説明

ガス抜き手段を備えたスクリュプリプラ式射出装置

【課題】樹脂の可塑化溶融が完了して、その樹脂が盛んにガスを発生させたあとの溶融樹脂の流路からガス排出させるのにあたり、バラツキのない精密計量と、長期間の高排出効率の維持が望まれる。
【解決手段】そこで、樹脂を可塑化スクリュで可塑化溶融する可塑化部と、可塑化部から供給される溶融樹脂で射出プランジャを後退させて計量したあと射出する射出部と、それらを連通する連通路と、連通路を開閉させる逆流防止手段とを含むスクリュプリプラ式射出装置において、そのスクリュ先端の前方から連通路の射出部側の開口までの間の溶融樹脂の流路途中に、その流路を担う内孔と、その内孔の内周面に開口する通気孔とを有する通気部材を含むガス抜き手段を備えて、溶融樹脂が射出部に供給され計量される前に、その流路内のガスを射出装置外部に排出させる。さらに、ガス抜き手段が逆流防止手段よりも可塑化部側の溶融樹脂流路に配置されると良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂材料を加熱し剪断発熱させて可塑化溶融し、その溶融樹脂を金型装置に射出して成形品を得る射出成形機の射出装置において、その可塑化の際に、その樹脂材料が発生させるガス状のモノマーを除去する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に射出装置は、1本のインラインスクリュで可塑化と射出の両方を行うインラインスクリュ式射出装置と、可塑化スクリュで可塑化を行うとともに射出プランジャで射出を行うスクリュプリプラ式射出装置に大別される。
【0003】
しかしながら、どちらの射出装置であっても、ホッパからシリンダに投入されたプラスチック樹脂材料(以下、単に樹脂材料という)は、スクリュの回転によって前方に送られる際に混錬圧縮されると共にそのシリンダに巻回されたヒータによって加熱されて、剪断発熱して融解する。この圧縮は、樹脂がスクリュの溝の深さが徐々に浅く形成された圧縮ゾーンを通過することによって行われる。このような樹脂を融解する過程は、可塑化と称される。
【0004】
その可塑化の際に加熱された樹脂材料からは、ガス状に揮発したモノマー(アウトガス。以下、単にガスと称される。)が発生することがある。このガスには、乾燥が不充分な樹脂材料から発生する水分も含む。特にこのガスは、成形品の熱的な強度や難燃性等の特性を向上するために添加物を添加したエンジニアリングプラスチックにおいて顕著に発生する。そして、このガスは、除去されない場合にヤニとなって金型に付着して、ベントを詰まらせて成形品の寸法精度を低下させたり、成形品の外観を汚損する。
【0005】
そのため、そのガスを除去する方法としては、ホッパからそのガスを排出させる方法、シリンダ中程に形成されたベント孔からそのガスを排出させる方法、そして、射出ノズルに形成されたガス抜き孔からガスを排出させる方法が提案されている。
【0006】
特に、射出ノズルの部分からガスを排出する方法は、樹脂材料がスクリュの圧縮ゾーンで可塑化溶融されてガスを盛んに発生させた状態において、その溶融樹脂が大きな射出圧力を付与されてその射出ノズルを通って金型に射出される間に、そのガスをその射出ノズルに形成したガス抜き孔から排出することができるとされる。そして、そのような射出装置は、特許文献1ないし特許文献4のインラインスクリュ式射出装置によって提案されている。
【0007】
特許文献1と特許文献2のインラインスクリュ式射出装置では、射出ノズル基部とシリンダ先端部とが当接するそれぞれの端面の少なくとも一方に、そのノズル円周方向に均等の間隔を介して、そのノズルの樹脂流路に連通する溝が形成されて、それら溝がシリンダ外部と連通されている。それで、その溝が、射出ノズルの樹脂流路に連通する通気孔となる。
【0008】
また、特許文献3と特許文献4のインラインスクリュ式射出装置では、射出ノズル基部あるいは射出ノズル中間部に、そのノズルの樹脂流路を担う内孔を形成するとともに微細な連通孔を分散させた多孔質性材料からなる円筒状の通気部材を挿嵌して、その通気部材の外周が射出ノズル外部と連通されている。それで、その微細な連通孔が、射出ノズルの樹脂流路に連通する通気孔となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平5−7423号公報
【特許文献2】登実3014793号公報
【特許文献3】特開平11−160320号公報
【特許文献4】特開2004−5459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1ないし特許文献4のインラインスクリュ式射出装置では、通気孔が射出ノズル中の溶融樹脂の流路に開口されていて、射出の際に、そのノズル中を溶融樹脂が流動することで、ガスの排出が行われる。そのため、溶融樹脂を計量している間は、ガスの排出がほとんどされていない。そして、その計量では、射出シリンダ内のインラインスクリュ前方に送られる溶融樹脂が、そのインラインスクリュを後退させて、その後退位置、すなわちそのシリンダ孔とそのインラインスクリュ先端面で形成された射出室の体積によって、1ショットに必要な溶融樹脂量を量っている。したがって、その射出室内の溶融樹脂の計量値は、射出室内にガスが含まれると、そのガスの体積分だけ不足し、また、計量するごとにばらつきを引き起こす。
【0011】
さらに、通気孔が開口する射出ノズル中の溶融樹脂の流路には、射出の際に、大きな圧力である射出圧力を受けた溶融樹脂が流動する。そのため、射出圧力を受けた溶融樹脂は、その通気孔に容易に侵入して、その孔を詰まらせる原因となり、ガスの排出を妨げる恐れがあった。特に、インラインスクリュ式射出装置では、可塑化が完了したあとの溶融樹脂が流動する流路となると、射出シリンダ内の射出室と、その射出室に連通する射出ノズル中の流路に限定され、その流路中の溶融樹脂に射出圧力が付与されるのを避けられない。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、可塑化部と射出部に別設され、それらを連通路で連通させたスクリュプリプラ式射出装置において、射出部に供給される前の溶融樹脂の流路途中に、その流路を担う内孔とその内孔の内周面に開口する通気孔を有する通気部材を含むガス抜き手段を備えて、その溶融樹脂が射出部に供給されて計量される前に、その流路内に存在するガスを外に排出させることによって、精密な計量を可能にすることを目的とする。また、本発明は、その通気部材の内孔を通過する溶融樹脂に対して、その溶融樹脂を通気孔に侵入させることなく、その溶融樹脂に気泡となって含まれるガスを通気孔に導くことができる適当な圧力を付与して、高効率で長時間のガス排出を可能にすることを目的とする。また、本発明は、射出の際に、その通気部材の内孔に存在する溶融樹脂に対して、射出圧力を付与させないようにして、その溶融樹脂を通気孔に侵入させないようにすることを目的とする。また、通気部材の内孔を通過する溶融樹脂を広く引き延ばすようにして流動させて、ガスの排出効率を向上させることを目的とする。また、本発明は、通気部材に形成される微細な通気孔の加工および掃除を容易にすることを目的とする。総じて、本発明は、高いガス排出効率を長期間にわたって持続可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のスクリュプリプラ式射出装置は、上記課題を解決するために、樹脂材料を可塑化スクリュの回転によってそのスクリュ先端側に送りながら可塑化溶融する可塑化部と、その可塑化部から送られてくる溶融樹脂によって射出プランジャを後退させながら計量したあとそのプランジャを前進させて射出する射出部と、その可塑化部とその射出部とを連通する連通路と、その連通路を開閉させる逆流防止手段とを含むスクリュプリプラ式射出装置において、前記可塑化スクリュ先端の前方から前記連通路の前記射出部側の開口までの間の溶融樹脂が存在する流路の一部に、その流路となる内孔が部材本体を貫通するように形成されるとともにその内孔の内周面からその部材本体の外周面に向かって通気可能に連通する少なくとも1つの通気孔が形成される通気部材と、その内孔によってその流路を連結するようにその通気部材を前記射出装置内に着脱自在に取り付けるための空所と、その通気部材の外周面またはその空所の内周面に形成されるとともにその通気孔に連通する少なくとも1つの溝と、その溝と前記射出装置外部とを連通する少なくとも1つのガス抜き孔と、を有するガス抜き手段を備えて、その流路に存在するガスをその射出装置外部に排出させる。
【0014】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置は、前記ガス抜き手段が、前記逆流防止手段よりも前記可塑化部側の前記溶融樹脂が存在する流路の一部に配置されて、前記ガスを前記射出装置外部に排出するようにされると良い。
【0015】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置は、前記逆流防止手段が、前記可塑化スクリュ先端からその前方に向かって突き出た縮径部と、その縮径部先端の前方に形成された前記連通路の前記可塑化部側の開口と、そのスクリュを進退させる逆止駆動装置とを含んで、射出の際に、そのスクリュを前進させてその連通路の可塑化部側の開口をその縮径部先端で閉塞させて、その可塑化部側に溶融樹脂が逆流するのを防止し、前記ガス抜き手段が、その縮径部をその外周に隙間を余して前記内孔に挿入させる前記通気部材を含んで、その縮径部の外周とその通気部材の内孔の内周との間の隙間に溶融樹脂を流動させて、前記ガスをその通気部材から前記射出装置外部に排出するようにされると良い。
【0016】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置は、前記通気部材が、円盤形状の溝付き部材を整列させて積み重ねられて、隣り合うその溝付き部材を重ね合わせて円筒形状に形成されて、その溝付き部材が、円盤の軸心に形成された貫通孔と、その円盤の少なくとも片面にその中心から放射状に形成された少なくとも1つの通気溝と、その円盤の外周部に形成された薄肉部と、その円盤の外周部にその軸心に平行に形成された少なくとも1つの切り欠き溝と、を備えることで、その貫通孔がその通気部材の前記内孔となり、その通気溝がその内孔に開口する前記通気孔となり、その薄肉部がその通気孔に連通するその通気部材外周面の環状溝となり、そして、その切り欠き溝がその環状溝同士を連通するその通気部材外周面の連通溝となって、前記ガスをその通気部材から前記射出装置外部に排出するようにされると良い。
【0017】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置は、前記ガス抜き孔の前記射出装置外部側にガス吸引装置が接続されて、前記ガスを前記射出装置外部に排出するようにされると良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明のスクリュプリプラ式射出装置では、可塑化スクリュ先端の前方から連通路の射出部側の開口までの間の溶融樹脂が存在する流路の一部に、その流路を担う内孔とその内孔の内周面に開口する通気孔を有する通気部材を含むガス抜き手段を備えて、その通気部材の内孔を通過させて、その流路中に存在するガスを排出させたあと、その溶融樹脂を射出部に供給して計量させることができる。したがって、その計量は、ばらつきなく精密なものとなる。さらには、その射出装置では、可塑化スクリュの回転によって可塑化シリンダ内から送られる溶融樹脂が、前進方向の背圧を付与されている射出プランジャを後退させながら射出シリンダ内に供給される際に、可塑化スクリュの回転速度や回転トルクおよび射出プランジャの背圧を協同して制御することによって、通気孔に溶融樹脂を侵入させない圧力でかつ適当な圧力を溶融樹脂に付与させながら、溶融樹脂の供給と計量を行うことができる。したがって、その射出装置では、溶融樹脂で通気孔を詰まらせることなく、溶融樹脂中に気泡となって存在するガスを通気孔に導いて排出させることが可能となる。
【0019】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置では、上記通気部材の位置が逆流防止手段の位置に対して、可塑化部側の溶融樹脂流路に配置されて、射出の際に、その逆流防止手段でその連通路が閉じられるので、その通気部材の内孔に存在する溶融樹脂に射出圧力という大きな圧力が付与されない。したがって、溶融樹脂が、通気部材の内孔に開口する通気孔に侵入しないようにして、目詰まりするのをさらに防止できる。
【0020】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置では、上記通気部材の内孔の内径寸法が、可塑化スクリュ先端から突き出た縮径部をその外周に隙間を余して挿入できる寸法に形成されるので、その通気部材の内孔の内周面の面積が大きくなって、通気孔の開口を多数形成できる。また、通気部材の内孔を流れる溶融樹脂は、その縮径部の外周と通気部材内孔の内周との間の隙間内を広く伸ばされるようにして流動するので、気泡となって溶融樹脂中に存在するガスを通気孔に導いて排出させやすくなる。
【0021】
また、本発明のスクリュプリプラ式射出装置では、上記通気部材が、上記内孔となる貫通孔と上記通気孔となる通気溝とを形成させた円盤形状の溝付き部材を積み重ねることで円筒形状に形成されるので、微細な通気孔を容易に加工することが可能となり、通気孔に溶融樹脂が侵入するのを防止できる。さらには、その通気部材は、ガスを排出可能な溶融樹脂流路を十分に長い距離を形成させることを容易にするとともに、多数の通気孔を開口させて、それら開口面積の合計が十分に大きいものとなって、ガス排出効率も向上する。しかも、その通気孔に溶融樹脂が侵入しても、通気部材を溝付き部材単位に分解して、通気溝自体を容易に掃除できる。また、円盤内周部の通気溝以外の部分で、隣り合う円盤が重ねられ密着されるので、通気部材内孔の通気孔の開口部に付与される溶融樹脂の圧力によって、その開口が押し広げられて、その通気孔に溶融樹脂が侵入するのを防止できる。また、円盤の薄肉部や切り欠き溝によって、通気部材の外周にガス抜き孔に連通する溝が形成されるので、通気部材を挿嵌する空所の内周にガス抜き孔に連通した溝を形成する必要がない。しかも、空所に通気部材を挿嵌すれば、通気部材の軸心が溶融樹脂の流路と同心に固定され、通気部材を構成する円盤がずれることもない。
【0022】
また、本発明の射出装置によれば、ガス抜き手段のガス抜き孔の射出装置外部の開口に真空源などのガス吸引装置が接続されて、強制的にガスを外部に排出させて、ガスの排出効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図(a)が、本発明を適用されたスクリュプリプラ式射出装置の実施態様における、本発明の主要部の拡大された側面断面図であり、図(b)が、図(a)のB−B矢視断面図である。
【図2】図(a)が、図1の実施態様における、溝付き部材およびそれを積み重ねて形成される通気部材を示す側面断面図であり、図(b)が、図(a)の溝付き部材のB−B矢視図であり、図(c)が、図(a)のC部分の拡大された側面断面図である。
【図3】図(a)が、本発明を適用されたスクリュプリプラ式射出装置の別の実施態様における、本発明の主要部の拡大された側面断面図であり、図(b)が、図(a)のB−B矢視断面図である。
【図4】図(a)が、図3の実施態様における、溝付き部材およびそれを積み重ねて形成される通気部材を示す側面断面図であり、図(b)が、図(a)の溝付き部材のB−B矢視図あり、図(c)が、図(a)のC部分の拡大された側面断面図である。
【図5】従来公知のスクリュプリプラ式射出装置の全体を示す側面断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明が、実施例に基づき、図1ないし図5とともに説明される。図1は、図(a)が、本発明を適用されたスクリュプリプラ式射出装置の実施態様における、本発明の主要部の拡大された側面断面図であり、図(b)が、図(a)のガス抜き手段部分のB−B矢視断面図である。図2は、図(a)が、図1の実施態様における、溝付き部材およびそれを積み重ねて形成される通気部材を示す側面断面図であり、図(b)が、図(a)の溝付き部材のB−B矢視図であり、図(c)が、図(a)のC部分の拡大された側面断面図である。図3は、図(a)が、本発明を適用されたスクリュプリプラ式射出装置の別の実施態様における、本発明の主要部の拡大された側面断面図であり、図(b)が、図(a)のガス抜き手段部分のB−B矢視断面図である。図4は、図(a)が、図3の実施態様における、溝付き部材およびそれを積み重ねて形成される通気部材を示す側面断面図であり、図(b)が、図(a)の溝付き部材のB−B矢視図であり、図(c)が、図(a)のC部分の拡大された側面断面図である。図5は、従来公知のスクリュプリプラ式射出装置の全体を示す側面断面図である。
【0025】
最初に、従来公知の部分が簡単に説明される。スクリュプリプラ式射出装置1(以下、単に射出装置1という)は、可塑化部2と射出部3と、それらを連結する連結部材4を含む(図5)。可塑化部2は、可塑化シリンダ20と、回転駆動装置22によって回転されるスクリュ21とを含み、スクリュ21が可塑化シリンダ20内で回転するように制御される。射出部3は、射出シリンダ30と、油圧シリンダ等の射出駆動装置34によって駆動される射出プランジャ31とを含み、そのプランジャ31が射出シリンダ30内を前後に駆動制御される。2つのシリンダ孔20aと30aの先端(図で左方)は、連結部材4に備える連通孔4aと、射出ノズル33を射出シリンダ30に連結させるためのノズルアダプタ32に備える連通路32aとによって連通される。なお、可塑化シリンダ20と連結部材4と射出シリンダ30には、バンドヒータ(図示省略)が取り付けられている。7は、樹脂材料を可塑化シリンダ20のシリンダ孔20a内の後端側から供給するためのホッパである。
【0026】
可塑化部2の可塑化スクリュ21は、少なくとも供給ゾーンと圧縮ゾーンの2ゾーン、すなわちホッパ7の直下付近から可塑化シリンダ20の中程に至るまでの溝の深さが等しい供給ゾーンと、可塑化シリンダ20の中程から先端に至る溝の深さが徐々に浅く形成された圧縮ゾーンとを有する。それで、ホッパ7から投入された樹脂は、可塑化スクリュ21の回転に伴って前方(図で左方)に送られて、供給ゾーンで加熱され圧縮ゾーンで更に加熱され剪断発熱して可塑化溶融される。もちろん、可塑化スクリュ21は、供給ゾーンの溝より浅いが等しい深さに形成された溝を有する、従来公知の計量ゾーンを先端側に備えて3ゾーンとされても良い。
【0027】
その射出装置1において、ホッパ7から供給された樹脂材料は、可塑化スクリュ21の回転による剪断発熱とバンドヒータによる加熱とによって可塑化溶融され、そのスクリュ21の回転によって押し出されて連通路4a、32aを通って射出部3に送られる。送り出された溶融樹脂は、射出プランジャ31を後退させ、その後退量によって計量される。そして、後述される逆流防止手段で連通路4a、32aが閉じられたあと、射出プランジャ31が前進して、その溶融樹脂を射出シリンダ30先端に取り付けられた射出ノズル33から図示省略された金型装置に充填する射出が行われる。なお、各種駆動装置は、オペレータによって設定される各種成形条件および各種センサ(図示省略)によって検出される検出値をもとに駆動制御部(図示省略)で制御される。
【0028】
上記の射出装置1は、計量された溶融樹脂が射出の際に射出シリンダ30から可塑化シリンダ20に向けて逆流しないように、可塑化部2と射出部3との間に逆流防止手段が設けてあり、射出される前に連通路4a、32aが閉じられる。例えば、逆流防止手段は、可塑化シリンダ20内で可塑化スクリュ21をわずかに前後させるため、そのスクリュ基部に逆止駆動装置23を備えて、そのシリンダ20前壁中央に形成された連通路4aの開口4b(図では、スクリュタッチブッシュ40に連通路4aの開口4bが形成されている)を、そのスクリュ21先端で開閉させる。また、逆流防止手段は、連結部材4の中に、90度回転することによって連通路4aを開閉する円柱状のロータリバルブなど、いろいろなバルブを設けても良い(図示省略)。したがって、射出装置1の基本的な構成は、従来のスクリュプリプラ式射出装置と同じである。
【0029】
ここからは、本発明特有の構成が説明される。本発明の射出装置1では、可塑化スクリュ21先端の前方から連通路4a、32aの射出シリンダ30のシリンダ孔30aに開口する開口32bまでの間の溶融樹脂が存在する流路途中に、その流路を担う内孔5aと、その内孔5aの内周面に開口する通気孔5bとを有する通気部材5を含むガス抜き手段を備えて、その溶融樹脂が射出部3に供給され計量される前に、その流路内に存在するガスを射出装置1の外部に排出させる。その可塑化スクリュ21先端の前方(図で左方向)とは、そのスクリュ21が2ゾーンの場合には圧縮ゾーンよりも前方、そのスクリュ21が3ゾーンの場合には計量ゾーンよりも前方である。
【0030】
上記のガス抜き手段おいて、例えば、通気部材5は、その軸心に内孔5aを有する円筒形状に形成される。それで、通気部材5の内孔5aは、通気部材5が射出装置1内に形成された溶融樹脂の流路と同心の円柱形状の空所60aに挿嵌されることで、その流路を連通させる。そして、通気部材5は、内孔5aの内周面から通気部材5本体の外周面に向かって少なくとも1つの通気孔5bが形成されて連通される。また、通気部材5の外周面または空所60aの内周面には、通気孔5bに連通される溝(図では、通気部材5の外周に形成された環状溝5cおよび連通溝5dに相当する)が形成される。また、空所60aの内周面には、その溝に面する部分に、その溝と射出装置1外部とを連通させる少なくとも1つのガス抜き孔60bの開口が形成される。したがって、内孔5aすなわち溶融樹脂の流路内からガスのみを通気孔5bを介して射出装置1外部に通気させることができる。なお、通気部材5の外周面または空所60aの内周面に形成される溝は、例えば、円筒形状の通気部材5の両端部分の外径寸法よりもその両端を除いた部分の外径寸法を小さく形成させる、または、円柱形状の空所60aの両端部分の内径寸法よりもその両端を除いた部分の内径寸法を大きく形成させるようにしても構わない。
【0031】
上記通気部材5の通気孔5bは、ガスは通気させるが、溶融樹脂は侵入させないような微細な寸法に形成される。例えば、通気部材5は、軸心に貫通孔50aを有するとともに表面に通気孔5bとなる通気溝50bを形成させた円盤形状の溝付き部材50を、整列させて積み重ねて円筒形状に形成させたものが採用されると良い。
【0032】
その円盤形状の溝付き部材50は、少なくとも片面に、その軸心から放射状に微細な深さ寸法dの通気溝50bが形成される。また、溝付き部材50には、その外周部に、その内周部の厚み寸法に比べて小さい厚み寸法の薄肉部50cが形成される。また、溝付き部材50には、その外周部に、その軸心に平行な切り欠き溝50dが形成される。それで、そのような溝付き部材50を積み重ねて円筒形状に形成させることによって、溝付き部材50の貫通孔50aが、通気部材5の内孔5a、すなわち通気部材5内の溶融樹脂流路となり、通気溝50bが、通気部材5の内孔5aと通気部材5の外周を連通する通気孔5bとなり、薄肉部50cが、通気孔5bと連通する通気部材5外周面の環状溝5cとなり、そして、切り欠き溝50dが、隣り合う環状溝5c同士を連通させる通気部材5外周面の連通溝5dとなる。なお、通気溝50bや切り欠き溝50dは、等間隔に複数個を形成されても良く、少なくとも1個ずつ形成されると良い。また、通気溝50bや薄肉部50cや切り欠き溝50dの断面形状は、図の形状に限定されるものではない。
【0033】
特に、通気孔5bは、重ねられる溝付き部材50の表面に有する微細な深さ寸法dの通気溝50b内の空間によって形成される。そのため、通気孔5bは、通気溝50bを加工するだけなので加工が非常に容易である。したがって、その通気孔5bは、溶融樹脂が侵入して目詰まりしないように、通気部材5の内孔5a側の開口5ba(50ba)の面積を微細な開口面積に加工することも非常に容易に行える。また、通気溝50bの深さ寸法dを貫通孔50a側の開口50baを浅くして、徐々に溝付き部材50の外周部に向かって深くするなど、その開口部50ba(5ba)のみを微細にすることもできる。そして、溝付き部材50の枚数を増やせば、通気部材5を簡単に延長することができる。さらには、万一、目詰まりした場合でも、通気部材5を分解し、溝付き部材50表面の通気溝50bから詰まった樹脂材料を簡単に取り除くことができる。
【0034】
そのような溝付き部材50が積み重ねられて形成された通気部材5は、射出装置1内の溶融樹脂流路の一部として、その流路と同心の円柱形状に形成された空所60aに挿嵌される。そのため、通気部材5を形成する溝付き部材50は、空所60a内で軸心位置がずれることなく設置できる。そして、空所60aの内周面であって、通気部材5外周の環状溝5cの少なくとも1つが面する箇所と、射出装置1外部とが、少なくとも1つのガス抜き孔60bで連通される。したがって、すべての通気孔5bは、通気部材5外周の環状溝5cおよび連通溝5dを経由してガス抜き孔60bに連通される。なお、通気部材5外周の環状溝5cや連通溝5dの変わりに、空所60aの内周面に通気孔5bとガス抜き孔60bを連通するような溝が形成されても良い。
【0035】
上記のようなガス抜き手段を有する射出装置1では、溶融樹脂の流路に存在するガスを、その流路途中に開口する通気孔5bから、通気部材5外周の環状溝5cと連通溝5dを経由して、最終的にガス抜き孔60bを通して射出装置1の外部に排出させることができる。そのガス抜き孔60bには、射出装置1の外部側開口に、真空源などのガス吸引装置(図示省略)を接続しても良い。なお、通気部材5は、上記実施態様に限定されずに、通気孔5bとなる微細な連通孔が既に分散され形成された多孔質性材料を加工することで、内孔5aを有する円筒形状に形成されたものを採用しても良い。また、通気部材5は、上記で説明された形状に限定されない。また、その内孔5aやその通気孔5bは、図の形状に限定されない。
【0036】
図では、通気部材5を空所60aに挿嵌させ、その上から蓋部材61で蓋をして一体にしたガス抜きシリンダ60を、可塑化シリンダ20と連結部材4との間または連結部材4と射出部3との間に着脱可能に備えて、ガス抜き手段をもたない射出装置にも簡単に取り付け可能な態様を示している。ガス抜きシリンダ60は、通気部材5を挿嵌する底付きの円柱形状の空所60aと、その空所60aの内周面に開口させてガス抜きシリンダ60外部と連通させるガス抜き孔60bと、その空所60aの底面に開口させて、その空所60aと同心の貫通孔60cすなわち溶融樹脂流路とを備える。蓋部材61は、軸心に溶融樹脂流路となる貫通孔61aを形成させてある。また、蓋部材61は、上記実施態様のように空所60aの中で重なり合う溝付き部材50を押し込むようにして、溝付き部材50同士の密着を強めて、溝付き部材50同士が当接する面から溶融樹脂が洩れないようにする役割も担う。なお、実施例に限定されるものではなく、可塑化シリンダ20または連結部材4自体に、通気部材5を挿嵌する空所60aおよびガス抜き孔60bを直接形成しても構わない。
【0037】
そのような射出装置1では、可塑化スクリュ21先端の前方から、連通路4aを介して、連通路32aの射出部3側の開口32bまでの間の溶融樹脂が存在する流路途中にガス抜き手段が配置されて、その溶融樹脂の流路に存在するガスが射出装置1外部に排出される。可塑化シリンダ20内の可塑化スクリュ21の回転によって可塑化溶融されるとともに前方に送り出される溶融樹脂は、連通路4a、32aを介して、前進限位置にあった射出プランジャ31を後退させながら射出シリンダ30内に供給され、射出プランジャ31の後退する距離によって計量される。そのため、その射出装置1では、射出シリンダ30内に溶融樹脂が供給される際に、ガスが一緒に入り込むことが防止されるので、ばらつきのない精密な計量が実現される。
【0038】
また、その射出装置1では、可塑化スクリュ21の回転によって送り出される溶融樹脂が、前進方向の背圧を付与された射出プランジャ31を後退させながら射出シリンダ30内に供給される。それで、可塑化スクリュ21の回転速度および回転トルクと、射出プランジャ31の前進方向の圧力である背圧とを協同させて制御することにより、ガス抜き手段の通気部材中を流動する溶融樹脂に適当な圧力を付与することが可能となる。そのため、通気部材5の通気孔5bに溶融樹脂が侵入するのを抑制しながらも、溶融樹脂中に気泡となって存在するガスを、通気部材5中の流路つまり内孔5aの内周面に導き、通気孔5bから排出させることが可能になる。
【0039】
上記の射出装置1では、ガス抜き手段が、逆流防止手段の位置に対して、可塑化部2側の位置に備えられるとなお良い。なぜなら、スクリュプリプラ式射出装置1では、逆流防止手段によって、可塑化部2と射出部3を連通する連通路4a、32aを遮断した状態で射出が行われるので、その逆流防止手段よりも可塑化部2側の流路に存在する溶融樹脂に射出圧力が付与されないからである。そのため、射出圧力のような大きな圧力を通気孔5bの開口5baに面する溶融樹脂に付与させないようにして、通気孔5bに溶融樹脂が侵入して目詰まりすることをさらに防止することが可能となる。
【0040】
例えば、可塑化スクリュ21を僅かに前進させて連通路4aの開口4bを閉塞させる逆流防止手段を備えたスクリュプリプラ式射出装置1では、ガス抜き手段が可塑化シリンダ20と連結部材4との間に備えられる(図1)。そのため、可塑化スクリュ21には、そのスクリュ21先端から前方に突き出すようにして、そのスクリュ21と同心の縮径部21bが備えられる。ちなみに、その縮径部21bは、通常の可塑化スクリュ先端21の前方(図3と図5参照)、つまりは、そのスクリュ21が2ゾーンの場合は圧縮ゾーンより前方、そのスクリュ21が3ゾーンの場合は計量ゾーンより前方に位置する。
【0041】
その縮径部21bは、通気部材5の軸心に形成された内孔5aに、その内孔5aの内周面と縮径部21bの外周面との間に隙間5eを余すようにして挿入される。そして、その縮径部21b先端の前方に連通路4aの開口4bが形成される。それに合わせて通気部材5は、その内孔5aを、縮径部21bが隙間5eを余して挿入できる内径寸法に形成される。そのため、その内孔5aの内周面は、その面積を広く形成できるので、通気孔5bの開口5baをより多数形成することが可能となる。なお、その縮径部21bの外周には、図のようにフライト21aなどが無くても良いし、図示を省略するがフライト21aや多数の凸状突起などが形成されても良い。その縮径部21bの外周にフライト21aや多数の凸状突起などが形成される場合には、通気部材5の内孔5aと縮径部21bの間の隙間5eを通過中の溶融樹脂をより撹拌させることができるとともに、その撹拌による溶融樹脂の流動で、ガスを通気孔5bの開口5baに導いて、ガスの排出効率を向上させることもできる。
【0042】
そのような可塑化部2を備える射出装置1において、ホッパ7から供給された樹脂材料は、可塑化スクリュ21の回転による剪断発熱とバンドヒータによる加熱とによって可塑化溶融され、そのスクリュ21の回転によって押し出されて、そのスクリュ21先端の縮径部21bと通気部材5の内孔5aとの間の隙間5eを通り、そして、連通路4a、32aを通って射出シリンダ30のシリンダ孔30a内に送られる。このとき、逆止駆動装置23は、送り出される溶融樹脂に作用する圧力により可塑化スクリュ21の後退を所定の僅かな距離だけ許容して、可塑化部2側の連通路4aの開口4bを開く。また、送り出された溶融樹脂は、射出プランジャ31を後退させ、その後退量によって計量される。その際、可塑化が完了した溶融樹脂が、縮径部21bと通気部材5の内孔5aの間の隙間5eを、薄く伸ばされるようにして流動して、溶融樹脂中に気泡となって存在するガスが、通気部材5の通気孔5bに導かれて、射出装置1外部に排出される。
【0043】
溶融樹脂の計量のあと、射出プランジャ31が前進して、その溶融樹脂を射出シリンダ30先端の射出ノズル33から図示省略された金型装置のキャビティに充填する射出が行われる。このとき、逆止駆動装置23が可塑化スクリュ21を僅かに前進させて、可塑化部2側の連通路4aの開口4bをそのスクリュ21の縮径部21bの先端で閉じることによって、逆流防止が行われるので、通気部材5中の溶融樹脂に射出圧力が付与されることはない。したがって、通気部材5の通気孔5bが、射出圧力を付与された溶融樹脂によって目詰まりすることを防止して、長期間にわたって高いガス排出効率を維持することが可能となる。
【0044】
ちなみに、可塑化部2と射出部3とを連通する連通路4aの途中にガス抜き手段を備える場合(図3)には、可塑化スクリュ21の前進による逆流防止手段でなく、連通路4aの途中に設けた円柱状のロータリバルブによる逆流防止手段(図示省略)を備えるようにすれば良い。それで、そのバルブの位置よりも可塑化部2側の連通路4a途中にガス抜き手段を備えるようにすれば、通気部材5の内孔5a内の溶融樹脂に射出の際の射出圧力が付与されない。
【符号の説明】
【0045】
1 スクリュプリプラ式射出装置
2 可塑化部
3 射出部
4 連結部材
4a 連結部材に有する連通路
4b 可塑化シリンダ内に開口した連通路の開口
5 通気部材
5a 通気部材の内孔
5b 通気部材の通気孔
5ba 通気部材の内孔に開口した通気孔の開口
5c 通気部材外周の環状溝
5d 通気部材外周の環状溝を連通する連通溝
5e 通気部材の内孔に可塑化スクリュ先端から前方に突き出した縮径部が挿入された際に、その内孔の内周と縮径部の外周との間に形成される隙間
20 可塑化シリンダ
21 可塑化スクリュ
21b 可塑化スクリュ先端から前方に突き出した縮径部
22 可塑化スクリュの回転駆動装置
23 可塑化スクリュの逆止駆動装置
30 射出シリンダ
31 射出プランジャ
32 ノズルアダプタ
32a ノズルアダプタに有する連通路
32b 射出シリンダ内に開口した連通路の開口
33 射出ノズル
34 射出駆動装置
50 溝突き部材
50a 溝突き部材の貫通孔
50b 溝突き部材の通気溝
50c 溝突き部材の薄肉部
50d 溝突き部材の切り欠き溝
60 ガス抜きシリンダ
60a 空所
60b ガス抜き孔
61 蓋部材
d 通気溝の深さ寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料を可塑化スクリュの回転によってそのスクリュ先端側に送りながら可塑化溶融する可塑化部と、その可塑化部から送られてくる溶融樹脂によって射出プランジャを後退させながら計量したあとそのプランジャを前進させて射出する射出部と、その可塑化部とその射出部とを連通する連通路と、その連通路を開閉させる逆流防止手段とを含むスクリュプリプラ式射出装置において、
前記可塑化スクリュ先端の前方から前記連通路の前記射出部側の開口までの間の溶融樹脂が存在する流路の一部に、その流路となる内孔が部材本体を貫通するように形成されるとともにその内孔の内周面からその部材本体の外周面に向かって通気可能に連通する少なくとも1つの通気孔が形成される通気部材と、その内孔によってその流路を連結するようにその通気部材を前記射出装置内に着脱自在に取り付けるための空所と、その通気部材の外周面またはその空所の内周面に形成されるとともにその通気孔に連通する少なくとも1つの溝と、その溝と前記射出装置外部とを連通する少なくとも1つのガス抜き孔と、を有するガス抜き手段を備えて、
その流路に存在するガスをその射出装置外部に排出させることを特徴とするスクリュプリプラ式射出装置。
【請求項2】
前記ガス抜き手段が、前記逆流防止手段よりも前記可塑化部側の前記溶融樹脂が存在する流路の一部に配置されて、
前記ガスを前記射出装置外部に排出させることを特徴とする請求項1記載のスクリュプリプラ式射出装置。
【請求項3】
前記逆流防止手段が、前記可塑化スクリュ先端からその前方に向かって突き出た縮径部と、その縮径部先端の前方に形成された前記連通路の前記可塑化部側の開口と、そのスクリュを進退させる逆止駆動装置とを含んで、射出の際に、そのスクリュを前進させてその連通路の可塑化部側の開口をその縮径部先端で閉塞させて、その可塑化部側に溶融樹脂が逆流するのを防止し、
前記ガス抜き手段が、その縮径部をその外周に隙間を余して前記内孔に挿入させる前記通気部材を含んで、その縮径部の外周とその通気部材の内孔の内周との間の隙間に溶融樹脂を流動させて、
前記ガスをその通気部材から前記射出装置外部に排出させることを特徴とする請求項2記載のスクリュプリプラ式射出装置。
【請求項4】
前記通気部材が、円盤形状の溝付き部材を整列させて積み重ねられて、隣り合うその溝付き部材を重ね合わせて円筒形状に形成されて、
その溝付き部材が、円盤の軸心に形成された貫通孔と、その円盤の少なくとも片面にその中心から放射状に形成された少なくとも1つの通気溝と、その円盤の外周部に形成された薄肉部と、その円盤の外周部にその軸心に平行に形成された少なくとも1つの切り欠き溝と、を備えることで、
その貫通孔がその通気部材の前記内孔となり、その通気溝がその内孔に開口する前記通気孔となり、その薄肉部がその通気孔に連通するその通気部材外周面の環状溝となり、そして、その切り欠き溝がその環状溝同士を連通するその通気部材外周面の連通溝となって、
前記ガスをその通気部材から前記射出装置外部に排出させることを特徴とする請求項1ないし3記載のスクリュプリプラ式射出装置。
【請求項5】
前記ガス抜き孔の前記射出装置外部側にガス吸引装置が接続されて、前記ガスを前記射出装置外部に排出させることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載のスクリュプリプラ式射出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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