説明

ガスバリヤ性積層フィルムの製造方法および積層フィルム

【課題】ガスバリヤ性積層フィルムにおいて、ガスバリヤ性積層フィルムの製造において、ラミネート強度低下が少なく、バラツキが小さい安定した高いガスバリヤ性が得られるガスバリヤ性積層フィルムの製造方法及びその積層フィルムを提供する。
【解決手段】基材フィルムにグラビア印刷機による印刷で該基材フィルムにガスバリヤ性を付加するガスバリヤ性積層フィルムの製造方法であって、印刷の初めまたは途中でアンカー剤を全面印刷し、さらに印刷の途中または最後でガスバリヤ性コート剤を続けて2度全面印刷するガスバリヤ性積層フィルムの製造方法とその方法により得られる積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリヤ性積層フィルム製造に関するものであり、詳細には、容易に高いガスバリヤ性を付加することが可能なガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、医薬品等の包装用途に使用される包装袋では、酸化や吸湿による内容物の変質・劣化の防止を目的として、それらの原因となる酸素や水などのガスを遮断するために、ガスバリヤ層を設けた複合フィルムが用いられている。複合フィルムは主に基材となるプラスチックフィルム、ガスバリヤ層、印刷層、シーラント層から構成され、それぞれの層の機能が有効に発揮されるように成分や加工法が種々検討されている。特許文献1には、基材上に、印刷層、未変性ポリビニルアルコールとアセトアセチル基変性ポリビニルアルコールを重量比(未変性ポリビニルアルコール/アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール)95/5〜10/95で含有するガスバリア層が順次積層されてなる積層体が提案されている。
【0003】
また、特許文献2には、印刷機上で、印刷インキ層とガスバリア被覆層を同時に(インラインで)積層することが可能であり、基材フィルム上に、少なくとも印刷インキ層、高分子樹脂と無機層状化合物を主剤とするガスバリア性組成物を塗布してなるガスバリア性被覆層、ヒートシール性を有するシーラントフィルム層を順次積層してなるガスバリア性を有する積層材料が提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法で得られる積層体は、ガスバリヤ性に部分的なバラツキが起きやすく、高いガスバリヤ性をもつ積層フィルムを安定して製作するのが困難である問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2004−009658号公報
【特許文献2】特開2005−059329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ガスバリヤ性積層フィルムにおいて、ラミネート強度低下が少なく、バラツキが無い安定した高いガスバリヤ性が得られるガスバリヤ性積層フィルムの製造方法及びその積層フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主な特徴は、アンカー剤およびコート剤を、多色グラビア印刷機インラインで全面印刷し安定した高いガスバリヤ性とラミネート接着力を得ることを可能としたものである。特に、コート剤を2回全面印刷することによりガスバリヤ性がばらつかず、飛躍的に安定することを見いだしたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)基材フィルムにグラビア印刷によりコート層を形成するガスバリヤ性積層フィルムの製造方法であって、
アンカー剤を全面印刷してアンカー層を形成する工程と、
積層フィルムとして酸素透過度が温度23℃、湿度50%rhの条件で10ml/m・24hrs・MPa以下となるようにコート剤を続けて2回全面印刷してコート層を形成する工程とを含むことを特徴とするガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、(2)前記コート層は、ポリビニルアルコール(A)と無機層状化合物(B)とを質量比(A/B)99/1〜30/70で含有する(1)に記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、(3)前記アンカー剤は、ウレタン樹脂またはポリエステル樹脂である(1)または(2)に記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【0011】
また、本発明は、(4)前記コート層が0.01〜2μmである(1)〜(3)のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【0012】
また、本発明は、(5)前記アンカー層が0.01〜0.5μmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法により得られたガスバリヤ性積層フィルムに関する。
【0014】
また、本発明は、(7)上記(6)に記載のガスバリヤ性積層フィルムからなる包装用袋に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、グラビア印刷機によりアンカー剤およびガスバリヤ性コート剤を印刷し、ラミネート強度低下が少なく、ガスバリヤ性のばらつきが小さい、高いガスバリヤ性をもつ積層フィルムが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法について詳細に説明する。
【0017】
本発明で使用するグラビア印刷機について説明する。本発明で使用する印刷機は、通常、使用されている多色刷を行うグラビア印刷機であればよい。グラビアの印刷ユニットを色数分つなげて構成されている。本発明では、多色印刷の初めまたは途中でアンカー剤を全面印刷し、続けてさらに多色印刷の途中または最後でコート剤を続けて2度全面印刷する。印刷インキは多色刷のどの順番目に印刷しても良いが、コート層の上にインラインでインキを印刷するとコート層が破壊してバリヤ性が劣化するため、インキ層の上にコート層を設ける。
【0018】
本発明で使用する基材フィルムとしては、従来、軟包装で使用されているポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ナイロン、ポリスチレン等からなる各種プラスチックフィルム、これらの2種以上からなる複合フィルムを挙げることができ、これらのフィルムは、インキまたはアンカー剤の接着性向上のため表面処理されていることが好ましい。また、その他の基材フィルムとして、透明蒸着フィルムを用いることができ、この場合は、蒸着面側にグラビア印刷してアンカー層、コート層を形成しガスバリヤ性能をさらに高めることができる。透明蒸着フィルムは特に限定されず使用することができる。
【0019】
本発明で使用する印刷インキは、多色印刷機に使用されるグラビアインキで、一般的なグラビア印刷用インキが使用できる。該印刷インキはフィルムの用途に応じて、汎用、耐ボイル、耐レトルト等適宜選択できる。具体的には、例えば、セラック類、ロジン類、ロジン変性マレイン酸などの天然樹脂及びその誘導体;硝化綿、酢酸セルロースなどの硝化綿及び繊維素系誘導体;ポリアミド樹脂;塩化ゴム、環化ゴムなどの塩化ゴム及びゴム誘導体;酢酸ビニル塩化ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂;エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン塩素化物などのポリオレフィン類;アクリル酸の共重合体、アクリル酸エステル類の共重合体などのアクリル樹脂;ウレタン系樹脂;カルボキシル基を含む高酸価ロジン変性マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、アクリル系樹脂、シェラック、カゼイン、アクリル系樹脂又はウレタン系樹脂のエマルジョンなどの水溶性樹脂等を樹脂分として含有するグラビアインキが挙げられる。
【0020】
本発明で使用するアンカー剤は、グラビア印刷機で全面印刷可能な印刷特性をもつ溶剤含有樹脂組成物である。アンカー剤は、コート層が基材フィルムと強く接着する目的で使用され、コート剤が濡れやすく均一なコート層が形成できるように、基材フィルムをよく濡らし、印刷抜け等を起こさないよう、表面処理できるものである。アンカー剤は、溶剤および樹脂を含有するものであり、該樹脂は該溶剤中に溶解または分散しているものである。該溶剤は、グラビア印刷で通常使用される有機溶剤型または水性型を用いることができる。該樹脂としては、良好な接着性が得られるものであれば良く、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を挙げることができる。
【0021】
本発明で使用するガスバリヤ性コート剤は、印刷乾燥時のコート層が、ポリビニルアルコール(A)と無機層状化合物(B)とを質量比(A/B)99/1〜30/70で含有する。質量比(A/B)において、(A)が30未満になると、グラビア印刷としての良好な印刷適性を得ることが難しい。また、質量比(A/B)において、(A)が99を超え(B)が1より小さくなると無機層状化合物のガスバリヤ効果が十分に発揮し難くなる。
【0022】
上記ガスバリヤ性コート剤は、さらに他の成分として、必要に応じて、チタン系やイソシアネート系等の各種架橋剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等の改質剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤等を1種又は2種以上加えることができる。
【0023】
本発明で使用するポリビニルアルコール(A)は、従来公知のものを用いることができ、特に、重合度1000〜2000程度のものが好ましく使用される。重合度1000〜2000のポリビニルアルコールを使用すると、コート層の機械的強度、グラビアインキ適性を両立して満足するコート剤を得ることができる。
【0024】
本発明で使用する無機層状化合物(B)は、層状構造を有する結晶性の無機化合物のことをいい、例えばカオリナイト族、スメクタイト族、マイカ族等に代表される粘土鉱物を挙げることができる。無機層状化合物は、その種類を目的とする要求品質により選択することができ、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。層状構造の層間に水溶性高分子が入り込み、層間が拡大した被膜を得られやすい点からスメクタイト族が好ましい。スメクタイト族としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト等を挙げることができる。溶液安定性、ガスバリヤ発現性、印刷適性の点から特にモンモリロナイトが好ましい。
【0025】
無機層状化合物は微粒子の形態で使用する。微粒子状の無機層状化合物は、扁平状であり、平面形状は限定されない。無機層状化合物の微粒子の平均粒径(平面形状の平均粒径)は、例えば、0.01〜2μm、好ましくは0.1〜2μm、さらに好ましくは、0.1〜1μmである。微粒子状の無機層状化合物は、水性溶媒中で無機層状化合物を高圧で分散処理して作製する。
【0026】
コート剤の溶媒は、有機溶媒であっても良いが、少なくとも水性媒体で構成するのが好ましい。水性媒体は、水及び/又は水溶性有機溶媒であればよい。すなわち、水性媒体は、水単独であってもよく、水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、カルビトール類、エーテル類、アセトンなどのケトン類)であってもよく、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であってもよい。水溶性有機溶媒は単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。選択する水性媒体により、無機層状化合物の安定性や印刷時の塗工適性、特に濡れ性や乾燥性に影響されるため、本発明では、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒であることが好ましい。水と水溶性有機溶媒との割合は、質量比で(水/水溶性有機溶媒)=(30/70)〜(98/2)、好ましくは(40/60)〜(95/5)である。
【0027】
コート剤の溶媒の使用量は、コート剤がグラビア印刷に適応できるように選択でき、ザーンカップ#3粘度で10〜60秒程度になるようにして使用される。本発明で使用するコート剤は、ポリビニルアルコール、無機層状化合物、溶剤、必要に応じてその他の添加剤を混合し、湿式分散機により分散して作製される。湿式分散機としては、ビーズミル、ボールミル、アトライタ、ジェットミル等を挙げることができる。
【0028】
本発明のコート層の厚みは0.01〜2μmである。0.01μm未満では十分なガスバリヤ性が発現し難く、2μmあればガスバリヤ性は十分発現し、2μmを超えると厚みによる着色や乾燥不十分による残留溶剤で臭い発生等の原因になることがある。また、コート層が厚過ぎるとラミネート強度測定において、コート層が凝集破壊を起こし接着力を低下してしまうことがある。
【0029】
本発明のアンカー層の厚みは0.01〜0.5μmである。0.01μm未満では印刷欠損等で十分な接着力が得られない。また、0.5μmでアンカー効果は十分であり、0.5μmを越えると残留溶剤が多くなり好ましくない。
【0030】
本発明で使用する透明蒸着フィルムは、酸化珪素や酸化アルミ等の金属酸化物をプラスチックフィルムに蒸着したものである。透明な蒸着フィルムであれば、特に、限定されるものではない。透明蒸着フィルムは過度のテンションで蒸着部にクラック、欠損が起こりやすく、蒸着層へ直にグラビアインキ印刷すると、インキに含まれる硬い顔料に擦れて蒸着部にクラック、欠損を起こし、ガスバリヤ性低下の原因となる場合がある。本発明で基材フィルムとして透明蒸着フィルムを使用する場合は、グラビア印刷の初めにアンカー剤を全面印刷することが、蒸着層を保護するために好ましい。
【0031】
グラビア印刷機で加工されガスバリヤ性が向上された積層フィルムは、ガスバリヤコート層面にさらにシーラント層がラミネートされる。シーラント層としては、製袋のために使用される熱融着性のシール材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)が用いられる。これらのフィルムをドライラミ用接着剤でラミネート加工する方法、押出機により押出ラミネートする方法等の常法により作製することが出来る。
【0032】
これらラミネート加工されたガスバリヤ性積層フィルムを使用し、各種製袋成形方法により食品、医薬品等用途に応じた袋を作製できる。良好なガスバリヤ性を生かした包装容器等として使用される。
【実施例】
【0033】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
(酸素透過度)
酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN MODEL 2/21)を用い、温度23℃、湿度50%rh雰囲気における積層体の酸素透過度を測定する。本発明で得られた積層フィルムからランダムに10ヶ所を測定し、平均及びバラツキ(標準偏差:σn−1)を算出する。
【0035】
(ラミネート強度)
本発明の積層フィルムについて、横幅を15mmに切り取り、テンシロン万能型試験機(株式会社エー・アンド・デイ製RTE−1210)にて、引張速度300mm/minでT型剥離し、そのときに要する強度を測定する。なお、基準試料として、グラビア印刷を実施しない(印刷層、コート層がない)でラミネート加工した積層フィルムと比較評価する。評価基準は、次の通りである。
○・・・・・・・・・・・10%以内の低下である
△・・・・・・・・・・・10〜30%の低下であり、使用に耐える
×・・・・・・・・・・・30%以上低下して、使用不可
【0036】
<製造例;アンカー剤>
ポリエステル樹脂系アンカー剤として、商品名:LG−OXアンカー剤A、東京インキ社製と、商品名:LG硬化剤B、東京インキ社製とを、質量比100/5で混合し、アンカー剤(AC1)を調整する。ウレタン系アンカー剤として、商品名:LG−OXアンカー剤C、東京インキ社製と、商品名:LG硬化剤B、東京インキ社製とを、質量比100/5で混合し、アンカー剤(AC2)を調整する。
【0037】
<製造例;コート剤>
ポリビニルアルコール、商品名:PVA−110、クラレ社製(重合度1000)を水/IPA=80/20(質量比)の溶媒に5質量%となるように溶解し、さらにポリビニルアルコールとモンモリロナイトとの混合比(質量比)が80/20となるようにモンモリロナイトを混合しアトライタにより分散してコート剤(C1)を得る。得られたコート剤中のモンモリロナイトの平均粒径は0.5μmで、ザーンカップ#3粘度は18秒である。ポリビニルアルコールとして商品名:PVA−117、クラレ社製(重合度1700)を用いる以外はコート剤C1を作製するのと同様にしてコート剤(C2)を得る。得られたコート剤中のモンモリロナイトの平均粒径は0.5μmで、ザーンカップ#3粘度は23秒である。なお、コート剤中の無機層状化合物の平均粒径は、粒度分布測定装置:マイクロトラックUPA−150、日機装社製を使用して測定した。
【0038】
(実施例1)
厚み20μmのOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムの基材に、グラビア印刷機を用いて、アンカー剤AC1を全面印刷、コート剤C1を全面印刷、さらにコート剤C1を全面印刷し、アンカー層、コート層を形成した。その後、コート層上にポリウレタン系接着剤を用いたドライラミネートにより厚み30μmのCPP(未延伸ポリプロピレン)フィルムを貼り合わせ、得られた積層フィルムを用いて酸素透過度及びラミネート強度を測定した。アンカー層、コート層それぞれの厚み、酸素透過度及びラミネート強度の結果を表1に示す。アンカー層、コート層の厚みは、各層の比重を1として重量法により算出した。その他の実施例、比較例についても同様に、表1または表2に示す。
【0039】
(実施例2)
グラビア印刷において、アンカー剤とコート剤の間にウレタン系のグラビアインキを印刷する以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0040】
(実施例3〜6)
グラビア印刷において、表1に示したコート層厚みになるようにコート剤を印刷する以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0041】
(実施例7)
アンカー剤AC1に換えてAC2を用いて、実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
【0042】
(比較例1〜5)
表2に示したアンカー層厚み、コート層厚み及び、印刷インキ使用の有無になるように印刷する以外は実施例1と同様にして、積層フィルムを得た。
【0043】
比較例1、4は、アンカー剤不使用又は少ないためにラミネート強度が劣る。比較例2,3は、コート剤1回印刷の例であり、酸素透過度のバラツキが大きい。比較例5は、コート層が厚過ぎる例であり、ラミネート強度測定において、コート層が凝集破壊したために強度低下を起こしている。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
表1,表2に示される通り、アンカー剤及びコート剤の2度印刷により得られた積層フィルムの酸素透過度のバラツキは確実に改善され、ラミネート強度の低下が抑えられている。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、ガスバリヤ性に優れた積層フィルムの製造方法として利用できる。特に、食品、医薬品等の包装用途に適用可能なガスバリヤ性積層フィルムおよびその製造方法に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムにグラビア印刷によりガスバリヤ性コート層を形成するガスバリヤ性積層フィルムの製造方法であって、
アンカー剤を全面印刷してアンカー層を形成する工程と、
積層フィルムとして酸素透過度が温度23℃、湿度50%rhの条件で10ml/m・24hrs・MPa以下となるようにコート剤を続けて2回全面印刷してコート層を形成する工程とを含むことを特徴とするガスバリヤ性積層フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記コート層は、ポリビニルアルコール(A)と無機層状化合物(B)とを質量比(A/B)99/1〜30/70で含有する請求項1に記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記アンカー剤は、ウレタン樹脂またはポリエステル樹脂である請求項1または2に記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記コート層が0.01〜2μmである請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記アンカー層が0.01〜0.5μmである請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリヤ性積層フィルムの製造方法により得られたガスバリヤ性積層フィルム。
【請求項7】
請求項6記載のガスバリヤ性積層フィルムからなる包装用袋。

【公開番号】特開2009−61708(P2009−61708A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232519(P2007−232519)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000219912)東京インキ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】