説明

キャパシタ及びキャパシタンス結合型電力供給システム

【課題】電磁誘導や電磁波を用いることなく、安全性や耐久性に優れた非接触の電力供給システムにおいて、机面などの任意の場所に移動可能な電極がキャパシタを介して受電を行う事が出来る、電力供給システムを提供する。
【解決手段】机4上面に設置した、下面に電極5の有るキャパシタ6の上に移動可能な電極8を置く。必要なときにこの電極8を滑らす。このシステムを2つ並列に用いて非接触で電力の供給を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動可能な電極を接続した構造のキャパシタ及びその応用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、電力を非接触で他に伝送する方法として、電磁界を送信する方法、磁界で結合する方法及び電界で結合する方法がある。この電界で結合する方法に関してである。この電界で結合する方法で、結合させるキャパシタに求める特性は▲1▼誘電体面に凹凸が無く、電極がスムーズに移動できること。▲2▼静電容量が大きいこと、▲3▼製造コストが低いこと、▲4▼美しいことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−168233 電力供給床
【特許文献2】特開平9−93704 地上移動体の非接触給電装置
【特許文献3】特開2009−089520 電力供給システム
【0004】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
背景技術で述べた、▲1▼〜▲4▼に示す課題を解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
アルミニウム、チタン及び亜鉛などの板の片側に絶縁性の酸化被膜を形成し、それに移動可能な電極を接触させる。なお、チタンのように酸化皮膜の比誘電率が100近くになる材質はなお良い。また、移動可能な電極には、誘電膜と該電極の間に空気などを介在させない工夫が必要である。
【発明の効果】
【0007】
アルミニウム、チタン及び亜鉛などの板の片側に絶縁性の酸化被膜を形成した場合、絶縁性の酸化被膜は数μmから形成可能である。
チタン酸バリュームなどの焼結体に比較して誘電体面の凹凸が小さく、薄ければ薄いほど静電容量が大きく取れ、化学処理又は熱処理によって作れるために製造コストが低く、美しい面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
1)図1、図2
机の上に設置され、金属の上側表面に絶縁性の酸化被膜を形成し、キャパシタを形成する。該金属及び酸化皮膜はサイコロ目に切断されており交互に給電点Aと給電点点Bが並ぶ。その大きさはたとえば100mm×100mmとする。そして酸化皮膜上面の移動可能な電極を通して交流非接触給電を行う。
2)図3
移動が可能な電極側の誘電体膜上の固定した細い電極。
3)図4
キャパシタンス結合型非接触電力供給システムの例
【発明を実施するための形態】
【0009】
机の上に金属の上側表面に絶縁性の酸化被膜を形成し、金属及び酸化皮膜はサイコロ目に切断されており交互に給電点Aと給電点Bが並ぶ。
移動可能な電極を通して交流非接触給電を行う。
【実施例】
【0010】
酸化アルミニウム(アルミナ)を絶縁性の酸化被膜とした厚み10μmのキャパシタをアルミニウム板の上に形成した。その大きさは200(mm)×240(mm)×1(mm)で机の上に28枚設置した。
各板は間隔5mmで離され、机の上に設置されている。なお、各配線を図1、図2に示す。
図1、図2に示される移動可能な電極により交流非接触給電が行われる。
【実施例】
【0011】
潜水艦などの外板に2っの金属板およびその上面に酸化被膜等を形成する。外部の電源からキャパシタンスを通して潜水艦に非接触で電力を供給する。なお、移動する外部電極と酸化被膜の隙間に海水が存在すが、この海水が導電層として有効に作用する。
【産業上の利用可能性】
【0012】
机の上に設置され机の上で使用される電気機器の電源を供給する。
電源を意識せずに半無限に机の上の電気機器を駆動できる、交流非接触給電。
【符号の説明】
【0013】
1、交流電源
2、給電点A
3、給電点B
4、机
5、電極
6、キャパシタ
7、絶縁体
8、移動可能な電極
9、全波整流回路
10、負荷
11、コイル
12、トランス
13、複数の固定した細い電極
【受託番号】
【0014】
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属表面が、少なくとも該金属を一部に用いた化学的反応成果物又は熱処理成果物で、それが電気的誘電体膜となり、その誘電体膜に移動可能な電極が接触した構造のキャパシタ。
【請求項2】
移動可能な電極側の誘電体膜にあらかじめ1つ又は分散した複数の固定した細い電極を有する請求項1のキャパシタ。
【請求項3】
金属がアルミニウムで、主な化学的反応成果物又は熱処理成果物が酸化アルミニウムである請求項1,2のキャパシタ。
【請求項4】
金属がチタンで、主な化学的反応成果物又は熱処理成果物が酸化チタンである請求項1,2のキャパシタ。
【請求項5】
金属が亜鉛で、主な化学的反応成果物又は熱処理成果物が酸化亜鉛である請求項1,2のキャパシタ。
【請求項6】
移動可能な電極が導電性のエラストマーであることを特長とする請求項1〜5のキャパシタ。
【請求項7】
誘電膜と移動可能な電極の間の空気層を除去するために誘電性又は海水などの導電性液体を介在させることを特長とする請求項1〜6のキャパシタ。
【請求項8】
請求項1〜7の少なくとも1つを用いたキャパシタンス結合型非接触電力供給システム。

【公開番号】特開2012−39051(P2012−39051A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187613(P2010−187613)
【出願日】平成22年8月8日(2010.8.8)
【出願人】(502383889)キーコム株式会社 (28)
【Fターム(参考)】