説明

ガソホール燃料用ホースおよびその製法

【課題】耐アルコール燃料透過性に優れたガソホール燃料用ホースを提供する。
【解決手段】内側ゴム層1が(A)〜(D)成分を含有するゴム材料からなり、外側ゴム層3が(A′),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなり、樹脂層2が(X),(Y)成分を主成分とする樹脂材料からなり、(Y)成分の配合量が(X)成分と(Y)成分の合計量全体の5〜50重量%のガソホール燃料用ホースである。
(A)NBRおよびNBR−PVCの少なくとも一方。
(A′)ブチルゴムおよびNBR−PVCの少なくとも一方。
(B)硫黄加硫剤。
(C)接着点形成用アミン系触媒。
(D)受酸剤。
(X)テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体。
(Y)ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール混合ガソリン(ガソホール)燃料の輸送用配管等として用いられるガソホール燃料用ホースおよびその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車を取り巻く燃料ガスの蒸散規制は厳しくなってきており、燃料系ホースからの燃料の蒸散量の大幅な低減が求められ、これに対応する低透過な自動車用燃料系ホースが各種検討されている。このような燃料系ホースとしては、例えば、FKMフルオロポリマーからなる内側層と、THVフルオロポリマーからなる中間層と、エラストマーポリマーからなる耐久性外側層とからなる、揮発性炭化水素を輸送する燃料給油ホースが提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載の燃料給油ホースは、揮発性炭化水素を輸送することを目的とするものであり、アルコールが混合されていないガソリンであれば、その炭化水素蒸気に対する耐透過性は満足するものの、エタノール等の透過能が高いアルコールが混合されたアルコール混合ガソリン(ガソホール)燃料では、アルコール蒸気に対する耐透過性が不充分である。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するため、本出願人は、耐アルコール燃料透過性に優れたガソホール燃料用ホースとして、アクリロニトリル−ブタジエンゴムを含有するゴム組成物からなる内層と、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)を含有する組成物からなる中間層(バリア層)と、ブチルゴムを含有するゴム組成物からなるアルコール遮断層(外層)とを備えた、ガソホール燃料用ホースを提案している(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2005−522639号公報
【特許文献2】特開2008−265281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願人は、上記特許文献2に記載のガソホール燃料用ホースについて、耐アルコール燃料透過性の改良を図るため実験を続けた結果、THV等からなる中間層(バリア層)について、さらに耐アルコール燃料透過性を改善する余地があることを突き止めた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐アルコール燃料透過性に優れたガソホール燃料用ホースおよびその製法の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、管状の内側ゴム層と、その外周面に形成される樹脂層と、その外周面に形成される外側ゴム層とを備えたガソホール燃料用ホースであって、上記内側ゴム層が、下記の(A),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなり、上記外側ゴム層が、下記の(A′),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなるとともに、上記樹脂層が、下記の(X)および(Y)成分を主成分とする樹脂材料からなり、かつ、上記(Y)成分の配合量が、(X)成分と(Y)成分の合計量全体の5〜50重量%の範囲であるガソホール燃料用ホースを第1の要旨とする。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(A′)ブチルゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(B)硫黄加硫剤。
(C)接着点形成用アミン系触媒。
(D)受酸剤。
(X)テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体。
(Y)ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂。
【0009】
また、本発明は、上記ガソホール燃料用ホースの製法であって、ゴムの加硫温度において、上記内側および外側ゴム層中の(C)成分の触媒作用により、上記樹脂層を形成する(Y)成分中のビニリデンフルオライド単位から脱フッ化水素してゴムとの接着点を作り、この樹脂層の接着点を利用して、樹脂層と、上記内側ゴム層および外側ゴム層とを接着させる工程とを備えたガソホール燃料用ホースの製法を第2の要旨とする。
【0010】
すなわち、本発明者は、耐アルコール燃料透過性に優れたガソホール燃料用ホースを得るため、従来、バリア層に使用していたTHVに代えて、フッ素濃度の高いフッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)を用いることを想起した。そして、このCPTを用いた実験の過程で、上記CPTはTHVに比べてフッ素樹脂濃度が高いため、燃料低透過性が向上するが、CPT単独では、CPTからなる樹脂層と、内側ゴム層および外側ゴム層との層間接着性が劣ることを突き止めた。そこで、本発明者は、上記CPTの優れた燃料低透過性は維持したまま、接着性の向上を図るため、実験を重ねた。その結果、樹脂層の基材として、上記CPT(X成分)を用い、これにテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)等のような、ビニリデンフルオライド(CH2 −CF2 )単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)を所定の割合でブレンドするとともに、上記内側および外側のゴム層に、接着点形成用アミン系触媒(C成分)を配合すると、樹脂層と、ゴム層との層間接着性が向上することを見いだし、本発明に到達した。この理由については明らかなではないが、以下のように考えられる。すなわち、ゴムの硫黄加硫時の加硫温度(通常、140〜170℃)において、上記内側および外側ゴム層中の接着点形成用アミン系触媒(C成分)の触媒作用により、上記樹脂層中のVDF単位から脱フッ化水素(HF)反応が促進され、ラジカルが生じ、これがゴムとの接着点となると考えられる。そして、この樹脂層の接着点と、上記内側および外側ゴム層中のゴムの二重結合(ジエン)部分とが接着するようになると考えられる。ここで、樹脂層中のCPTは、上記VDF単位を持ったフッ素樹脂(THV等)と、分子鎖同士で強固に絡み合っているため、樹脂層中のCPTは、ゴム層と直接接着していなくても、上記樹脂層のVDF単位に起因する接着点と、上記ゴム層中のゴムとの接着により、樹脂層とゴム層との間の層間接着性は保持され、ホースの層間剥離が生じることもないと考えられる。
【0011】
なお、「THV」とは、通常、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフロライドの3種のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂〔テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)〕を意味するが、本発明においては、この3種のモノマーに、さらにパーフルオロアルキルビニルエーテルを共重合させてなる、4種のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂〔テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)〕をも意味する。
【0012】
また、本発明において、アルコール混合ガソリン(ガソホール)燃料とは、アルコール混合量が数容量(vol) %〜100容量%の燃料をいう。ガソホール燃料は、一般に、アルコール混合量が10〜20容量%である場合に、透過率が最も高くなる。上記アルコールとしては、通常、エタノールが用いられているが、メタノール等であっても差し支えない。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガソホール燃料用ホースは、樹脂層の基材として、フッ素濃度が高いCPT(X成分)を用いているため、従来のTHV単独使用に比べて、燃料低透過性が向上する。また、本発明のガソホール燃料用ホースは、上記CPT(X成分)に、THV等のような、VDF単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)を所定の割合でブレンドするとともに、内側および外側のゴム層に接着点形成用アミン系触媒(C成分)を配合している。そのため、ゴムの硫黄加硫時の加硫温度において、上記内側および外側ゴム層中の接着点形成用アミン系触媒(C成分)の触媒作用により、上記樹脂層中のVDF単位から脱フッ化水素(HF)反応が促進され、ラジカルが生じ、これがゴムとの接着点となる。そして、この樹脂層の接着点と、上記内側および外側ゴム層中のゴムの二重結合(ジエン)部分とが接着するようになるため、樹脂層とゴム層との間の層間接着性にも優れ、ホースの層間剥離が生じることもない。
【0014】
また、上記ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)が、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)およびポリビニリデンフルオライド(PVDF)からなる群から選ばれた少なくとも一つであると、樹脂層とゴム層との層間接着性がさらに向上する。
【0015】
そして、上記接着点形成用アミン系触媒(C成分)が、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩(DBU塩)であると、ビニリデンフルオライド単位からの脱フッ化水素反応がより促進され、樹脂層とゴム層との層間接着性がより一層向上する。
【0016】
また、上記受酸剤(D成分)が、含水ハイドロタルサイト化合物であると、上記脱フッ化水素反応により生じたフッ化水素を、より効率良く捕捉(トラップ)することができる。
【0017】
さらに、本発明の製法は、加硫を利用して、樹脂層に接着点をつくり、これと樹脂層両側のゴムとを接着させ、上記のように、樹脂層と両側のゴム層とを接着させるため、層間剥離を生じないホースを簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のガソホール燃料用ホースの一例の構成を示す模式図である。
【図2】燃料透過量の測定方法(カップ法)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
つぎに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0020】
本発明のガソホール燃料用ホースとしては、例えば、図1に示すように、管状の内側ゴム層(以下、「内層」と略す)1の外周面に樹脂層2が形成され、さらにこの樹脂層2の外周面に外側ゴム層(以下、「外層」と略す)3が形成されてなる三層構造のものがあげられる。
【0021】
本発明においては、上記内層1が、下記の(A),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなり、上記外層3が、下記の(A′),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなるとともに、上記樹脂層2が、下記の(X)および(Y)成分を主成分とする樹脂材料からなることが最大の特徴である。これにより、内層1/樹脂層2間、および樹脂層2/外層3間の層間接着性が向上し、ホース全体の層間接着性が優れたものとなる。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(A′)ブチルゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(B)硫黄加硫剤。
(C)接着点形成用アミン系触媒。
(D)受酸剤。
(X)テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体。
(Y)ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂。
【0022】
上記内層1を形成するゴム材料(内層用材料)中のゴム成分(A成分)としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム(NBR−PVC)の少なくとも一方が用いられる。これらのなかでも、低温性や、シール性の点から、NBRが好ましい。
【0023】
なお、上記NBR等のゴム成分(A成分)の含有量は、通常、内層用材料全体の40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。
【0024】
上記NBRとしては、アクリロニトリル量(AN量)が中高AN,高AN,極高ANのものがあげられ、耐燃料油性の点から、AN量=25〜60の範囲のものが好ましく、特に好ましくはAN量=30〜55の範囲である。極高ANのものは、耐ガソリン透過性が向上し、ガソリンに対する耐性、耐オゾン性も良くなるという利点があり、中高ANのものは、極高ANのものよりは少し劣るが、耐ガソリン透過性が良くなるという利点がある。
【0025】
また、上記NBR−PVCは、オゾン性の点から、NBRとPVCとの重量混合比が、NBR/PVC=90/10〜40/60の範囲のものが好ましく、特に好ましくはNBR/PVC=80/20〜50/50の範囲のものである。
【0026】
つぎに、上記ゴム成分(A成分)とともに用いられる硫黄加硫剤(B成分)としては、例えば、硫黄があげられる。この硫黄加硫剤(B成分)の配合量は、上記ゴム成分(A成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.2〜5部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜3部の範囲である。
【0027】
また、上記内層用材料としては、ゴム成分(A成分)および硫黄加硫剤(B成分)とともに、接着点形成用アミン系触媒(C成分)が用いられる。
【0028】
ここで、本発明において、接着点形成用アミン系触媒(C成分)とは、ゴムの硫黄加硫時の加硫温度(通常、140〜170℃)において、上記樹脂層2中のVDF単位からの脱フッ化水素(HF)反応を促進させて、ラジカルを生じさせ、ゴムとの接着点を形成させる働きをするものをいう。
【0029】
このような接着点形成用アミン系触媒(以下、単に「アミン系触媒」と略す)(C成分)としては、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5塩(DBN塩)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、樹脂層2との接着性の点から、DBU塩が好ましい。
【0030】
上記DBU塩としては、例えば、DBUのカルボン酸塩、DBUのフェノール樹脂塩等があげられる。上記DBUのカルボン酸塩としては、DBUのナフトエ酸塩やソルビン酸塩が好ましい。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、樹脂層2との接着性の点から、DBUのナフトエ酸塩(ナフトエ酸DBU塩)が好ましい。
【0031】
上記アミン系触媒(C成分)の配合量は、上記ゴム成分(A成分)100部に対して、0.1〜3部の範囲が好ましく、特に好ましくは 0.3〜2部の範囲である。すなわち、上記アミン系触媒(C成分)の配合量が少なすぎると、所望の層間接着性が得られず、逆にアミン系触媒(C成分)の配合量が多すぎると、加硫が進行しすぎ、ゴム物性等に悪影響を与えるおそれがあるからである。
【0032】
つぎに、上記A〜C成分とともに用いられる受酸剤(D成分)としては、例えば、含水ハイドロタルサイト化合物、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、フッ化水素の捕捉効率が向上する点で、含水ハイドロタルサイト化合物が好ましい。
【0033】
上記含水ハイドロタルサイト化合物としては、例えば、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 、Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3.5H2 O、Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Mg5 Al2 (OH)14CO3 ・4H2 O、Mg3 Al2 (OH)10CO3 ・1.7H2 O、Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3 ・wH2 O、Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3 等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。上記含水ハイドロタルサイト化合物の具体例としては、協和化学工業社製のDHT−4A、協和化学工業社製のDHT−6等があげられる。
【0034】
上記受酸剤(D成分)の配合量は、フッ化水素の捕捉効率の点から、上記ゴム成分(A成分)100部に対して、1〜15部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜6部の範囲である。すなわち、上記受酸剤(D成分)の配合量が少なすぎると、所望の捕捉効果が得られず、圧縮永久歪みが悪くなる傾向がみられ、逆に上記受酸剤(D成分)の配合量が多すぎると、架橋が進行しすぎ、ゴム物性等に悪影響を与えるおそれがあるからである。
【0035】
なお、上記内層用材料には、上記A〜D成分に加えて、カーボンブラック、老化防止剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、白色充填材、可塑剤、軟化剤、着色剤、スコーチ防止剤等を適宜添加しても差し支えない。
【0036】
そして、上記内層用材料は、例えば、上記A〜D成分と、必要に応じてカーボンブラック等を配合し、これらをバンバリーおよびロールを用いて混練することにより調製することができる。
【0037】
つぎに、上記樹脂層2を形成する樹脂材料(樹脂層用材料)としては、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体(X成分)と、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)とを主成分とする材料を用いることができる。
【0038】
なお、本発明において、主成分とは、材料の過半を占める成分であり、材料全体が主成分のみからなる場合も含む。
【0039】
上記テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)(X成分)は、THVよりもフッ素濃度が高いため、THVに比べて燃料低透過性に優れている。しかし、CPT(X成分)単独使用では、樹脂層2と、内層1および外層3中のゴムとの接着性が劣るため、本発明では、CPT(X成分)に、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)を所定量ブレンドすることにより、CPT(X成分)の優れた燃料低透過性を維持しつつ、樹脂層2と、内層1および外層3中のゴムとの接着性を向上させている。
【0040】
また、上記X成分とともに用いられるビニリデンフルオライド(VDF)単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)としては、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、内層1および外層3中のゴムとの接着性に優れている点から、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)が好ましく、内層1および外層3中のゴムとの接着性に最も優れている点から、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)が特に好ましい。
【0041】
本発明においては、上記ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)の配合量は、X成分とY成分の合計量全体の5〜50重量%の範囲である必要があり、好ましくは10〜25重量%の範囲である。すなわち、Y成分の配合量が少なすぎると、内層1および外層3中のゴムとの接着性の向上効果が悪くなり、逆にY成分の配合量が多すぎると、CPT(X成分)の優れた燃料低透過性が損なわれ、燃料低透過性が劣るからである。
【0042】
なお、上記樹脂層用材料には、CPT(X成分)、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)に加えて、相溶化剤、接着付与剤、充填剤等を適宜配合しても差し支えない。
【0043】
そして、上記樹脂層用材料は、例えば、CPT(X成分)のペレットと、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)のペレットとを、押し出し成形等により調製することができる。
【0044】
つぎに、上記外層3を形成するゴム材料(外層用材料)中のゴム成分(A′成分)としては、ブチルゴム(IIR)、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム(NBR−PVC)の少なくとも一方が用いられる。これらのなかでも、アルコール混合ガソリン(ガソホール)燃料に対する耐透過性に優れる点から、ブチルゴム(IIR)が好ましい。
【0045】
なお、上記ブチルゴム等のゴム成分(A′成分)の含有量は、通常、外層用材料全体の40重量%以上であり、好ましくは50重量%以上である。
【0046】
上記ブチルゴム(IIR)としては、イソブチレンとイソプレンとの共重合体があげられ、例えば、レギュラーブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム(臭素化ブチルゴム,塩素化ブチルゴム等)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加硫時間が短くなり、高速加硫に優れる点から、ハロゲン化ブチルゴムが好ましい。
【0047】
上記外層用材料中のゴム成分(A′成分)における、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンドゴム(NBR−PVC)については、前記の内層用材料中のゴム成分(A成分)で例示したものと同様のものを用いることができる。
【0048】
また、上記ゴム成分(A′成分)とともに用いられる、硫黄加硫剤(B成分)、アミン系触媒(C成分)および受酸剤(D成分)としては、前記内層用材料中で例示したものと同様のものを、同様の割合で用いることができる。
【0049】
なお、上記外層用材料には、上記A′,B,C,D成分に加えて、カーボンブラック、老化防止剤、加硫促進剤、加硫助剤、加工助剤、白色充填材、可塑剤、軟化剤、着色剤、スコーチ防止剤等を適宜添加しても差し支えない。
【0050】
そして、上記外層用材料は、例えば、上記A′,B,C,D成分と、必要に応じてカーボンブラック等を配合し、これらをバンバリーおよびロールを用いて混練することにより調製することができる。
【0051】
本発明のガソホール燃料用ホースは、例えば、つぎのようにして作製することができる。すなわち、まず、前記A〜D成分を含有する内層用材料(ゴム材料)、XおよびY成分を主成分とする樹脂層用材料(樹脂材料)、およびA′,B,C,D成分を含有する外層用材料(ゴム材料)をそれぞれ調製する。そして、上記内層用材料を押し出し成形して内層を形成する。つぎに、この内層の外周面に、樹脂層用材料および外層用材料をそれぞれ押し出し成形する(タンデム方式)。つぎに、所定の長さに切断した後、マンドレルに挿入して加硫(通常、140〜170℃×10〜60分)を行う。本発明においては、ゴムの硫黄加硫時の加硫温度において、上記内層1および外層3中のアミン系触媒(C成分)の触媒作用により、上記樹脂層2中のVDF単位から脱フッ化水素(HF)反応が促進され、ラジカルが生じ、これがゴムとの接着点となる。そして、この樹脂層2の接着点と、上記内層1および外層3中のゴムの二重結合(ジエン)部分とが接着するようになるため、樹脂層2と、内層1および外層3中のゴムとの間の接着性が向上し、ホース全体としての層間接着性が優れている。つぎに、上記加硫後にマンドレルからホースを引き抜き、管状の内層1の外周面に、樹脂層2、外層3が順次形成された三層構造のガソホール燃料用ホース(図1参照)を作製することができる。
【0052】
なお、本発明のガソホール燃料用ホースは、上記の製法に限定されるものではない。
【0053】
本発明のガソホール燃料用ホースは、ホース内径は2〜50mmの範囲が好ましく、特に好ましくは5〜40mmの範囲である。
【0054】
なお、本発明のガソホール燃料用ホースは、前記図1に示した三層構造に限定されるものではなく、例えば、内層1の内周面に最内層を形成したり、外層3の外周面に最外層を形成しても差し支えない。
【実施例】
【0055】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0056】
まず、実施例および比較例に先立ち、ホース各層の形成材料を調製した。
【0057】
〔NBR材料(内層用材料)の調製〕
ゴム成分(A成分)であるNBR(日本ゼオン社製、ニポールDN003、AN量:50)100部と、硫黄加硫剤(B成分)である硫黄(軽井沢精錬所社製、サルファックスT−10)1部と、接着点形成用アミン系触媒(C成分)であるDBU塩〔ダイソー社製、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7塩〕1部と、受酸剤(D成分)である含水ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4A)10部と、ステアリン酸(花王社製、ルナックS30)1部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)45部と、タルク(日本ミストロン社製、ミストロンベーパータルク)25部と、塩基性シリカ(DSL.ジャパン社製、カープレックス1120)25部と、エーテルエステル系可塑剤(旭電化工業社製、アデカサイザーRS107)25部と、加硫促進剤(OBS)(大内新興化学社製、ノクセラーMSA)1部とを配合し、これらをバンバリーおよびロールで混練りして、NBR材料を調製した。
【0058】
〔NBR−PVC材料(内層用材料もしくは外層用材料)の調製〕
ゴム成分(A成分もしくはA′成分)であるNBR−PVC〔NBR/PVC=60/40(重量比)、AN量:35〕100部と、硫黄加硫剤(B成分)である硫黄(軽井沢精錬所社製、サルファックスT−10)1部と、接着点形成用アミン系触媒(C成分)であるDBU塩〔ダイソー社製、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン−7塩〕2部と、受酸剤(D成分)である含水ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4A)10部と、ステアリン酸(花王社製、ルナックS30)1部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)30部と、ゼオライト(水澤化学工業社製、ミズカライザーDS)10部と、タルク(日本ミストロン社製、ミストロンベーパータルク)20部と、塩基性シリカ(DSL.ジャパン社製、カープレックス1120)15部と、エーテルエステル系可塑剤(旭電化工業社製、アデカサイザーRS107)25部と、加硫促進剤(OBS)(大内新興化学社製、ノクセラーMSA)1部とを配合し、これらをバンバリーおよびロールで混練りして、NBR−PVC材料を調製した。
【0059】
〔IIR材料(外層用材料)の調製〕
ゴム成分(A′成分)であるレギュラーブチルゴム(IIR)(JSR社製、ブチル365)25部と、ゴム成分(A′成分)であるハロゲン化IIR(Cl−IIR)(JSR社製、ブチルHT1066)75部と、硫黄加硫剤(B成分)である硫黄(軽井沢製錬所社製、サルファックスT−10)0.15部と、接着点形成用アミン系触媒(C成分)であるナフトエ酸DBU塩〔ダイソー社製、DA−500〕2部と、受酸剤(D成分)である含水ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4A)5部と、ステアリン酸(花王社製、ルナックS30)1部と、カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO)50部と、ナフテンオイル(出光興産社製、ダイアナプロセスNM−300)5部と、架橋剤(三新化学社製、サンセラー22C)1部と、架橋助剤(大内新興化学社製、ノクタイザーSS)0.5部とを配合し、これらをバンバリーおよびロールで混練りして、IIR材料を調製した。
【0060】
〔樹脂層用材料(樹脂材料)の調製〕
下記の表1に示す各成分のペレットを同表に示す割合で押し出し成形して、樹脂層用材料を調製した。
【0061】
【表1】

【0062】
なお、上記表1に示した材料は、下記のとおりである。
〔テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)(X成分)〕
ダイキン工業社製、ネオフロンCPT LP−1000
【0063】
〔ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(Y成分)〕
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体(四元THV)(ダイニオン社製、THV815G)
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体(三元THV)(ダイニオン社製、THV500)
【0064】
つぎに、上記ホース各層の形成材料を用いてホースを作製した。
【0065】
〔実施例1〕
下記の表2に示す各層の形成材料を用いてホースを作製した。すなわち、内層用材料としてNBR材料、樹脂層用材料として樹脂材料2、外層用材料としてIIR材料をそれぞれ準備した。そして、上記内層用材料を押し出し成形して内層を形成した後、その外周面に樹脂層用材料および外層用材料をそれぞれ押し出し成形した(タンデム方式)。つぎに、これを所定の長さ(300mm)に切断した後、マンドレルに挿入して加硫(160℃×30分)を行った。加硫後にマンドレルから引き抜き、管状の内層(厚み2mm)の外周面に、樹脂層(厚み0.1mm)、外層(厚み2mm)が順次形成されてなる三層構造のホース(内径24mm)を作製した。
【0066】
〔実施例2〜20、比較例1〜12〕
下記の表2および表3に示す内層用材料、樹脂層用材料、および外層用材料の組み合わせに変更する以外は、実施例1と同様にして、三層構造のホースを作製した。
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

【0069】
このようにして得られた実施例品および比較例品を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記表2および表3に併せて示した。
【0070】
〔燃料透過量〕
各樹脂層用材料を用い、これをシート状に押出し成型して、サンプルシートを作製した(大きさ:100mm×100mm、厚み:0.15mm)。そして、図2に示すように、フランジ付きのSUS製カップ(内径φ:66mm、カップ内高さD:40mm)20を準備し、このカップ20内に、Fuel Cとエタノールとを混合した試験液〔Fuel C:エタノール=90:10(容量基準)〕を100ml入れた。つぎに、上記カップ20のフランジ部21に、上記で作製したサンプルシート10を載せ、さらに金網(16メッシュ)11を介してパッキン12で押さえて、ボルト13で締め付けることにより、カップ20を密封した。このようにして、燃料透過量を測定する試験装置を作製した。つぎに、この試験装置を上下逆さまにした状態で、60℃オーブン中に放置し、1日毎にカップ重量を測定し、その減少量(透過量Q)を測定した。そして、下記の式(1)に従い、燃料透過量(mg・mm/cm2 ・day)を算出した(カップ法)。なお、本発明においては、上記燃料透過量(mg・mm/cm2 /day)が0.32未満であることが要求される。
【0071】
【数1】

【0072】
〔層間接着性〕
内層用ゴム材料(NBR材料、NBR−PVC材料)、および外層用ゴム材料(IIR材料、NBR−PVC材料)を用い、ロールでシート状に加工して、未加硫ゴムシート(大きさ:100mm×100mm、厚み2mm)を作製した。また、各樹脂層用材料を用い、これをシート状に押出し成型して、樹脂シートを作製した(大きさ:100mm×100mm、厚み:0.15mm)。そして、上記未加硫ゴムシートと、樹脂シートを貼り合わせて、160℃で45分加硫接着させた。その後、ゴムシートと樹脂シートとを、引張試験機(JIS B 7721)を用いて、毎分50mmの速度で剥離して、層間接着力(N/cm)を測定した。層間接着性の評価は、層間接着力が1.2N/cm(約3N/inch)未満で、界面剥離したものを×、層間接着力が1.2N/cm(約3N/inch)〜7.9N/cm(約20N/inch)で、一部ゴム破壊したものを○、層間接着力が7.9N/cm(約20N/inch)を超えて、ゴム破壊したものを◎とした。
【0073】
上記表2および表3の結果から明らかなように、実施例品は、CPTに、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(THV)を所定量ブレンドした樹脂材料を用いているため、燃料低透過性および層間接着性がいずれも良好であった。
【0074】
なお、本発明者は、樹脂層用材料中のTHV(三元THV、四元THV)に代えて、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)を用いた場合にも、THVを用いた実施例と同様の優れた効果が得られることを実験により確認した。
【0075】
これに対して、比較例1,4,7,10品は、CPT単独の樹脂材料からなるため、燃料透過量が最も少なく、燃料低透過性に優れているが、CPTに、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(THV)をブレンドしていないため、層間接着性が劣っていた。
【0076】
比較例2,5,8,11品は、CPTに、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(THV)をブレンドしているため、層間接着性は優れているが、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(THV)のブレンド量が多すぎるため、燃料透過量が多く、燃料低透過性が劣っていた。
【0077】
比較例3,6,9,12品は、ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂(THV)単独の樹脂材料からなるため、層間接着性は優れているが、CPTを使用していないため、燃料透過量が多く、燃料低透過性が劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明のガソホール燃料用ホースは、メタノールやエタノール等のアルコール混合ガソリン(ガソホール)燃料の輸送用配管等として用いられる。
【符号の説明】
【0079】
1 内側ゴム層
2 樹脂層
3 外側ゴム層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の内側ゴム層と、その外周面に形成される樹脂層と、その外周面に形成される外側ゴム層とを備えたガソホール燃料用ホースであって、上記内側ゴム層が、下記の(A),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなり、上記外側ゴム層が、下記の(A′),(B),(C)および(D)成分を含有するゴム材料からなるとともに、上記樹脂層が、下記の(X)および(Y)成分を主成分とする樹脂材料からなり、かつ、上記(Y)成分の配合量が、(X)成分と(Y)成分の合計量全体の5〜50重量%の範囲であることを特徴とするガソホール燃料用ホース。
(A)アクリロニトリル−ブタジエンゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(A′)ブチルゴム、およびアクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムの少なくとも一方。
(B)硫黄加硫剤。
(C)接着点形成用アミン系触媒。
(D)受酸剤。
(X)テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)−クロロトリフルオロエチレン共重合体。
(Y)ビニリデンフルオライド単位を持ったフッ素樹脂。
【請求項2】
上記(Y)成分が、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド三元共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル四元共重合体およびポリビニリデンフルオライドからなる群から選ばれた少なくとも一つである請求項1記載のガソホール燃料用ホース。
【請求項3】
上記(C)成分が、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩(DBU塩)である請求項1または2記載のガソホール燃料用ホース。
【請求項4】
上記(D)成分が、含水ハイドロタルサイト化合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のガソホール燃料用ホース。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のガソホール燃料用ホースの製法であって、ゴムの加硫温度において、上記内側および外側ゴム層中の(C)成分の触媒作用により、上記樹脂層を形成する(Y)成分中のビニリデンフルオライド単位から脱フッ化水素してゴムとの接着点を作り、この樹脂層の接着点を利用して、樹脂層と、上記内側ゴム層および外側ゴム層とを接着させる工程とを備えたことを特徴とするガソホール燃料用ホースの製法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−253887(P2010−253887A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109536(P2009−109536)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】