説明

ガス化発酵により二酸化炭素をアルコールに隔離する方法

【課題】合成ガス発酵に用いられるガス化の改良を提供する。更に、少なくとも1つの微生物を含有する少なくとも1つの還元ガスを含有するガス状基質からアルコールを得るガス化の改良を提供する。
【解決手段】ガス化装置において炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって: 二酸化炭素ガス、酸素、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程を含む、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、少なくとも1つの微生物を含有する少なくとも1つの還元ガスを含有するガス状基質からアルコールを製造するガス化の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、酢酸、酢酸塩、水素等を生産するある種の微生物による発酵あるいは消化によって更に作用させることができるCO、CO2およびH2を含有する合成ガスを得る炭素系物質のガス化による合成ガス生成を企図する。以下の反応および説明は、アルコール製造を含む本発明の実施態様を示すものである; これは、以下の概念の説明における実施例生成物として用いられる:
6CO+3H2O → CH3CH2OH+4CO2 (1)
6H2+2CO2 → CH3CH2OH+3H2O (2)
CO2+C ⇔ 2CO (3)
CO2+H2 ⇔ CO+H2O (4)
CH3+CO2 ⇔ 2CO+2H2 (5)
製造されるアルコールの量は、ガス化および発酵プロセスの効率に左右される。炭素質原料の調製、炭素質原料の供給、炭素質原料温度の上昇、炭素質原料温度の維持、本発明の前の態様の各々における種々の酸素化物の使用、炭素質原料との不充分な酸素化物接触、環境へのエネルギー損失、吸熱反応、圧力単位での空気漏れ、およびCOおよびH2への炭素質原料の不完全な変換に関与する種々のエネルギー要求を含むガス化には多くの非効率性が存在する。低かさ密度炭素質原料の使用は、ホットスポット、酸素化物への過剰暴露、CO濃度の低下、灰分のスラグ化等以下を含む非効率性を与える。添加される酸素化物のタイプと量は、温度制御を可能にし且つアルコール製造を増加させる。これらのおよび他の非効率性は、アルコール製造に負に影響し得る結果として生じた合成ガスにおける利用可能なCOとH2を減少させる。
【0003】
発酵工程は、また、COまたはH2の不完全な変換、COまたはH2の不完全な使用、望ましくない副産物生成、望ましくない副産物誘発阻止、望ましくない生成物誘発阻止、細胞集団の損失等によってアルコール製造に負に影響し得る。微生物は、場合によっては、H2変換より大きいCO変換に関与する。それ故、より高いCO濃度は、より大きいアルコール製造を与え得る。酢酸生成菌を用いるバイオマスからエタノール製造について、エタノール製造は、炭素質原料の約80ガロン/乾燥トン(gal/DT)(約304リットル/乾燥トン)であり得る。用いられた炭素あるいは変換されていない炭素は、二酸化炭素として残り得ない。
アルコールへの炭素質原料変換が環境に対する二酸化炭素排出量を減少するのに援助することができると考えられる。本発明によるアルコール製造は、燃料生産のための炭素使用を増加させることができ; 従って、炭素効率を改良することによって気候変動に明確に影響する相当な可能性を有する。更に、本発明は、外国の石油に対する依存を減少させるとともに地球エネルギー安定性を高める手段を提供する。
二酸化炭素改質は当該技術において既知であるが、炭素質材料の燃料への変換がなお技術的有意性および関心を有する。本発明は、式(1)〜(5)によるアルコール(発酵産物)の収率を増加させるだけでなく、ある種の炭素質原料のガス化の効率を改善するためにガス化および/または発酵プロセスに適用する。本発明は、また、液体輸送燃料アルコールに炭素を隔離する(sequester)ことによって温室効果ガス排出を削減させる手段を提供する; 従って、石油化学燃料源による依存性が減少する。
【0004】
トウモロコシ茎葉および他のバイオマス材料のガス化により、過度の温度および灰分の溶融(スラグ化)がしばしば生じ、このスラグの除去方法の準備がない。酸化剤として純粋なまたは濃縮された酸素を用いる場合、この問題が特に一般的である。更に、バイオマス原料を用いる場合、合成ガスの一酸化炭素組成物はしばしば非常に希釈されており(特に酸化剤としての空気で)、結果として、発熱量が低くなり且つ電気、薬品または燃料への次の変換のための望ましいガスが少なくなる。二酸化炭素は、地球温暖化ガスであり、燃焼プロセスからまたはある種の化学反応あるいは生物学的反応、例えば、穀物またはサトウキビから糖発酵を経てエタノールの生成から容易に利用できる。二酸化炭素濃度は、化石燃料消費の結果として地球の大気に増加している。CO2を液体燃料に変換する手段は、地球の大気中のCO2濃度を低下させることを著しく援助することができるとともにCO2排出を削減することを補助することができる。
穀物および糖サトウキビエタノールプロセスは、原料調製、エタノール精製等に著しい量の水蒸気および電気を必要とする。エネルギーコストが増加してきたので、これらの品目はエタノール製造において主要コスト成分となる。更にまた、穀物または糖サトウキビの収穫中、作物の半分以上は、バイオマスの形、例えば、トウモロコシ茎葉または糖サトウキビの葉、ほとんど使われていないがバガスである。このバイオマスは、適切な変換プロセスでエネルギーおよびまたは追加のエタノールを得るために用いることができる。
種々のアセトゲン菌株(Drake, 1994)は、合成ガスから液体燃料の生産に用いるのに記載されてきた: ブチリバクテリウム・メチロトロフィクム(Butyribacterium methylotrophicum)(Grethlein et al., 1990; Jain et al., 1994b); クロストリジウム・オートエタノゲヌム(Clostridium autoethanogenum)(Abrini et al., 1994);クロストリジウム・リュングダーリー(Clostridium ljungdahlii)((Arora et al, 1995; Barik et al., 1988; Barik et al. 1990; and Tanner et al., 1993)。これらの中で、クロストリジウム・リュングダーリーおよびクロストリジウム・オートエタノゲヌムは、COをエタノールに変換することが知られている。
【0005】
Gaddyらの米国特許第5,173,429号には、合成ガス中COおよびH2Oおよび/またはCO2およびH2からエタノールおよび酢酸塩を生産する嫌気性微生物、クロストリジウム・リュングダーリーATCC No. 49587が開示されている。
Jainらの米国特許第5,192,673号には、クロストリジウム・アセトビチリクム(Clostridium acetobytylicum)の突然変異体株およびその株を用いてブタノールを作製するプロセスが開示されている。
Gaddyらの米国特許第5,593,886号には、クロストリジウム・リュングダーリーATCC No. 55380が開示されている。この微生物は、基質として廃ガス(例えばカーボンブラック廃ガス)を用いて酢酸塩およびエタノールを嫌気的に生産することができる。
Gaddyらの米国特許第5,807,722号には、嫌気性細菌、例えばクロストリジウム・リュングダーリーATCC No. 55380を用いて廃ガスを有用な産物、例えば有機酸やアルコールに変換する方法および装置が開示されている。
Gaddyらの米国特許第6,136,577号には、嫌気性細菌、例えばクロストリジウム・リュングダーリーATCC No. 55988、55989を用いて廃ガスを有用な産物、例えば有機酸やアルコール(特にエタノール)に変換する方法および装置が開示されている。
Gaddyらの米国特許第6,136,577号には、クロストリジウム・リュングダーリーの嫌気性株を用いて廃ガスを有用な産物、例えば有機酸やアルコール(特に酢酸)に変換する方法および装置が開示されている。
Gaddyらの米国特許第6,753,170号には、酢酸の生成のための嫌気性微生物発酵プロセスが開示されている。
Gaddyらの米国特許第7,285,402号には、アルコールの生成のための嫌気性微生物発酵プロセスが開示されている。
他の微生物の株もまた、合成ガスから液体燃料の生産における使用に記載されてきた、例えば: ブチリバクテリウム・メチロトロフィクム(Grethlein et al., 1990, Appl. Biochem. Biotech. 24/24:875-884); クロストリジウム・オートエタノゲヌム(Abrini et al., 1994, Arch. Microbiol. 161:345-351)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガス化、合成ガス生成、および合成ガス発酵には多くの従来法が存在する。しかしながら、これらの方法は、多くの非効率性の欠点をもっている。ガス化において用いられる追加のより有効な方法、合成ガスと用いられるガス化のための追加のより有効な方法、合成ガス発酵プロセスにおいて用いられるガス化のための追加の有効な方法、雰囲気中のCO2濃度を効果的に低下させる追加の方法、CO2排出を効果的に減少させる追加の方法、およびCO2を効果的に隔離する追加の方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ガス化装置における炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって、二酸化炭素ガス、酸素ガス、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程を含む、前記方法を提供する。本発明は、アルコールを製造する方法であって、二酸化炭素ガス、酸素ガス、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程; 発酵容器中で合成ガスと生体触媒とを接触させて、アルコール生成物混合物を生成する工程; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する工程を含む、前記方法を提供する。実施態様として、本発明は、前記炭素質材料が炭素質材料、炭素質都市固形廃棄物、炭素質農業材料、炭素質森林材料、炭素質木材廃棄物、炭素質建設材料、炭素質植物材料、炭素質石油化学副産物、石炭、タイヤ、プラスチックまたはこれらの組み合わせより選ばれる方法を提供する。更に、実施態様として、本発明は、前記ガス化装置が1つ以上のチャンバを備え、必要により2つのチャンバを備えてもよい方法を提供する。本発明の方法は、前記ガス化装置が2つのチャンバを備え; 第1のチャンバ内に酸素と二酸化炭素ガスを噴射する工程; 第2のチャンバ内に酸素と二酸化炭素ガスを噴射する工程; および双方の第1および第2のチャンバ内に酸素と二酸化炭素を噴射する工程を更に含む、実施態様を提供する。ガス化装置の複数のチャンバが、必要により、1つ以上の連続チャンバ内に酸素と二酸化炭素ガスを噴射する工程を更に含んでもよいことが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の正常な操作の間に企図されるバイオマスガス化全体プロセスフローにおける二酸化炭素の役割の実施態様を示す概略図である(下のチャンバ)。
【図2】図2は、本発明の正常な操作の間に企図されるバイオマスガス化全体プロセスフローにおける二酸化炭素の役割の実施態様を示す概略図である(上のチャンバ)。
【図3】図3は、本発明の正常な操作の間に企図されるバイオマスガス化全体プロセスフローにおける二酸化炭素の役割の実施態様を示す概略図である(複数のチャンバ)。
【図4】図4は、本発明とトウモロコシエタノールプロセスとの間のプロセス相乗作用の実施態様を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様を示す概略図であり、複数段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データを比較している添加したCO2に対する合計エタノールを示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の実施態様を示す概略図であり、添加したCO2に対する合計エタノールを示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施態様を示す概略図であり、複数段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データとを比較している添加したCO2に対するH2/CO比を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の実施態様を示す概略図であり、添加したCO2に対するH2/CO比を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
特に定義されない限り、本発明のためのこの明細書全体に用いられる以下の用語は、以下の通り定義され、定義される以下の定義の単数形も複数形も含み得る。
任意の量を変える用語“約”は、微生物培養を持続させる現実の社会状況において、例えば、ラボ、パイロットプラント、または製造設備において直面するその量の変動を意味する。例えば、“約”によって変えられる場合、混合物または量に使われる成分または測定の量は、製造プラントまたはラボにおける実験条件で測定するのに典型的に使われる変動および配慮の程度を含む。例えば、“約”によって変えられる場合、生成物の成分の量は、プラントまたはラボにおける複数の実験でのバッチと分析法に固有な変動との間の変動を含む。“約”によって変えられても変えられなくても、量はそれらの量に対して同等量を含む。本明細書に述べられ“約”によって変えられる量もまた、“約”によって変えられない量として本発明に使うことができる。
特にことわらない限り、用語“酢酸塩”は、発酵ブイヨンに存在する分子酢酸または遊離酢酸および酢酸塩の混合物を記載するために用いられる。分子酢酸と酢酸塩の比は、系のpHに依存する。即ち、一定の“酢酸塩”濃度で、pHが低いほど、酢酸塩に相対する分子酢酸濃度が高くなる。
用語“アセトゲン”または“酢酸生成”は、嫌気性呼吸の産物として酢酸塩を生成する細菌を意味する。このプロセスは、酸素の不在下で行われ且つ酢酸塩も生成するが、酢酸発酵と異なる。これらの生物体はまた、すべての既知のアセトゲンが細菌であるので、酢酸生成菌と呼ばれる。アセトゲン、一般に嫌気性である(酸素を欠いている)ものは、種々の生育地に見いだされる。アセトゲンは、エネルギー源および炭素源として、種々の化合物を用いることができる; 酢酸生成代謝の研究された最良の形は、炭素源として二酸化炭素およびエネルギー源として水素の使用を含む。
【0010】
用語“生体触媒”は、本発明においては、自然触媒、タンパク質酵素、生細胞、微生物、および細菌を意味する。
用語“バイオリアクタ”、“リアクタ”、または“発酵バイオリアクタ”は、1つ以上の容器および/または塔または配管からなる発酵デバイスを含み、連続撹拌槽反応器(CSTR)、固定化細胞反応器(ICR)、トリクル床反応器(TBR)、気泡カラム、ガスリフト発酵槽、スタティックミキサー、または気液接触に適した他のデバイスを含んでいる。好ましくは本発明の方法においては、発酵バイオリアクタは、発酵ブイヨンを第2の発酵バイオリアクタに供給する増殖リアクタを含み、そこで産物の大部分、エタノールが製造される。
本明細書に用いられる“炭素質材料”は、炭素の豊富な材料、例えば石炭、および石油化学薬品を意味する。しかしながら、この明細書において、炭素質材料には、固体、液体、ガス、またはプラズマ状態にあってもいかなる炭素材料も含まれる。炭素質材料とみなされ得る多くの品目の中で、本発明は、炭素質液体製品、炭素質工業液体再循環物、炭素質都市固形廃棄物、炭素質農業材料、炭素質森林材料、炭素質木材廃棄物、炭素質建設材料、炭素質植物材料、炭素質工業廃棄物、炭素質発酵廃棄物、炭素質石油化学副産物、炭素質アルコール製造副産物、石炭、タイヤ、プラスチック、エタノール副産物、廃穀粒、廃微生物、またはこれらの組み合わせを企図する。
本明細書における“細胞濃度”は、試料1リットル当たりの細菌乾燥重量に基づく。細胞濃度は、直接測定されるかまたは光学密度との相関に対する検定によって測定される。
本明細書に用いられる用語“連続法”は、連続栄養供給、基質供給、バイオリアクタにおける細胞製造、バイオリアクタから細胞除去(またはパージ)、および産物除去を含む発酵法を意味する。この連続供給、除去または細胞産生は、同じ流れでまたは異なる流れで行われ得る。連続プロセスにより、バイオリアクタ内で定常状態の達成が生じる。“定常状態”は、これらの測定可能な可変部分のすべて(即ち、生産性、供給速度、バイオリアクタ内に維持される基質と栄養濃度、バイオリアクタ内の細胞濃度、およびバイオリアクタからの細胞除去、バイオリアクタからの産物除去、並びに温度や圧力のような条件的可変部分)が経時一定であることを意味する。
【0011】
“エタノール生産性”は、定常状態エタノール濃度と連続系における液体保持時間(LRT)の比またはエタノール濃度とバッチ系においてその濃度を得るのに必要とされる時間の比として算出されるエタノールの容積測定生産性である。語句“高エタノール生産性”は、10g/L日を超える容積測定エタノール生産性を記載するものである。
“過剰のH2”は、変換されるCOモルの2倍と変換されるCO2モルの3倍の和に対する供給ガス中のH2モルの比が1.0を超える場合のエタノール製造に利用できる。この比が1.0未満である場合には、過剰のH2は利用ができず、エタノールは異なる制御機序によってのみ生成され得る。
用語“発酵”は、COのアルコールおよび酢酸塩への発酵を意味する。多くの嫌気性細菌は、COのブタノールやエタノールを含むアルコール、および酢酸への発酵を行うことができることが既知であり、本発明のプロセスに用いるのに適している。本発明に用いるのに適しているこのような細菌の例としては、クロストリジウム属、例えば、WO 00/68407、EP 117309、米国特許第5,173,429号、同第5,593,886号および同第6,368,819号、WO 98/00558およびWO 02/08438に記載されるものを含むクロストリジウム・リュングダーリー、およびクロストリジウム・オートエタノゲヌム(Aribini et al, Archives of Microbiology 161: pp 345-351)の菌株が挙げられる。他の適切な細菌としては、ムーレラ種 HUC22-1(Sakai et al, Biotechnology Letters 29: pp 1607-1612)を含むムーレラ属のもの、およびカーボキシドサーマス属(Svetlichny, V. A., Sokolova, T. G. et al (1991), Systematic and Applied Microbiology 14: 254- 260)のものが挙げられる。これらの文献の各々の開示内容は、本願明細書に完全に含まれるものとする。更に、当業者が本発明のプロセスに用いられる他の酢酸生成嫌気性細菌が選ばれてもよい。2つ以上の細菌の混合培養物を本発明のプロセスに用いることができることも理解されるであろう。本発明に用いるのに適している1つの微生物は、DSMZから市販され、DSMZ寄託No.DSMZ 10061の識別特性を有するクロストリジウム・オートエタノゲヌムである。発酵は、適切なバイオリアクタ、例えば、連続撹拌槽型反応器(CTSR)、気泡カラム反応器(BCR)またはトリクル床反応装置(TBR)において行うことができる。また、本発明のある好適実施態様において、バイオリアクタは、微生物が培養される第1の成長リアクタ、および第2の発酵リアクタを備えてもよく、それに増殖リアクタから発酵ブイヨンが供給され、そこで発酵産物(エタノールおよび酢酸塩)の大部分が生産される。
【0012】
本明細書に用いられる用語“ガス状基質”は、COのみ、COおよびH2、CO2およびH2、またはCO、CO2およびH2を意味し、必要により、気体状態の窒素および炭化水素を含む他の元素または化合物と混合されてもよい。このようなガス状基質としては、ガスまたは流れを含み、これは、典型的には、直接または燃焼によって雰囲気に放出されるかあるいは排出される。この方法のある実施態様において、ガス状基質は、COを含む。この方法の他の実施態様において、ガス状基質は、CO2およびH2を含む。更に他の実施態様において、ガス状基質は、COおよびH2を含む。特に好ましい実施態様において、ガス状基質は、CO、CO2およびH2を含む。本発明の更に他の基質は、前述の成分と窒素、CO2、炭化水素、エタンおよびメタンの少なくとも1つのガスを含み得る。従って、このような基質には、固体、液体または気体状炭素生成物(メタンを含む)のガス化から“合成ガス”または合成ガスと通例呼ばれるものだけでなく、種々の工業的方法からの廃ガスが含まれる。
“ガス化装置”は、向流固定床ガス化装置、並流固定床ガス化装置、移動床、流動床ガス化装置、噴流式ガス化装置、プラズマアークガス化装置、一段式ガス化装置、多段式ガス化装置、2段式ガス化装置、3段式ガス化装置、4段式ガス化装置、5段式ガス化装置、およびこれらの組み合わせを意味する。
“高濃度のエタノール”は、約10g/Lを超える、好ましくは15g/Lを超えるエタノール/発酵ブイヨンまたは5:1以上のエタノールと酢酸塩の生成物比を意味する。
用語“制限基質”または“制限栄養”は、バイオリアクタ内の細菌培養増殖の間、定常状態あるいはバイオリアクタ内での安定な細菌増殖をもはや支持しないレベルまで培養物が減少する栄養培養液またはガス状基質中の物質を定義する。従って、栄養培養液またはガス基質中の他のすべての物質は、過度に存在し、“非制限”である。制限に対する証拠は、培養物に対する制限基質の添加速度、即ち、栄養供給速度またはガス供給速度の増加が細胞密度または細胞代謝の増加によるガス取り込み速度(ミリモル/分のガス)の対応する増加を引き起こすことである。
【0013】
用語“微生物”には、細菌、真菌、酵母、古細菌、および原生生物; 微小植物(緑藻類と呼ばれる); および動物、例えば、プランクトン、プラナリア、アメーバが含まれる。一部にはウイルスも含まれているが、他ではこれらを生きていないをみなしている。微生物は、土壌、温泉、海底上、大気圏上部および地殻の中の岩の内側の深部を含む、液体水がある生物圏のすべての部分に生きている。微生物は、分解するものとして作用するので生態系の栄養再循環に重要である。微生物は、また、バイオテクノロジー、伝統食品および飲料双方の製法、および遺伝子工学に基づく現代科学技術における人々によって開発されている。種々の微生物の株を含有してもしなくてもよい混合菌微生物が本発明に用いられることは想定される。また、進化分子工学が本発明に用いることができる微生物を選択的にスクリーニングすることができることも想定される。更に組み換えDNA技術が生存する微生物の選ばれた株を用いて微生物を作製し得ることが想定される。COと水またはH2とCO2をエタノールと酢酸の生成物に変換することができる酢酸生成嫌気性(または通性)細菌が本発明に用いられることが想定される。本発明に有効な細菌としては、アセトゲニウム・キブイ(Acetogenium kivui)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)、アセトアネロビウム・ノテレ(Acetoanaerobium noterae)、ブチリバクテリウム・メチロトロフィカ ム(Butyribacterium methylotrophicum)、カルダナエロバクター・サブテラネウス(Caldanaerobacter subterraneus)、カルダナエロバクター・サブテラネウス・パシフィカム(Caldanaerobacter subterraneus pacificus)、カルボキ シドサーマス・ヒドロゲノホルマンス(Carboxydothermus hydrogenoformans)、クロストリジウム・アセティクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・オートエタノゲヌム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリディウム・サーモアセチカム(Clostridium thermoaceticum)、ユウバクテリウム・リモサム(Eubacterium limosum)、クロストリジウム・リュングダーリー(Clostridium ljungdahlii)PETC、クロストリジウム・リュングダーリーERI2、クロストリジウム・リュングダーリーC-01、クロストリジウム・リュングダーリーO-52、クロストリジウム・ウルツネンス(Clostridium ultunense)、クロストリジウム・ラグスダレイ(Clostridium ragsdalei)、クロストリジウム・カルボキシディボランス(Clostridium carboxidivorans)、ゲオバクター・スルフレデュセンス(Geobacter sulfurreducens)、ムーレラ(Moorella)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermacetica)、およびペプトストレプトコッカス・プロダクツス(Peptostreptococcus productus)が挙げられるがこれらに限定されない。他の酢酸生成嫌気性菌は、当業者がこれらの方法に用いるように選択される。本発明のある実施態様において、C.リュングダーリーのいくつかの例示的な株としては、菌株PETC(米国特許第5,173,429号); 菌株ERI2(米国特許第5,593,886号)および菌株C-01およびO-52(米国特許第6,136,577号)が挙げられる。
【0014】
これらの菌株は、アメリカンタイプカルチュアコレクション、10801 University Boulevard, Manassas, Va. 20110-2209にそれぞれ受託番号: 55383(以前はATCC No. 49587)、55380、55988、および55989として寄託されている。C.リュングダーリーの株の各々は、グアニンとシトシン(G+C)ヌクレオチド含量が約22モル%の嫌気性グラム陽性細菌である。これらの細菌は、増殖のために種々の基質を用いるがメタノールまたは乳酸ではない。これらの菌株は、そのCO許容量、比ガス取り込み速度および比生産性が異なる。天然に見いだされる“野生”株においては、ごくわずかなエタノール製造しかわかっていない。C.リュングダーリー株は、理想的には37℃で操作し、典型的には、“野生”状態では約1:20(1部エタノール/20部アセチル)のエタノールとアセチル(即ち、遊離酢酸または分子の酢酸および酢酸塩双方を表す)生成物比を生じる。エタノール濃度は、典型的にはわずか1-2g/Lである。エタノールを生産するこの能力は興味深いが、エタノール生産性が低いことから、“野生”細菌は商業ベースでエタノールを経済的に生産するために使用することができない。少量の栄養操作については、上述のC.リュングダーリー株は、1:1(等量部のエタノールとアセチル)の生成物比でエタノールとアセチルを生成するために用いられたが、エタノール濃度は、低生産性になるレベル、10g/L日より低い10g/L未満である。更に、培養安定性は、主にエタノールの存在と組み合わせたアセチル(2.5-3g/Lの分子の酢酸)が比較的高(8-10g/L)濃度のために問題である。更にまた、より多くのエタノールを生産する努力においてガス速度が増加するので、最初に分子の酢酸によって、次に、COによって培養が阻止される。結果として、培養が不安定になり、ガスを取り込まなくなるとともに追加の生産物を得ることができない。更に、本発明者らによる初期の作業は、定常状態操作において2:1を超えるエタノールとアセチルの比を得るのに困難を示した。例えば、特に、Klasson et al., 1990 Applied Biochemistry and Biotechnology, Proceedings of the 11th Symposium on Biotechnology for Fuels and Chemicals, 24/25: 857; Phillips et al., 1993 Applied Biochemistry and Biotechnology, Proceedings of the 14th Symposium on Biotechnology for Fuels and Chemicals, 39/40: 559を参照のこと。多数の文献には、CO、CO2およびH2を消費せずに溶媒を生成する糖の発酵においてC.リュングダーリー以外の嫌気性細菌の使用が記載されている。高収量のエタノールを供給する試みにおいて、栄養タイプ、微生物、還元剤の特定の添加、pH変化、および外因性ガスの添加を含む種々のパラメーターが変えられてきた。例えば、Rothstein et al, 1986 J. Bacteriol., 165(1):319-320; Lovitt et al, 1988 J. Bacteriol., 170(6):2809; Taherzadeh et al, 1996 Appl. Microbiol. Biotechnol., 46:176を参照のこと。
【0015】
用語“混合株”は、2つ以上の微生物または生体触媒の混合培養物を意味する。上文に挙げられる微生物または生体触媒のこのような“混合株”は、本発明の方法に用いられる。指向進化、遺伝子組み換え技術、または他の同様の方法が本発明に用いられる混合株培養物を生じることは想定される。
用語“自然状態”は、通常存在する電子またはプロトンを追加しない化合物、元素、または経路を記載するものである。逆に、用語“還元状態”は、1つ以上の電子の過剰を有する化合物、元素または経路を記載するものである。“還元状態”は、“自然状態”に1つ以上の電子を加えすることによって、即ち、発酵ブイヨンのレドックス電位を低下させることによって達成される。
“栄養培地”は、一般的には、選択された対象細菌の増殖を可能にするのに充分なビタミンおよびミネラルを含有する従来の細菌増殖培地を記載するために用いられる。糖は、これらの培地に含まれない。本発明の使用に適している種々の栄養培地の成分は、本発明者らのものを含む前文献に既知であり報告されている。例えば、WO08/00558; 米国特許第5,807,722号; 米国特許第5,593,886号、および米国特許第5,821,111号、並びに上で確認した文献に記載される栄養培地配合を参照のこと。本発明によれば、CO、CO2およびH2から酢酸塩製造に典型的な実験用栄養培地は、0.9mg/Lのパントテン酸カルシウムを含有する。しかしながら、CO、CO2およびH2からエタノール製造に典型的な実験用栄養培地は、0.02mg/Lのパントテン酸カルシウムを含有する。
【0016】
用語“還元ガス”は、COまたはH2のいずれかまたは双方を意味する。語句“細菌の増殖に必要とされる量を超える還元ガスの量”は、栄養培地成分を考えれば、細菌が増殖または代謝に使用し得る量を超える還元ガスのその量を意味する。この量は、還元ガスの正味の量を増加することによって、または鍵となる栄養成分を減少させることによって達成され得るので、過剰気体量がガスを増加させずに、または細菌にガス送達の速度を増加させることによって達成される。細菌が増殖に必要とされるより多くの還元ガスにさらされる場合、細菌はエタノール製造を増加させることによって応答する。“対象細菌”は、COおよび水またはH2およびCO2をエタノールと酢酸の生成物に変換することができる微生物または酢酸生成嫌気性(または通性)細菌である。
用語“合成ガス”または“合成用ガス”は、一酸化炭素と水素の種々の量を含有するガス混合物に示される名称である。製造法の例としては、水素を製造する天然ガスまたは炭化水素の水蒸気改質、石炭のガス化および廃棄物熱源転換ガス化設備のあるタイプが挙げられる。名称は、合成天然ガス(SNG)を生成する際の中間体およびアンモニアまたはメタノールを製造するための中間体としてのその使用に由来する。合成ガスは、また、フィッシャー-トロブシュ合成、以前はガソリンプロセスへのモービルメタノールを介して燃料または潤滑剤として用いられる合成石油を得る際の中間体として用いられる。合成ガスは、主に、水素、一酸化炭素、および非常にしばしば二酸化炭素からなり、天然ガスのエネルギー密度(即ち、BTU含量)の1/2より少ない。合成ガスは、可燃性であり、燃料源としてまたは他の化学薬品の製造のための中間体としてしばしば用いられる。
【0017】
バイオマスガス化において二酸化炭素を用いる本発明の詳細な説明
本開示は、ここで、本発明の種々の実施態様が示される図を参照してより完全に記載される。しかしながら、この開示内容は、多くの異なる形で具体化されてもよいが、本明細書に示される実施態様に限定されるものとして解釈されてはならない。
図1は、本発明の一実施態様のチャンバ床の下に酸素または空気および二酸化炭素が供給されるバイオマスガス化装置の一例を示す概略図である。図2は、本発明の一実施態様としてガス化装置の上のチャンバ内に酸素または空気および二酸化炭素が供給されるバイオマスガス化装置の一例を示す概略図である。図3は、本発明の一実施態様としてチャンバ床の下に酸素または空気および二酸化炭素が供給され且つ上のチャンバ内に酸素または空気および二酸化炭素が供給されたバイオマスガス化装置の一例を示す概略図である。実施態様として、複数のチャンバによる多段階ガス化装置は、本発明の実施態様を更に含有する。
二酸化炭素は、2つのための役に立つ。ガス化装置に導入される二酸化炭素(CO2)の酸化剤への添加は、温度を低下させるヒートシンクを設けることによりスラグ化の問題を制御することがわかった。予備実験の間、目視観測が灰分スラグ化の減少を示した。
第二に、外部から導入されたCO2は、ガス化装置において、上記式3-5による、炭素(チャンバ)、H2および炭化水素(例えばメタン)と反応して、追加の一酸化炭素(CO)および/または水素を製造する。これにより上の式1および2による追加のアルコール(例えばエタノール)が生成され得る。木材チップによる予備ガス化実験は、表1に示されるように、外部から供給された二酸化炭素を一酸化炭素に転換する可能性を示した。予備実験データは、二酸化炭素供給量の増加するのにつれて一酸化炭素と水素の比の増加を示す。ガス化から水素およびCOの生産速度は、同じバイオマスおよび酸素供給量とほぼ一定でなければならない。ガス流量がわずかに増加し、CO/H2比が増加しているので、CO2がCOに改質(転換)されている。
【0018】
表1. 酸素および外部から導入した二酸化炭素による木材ガス化におけるデータ

【0019】
酸化剤とバイオマスおよび二酸化炭素と酸素の比を最適化する追加の実験により、他のガス化パラメーターに加えて、外部から導入された二酸化炭素から改善された一酸化炭素製造が得られなければならない。バイオマス/チャンバ材料の下に供給される酸化気体のCO2とO2との質量比が0〜4の比の範囲にあることは想定される。上の実験は、0〜2.08の質量比の範囲を用いた。酸化剤としてCO2の使用は、ガス化に通常用いられるO2の量を低下させる。COの組成も増加され、合成ガスの次の反応を増強する。おそらく、最も重要なことに、環境に放出されるCO2が減少する。
図5は、本発明の実施態様を含み、多段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データを比較した生成された合計エタノールと添加したCO2を示すグラフである。図5は、本発明の実施態様を含み、多段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データを比較した合計エタノール(ガロン/DT)と添加したCO2(ポンドモル/DT)を示すグラフである。一実施態様において、図5は、二酸化炭素が下のチャンバ(LC)に添加される2段階ガス化装置のデータを示すグラフである。他の実施態様において、図5は、二酸化炭素が上のチャンバ(UC)に添加される2段階ガス化装置のデータを示すグラフである。実施態様において、図5は、二酸化炭素が添加される(1S)単一段階ガス化装置のデータを示すグラフである。水蒸気は、ガス化装置に添加されなかった。下のチャンバにおける水蒸気添加は、異なる基本例を生じ得ると考えられる。正常な操作条件において、水蒸気はガス化プロセスを促進するために添加されるが、下のチャンバにおける水蒸気の添加はエタノール産生を低下させる。下のチャンバへの水蒸気添加に対応する基本例がより低いエタノール収率を有すると予想されると考えられる。例えば、下のチャンバ内の12.3ポンドモル水蒸気/DT(5.6キログラムモル水蒸気/DT)における推定エタノール収量は、約80.5ガロン/DT(約306リットル/DT)である。それ故、下のチャンバ内で水蒸気をCO2に置き換えることは本発明の実施態様を含むと考えられる。
【0020】
図6は、本発明の実施態様を含み、合計エタノールと添加したCO2を示すグラフである。図6は、本発明の実施態様を含み、合計エタノールガロン/乾燥トン(gal/DT)とCO2ポンドモル/乾燥トン(lb-mole/DT)を示すグラフである。図6は、CO2が下のチャンバと上のチャンバに添加される実施態様を含むグラフである。図6は、15ポンドモル/DT(7キログラムモル/DT)のCO2が下のチャンバに添加することを含み、可変範囲のCO2、0-30ポンドモル/DT(0-14キログラムモル/DT)を上のチャンバに添加することを含む実施態様を含むグラフである。
図7は、本発明の実施態様を含み、多段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データとを比較した水素と一酸化炭素比(H2/CO)と添加した二酸化炭素(CO2)を示すグラフである。図7は、本発明の実施態様を含み、多段階ガス化装置データと単一段階ガス化装置データとを比較したH2/CO比と添加したCO2ポンドモル/乾燥トン(lb-mole/DT)を示すグラフである。一実施態様において、図7は、水素と一酸化炭素(H2/CO)比および下のチャンバ(LC)に添加した二酸化炭素の2段階ガス化装置のデータを示すグラフである。他の実施態様においては、図7は、水素と一酸化炭素(H2/CO)比および上のチャンバ(UC)に添加した二酸化炭素の2段階ガス化装置のデータを示すグラフである。このグラフにおいて、多段階ガス化装置データがほぼ重なっているデータを含むことは留意されなければならない。図7において、LC内CO2 - 2段階がUC内CO2 - 2段階のデータがほぼ重なっている。
図8は、本発明の実施態様を含み、水素と一酸化炭素比(H2/CO)と添加した二酸化炭素(CO2)を示すグラフである。図8は、本発明の実施態様を含み、H2/CO比と添加したCO2ポンドモル/乾燥トン(lb-mole/DT)を示すグラフである。図8は、15ポンドモル/DT(7キログラムモル/DT)のCO2が下のチャンバに添加することを含み、可変範囲のCO2、0-30ポンドモル/DT(0-14キログラムモル/DT)を上のチャンバに添加することを含む実施態様を含むグラフである。
【0021】
本発明は、ガス化装置における炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって: 二酸化炭素ガス、酸素、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程を含む、前記方法を企図する。ここで、前記炭素質材料は炭素質材料、炭素質液体製品、工業用炭素質液体再循環物、炭素質都市固形廃棄物、炭素質農業材料、炭素質森林材料、炭素質木材廃棄物、炭素質建設材料、炭素質植物材料、炭素質石油化学副産物、炭素質石炭、タイヤまたはこれらの組み合わせより選ばれる。実施態様として、前記ガス化装置は、1つ以上のチャンバを備える; 前記ガス化装置は、2つのチャンバを備える; 前記ガス化装置は、2つのチャンバを備える; 更に、第1のチャンバ内で二酸化炭素と酸素ガスを噴射する工程を含み; 第2のチャンバ内で二酸化炭素と酸素ガスを噴射する工程を含み; または第1のチャンバと第2のチャンバ双方に二酸化炭素と酸素を噴射する工程を含む。実施態様として、更に前記ガス化装置は、2つのチャンバを備える; 更に、第1のチャンバ内に50ポンドモル(23キログラムモル)二酸化炭素/DTまでの前記炭素質材料を噴射する工程を含む; 前記ガス化装置は、2つのチャンバを備える; 更に、第2のチャンバ内に50ポンドモル(23キログラムモル)二酸化炭素/DTまでの前記炭素質材料を噴射する工程を含む; 前記ガス化装置は、2つのチャンバを備える; 更に、第1のチャンバ内に50ポンドモル(23キログラムモル)二酸化炭素/DTまでの前記炭素質材料を噴射する工程を含み; 第2のチャンバ内に50ポンドモル(23キログラムモル)二酸化炭素/DTまでの前記炭素質材料を噴射する工程を含む。本発明の合成ガスは、3以下の水素と一酸化炭素比を含む; 1以下の水素と一酸化炭素比を含む。
【0022】
他の実施態様として、本発明は、アルコールを製造する方法であって: 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物の混合物を得る工程; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する工程を含む、前記方法を提供する。本発明は、メタノール; エタノール; および/またはブタノール; またはこれらの組み合わせのアルコール製造を企図する。実施態様として、前記生体触媒は、微生物; 酢酸生成菌; クロストリジウム、ムーレラ、およびカーボキシドサーマスまたはこれらの混合株より選ばれる1つ以上の株; クロストリジウム・リュングダーリーを含む。本発明の前記クロストリジウム・リュングダーリーは、PETC、ERI-2、O-52およびC-01またはこれらの組み合わせからなる株より選ばれる。
実施態様として、更に、本発明は、アルコールを製造する方法であって: 二酸化炭素および酸素ガスおよび炭素質材料をガス化装置に噴射させる工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程; 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物混合物を得る工程; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する工程を含む、前記方法を企図する。
本発明の個々の実施態様の上記の説明は、例示および説明のために示されている。これらは、網羅的であること、または開示される正確な形に本発明を限定することを意図しない。明らかに、多くの修正および変更が上記教示を考慮して可能である。本発明の原理およびその実際の用途を最良に説明するために実施態様を選び記載してきたが、それによって当業者が本発明を最良に用いることを可能にし、具体的な使用に適している種々の変更を有する種々の実施態様も可能である。
【0023】
エタノールプロセスへのガス化および糖発酵による発酵プロセスの一体化を記載する本発明の詳細な説明
本開示は、ここで、本発明の種々の実施態様が示される図面を参照してより完全に記載される。しかしながら、本開示内容は、多くの異なる形で具体化されてもよく、本明細書に示される実施態様に限定されているものとして解釈されてはならない。
バイオマスからエタノールの製造は、最初に炭素質物質をガス化し、次に合成ガス中の一酸化炭素と水素をエタノールに発酵させるプロセスによって示してきた。このプロセスは、発酵の前の熱い合成ガスの冷却および変換されていない合成ガスの燃焼からの廃熱を有する。この廃熱は、輸出される内部プロセス要求のためおよび/または流出される水蒸気および電気を生成するために使用し得る。
相互に隣接してバイオマスプラントと糖エタノールプラントを位置決めすることにより作物から利用可能なエネルギーすべての完全利用が可能になることが本発明によって企図される。図4に示される実施態様において、例えば、農家がトウモロコシをエタノールプラントに運ぶことができ、トウモロコシ茎葉を運ぶこともでき、いずれかの設備によって燃料または電気を購入せずに追加のエタノール製造を可能にする。これらのプロセス間の他の有利な相乗作用には、エタノール精製装置と一般のエタノール貯蔵および積み出し設備を組み合わせること、公共施設、メンテナンス設備、オフィス、研究室、およびエタノール貯蔵および製造と関連している当該技術において既知である他のタイプの装置および設備が含まれる。
典型的なトウモロコシエタノールプラントは、例えば、製造されるエタノール1ガロン(3.8リットル)当たり約1.2KWHの電気および約25,000〜約37,000Btu(約7.3〜約10.8KWH)の熱エネルギーを必要とする。本発明のガス化および/または発酵プラントは、すべてのまたは多くの電気と水蒸気をプロセス廃熱からプラントを作動させることを可能にすると考えられる。更に、このプロセスは、搬出用に追加の2.5KWH/ガロン(9.5KWH/リットル)を生成し得る。発電サイクルからの排気は、ほぼ約60,000Btu/ガロン(約4.6KWH/リットル)を供給することができる。それ故、これらの設備の共同設置は、双方のプラントを作動するためにバイオマスから充分な廃エネルギーを供給すると考えられる。追加の経済的な利点は、作物残渣の販売から農家が利用できることである。全体の作物の使用は、エネルギー効率を最大にするとともに地球温暖化ガスの排出を最小限にする。
【0024】
実施態様として、トウモロコシからエタノール設備に前記二酸化炭素ガスが得られる。本発明の前記炭素質材料は、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの穀粒、トウモロコシの穀粒の破片、トウモロコシ植物の破片、発酵廃液、廃穀粒、廃微生物、使用済生体触媒、アルコール製造液体再循環物、トウモロコシ副産物、アルコール副産物、エタノール副産物、またはこれらの組み合わせより選ばれたものを含む。本発明は、更に、トウモロコシが利用するために用いられる水蒸気をエタノール設備に得る工程を含む。本発明は、更に、トウモロコシが利用するために用いられる電気をエタノール設備に得る工程を含む。本発明が更に二酸化炭素の隔離; 二酸化炭素をアルコールに変換するガス流から二酸化炭素の隔離を含むことが想定される。本発明は、更に、ガス化装置において炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって: 二酸化炭素ガス、酸素、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程; 更に、アルコールを得る工程であって: 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物混合物を得る段階; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する段階を含む前記工程を含む、前記方法を企図する。
本発明の個々の実施態様の上記説明は、例示および説明のために示されている。これらは、網羅的であることを意図せず、本発明を開示される正確な形に限定することも意図しない。明らかに、多くの修正および変更は、上の教示を考慮して可能である。本発明の原理およびその実際の用途を最良に説明するために実施態様を選び記載してきたが、それによって当業者が本発明を最良に用いることを可能にし、具体的な使用に適している種々の変更を有する種々の実施態様も可能である。
【実施例】
【0025】
多段式ガス化装置が本発明において企図される。以下の実施例は、生成物合成ガス中の他の成分を最小限にしつつ、一酸化炭素と水素製造を最大にする物体を有するガス化装置として作動させるように変更したConsutech2段階燃焼室と同様である2段階ガス化装置を用いる。炭素質材料は、空気、酸素強化空気または純粋な酸素が格子の下に制御された速度で噴射され得る第1段階(下のチャンバ)に供給される。第1段階の温度および酸素の投入は、炭素質材料の部分酸化のみが完全な燃焼なく(また、不足空気または不足酸素燃焼としても記載される)生じるように制御される。約1400°F(約760℃)の温度は、第1段階に維持される。一実施態様において、約1400°F(約760℃)より低い温度が第1の段階で維持され得る; 約750〜約1400°F(約404〜約760℃)の範囲の温度が第1段階に維持され得る。第1段階(下のチャンバ)からの気体は、第2段階(上のチャンバ)へ移動する。灰分は、第1段階から除去される。純酸素を第2段階に導入して、第1段階からのガス流に含有されるタール(例えば重炭化水素)の分解および部分酸化を達成するために、第2段階で約1750〜約2250°F(約954〜約1232℃)に温度を上げる。CO、H2、CO2、N2および他の成分(例えば、O2、粒子状物質(PM)、タール、金属)を含有する原料の生成物または合成用ガス(合成ガス)が生成され、第2段階から取り出される。一実施態様において、水蒸気は、第1段階または下のチャンバに噴射され得る。実施態様において、水蒸気は、第2段階または上のチャンバに噴射され得る。他の実施態様において、二酸化炭素は、第2のチャンバにおいて噴射され得る; 二酸化炭素は、第1のチャンバに噴射され得る。
続く実施例に用いられる1段階ガス化装置は、ある単一チャンバに炭素質材料および空気、酸素富化空気または純酸素を導入する。約2250°F(約1232℃)の温度がガス化装置チャンバに維持される。CO、H2、CO2、N2および他の成分を含有する原料の生成物または合成用ガス(合成ガス)が生成され、ガス化装置チャンバから取り出される。一実施態様において、水蒸気がガス化装置に噴射され得る。他の実施態様において、二酸化炭素は、ガス化装置に注噴射され得る。
ガス化後、発生炉ガスは洗浄を受ける。パイロットプラントのガス洗浄は、ガス化装置直後に水噴霧カラムで冷却することからなる。約38℃(約100°F)のウォータースクラビングは、発酵槽要求のためにガスを洗浄するのに充分である。スクラバ水は処理を必要とするが、固形分が除去される場合には排出可能とみなされ得るスクラバ水に充分な量の汚染物質をガスからスクラブされるPM中の炭素が吸収することから、水の単純な機械的ろ過が充分である。この湿潤ろ液をガス化装置に戻すことができ、水が排出される。サイクロン分離器により、PMと小滴が除去される。
生成物合成ガスをバイオリアクタに導入し、アルコール; メタノール; エタノール; プロパノール; および/またはブタノールを得る。
【0026】
比較例1: 2-段階ガス化装置(多段階ガス化装置)
この実施例において、第1段階と第2段階においてそれぞれ760℃(1400°F)と1232℃(2250°F)の温度を得るために、以下の通り第1段階と第2段階に酸素を導入する。表2に示される通り生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る:
【0027】
表2−比較例1におけるデータ

(1) gal/DT(L/DT)
(2) lb-mole/lb-mole
* 下のチャンバに12.3ポンドモル/DT(5.8kgモル/DT)の水蒸気を含有する
【0028】
実施例1-7: CO2が第1段階(下のチャンバ)に噴射された2段階ガス化装置
この実施例において、第1段階と第2段階においてそれぞれ1400°F(760℃)と2250°F(1232℃)の温度を得るために、以下の通り第1段階と第2段階に酸素を導入する。表3に示されるように、二酸化炭素を第1段階(下のチャンバ)に導入する。以下の表のように生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る。
【0029】
表3−実施例1-7におけるデータ

(1) gal/DT(L/DT)
(2) lb-mole /lb-mole
【0030】
実施例8-14: CO2が第2段階(上のチャンバ)に噴射された2段階ガス化装置
この実施例において、第1段階と第2段階においてそれぞれ1400°F(760℃)と2250°F(1232℃)の温度を得るために、以下の通り第1段階と第2段階に酸素を導入する。以下の表に示されるように、二酸化炭素を第2段階(上のチャンバ)に導入する。表4のように生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る。
【0031】
表4−実施例8-14におけるデータ

(1) kg/DT(gal/DT)
(2) lb-mole/lb-mole
【0032】
実施例15-20: CO2が第1段階(下のチャンバ)および第2段階(上のチャンバ)の双方に噴射された2段階ガス化装置
この実施例において、第1段階と第2段階においてそれぞれ760℃(1400°F)と1232℃(2250°F)の温度を得るために、以下の通り第1段階と第2段階に酸素を導入する。以下の表に示されるように、二酸化炭素を第1段階(下のチャンバ)と第2段階(上のチャンバ)に導入する。表5のように生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る。
【0033】
表5−実施例15-20におけるデータ

(1) gal/DT(kg/DT)
(2) lb-mole /lb-mole
【0034】
比較例2: 1段階ガス化装置
この実施例において、ガス化装置に1232℃(2250°F)の温度を得るために、以下の通り酸素を導入する。以下の表6に示されるように、生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る。
【0035】
表6−比較例2におけるデータ

(1) gal/DT (L/DT)
(2) lb-mole/lb-mole
【0036】
実施例21-27: CO2が噴射された1段階ガス化装置
この実施例において、ガス化装置に1232℃(2250°F)の温度を得るために、以下の通り酸素を導入する。表7に示される通りガス化装置に二酸化炭素を導入する。以下の表に示されるように、生成物合成ガスおよびエタノール生成物を得る。
【0037】
表7−実施例21-27におけるデータ

(1) gal/DT(L/DT)
(2) lb-mole/lb-mole
【0038】
すべての公開された文献の記載は、本願明細書に含まれるものとする。本発明の多くの修正および変更は、上で確認した明細書に含まれ且つ当業者に明らかであると予想される。本発明の組成物および方法に対するこのような修正および変更は、これに添付される特許請求の範囲の範囲に包含されると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス化装置において炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって:
二酸化炭素ガス、酸素、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程;
一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記炭素質材料が炭素質材料、炭素質液体製品、工業用炭素質液体再循環物、炭素質都市固形廃棄物、炭素質農業材料、炭素質森林材料、炭素質木材廃棄物、炭素質建設材料、炭素質植物材料、炭素質石油化学副産物、炭素質石炭、タイヤまたはこれらの組み合わせより選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガス化装置が、1つ以上のチャンバを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ガス化装置が、2つのチャンバを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ガス化装置が、2つのチャンバを備え; 更に、第1のチャンバに二酸化炭素および酸素ガスを噴射する工程を含み; 第2のチャンバに二酸化炭素および酸素ガスを噴射する工程を含み; または第1チャンバと第2チャンバ双方に二酸化炭素および酸素を噴射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ガス化装置が、2つのチャンバを備え; 更に、第1のチャンバに23キログラムモル(50ポンドモル)/DT前記炭素質材料までの二酸化炭素を噴射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ガス化装置が、2つのチャンバを備え; 更に、第2のチャンバに23キログラムモル(50ポンドモル)/DT前記炭素質材料までの二酸化炭素を噴射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ガス化装置が、2つのチャンバを備え; 更に、第1のチャンバに23キログラムモル(50ポンドモル)/DT前記炭素質材料までの二酸化炭素を噴射する工程を含み; 第2のチャンバに23キログラムモル(50ポンドモル)/DT前記炭素質材料までの二酸化炭素を噴射する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記合成ガスに含まれる水素と一酸化炭素との比が3以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記合成ガスに含まれる水素と一酸化炭素との比が1以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
アルコールを製造する方法であって: 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物混合物を得る工程; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する工程を含む、前記方法。
【請求項12】
前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノールまたはこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アルコールが、エタノールを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記アルコールが、ブタノールを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記生体触媒が、微生物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記生体触媒が、酢酸生成菌を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記生体触媒が、クロストリジウム(Clostridium)、ムーレラ(Moorella)、およびカーボキシドサーマス(Carboxydothermus)またはこれらの混合株より選ばれる1つ以上の株を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記生体触媒が、クロストリジウム・リュングダーリー(Clostridium ljungdahlii)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記クロストリジウム・リュングダーリー(Clostridium ljungdahlii)が、PETC、ERI-2、O-52およびC-01またはこれらの組み合わせからなる株より選ばれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
アルコールを製造する方法であって: 二酸化炭素および酸素ガスおよび炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程; 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物混合物を得る工程; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する工程を含む、前記方法。
【請求項21】
前記二酸化炭素ガスが、トウモロコシからエタノールを得る設備から得られる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記炭素質材料が、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、トウモロコシの穂軸、トウモロコシの穀粒、トウモロコシの穀粒の破片、トウモロコシ植物の破片、発酵廃液、廃穀粒、廃微生物、使用済生体触媒、アルコール製造液体再循環物、トウモロコシ副産物、アルコール副産物、エタノール副産物、またはこれらの組み合わせより選ばれる、請求項20に記載の方法:。
【請求項23】
更に、トウモロコシからエタノールを得る設備に用いられる水蒸気を生成させる工程を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
二酸化炭素変換のためのガス流からの二酸化炭素をアルコールに隔離することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
ガス化装置における炭素質材料のガス化による合成ガス製造を最適化する方法であって: 二酸化炭素ガス、酸素、および炭素質材料をガス化装置に噴射する工程; 一酸化炭素および水素を含む合成ガスを生成する工程; アルコールを得る工程であって: 合成ガスと生体触媒とを発酵容器内で接触させて、アルコール生成物混合物を得る段階; 生成物混合物からアルコールを選択的に回収する段階を含む、前記工程を更に含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−524933(P2011−524933A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514623(P2011−514623)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/003685
【国際公開番号】WO2009/154788
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509230757)イネオス ユーエスエイ リミテッド ライアビリティ カンパニー (13)
【Fターム(参考)】