説明

ガス遮断装置

【課題】従来のガス遮断装置は、電池電源部の電圧判定時に電池電源部の内部抵抗が擬似抵抗接続後の電池電圧の過渡変化が安定した後も一定時間増加し、その後減少する事を配慮していないので電池電圧の最下点を検出しておらず、最悪は電池電圧低下検出から所定時間後に遮断弁を動作出来ない場合が考えられる。
【解決手段】擬似負荷11が動作し電池電源部9に遮断弁16動作時と等価な電流を供給させ、波形安定時間計時部12が電池電源部9の過渡電圧変化を吸収する時間だけ経過した後、電池最低電圧判定部14が電池電圧を一定時間入力しその時の最低電圧で電圧低下検出判定を行うため電池の内部抵抗が一定時間増加後に減少する場合でも電池電圧低下検出から所定時間後に遮断弁17を動作できない問題を減じることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ガスやLPガス等を利用するガス器具の使用状態を監視するような遮断装置において、電池電源部の電源容量消耗時の安全性を確保するガス遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の遮断装置は、例えばガス遮断装置では図3のような構成になっていた(例えば、特許文献1参照)。図3は従来のガス遮断装置の制御ブロック図を示す。
【0003】
図3のガス遮断装置1において、2は電池電源部でガス遮断装置全体に電源を供給する。3は遮断弁で流路でのガスの供給を停止したり、供給したりする。4は電圧低下検出部でガス遮断装置1の動作が可能な電池電源部2の容量が残されている動作保証電圧から遡る所定時間を考慮した電池電圧を検知して電磁弁に電池電圧低下信号Aを出力する。5は開栓受付部で電圧低下信号Aが入力された時から遮断弁3の開栓受付を行って、開栓要求(開栓要求スイッチ又は通信による開栓信号の入力)があった時に開栓要求信号Cを出力する。6はタイマ部で電圧低下信号Aが入力された時から所定の動作保証時間をカウントして開栓終了信号Dを出力する。7は開栓機能停止部で開栓終了信号Dが入力されたときに開栓要求信号Cによる開栓を停止する閉栓停止信号Eを出力する。8はガス遮断制御部で電池電圧低下信号A又は閉栓停止信号Eが入力された時遮断弁3を閉栓動作させ、閉栓停止信号Eの入力信号以前に開栓要求信号Cが入力された時には遮断弁3を開栓させる。
【0004】
次に、従来例の構成の動作を説明する。電池電源部2の消耗度をチェックしている電圧低下検出部4が電池消耗電圧を検出したとき、電池電圧低下信号Aを開栓受付部5とタイマ部6とガス遮断制御部8に出力する。電圧低下信号Aが入力されたガス遮断制御部8は第一の遮断命令信号B1を出力して遮断弁3を動作させ、ガス通路の閉栓を実行する。タイマ部6は電圧低下信号Aが入力されるとカウント開始し、このタイマ部6により所定時間のカウント終了する迄の間に、開栓受付部5に開栓要求があり、開栓要求信号Cが出力された時には、ガス遮断制御部8は遮断弁3を開栓する。タイマ部6でカウント終了したとき、開栓終了信号Dが出力されるので、開栓機能停止部7は閉栓停止信号Eを出力して開栓要求の受付を停止する。閉栓停止信号Eが入力されたガス遮断装置1は第二の遮断命令信号B2を出力して遮断弁3を閉栓する。
【0005】
都市ガス、LPガス等の媒体ガスの流れる流路に取り付けられたガス遮断装置1において、電圧低下検出部4は所定時間間隔毎に電池電源部2の電圧を測定し電池の消耗度を監視している。予めガス遮断装置1を動作させ得る下限値の電圧を動作保証電圧として設定しておき、ここから所要の日数分逆上った時の電圧値を電池消耗電圧として設定する。電圧低下検出部4は、電池電圧を監視してこの消耗時の電池電圧を検出する。即ち所要日数分だけ電池消耗電圧が検出されてから電池電源部2の電圧が動作保証電圧迄低下する期間だけ遮断弁3の開栓が可能としてガス遮断装置1を交換するまでの猶予期間を設けたものである。
【特許文献1】特開平10−103546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら上記従来の構成では下記のような問題点があった。電池低下検出部が所定時間間隔毎に電池電圧を監視し、電池消耗時の電圧低下判定をするにあたり従来例には記していないが、一般的に電圧低下検出部は、電池電圧部に接続した擬似負荷が作動し、遮断弁が動作する時に要する電流と等価な電流を電池電源部に供給させた後、電池電源部の
電圧の過渡変化が安定した時の電池電圧をもって本装置が動作可能であるかを判定していた。
【0007】
ここで擬似負荷を作動させて電圧低下判定を行う理由を述べる。電池電圧部を構成する電池には内部抵抗が有り、電池の等価回路は、内部抵抗と当初の電圧を保持する理想電池とが直列に接続する事で表わされている。そして、内部抵抗値は経年変化により徐々に増加する特性を有している。今、電池電源部から電流を取出すと、この内部抵抗によりその抵抗値と取出した電流の積の分だけがIRドロップとして電圧ロスとなり、電池電源部の電圧はその分だけ低下してしまう。一方、遮断弁の動作電流は、その他各部の動作電流と比較すると著しく多い為に内部抵抗の影響を最も大きく受ける。したがって、電池電圧低下判定時に電池電圧低下判定電流を流す事で最大のIRドロップを生じさせて、その時の電池電源部の電圧をもって、本装置が動作可能であるかを判定しているのである。
【0008】
しかしながら、電池電源部の電池の内部抵抗は擬似負荷を作動させて電池電源部の電圧の過渡変化が安定した後も一定時間増加し、その後に減少する特性を示す物がある。この内部抵抗の増加量や増加から減少に転じる時間は電池を構成する電解液や電極の材質により異なる。このために、最悪の場合は電池電圧低下を検出から所定時間後に遮断弁を動作しようとしても電池の内部抵抗の増加により動作出来ない場合も考えられる。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電池電源部の電源容量消耗時の安全性を確保するガス遮断装置を供給することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために本発明のガス遮断装置は、電池電源部の電力供給開始より予め定めた一定時間毎に次段に出力を行う電池監視時間計時部と、遮断弁と等価な負荷を有する擬似負荷と、電池監視時間計時部の信号を受け擬似負荷に電流が流れたのち所定時間経過後に次段に出力する波形安定時間計時部と、波形安定時間計時部の信号を受け所定の計測時間を計時する電池電圧計測計時部と、波形安定時間計時部の信号を受け電池電圧部の出力電圧を一定時間毎に記憶すると共に電池電圧計測計時部からの信号により記憶した電圧値のうち最低電圧値を次段に出力する電池最低電圧判定部と、電池最低電圧判定部の信号を受け予め定めた基準電圧と比較し基準電圧以下になったとき電池電圧低下と判定し所定時間後に遮断信号を出力する電圧低下検出部とを備えたものである。
【0011】
そして、電池監視時間計時部からの信号により擬似負荷が作動し電池電源部に遮断弁が動作する時に要する電流と等価な電流を供給させる。また、同時に電池監視時間計時部からの信号により波形安定時間計時部が予め設定した擬似負荷が動作する際の電池電源部の電池の過渡変化が安定する時間を計時し次段に出力する。波形安定時間計時部からの信号により、電池電圧計測計時部は予め設定した電圧の過渡変化が安定後の電池の内部抵抗が一定時間増加し、その後に減少することに伴う電池電圧の低下検出を考慮して予め定めた時間を計時し電池最低電圧判定部に出力を行う。電池最低電圧判定部は同様に波形安定時間計時部の信号を受け電池電源部の電圧入力を予め定めた一定時間毎に入力してその値を逐次記憶することを開始し、電池電圧計測計時部からの信号により電圧入力を停止するとともに記憶した電圧入力値の中での最低電圧値を電圧低下検出部に出力する。電圧低下検出部はこの信号を基に、遮断弁を動作させることができる下限値となる動作保証電圧から遡る所定時間の電池消耗を考慮して設定した電池消耗電圧以下になった事で電池電源部の電池電圧低下判定を行い、その後の所定時間後に遮断弁動作信号を出力する。これによって、電池電源部の電池の内部抵抗が、擬似負荷を作動させて電池電源部の電圧の過渡変化が安定した後も一定時間増加しその後に減少する特性を示す場合でも、電池電圧低下を検出した後から所定時間後に遮断弁を動作しようとしても出来ない問題を減じることが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明のガス遮断装置は、電池電源部の電圧低下を擬似負荷が動作した当初の過渡変化が終了して後、更に電池電源部の電圧を一定期間だけ一定時間毎に入力して逐次記憶し、記憶した電圧の中の最低電圧値で判定する様にしている。この事で、電池電源部の最も低下した電圧で電池低下判定をおこなうことが可能となり遮断動作を行う前に電池電圧の低下が進み遮断弁を動作しようとしても出来ないという問題を減じることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第1の発明は、異常時にガス通路を遮断する遮断弁と、この遮断弁を含む装置に動作電力を供給する電池電源部とを備えたガス遮断装置において、前記電池電源部の電力供給開始より予め定めた一定時間毎に次段に出力を行う電池監視時間計時部と、前記遮断弁と等価な負荷を有する擬似負荷と、前記電池監視時間計時部の信号を受け前記擬似負荷に電流が流れたのち所定時間経過後に次段に出力する波形安定時間計時部と、前記波形安定時間計時部の信号を受け所定の計測時間を計時する電池電圧計測計時部と、前記波形安定時間計時部の信号を受け前記電池電圧部の出力電圧を一定時間毎に記憶すると共に前記電池電圧計測計時部からの信号により記憶した電圧値のうち最低電圧値を次段に出力する電池最低電圧判定部と、前記電池最低電圧判定部の信号を受け予め定めた基準電圧と比較し基準電圧以下になったとき電池電圧低下と判定し所定時間後に遮断信号を出力する電圧低下検出部とを備えたものである。
【0014】
そして、電池電源部の電圧低下を、擬似負荷が動作した当初の過渡変化が終了して後、更に電池電源部の電圧を一定期間だけ一定時間毎に入力して逐次記憶し、記憶した電圧の中の最低電圧値で判定し、電圧低下検出部に出力を行う。この事で、電池電源部の最も低下した電圧で電池低下判定をおこなうことが可能となり遮断動作を行うにあたり遮断弁を動作しようとしても出来ないという問題を減じることが出来る。
【0015】
第2の発明は、電池最低電圧判定部は、記憶した電圧値のうち低い電圧値から順に予め定めた一定個数を抽出しその平均値を次段に出力するようにしたものである。
【0016】
そして、電池電源部の電圧変化が電池の内部抵抗の変化が安定しない時や、外来ノイズ等で不安定な場合にあっても、低い電圧値から順に抽出した一定個数の平均値で電池低下判定をおこなうことが可能となり、遮断動作を行うにあたりより高い信頼性で遮断弁を動作しようとしても出来ないという問題を減じることが出来る。
【0017】
第3の発明は、電池最低電圧判定部は、平均値算出用の記憶データ抽出数を自在に変更可能な手段を有したものである。
【0018】
そして、電池電源部の電圧低下を考慮した平均する一定個数を、例えば装置外より切換え可能となり、装置を製造するにあたり搭載する電池の種類に応じた判定値を設定できる。また、電池を構成する材質に変更があった場合でも電池の変更条件を加味した判定値を設定できる。このことで、より確実に電池の内部抵抗の増加に応じた遮断弁動作が可能となる。
【0019】
第4の発明は、電池最低電圧判定部は、電池電圧部の出力電圧を記憶する間隔を自在に変更可能な手段を有したものである。
【0020】
そして、電池電源部の電圧低下を考慮した電池電源部の電圧を入力する一定の時間間隔を、例えば装置外より切換え可能となり、装置を製造するにあたり搭載する電池の種類に応じた判定値を設定できる。また、電池を構成する材質に変更があった場合でも電池の変
更条件を加味した判定値を設定できる。このことで、より確実に電池の内部抵抗の増加に応じた遮断弁動作が可能となる。
【0021】
第5の発明は、電池最低電圧判定部が次段へ出力する電池電圧値を表示するか、あるいは基準電圧に対する余裕度を表示する、表示部を備えたものである。
【0022】
そして、第三者が装置を見ただけで容易にその状態での電池電源部の電圧値、あるいは基準電圧に対する余裕度が判る様になり、電池の実使用状態や電池のバラツキをモニタするような場合にあっても、容易に調査することが可能となる。
【0023】
第6の発明は、電圧低下検出部の基準電圧は遮断弁を動作させることが可能な下限値となる動作保証電圧から遡る所定時間の電池消耗を考慮して設定した電池消耗電圧とし、この電池消耗電圧以下が検出された場合、動作保証電圧に至る電池消耗時間が経過すると遮断信号を出力するものである。
【0024】
そして、動作保証電圧から余裕を持った電池消耗電圧で電圧低下状態を判断し、電圧低下状態を判断した以降は所定時間で遮断信号を出力するようにしているため、安定した遮断動作を確保することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、本発明の実施の形態はガス遮断装置で説明するが、本発明はガスに限らず水道や電力、燃焼燃料などの電池電圧判定装置であってもよい。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態におけるガス遮断装置の制御ブロック図を示すものである。また、図2は本発明の第1の実施の形態におけるガス遮断装置で擬似負荷が動作した際の電圧変化のタイミング図示すものである。
【0027】
図1において9は電源電圧部である。10は電池監視時間計時部であり、電池電源部9の供給開始からの使用時間を計測し一定時間毎に次段に出力する。11は擬似負荷であり遮断弁が動作する時に要する電流と等価な電流を電池電源部9に供給させる。12は波形安定時間計時部であり擬似負荷11が動作した際の過渡的な電圧変化を考慮した時間を予め設定している。13は電池電圧計測計時部であり、予め設定した電圧の過渡変化が安定後の電池の内部抵抗が一定時間増加ことに伴う電池電圧の低下検出を考慮して予め定めた時間を計時する。14は電池最低電圧判定部であり電池電源部の電圧入力を予め定めた一定時間毎に入力してその値を逐次記憶し、記憶した電圧入力値の中での最低電圧値を出力する。15は電圧低下検出部であり電池電源部9の電池電圧を一定時間間隔毎に監視している。16は表示部であり計時信号が有ればそのことを表示する。17は遮断弁であり異常時にガス通路を遮断するように構成している。
【0028】
以上のように構成されたガス遮断装置について、以下その動作、作用を図2を用いて説明する。
【0029】
まず、A点は電池監視時間計時部9からの信号により擬似負荷11が作動し電池電源部9に遮断弁16が動作する時に要する電流と等価な電流を供給させる。次にB点で、A点と同じ電池監視時間計時部9からの信号により波形安定時間計時部12が予め設定した擬似負荷11が動作する際に電池電源部9の電池の過渡変化が安定する時間であるt1を計時して電池電圧計測計時部13と電池最低電圧判定部14に出力をおこなう。波形安定時間計時部12の信号を受け電池電圧計測計時部13はC点である予め設定した電圧の過渡
変化が安定後の電池の内部抵抗が一定時間増加しその後に減少する時間であるt2を計時し電池最低電圧判定部に出力を行う。
【0030】
電池最低電圧判定部14はB点からC点の間(例えば約50〜200m秒間)予め定めた一定時間毎(例えば約10〜数10m秒毎)に入力してその値を逐次記憶することを行い、C点で電圧入力を停止するとともに記憶した電圧入力値の中での最低電圧値を電圧低下検出部15に出力する。電圧低下検出部15はこの信号を基に、遮断弁17を動作させることができる下限値となる動作保証電圧から遡る所定時間の電池消耗を考慮して設定した電池消耗電圧以下になった事で電池電源部9の電池電圧低下判定を行い、その後の所定時間後に遮断弁動作信号を出力する。
【0031】
これによって、電池電源部9の電池の内部抵抗が、擬似負荷11を作動させて電池電源部9の電圧の過渡変化が安定した後も一定時間増加しその後に減少する特性を示す場合でも、電池電圧低下検出から所定時間後に遮断弁17を動作しようとしても出来ない問題を減じることが出来る。
【0032】
また、波形安定時間計時部12からの信号により電池電源部9の電圧入力を予め定めた一定時間毎に入力してその値を逐次記憶することを開始し、電池電圧計測計時部12からの信号により電圧入力を停止するとともに、記憶した電圧入力値の中から低い電圧値から順に予め定めた一定個数を抽出しその平均値を次段に出力する電池最低電圧判定部14とすることにより、電池電源部9の電圧変化が電池の内部抵抗の変化が安定しない時や、外来ノイズ等で不安定な場合にあっても、低い電圧値から順に抽出した一定個数の平均値で電池低下判定をおこなうことが可能となり、遮断動作を行うにあたりより高い信頼性で遮断弁17を動作しようとしても出来ないという問題を減じることが出来る。
【0033】
また、波形安定時間計時部12の信号を受け、電池電源部9の電圧入力を予め定めた一定時間毎に入力してその値を逐次記憶することを開始し、電池電圧計測計時部13からの信号により電圧入力を停止するとともに記憶した電圧入力値の中から低い電圧値から順に予め定めた一定個数を抽出しその平均値を次段に出力する。そして、平均する一定個数を外部から変更可能な電池最低電圧判定部14とすることにより、電池電源部9の電圧低下を考慮した平均する一定個数を装置外より切換え可能となり、装置を製造するにあたり搭載する電池の種類に応じた判定値を設定できる。また、電池を構成する材質に変更があった場合でも電池の変更条件を加味した判定値を設定できる。このことで、より確実に電池の内部抵抗の増加に応じた遮断弁動作が可能となる。
【0034】
また、波形安定時間計時部12の信号を受け電池電源部9の電圧を入力する一定の時間間隔を外部から変更可能な電池最低電圧判定部14とすることにより、電池電源部9の電圧低下を考慮した電池電源部の電圧を入力する一定の時間間隔を装置外より切換え可能となり、装置を製造するにあたり搭載する電池の種類に応じた判定値を設定できる。また、電池を構成する材質に変更があった場合でも電池の変更条件を加味した判定値を設定できる。このことで、より確実に電池の内部抵抗の増加に応じた遮断弁動作が可能となる。
【0035】
また、電池最低電圧判定部14が次段へ出力する電池電圧値を表示部16で表示する電池最低電圧判定部14とすることにより、第三者が装置を見ただけで容易にその状態での電池電源部の電圧値が判る様になり、電池の実使用状態や電池のバラツキをモニタするような場合にあっても、容易に調査することが可能となり、表示部16の表示形態として電池電圧値そのものを表示する以外に基準電圧となる電池消耗電圧あるいは動作保証電圧に対する余裕度を表示するようにしても同様の効果が得られる。
【0036】
また、電池最低電圧判定部14が次段へ出力する平均値、及び平均値の計算に使用した
電池電圧値を表示部16で表示する電池最低電圧判定部14とすることにより第三者が容易に装置を見ただけでその状態での電池電源部の電圧値が判る様になり、電池の実使用状態や電池のバラツキをモニタするだけではなく、実使用における電池の内部抵抗の安定性や装置への外来ノイズの影響も容易に調査することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施例1のガス遮断装置の制御ブロック図
【図2】同ガス遮断装置のおける擬似負荷動作時の電圧変化タイミング図
【図3】従来のガス遮断装置の制御ブロック図
【符号の説明】
【0038】
2、9 電池電源部
3、17 遮断弁
10 電池監視時間計時部
11 擬似負荷
12 波形安定時間計時部
13 電池電圧計測計時部
14 電池最低電圧判定部
15 電圧低下検出部
16 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異常時にガス通路を遮断する遮断弁と、この遮断弁を含む装置に動作電力を供給する電池電源部とを備えたガス遮断装置において、
前記電池電源部の電力供給開始より予め定めた一定時間毎に次段に出力を行う電池監視時間計時部と、前記遮断弁と等価な負荷を有する擬似負荷と、前記電池監視時間計時部の信号を受け前記擬似負荷に電流が流れたのち所定時間経過後に次段に出力する波形安定時間計時部と、前記波形安定時間計時部の信号を受け所定の計測時間を計時する電池電圧計測計時部と、前記波形安定時間計時部の信号を受け前記電池電圧部の出力電圧を一定時間毎に記憶すると共に前記電池電圧計測計時部からの信号により記憶した電圧値のうち最低電圧値を次段に出力する電池最低電圧判定部と、前記電池最低電圧判定部の信号を受け予め定めた基準電圧と比較し基準電圧以下になったとき電池電圧低下と判定し所定時間後に遮断信号を出力する電圧低下検出部とを備えたガス遮断装置。
【請求項2】
電池最低電圧判定部は、記憶した電圧値のうち低い電圧値から順に予め定めた一定個数を抽出しその平均値を次段に出力するようにした請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項3】
電池最低電圧判定部は、平均値算出用の記憶データ抽出数を自在に変更可能な手段を有した請求項2記載のガス遮断装置。
【請求項4】
電池最低電圧判定部は、電池電圧部の出力電圧を記憶する間隔を自在に変更可能な手段を有した請求項1〜3のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項5】
電池最低電圧判定部が次段へ出力する電池電圧値を表示するか、あるいは基準電圧に対する余裕度を表示する、表示部を備えた請求項1〜4のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項6】
電圧低下検出部の基準電圧は遮断弁を動作させることが可能な下限値となる動作保証電圧から遡る所定時間の電池消耗を考慮して設定した電池消耗電圧とし、この電池消耗電圧以下が検出された場合、動作保証電圧に至る電池消耗時間が経過すると遮断信号を出力する請求項1〜5のいずれか1項記載のガス遮断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−59025(P2008−59025A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231745(P2006−231745)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】