ガスメーター及びガスメーター用表示シール
【課題】ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進する。
【解決手段】ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年26と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印23と、ガスメーターの器物番号22とが表記されている表示シール20が貼設されている。
【解決手段】ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年26と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印23と、ガスメーターの器物番号22とが表記されている表示シール20が貼設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメーターのケーシングに、計量法に規定されている製造年、型式承認番号等の表記事項やガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印などの各種情報を表示する表示技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスメーターでは、ケーシングの上部ケースの前面に配置されるガス消費量積算表示用の計量カウンタ内等に、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号、製造年、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力を刻印した真鍮又はアルミニウム合金製の矩形状の銘板を両面テープ又は熱圧着テープ等によって貼設している。
【0003】
また、前記計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースの前壁に固定する複数本のボルトの一つを、帯状の封印金具に形成されている貫通孔を通して固定し、この封印金具の一端から挿入した鉛材料の円柱状の封印玉を圧縮冶具で圧縮して固着し、この圧縮固着時において、封印玉の表面に、ガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印とその年・月を刻印している(特許文献1参照)。
【0004】
さらに、前記ケーシングの下部ケースの前面には、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)に対応する配列状態のバーコードと、ガスメーターの器物番号(メーター番号)と、計量法に規定されている表記事項におけるガス種、ガスメーターの器種名及び号数コード、検定年数(一般に7年または10年)が印刷で表記された矩形状の表示シールを貼設するとともに、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(JIA認証印又はJIA認証マーク)が印刷で表記されている認証印シールまたは銘板をガスメーターのケーシングに貼設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−258116号公報
【特許文献2】特開平2002−350211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のガスメーターでは、計量法の規定表記事項が刻印されている銘板、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉、JIA認証マークが表記されている認証印シール、ガスメーターの器物番号(メーター番号)や計量法の規定表記事項におけるガス種等が表記されている表示シートとを別個独立にケーシングに付設する必要があり、しかも、これらの表示媒体が製造工程において個別的に実施されているため、非効率的な生産工程になっている。
【0007】
また、前記銘板と封印玉及び認証印シールとのうちの一つが紛失しても、ガスメーターとして基準に不適合であると判断され、紛失したものが銘板の場合は、コストの比較的高い銘板を再度製作する必要があり、また、紛失したものが封印玉又は認証印シールの場合では、再検査によって検定証印または基準適合証印やJIA認証印を再度受ける必要がある。
【0008】
さらに、この種のガスメーターおいては、検定証印または基準適合証印に表示された有効期限に到達すると、新たなガスメーターと交換(一般に7年または10年の周期で交換)される。この交換時に回収された旧ガスメーターは、前記封印玉による封印を解除し、カウンタケースをケーシングから取り外し、計量カウンタ内の銘板に製造年の記載がある場合には新たな銘板に取り替える必要がある。そのため、新たな銘板を製作する必要があるばかりでなく、検定証印または基準適合証印を新たに受け、計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印とその年・月が刻印されている封印玉で封印する必要があり、旧ガスメーターの更生コストの高騰化の要因になっていた。
【0009】
また、上述の不都合を改善する方法として、前記ケーシングの下部ケースの前壁に、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードと、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号、製造年、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力が刻設されたステンレス鋼板製の表示具(表示プレート)を貼設することが提案されている(特許文献2参照)。
【0010】
この場合、従来、計量カウンタ内の銘板に表示されていた製造年を下部ケースの前壁に貼設される表示具に移し変えることによって、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要であるため、旧ガスメーターの更生コストの低減化を図ることができる。
しかしながら、前記検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉、JIA認証印が表記されている認証印シール、ガスメーターの器物番号(メーター番号)や計量法の規定表記事項におけるガス種等が表記されている表示シールと、前記ステンレス鋼板製の表示具(表示プレート)とをケーシングに別個に付設する必要があり、この面において従来と同様な問題を有していた。
【0011】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することのできるガスメーター及びガスメーター用表示シールを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のガスメーターによる第1の特徴構成は、ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている表示シールが貼設されている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年を、従来の計量カウンタ内の銘板からガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要となる。
【0014】
しかも、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印との対応関係が明確になるとともに、従来のように計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉で封印する工程自体を削減することができる。
【0015】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【0016】
本発明のガスメーターによる第2の特徴構成は、前記表示シールに、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(JIA認証印)が表記されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号及び前記JIA認証印とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印及びJIA認証印との対応関係が更に明確になるとともに、表示媒体の一つである認証印シールを削減することができる。
【0018】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【0019】
本発明のガスメーターによる第3の特徴構成は、前記表示シールに、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードが表記されている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号及びバーコードとが表記されているので、ガスメーターの識別情報と器物番号及び検定証印または基準適合証印との対応関係が一層明確になる。
【0021】
本発明のガスメーターによる第4の特徴構成は、前記表示シールには、計量法に規定されている表記事項における前記製造年の他に、型式承認番号、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力、有効期間が表記されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、従来の計量カウンタ内の銘板に表記されていた計量法に規定されている表記事項を、ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、表記事項の追加印刷及び表記内容ごとの銘板の管理を削減することができるので、生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を一層促進することができる。
【0023】
本発明のガスメーター用表示シールによる特徴構成は、ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールであって、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年を、従来の計量カウンタ内の銘板からガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要となる。
【0025】
しかも、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印との対応関係が明確になるとともに、従来のように計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数本のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉で封印する工程自体を削減することができる。
【0026】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの正面図である。
【図2】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの右側図である。
【図3】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの左側図である。
【図4】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの背面図である。
【図5】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの平面図である。
【図6】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの底面図である。
【図7】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図8】は、本願発明の第2実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図9】は、本願発明の第3実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図10】は、本願発明の第4実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図11】は、本願発明の第5実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図12】は、本願発明の第6実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図13】は、本願発明の第7実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図14】は、本願発明の第8実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図15】は、本願発明の第9実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図16】は、本願発明の第10実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図17】は、本願発明の第11実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図18】は、本願発明の第12実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図19】は、本願発明の第13実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図20】は、本願発明の第14実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
図1〜図6は、ガスメーターの一例である膜式ガスメーターを示し、前後一対の計量膜(図示せず)を内装する金属製のケーシングCが、上下で二分割された上部ケースC1と下部ケースC2から構成され、この上部ケースC1の下端に一体形成された連結フランジ1と、前記下部ケースC2の上端に一体形成された連結フランジ2とが複数本のボルト3で固定連結されている。
【0029】
前記上部ケースC1の上面壁4の左右両側部には、ガス供給管に接続される流入用接続管5と流出用接続管6とが突設されているとともに、前記上部ケースC1の前面壁7には、ガス使用量を数値表示する複数の回転可能なカウンタリール8a〜8gを備えた計量カウンタ8のカウンタケース8Aが、複数本のボルト9で締付け固定されている。
【0030】
前記下部ケースC2は、前後の各々に計量膜収納用の計量室(図示せず)を形成する下部ケース本体11と、前方側の計量室を密封する状態で下部ケース本体11に複数本のボルト12で分離可能に締付け固定される前蓋13と、後方側の計量室を密封する状態で下部ケース本体11に複数本のボルト12で分離可能に締付け固定される後蓋14とから構成されている。
【0031】
そして、前記前蓋13の外面の略中央部に窪み形成された正面視において矩形状の凹部13aには、図1及び図7に示すように、裏面に強い接着力を有する粘着層が形成され、且つ、ガスメーターに表示する必要のある所定表示事項の全てが表記されている耐久性・耐候性に優れた表示シール20が貼着されている。
【0032】
この表示シール20の表面の上側表示領域には、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)に対応する配列状態のバーコード21が印刷され、前記上側表示領域に続く中間表示領域の左半分側には、バーコード21と略同じ大きさの数字で4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が印刷されているとともに、前記中間表示領域の右半分側には、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印(基準適合マーク)23と、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(以下、JIA認証印と記載する)24とが、JIA認証印24を右側に配置した状態で印刷されている。
【0033】
前記表示シール20の表面の下側表示領域には、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号(例えば、型承K9620号)25、和暦で表示される製造年(例えば、21(平成21年))26、製造事業者名(例えば、OO製作所)27、ガス種(例えば、都市 13A)28、使用最大流量(例えば、Qmax.6m3/h)29、使用最大圧力(例えば、Pmax.3.5kPa)30、西暦の年・月で表示される有効期間(例えば、19/01(2019年01月))31が印刷されている。
【0034】
さらに、前記表示シール20の表面の下側表示領域には、ガスメーターの器種名(例えば、M6B)32、号数コード(例えば、816)33、検満期間(10年)34、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間(例えば、時間2)37が印刷されている。
【0035】
また、前記基準適合証印23における上側表示領域には、和暦の年・月で白抜き表示される有効期間(例えば、31.01(平成31年01月))23Aが印刷され、前記基準適合証印23における下側表示領域には、指定番号(例えば、203010)23Bが印刷されているとともに、前記基準適合証印23の上側辺近傍箇所には、ガスメーターの型式(例えば、N6)38とコントローラ記号(例えば、B)39が印刷されている。
【0036】
前記表示シール20のシール材料としては、例えば耐久性・耐候性に優れたフッ素系フイルムを挙げることができる。
【0037】
また、前記表示シール20の裏面は粘着層が形成されているものの、裏面全体が無模様に形成されているとともに、前記表示シール20には、従来の計量カウンタ8内の銘板に表記されていた計量法に規定されている表記事項の全てが表記されているので、計量カウンタ8内には従来のような銘板は存在しない。
【0038】
さらに、上述の第1実施形態では、前記表示シール20の裏面に強い接着力を有する粘着層を形成したが、このような粘着層を形成せず、表示シール20を両面テープや熱圧着テープ等で貼着してもよい。
【0039】
〔第2実施形態〕
図8に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右半分側において、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23が、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるJIA認証印24よりも左側に配置した状態で印刷されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0040】
〔第3実施形態〕
図9に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右端側に、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23が配置され、前記中間表示領域の左端側には、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるJIA認証印24が配置されているとともに、前記基準適合証印23とJIA認証印24との間には、4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が配置されている。
【0041】
また、前記JIA認証印24の下方側となる表示シール20の下側表示領域における左端側には、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、検満期間(10年)34が配設され、上記以外の表記事項の大部分は、基準適合証印23とJIA認証印24との間に配置されている。
【0042】
〔第4実施形態〕
図10に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右半分側に、バーコード21と略同じ大きさの数字で4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が配置されているとともに、前記中間表示領域の左半分側には、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印(基準適合マーク)23と、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターのJIA認証印24とが、JIA認証印24を左端側に位置させた状態で配置されている。
【0043】
また、前記JIA認証印24と基準適合証印23の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号25、和暦で表示される製造年26、製造事業者名27が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0044】
〔第5実施形態〕
図11に示すガスメーター用表示シールは、上述の第4実施形態における基準適合証印23とJIA認証印24とを左右で入れ替え配置したものである。
【0045】
〔第6実施形態〕
図12に示すガスメーター用表示シールは、上述の第3実施形態における基準適合証印23とJIA認証印24とを左右で入れ替え配置したものである。
【0046】
〔第7実施形態〕
図13に示すガスメーター用表示シールでは、バーコード21、器物番号22、基準適合証印23、JIA認証印24の配置は上述の第4実施形態と同一に構成されているが、JIA認証印24及び基準適合証印23の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、検満期間34、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間37が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0047】
〔第8実施形態〕
図14に示すガスメーター用表示シールでは、バーコード21、器物番号22、基準適合証印23、JIA認証印24の配置は上述の第1実施形態と略同一に構成されているが、基準適合証印23及びJIA認証印24の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、検満期間34、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間37、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0048】
〔第9実施形態〕
図15に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0049】
〔第10実施形態〕
図16に示すガスメーター用表示シールは、上述の第4実施形態におけるJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第4実施形態で説明した構成と同一である。
【0050】
尚、上述の第2実施形態、第3実施形態及び第5実施形態〜第8実施形態において、第10実施形態と同様にJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除して実施してもよい。
【0051】
〔第11実施形態〕
図17に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるバーコード21を、表示シール20の下側表示領域に配置変更したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と実質的に同一である。
【0052】
尚、上述の第2実施形態〜第10実施形態において、第11実施形態と同様にバーコード21を表示シール20の下側表示領域に配置変更してもよい。
【0053】
〔第12実施形態〕
図18に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態において、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23を、黒と白を反転表示したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0054】
尚、上述の第2実施形態〜第11実施形態において、前記基準適合証印23の黒と白を反転表示して実施してもよい。
【0055】
〔第13実施形態〕
図19に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるバーコード21を削除したものであり、それ以外の構成は第1実施形態で説明した構成と実質的に同一である。
【0056】
尚、上述の第2実施形態〜第12実施形態において、前記バーコード21を削除して実施してもよい。
【0057】
〔第14実施形態〕
図20に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0058】
尚、上述の第2実施形態〜第8実施形態及び第11実施形態〜第13実施形態において、第14実施形態と同様にガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36のみを削除して実施してもよい。
【0059】
〔その他の実施形態〕
(1)前記表示シール20に前記バーコード21を表記しない場合には、この表示シール20に、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)を記憶してある無線タグ(RFタグ又はRFICタグ)を付設してもよい。
この場合、前記無線タグは、計量カウンタ8のカウンタケース8Aが外れたときに発光・発信を起こすように構成して、月1回の検針時にチェックしてもよい。
また、前記表示シール20にバーコード21が表記されている場合において、前記無線タグを計量カウンタ8のカウンタケース8A内に設けて、カウンタケース8Aが外れて遮断する金属がなくなったときに通信を行うように構成してもよい。
【0060】
(2)前記表示シール20の輪郭形状は、上述の各実施形態で説明した矩形以外の任意の形状に構成することができ、それに連れてガスメーターの表示事項の配置も任意の配置形態に変更することができる。
【0061】
(3)上述の各実施形態では膜式ガスメーターを用いて説明したが、膜式以外のガスメーターに本願発明の技術を適用してもよい。
【0062】
(4)上述の各実施形態では、前記表示シール20にガスメーターの基準適合証印23を表記したが、この基準適合証印に替えて検定証印(基準適合証印の最外側枠ラインを取り外した形態)を表記してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
ガスメーターのケーシングに、計量法に規定されている製造年、型式承認番号等の表記事項やガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印などの各種情報を表示する際、表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することが可能な表示技術であり、各家庭及び工場などに設置される各種のガスメーターに有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
C ケーシング
20 表示シール
21 バーコード
22 器物番号
23 検定証印または基準適合証印
24 認証印(JIA認証印)
25 型式承認番号
26 製造年
27 製造事業者名
28 ガス種
29 使用最大流量
30 使用最大圧力
31 有効期間
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメーターのケーシングに、計量法に規定されている製造年、型式承認番号等の表記事項やガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印などの各種情報を表示する表示技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のガスメーターでは、ケーシングの上部ケースの前面に配置されるガス消費量積算表示用の計量カウンタ内等に、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号、製造年、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力を刻印した真鍮又はアルミニウム合金製の矩形状の銘板を両面テープ又は熱圧着テープ等によって貼設している。
【0003】
また、前記計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースの前壁に固定する複数本のボルトの一つを、帯状の封印金具に形成されている貫通孔を通して固定し、この封印金具の一端から挿入した鉛材料の円柱状の封印玉を圧縮冶具で圧縮して固着し、この圧縮固着時において、封印玉の表面に、ガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印とその年・月を刻印している(特許文献1参照)。
【0004】
さらに、前記ケーシングの下部ケースの前面には、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)に対応する配列状態のバーコードと、ガスメーターの器物番号(メーター番号)と、計量法に規定されている表記事項におけるガス種、ガスメーターの器種名及び号数コード、検定年数(一般に7年または10年)が印刷で表記された矩形状の表示シールを貼設するとともに、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(JIA認証印又はJIA認証マーク)が印刷で表記されている認証印シールまたは銘板をガスメーターのケーシングに貼設している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−258116号公報
【特許文献2】特開平2002−350211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のガスメーターでは、計量法の規定表記事項が刻印されている銘板、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉、JIA認証マークが表記されている認証印シール、ガスメーターの器物番号(メーター番号)や計量法の規定表記事項におけるガス種等が表記されている表示シートとを別個独立にケーシングに付設する必要があり、しかも、これらの表示媒体が製造工程において個別的に実施されているため、非効率的な生産工程になっている。
【0007】
また、前記銘板と封印玉及び認証印シールとのうちの一つが紛失しても、ガスメーターとして基準に不適合であると判断され、紛失したものが銘板の場合は、コストの比較的高い銘板を再度製作する必要があり、また、紛失したものが封印玉又は認証印シールの場合では、再検査によって検定証印または基準適合証印やJIA認証印を再度受ける必要がある。
【0008】
さらに、この種のガスメーターおいては、検定証印または基準適合証印に表示された有効期限に到達すると、新たなガスメーターと交換(一般に7年または10年の周期で交換)される。この交換時に回収された旧ガスメーターは、前記封印玉による封印を解除し、カウンタケースをケーシングから取り外し、計量カウンタ内の銘板に製造年の記載がある場合には新たな銘板に取り替える必要がある。そのため、新たな銘板を製作する必要があるばかりでなく、検定証印または基準適合証印を新たに受け、計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印とその年・月が刻印されている封印玉で封印する必要があり、旧ガスメーターの更生コストの高騰化の要因になっていた。
【0009】
また、上述の不都合を改善する方法として、前記ケーシングの下部ケースの前壁に、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードと、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号、製造年、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力が刻設されたステンレス鋼板製の表示具(表示プレート)を貼設することが提案されている(特許文献2参照)。
【0010】
この場合、従来、計量カウンタ内の銘板に表示されていた製造年を下部ケースの前壁に貼設される表示具に移し変えることによって、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要であるため、旧ガスメーターの更生コストの低減化を図ることができる。
しかしながら、前記検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉、JIA認証印が表記されている認証印シール、ガスメーターの器物番号(メーター番号)や計量法の規定表記事項におけるガス種等が表記されている表示シールと、前記ステンレス鋼板製の表示具(表示プレート)とをケーシングに別個に付設する必要があり、この面において従来と同様な問題を有していた。
【0011】
本発明は、上述の実状に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することのできるガスメーター及びガスメーター用表示シールを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のガスメーターによる第1の特徴構成は、ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている表示シールが貼設されている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年を、従来の計量カウンタ内の銘板からガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要となる。
【0014】
しかも、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印との対応関係が明確になるとともに、従来のように計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉で封印する工程自体を削減することができる。
【0015】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【0016】
本発明のガスメーターによる第2の特徴構成は、前記表示シールに、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(JIA認証印)が表記されている点にある。
【0017】
上記特徴構成によれば、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号及び前記JIA認証印とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印及びJIA認証印との対応関係が更に明確になるとともに、表示媒体の一つである認証印シールを削減することができる。
【0018】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【0019】
本発明のガスメーターによる第3の特徴構成は、前記表示シールに、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードが表記されている点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号及びバーコードとが表記されているので、ガスメーターの識別情報と器物番号及び検定証印または基準適合証印との対応関係が一層明確になる。
【0021】
本発明のガスメーターによる第4の特徴構成は、前記表示シールには、計量法に規定されている表記事項における前記製造年の他に、型式承認番号、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力、有効期間が表記されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、従来の計量カウンタ内の銘板に表記されていた計量法に規定されている表記事項を、ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、表記事項の追加印刷及び表記内容ごとの銘板の管理を削減することができるので、生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を一層促進することができる。
【0023】
本発明のガスメーター用表示シールによる特徴構成は、ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールであって、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている点にある。
【0024】
上記特徴構成によれば、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年を、従来の計量カウンタ内の銘板からガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールに移し変えることにより、回収された旧ガスメーターを更生する場合でも、銘板の作り替えが不要となる。
【0025】
しかも、前記表示シールには、ガスメーターの検定証印または基準適合証印とガスメーターの器物番号とが表記されているので、器物番号と検定証印または基準適合証印との対応関係が明確になるとともに、従来のように計量カウンタのカウンタケースをケーシングの上部ケースに固定する複数本のボルトの一つを、検定証印または基準適合証印が刻印されている封印玉で封印する工程自体を削減することができる。
【0026】
従って、ガスメーターのケーシングに付設される表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの正面図である。
【図2】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの右側図である。
【図3】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの左側図である。
【図4】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの背面図である。
【図5】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの平面図である。
【図6】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーターの底面図である。
【図7】は、本願発明の第1実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図8】は、本願発明の第2実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図9】は、本願発明の第3実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図10】は、本願発明の第4実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図11】は、本願発明の第5実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図12】は、本願発明の第6実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図13】は、本願発明の第7実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図14】は、本願発明の第8実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図15】は、本願発明の第9実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図16】は、本願発明の第10実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図17】は、本願発明の第11実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図18】は、本願発明の第12実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図19】は、本願発明の第13実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【図20】は、本願発明の第14実施形態を示すガスメーター用表示シールの拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
図1〜図6は、ガスメーターの一例である膜式ガスメーターを示し、前後一対の計量膜(図示せず)を内装する金属製のケーシングCが、上下で二分割された上部ケースC1と下部ケースC2から構成され、この上部ケースC1の下端に一体形成された連結フランジ1と、前記下部ケースC2の上端に一体形成された連結フランジ2とが複数本のボルト3で固定連結されている。
【0029】
前記上部ケースC1の上面壁4の左右両側部には、ガス供給管に接続される流入用接続管5と流出用接続管6とが突設されているとともに、前記上部ケースC1の前面壁7には、ガス使用量を数値表示する複数の回転可能なカウンタリール8a〜8gを備えた計量カウンタ8のカウンタケース8Aが、複数本のボルト9で締付け固定されている。
【0030】
前記下部ケースC2は、前後の各々に計量膜収納用の計量室(図示せず)を形成する下部ケース本体11と、前方側の計量室を密封する状態で下部ケース本体11に複数本のボルト12で分離可能に締付け固定される前蓋13と、後方側の計量室を密封する状態で下部ケース本体11に複数本のボルト12で分離可能に締付け固定される後蓋14とから構成されている。
【0031】
そして、前記前蓋13の外面の略中央部に窪み形成された正面視において矩形状の凹部13aには、図1及び図7に示すように、裏面に強い接着力を有する粘着層が形成され、且つ、ガスメーターに表示する必要のある所定表示事項の全てが表記されている耐久性・耐候性に優れた表示シール20が貼着されている。
【0032】
この表示シール20の表面の上側表示領域には、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)に対応する配列状態のバーコード21が印刷され、前記上側表示領域に続く中間表示領域の左半分側には、バーコード21と略同じ大きさの数字で4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が印刷されているとともに、前記中間表示領域の右半分側には、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印(基準適合マーク)23と、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターの認証印(以下、JIA認証印と記載する)24とが、JIA認証印24を右側に配置した状態で印刷されている。
【0033】
前記表示シール20の表面の下側表示領域には、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号(例えば、型承K9620号)25、和暦で表示される製造年(例えば、21(平成21年))26、製造事業者名(例えば、OO製作所)27、ガス種(例えば、都市 13A)28、使用最大流量(例えば、Qmax.6m3/h)29、使用最大圧力(例えば、Pmax.3.5kPa)30、西暦の年・月で表示される有効期間(例えば、19/01(2019年01月))31が印刷されている。
【0034】
さらに、前記表示シール20の表面の下側表示領域には、ガスメーターの器種名(例えば、M6B)32、号数コード(例えば、816)33、検満期間(10年)34、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間(例えば、時間2)37が印刷されている。
【0035】
また、前記基準適合証印23における上側表示領域には、和暦の年・月で白抜き表示される有効期間(例えば、31.01(平成31年01月))23Aが印刷され、前記基準適合証印23における下側表示領域には、指定番号(例えば、203010)23Bが印刷されているとともに、前記基準適合証印23の上側辺近傍箇所には、ガスメーターの型式(例えば、N6)38とコントローラ記号(例えば、B)39が印刷されている。
【0036】
前記表示シール20のシール材料としては、例えば耐久性・耐候性に優れたフッ素系フイルムを挙げることができる。
【0037】
また、前記表示シール20の裏面は粘着層が形成されているものの、裏面全体が無模様に形成されているとともに、前記表示シール20には、従来の計量カウンタ8内の銘板に表記されていた計量法に規定されている表記事項の全てが表記されているので、計量カウンタ8内には従来のような銘板は存在しない。
【0038】
さらに、上述の第1実施形態では、前記表示シール20の裏面に強い接着力を有する粘着層を形成したが、このような粘着層を形成せず、表示シール20を両面テープや熱圧着テープ等で貼着してもよい。
【0039】
〔第2実施形態〕
図8に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右半分側において、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23が、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるJIA認証印24よりも左側に配置した状態で印刷されている。
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0040】
〔第3実施形態〕
図9に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右端側に、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23が配置され、前記中間表示領域の左端側には、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるJIA認証印24が配置されているとともに、前記基準適合証印23とJIA認証印24との間には、4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が配置されている。
【0041】
また、前記JIA認証印24の下方側となる表示シール20の下側表示領域における左端側には、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、検満期間(10年)34が配設され、上記以外の表記事項の大部分は、基準適合証印23とJIA認証印24との間に配置されている。
【0042】
〔第4実施形態〕
図10に示すガスメーター用表示シールでは、前記表示シール20の中間表示領域の右半分側に、バーコード21と略同じ大きさの数字で4桁表示(例えば、1234)されるガスメーターの器物番号(メーター番号)22が配置されているとともに、前記中間表示領域の左半分側には、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印(基準適合マーク)23と、財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)によるガスメーターのJIA認証印24とが、JIA認証印24を左端側に位置させた状態で配置されている。
【0043】
また、前記JIA認証印24と基準適合証印23の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、計量法に規定されている表記事項における型式承認番号25、和暦で表示される製造年26、製造事業者名27が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0044】
〔第5実施形態〕
図11に示すガスメーター用表示シールは、上述の第4実施形態における基準適合証印23とJIA認証印24とを左右で入れ替え配置したものである。
【0045】
〔第6実施形態〕
図12に示すガスメーター用表示シールは、上述の第3実施形態における基準適合証印23とJIA認証印24とを左右で入れ替え配置したものである。
【0046】
〔第7実施形態〕
図13に示すガスメーター用表示シールでは、バーコード21、器物番号22、基準適合証印23、JIA認証印24の配置は上述の第4実施形態と同一に構成されているが、JIA認証印24及び基準適合証印23の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36、検満期間34、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間37が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0047】
〔第8実施形態〕
図14に示すガスメーター用表示シールでは、バーコード21、器物番号22、基準適合証印23、JIA認証印24の配置は上述の第1実施形態と略同一に構成されているが、基準適合証印23及びJIA認証印24の下方側となる表示シール20の下側表示領域には、検満期間34、ガス供給事業者固有のマイコン設定時間37、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36が配置され、上記以外の表記事項の大部分は、器物番号22の下方側となる表示シール20の下側表示領域に配置されている。
【0048】
〔第9実施形態〕
図15に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0049】
〔第10実施形態〕
図16に示すガスメーター用表示シールは、上述の第4実施形態におけるJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第4実施形態で説明した構成と同一である。
【0050】
尚、上述の第2実施形態、第3実施形態及び第5実施形態〜第8実施形態において、第10実施形態と同様にJIA認証印24、ガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除して実施してもよい。
【0051】
〔第11実施形態〕
図17に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるバーコード21を、表示シール20の下側表示領域に配置変更したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と実質的に同一である。
【0052】
尚、上述の第2実施形態〜第10実施形態において、第11実施形態と同様にバーコード21を表示シール20の下側表示領域に配置変更してもよい。
【0053】
〔第12実施形態〕
図18に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態において、縦長長方形状で背景を黒として白抜き表示されるガスメーターの基準適合証印23を、黒と白を反転表示したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0054】
尚、上述の第2実施形態〜第11実施形態において、前記基準適合証印23の黒と白を反転表示して実施してもよい。
【0055】
〔第13実施形態〕
図19に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるバーコード21を削除したものであり、それ以外の構成は第1実施形態で説明した構成と実質的に同一である。
【0056】
尚、上述の第2実施形態〜第12実施形態において、前記バーコード21を削除して実施してもよい。
【0057】
〔第14実施形態〕
図20に示すガスメーター用表示シールは、上述の第1実施形態におけるガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36を削除したものであり、それ以外の配置は第1実施形態で説明した構成と同一である。
【0058】
尚、上述の第2実施形態〜第8実施形態及び第11実施形態〜第13実施形態において、第14実施形態と同様にガス供給事業者のマーク35、製造事業者のマーク36のみを削除して実施してもよい。
【0059】
〔その他の実施形態〕
(1)前記表示シール20に前記バーコード21を表記しない場合には、この表示シール20に、ガスメーターの識別情報(各ガス供給事業者が管理するガスメーターの個々の管理番号)を記憶してある無線タグ(RFタグ又はRFICタグ)を付設してもよい。
この場合、前記無線タグは、計量カウンタ8のカウンタケース8Aが外れたときに発光・発信を起こすように構成して、月1回の検針時にチェックしてもよい。
また、前記表示シール20にバーコード21が表記されている場合において、前記無線タグを計量カウンタ8のカウンタケース8A内に設けて、カウンタケース8Aが外れて遮断する金属がなくなったときに通信を行うように構成してもよい。
【0060】
(2)前記表示シール20の輪郭形状は、上述の各実施形態で説明した矩形以外の任意の形状に構成することができ、それに連れてガスメーターの表示事項の配置も任意の配置形態に変更することができる。
【0061】
(3)上述の各実施形態では膜式ガスメーターを用いて説明したが、膜式以外のガスメーターに本願発明の技術を適用してもよい。
【0062】
(4)上述の各実施形態では、前記表示シール20にガスメーターの基準適合証印23を表記したが、この基準適合証印に替えて検定証印(基準適合証印の最外側枠ラインを取り外した形態)を表記してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
ガスメーターのケーシングに、計量法に規定されている製造年、型式承認番号等の表記事項やガスメーターが十分な機能及び性能を有することを証明する検定証印または基準適合証印などの各種情報を表示する際、表示媒体数の削減によって生産工程の効率化と表示媒体の紛失抑制とを図りながら、旧ガスメーターの更生コストの低減化を促進することが可能な表示技術であり、各家庭及び工場などに設置される各種のガスメーターに有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
C ケーシング
20 表示シール
21 バーコード
22 器物番号
23 検定証印または基準適合証印
24 認証印(JIA認証印)
25 型式承認番号
26 製造年
27 製造事業者名
28 ガス種
29 使用最大流量
30 使用最大圧力
31 有効期間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている表示シールが貼設されているガスメーター。
【請求項2】
前記表示シールには、財団法人日本ガス機器検査協会によるガスメーターの認証印が表記されている請求項1記載のガスメーター。
【請求項3】
前記表示シールには、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードが表記されている請求項1又は請求項2記載のガスメーター。
【請求項4】
前記表示シールには、計量法に規定されている表記事項における前記製造年の他に、型式承認番号、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力、有効期間が表記されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスメーター。
【請求項5】
ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールであって、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されているガスメーター用表示シール。
【請求項1】
ガスメーターのケーシングの外面に、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されている表示シールが貼設されているガスメーター。
【請求項2】
前記表示シールには、財団法人日本ガス機器検査協会によるガスメーターの認証印が表記されている請求項1記載のガスメーター。
【請求項3】
前記表示シールには、ガスメーターの識別情報に対応する配列状態のバーコードが表記されている請求項1又は請求項2記載のガスメーター。
【請求項4】
前記表示シールには、計量法に規定されている表記事項における前記製造年の他に、型式承認番号、製造事業者名、ガス種、使用最大流量、使用最大圧力、有効期間が表記されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスメーター。
【請求項5】
ガスメーターのケーシングの外面に貼設される表示シールであって、計量法に規定されている表記事項における少なくとも製造年と、ガスメーターの検定証印または基準適合証印と、ガスメーターの器物番号とが表記されているガスメーター用表示シール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−159999(P2010−159999A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1128(P2009−1128)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000116633)愛知時計電機株式会社 (126)
【出願人】(000156813)関西ガスメータ株式会社 (8)
【出願人】(000142425)株式会社金門製作所 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000116633)愛知時計電機株式会社 (126)
【出願人】(000156813)関西ガスメータ株式会社 (8)
【出願人】(000142425)株式会社金門製作所 (40)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]