説明

キッチン用品

食物を処理するためのキッチン用品は、食物を受け入れるためのキャビティ(4)を取り囲むハウジング(3)を含む。キッチン用品は、ハウジング(3)から流し込み可能な食物を計量分配する流出口(25)と、流し込み可能な食物を受け取り且つ収集し、流し込み可能な食物を流出口に送る収集器(22)とを含む。流出口(25)は注ぎ口(5)を備え、注ぎ口(5)は、流し込み可能な食物を注ぎ口(5)から計量分配し得る第一位置と、注ぎ口からの流し込み可能な食物の計量分配が防止される第二位置との間で、実質的に水平な軸(23)について蝶番式に移動可能である。注ぎ口(5)を第二位置に向かって推進するよう、注ぎ口(5)は、注ぎ口(5)に対して作用するマニピュレータによって操作されるよう構成され且つ配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキッチン用品(台所用品)と、キッチン用品と協働するよう設計されるジャグ(液体容器)と、キッチン用品及びジャグの組立体(アセンブリ)とに関する。具体的には、本発明はジュースの滴がキッチン用品の支持表面に達するのを防止する手段を備える、ジュース絞り器として既知のキッチン用品に関する。
【背景技術】
【0002】
食物を処理するために使用されるキッチン用品を家庭及びレストラン等の両方の多くのキッチンに見出し得る。食物を処理するのに使用される特別な種類のキッチン用品は、注ぎ込み可能にされた或いは液化された食物が得られるよう食物を処理するために設計される。そのようなキッチン用品は、例えば、ミキサ、ブレンダ、及び、ジュース絞り器である。そのような装置は広く知られており、例えば、フルーツ又は野菜中に存在するジュースを絞り出すために、或いは、人々がフルーツ又は野菜の全ての良好なビタミン及び滋養分を含む食物の極致を容易な方法で楽しみ得るよう特定の食物を混ぜ合わせるために使用される。普通、結果として得られる、例えば、フルーツジュース又は野菜ジュースのような、注ぎ込み可能な食物は、ジャグ又は飲用グラスに供給される。
【0003】
そのようなキッチン用品の懸念は、ジャグ又はグラスが取り除かれた後、即ち、ジャグ又はグラスが流出口に近接して位置付けられなくなった後、その流出口が滴を垂らし続けることである。これはキッチン用品を配置する支持表面上に液体、即ち、注ぎ込み可能な食物の滴を作り出す。半乾燥液体の粘着性パッチが存在するのを避けるために、支持表面、例えば、テーブルトップは洗浄される必要がある。これは多くの使用者にとって厄介であると考えられる。
【0004】
この懸念に取り組みために、キッチン用品、具体的には、ジュース絞り器からのジュースの滴下を防止するよう設計されるジュース絞り器が、WO2009/010897号で提案されている。既知のジュース絞り器は、ジュース絞り器からジュースを計量分配するための注ぎ口を備える流出口を含み、注ぎ口は、その長手軸について180度を超えて回転し得る回転可能で湾曲した、即ち、肘形状の管を受け入れるよう構成されている。このようにして、湾曲した管、又は、原理的にはその延長部である注ぎ口を、2つの位置、即ち、管が上向きに回転され、ジュース絞り器からのジュースの計量分配が回避される1つの位置、及び、管が下向きに回転され、ジュースの計量分配可能である1つの位置に位置付け得る。管が上向きに回転される位置において、管、よって、注ぎ口からのジュースの滴下が防止される。管は手動で回転される必要がある。
【0005】
WO2009/010897号は上述の懸念に対する解決策をもたらすが、一部の使用者は管を手動で回転するのが厄介であると依然として考えており、それは多少の実質的な回転、即ち、180度を超える回転を必要とする。これは手又は腕に動作又は動作能力の減少がある人々に特に当て嵌まる。更なる懸念として、既知のジュース絞り器の注ぎ口はジャグが注ぎ口の下に配置されている間に回転される必要があることも付記し得る。注ぎ口の回転の前にジャグが取り外されなければならない場合には、食物の滴が支持表面に達する相当な危険性(リスク)が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、支持表面への食物滴下の可能性を更に減少すると同時に、操作が容易なキッチン用品を提供することが望ましい。いずれにしても、WO2009/010897号から既知のジュース絞り器の代替を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの懸念の1つ又はそれよりも多くに良好に取り組むために、食物を受け入れるためのキャビティを取り囲むハウジングと、流し込み可能な食物をハウジングから計量分配するための流出口と、流し込み可能な食物を受け取り且つ収集し、且つ、流し込み可能な食物を流出口に送る収集器とを含む、食物を処理するためのキッチン用品が提供される。流出口は、注ぎ口を備え、注ぎ口は、流し込み可能な食物を注ぎ口から計量分配し得る第一位置と、注ぎ口からの流し込み可能な食物の計量分配が防止される第二位置との間で、実質的に水平な軸について蝶番式に移動可能である。キッチン用品の注ぎ口は、注ぎ口を第二位置に向かって推進するよう、注ぎ口に対して作用するマニピュレータによって操作されるよう構成され且つ配置される。
【0008】
ジュース絞り器の注ぎ口が実質的に水平な軸について蝶番式に移動し得るよう、注ぎ口が実質的に垂直な方向において第一位置と第二位置との間を移動し得ることが達成される。このようにして、注ぎ口を2つの位置の間で移動するために、WO2009/010897号において提案されるように注ぎ口又は管を回転する代わりに、垂直方向における簡単な動作で十分である。これは回転よりも一層簡単な動作である。その上、キッチン用品の注ぎ口を注ぎ込み可能な食物の計量分配が防止される第二位置に向かって推進するマニピュレータによって操作し得る注ぎ口を設けることによって、注ぎ口の動作不能位置が自動的に作動されることが達成される。換言すれば、注ぎ口は、注ぎ口が第一位置に位置付けられないときに第二位置を取り、マニピュレータの影響の下で、自動的に第二位置に戻る。結果的に、キッチン用品が配置される支持表面に滴が達する危険性(リスク)は低減される。
【0009】
ある実施態様において、キッチン用品は、1つ又はそれよりも多くのバネ、カウンタウェイト、及び/又は、磁石を含むマニピュレータを含む。これは注ぎ口をその第二位置に自動的に戻す適切且つ確実な方法をもたらす。
【0010】
ある実施態様において、注ぎ口は、ジャグの流し込み用の注ぎ口内に少なくとも部分的に挿入されるよう構成される。これは注ぎ込み可能な食物の注ぎ込み中に注ぎ込み可能な食物の滴が滴下する危険性(リスク)を低減する。
【0011】
ある実施態様において、マニピュレータは、ジャグの注ぎ込み用の注ぎ口の下方案内表面を含み、下方案内表面は、キッチン用品の注ぎ口と接触し、且つ、ジャグの注ぎ込み用の注ぎ口からのキッチン用品の注ぎ口の抜き出し直後、注ぎ口を第二位置に推進するよう構成される。故に、この実施態様は、キッチン用品の注ぎ口を第二位置に向かって推進するためのマニピュレータの更なる代替をもたらす。
【0012】
更に、これは注ぎ口の動作がジャグの注ぎ込み用の注ぎ口によって行われることをもたらす。結果的に、使用者は注ぎ口を彼自身又は彼女自身で作動又は操作する必要がない。代わりに、ジャグの移動は、注ぎ込み用の注ぎ口をキッチン用品の注ぎ口と接触させ、その動作をトグル(toggle)する。キッチン用品の注ぎ口は注ぎ込み用の注ぎ口内に部分的に挿入されるので、支持表面上での滴下の危険性(リスク)が一層更に低減される。キッチン用品の注ぎ口がジャグの注ぎ込み用の注ぎ口によって移動されることによって、自動的な動作が達成され、使用者によって取られるべき注ぎ口に関する如何なる意識的な動作をも排除する。
【0013】
ある実施態様において、マニピュレータは、ジャグの注ぎ込み用の注ぎ口の上方案内表面を含み、上方案内表面は、キッチン用品の注ぎ口と接触するように構成され、且つ、キッチン用品の注ぎ口がジャグの注ぎ込み用の注ぎ口内に少なくとも部分的に挿入されるときに、注ぎ口を第一位置に推進するよう構成される。これは注ぎ口の動作がジャグの注ぎ込み用の注ぎ口によって行われることを再びもたらし、使用者が彼自身又は彼女自身で注ぎ口を作動又は操作する必要はない。代わりに、キッチン用品から食物を受け取る準備のできた位置へのジャグの配置は、注ぎ込み用の注ぎ口をキッチン用品の注ぎ口と接触させ、その第一位置に向かうその動作を自動的にトグルする。
【0014】
ある実施態様において、キッチン用品の注ぎ口は、第一位置において、水平軸に対して5度〜25度の間、好ましくは、約15度だけ下向きに傾斜され、第二位置において、水平軸に対して約3度〜15度の間、好ましくは、約5度だけ上向きに傾斜されるよう構成される。これらの角度は、キッチン用品の注ぎ口の良好な注ぎ込み性能をもたらし、滴が支持表面に達しないことを保証する。何故ならば、注ぎ口は、第二位置において、十分に上向きに傾けられているからである。
【0015】
ある実施態様において、キッチン用品の注ぎ口は、ハウジング内に少なくとも部分的に延び、且つ、流出口から流し込み可能な食物を受け取るよう構成される第一遠位端部を含み、ハウジングから突出する開放遠位端部を含む。これはその2つの間で容易に操作し得る注ぎ口の簡単且つ頑強(ロバスト)な設計をもたらす。
【0016】
ある実施態様では、注ぎ口が最後にあった位置に留まり、その偶発的な動作が起こり得ないよう、ジュース絞り器は、第一位置及び前記第二位置においてキッチン用品の注ぎ口を係止する係止構成を更に含む。故に、作動のみが注ぎ口を両方の位置の間で移動し得る。
【0017】
ある実施態様において、係止構成は、キッチン用品の注ぎ口の上に設けられるプロファイル化された表面と、プロファイル化された表面と協働するよう構成される可撓な板バネ部材とを含む。これは注ぎ口の位置を係止する確実な方法をもたらしながら、キッチン用品の使用が容易且つ快適なままであるよう、両方の位置間の容易な移動を依然として可能にする。
【0018】
ある実施態様において、キッチン用品の注ぎ口は、第二位置において、過剰な注ぎ込み可能な食物を保持する貯槽を定める。第二位置におけるその上向きの向きの故に、注ぎ口は、収集器から外に出るかもしれない幾らかの食物を保持可能であり、それは注ぎ込み可能な食物が比較的高い粘性を示す場合に予期され得る。
【0019】
ある実施態様において、ジュース絞り器は、電気キッチン用品であり、電気駆動モータを含み、キッチン用品の注ぎ口によって動作される電気スイッチを備え、電気スイッチは、注ぎ口が第二位置にあるとき、キッチン用品の動作を使用不能にするよう構成される。これはジャグがキッチン用品から注ぎ込み可能な食物を収集する所定位置にないときにキッチン用品を動作することが可能でないことを保証する。
【0020】
本発明は、更に、上記に特定されたようなキッチン用品と協働するよう特別に構成されるジャグに関する。本発明は、更に、上記に特定されたようなキッチン用品と、そのようなキッチン用品と協働するよう構成されるジャグとの組立体に関する。
【0021】
英国特許出願公開GB2041727Aは、シュートと、バルブ部材と、閉鎖部材とを含む流出注ぎ口を有するジュース絞り器を開示していることを付記する。GB2041727Aは、流出注ぎ口シュートが、注ぎ口が閉じられる第一安定位置と、注ぎ口がジュースの流れを許容する第二安定位置との間で移動可能にさせることを教示している。それはGB2041727Aの注ぎ口がその2つの安定位置の間で移動するのに使用者干渉を必要とする。請求項1で請求される発明において、キッチン用品の注ぎ口は、注ぎ込み可能な食物の計量分配が防止される位置に向かって注ぎ口を推進するマニピュレータによって作用される。
【0022】
米国特許出願公開US2006/086261A1は、注ぎ口を有するフードプロセッサを開示しており、注ぎ口は、流出管からのジュースの流れを遮断するよう注ぎ口の一部がジュース流出管と係合する遮断位置と、ジュースの流れが可能である非遮断位置との間で旋回されるよう旋回的に取り付けられることを更に付記する。それはUS2006/086261A1の注ぎ口をその遮断位置と非遮断位置との間で旋回するために使用者干渉を必要とする。請求項1で請求される発明において、キッチン用品の注ぎ口は、注ぎ込み可能な食物の計量分配が防止される位置に向かって注ぎ口を推進するマニピュレータによって作用される。
【0023】
国際公開03/020092A1は、傾斜収集皿を備えるフルーツプレスを開示していることを更に付記する。ハンドルを使用して、ジュースが皿から流れ得る位置と、ジュースが皿から流れるのが遮断される位置とに皿を位置付けるよう、使用者は傾斜収集皿の位置を調節可能である。それはWO03/020092A1の皿を調節するために使用者干渉を必要とする。請求項1で請求される発明において、キッチン用品の注ぎ口は、注ぎ込み可能な食物の計量分配が防止される位置に向かって注ぎ口を推進するマニピュレータによって作用される。
【0024】
図面を参照して、本発明に従ったジュース絞り器の更なる有利な実施態様を請求項及び後続の記載中に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に従ったジュース絞り器及びジュースジャグを示す斜視図である。
【図2】図1のジュース絞り器及びジュースジャグを示す断面図である。
【図3A】ジュースジャグの動作中のジュース絞り器及びジュースジャグを示す断面図である。
【図3B】協働するジュース絞り器及びジュースジャグを示す断面図である。
【図4】ヒンジ付き注ぎ口を備える収集器を示す斜視図である。
【図5A】第二位置にある注ぎ口を示す詳細図である。
【図5B】第一位置にある注ぎ口を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の以下の記載において、本発明を組み込むキッチン用品をジュース絞り器の実施例で記載する。ここでは、本発明はそのようなジュース絞り器に限定されず或いは限定されることが意図されず、本発明はブレンダ、ミキサ等のような他のキッチン用品に等しく適用可能であり、例えば、コーヒーメーカ及び汎用水ディスペンサ(water dispenser)にさえも等しく適用可能であることが強調される。換言すれば、本発明は、フルーツ及び/又は野菜からのジュース、ミルクセーキ等のような、食物を処理するよう構成され且つ流し込み可能な食物(pourable foodstuff)、換言すれば、ある量の流動性を有する食物を供給し得るキッチン用品に適用可能である。
【0027】
図1はキッチン用品1を示しており、キッチン用品1は、ジャグ又はジュースジャグ2と共に、ジュース絞り器1の実施例として示されている。ジュース絞り器1は、キャビティ4(図2を参照)を取り囲むハウジング3を含む。ジュース絞り器1は、注ぎ口(spout)5を更に備え、注ぎ口5は、ジュース絞り器1からジャグ2にジュースを計量分配(dispense)するよう構成される。図1の実施例において、ジュースジャグ2は、蝶番接続可能な蓋6と、ハンドル7とを備えている。ハンドル7上には、蓋6を開くために使用者が押圧し得る作動ノブ8が設けられている。更に、ジュースジャグ2は、流し込み用の注ぎ口(pouring spout)9を含み、注ぎ口9はジュースジャグ2内に収容されるジュースが流し込まれること、又は、後に説明するように、注ぎ口5からジュースジャグ2に供給されることを可能にする。ジュース絞り器1は、押圧部材14(図2を参照)を有する送込み管10を有し、押圧部材14はフルーツ又は野菜をジュース絞り器1に送り込むために使用される。図示の実施態様において、ジュース絞り器1は、電気モータ21(図2を参照)によって駆動される電気ジュース絞り器である。故に、ジュース絞り器1を制御するために、電力スイッチ11が設けられている。最後に、ジュース絞り器1は、送込み管10を支持する蓋12を含み、果肉容器13(図2を参照)を含む。
【0028】
図2は、ジュースジャグ2と共に、ジュース絞り器1、即ち、キッチン用品を断面で示している。ジュース絞り器1及びジュースジャグ2の両方は、支持表面20、例えば、テーブルトップ又はキッチンの作業表面の上に配置される。図2に示されるジュースジャグ2は、図1に示されるような蝶番接続可能な蓋6の代替として、手によって取り外されなければならない蓋6を有する。図2により詳細に見ることができるように、ジュース絞り器1、具体的には、キャビティ4は、ジュースを受容し且つ収集するよう配置される収集器22によって形成される。収集器22は、注ぎ口5に開口する流出口25を備え、注ぎ口5は、その上方部分で開放している。図3A及び3Bを参照してより詳細に説明するように、注ぎ口5はハウジング3に対して蝶番接続可能であり、ジュースを計量分配し得ない非動作位置又は第二位置において図2に示されている。
【0029】
ジュース(流し込み可能な食物)がキャビティ4から流出口25を介して注ぎ口5に、そして、ジュースジャグ2内に計量分配されるために、キッチン用品1の注ぎ口5はジュースジャグ2にジュースを供給し得るように操作される必要がある。記述のように、注ぎ口5はハウジング3に対して蝶番接続可能である。具体的には、図4により詳細に見ることができるように、注ぎ口5は収集器22に蝶番接続される。注ぎ口5は収集器22に蝶番接続可能に取り付けられ、実質的に水平な軸を定めるヒンジ23について蝶番式に移動する。故に、ハウジング3から突出する注ぎ口5の部分を垂直方向に移動可能であり、ジュース絞り器1が組み立てられるとき、ハウジング3に対して蝶番式に移動可能である。本発明のある特徴によれば、キッチン用品又はジュース絞り器1の注ぎ口5の操作又は移動をジュース絞り器1の注ぎ口5とジュースジャグ2の注ぎ口9との相互作用によって達成し得る。この相互作用を図3A及び3Bを参照してより詳細に示す。
【0030】
ジュース絞り器1を使用することを欲する使用者は、図3Aに矢印Aで示されるように、ジュースジャグ2を図2に示される位置からジュース絞り器1の方向に導く。ジュースジャグ2の流し込み用の注ぎ口9をジュース絞り器1(キッチン用品)の注ぎ口5と接触させるために、使用者は支持表面20に亘ってジュースジャグ2を移動する。注ぎ口5は管状部材として成形され、ハウジング3から延びるその遠位端部に排出開口5aを有する。ここでは、注ぎ口5を漏斗のようにも成形し得るし、或いは、半パイプ形状素子に成形し得る。明瞭性のために、図3A中の領域Bは図5Aにより詳細に示されている。同様に、図3B中の領域Cは図5Bにより詳細に示されている。
【0031】
図3A中のジュースジャグ2の位置において、流し込み用の注ぎ口9は、注ぎ口5に正に触れている。見ることができるように、注ぎ口5の排出開口又は開放遠位端部5aは、傾斜表面を備える。流し込み用の注ぎ口9は、ジュース絞り器1の注ぎ口5の開放遠位端部5aと接触するための上方案内表面30と、ジュース絞り器1の注ぎ口5の下方部分と接触するための下方案内表面31とを含む内部プロファイル付き表面を備える。上方案内表面30は、注ぎ口5の開放遠位端部5aと協働するよう配置される。具体的には、上方案内表面30の形状及び傾斜した遠位端部5aの故に、矢印Aの方向におけるジュースジャグ2の如何なる更なる移動も、注ぎ口5を矢印Dで示される下向き方向に移動させる、即ち、ジュース絞り器1の注ぎ口5は、ヒンジ23について回転し或いは蝶番式に移動する。これは図3B及び5Bにそれぞれ描写されている。換言すれば、ジュース絞り器1の注ぎ口5は、ジャグ2の流し込み用の注ぎ口9によって操作され、流し込み用の注ぎ口9は、ジュース絞り器1の注ぎ口5のためのマニピュレータとして作用する。
【0032】
ジュースジャグ2がジュース絞り器1に向かって完全に移動されるとき、その注ぎ口5は、少なくとも部分的に、ジュースジャグ2の流し込み用の注ぎ口9内に延びる。この状況において、注ぎ口5は下向きに傾斜され、水平に対して約15度の角度を有する。しかしながら、5度〜25度の間の如何なる角度も着想可能である。注ぎ口5は、その一部が流し込み用の注ぎ口9内に延びるときに(図3Aを参照)その回転運動を開始するだけなので、矢印Eを用いて示される収集器22から注ぎ口5を通じて流れる如何なるジュースも支持表面20の上に滴下する危険性はない。図3B及び5B中の注ぎ口5の位置は、注ぎ口5の第一位置である。使用者がジュースジャグ2を取り外すことを欲するとき、又は、収集器22が空であるとき、ジュースジャグ2を図3Bに示されるような位置から取り外し得る。これはジュースジャグ2をそのハンドル7によって把持し、ジュースジャグ2をジュース絞り器1から離れる方向に持ち上げ且つ引っ張ることによって行われる。これは矢印Fを用いて示されている。ジュースジャグ2が矢印Fの方向に移動される間、流し込み用の注ぎ口9の下方案内表面31は、注ぎ口5の下方又は底部と接触し、それを上向きに第二位置に推進し、第二位置では、ジュースの流れは防止される。故に、流し込み用の注ぎ口9は、ジュース絞り器1の注ぎ口5のためのマニピュレータとして再び作用する。
【0033】
ジュースジャグ2が取り外されるとき、注ぎ口5は、例えば、図2に示されるような第二位置を取る。ジュースジャグ2を取り外す間、注ぎ口5は上向きに移動され、それは注ぎ口5内に依然として存在し得る如何なる残留ジュースも注ぎ口5の閉塞遠位端部40に向かって逆流することを保証する。その上、収集器22又は流出口25のいずれかに存在し得る如何なる残留ジュースも注ぎ口5から流出して支持表面20に至ることが防止される。具体的には、注ぎ口5は、その第二位置にあるとき、約5度の角度を有し、それは閉塞遠位端部40付近のジュースの幾らかの収集を許容する、即ち、注ぎ口5は、その第二位置における過剰ジュースのための貯槽を定める。これは図5Aに示されており、そこでは、少量のジュース50がジュース絞り器1の注ぎ口5内に存在するのを見ることができる。3度〜15度の間の如何なる角度も着想可能であることが付記される。
【0034】
注ぎ口5の少なくとも2つの位置が明確に定められるのが便利である。その理由のために、そのような位置を定める係止構成を備える本発明に従ったジュース絞り器1を提供することが可能である。図5A及び5Bに見ることができるように、収集器22上に設けられる板バネ部材42と協働する注ぎ口5の閉塞遠位端部40上に設けられるプロファイル化された或いは波状の表面41でそのような係止構成を構成し得る。ジュースが存在しない場合、注ぎ口5が常に非流動位置にあることを保証するために、ジュース絞り器1の注ぎ口5のためのマニピュレータとして作用し且つ注ぎ口5をその第二方向(図2の位置)に向かって推進するよう配置される代替手段を設けるのも便利である。そのような代替的なマニピュレータは、注ぎ口5に対して作用するバネ又は磁石のような弾性部材の形態を取り得るし、或いは、注ぎ口5が解放されるならば、重力の影響下で、注ぎ口5をその第二位置に向かって蝶番式に移動するカウンタウェイトの形態であり得る。
【0035】
ここでは、本発明は既述のようなジュース絞り器と共に使用されるよう特別に構成されるジュースジャグと共に使用されるときに特に有益であることを付記する。しかしながら、両手を使用して注ぎ口5を使用者によって直接的にも操作し得る。故に、使用者がジュースを流し込むことを欲するならば、使用者は注ぎ口5を下向きに押し得るし、使用者が完了した場合には、注ぎ口を上向きに押し得る。注ぎ口をその第二(非流動)位置に置くために、使用者が注ぎ口から単に手を離し得るような場合、上述のマニピュレータの提供は特に有益である。既述のように、そのようなアクチュエータ手段は、例えば、磁石、バネ、又は、両者の組み合わせを含み得る。他の解決策も可能である。
【0036】
安全構成として、ジュース絞り器の注ぎ口によって操作される追加的な電力スイッチを設けることも予見し得る。具体的には、注ぎ口がその第二位置にあるとき、注ぎ口がジュース絞り器の動作、即ち、電気モータを使用不能にすることを予見し得る。
【0037】
本発明はジュース絞り器に関して記載された。しかしながら、本発明は所与の実施例に限定されず、これらの実施例は本発明の特定の実施態様を例示するために付与されているに過ぎないことが理解されるべきである。具体的には、本発明はジュース絞り器の実施例において記載された。本発明はそのようなジュース絞り器に限定されず或いは限定されることが意図されず、ブレンダ、ミキサ等のような他のキッチン用品に等しく適用可能であり、例えば、コーヒーメーカ及び汎用水ディスペンサにさえも等しく適用可能である。換言すれば、本発明は、食物を処理するよう構成され、且つ、フルーツ及び/又は野菜からのジュース、ミルクセーキ等のような、流し込み可能な食物、換言すれば、ある量の流動性を有する食物を供給し得るキッチン用品に適用可能である。
【0038】
更に、上述されたような代替的な方法でジュース絞り器の注ぎ口の動作をトグル(toggle)することも着想可能である。ジャグがジュース絞り器の近傍にあるとき、その注ぎ口の動作が行われるよう、例えば、磁石を備えるジュース絞り器の注ぎ口を設け、鉄製インサートを備える流し込み用の注ぎ口を設ける(或いは、注ぎ口又はジャグ全体を鉄で作製する)ことも可能である。
【0039】
主題が図面及び前述の記載中に例示されたが、そのような例示及び記載は例証的又は例示的であると考えられるべきであり、制限的であると考えられるべきではない。主題は開示の実施態様に限定されない。請求される主題を実施する当事者は、図面、本記載、及び、付属の請求項の研究から、開示された実施態様に対する他の変形を理解し且つ行い得る。「含む」という動詞及びその活用形の使用は、請求項又は本記載中に記載される素子以外の他の素子の存在を排除しない。素子又はステップに先行する不定冠詞の使用は、そのような素子又はステップが複数存在することを排除しない。図面及び本記載は例示的であるとのみ看做されるべきであり、主題を限定しない。請求項中の如何なる参照記号もその範囲を限定するものと理解されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物を処理するためのキッチン用品であって、
前記食物を受け入れるためのキャビティを取り囲むハウジングと、
流し込み可能な食物を前記ハウジングから計量分配するための流出口と、
前記流し込み可能な食物を受け取り且つ収集し、且つ、前記流し込み可能な食物を前記流出口に送る収集器とを含み、
前記流出口は、注ぎ口を備え、該注ぎ口は、該注ぎ口から前記流し込み可能な食物を計量分配し得る第一位置と、前記注ぎ口からの前記流し込み可能な食物の計量分配が防止される第二位置との間で、実質的に水平な軸について蝶番式に移動可能であり、
前記注ぎ口を前記第二位置に向かって推進し、それによって、前記流し込み可能な物質の計量分配が防止される前記注ぎ口の非動作位置を自動的に作動するよう、前記注ぎ口は、前記注ぎ口に対して作用するマニピュレータによって操作されるよう構成され且つ配置される、
キッチン用品。
【請求項2】
1つ又はそれよりも多くのバネ、カウンタウェイト、及び/又は、磁石を含む前記マニピュレータを含む、請求項1に記載のキッチン用品。
【請求項3】
前記注ぎ口は、ジャグの流し込み用の注ぎ口内に少なくとも部分的に挿入されるよう構成される、請求項1又は2に記載のキッチン用品。
【請求項4】
前記マニピュレータは、前記ジャグの前記注ぎ込み用の注ぎ口の下方案内表面を含み、該下方案内表面は、当該キッチン用品の前記注ぎ口と接触し、且つ、前記ジャグの前記注ぎ込み用の前記注ぎ口からの当該キッチン用品の前記注ぎ口の抜き出し直後に、前記注ぎ口を前記第二位置に推進するよう構成される、請求項3に記載のキッチン用品。
【請求項5】
前記マニピュレータは、前記ジャグの前記注ぎ込み用の注ぎ口の上方案内表面を含み、該上方案内表面は、当該キッチン用品の前記注ぎ口と接触するように構成され、且つ、当該キッチン用品の前記注ぎ口が前記ジャグの前記注ぎ込み用の注ぎ口内に少なくとも部分的に挿入されるときに、前記注ぎ口を前記第一位置に推進するよう構成される、請求項3又は4に記載のキッチン用品。
【請求項6】
当該キッチン用品の前記注ぎ口は、前記第一位置において、前記水平軸に対して5度〜25度の間、好ましくは、約15度、下向きに傾斜され、前記第二位置において、前記水平軸に対して約3度〜15度の間、好ましくは、約5度、上向きに傾斜されるよう構成される、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品。
【請求項7】
当該キッチン用品の前記注ぎ口は、前記ハウジング内に少なくとも部分的に延び、且つ、前記流出口から流し込み可能な食物を受け取るよう構成される第一遠位端部を含み、前記ハウジングから突出する開放遠位端部を含む、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品。
【請求項8】
前記第一位置及び前記第二位置において当該キッチン用品の前記注ぎ口を係止する係止構成を更に含む、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品。
【請求項9】
前記係止構成は、当該キッチン用品の前記注ぎ口の上に設けられるプロファイル化された表面と、該プロファイル化された表面と協働するよう構成される可撓な板バネ部材とを含む、請求項8に記載のキッチン用品。
【請求項10】
当該キッチン用品の前記注ぎ口は、前記第二位置において、過剰な注ぎ込み可能な食物を保持する貯槽を定める、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品。
【請求項11】
当該キッチン用品は、電気駆動モータを含む電気キッチン用品であり、当該キッチン用品の前記注ぎ口によって動作される電気スイッチを備え、該電気スイッチは、前記注ぎ口が前記第二位置にあるとき、当該キッチン用品の動作を使用不能にするよう構成される、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品。
【請求項12】
注ぎ込み用の注ぎ口を含み、該注ぎ込み用の注ぎ口は、請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品の注ぎ口と協働するよう構成される内部プロファイル化された表面を有する、ジャグ。
【請求項13】
前記プロファイル化された表面は、前記キッチン用品の前記注ぎ口の開放遠位端部と接触するための上方案内表面を含む、請求項12に記載のジャグ。
【請求項14】
前記プロファイル化された表面は、前記キッチン用品の前記注ぎ口の下方部分と接触するための下方案内表面を含む、請求項13に記載のジャグ。
【請求項15】
請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載のキッチン用品と、請求項12乃至14のうちのいずれか1項に記載のジャグとの組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2012−525902(P2012−525902A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509126(P2012−509126)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051852
【国際公開番号】WO2010/128430
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】