説明

キャリアに固定されたスケールを有する装置及びスケールをキャリアに保持する方法

【課題】
本発明は、空気の吸引によってキャリア2に保持されるスケール1に関する。
【解決手段】
スケール1は、同一平面上に分散して配置され且つ互いに間隔をあけた支持部12によってキャリア2に保持される。この場合、これらの支持部12は、スケール1の厚さDより小さい相互の中心距離Aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2つの機械部品の相対位置を測定するため、これらの機械部品のうちの一方の機械部品にスケールを固定し、これらの機械部品のうちの他方の機械部品に走査ユニットを固定することが必要である。当該位置測定の場合、スケールの測定目盛が、走査ユニットによって走査され、位置に応じた走査信号が生成される。
【背景技術】
【0002】
スケールをキャリアに固定する可能性が、旧東ドイツ特許出願公開第229 334号明細書に記されている。この場合、スケールが、空気の吸引によってキャリアに押し付けられる。当該吸引のため、吸引経路が、測定目盛の外側に設けられている。この吸引経路は、スケールをその全長にわたって一定の押圧力でキャリアに対して押し付けなければならない。
【0003】
この場合、スケールをキャリア上に設置した場合に、当該接合が、このスケールとこのキャリアとの間の中間空間内の汚れ又は気泡の形成によって容易に妨害されうる点が問題である。これらの妨害は、スケールの測定目盛の長さを経時的に且つ局所的に変化させる。また、位置測定時の測定誤差が、当該変化から生じる。比較的大きい面のスケールの場合は、この問題が増幅して発生する。
【0004】
ヨーロッパ特許出願公開第1 783 463号明細書では、密接部分によるスケールの固定が説明されている。広い面の密着部分の場合は、接触面内の障害物が当該密着部分の全体を剥離させうるという問題がある。何故なら、当該剥離が伝播するからである。密着された接合部分の広い面のこの剥離を阻止するため、ヨーロッパ特許出願公開第1 783 463号明細書による接触面が、互いに間隔をあけた多数の小さい接触面に分割されている。確かに、スケールをキャリア上に確実に固定することが、当該構造によって保証されるものの、ストレスなく且つ測定目盛面の全体にわたって均質な押圧力が達成困難である。
【0005】
このヨーロッパ特許出願公開第1 783 463号明細書では、空気の吸引によってスケールをキャリアに密着させることが指摘されている。エンコーダの測定動作中に空気の吸引によってスケールをキャリアに保持することが記載されていない。空気の吸引のための構造上の手段が同様に記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】旧東ドイツ特許出願公開第229 334号明細書
【特許文献2】ヨーロッパ特許出願公開第1 783 463号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、キャリアに固定されたスケールを有する装置を提供することにある。この場合、キャリアに接したスケールの長さが変化せずに保持される。さらに、当該スケールが、可能な限り一定な押圧力で且つ移動せずにキャリアのあらゆる場所に対して保持されなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の装置によって解決される。
【0009】
この場合、スケールが、同一平面上に分散して配置され且つ互いに間隔をあけた支持部によってキャリアに支持されている。これらの支持部は、測定領域を画定する測定目盛に直接対向していて且つ相互の中心距離内に配置されている。この中心距離は、当該スケールの厚さより小さい。さらに、支持部とスケールとの間及び/又は支持部とキャリアとの間の密着による接合が、このスケールの少なくとも測定領域内で阻止されているように、これらの支持部は形成されている。均質な負圧をスケールとキャリアとの間の空間内に発生させるため、この空間は、密閉剤によって周囲から気密に密閉されている。
【0010】
当該密着による接合は、複数の手段によって阻止され得る。
【0011】
これらの手段のうちの1つの手段は、高い凹凸が、支持部とスケールとの間及び/又は支持部とキャリアとの間の密着による接合を阻止するように、これらの接触している表面領域が、当該高い凹凸を有する点である。特に、これらの接触している表面のうちの少なくとも1つの表面の凹凸は、1nmより大きい。これらの表面は、密着を阻止する被覆部、特に金属の被覆部又は疎水性に作用する被覆部を有してもよい。
【0012】
当該密着を阻止するための別の手段は、スケールの支持部が対向面に点接触するだけであるようにこれらの支持部を形成することである。
【0013】
本発明の別の課題は、スケールをキャリアに保持するための方法を提供することにある。これによって、キャリアに接したスケールの長さが変化せずに保持され、当該スケールが、可能な限り一定な押圧力で且つ移動せずにあらゆる場所に対して保持される。
【0014】
この課題は、請求項13に記載の方法によって解決される。
【0015】
本発明のその他の好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0016】
本発明によれば、可能な限り大きくて均質な表面力が保持力として印加されることによって、空気の吸引の実現可能な利点が利用されると同時に、互いに分離された多数の支持部が設けられることによって、大きい面の接触の欠点が回避される。
【0017】
邪魔な媒体が、互いに間隔をあけた複数の支持部によって形成された空間内に堆積しうるので、−大きい面のスケールの−平面度も維持されているか又は損なわれない。測定目盛面内の短い周期の長さの誤差が、本発明の手段によって回避され、高い測定精度が保証される。
【0018】
当該スケールが、測定動作中にキャリアに不動に固定されている。このことは、測定方向及び測定目盛面に対して垂直な方向の高い剛性を意味する。
【0019】
本発明によれば、上記の密着とは違って、空気の吸引によって発生した保持力が、スケールの全面にわたって均一に印加することが保証される。このことは、スケールとキャリアとの間の接触面での密着が阻止されることによって実現される。したがって、当該接触面が高精度に加工される必要がなくて、研磨されている表面で十分であるという利点もある。
【0020】
本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態によるキャリアに保持されたスケールの横断面図である。
【図2】図1による装置の正面図である。
【図3】図1による装置のスケールの下面図である。
【図4】第2の実施の形態によるキャリアに固定されたスケールを有するこのキャリアの横断面図である。
【図5】図4による装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の第1の実施の形態を図1〜3に基づいて説明する。この場合、ガラス又はガラスセラミック(例えば、ZERODUR)製のスケール1が、測定目盛11と共に示されている。この測定目盛11は、インクリメンタル目盛である。このインクリメンタル目盛は、測定方向Xに沿った位置測定時に位置に応じて走査信号を生成するための図示されなかった走査ユニットによって走査される。この測定目盛11は、反射式の振幅格子又は位相格子でもよい。当該格子は、干渉式の高精度な位置測定のために既知の方法で使用される。スケール1が、この位置測定中に空気の吸引によってキャリア2に対して保持されている。空気の吸引は、真空によって押し付けることを意味し、バキュームクランプのことも意味する。キャリア2は、特にスケール1と同じ膨張係数を有する材料から成る。スケール1及びキャリア2の0〜50℃の温度範囲内での平均熱膨張率αは、ZERODUR、SITAL及びULEのようないわゆるゼロ膨張のガラスを使用する場合は特に0.1×10−6−1未満であり、例えばINVARのような金属を使用する場合は1.5×10−6−1未満である。
【0023】
隆起部12が、キャリア2に面したスケール1の表面上に形成されている。これらの隆起部12は、同一平面上に間隔をあけて分散して配置されていて、幾何学的に同一に規則的なラスター状に分散しているか又は統計学的に分散している。これらの隆起部12は、スケール1の厚さDより小さい相互の中心距離Aを伴って配置されている。特に、これらの隆起部12は、スケール1の厚さDの1/10より小さい相互の中心距離Aで配置されている。これらの条件は、これらの隆起部12の同一平面上の分散部分のあらゆる場所で満たす必要があるものの、少なくとも測定領域Mの内部で満たす必要がある。この測定領域Mは、高精度の位置測定に利用される測定目盛11の領域によって決定されている。スケール1の厚さDは、測定目盛11が設置されている測定目盛面Eとキャリア2の搭載面21との間の距離である。
【0024】
この手段によって、上記の固定によって印加される全ての引っ張り応力及び圧縮応力が、スケール1の厚さDによって減少し且つ測定目盛面E内で長さの誤差として作用しない程度の当該引っ張り応力及び圧縮応力が、3次元的に頻繁に発生することが保証される。スケール1が、測定目盛11に直接対向する支持部によって測定動作中にキャリア2に不動に固定されている。このことは、測定方向X及び測定目盛面Eに対して垂直な方向の高い剛性を意味する。
【0025】
隆起部12の高さHは、好ましくは20μmより大きい。良好な値は、特に50μm〜200μmである。スケール1の厚さDの典型的な値は、1〜15mmである。これらの隆起部12は、スケール1のための、同一平面上に分散して配置され且つ互いに間隔をあけた複数の支持部を形成する。
【0026】
高い剛性が、表面領域121と搭載21との間の密着による接合を阻止する程度に、スケール1の隆起部12の、キャリア2に接触するこれらの表面121及び/又はキャリア2の、隆起部12に接触するこれらの搭載面21が、当該高い剛性を有する。特に、これらの接触する表面121,21のうちの少なくとも1つの表面のあらさは、1nmより大きい。
【0027】
図3は、吸引経路4に達する複数の開口経路が、複数の隆起部12間に形成されるように、スケールの下面に同一平面上に間隔をあけて分散しているこれらの隆起部12を示す。空気が、この手段によって当該開口経路を流れてスケール1の全面にわたって均質に吸引され得る。このことは、スケール1の良好な平面度を保証する。空気の吸引によって発生した保持力が、当該全面にわたって均一に作用可能である。その結果、スケール1が、あらゆる場所で少なくともほぼ同じ力によってキャリア2の載置面21に押し付けられる。隆起部12は、図3中に概略的に示されているように正方形を成し得る。しかし、これらの隆起部12は、例えばシリンダ形のようなその他の形を成してもよい。
【0028】
スケール1の平面度を悪くしたスケール1とキャリア2との間に存在する粒子の大部分が20μm以下の大きさを有することが分かっている。この理由から、開口経路が、少なくとも20μmの幅Bを有すること、すなわち隆起部12の載置面121間の相互の縁距離が、少なくとも20μmであることが好ましい。十分な保持力を保証するため、隆起部12の載置面121の線形膨張は、中心距離Aより明らかに小さくなくてはならない。
【0029】
スケール1とキャリア2との間の空間が、密閉剤3によって周囲から密閉されている。不安定な外力が、この密閉剤3によって作用しないように、この密閉剤3は形成され配置されている。特に、剪断応力が阻止されなければならない。
【0030】
第1の実施の形態では、密閉剤3は、接着化合物である。高粘度液体、シリコン、彫塑用粘度、エポキシ樹脂、接着剤又は接着テープが、接着化合物として使用され得る。液体を密閉剤として使用する場合、当該液体は、100Ns/mより大きい粘性を有しなければならない。
【0031】
当該接着化合物の代わりに、例えばTeflon(登録商標)又はPerburan(登録商標)のような、例えば合成樹脂から成る密閉縁部も使用され得る。
【0032】
当該密閉剤は、周設されている固定ウェブでもよく、又はスケール1及び/又はキャリア2に密着して形成されてもよく、又はスケール1及び/又はキャリア2に取り付けられてもよく、又は中間要素の形態の独立した部品としてスケール1及び/又はキャリア2に取り付けられてもよい。当該密閉剤が、キャリア2及び/又はスケール1に密着して形成されている場合、この密閉剤は、好適な方法で隆起部12と同じ製造工程によって製造されている。当該密閉剤3は、スケール1及び/又はキャリア2の溝内に嵌合されてもよい。
【0033】
空気が、吸引経路4に通じている開口部22を通じて吸引される。この吸引経路4は、測定領域Mを包囲して、特に測定領域Mに対して周設されて測定目盛11の外側に配置されている。測定領域Mの外側は、位置を高精度に測定するために使用される測定目盛1の領域の外側を意味する。さらに、吸引経路4は、スケール1及び/又はキャリア2内の、密閉剤3によって密閉された空間の内部に配置されている。スケール1とキャリア2と吸引経路4の十分に大きい横断面との間の当該空間が、十分に密閉されている場合、小さい漏れ箇所が、密閉剤3中にあっても、吸引経路4内の有害な圧力低下が発生しない。これによって、均質な負圧が、スケール1とキャリア2との間の空間内にも発生することが保証される。それ故に、一方では、吸引経路4の横断面が、当該測定領域内で最大に発生する漏れ箇所より著しく大きいことが好ましい。これによって、スケール1とキャリア2との間の空間内の圧力低下が阻止される。他方では、吸引経路4が、測定領域Mから離れて配置されていることが好ましい。この場合、当該距離Fは、スケール1の厚さDより大きくなくてはならない。これによって、吸引経路4を通じてどうしても入り込む異物が、横方向の距離Fを経由して除去され、測定目盛面Eに達しない。また、測定目盛面Eのためのスケール1の厚さDにわたって良好に抑制され、3次元的に頻繁に発生しうる上記の引っ張り応力及び圧縮応力だけを生成するため、特に吸引経路4の幅Kは、スケール1の厚さDに比べて狭い。吸引経路4の必要な大きい横断面を実現するためには、当該横断面を対応する深さTで形成することが必要である。
【0034】
図3中に概略的に示されているように、例えば隆起部12の形態の支持部が、吸引経路4の外側にも配置されていることが好ましい。これによって、スケール1の縁部の曲げ応力の発生が阻止される。
【0035】
密閉された空間内で発生した最終圧力は、一般に100〜800mbarの範囲内にある。この場合、経過時間に対する圧力の変化は2mbarより小さい。
【0036】
上述した実施の形態の場合、いぼ状の突起の形態の互いに間隔をあけた隆起部12は、スケール1に対して一体的に形成されている。隆起部12の領域がマスクされ、これらの隆起部12の周りの材料がエッチングされることによって、これらの隆起部12が、特に公知の構造化方法によって形成される。
【0037】
この代わりに又はこれに追加して、複数の隆起部が、キャリア2に形成されてもよい。
【0038】
スケール1又はキャリア2に形成された隆起部12は、例えば鋸引き、フライス盤での切削加工、ビーム加工又はレーザー加工のようなその他の切削方法によっても形成され得る。
【0039】
当該支持部は、スケールとキャリアとの間に挿入されている個別の不変なスペーサー要素によって形成されてもよい。これらのスペーサー要素は、スケール又はキャリア上に被覆されて構造化された層から形成され得る。これらのスペーサー要素は、特に構造化された中間層又は穿孔された金属膜でもよい中間板の形態の一体的に取り扱い可能な1つの部品として形成されてもよい。
【0040】
部分的な密着を確実に回避するため、スケールを点接触させる複数の支持部を使用することが特に好ましい。
【0041】
図4及び5による第2の実施の形態で概略的に示されているように、スケール1.2用の支持部として球を使用することが好ましい。スケール1.2を保持剤13を介してキャリア2.2に対して完全に取り付けた状態では、これらの球12.2は、このキャリア2.2に対する当該球12.2の位置で不動に保持されている。この場合、不動は、一方では当該球12.2の位置がキャリア2.2に対して不動であることを意味し、他方では当該球12.2が回転不可能であることを意味する。
【0042】
球12.2は、特に20μm〜200μmの直径H2を有し、好ましくはスケール1.2と同じ膨張係数を有する材料から成る。球12.2をスケール12.2又はキャリア2.2に対して移動しないように保持するため、好ましくは層としての保持剤13が使用される。球12.2が、この層内に当該場所から動かないように接着されている。この層は、例えばフォトレジスト、重合体又はフィルムであり、球12.2の直径H2の一部である厚さ、一般には0.2〜2μmの厚さを有する。
【0043】
図5中には、スケール1.2の同一平面状の測定目盛11.2が正面図で示されている。スケール1.2とキャリア2.2との間の球12.2の同一平面上に分散した配置をより良好に図示可能にするため、スケール1.2の外観の一部が省略されている。
【0044】
スケール1.2とキャリア2.2との間の空間の要求される密閉を実現するため、この例では、薄片形状の密閉縁部3.2が使用されている。この密閉縁部3.2は、一方ではスケール1.2に対して固定されていて、他方ではキャリア2.2の溝5内に嵌合している。密閉縁部3.2の内側の面が、溝5の内側の境界面51に当接するように、この密閉縁部3.2は、キャリア2.2の溝5内に嵌合している。この境界面51は、密閉縁部3.2の境界面と揃っている。この場合、この密閉縁部3.2の境界面は、測定目盛面E2に対して垂直に指向されている。また、吸引経路4.2が、密閉された空間内に配置されている。この吸引経路4.2は、第1の実施の形態にしたがって寸法決めされている。当該第2の実施の形態の図面では、機能上同じに作用する構成要素及び寸法符号は、インデックス「2」だけを補足した第1の実施の形態と同じ符号を有する。
【符号の説明】
【0045】
1 スケール
1.2 スケール
2 キャリア
2.2 キャリア
3 密閉剤
3.2 密閉剤、密閉縁部
4 吸引経路
4.2 吸引経路
5 溝
11 測定目盛
11.2 測定目盛
12 支持部、隆起部
121 表面領域、載置面
12.2 支持部、球
13 層、保持剤
21 表面領域、搭載面
22 開口部
51 境界面
A,A2 中心距離
M,M2 測定領域
X 測定方向
B 幅
K 幅
T 深さ
F 距離
H,H2 高さ
E,E2 測定目盛面
D,D2 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア(2,2.2)に保持されているスケール(1,1.2)を有する装置において、
前記スケール(1,1.2)は、測定目盛(11,11.2)を有し、前記スケール(1,1.2)は、空気の吸引によって前記キャリアに保持されていて、
前記スケール(1,1.2)は、同一平面上に分散して配置され且つ互いに間隔をあけた支持部(12,12.2)によって前記キャリア(2,2.2)に支持されていて、これらの支持部(12,12.2)は、測定領域(M,M2)を画定する前記測定目盛(11,11.2)に対向していて且つ相互の中心距離(A,A2)内に配置されていて、この中心距離(A,A2)は、前記スケール(1,1.2)の厚さ(D)より小さく、
前記支持部(12,12.2)と前記スケール(1,1.2)との間及び/又は前記支持部(12,12.2)と前記キャリア(2,2.2)との間の密着による接合が、前記スケール(1,1.2)の少なくとも前記測定領域(M,M2)内で阻止されているように、前記支持部(12,12.2)は形成されていて、
前記スケール(1,1.2)と前記キャリア(2,2.2)との間の空間が、密閉剤(3,3.2)によって周囲から密閉されている当該装置。
【請求項2】
高い凹凸が、前記支持部(12)と前記スケール(1)との間及び/又は前記支持部(12)と前記キャリア(2)との間の密着による接合を阻止するように、当該接触している表面領域(121,21)が、前記高い凹凸を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持部(12.2)が、前記スケール(1.2)及び/又前記キャリア(2.2)に点接触する結果、密着による接合が阻止されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数の支持部(12,12.2)が、少なくとも20μmの高さ(H,H2)と少なくとも20μmの相互の縁距離(B,B2)とを有する相互の自由空間を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
キャリア(2,2.2)の材料とスケール(1,1.2)の材料とは、同じ熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記キャリア(2,2.2)及び前記スケール(1,1.2)の前記熱膨張係数は、1.5×10−6−1未満であり、特に0.1×10−6−1未満であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
空気は、前記測定領域(M,M2)の外側に配置されている少なくとも1つの吸引経路(4,4.2)を通じて吸引されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記支持部を形成する隆起部(12)が、前記スケール(1)又は前記キャリア(2)に対して同一平面上のラスター状に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記支持部は、構造化された中間層内に形成されているスペーサー要素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記支持部は、球(12.2)であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記球(12.2)は、保持剤(13)によって当該球(12.2)の位置で不動に保持されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記保持剤は、前記キャリア(2.2)又は前記スケール(1.2)上に配置された層(13)であり、前記球(12.2)が、この層(13)内に封入されていて、この層(13)の厚さは、特に前記球(12.2)の直径(H2)の一部であることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
スケール(1,1.2)の測定目盛(11,1.2)を走査して位置を測定する間に前記スケール(1,1.2)を前記キャリア(2,2.2)に保持する方法において、
前記スケール(1,1.2)が、前記キャリア(2,2.2)に圧着するように、当該保持は、このスケール(1,1.2)を位置測定中に空気で吸引することによって実施され、
前記スケール(1,1.2)は、同一平面上に分散して配置された支持部(12,12.2)によって支持され、これらの支持部(12,12.2)は、前記測定目盛(11,1.2)に対向して配置されていて且つ相互の中心距離(A,A2)を有し、この中心距離(A,A2)は、前記スケール(1,1.2)の厚さ(D,D2)より小さく、
前記支持部(12,12.2)と前記スケール(1,1.2)との間及び/又は前記支持部(12,12.2)と前記キャリア(2,2.2)との間の密着による接合が、前記スケール(1,1.2)の少なくとも前記測定領域(M,M2)内で阻止され、
前記スケール(1,1.2)と前記キャリア(2,2.2)との間の空間内で作用する保持力が、当該空気の吸引によって発生され、この空間は、密閉剤(3,3.2)によって周囲から密閉されている当該方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−522974(P2012−522974A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502530(P2012−502530)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【国際出願番号】PCT/EP2010/052239
【国際公開番号】WO2010/112269
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(390014281)ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】