説明

ガス調整設備

本発明の目的は、ガスストーブがうまく始動してしまえば、ガスストーブの動力消費を可能な限り少なくするために、主バーナーがオフ位置にあるとき口火バーナーをオフ位置に切り換えるガス調整設備を製作することである。また、本発明の目的は、可能な限り単純な構造を有するガス調整設備を提供することである。このため、ガス調整設備は、主バーナー(33)の稼動状態を検知できるセンサー(34)からなる。センサー(34)は熱電式の安全口火バルブ(17)と接続され、主バーナー(33)の稼動状態がセンサー(34)で発生した信号によってオン位置からオフ位置に切り換えられると、熱電式の安全口火バルブ(17)はその閉鎖位置を採るようになる。ガス調整設備は、点火し且つバーナーに流れるガス流れを調整するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に係るガスストーブ用などのガス調整設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスストーブ用などのガス調整部品には、多くの異なるタイプがある。これらの機能は、バーナーに流れ込むガス流れを点火・制御し且つ調節するためにある。
【0003】
例えば、独国特許第19746788号では、暖炉などに据え付けたガス加熱ストーブに主に取り付けることを意図したガス調整設備を開示している。このバルブはバーナーを作動し且つ監視することができる。このバーナーは口火バーナーと主バーナーとに分けられている。この構成を提供するために、ガス調整設備は、主バーナーに流れるガスの容量を制御するための制御ユニットとともに、再点火を防ぐための消火装置および安全保護装置を備える始動システムを有している。口火バーナーに流れるガス流れは、始動システムの一部分を形成する圧電式の点火器によって手動で点火される。
【0004】
同様のガス調整設備は、独国特許出願公開第10305929.6号から周知になっている。このガス調整設備もまた、消火装置を備える始動システムと、主バーナーに流れるガスの容量を制御するための制御ユニットとを有している。しかしながら、このガス調整設備とともに、電子制御ユニットによって制御と点火を規定している。この装置によるオプションは、口火バーナーに流れるガス流れについて、圧電式の点火器によって同様に点火されることである。
【0005】
両設備における欠点は、口火がガスストーブを始動した時からオフに切り換えるまで燃焼を継続することである。
【特許文献1】独国特許第19746788号公報
【特許文献2】独国特許出願公開第10305929.6号明細書
【発明の開示】
【0006】
本発明の課題は、ガスストーブが始動された後に、主バーナーがオフ位置になるとともに口火バーナーをオフ位置に移動させるガス調整設備を提供することである。本発明の目的は、ガスストーブのエネルギー消費を最小限に保つことである。加えて、ガス調整設備は可能な限り単純な構造であるべきである。
【0007】
本発明に従って、センサーをガス調整設備に取り付け、該センサーによって主バーナーの稼動状態を確かめることができることによって課題を解決する。このため、このセンサーは熱電式の消火装置バルブに接続され、主バーナーの稼動状態をオンからオフに切り換えた際に、熱電式の消火装置バルブがセンサーで発生した信号に応じてその閉鎖位置を採るようになる。
【0008】
このようにして、前述した技術の現行状態における欠点を解消する解決策を見い出している。同様に、この解決策は、ガス調整設備の構造および操作方法の簡単さについて指向している。
【0009】
この特許請求の範囲におけるその他の請求項は、本発明における付加的且つ有益な実例の基礎を形成している。
【0010】
ガス調整設備の有益な実例は、時間遅延素子をセンサーと熱電式の消火装置バルブとの間に配置することによって得られる。このようにして、主バーナーの単純な断絶は、点火装置の必然的なひずみによって頻々と起こる点火を回避するために行わないようにすることができる。
【0011】
さらに、異なるタイプのセンサーを使用することができる。このセンサーは、ガス流れがバーナーに流れているか否かをチェックし、主バーナーの稼動状態を確かめる流れセンサーからなる。
【0012】
特に簡単な解決策では、このセンサーは、主バーナーの温度によって主バーナーの稼動状態を確かめる温度センサーからなる。
【0013】
さらに別の可能性は、主バーナーの稼動状態を確かめるために、主バーナーに流れるガスの容量を制御する制御ユニットによってこのセンサーを正しく配置することである。
【実施例】
【0014】
次に、本発明に係るガス調整設備を以下の実施例によってより詳細に説明する。この実施例では、開放位置におけるガス調整設備を断面で概略的に示している。
【0015】
図面に例示した本発明に係るガス調整設備の実施例は、主にガスストーブなどに据え付けることを意図した切換えおよび制御装置である。この装置は、バーナーに流れるガスの容量を制御することによってバーナーを操作および監視することができる。この実施例において、このバーナーは、口火バーナー32および主バーナー33からなる。
【0016】
このガス調整設備は、ガス入口2,口火ガス出口3および主ガス出口4を備えるハウジング1からなる。個別の機能ユニットが、ハウジング1内に設置されている。
【0017】
電子制御ユニット5は、コントローラとして役立ち、且つこの実施例において、異なる場所であってもよいリモート制御ユニット6の別のハウジング内に電源とともに設置されている。
【0018】
以下の機能ユニットが、例示したガス調整設備内に収容されている。
・消火装置および主バルブ35を備える始動システム7
・主バーナー33に流れるガスの容量を制御するための制御ユニット8
【0019】
始動システム7について、操作ロッド10は、ハウジング1の軸受9内に縦方向に延設されている。このロッドは、ハウジング1に設置された電磁石11を介してリモート制御ユニット6によって作動され、例えば円形リング12によって確保される必要な気密性を有している。
【0020】
縦方向への移動は、ここではハウジング1内で支持された戻しバネ13の弾力に逆らってのみ可能である。戻しバネ13の弾力下にあるべき始動位置は、操作ロッド10に設置されたカウンタベアリング14によって達成される。始動位置において、カウンタベアリングは、図示されていないストッパと接触する。操作ロッド10の端部は、ハウジング1の内部へ延びている。
【0021】
ハウジング1の内部は、仕切り壁15によって異なる隔室に分割されている。操作ロッド10の延長部と一直線状に、仕切り壁15は最初の開口16を有し、該開口は一方の側で操作ロッド10に設置されたバルブヘッド36とともに主バルブ35を形成し、他方の側で消火装置バルブ17の一部分を形成する。口火ガス出口3は、開口16の内部において消火装置バルブ17と主バルブ35との間に配置されている。消火装置バルブ17は、ハウジング1の軸受内に設置され且つ気密にした熱電式の消火装置磁石18によって作動される。この磁石は、ガス入口2の下流に配置されている。熱電式の消火装置磁石18は、バルブロッド20に堅く連結したアンカー19に作用し、該バルブロッドには消火装置バルブ17のバルブヘッド21を取り付ける。熱電式の消火装置磁石18は、口火に晒される熱電素子22だけでなく電子制御ユニット5によっても通電される。
【0022】
しかしながら、この技術分野の専門家は、消火装置磁石18の構造および操作方法に精通しており、さらに詳細に述べることは不必要である。ただ強調すべきことは、戻しバネ23が、バネ受けとして役立つバルブヘッド21によってアンカー19を消火装置磁石18から引き出そうとすることである。
【0023】
制御ユニット8の一部分を形成するスイッチ24は、ハウジング1内で始動システム7の背後の流れ方向に設置されている。スイッチ24は公知のデザインである。このスイッチは、バルブ25が変調制御を提供し且つバルブ26が部分負荷運転でオン・オフの急激な切り換えを提供するように設計され、仕切り壁に設けられた開口27の断面によって限定される部分負荷運転のためのガス流れを有している。
【0024】
スイッチ24に接続され且つバネ弾力で作動するプランジャ28は、縦方向に移動可能である。このプランジャはハウジング1から突出し、該ハウジングは同時にプランジャ用の軸受29を形成する。必要な気密性は、例えば円形リング30の使用によって達成される。プランジャ28は、スイッチ24から離隔したその端部において駆動ユニット31と連結され、この技術分野の専門家はその作動に精通しているので駆動ユニット31を詳細には説明しない。駆動ユニット31は、電子制御ユニット5を経てリモート制御ユニット6によって制御される。
【0025】
温度センサー34は、この実施例ではNTC抵抗温度センサーであり、主バーナー33の炎の直近に取り付ける。このセンサーは、電子制御ユニット5に電気的に接続され、その一部分について、既述したように熱電式の消火装置バルブ17の消火装置磁石18を制御するために接続関係を有している。後でより詳細に説明されるため、時間遅延ユニットは電子制御ユニット5において直列に接続されている。
【0026】
ガス調整設備の運転方法は下記の通りである。点火電極37による口火の始動およびその結果生じた点火の後に、駆動ユニット31をリモート制御ユニット6および電子制御ユニット5によって作動させる。これは周知のようにスイッチ24を開き、該スイッチを急激に開口させる。開口27で限定された一定量のガスは、主ガス出口4を経て、口火で点火される主バーナー33に流れる。この炎は最低の高さで燃焼し且つ温度センサー34が加熱される。駆動ユニット31のそれ以上の作動で、主バーナー33に流れるガスの容量は着実に増加する。このポイントから、スイッチ24は変調作動になり、且つバルブ25はガスの最大容量を達成するまで着実に開いていく。
【0027】
エネルギーの削減要求のために、スイッチ24が駆動ユニット31によって閉じられ、すなわち最初にバルブ25ついでバルブ26が同様に閉じられるならば、主バーナー33の炎が消され、それによって温度センサー34の温度降下を生じる。この情報は、熱電式の消火装置バルブ17を閉じる電子制御ユニット5において評価される。前述したように、この実施例における熱電式の消火装置バルブ17は直ちに閉じることはなく、時間遅延後にのみ閉じる。これは、点火装置への結果として生じる付加的な負荷で口火バーナー32の再点火を回避するためであり、もしも主バーナー33の簡単な再点火が必要であるならば、室温で起こるように特別に制御する。
【0028】
本発明に係るガス調整設備は、勿論、例示された実施例についての適用に限定されるものではない。これとは反対に、変更、改作および組み合わせは、本発明の枠組みの範囲内で行うことができる。
【0029】
例えば、ガス調整設備は、勿論、前述したユニットとは別に、圧力レギュレータなどのような追加の機能ユニットを有していてもよい。加えて、温度センサー34の温度についてのチェックは、連続的よりもむしろ特定の間隔で行うことができ、および/または駆動ユニット31を作動するときにだけ行うこともできる。
【0030】
さらに、熱電式の消火装置バルブ17は、例えば電子制御ユニット5がないならば、直接的に制御され且つオフに切り換えられうる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】開放位置におけるガス調整設備を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ハウジング
2 ガス入口
3 口火ガス出口
4 主ガス出口
5 制御ユニット
6 リモート制御ユニット
7 始動システム
8 制御ユニット
9 軸受
10 操作ロッド
11 電磁石
12 円形リング
13 戻しバネ
14 カウンタベアリング
15 仕切り壁
16 開口
17 消火装置バルブ
18 消火装置磁石
19 アンカー
20 バルブロッド
21 バルブヘッド
22 熱電素子
23 戻しバネ
24 スイッチ
25 バルブ
26 バルブ
27 開口
28 プランジャ
29 軸受
30 円形リング
31 駆動ユニット
32 口火バーナー
33 主バーナー
34 温度センサー
35 主バルブ
36 バルブヘッド
37 点火電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火装置として並びにガス流れを主バーナー(33)用と口火バーナー(32)用とのガス流れに分割する手段として役立つ熱電式の消火装置バルブ(17)および主バルブ(35)と、主バーナー(33)へ流れるガス流れのために主バルブ(35)の下流に配置された制御ユニット(8)と、付加的な補助の機能素子とを備えるガス調整設備において、ガス調整設備は、主バーナー(33)の稼動状態を確かめることが可能なセンサー(34)を有することにより、センサー(34)は熱電式の消火装置バルブ(17)に接続され、主バーナー(33)の稼動状態をオンからオフに切り換えた際に、センサー(34)で発生した信号によって熱電式の消火装置バルブ(17)がその閉鎖位置を採るようになることを特徴とするガスストーブ用などのガス調整設備。
【請求項2】
時間遅延素子が、センサー(34)と熱電式の消火装置バルブ(17)との間に配置されることを特徴とする請求項1のガス調整設備。
【請求項3】
センサー(34)は、主バーナー(33)に流れるガス流れを介して主バーナー(33)の稼動状態を確かめる流れセンサーからなることを特徴とする請求項1または2のガス調整設備。
【請求項4】
センサー(34)は、主バーナー(33)の温度を介して主バーナー(33)の稼動状態を確かめる温度センサーからなることを特徴とする請求項1または2のガス調整設備。
【請求項5】
センサー(34)は、主バーナー(33)の稼動状態を確かめるために、制御ユニット(8)に接続されていることを特徴とする請求項1または2のガス調整設備。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−528977(P2007−528977A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502291(P2007−502291)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002522
【国際公開番号】WO2005/088195
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(500184165)メルチク マクシトロール ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (7)
【Fターム(参考)】