説明

ガラスパネルの製造方法、ガラスパネル、ガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法

【課題】ガラスカレット独特の意匠性を備えるとともに表面に凹凸状の模様を有するガラスパネルを、最小限の製造工程によって製造することができるガラスパネルの製造方法、ガラスパネル、ガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法を提供する。
【解決手段】ガラスカレット20を型枠内に集積し、該ガラスカレット20を加熱処理することにより溶着一体化してガラスパネル10を得る製造方法において、前記型枠の底面の凹凸形状を転写して、一方面が凹凸状であるガラスパネルを製造する。また、ガラスパネル10の支持部材によれば、ガラスパネル10の表面12の凹凸状の凹条部16に嵌合する一方の挟持部材と、ガラスパネル10の裏面18の平坦部に当接する他方の挟持部材とを有しているので、ガラスパネル10を下地構造体に安定して支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスパネルの製造方法、ガラスパネル、ガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法に係り、特にガラスカレットによって製造されるガラスパネルの製造方法、ガラスパネル、ガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスカレットを利用し、これを再加熱することにより溶着一体化して、天然石模様のガラスパネルを製造する技術が特許文献1に開示されている。このガラスパネルは、粒径5600μm以下の結晶性ガラス粒と非晶質ガラスからなるカレットであって、重量比(カレット/結晶性ガラス粒)1.5以上4以下のカレットを型枠に集積し、これを900℃以上1000℃以下の温度で加熱して結晶化させることにより製造される。
【0003】
また、特許文献2には、ガラスカレットを加熱して軟化融着させることにより板状のプレ成形物を製造し、このプレ成形物を型上又は型内で加熱することにより、最終形状に成形してなるガラスパネルを製造する技術が開示されている。
【0004】
一方、非特許文献1には、一定の大きさに砕いたガラス片を、適切な間隔に配置し、これを再加熱して一体化した後、両面を研削、研磨して透明な部分と不透明な部分とを一枚のガラスの中に混在させたガラスパネルが公開されている。そして、このガラスパネルは、非特許文献2に公開されているように、ビードベール(株式会社ビー:商品名)と言う名称で商品化されている。
【特許文献1】特開2002−226224号公報
【特許文献2】特開2005−67948号公報
【非特許文献1】日経アーキテクチャー(2007年4月23号:大阪市立大学高松記念館参照)
【非特許文献2】株式会社ビー(書品名:ビードベール) http//www.bedeverre.com
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、天然石模様の装飾ガラスパネルを得るために、結晶性ガラス粒と非晶質ガラスからなるカレットの粒径、重量比を管理しなければならず非常に手間がかかり、また、製造されたガラスカレットの表面にはカレット溶着独特の凸凹面が存在するため、これを天然石模様に見せるためには表面研磨を行わなければならず、製造コストが増大するという欠点があった。
【0006】
また、特許文献2のガラスパネルの製造方法は、ガラスカレットによって板状のプレ成形物を一旦製造し、これを型上又は型内で加熱して最終形状に成形してなるガラスパネルを製造するものなので、製造工程が2工程となり製造コストが増大するという欠点があった。
【0007】
一方、非特許文献1、2のガラスパネルは、透明な部分と不透明な部分とが混在するため、独特の視覚効果が得られるが、透明な部分を得るためには、カレットを適切な寸法の大きさに切断しなければならず、これもまたカレットの管理に手間がかかるという欠点があった。また、このガラスパネルは、両面を研削、研磨してフラットな面に透明性を持たせているため、製造コストが増大するという欠点があった。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラスカレット独特の意匠性を備えるとともに表面に凹凸状の模様を有するガラスパネルを、最小限の製造工程によって製造することができるガラスパネルの製造方法とそのガラスパネルを提供することを目的とし、また、そのガラスパネルを壁面又は下地構造体に安定して支持することができるガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記目的を達成するために、ガラスカレットを型枠内に集積し、該ガラスカレットを加熱処理することにより溶着一体化してガラスパネルを得るガラスパネルの製造方法において、前記型枠の底面はその断面が凸部及び凹部を有する凹凸形状に形成され、前記ガラスカレットを溶着一体化してガラスパネルを得る過程においてガラスパネルの一方面に前記凹凸形状を転写することにより、一方面が凹凸状であるガラスパネルを製造することを特徴とするガラスパネルの製造方法を提供する。
【0010】
本発明のガラスパネルの製造方法によれば、型枠の底面にガラスカレットを敷き詰めて集積し、ガラスカレットを溶着一体化してガラスパネルを得る過程において、ガラスパネルの一方面に、型枠底面の凸部及び凹部を転写することにより、一方面が凹凸状であるガラスパネルを製造することができる。
【0011】
したがって、本発明によれば、ガラスカレットを溶着一体化させる一つの製造工程によって、ガラスカレット独特の意匠性を備えるとともに表面に凹凸状の模様を有するガラスパネルを製造することができる。
【0012】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項1に記載のガラスパネルの製造方法で得られたガラスパネルを提供する。
【0013】
本発明のガラスパネルは、一方面が凹凸状であり、その凹凸状を視覚的に強調するため透明性を要しない。このため、サイズの小さな不揃いなガラスカレットを使用することができ、かつ、建築用途以外のカレット、例えば自動車用、パチンコ台、食器用、蛍光管用、家庭電化製品用等の各種のカレットを利用することができる。したがって、本発明のガラスパネルは、リサイクル性が高く、また、研削、研磨が不要のためコストダウンを図ることができる。更に、各種のガラスカレットを使用することにより、各種のガラスカレットが持つ特質(色、カレット模様)により、今までに無い斬新な意匠性も得ることができる。本発明のガラスパネルは、壁材等の内装用建材、中低層建造物の外装用建材、光壁、標識、サイン等として好適である。
【0014】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項2に記載のガラスパネルを、壁面又は下地構造体に設けられた受け部材に支持させるためのガラスパネルの支持部材において、前記ガラスパネルの端部からガラスパネルの面方向に差し込まれる一対の挟持部材からなり、一方の挟持部材は、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合する嵌合部材によって構成され、他方の挟持部材は、前記ガラスパネルの他方面に当接される当接部材によって構成され、前記受け部材に固定される固定部が前記当接部材に設けられていることを特徴とするガラスパネルの支持部材を提供する。
【0015】
本発明は、前記目的を達成するために、請求項2に記載のガラスパネルを、壁面又は下地構造体に設けられた受け部材に支持させるガラスパネルの支持方法において、前記ガラスパネルの端部からガラスパネルの面方向に差し込まれる一対の挟持部材からなる支持部材を使用し、一方の挟持部材である嵌合部材を、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合し、他方の挟持部材である当接部材を、前記ガラスパネルの他方面に当接し、前記当接部材に設けられた固定部を前記受け部材に固定することを特徴とするガラスパネルの支持方法を提供する。
【0016】
本発明によれば、ガラスパネルの端部からガラスパネルの面方向に支持部材を差し込むと、一方の挟持部材である嵌合部材が、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合し、他方の挟持部材である当接部材が、ガラスパネルの他方面の平坦部に当接する。これにより、支持部材は、ガラスパネルに対し位置ずれすることなく取り付けられる。そして、当接部材に設けられている固定部材を、壁面又は下地構造体に設けられた受け部材に支持させる。したがって、本発明の支持部材、及び支持方法によれば、ガラスパネルを壁面又は下地構造体に安定して支持することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明のガラスパネルの製造方法、及びガラスパネルによれば、ガラスカレットを溶着一体化させる一つの製造工程によって、ガラスカレット独特の意匠性を備えるとともに表面に凹凸状の模様を有するガラスパネルを製造することができる。これにより、本発明のガラスパネルによれば、従来の研磨品のガラスパネルに対して、製品コストを約半分に削減することができる。
【0018】
また、本発明のガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法によれば、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合する一方の挟持部材と、ガラスパネルの他方面に当接する他方の当接部材とを有しているので、ガラスパネルを壁面又は下地構造体に安定して支持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に従って本発明に係るガラスパネルの製造方法、ガラスパネル、ガラスパネルの支持部材、及びガラスパネルの支持方法の好ましい実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、実施の形態のガラスパネル10の斜視図が示されている。このガラスパネル10は、ガラスカレットを溶着一体化させることにより矩形状に製造されたものである。このガラスパネル10の表面(一方面)12は凹凸状に形成され、この凹凸状は、多数の凸条部14と凹条部16とを等間隔のピッチで規則的に繰り返すことにより形成される。また、ガラスパネル10の裏面(他方面)18はフラットに形成される。なお、裏面18の形状はフラットに限定されるものではないが、製造の容易性、施工時の固定し易さ等の観点から、平坦であるのが好ましい。更に、このガラスパネル10は、大小様々なサイズの多数のガラスカレット20、20…が透過して見える、ガラスカレット製独特の意匠性を有するガラスパネルとなっている。なお、図1では、ガラスカレット20、20をガラスパネル10の一部にのみ模式的に描いているが、ガラスカレット20、20…はガラスパネル10全体に存在しているものである。また、この透けて見えるガラスカレット20は、溶着前のガラスカレット20が完全には溶解しないため目視によりその輪郭形状が確認できるものである。
【0021】
図2(A)、(B)、(C)は、ガラスパネル10の製造過程を経時的に示した説明図である。
【0022】
まず、図2(A)に示すように、上部が開放された箱型形状の型枠22内にガラスカレット20、20…を敷き詰めて集積する。この型枠22の底面24には図2(B)に示すように、多数の凸条部26と凹条部28とが等間隔のピッチで規則的に繰り返された凹凸状に形成されている。
【0023】
次に、ガラスカレット20、20…を型枠22とともに加熱し、ガラスカレット20、20…を溶着一体化させて図2(C)で示すガラスパネル10を製造する。その製造方法としては、型枠22をローラ搬送式の加熱炉内で搬送させながら、この加熱炉の前段においてガラスカレット20、20…を所定の温度に予熱する。そして、加熱炉の中段においてガラスカレット20、20…を900℃〜1000℃の範囲で本加熱する。この本加熱時にガラスカレット20、20…が溶着一体化されてガラスパネル10に製造される。そして、溶着一体化されたガラスパネル10は、加熱炉の後段において所定の温度で徐冷され、この後、加熱炉から取り出される。加熱炉から取り出されたガラスパネル10は型枠22と分離され、これによって図1及び図2(C)で示したガラスパネル10が製造される。すなわち、型枠22の多数の凸条部26と凹条部28とが、ガラスパネル10の表面12に転写されて、その表面12に多数の凸条部14と凹条部16とが規則的に形成され、その裏面18がフラットなガラスパネル10が製造される。
【0024】
なお、ガラスパネル10と型枠22との分離を容易にするために、型枠22の底面24に、アルミナ等の離型材を予め塗布しておくことが好ましい。また、型枠22の材質は、1000℃以上の高温に耐え得ることができる耐熱煉瓦、耐熱鋼製、又はセラミックス製であることが好ましい。
【0025】
このように実施の形態では、ガラスカレット20、20…を溶着一体化させる一つの製造工程によって、ガラスカレット独特の意匠性を備えるとともに表面12に凹凸状の模様を有するガラスパネル10を製造することができる。
【0026】
また、製造されたガラスパネル10は、ガラスカレット20、20…が透けて見えるカレット溶着ガラスとなるので、ガラスカレット独特の意匠性を持つガラスパネルとなる。ガラスカレット20、20…として多色のものを使用することにより、ステンドグラスに似せることができる。
【0027】
また、実施の形態のガラスパネル10は表面12が凹凸状であり、その凹凸状を視覚的に強調するため透明性を要しない。このため、サイズの小さな不揃いなガラスカレット20、20…を使用することができる。更に、凸凹面のため、光の反射の具合も異なり、意匠性を向上させている。また、建築用途以外のガラスカレット、例えば自動車用、パチンコ台、食器用、蛍光管用、家庭電化製品用等の各種のガラスカレットを利用することができる。これらのガラスカレットのうち、特にパチンコ台に使用されているガラス、蛍光管に使用されているガラスが好適であるが、これらのガラスカレットを使用することで、凸凹面を有するガラスパネル表面側からの光に対して、玉虫色の反射光を有するものを、製造することができる。これらは、ガラスカレットの材料と、凸凹面を有する構成とを組み合わせることで得られる特徴のひとつである。他方、裏面からの照明に対しては、このガラスパネルは全く違う表情を示す。即ち、玉虫色の反射は起らず、ガラスカレットの持つ、大きさ・形状が、柄模様としてだけ浮かび上がる光壁となる。
【0028】
なお、建築用のガラスでも、例えば、建て替えの際に生じた古いガラスを、再生利用することも可能となる。疵、泡、汚れ等の欠点があっても、実施の形態の製造工程を経ることで、リサイクルすることが可能となる。
【0029】
したがって、実施の形態のガラスパネル10は、リサイクル性が高く、また、研削、研磨が不要のためコストダウンを図ることができる。また、各種のガラスカレットを利用できるので、各ガラス素材特有の色調を得ることができ、斬新な意匠性を得ることができる。更に、カレットの大きさを調整することで、各種の模様を得ることも可能となる。更にまた、実施の形態のガラスパネル10は、透明性は発揮できないが、ガラスパネル10の平坦な背面(裏面18)側から光を当てることで、前記色やカレット独特の模様が浮き出るため、独特の意匠性を得ることもできる。
【0030】
なお、ガラスパネル10の凹条部16の深さは、上述したガラスパネル10の意匠性を得るために、その最小の深さは1mm程度であり、また、ガラスパネル10の強度維持の点から考慮すると、ガラス最大板厚(8〜30mm)の1/3程度が好ましい。例えば、凹条部16の深さを、ガラス板厚の1/2まで掘り込むと、ガラスパネル10の強度が極端に低下するおそれがあるからである。
【0031】
また、凸条部14と凸条部14とのピッチ、及び凹条部16と凹条部16とのピッチは、意匠性を考慮して5〜30mmであることが好ましい。このピッチは、全てにおいて等間隔でなくてもよい。上記ピッチの範囲内において、ピッチを適宜変更することにより、更なる意匠性の高いガラスパネル10を得ることができる。
【0032】
図3は、他の実施の形態のガラスパネル10Aの斜視図が示されている。このガラスパネル10Aのように凸条部14A、凹条部16Aは規則性を有する必要はなく、それ自体を曲線状に形成してもよく、また、凹状部16Aであれば、その溝幅、溝深さを1本の凹条部16Aにおいて適宜変化させてもよい。これにより、デザイン性のあるガラスパネル10Aを提供できる。
【0033】
図4〜図7は、実施の形態のガラスパネル10の支持部材30が示されている。図4は支持部材30の構成を示した要部斜視図、図5は支持部材30によって支持されたガラスパネル10の隅部を示す要部正面図、図6は図5の左側面図、図7は図5のA−A線に沿う断面図である。この支持部材30は、図6の下地構造体(壁面であってもよい)32に設けられた受け部材34にガラスパネル10を支持させるための金属製部材である。
【0034】
支持部材30は図4の如く、ガラスパネル10の端部11からガラスパネル10の面方向に差し込まれる一対の挟持部材36、38から構成される。これらの挟持部材36、38のうち一方の挟持部材36は、ガラスパネル10の表面12の凹凸状の凹条部16に嵌合する棒状の嵌合部材であり、他方の挟持部材38は、ガラスパネル10の裏面18の平坦部に当接される矩形の板状部材(当接部材)である。なお、挟持部材38として平板状の板状部材を例示したが、ガラスパネル10の裏面18の形状が平坦ではなく、例えば凹凸状である場合には、その凹部に嵌合される形状の部材であればよい。
【0035】
この挟持部材38には、受け部材34にピン40を介して固定される固定部42が挟持部材38の面に対して直交方向に一体形成されている。また、挟持部材38には、三角形状の連結板44が挟持部材38から直角に折曲されるように形成されており、この連結板44の頂部に挟持部材36が連結板44の面に対して直交方向に連結されている。なお、ピン40は受け部材34に植設されており、固定部42側にピン40が嵌挿される貫通孔46が形成されている。また、受け部材34は図6の如く、ねじ48及びボルト50によって下地構造体32に固定されている。
【0036】
一方、挟持部材38とガラスパネル10の裏面18との間には図6、図7に示すように、緩衝材である硬質ゴム52が介在されている。これにより、挟持部材38とガラスパネル10の裏面18との接触によるガラスパネル10の損傷が防止されている。この硬質ゴム52は、挟持部材38の裏面側(下地構造体32側)から螺入されるビス54によってガラスパネル10の裏面18に押し付けられており、挟持部材38とガラスパネル10の裏面18との間からの脱落が防止されている。なお、硬質ゴム52を介在させることなく挟持部材38をガラスパネル10の裏面18に直接当接させてもよい。また、本発明の板状部材は、挟持部材38と硬質ゴム52とを含むものとしてもよい。
【0037】
図5に示すように、上下方向に配置されたガラスパネル10、10の各隅部には、上下のガラスパネル10、10の間の隙間を閉塞する板状のガスケット56が配置される。このガスケット56は、隣接する上下のガラスパネル10、10の間の隙間を閉塞するように所定の長さを有している。また、このガスケット56は、図6の上側に配置された固定部42の下部に折曲形成されている係合58に係合されて前記隙間からの脱落が防止されている。
【0038】
前記の如く構成されたガラスパネル10の支持部材30によれば、この支持部材30をガラスパネル10の端部11からガラスパネル10の面方向に差し込むと、一方の挟持部材36である嵌合部材が、ガラスパネル10の表面12の凹凸状の凹条部16に嵌合し、他方の挟持部材38である板状部材が、ガラスパネル10の裏面18の平坦部に当接する。
【0039】
これにより、支持部材30は、ガラスパネル10に対し位置ずれすることなく取り付けられる。そして、挟持部材38に設けられている固定部42を、下地構造体32に設けられた受け部材34にピン40を介して支持させる。
【0040】
したがって、この支持部材30を使用することにより、ガラスパネル10を下地構造体32に安定して支持することができる。
【0041】
図8は、支持部材30Aの他の実施の形態を示した斜視図であり、図4に示した支持部材30と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0042】
図8に示す支持部材30Aは、挟持部材36としての棒状の嵌合部材を上下方向に2本(3本以上であってもよい)有し、これらの挟持部材36、36を上下に隣接する凹条部16、16に嵌合させたものである。この支持部材30Aによれば、ガラスパネル10の自重を良好に支えることができる。
【0043】
図9は、支持部材30Bの他の実施の形態を示した斜視図であり、図4に示した支持部材30と同一又は類似の部材については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
図9に示す支持部材30Bは、挟持部材36として板状のプレート60の内側面(ガラスパネル10に対向する側の面)に表面が円弧状の凸状嵌合部材を上下方向に2箇所(3箇所以上であってもよい)形成し、これらの挟持部材36、36を、ガラスパネル10(図4参照)の上下に隣接する凹条部16、16に嵌合させたものである。この支持部材30Bであっても、ガラスパネル10の自重を良好に支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施の形態のガラスパネルを示した斜視図
【図2】実施の形態のガラスパネルの製造過程を示した説明図
【図3】他の実施の形態のガラスパネルを示した斜視図
【図4】実施の形態のガラスパネルの支持部材の構成を示した要部斜視図
【図5】図4の支持部材によって支持されたガラスパネルの要部正面図
【図6】図5の左側面図
【図7】図5のA−A線に沿う断面図
【図8】支持部材の他の実施の形態を示した斜視図
【図9】支持部材の他の実施の形態を示した斜視図
【符号の説明】
【0046】
10…ガラスパネル、11…ガラスパネルの端面、12…ガラスパネルの表面、14…凸条部、16…凹条部、18…ガラスパネルの裏面、20…ガラスカレット、22…型枠、24…型枠の底面、26…凸条部、28…凹条部、30…支持部材、30A…支持部材、30B…支持部材、32…下地構造体、34…受け部材、36…挟持部材、38…挟持部材、40…ピン、42…固定部、44…連結板、46…貫通孔、48…ねじ、50…ボルト、52…硬質ゴム、54…ビス、56…ガスケット、58…係合部、60…プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスカレットを型枠内に集積し、該ガラスカレットを加熱処理することにより溶着一体化してガラスパネルを得るガラスパネルの製造方法において、
前記型枠の底面はその断面が凸部及び凹部を有する凹凸形状に形成され、前記ガラスカレットを溶着一体化してガラスパネルを得る過程においてガラスパネルの一方面に前記凹凸形状を転写することにより、一方面が凹凸状であるガラスパネルを製造することを特徴とするガラスパネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のガラスパネルの製造方法で得られたガラスパネル。
【請求項3】
請求項2に記載のガラスパネルを、壁面又は下地構造体に設けられた受け部材に支持させるためのガラスパネルの支持部材において、
前記ガラスパネルの端部からガラスパネルの面方向に差し込まれる一対の挟持部材からなり、一方の挟持部材は、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合する嵌合部材によって構成され、他方の挟持部材は、前記ガラスパネルの他方面に当接される当接部材によって構成され、前記受け部材に固定される固定部が前記当接部材に設けられていることを特徴とするガラスパネルの支持部材。
【請求項4】
請求項2に記載のガラスパネルを、壁面又は下地構造体に設けられた受け部材に支持させるガラスパネルの支持方法において、
前記ガラスパネルの端部からガラスパネルの面方向に差し込まれる一対の挟持部材からなる支持部材を使用し、一方の挟持部材である嵌合部材を、ガラスパネルの一方面の凹凸状の凹部に嵌合し、他方の挟持部材である当接部材を、前記ガラスパネルの他方面に当接し、前記当接部材に設けられた固定部を前記受け部材に固定することを特徴とするガラスパネルの支持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−120794(P2010−120794A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294451(P2008−294451)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(391017975)AGC硝子建材株式会社 (28)
【出願人】(506346071)株式会社エコネット・エンジニアリング (6)
【出願人】(500450613)大榮産業株式会社 (6)
【出願人】(592108104)株式会社アコーセラミック (3)
【Fターム(参考)】