説明

ガス濃度検出装置

【課題】 センサ特性によって変動するCO2濃度を補正する。
【解決手段】 光を発する光源10と、光を受光面にて受光すると共に、光の強度に応じたレベルの電気信号を発生させる第1およびIRセンサ21、22と、第2IRセンサ22の受光面上に配置され、CO2ガスの光吸収波長を含む光を通過させるCO2濃度依存フィルタ30と、第2IRセンサ22の起電圧を第1IRセンサ21の起電圧で割り算した値を電圧比とし、この電圧比を算出する比較部40と、を備えている。そして、温度センサ51および湿度センサ52にて第1IRセンサ21の温度および湿度を検出する。補正部60は、センサ特性として第1IRセンサ21における起電圧の温度特性および湿度特性を有し、第1IRセンサ21の起電圧、温度、湿度、そして起電圧の温度特性および湿度特性に基づき、電圧比の値を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CO2(二酸化炭素)ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、大気中のガス濃度、特に、CO2濃度を検出するガス濃度検出装置が知られている。図3は、従来のガス濃度検出装置のブロック構成図である。ガス濃度検出装置は、赤外光を含む光を発する光源10と、入射する赤外光の強度に応じて起電圧を発生し、この起電圧を電圧信号として出力する第1および第2IRセンサ21、22と、所定の波長のみを通過させるバンドパスフィルタで構成されるCO2濃度依存フィルタ30と、第1および第2IRセンサ21、22から出力される電圧信号の比を求める比較部40と、を備えて構成されている。
【0003】
このCO2濃度依存フィルタ30は、図3に示されるように、例えば第2IRセンサの受光面に対向する位置に配置されている。また、このCO2濃度依存フィルタ30は、CO2ガスの光吸収波長とほぼ同じ波長の光を通過させるようになっている。
【0004】
上記のようなガス濃度検出装置にCO2が導入されると、CO2ガスが光源10から発せられる光において特定の波長の光を吸収する。これに伴い、CO2濃度依存フィルタ30を通過する光の強度が低下する。したがって、第2IRセンサ22に生じる起電圧が低下する。この第2IRセンサ22の起電圧をモニタすることにより、装置内部に導入されるCO2濃度を検出することができる。
【0005】
さらに、比較部40において、第1IRセンサ21の起電圧をリファレンスとして、第2IRセンサ21起電圧を第1IRセンサ21の起電圧で割り算することで比(以下、電圧比という)を求める。これにより、光源10から発せられる光の強度の変動に依存しないCO2濃度を得ることができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、第1および第2IRセンサ21、22のセンサ特性、例えば起電圧の温度特性の影響が考慮されていない。すなわち、各センサ21、22がさらされる環境に伴い、それぞれのセンサ21、22に発生する起電圧が変動してしまうという問題が生じる。それにより、比較部40にて得られる電圧比も変動してしまい、正確なCO2濃度を得られない可能性が生じる。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、センサ特性によって変動するCO2濃度を補正することができるガス濃度検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空気中に含まれるCO2ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置であって、光を発する光源(10)と、受光面が光源に対向するように配置され、光を受光面にて受光すると共に、光の強度に応じたレベルの電気信号を発生させる第1のセンサ(21)および第2のセンサ(22)と、第2のセンサの受光面上に配置され、CO2ガスの光吸収波長を含む光を通過させた後にその光を第2のセンサに導くフィルタ(30)と、第1のセンサの電気信号と第2のセンサの電気信号とに基づき、CO2ガスの濃度を示すパラメータを算出する比較部(40)と、第1のセンサの温度を検出する温度検出部(51)と、パラメータおよび温度を入力すると共に、この温度を用いてパラメータを補正する補正部(60)と、を有することを特徴としている。
【0009】
このように、CO2ガスの濃度を示すパラメータを、第1のセンサの温度を用いて補正する。これにより、得られるCO2ガスの濃度を温度に依存しない値とすることができる。このようにして、CO2ガス濃度を補正することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、比較部は、パラメータとして第2のセンサの電気信号を第1のセンサの電気信号で割り算した値となる信号比を算出し、補正部は、センサ特性として第1のセンサにおける電気信号の温度特性を有し、第1のセンサの電気信号、信号比、および温度を入力すると共に、第1のセンサの電気信号、温度、そして電気信号の温度特性に基づき、信号比を補正するようになっていることを特徴としている。
【0011】
このように、第2のセンサの電圧信号を第1のセンサにて割る。これにより、光源から発せられる光の強度の変動に依存しないCO2濃度を得ることができる。そして、第1のセンサの温度を測定し、この温度と第1のセンサの電気信号とを補正部に入力している。これにより、補正部にて信号比を第1のセンサの電気信号の温度特性に応じた値(すなわち、CO2濃度)に補正することができる。したがって、センサ特性、特に温度特性の影響を考慮した、より正確なCO2濃度を得ることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、空気中に含まれるCO2ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置であって、光を発する光源(10)と、受光面が光源に対向するように配置され、光を受光面にて受光すると共に、光の強度に応じたレベルの電気信号を発生させる第1のセンサ(21)および第2のセンサ(22)と、第2のセンサの受光面上に配置され、CO2ガスの光吸収波長を含む光を通過させた後にその光を第2のセンサに導くフィルタ(30)と、第1のセンサの電気信号と第2のセンサの電気信号とに基づき、CO2ガスの濃度を示すパラメータを算出する比較部(40)と、第1のセンサ近傍の湿度を検出する湿度検出部(52)と、パラメータおよび湿度を入力すると共に、この湿度を用いてパラメータを補正する補正部(60)と、を有することを特徴としている。
【0013】
このように、CO2ガスの濃度を示すパラメータを、第1のセンサ近傍の湿度を用いて補正する。これにより、得られるCO2ガスの濃度を湿度に依存しない値とすることができる。このようにして、CO2ガス濃度を補正することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、比較部は、第2のセンサの電気信号を第1のセンサの電気信号で割り算した値となる信号比を算出し、補正部は、センサ特性として第1のセンサにおける電気信号の湿度特性を有し、第1のセンサの電気信号、信号比、および湿度を入力すると共に、第1のセンサの電気信号、湿度、そして電気信号の湿度特性に基づき、信号比を補正するようになっていることを特徴としている。
【0015】
このように、第1のセンサがさらされる湿度を検出する。これにより、信号比を湿度にて補正することができ、湿度に依存しないCO2濃度を得ることができる。
【0016】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下では、図3に示す構成要素と同一のものには、同一符号を記してある。また、限定するものではないが、本発明の一実施形態に係るガス濃度検出装置は、車両の車室内に設置され、車室内のガス濃度、特にCO2濃度を検出するものである。
【0018】
図1は、ガス濃度検出装置のブロック構成図である。図1に示されるように、ガス濃度検出装置は、光源10と、第1IRセンサ21と、第2IRセンサ22と、CO2濃度依存フィルタ30と、比較部40と、温度センサ51と、湿度センサ52と、補正部60と、を備えて構成されている。
【0019】
光源10は、光、特に赤外光を発するものである。この光源10は、赤外光を発するものであれば良く、例えばランプが採用される。
【0020】
第1および第2IRセンサ21、22は、赤外光を検出する周知の光センサである。これら各センサ21、22は、例えば半導体基板に形成された半導体素子を受光面として構成される。このような各センサ21、22においては、その受光面が光源10に対向するように配置されると共に受光面に入射する赤外光の強度に応じた起電圧を発生させ、この起電圧を電圧信号として出力する。
【0021】
なお、本実施形態では、第1および第2IRセンサ21、22において、同じセンサ特性を有するものを用いることとする。また、第1IRセンサ21は本発明の第1のセンサ、第2IRセンサ22は本発明の第2のセンサに相当する。
【0022】
また、上記のように、本実施形態では、2つのIRセンサが用いられる。このうち、第1IRセンサ21は、電圧比を算出する際のリファレンス(参照電圧)としての起電圧を出力する。これは、光源10から発せられる光の強度が常に一定ではないため、後述する電圧比の値が常に光源10の光の強度に依存しない値となるようにするためである。また、第2IRセンサ22は、CO2濃度を検出する役割を果たすものであり、CO2濃度に応じた起電圧を発生する。
【0023】
CO2濃度依存フィルタ30は、所定の波長の光のみを通過させる、いわゆるバンドパスフィルタである。本実施形態では、所定の波長とは、すなわち、CO2ガスの光吸収波長である。また、CO2濃度依存フィルタ30は、図1に示されるように、第2IRフィルタ22の受光面に対向する位置に配置される。なお、CO2濃度依存フィルタ30は、本発明のフィルタに相当する。
【0024】
比較部40は、第1および第2IRフィルタ21、22からそれぞれ入力される電圧信号の比、すなわち電圧比(信号比)を算出するものである。本実施形態では、比較部40は、第1IRフィルタ21にて検出される起電圧をリファレンス(基準)とする。この電圧比が、CO2ガスの濃度を示すパラメータとなる。上述のように、CO2濃度が上昇すると、第2IRセンサ22に生じる起電圧が低下する。したがって、電圧比が1に近いほどCO2濃度は低く、電圧比が0に近いほど、CO2濃度が高いと言える。
【0025】
温度センサ51は、第1および第2IRセンサ21、22がさらされる温度を測定するものであり、例えばサーミスタを備えて構成される。つまり、温度センサ51は、温度によってサーミスタに生じる起電圧を測定し、この起電圧を温度に変換して出力する。なお、温度センサ5は、本発明の温度検出部に相当する。
【0026】
湿度センサ52は、第1および第2IRセンサ21、22がさらされる湿度を測定するものであり、例えばコンデンサを備えて構成される。湿度センサ52は、コンデンサが湿気を吸収するとその容量が変化することを利用したものであり、この容量の変化を検出すると共にこの容量を湿度に変換して出力する。なお、コンデンサは水分を失うと元の容量に戻る。また、湿度センサ52は、本発明の湿度検出部に相当する。
【0027】
補正部60は、比較部40から入力される電圧比を補正して本装置のセンサ出力として出力するものであり、補正回路やメモリを備えた構成となっている。このメモリには、第1IRセンサ21のセンサ特性に応じて電圧比を補正する補正パラメータが記憶されている。そして、補正部60は、入力される温度および湿度の値、そして第1IRセンサ21の起電圧から補正パラメータを決定し、この補正パラメータを用いて補正回路にて電圧比を補正する。
【0028】
具体的には、あらかじめ第1IRセンサ21のセンサ特性、すなわち、起電圧の温度特性および湿度特性を調べておく。そして、上記温度センサ51および湿度センサ52にて検出される温度および湿度の値に基づき、第1IRセンサ21の起電圧の温度特性および湿度特性に応じた補正パラメータを設定する。こうして設定された補正パラメータを上記補正部60のメモリにあらかじめ記憶しておく。
【0029】
図2は、CO2濃度(すなわち電圧比)に対するセンサ出力を示した図である。図2に示されるように、CO2濃度とセンサ出力との間には、上記補正パラメータによって比例関係が結ばれている。この比例関係を表す線形直線は、上述のように、温度および湿度によって決まる補正パラメータに基づき設定されるものであり、装置が製造される際に、あらかじめメモリに記憶される。
【0030】
したがって、比較部40にて算出された電圧比(CO2濃度)を、温度および湿度によって決まる補正パラメータにて補正することにより、センサ特性を考慮した電圧比、言い換えると温度および湿度に依存しない電圧比をセンサ出力とすることができる。
【0031】
このように、補正部60は、上記第1IRセンサ21、温度センサ51、湿度センサ52からの信号を入力すると共に、メモリに記憶された補正パラメータに基づき、比較部40から入力される電圧比を補正回路にて補正する。
【0032】
以上が、ガス濃度検出装置の構成である。ガス濃度検出装置は、例えばCO2導入口および排出口が設けられたケース内に光源10、第1および第2IRセンサ21、22、CO2濃度依存フィルタ30、温度センサ51、湿度センサ52がそれぞれ所定の位置に設置され、ケースの外部に比較部40、補正部60が配置された状態となっている。
【0033】
続いて、本装置の作動について説明する。まず、光源10から光が発せられると共に本装置内部に空気が導入される。そして、第1および第2IRセンサ21、22にそれぞれ光源10から発せられる赤外光の強度に応じた起電圧が発生し、その起電圧が電圧信号としてそれぞれ出力される。
【0034】
具体的には、第1IRフィルタ21においては、光源10から発せられる光、特に赤外光の強度に応じた起電圧を発生し、この起電圧が電圧信号として比較部40および補正部60にそれぞれ出力される。
【0035】
また、本装置内部に導入される空気中のCO2濃度が上昇すると、光源10から発せられる光において特定の波長の光がCO2ガスに吸収される。このため、CO2濃度依存フィルタ30に入射される光の強度が低下し、第2IRフィルタ22に生じる起電圧が低下する。したがって、第2IRフィルタ22においては、本装置内部に導入されたCO2濃度に依存した起電圧が発生し、この起電圧に応じた電圧信号が比較部40に出力される。
【0036】
そして、比較部40に第1および第2IRフィルタ21、22からそれぞれ電圧信号が入力されると、この比較部部40にて電圧比が算出される。この電圧比は、第2IRセンサ22の電圧信号を、第1IRセンサ21の電圧信号にて割り算することで算出される。このように、第1IRセンサ21の電圧信号にて割り算を行うことで、光源10から発せられる光の強度の変動に依存することなく、CO2濃度を算出することができる。こうして算出された電圧比は補正部60に出力される。
【0037】
また、温度センサ51および湿度センサ52にて、温度、湿度がそれぞれ検出され、補正部60にそれぞれ出力される。したがって、補正部60には、比較部40から電圧比が入力されると共に、第1IRセンサ21、温度センサ51、湿度センサ52から起電圧、温度、湿度がそれぞれ入力される。
【0038】
補正部60に入力される電圧比は、第1および第2IRセンサ21、22のセンサ特性を考慮した値になっていない。このため、この補正部60にて電圧比がセンサ特性に応じた値にトリミング(調整)される。具体的には、補正部60に入力される温度および湿度の各値から、補正部60のメモリに記憶されている補正パラメータが決定される。そして、補正回路において、図2に示される補正がなされる、すなわち、温度および湿度によって決まる補正パラメータにて電圧比が補正される。
【0039】
こうして補正された電圧比がセンサ特性を考慮したセンサ出力(すなわち、CO2濃度)として、補正部60から本装置の外部、例えばECU等に出力される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、補正部60にてセンサ特性、特に起電圧の温度特性および湿度特性の影響を低減する補正を行っている。すなわち、第1IRセンサ21の温度および湿度を測定し、この温度および湿度と第1IRセンサ21の起電圧とを補正部60に入力している。これにより、補正部60にて第1IRセンサ21の起電圧の温度特性および湿度特性に応じた電圧比(すなわち、CO2濃度)に補正することができる。したがって、センサ特性、特に起電圧の温度特性および湿度特性の影響を考慮した、より正確なCO2濃度を得ることができる。
【0041】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、第1IRセンサ21における温度特性および湿度特性に基づき、補正を行っているが、起電圧の温度特性のみの補正を行っても良い。同様に、湿度の温度特性のみの補正を行っても良い。また、上記実施形態の起電圧の温度特性および湿度特性を考慮する補正に加えて、例えば起電圧の気圧特性を考慮した補正を行っても良い。このような補正により、第1IRセンサ21がさらされる環境に影響されない電圧比、つまりより正確なCO2濃度を得ることができる。
【0042】
なお、センサ特性とは、温度特性、湿度特性、そして気圧特性に限るものではなく、各センサ21、22が有するあらゆる特性を指すものとし、上記実施例では、そのセンサ特性のうちの温度特性および湿度特性を考慮した補正を行っているにすぎない。したがって、上記以外のセンサ特性によって補正を行うようにしても良いことは言うまでもない。
【0043】
上記第1実施形態では、光源10から発せられる光を検出するものとして、第1および第2IRセンサ21、22を採用しているが、赤外光を検出するセンサに限るものではない。すなわち、赤外光以外の波長の光を検出するセンサでも構わない。
【0044】
上記第1実施形態では、第1および第2IRセンサ21、22をそれぞれ別体として構成しているが、一枚の半導体基板上に第1および第2IRセンサ21、22を形成することで、一体としても良い。
【0045】
上記第1実施形態では、CO2濃度依存フィルタ30としてバンドパスフィルタを採用していたが、CO2の光吸収波長を含むハイパスフィルタやローパスフィルタを採用しても構わない。
【0046】
第1実施形態では、補正部60は、補正回路を備えた構成となっているが、マイクロコンピュータやロジック回路で構成されても構わない。
【0047】
上記第1実施形態では、空気中に含まれるCO2ガスの濃度を検出しているが、CO2ガス以外のガスを検出することも可能である。この場合、CO2濃度依存フィルタ30の通過波長を検出したいガスの光吸収波長に合わせることで実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るガス濃度検出装置のブロック構成図である。
【図2】CO2濃度に対するセンサ出力を示した図である。
【図3】従来のガス濃度検出装置のブロック構成図である。
【符号の説明】
【0049】
10…光源、21…第1IRセンサ、22…第2IRセンサ、
30…CO2濃度依存フィルタ、40…比較部、51…温度センサ、
52…湿度センサ、60…補正部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気中に含まれるCO2ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置であって、
光を発する光源(10)と、
受光面が前記光源に対向するように配置され、前記光を前記受光面にて受光すると共に、前記光の強度に応じたレベルの電気信号を発生させる第1のセンサ(21)および第2のセンサ(22)と、
前記第2のセンサの受光面上に配置され、前記CO2ガスの光吸収波長を含む光を通過させた後にその光を前記第2のセンサに導くフィルタ(30)と、
前記第1のセンサの電気信号と前記第2のセンサの電気信号とに基づき、前記CO2ガスの濃度を示すパラメータを算出する比較部(40)と、
前記第1のセンサの温度を検出する温度検出部(51)と、
前記パラメータおよび前記温度を入力すると共に、この温度を用いて前記パラメータを補正する補正部(60)と、を有することを特徴とするガス濃度検出装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記パラメータとして前記第2のセンサの電気信号を前記第1のセンサの電気信号で割り算した値となる信号比を算出し、
前記補正部は、センサ特性として前記第1のセンサにおける電気信号の温度特性を有し、前記第1のセンサの電気信号、前記信号比、および前記温度を入力すると共に、前記第1のセンサの電気信号、前記温度、そして前記電気信号の温度特性に基づき、前記信号比を補正するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度検出装置。
【請求項3】
空気中に含まれるCO2ガスの濃度を検出するガス濃度検出装置であって、
光を発する光源(10)と、
受光面が前記光源に対向するように配置され、前記光を前記受光面にて受光すると共に、前記光の強度に応じたレベルの電気信号を発生させる第1のセンサ(21)および第2のセンサ(22)と、
前記第2のセンサの受光面上に配置され、前記CO2ガスの光吸収波長を含む光を通過させた後にその光を前記第2のセンサに導くフィルタ(30)と、
前記第1のセンサの電気信号と前記第2のセンサの電気信号とに基づき、前記CO2ガスの濃度を示すパラメータを算出する比較部(40)と、
前記第1のセンサ近傍の湿度を検出する湿度検出部(52)と、
前記パラメータおよび前記湿度を入力すると共に、この湿度を用いて前記パラメータを補正する補正部(60)と、を有することを特徴とするガス濃度検出装置。
【請求項4】
前記比較部は、前記第2のセンサの電気信号を前記第1のセンサの電気信号で割り算した値となる信号比を算出し、
前記補正部は、センサ特性として前記第1のセンサにおける電気信号の湿度特性を有し、前記第1のセンサの電気信号、前記信号比、および前記湿度を入力すると共に、前記第1のセンサの電気信号、前記湿度、そして前記電気信号の湿度特性に基づき、前記信号比を補正するようになっていることを特徴とする請求項3に記載のガス濃度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−38721(P2006−38721A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221076(P2004−221076)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】