説明

ガス漏洩検査装置

【課題】 歩行しながらハンズフリーでガス漏洩の検知を行うことができるガス漏洩検査装置を提供すること。
【解決手段】 地表面Aに当接して漏洩ガスGを収集する漏洩ガス収集手段10と、該漏洩ガス収集手段10を保持し、検査員の履物Sに取り付けられ、その歩行により漏洩ガス収集手段10を地表面Aに接離するアタッチメント20と、漏洩ガス収集手段10が収集したガスの有無を表示するガス検知手段30とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地中に埋設されたガス管からガス漏れが発生したときに、そのガス漏れ箇所を探索するために用いられるガス漏洩検査装置に関し、特に、検査員の両手が使えるようになる所謂ハンズフリーのガス漏洩検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震や津波、高波等の災害時に、地中に埋設された都市ガス管が損傷し、可燃ガスが漏洩して火災の二次災害となる恐れがある。そのため、災害時には、ガス管の被害状況を迅速に把握する必要がある。
【0003】
そこで、広範な地域を短時間で検査する必要があり、従来は、検査員が漏洩検査を行うに当たり、特許文献1に示すような検査員が手に持って導管図面に沿って移動させる可燃性ガス検知器やカート式あるいは携帯式の可燃性ガス検知器等を用いて、この検知機を移動させてガス漏洩検査を実施している。
【特許文献1】特開平11−23403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、漏洩検査を実施する場合は、上記の検査装置や導管図面等を手に持ちながら行わなければならず、検査員の手の自由度が制限され、記録や移動に時間がかかるという問題がある。
そのため、少なくとも二人の検査員が一組となり漏洩検査を行わなければならず、そのため広範な災害地域を広く分担して漏洩検査を行うことができず、その分、二次災害発生の危険性が増すという大きな問題がある。
また、従来のカート式あるいは携帯式の可燃性ガス検知器等では、接地時間を長く(例えば10秒〜15秒程度)保たなければならず、検査に時間がかかり、広範囲の地域の検査が難しいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、歩行しながらハンズフリーでガス漏洩の検知を、単独で広範囲に行うことができるガス漏洩検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガス漏洩検査装置は、次のような特徴を有する。
(1)地下に埋設されたガス管からのガスの漏洩を検知するガス漏洩検査装置であって、地表面に当接して漏洩ガスを収集する漏洩ガス収集手段と、該漏洩ガス収集手段を保持し、検査員の履物に取り付けられ、その歩行により前記漏洩ガス収集手段を地表面に接離するアタッチメントと、前記漏洩ガス収集手段が収集したガスの有無を表示するガス検知手段と、を備えることを特徴とする。
このガス漏洩検査装置によれば、ガス検査員はその履物にアタッチメントを取り付けてガス漏れ予想箇所を歩行するだけでよく、その際、地図や筆記用具を手に持つことができ、ガス漏れ検査作業が容易になり、単独で検査することができる。
【0007】
(2)(1)に記載のガス漏洩検査装置において、前記漏洩ガス収集手段は、下部開口部を有する逆漏斗状の本体と、該本体内部に設けられ、前記開口部より上方でガス流入口を有する仕切部と、前記ガス流入口を開閉する弁体と、を備えていることを特徴とする。
検査員が歩行すると、アタッチメントとともに漏洩ガス収集手段が地表面と接離を繰り返すが、漏洩ガス収集手段が地表面から離れたときには余分な空気が漏洩ガス収集手段に入り込む。しかし、このガス漏洩検査装置では、漏洩ガス収集手段として、単に逆漏斗状のガス収集部だけでなく、その内部に弁機構を設けるので、仕切部のガス流入口が弁体により開放されているとき(漏洩ガス収集手段が着地状態)は、逆漏斗状の本体の下部開口部から漏洩ガスを吸入し、漏洩ガスをその内部の上方に導入し、仕切部よりさらに上方に漏洩ガスを導入して検知することができる。
【0008】
一方、弁体によりガス流入口が閉じられているとき(漏洩ガス収集手段が地表面から離れている状態)は、余分な空気の吸引を阻止してガスの希釈を防止するとともに、前記導入されたガスの下方への流出を阻止することができ、ガス漏洩の検査精度を高めることができる。
そして、次の一歩で漏洩ガス収集手段が着地したときは、新たなガスが本体に入り込み、前のガスを押し上げるので、これを繰り返すことにより、ガス検知手段にガスが到達するとガス漏洩を知らせるため、数歩戻ってその地域を時間をかけて調査すればよい。
【0009】
(3)(1)に記載のガス漏洩検査装置において、前記弁体は、前記本体内を摺動し、前記ガス流入口に当接・離間して前記ガス流入口を開閉する弁板と、上端が前記弁板に接続され、前記ガス流入口を貫通して、前記アタッチメントが地表面に当接したときに下端が地表面に当接して前記弁板が前記ガス流入口を開いてガスの流入を可能とし、前記アタッチメントが地表面から離間したときに下端が前記下部開口部から突出して前記弁板が前記ガス流入口を閉鎖する弁軸と、を備えていることを特徴とする。
このガス漏洩検査装置によれば、本体の下部開口部が地表面に当接しているときは前記弁軸の下端が地表面により上方に押圧されて前記ガス流入口を開き、漏洩ガスがあるときはそのガスを本体内部に導入し、本体が地表面から離間し、弁軸の下端が地表面より離間すると自動的に弁体が前記ガス流入口を閉じて、本体内への余分な空気の流入を阻止し、かつ吸入ガスの流出を阻止するので、検査精度の向上が図れる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るガス漏洩検査装置によれば、検査員はアタッチメントを履物(靴)に取り付けて、ガス漏洩予想地域を歩行するだけで、地図や記録用紙を手にして検査作業ができるので、検査員の作業負担が軽減でき、単独で広範囲の検査ができるようになり、二次災害の防止に有効に活用することができる。
また、漏洩ガス収集手段として、単に逆漏斗状のガス収集部だけでなく、その内部に弁機構を設けているため、仕切部のガス流入口が弁体により開放されているときは、仕切部よりさらに上方に漏洩ガスを導入して検知することができ、弁体によりガス流入口が閉じられているときは、導入されたガスの下方への流出を阻止するとともに、余分な空気の吸引を阻止してガスの希釈を防止することができ、ガス漏洩の検査精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明に係るガス漏洩検査装置の一の実施の形態について図面を参照して以下に説明する。ここで、図1は、第1の実施の形態のガス漏洩検査装置の平面図であり、図2は、ガス漏洩検査装置の正面面図、図3は側面図である。
【実施例1】
【0012】
本発明に係るガス漏洩検査装置の第1の実施の形態について説明する。ガス漏洩検査装置1は、図1乃至図3に示すように、地表面Aに当接して漏洩ガスを収集する漏洩ガス収集手段10と、漏洩ガス収集手段10を保持し、検査員の履物Sに取り付けられ、検査員の歩行により前記漏洩ガス収集手段10を地表面Aに接離するアタッチメント20と、前記漏洩ガス収集手段10に接続され、漏洩ガス収集手段10が収集したガスGの有無を表示するガス検知手段30と、を備えている。
【0013】
前記漏洩ガス収集手段10は、図4、図5に示すように、下部開口部101を有する逆漏斗状に成形されたMCナイロン製の本体脚部11と、本体脚部11の上部に設けられ、上端にガス流入口131が形成された円筒状の仕切部13と、仕切部13に螺合されるMCナイロン製の本体上部12と、前記ガス流入口131を開閉する弁体15と、を備えている。
本体脚部11は、下端に下部開口部101が設けられ、下部開口部101から上方に円錐形に立ち上がる逆漏斗状のもので、下部開口部101の周囲は後述するアタッチメント21に取り付けるためのボルト孔が複数設けられた脚部11aが形成されている。
【0014】
仕切部13は下端が本体脚部11の上端に接続又は一体成形され、上端に略45°の傾斜面に形成された弁座の機能を有するガス流入口131が設けられた円筒状のもので、本体脚部11の内部の下室103と本体上部12の内部の上室105とを仕切るようになっている。そして、仕切部13の外周面に雄ねじが切られ、本体上部12の内壁12aの下部に切られた雌ねじに螺合して本体脚部11と本体上部12とが接続されるようになっている。
【0015】
本体上部12は、内壁12aの下部が仕切部13に螺合され、上部に後述のコイルバネ17の上端が挿入される凹部12bと、この凹部12bの上端に接続管11cが螺合される連通口12cが設けられている。
そして、凹部12bと弁板151との間にはコイルバネ17が挿入され、常時、弁体15が前記ガス流入口131を閉鎖する方向に付勢している。
【0016】
弁体15は、ガス流入口131に当接・離間して前記ガス流入口131を開閉する円盤状の下面周囲が45°の傾斜に面取りされ、外周が本体上部12の内壁12aを摺動する弁板151と、上端が弁板151の下面に接続され、仕切部13を貫通して、本体111が地表面Aに当接したときに下端が地表面Aに当接して、弁板151がガス流入口131を開いて上室105と下室103とを連通させてガスGの流入を可能とし、本体111が地表面Aから離間したときに下端が下部開口部101から突出して弁板151がガス流入口131を閉鎖して上室105と下室103とを遮断する弁軸153と、を備えている。
【0017】
次に、アタッチメント20は、検査員の履物Sが載せられる面積を有する平板状のベース板21と、ベース板21の前後に左右一対で設けられた二条の長孔22a、22b、23a、23bに、それぞれ挿通されて、検査員の履物Sの前上部を前記ベース板21に緊締する前バンド25と、足首の前側を緊締する後バンド26とを備えている。
【0018】
ベース板21は、MCナイロンの厚板のような軽量で強度のあるもので構成され、左右のいずれか一方には、本体脚部11の下部開口部101と同径の開口孔201が設けられ、その周囲に下面から上面に向けて、本体脚部11の脚部11aに設けられたボルト孔に対応した複数の皿孔が設けられている。
【0019】
前バンド25は、両端に一対のマジックファスナ(商品名)等の接続手段が取り付けられたバンドで、一端部がベース板21の外側の長孔22aから下面に向かって挿入され、内側の長孔22aから上面に出て反対側の内側の長孔22bに下向きに挿入され、外側の長孔22bから上面に出るように巻回され、履物Sを載せてから両端同士を重ねてマジックファスナで緊締することが可能になっている。後バンド26も前バンド25と同様である。なお、ベース板21に設けられている一対の長孔22、23が相隣りあって形成される細板部は、下面が前記バンド25、26の厚さ分だけ薄く形成され、バンド25、26が直接地表面Aに接しないようになっている。
【0020】
次に、ガス検知手段30は、接続パイプ31で漏洩ガス収集手段10の接続管111に接続され、検査員の手元で漏洩ガスの有無やその濃度を表示あるいは音で知らせるものであれば、従来の可燃性ガス検知器が流用できる。
【0021】
次に、以上のように構成されたガス漏洩検査装置1の動作について説明する。図3に示すように、検査員はアタッチメント20のベース板21上に履物Sを載せてバンド25、26により履物Sを緊締する。そして、図6の使用状態を示す概念図に示すように、漏洩ガス収集手段10に接続されたガス検知手段30を手に持って、ガス漏洩予想地域を歩行する。
【0022】
検査員の歩行に伴って、漏洩ガス収集手段10の弁軸153が地表面Aに接地すると、図4に示すように、弁軸153の下端が下部開口部101及び開口部201とともに地表面Aに当接して上方に押圧され、弁体15がコイルバネ17の付勢力に抗して上方に摺動し、弁板151がガス流入口131を開き、上室105と下室103とを連通させる。
そして、地表面Aと下室103、上室105とにより本体111の内部が密室となり、もし、ガスGが漏洩している場合は、点線で示すように、ガスGは空気より軽いので、ガスGが下室103からガス流入口131を通り、上室105に入り、さらに接続管11cから接続パイプ31を通ってガス検知手段30に導入される。
【0023】
次に、検査員の歩行に伴って、漏洩ガス収集手段10の弁軸153が地表面Aから離間すると、図5に示すように、弁体15がコイルバネ17の付勢力により下方に移動して、弁板151がガス流入口131を閉鎖して上室105と下室103とを遮断する。
すると、上室105と下室103とが遮断されているので、下室103内に入っている空気が上室105内には入らず、前述した上室105に入っている漏洩ガスGが余分な空気により薄まることがなく、精度良く漏洩ガスの検知を行うことができる。
なお、このとき、弁軸153の下端は、アッタチメント20の開口孔201より下方に突出して、次の歩行に備えている。
【0024】
次の一歩で漏洩ガス収集手段10の弁軸153が着地したときは、再び弁板151がガス流入口131を開き、新たなガスGあるいは空気が本体111に入り込み、前のガスGを押し上げるので、これを繰り返すことにより、ガス検知手段30にガスGが次々に導入され、ガスGがガス検知手段30に到達するとガス漏洩があることを表示して検査員に知らせる。検査員は数歩戻ってその地域を時間をかけて調査し、その場所を地図上にプロットするとともに、工事部門に連絡して適切なガス漏れ防止工事を実施させる。
【0025】
このように、本実施の形態のガス漏洩検査装置1によれば、地表面Aに当接して漏洩ガスGを収集する漏洩ガス収集手段10と、該漏洩ガス収集手段10を保持し、検査員の履物Sに取り付けられ、その歩行により前記漏洩ガス収集手段10を地表面Aに接離するアタッチメント20と、前記漏洩ガス収集手段10が収集したガスの有無を表示するガス検知手段30とを備えたことにより、検査員がアタッチメント20に履物Sを緊締してガス漏洩予想地域を歩行するだけで、ガス漏れを検知できるので、ハンズフリーとなり、地図や記録用紙を持ちながらガス漏洩検査が可能となり、単独で広範囲な検査が可能となった。
【0026】
また、漏洩ガス収集手段10の内部に弁機構を設けることにより、逆漏斗状の本体111の下部開口部101から漏洩ガスGを吸入し、漏洩ガスGをその内部の上方に導入し、仕切部13のガス流入口131が弁体15により開放されているときは、仕切部13よりさらに上方に漏洩ガスGを導入して検知することができ、一方、弁体15によりガス流入口131が閉じられているときは、前記導入されたガスGの下方への流出を阻止するとともに、余分な空気の吸引を阻止することができ、次の一歩で再び弁体15を押し上げてガス流入口131を開き、ガスGを導入してこれを繰り返すことによりガス検知手段30にガスGを到達させるので、検査員が単独で検査できるようになり、ガス漏洩の検査精度及び検査効率を高めることができる。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明に係るガス漏洩検査装置の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態と同一の部分は同一の符号を付して示し、説明を省略する。
ガス漏洩検査装置4は、図7乃至図9に示すように、地表面Aに当接して漏洩ガスを収集する漏洩ガス収集手段50と、該漏洩ガス収集手段50を保持し、検査員の履物Sに取り付けられ、検査員の歩行により前記漏洩ガス収集手段50を地表面Aに接離するアタッチメント60と、前記漏洩ガス収集手段50に接続され、該漏洩ガス収集手段50が収集したガスGの有無を表示するガス検知手段30と、を備えている。
【0028】
漏洩ガス収集手段50は、図10、図11に示すように、下部開口部501を有する逆漏斗状の本体51と、本体51の内部に設けられ、下部開口部501より上方でガス流入口531を有する仕切部53と、ガス流入口531を開閉する弁体55と、を備えている。
本体51は、下端に下部開口部501が設けられ、該下部開口部501から上方に円錐形に立ち上がる逆漏斗状のもので、上端にはガス検知手段30に接続パイプ31を介して接続されるように小径の接続管511が設けられている。
【0029】
そして、本体51の内部の、下部開口部501より上方には、この本体51内部を上室505と下室503に仕切るように仕切部53が設けられている。仕切部53の中心部には、図12に示すように、後述する弁体55の弁軸553が上下に摺動するのを可能にする摺動孔535と、該摺動孔535に波形あるいは星形に外周に広がり、弁体55の上下摺動により開閉されるガス流入口531が設けられている。
【0030】
弁体55は、ガス流入口531に当接・離間して前記ガス流入口531を開閉する円盤状の弁板551と、上端が弁板551の下面に取り付けられ、仕切部53の摺動孔535を貫通して摺動し、本体51が地表面Aに当接したときに下端が地表面Aに当接して、弁板551がガス流入口531を開いて上室505と下室503とを連通させてガスGの流入を可能とし、本体51が地表面Aから離間したときに下端が下部開口部501から突出して弁板551がガス流入口531を閉鎖して上室505と下室503とを遮断する摺動軸553と、を備えている。
【0031】
弁板551は、波形のガス流入口531の最大径より大きな外径を有する厚板製円盤状のものである。弁板551の下面に取り付けられた弁軸553は、弁板551が仕切り板53の上面に当接してガス流入口531を閉じたときに、下端が下部開口部501から突出する長さの棒状のものである。
弁軸553の下端と弁板551の下面との間の所定の位置には、ワッシャ555が固定されている。
そして、仕切部53の下面とワッシャ555との間の、弁軸553の周囲にはコイルバネ17が挿入され、常時、弁体55が前記ガス流入口531を閉鎖する方向に付勢している。
【0032】
次に、アタッチメント60は、検査員の履物Sが載せられる面積を有する平板状のベース板61と、該ベース板61の下面に取り付けられ地表面Aを踏むプロテクタ63と、ベース板61の上面に取り付けられ、検査員の履物Sの前上部を前記ベース板61に緊締する前バンド65と、足首の前側を緊締する中バンド66と、踵側を緊締する後バンド67とを備えている。
【0033】
ベース板61は、例えばアルミ厚板のような軽量で強度のあるもので構成され、左右のいずれか一方は、上方に向かう傾斜面601が形成され、傾斜面601に続いて略水平な取付面603が形成されている。
この取付面603の前後方向略中央には、半円形の切欠605が形成され、この切欠605に前述した漏洩ガス収集手段50の本体51が、クッション材等を介して適宜の接続手段で取り付けられている。
ベース板61への本体51の取り付け高さは、プロテクタ63が地表面に接地したときに、本体51の下部開口部501が略同時に接地する高さとする。
【0034】
プロテクタ63は、検査員の体重を支えることができ、かつ、検査員が歩行するときのクッションとなるような硬質ゴム等の材質で成形された略長方形のもので、この実施の形態では、ベース板61の下面の、前後左右に4個取り付けられている。
したがって、プロテクタ63が検査員の体重等で圧縮されたときや、地表面が傾斜していてベース板61と本体51との高さにわずかな差や傾斜があるときに、この差を吸収するために、前述したようにベース板61と本体51との間にクッション材を介して取り付けておくことが望ましい。
【0035】
前、中、後バンド65、66、67は、途中で左右に分かれた2本構成で、それぞれの端部がベース板61にかしめ等により固定され、自由端にマジックファスナ(商品名)等の接続手段が取り付けられていて、履物Sを載せてから左右のバンドで緊締することが可能になっている。
【0036】
次に、ガス検知手段30は、前記第1の実施の形態のものと同一である。
そして、この第2の実施の形態のガス漏洩検査装置4の動作も第1の実施の形態のものと同一である。
したがって、前記第1の実施の形態のものと同一の効果が得られる。
【0037】
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では、アタッチメントを平板状のものにして履物を載せ、そのアタッチメントに漏洩ガス収集手段を取り付けるようにしたが、これに限られず、例えば長靴に直接漏洩ガス収集手段を取り付けるようにすることも可能である。要するに、履物に漏洩ガス収集手段を取り付けて歩行ができる構造であればよい。
また、漏洩ガス収集手段やアタッチメントがMCナイロンを成形したもので説明したが、ステンレス等の金属製でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の、漏洩ガス収集手段が着地した状態の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の、漏洩ガス収集手段が地表面から離れた状態の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るガス漏洩検査装置を使用している状態の概念図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の平面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の側面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の、漏洩ガス収集手段が着地した状態の断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の、漏洩ガス収集手段が地表面から離れた状態の断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るガス漏洩検査装置の、ガス流入口の平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1、4 ガス漏洩検査装置
10、50 漏洩ガス収集手段
101 下部開口部
111 本体
11 本体脚部
11a 脚部
12 本体上部
12a 内壁
12b 凹部
12c 連通口
11c 接続管
13 仕切部
131 ガス流入口
15 弁体
151 弁板
153 弁軸
17 コイルバネ
20 アタッチメント
201 開口孔
21 ベース板
25、26 バンド
30 ガス検知手段
31 接続パイプ
A 地表面
G 漏洩ガス
S 履物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に埋設されたガス管からのガスの漏洩を検知するガス漏洩検査装置であって、
地表面に当接して漏洩ガスを収集する漏洩ガス収集手段と、
漏洩ガス収集手段を保持し、検査員の履物に取り付けられ、その歩行により前記漏洩ガス収集手段を地表面に接離するアタッチメントと、
前記漏洩ガス収集手段が収集したガスの有無を表示するガス検知手段と、
を備えたガス漏洩検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のガス漏洩検査装置において、
前記漏洩ガス収集手段は、下部開口部を有する逆漏斗状の本体と、
本体内部に設けられ、前記下部開口部より上方でガス流入口を有する仕切部と、
本体内部を摺動し、前記ガス流入口を開閉する弁体と、
を備えていることを特徴とするガス漏洩検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載のガス漏洩検査装置において、
前記弁体は、前記本体内を摺動し、前記ガス流入口に当接・離間して前記ガス流入口を開閉する弁板と、
上端が前記弁板に接続され、前記ガス流入口を貫通して、前記アタッチメントが地表面に当接したときに下端が地表面に当接して前記弁板が前記ガス流入口を開いてガスの流入を可能とし、前記アタッチメントが地表面から離間したときに下端が前記下部開口部から突出して前記弁板が前記ガス流入口を閉鎖する弁軸と、
を備えていることを特徴とするガス漏洩検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−276069(P2009−276069A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124636(P2008−124636)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】