分領域毎に、現在の温度データと、設定温度決定手段52において決定され出力された設定温度との温度差を算出する。そして、この温度差がなるべく小さくなるよう、冷却手段36に対して、この温度差に応じた制御信号を出力する。冷却手段36では、この制御信号によって冷却強度が調整されて、各部分領域毎に、反応管路27の内部を流れる混合流体66の温度が設定温度に調整される。ハイドレート生成ユニット20では、反応管路27の内部を流れる混合流体66の温度が、設定温度に対し±1.0℃、好ましくは±0.1℃単位で制御可能となっている。
ハイドレート生成ユニット20では、このように、混合流体66の流方向に沿って反応管路27を冷却する冷却手段36の冷却強度が調整されて、冷却手段36に対応する各部分領域それぞれの内部を流れる混合流体66の温度が、各部分領域それぞれの現在の圧力データに対応した設定温度に調整される。
【0034】
このように、本発明のガスハイドレート生成装置では、混合流体66の流方向に沿って設けられた複数の冷却手段36毎に、各冷却手段36に対応する各部分領域の内部を流れる混合流体66の温度および圧力を、図3に示す設定曲線で表される状態に調整する。すなわち、各冷却手段36に対応する各部分領域毎に、反応管路27内の混合流体66の圧力に応じて、反応管路27を流れる混合流体66の温度を調整する。このようにすることで、反応管路27を流れる混合流体66の過冷却度が、全ての部分領域で一定となるよう、各部分領域を流れる混合流体66の温度が調整されることとなる。混合流体66の温度が、反応管路27のいずれの部分においても同じ過冷却度に調整されることで、反応管路27のいずれの部分においても、同じ程度の生成速度でガスハイドレートが生成される。
ハイドレート製造システム10は、このようなハイドレート生成ユニット20を有して構成されている。
【0035】
以下、ハイドレート製造システム10によるガスハイドレート製造方法(生成・抽出方法)について説明する。まず、例えば、メタンガスを主成分とする天然ガスなどの原料ガスの圧力をガス昇圧機11によって所定の圧力(例えば60Mpa)に上昇させる。また、原料水も原料水ポンプ13によって所定の圧力に昇圧させる。そして、これら昇圧された原料水と原料ガスとを、それぞれラインミキサー25に供給する。この際、原料水が約1.0(m/h)に対して原料ガスは約0.1〜1.0(m/h)、好ましくは、原料水が約1.0(m/h)に対して原料ガスは約0.3〜0.6(m/h)の流量でラインミキサー25に供給される。
【0036】
図5は、ラインミキサー25および反応管路27におけるハイドレート生成について説明する図である。ラインミキサー25に供給された原料ガスと原料水とは、ラインミキサー25によって猛烈な勢いで混合される。このとき、原料ガスは微細気泡62となって原料水64の中に混じり込み、原料水64と微細気泡(原料ガス)62とからなる混合流体66となる。そして、微細気泡62と原料水64とからなる混合流体66は反応管路27に排出され、反応管路27において上述の設定温度に冷却されることで、ガスハイドレート68が生成される。
【0037】
反応管路27に流入された混合流体66は、流入側Aから流出側Bに向かって反応管路27の内部を流れる。上述のように、反応管路27の内部を流れる混合流体66の温度は、反応管路27の各部分を流れる混合流体66の圧力に応じた設定温度となるように、温度制御ユニット30によって調節される。この設定温度は、混合流体66の圧力に応じて、過冷却度が一定となるように設定された温度であり、反応管路27の複数の部分領域において一様な生成速度でガスハイドレート68が生成される。
ハイドレート生成ユニット20では、このように、反応管路27の長さ方向(混合流体66の流方向)に沿って、一様な生成速度でガスハイドレート68が生成される。
【0038】
例えば、ガスハイドレート68が局所的に多量に生成されると、反応管路27中にガスハイドレート68の滞留が生じてしまう。
本発明のガスハイドレート生成装置では、反応管路27のいずれの部分においても、同じ程度の生成速度でガスハイドレートが生成されるので、反応管路27中にガスハイドレート68の滞留が生じる恐れがない。よって、反応管路27の内部において、ガスハイドレート68の部分的な滞留に起因する、混合流体66の圧力損失が生じることがない。このため、原料水ポンプ13(および原料水ポンプ14)に余分な出力を必要とせず、効率的にガスハイドレート68を生成できる。
【0039】
また、上述の反応管路27は、混合流体66の流方向に沿って混合流体66の流入側から流出側へ近づくにしたがって、内径が徐々に小さくなっている。
混合流体66がラインミキサー25から排出されて反応管路27に流入した直後は、ガスハイドレート68は殆ど生成されておらず、原料水64と混合された原料ガスは、ほとんど微細気泡62の状態で存在している。微細気泡62の状態では原料ガスは気体であり、混合流体66の体積は、原料水64の体積に微細気泡62の体積を加えた体積となっている。
【0040】
混合流体66が反応管路27の内部を流れることで設定温度に冷却されると、原料水64と微細気泡62の原料ガス分子とが反応して、ほぼ一定の生成速度でガスハイドレート68が生成される。すなわち、微細気泡62の状態で気体として存在していた原料ガスの分子が、原料水の水分子が形成する立体的ケージのキャビティに包接された安定な状態となることで、ガスハイドレート68が生成される。原料ガス分子がこのようにキャビティに包接されてガスハイドレートが生成されると、包接されたガス分子は体積がほとんどゼロになる。
すなわち、混合流体66が反応管路27の内部を流れて、ガスハイドレートの生成が進行するほど原料ガスの体積(微細気泡62の総体積)は減少し、混合流体66の体積は徐々に減少する。
【0041】
このように混合流体66の体積が徐々に減少すれば、反応管路27の内径が一定である場合、流入側に比べて流出側の流速が遅くなってしまう。このことは、いわゆる連続の式から明らかである。本発明のガスハイドレート生成装置では、混合流体の流方向に沿って混合流体の流入側から流出側に近づくにしたがって、反応管路27の内径を徐々に小さくしている。これにより、反応管路27における流入側と流出側とでの混合流体66の流速の変化を解消し、反応管路27における混合流体66の流速変化を解消している。
反応管路27の内径は、流入側Aから流出側Bにわたる混合流体66の流速変化を解消するよう、ガスハイドレートの生成速度(すなわち、原料ガス体積の減少速度)に応じて内径が調整されている。
【0042】
例えば、反応管路27において混合流体66の流速変化が生じていると、反応管路27中にガスハイドレート68の滞留が生じてしまう。本発明のガスハイドレート生成装置では、反応管路27のいずれの部分においても、同程度の流速で混合流体66が反応管路27内を流れる。このため、反応管路27中にガスハイドレート68の滞留が生じる恐れがない。よって、反応管路27内部におけるガスハイドレート68の部分的な滞留によって、混合流体66の過度の圧力損失を生じることがない。このため、原料水ポンプ13(および原料水ポンプ14)に余分な出力を必要とせず、効率的にガスハイドレート68を生成できる。
【0043】
ガスハイドレート製造システム10では、反応管路27の内部において、ガスハイドレート68を含む混合流体66が比較的安定して流れる流速(例えば、2.0(m/s))となるように、反応管路27の内径や、ポンプの出力等が調整されている。
本発明のガスハイドレート生成装置によれば、このように、反応管路27内でガスハイドレート68が滞留することがない。そのため、反応管路27の流入側から流出側全体にわたって、混合流体66が安定した流速で流れる。そのため、反応管路27内を流れる混合流体66に余分な圧損を生じることなく、効率よく安定してガスハイドレート68が生成できる。
なお、図2および図3に示す例では、反応管路27の内径は、冷却手段36それぞれに対応して段階的に内径が小さくなっている。本発明のガスハイドレート生成装置では、このように、冷却手段36に対応して内径を減少させることに限定されない。また、図2および図3に示す例では、段階的に段差をもって内径が減少しているが、段差をもつことなく、流入側Aから流出側Bに向かって連続的に内径が減少していてもよい。
【0044】
ガスハイドレート生成ユニット20で生成されたガスハイドレート68は、未反応ガス(微細気泡62)、未反応原料水(原料水64)とともに反応管路27を流れてゆき分離器19に送られる。分離器19に送られたガスハイドレート68、未反応ガス、未反応原料水の混合物は、分離器19によってガスハイドレート68、未反応ガス、未反応原料水にそれそれ分離される。分離器19の例としては、分離タンク、デカンター、サイクロン、遠心分離器、ベルトプレス、スクリュー濃縮器・脱水機、回転ドライヤー等が挙げられる。
【0045】
分離された原料水は原料水ポンプ14によって再びラインミキサー25に供給され、未反応の原料ガスはガス昇圧機12によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー25に供給される。一方、生成されたガスハイドレート68は分離器19から取り出され、冷却や脱圧、ペレット化などの各種の後処理工程に送られる。
なお、分離器19においては、分離器19内の水位がレベル計21で検知され、分離器19内の水位が一定レベル以上になるように制御されている。これは、ガスが原料水戻しラインに流入しないように、原料水に封水効果をもたせるためである。そして、封水に不要な原料水は原料水ポンプ14によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー25に供給される。また、ガス昇圧機11によって昇圧された原料ガスを分離器19に直接供給しているが、これは分離器19内の圧力を一定以上に保つためである。
【0046】
本発明のガスハイドレート生成装置であるガスハイドレート生成ユニット20を含んで構成されるガスハイドレート製造システム10では、このようにしてガスハイドレートを生成し、生成したガスハイドレートのみを分離して抽出する。
【0047】
上記の説明においては、原料ガスとして、メタンガスを主成分とする天然ガスを例に挙げたが、その他の例として、エタン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等がある。
【0048】
上記実施形態では、反応管路27における混合流体66の流速変化を解消し、反応管路27内部全体に渡って一定の流速で混合流体66が流れるよう、反応管路27の内径が徐々に小さく調整されている。本発明のガスハイドレート生成装置では、このように管路全体に渡って常に一定の流速で混合流体が流れるよう、管路の内径が調整されていることに限定されない。管路を流れる混合流体は、局所的に極端に大量のガスハイドレートが生成することで管路が閉塞しない程度に、管路内で流速が変化していてもよい。本発明における管路は、管路が閉塞する程度の流速変化が生じない程度に、内径が調整されていればよい。また、上記実施形態では、反応管路27の全ての部分領域において、同一の過冷却度を設定している。本発明においては、局所的に極端に大量のガスハイドレートが生成することで管路が閉塞しない程度に、各部分領域毎に異なる過冷却度を設定してもよい。
【0049】
さらに、ラインミキサーの他の例としては、筒状体の途中を細くして負圧を発生させることにより、原料ガスを吸引して混合するいわゆるベンチュリ管方式のものであってもよいし、またあるいは円錐または円錐台状の容器内の旋回流を利用して気液混合するようなもの、例えば特開2000−447号公報に開示された旋回式微細気泡発生装置のようなものでもよい。本明細書における混合機とは、気液を連続的に混合できるものを広く含む。また、上記の実施の形態においては反応管路27の例として、単数または複数の屈曲管を示したが、分岐した複数本の直管で構成してもよい。
【0050】
以上、本発明のガスハイドレート生成装置について説明したが、本発明のガスハイドレート生成装置は上記実施例に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明のガスハイドレート生成装置の一例であるハイドレート生成ユニットを有して構成される、ガスハイドレート製造システムを説明する概略構成図である。
【図2】本発明のガスハイドレート製造装置の一例であるハイドレート生成ユニットについて詳細に説明する概略構成図である。
【図3】ハイドレート生成ユニットのメモリに記憶される平衡曲線について説明する図で、メタンガスと水とを混合させた際の相平衡図である。
【図4】攪拌およびバブリング法を用いたハイドレート生成方法による、過冷却度の大きさとハイドレート生成速度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明のガスハイドレート製造装置の一例であるハイドレート生成ユニットにおけるハイドレート生成について説明する図である。
【図6】従来のガスハイドレート製造システムについて説明する概略構成図である。
【符号の説明】
【0052】
10、100 ガスハイドレート製造システム
11、12、101、102 ガス昇圧機
13、14、103、119 原料水ポンプ
16、110 圧力検出器
20 ガスハイドレート生成ユニット
25、105 ラインミキサー
27、107 反応管路
28 傾斜
30 温度制御ユニット
32 温度センサ
34 圧力センサ
36 冷却手段
50 温度制御装置
52 設定温度決定手段
54 制御信号出力手段
56 メモリ
62 微細気泡
63 ガスハイドレート
64 原料水
66 混合流体
109 分離器
112 バルブ
121 レベル計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の圧力範囲および所定の温度範囲の条件下、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを生成する装置であって、
原料ガスを気泡状にして原料水と混合させる混合器と、
前記原料ガスと前記原料水とからなる混合流体が内部を流れ、この混合流体との熱交換によって前記混合流体を冷却する管路と、
前記管路を冷却する冷却手段とを備え、
前記冷却手段は、前記原料水と前記原料ガスの組み合わせに応じて定まるガスハイドレート生成分解平衡特性に応じて制御されて、前記管路の温度を、前記混合流体の流れる方向に沿って調整することを特徴とするガスハイドレート生成装置。
【請求項2】
前記冷却手段は、前記混合流体の流れる方向に沿って前記管路に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスハイドレート生成装置。
【請求項3】
複数の前記冷却手段それぞれに対応する前記管路の各部分領域毎に設けられ、前記管路の各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の圧力データを取得する圧力データ取得手段と、
前記現在の圧力データと前記ガスハイドレート生成分解平衡特性とに基づいて、前記管路を流れる混合流体の温度条件を、各部分領域毎に設定して出力する温度条件設定手段と、
前記管路の各部分領域毎に設けられ、前記管路の各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の温度データを取得する温度データ取得手段と、
各部分領域毎の前記現在の温度データ、および各部分領域毎の前記温度条件を受け取り、各部分領域にそれぞれ対応する前記現在の温度データと前記温度条件とに基づいて、各部分領域の内部を流れる前記混合流体の現在の温度が前記温度条件を満たすよう、前記冷却手段による冷却強度を各部分領域毎に制御する制御手段とを有することを特徴とする請求項2に記載のガスハイドレート生成装置。
【請求項4】
各部分領域の前記温度条件は、前記ガスハイドレート生成分解平衡特性に基づいて定まる、前記現在の圧力データにおけるガスハイドレートの生成分解平衡温度に比べ、予め設定された過冷却温度だけ低い設定温度に、各部分領域の内部を流れる前記混合流体の温度を調整する条件であることを特徴とする請求項3に記載のガスハイドレート生成装置。
【請求項5】
所定の圧力範囲および所定の温度範囲の条件下、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを生成する装置であって、
原料ガスを気泡状にして原料水と混合させる混合器と、
前記原料ガスと前記原料水とからなる混合流体が内部を流れ、内部を流れるこの混合流体との熱交換によって前記混合流体を冷却する管路とを有し、
前記管路の内部を流れる前記混合流体の流速が略一定となるよう、前記混合流体の流入側から流出側へいくにしたがって、前記管路の内径が小さく調整されていることを特徴とするガスハイドレート生成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−160828(P2006−160828A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351232(P2004−351232)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】