説明

キュベット、挿入具、アダプタおよび少量の液体の光学検査方法

2つの測定面を有する少なくとも1つの挿入具を備え、前記挿入具は測定チップであり、前記測定チップは一端に2つの測定面を有し、前記一端は測定チップの他端から間隔を置かれ、さらに、光学測定装置のキュベット軸に挿入用のアダプタと、測定面がキュベット軸を通過する光学測定装置の光路の測定面間に試料の位置決め用に互いから間隔距離で、前記アダプタに前記少なくとも1つの挿入具を取り外し可能に保持する挿入およびアダプタ手段とを備えるキュベット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光計または光度計または他の光学測定装置による液体試料の分析に関する。この種の分析は、分子生物学、生化学、無機化学、有機化学そして食品化学研究所に限られず一般的に行われる。試料は、たとえば、調査において、診断法においてまた品質管理において光学的に分析される。たとえば、紫外線−可視光線または赤外線の波長領域における吸収、反射、放射、蛍光、ラマンまたは発光分光学によって分析される。測定される分析物の例は、無機または有機物質および化合物と同様に、核酸、タンパク質、脂質のような生体分子である。分光計または光度計の分析を簡易にするのに役立つ化学反応の後にあるいはすぐにこれらの分析物を測定することもできる。
【0002】
本発明は典型的な全ての応用に特に関係がある。本出願の最も重要な領域は、分子生物学における少量の貴重な試料の測定である。多くの場合、少量の試料(たとえば、1から5マイクロリットルまで)だけが利用可能である。なぜなら、より多くの材料も得ることができないからである。試料の希釈化は減少した吸収によりあまりに不正確な測定結果につながる。典型的な応用は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の最適な核酸の出力量のために使用できるようにポリメラーゼ連鎖反応またはリアルタイムでのポリメラーゼ連鎖反応前の核酸濃度の光度計または蛍光分析による測定である。他の例では、ミクロ配列実験の開始前に標識化された核酸の最適な量を使用できるように、また、核酸の標識密度が最適な範囲内にあることを確実にするために、核酸濃度および核酸に組み込まれる標識物質および標識化された核酸の場合これに由来する標識密度の測定である。
【背景技術】
【0003】
分光計または光度計による分析のために液体試料がキュベットに充填される。標準キュベットは、普及しているほとんどの分光計および光度計のキュベット軸の中への挿入に適している。これらのキュベット軸は以下では「標準キュベット軸」とも称される。市販の光学測定装置の、12.5mm×12.5mmの断面積を有する標準キュベット軸が広く使われている。キュベット軸の底より上の光線の高さは、装置に応じて、8.5mmから20mmまで変化する。標準キュベットは箱形の形状を有し、横断面と高さとが標準キュベット軸の寸法に合わせられている。
【0004】
少量の試料用の再使用可能な石英ガラス製の標準キュベットは特に、Hellma and Strana会社により販売されている。これらのウルトラマイクロキュベットは1mm以上の層厚を有する。泡なしで満たすことは非常に困難で、空にして洗浄するのに極めて複雑である。非常に少量の光学測定の主な利用はUV領域での核酸の測定であるので、それらは石英ガラスで作られ特に高額である。入手するのに非常に高価であるので注意深く取り扱われなければならない。市場で提供される石英ガラスのウルトラマイクロキュベットのために、5マイクロリットルの最小限量が使われなければならず、いくらかの利用に対して多すぎる。
【0005】
他のキュベットは「マイクロリットル測定セル」という名称で販売されている。
Hellma会社が製品名「Tray Cell」の下で、Implen会社が製品名「Label Guard」の下でマイクロリットル測定セルを販売し、それらの寸法は標準キュベットと同様でこれより多くの一般的な分光計において使用される。Hellma製のマイクロリットル測定セルはWO2005/114146A1に記載されている。分析するために、0,2mmの層厚の場合約1〜2マイクロリットルまたは1mmの層厚の場合3〜5マイクロリットルの分析される液体の1滴が測定窓の上部に加えられなければならない。測定室は蓋により閉じられる。測定光学の光線が放射線源から光線屈折および光ファイバ光導体をおよび蓋の鏡を介して試料を通ってセンサへ導かれる。
【0006】
マイクロリットル測定セルは構造的に非常に複雑で高価で、これより必ずしも経済的に現実でない。さらに、それは装置に高く依存する230〜650nmの約1,3Eの自己吸収を有し、そのことで測定装置の測定範囲が減少する。さらに、たとえば分裂性の泡、粒子および誤ったピペット操作を確認できるようにするために、試料を充填して蓋を合わせた後に測定室の測定溶液を視覚的な検証ができず、誤った測定値を導くかもしれない。使用の後に測定窓をユーザが広範囲に洗浄しなければならないことも不利益である。
【0007】
ちょうど1マイクロリットルの体積の試料の分析をすることができる「NanoDrop(R)」の製品名でNanoDrop Technologies会社が光度計を販売している。この分光計は、WO 2006/086459 A2に記載されている。そのシステムは、2つの水平に合わせられた平面表面間に位置する液体の滴の直接光学測定を提供する。光源は、2つの表面間の隙間を介して端から液体の試料を照射する。光ファイバ分光光度計に光を伝導する光ファイバ光導体は、液体試料を通過した後、下面に入る。これより、液体試料はガラス繊維と直接接触している。
【0008】
光学面が特定の試料により機能しないのは分光光度計に不利益である。NanoDrop-1000の分光光度計の操作説明書によると、これらはたとえばタンパク質を含む溶液である。この場合、多数使用した後集中的に、長たらしい、激しい磨きによりユーザは手動で光学面を調整しなければならない。強い酸性またはアルカリ性の溶液を使用することもできない。
【0009】
さらに、試料が周囲と直接に開放された接触にある。これより、危険物質をこのシステムで検査できない。しかしながら、伝染性の物質の可能性を持つような危険な物質は、分子生物学、細胞生物学、生化学や化学研究所において頻繁に使われる。このシステムはこれらの試料には適さない。周囲との試料の開放接触により、試料が汚染されるかもしれない。このことは、測定値を偽る。さらに、測定の後貴重な試料の回収が、コンタミネーションの危険性なくすることができない。
【0010】
分光光度計は、非常に高価な測定システムである。それは、測定ユニットおよびPCから構成され、多くの空間を占める。液体の開放された滴の横方向の表面が直接周囲と接触するので、試料は急速に蒸発して容易に汚染される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これに基づいて、本発明の目的は、従来の光学測定装置を用いて、高精度での、少量の試料の光学検査に適した器具を提供することである。
【0012】
さらに、特に少量の試料の光学検査を可能とする方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1の特徴を有するキュベットにより解決される。キュベットの有益な実施態様が従属項に記載されている。
【0014】
さらにまた、この目的は、請求項17の挿入具と請求項19のアダプタにより解決される。挿入具とアダプタの有益な実施態様が他の従属項に記載されている。
【0015】
最後に、この目的は請求項21による方法により解決される。この方法の有益な実施態様がさらに従属項で記載されている。
【0016】
本発明のキュベットは2つの測定面を有する少なくとも1つの挿入具と、光学測定装置のキュベット軸に挿入用のアダプタと、測定面がキュベット軸を通過する光学測定装置の光路の測定面間に試料の位置決め用に互いから間隔をおいて、前記アダプタに前記少なくとも1つの挿入具を取り外し可能に保持する手段とを備える。
【0017】
2つの測定面が測定チップの一端に配置され、測定チップの他端から間隔を置かれている。測定面は好ましくは測定チップと一体的に接続される。1実施態様によれば、測定チップはキュベット軸の垂直配置に測定表面を有するアダプタに配置される。
【0018】
1実施態様によれば、他端はピペットに接続できるように設計されている。すなわちピペットチップの上端のような他端である(たとえば、それは嵌めこみ開口部を有し、対応する(たとえば円筒形または円錐形の)ピペットの付属器に嵌め合わさる)。この実施態様では、測定チップは下記において「ピペットチップ」とも呼ばれる。ピペットチップとしての設計において、測定チップは従来のピペットチップに類似したピペットに嵌め合うことができ、測定される媒体を収容して使用される。使用されるピペットは従来のピペットでもよいが、本出願用に特に設計されてもよい。このために、特に光学測定器具を備えており、その光路は測定チップの下端に位置する2つの測定面間を走る。他の実施態様によると、測定チップは(投与)器具と接続されるように設計されている。この実施態様において、測定チップが器具に嵌め合い、器具は投与機能の無いまたは不完全な投与機能(収容だけまたは測定面間の液体の吐出のみ)または完全な投与機能を有する。この実施例でさえ、測定チップは従来のピペットチップのような上端(たとえば、嵌めこみ開口部)を有する。収容機能のない器具の場合、液体の収容は静水圧(測定面の浸水)および/または毛管力により生じる。このために、1実施態様によれば、一方または両方の測定面は親水性かまたは疎水性である。測定チップがユーザに直接保持される点で、毛管力による液体の収容は追加の器具なしで通常生じる。このために、測定チップの主要部がハンドルとして設計される。
【0019】
ピペットの吐出機能のない器具の場合、液体の吐出はピペットの場合のように定められた体積で発生しないが、むしろ測定チップから液体をほとんど取り除く、たとえば吸収材量への吐出によってか、または全ての液体の吐出による。適用できるならば、吐出は器具なしでも生じる。このために、測定チップの主要部がハンドルとして設計される。
【0020】
他の実施態様によれば、測定チップの他端はグリップ手段(たとえば、ノブ、取っ手または他のハンドル)を有する。この実施態様では、液体の収容は静水圧(測定面の浸水)および/または毛管力により発生する。吐出も吸収材料で生じることもできる。加えて、この測定チップの他端はピペットによりピペットチップのように充填可能および排出可能であるようにピペットチップの上端のように設計されている。
【0021】
アダプタがキュベット軸に適した形状を有するので、その結果、挿入具がアダプタに入れられてアダプタがキュベット軸に入れられると、挿入具の測定面間に保持された試料が光路に配置される。
【0022】
好ましい実施態様は、標準キュベット軸に配置される2つの測定面を位置決めする手段を有する。本発明についての標準キュベットは矩形、特に正方形の横断面を有する。1つの実施形態によると、それは12.5×12.5mmの表面積を有する。他の実施態様によると、キュベット軸の底より下に8.5mm〜20mmの間隔距離で光路が走る。他の実施態様によると、キュベット軸の底より下に8.5mmまたは15mmの間隔距離で光路が走る。挿入具を受け入れるアダプタの横断面が、標準キュベット軸の横断面用に調整される。1つの実施態様によると、測定面の中心がキュベット軸の底から光路の上記の間隔距離を有するように測定面がキュベットに位置決めされている。
【0023】
1実施態様によると、キュベットは、キュベット軸の異なる位置に挿入具を位置決めする手段を有する。他の実施態様によると、これらはキュベット軸の異なる高さ位置に位置決めする手段である。この手段はたとえば抜きとれるかまたはネジ止め不可能なキュベットの脚でもよい。それらは、たとえば、測定装置の光路の高さの調整に役立つ。
【0024】
本発明に関して、キュベットは光学検査用の試料を位置決めするために設計された器具である。これより、本発明のキュベットは、底壁と側壁とで囲まれた液体用の受け器を有する管のような従来方式で設計される必要はないが、しかしながらそのような設計も除外されていない。
【0025】
本発明によるキュベットの場合、少量の液体試料は2つの測定面の間に配置される。液体の表面張力により、2つの測定面間に柱が形成され、それを介して光学測定が実施される。従来の光度計または分光計において光路のさらなる変更無しに測定が実施されるように、アダプタが好ましくはキュベット軸の垂直配置に測定面を位置決めするのに役立つ。このために、アダプタが標準キュベット軸の寸法に設定されることが好ましく、その結果、標準キュベットのように使うことができる。しかしながら、アダプタは標準キュベット軸よりも他の寸法を有するキュベット軸に設定してもよい。
【0026】
挿入具および/またはアダプタは、複数の使用または、一回の使用のための消耗品または使い捨て品として設計されてもよい。挿入具および/またはアダプタは、1つまたは複数のプラスチック(たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、PVC)および/または単一のまたは異なる材料で作られてもよい。アダプタは、複数回の使用として設計されるなら、金属(たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼のような)でできていてもよい。挿入具およびアダプタは、あるいは、取り外し不可能に接続されるか、それぞれ1つの単一デバイスとして構成されてもよい。
【0027】
あるいは、たとえば対応する表面設計によりいくつかの試料が測定面に配置されるように測定面が備えられていてもよい。試料は異なるものでもよいし、または同一のサンプルとして測定面に加えられてもよい。
【0028】
2つの測定面間の異なる間隔距離により、1マイクロリットル未満から数マイクロリットルまでの体積での測定が1つのキュベットで実現される。1実施態様によれば、0.5から5マイクロリットルの量を有する試料が測定面間に保持されるように測定面間の間隔距離が調整される。約1〜3マイクロリットルの試料が保持されるように測定面間の間隔距離が好ましくは調整される。これより、キュベットが特定の体積に設計されて、測定面が互いから特定の間隔距離で光路のみに保持される。
【0029】
光学測定装置のキュベット軸に挿入可能なアダプタ用の本発明による挿入具は2つの測定面と測定面(4,5)がキュベット軸を通過する光学測定装置の光路の測定面(4,5)間に試料の位置決め用に互いから間隔距離で、アダプタに保持する手段を備える。挿入具はこれより測定チップであり、測定チップは一端に2つの測定面を有し、一端は測定チップのピペットと接続用の一端から間隔を置かれている。
【0030】
着脱可能に挿入具を保持する手段は特に挿入具の輪郭または外側の形状であり、アダプタの輪郭又は形状に設定され、その結果、挿入具をアダプタに連結することができる。
【0031】
本発明による挿入具は既に説明された本発明によるキュベットの挿入具の1つ以上の特徴を都合よく備えてもよく、少なくとも1つの挿入具とアダプタを備える。
【0032】
2つの測定面を有する少なくとも1つの挿入具用の本発明によるアダプタは光学測定装置のキュベット軸に挿入され、測定面がキュベット軸を通過する前記光学測定装置の光路の測定面間に試料の位置決め用に互いから間隔距離をおいて少なくとも1つの挿入具に取り外し可能に保持する手段を有する。
【0033】
本発明によるアダプタは既に説明された本発明によるキュベットのアダプタの1つ以上の特徴を都合よく備えてもよく、少なくとも1つの挿入具とアダプタを備える。
【0034】
着脱可能にアダプタを保持する手段は特にアダプタの輪郭または形状であり、挿入具の輪郭または形状に設定され、その結果、アダプタを挿入具に連結することができる。
【0035】
すでに変形発明と挙げられた全ての場合において、光学測定装置の光路は、測定面を通って斜めに走り、このために測定面または測定面を有する挿入具が透過性または透明に設計されている。他の実施形態によると、光学測定装置の光路は測定面間の間隔距離領域の開口側部を通って測定面と平行して走る。この時、測定面は不透明体に設計されてもよい。
【0036】
通常、測定面は湾曲または他の形状を有する。好ましい実施態様によると、測定面は平面である。平板または壁側に測定面の配置の場合、平板または壁の両側が好ましくは平面である。
【0037】
一般に、平面測定面は、互いに関していかなる配置を有してもよい。たとえば、それらは互いにある角度で位置合わせされてもよい。好ましい実施態様によると、測定面は互いに関して平面平行に配置されている。平面測定面のこの平面平行な配置は特に光線の分裂的な屈折のない測定面の光路の通過のために役立つ。
【0038】
通常、測定面は互いに関して、たとえば測定面が3本の全ての空間軸の各々に関して角度をとるような異なる配置でもよい。好ましい実施態様によれば、測定面は互いに重なり合う配置を有する。好ましくは、測定面は重なり合う配置で平面平行平板上にある。
【0039】
1実施態様によると、互いからの測定面の間隔距離は測定位置において5mm以下である。挙げられた距離間隔で検査される多くの液体試料が毛細管力により測定面間に保持される。間隔距離は好ましくは0.1〜2mmである。
【0040】
少量の液体の光学検査する本発明の方法によると、たとえば2つの測定面間である開口部を有する中間領域がたとえばピペットである変位装置を用いて液体と接触させられ、液体が中間領域に収容され、適用できるならばそこから押し出されて中間領域の液体が光学測定を受ける。
【0041】
液体の収容および/または放出の間ピペットチップの案内による全ての発明変形において、安全で取扱いやすい滴の位置決めが容易になる。
【0042】
本発明のキュベットは標準キュベットとして標準キュベット軸に差し込まれるように好ましくは設計されている。しかしながら、それは他の従来または将来の光学測定装置のキュベット軸に挿入されるように設計されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】自由端と広げられたアームでの平面測定面を有するピンセットを示す側面から斜めに見た斜視図である。
【図2】アームが共に回転した同じピンセットを示す同じ斜視図である。
【図3】ピンセット用の収容部を有するアダプタを示す上側および側面から斜めに見た斜視図である。
【図4】ピンセットが挿入された同じアダプタを示すX線斜視図である。
【図5】下端上に平面測定面を有するピペットチップを示す下側および側面から斜めに見た斜視図である。
【図6】受け器を有しピペットチップがその中に挿入されたアダプタを示す上側および側面から斜めに見た斜視図である。
【図7】アダプタに挿入されたピペットチップを示す上面図である。
【図8】アダプタに挿入されたピペットチップ示す側面図である。
【図9】平面測定面を有するスライドを示す上部および側面からの斜めに見た斜視図である。
【図10】2つのスライドを収容する開状態のアダプタを示す上部および側面からの斜めに見た斜視図である。
【図11】一緒に折り畳まれた状態の2つのスライドを配置されたアダプタを示す下側および側面からの斜めに見た斜視図である。
【図12】閉状態のスライドを配置されたアダプタを示す2つの側面上の斜視図である。
【図13】アダプタ部が回転されて離れており、平面測定面を有する挿入部を配置されたアダプタを示す下側および一方から斜めに見た斜視図である。
【図14】アダプタ部が回転されて一緒である同じアダプタを示す斜視図である。
【図15】液濡れおよび撥液領域を備える平面測定面を有する挿入具を示す平面測定面および側面に対する斜めに見た図である。
【図16】同じ挿入部を示す対向する平面外側の斜視図である。
【図17】凹部を有する平面測定面を示す長手方向の断面図である。
【図18】いくつかのオーバフロー室を有する平面測定面を示す上面図である。
【図19】1つのオーバフロー室を有する平面測定面を示す上面図である。
【図20】液濡れ中央領域と撥液境界面を有する平面測定面を示す長手方向断面図である。
【図21】測定面の収束前に加えられた1滴を有する平面測定面を示す長手方向断面図である。
【図22】収束後の同じ測定面を示す長手方向断面図である。
【図23】測定面の収束前に加えられた2滴を有する2つの平面測定面を示す長手方向断面図である。
【図24】収束後の同じ測定面を示す長手方向断面図である。
【図25】測定位置の2つの測定面の磁気固定を示す長手方向断面図である。
【図26】2つの側面に向けて開口されている細管経路を有するキュベットを示す側面図である。
【図27】同じキュベットを示す他の側面図である。
【図28】同じキュベットを示す2つの側面からの斜めに見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0044】
図1〜4、9〜14および25〜28によるキュベットは本出願の要素ではない。それらは、請求された本発明のより良好な視覚化のために記載されているだけである。
【0045】
以下において、明細書の「上方」および「下方」とは、光度計または分光計のキュベット軸に配置される場合に関係する器具の要素の位置合わせを指す。
【0046】
図1〜4に示されるキュベットは少なくとも2つの要素から構成される。
【0047】
器具1は、内側の平面測定面4,5と従来の光度計または分光計等に器具1を配置するためのアダプタ6とを有する2つの平板2,3から構成される。
【0048】
たとえば、器具1の平板2,3は1つのピンセット9のアーム7,8の自由端に配置されている。アーム7,8は下部領域において平板2,3に向かって斜めに切られている。アーム7,8は好ましくは符号10における上端で互いに取り外せないように接続されている。アーム7,8は一緒に弾性的に回転することができる。2つのアーム7,8を一緒に回転する能力は、測定面の近くでアームに斜めに走る2つのフィンの形でアーム7,8の内側に配置されるスペーサ11,12により制限される。
【0049】
アダプタ6自体は標準キュベットの矩形の形状を有する。それは、最上部の領域13において周囲に閉じられ、底部には4つの脚14〜17を有する。
【0050】
アダプタ6は内側に空洞18を有し、ピンセット9用の2組の平行なガイドレール19,20,21,22が2つの対向する側壁に配置されている。図2によればアームが共に回転されて1つのピンセット9をガイドレール19〜22により形成された案内装置に挿入することができる。
【0051】
ガイドレール19〜22は下部で、内側に傾けられた境界壁23,24により制限され、その傾斜はピンセット9の腕7,8のべベルの傾斜に適合する。境界壁23,24は内側で側壁から突出し、ガイドレール19〜22を支持する。
【0052】
箱形下部部材25が境界壁23,24の下部縁に付けられる。それは対向する前表面に通過開口部26,27を有する。
【0053】
このことにより、アダプタ6の構成はドイツ国特許DE19826470C1のキュベットにほとんど一致しており、引用におり含まれるものとする。前述の構成との違いは側壁の内側にガイドレール19〜22が設けられていることと、箱形下部部材25が通過開口部26,27を有することである。
【0054】
1本のピンセット9は使い捨てとしてもよい。アダプタ6も使い捨てとしてもよいし、再使用可能としてもよい。ピンセット9およびアダプタ6は好ましくはプラスチック製である。
【0055】
分析される少量の液体が器具1の光学的に透明な測定面4,5の間に配置される。アダプタ6は続いて、光路を更に変化することなく従来の光度計または分光計において測定できるようにキュベット軸の垂直方向の配置で平面測定面4,5を有する器具1の位置合わせに用いる。
【0056】
1本のピンセット9は挿入補助を有しており、測定面4,5の単純な「充填」ができる。開放状態では、たとえば滴の形で試料を平面測定面4,5の1つに加えるために十分大きな自由空間が保証されるように、ピンセットのアーム7,8は互いに対して配置される。2つのアーム7,8を一緒に押すことで、アーム7,8の端部上の平面測定面4,5が互いに移動し、滴が両方の測定面4,5を濡らす。これにより、測定方向に対して媒体の拡大の方向が補助されるようにおよび過剰投与の場合1方向、たとえば上方向へのみ流出できるように平面測定面4,5が形成および/または被膜される。好ましくは平面測定面4,5の近くの2つのスペーサ11,12により、測定面4,5間に決められた光学層厚が発生するように平面測定面7,8が位置決めされる。1マイクロリットルから数マイクロリットルの範囲に及ぶ体積での測定は、異なる層厚を有する異なるピンセット9を用いて1つのアダプタ6で実現される。
【0057】
ピンセット9は固定機能も有し、ユーザがスペーサ11,12が互いに寄りかかる閉じた状態のピンセット9を置くことができる。
【0058】
さらに、1本のピンセットはアライメント装置を有してもよく、測定面4,5を平行に位置調整する。
【0059】
アーム7,8のべベルがアダプタの傾けられた境界壁23,24に載置されるまで、1本のピンセット9が閉状態で、アダプタ6のガイドレール19〜22に挿入される。この位置では、平板2,3はアダプタ6に縦に配置され、通過開口部26,27の外側に合わせられる。1本のピンセット9をガイドレール19〜22により閉じた状態で保持される。
【0060】
光度計または分光計のキュベット軸のアダプタ6の配置の場合、通過開口部26,27が測定光学の光路に配置され、その結果、それが測定面4,5間の試料の光学測定に利用される。
【0061】
アダプタ6は、誤った取扱い、たとえば振動の場合、液体試料が漏れるのを防止するように設計されている。それは、絞りの特徴も有し、分光計の種類によらない広汎な利用が可能である。アダプタ6はキュベットのように使い捨てできるように設計できるが、しかしながら取り替えは誤操作の場合にのみ必要である。
【0062】
図5〜8によるキュベットは2つの要素から構成され、すなわち測定先端28とアダプタ29である。測定先端28は上端開口部30を有する上端を備えており、たとえば、市販のピペットの固定用付属器にクランプすることができる。さらに、それは底部開口部31を有する底端部を備える。この底部開口部31は2つの透明な平面の平板2,3と好ましくは面平行な測定面4,5を備える器具1により内側に制限される。平板2,3間の間隔距離領域は横方向に閉じて、その結果符号31における底面だけに間隔距離領域が開放されている。
【0063】
上端開口部30と下部開口部31との間の測定先端28に連続した経路が設計されている。測定先端28は外側に、上から下まで先細りの形状を有する。
【0064】
アダプタ29もまた箱形であり、標準キュベット軸に合う。上部領域32において、それは周囲上に閉じられ、底には4つの脚33〜36を有する。アダプタ29は、内部に空洞37を有し、その中に受け器38が配置されている。受け器38は測定端28の外側輪郭と適合する。放射状に走るフィン39,40,41,42により受け器38はアダプタ29の壁の内側に支持される。
【0065】
測定される媒体が平板2,3間に吸い込まれるように、測定先端28は、たとえば従来のピペットチップに類似した市販のピペットの固定用付属器に取り付けることができる。これより、媒体が平面測定面4,5を濡らす。測定面4,5間の異なる間隔距離を有する異なる測定先端28により、1マイクロリットル未満から数マイクロリットル(たとえば0.5〜5マイクロリットル)までの範囲にわたる体積または異なる層厚を有する測定に対する異なる大きさの測定受け器が、1つのキュベットで実現できる。特に非常に少量の測定の計画の場合、測定される試料がすでに毛細管力により平板2,3間に引き寄せられる。それで、たとえば市販のピペットを用いて試料を受け取ることは必要ない。
【0066】
充填された測定先端28はピペットを用いてアダプタ29の中に入れられる。平板2,3を有する挿入された測定先端が脚33〜36の間の自由空間に配置されるように、受け器38の形状は測定先端28の形状に適合する。測定先端28はピペットから注がれる。しかし、それはその後の測定の間ピペットに接続されるままにすることもできる。キュベット29は挿入された測定先端28によりキュベット軸に入れることができる。その結果、光学測定装置の光路が一対の脚33,34と35,36との間の対向する自由空間の間と2つの平板2,3とその中に位置する試料とを介して斜めに走る。試料を受け取るのは親水性表面により補助される。
【0067】
アダプタ29は誤操作の場合‐たとえば強い振動の場合に測定される液体の漏れを防止するように設計することができる。それは、光度計の測定方向に関して平面測定面4,5の正確な配置の案内装置として役立つことができる。さらにそれは絞りの性質を有し、それにより分光計のタイプによらない汎用な利用が可能である。
【0068】
測定先端28とアダプタ29は両方とも消耗品とすることができる。測定先端28は各測定の後に交換することができる。アダプタ29の交換は誤操作の場合に制限することができる。
【0069】
次の2つの例示実施例は2つのヒンジ結合されたアダプタ部から構成され、好ましくは関節を介して着脱不可能に相互に接続されている。一緒に折り畳まれると、アダプタ部はたとえば標準キュベットの寸法で1個のアダプタを形成する。関節は器具の短いまたは長い側面に取り付けられる。開けられて、測定される試料が1つかそれとも両方の測定面に加えられる。
【0070】
図9から12によるキュベットは、2つの平板のような試料キャリア(「スライド」)43,44とアダプタ45から構成される。試料キャリア43,44は同一である。試料キャリアは薄板状中間部46の上端に広がった取っ手経路区切り47を有する。下部に、薄板状中間部46が符号48で円錐形にテーパーがつけられる。下端で、スライド43,44のそれぞれが、好ましくは片側に平面測定面4,5それぞれ有する平板2,3を備える。
【0071】
アダプタ45は2つのアダプタ部49,50から構成され、一体的なヒンジ51を介して互いにヒンジ結合されている。一緒に折り畳まれると、図12によるとアダプタ部49,50はアダプタ45を形成し、その形状は図3および4によるアダプタ6のそれとほとんど一致する。しかしながら、アダプタ6とは対照的に、両方のアダプタ部49,45に4つのガイドレール52〜55と56〜59から構成される完全な案内装置をアダプタ45は有する。
【0072】
アダプタ45とスライド43,44は好ましくはプラスチック製である。
【0073】
図11によると、2つのスライド43,44は案内装置52〜55と56〜59に、取っ手経路区切り47が2つのアダプタ部49,50の上縁に載置されるまで挿入される。この位置では、アダプタ部49の脚60,61とアダプタ部50の脚62,63との間の凹部に平板2,3が配置される。さらに、案内装置52〜55と56〜59を有するスライド43,44の固定具が設けられている。
【0074】
そして、測定される液体の一滴が平面測定面4に加えられる。それから、2つのアダプタ部49,50が一緒に折り畳まれ、液体が測定面5と接触する。
【0075】
一緒に折り畳まれたアダプタ部49,50は、アダプタ部50の固定凹部65と、アダプタ部49の固定突起66を有する固定フック64によって互いに固定される。ここで、固定凹部65を有する固定フック64は固定突起66に押される。固定フック64を反対方向に動かすことで固定が解除される。
【0076】
図12によると、閉じたアダプタ45は標準キュベット軸の中に入れられ、光学測定装置の光路が脚60,61と62,63との間の凹部を通って2つの平板2,3を通って通過する。
【0077】
図9から12によるキュベット内に、長手方向の側面に沿ってアダプタ部49,50が互いに接続されている。図13および14によるキュベット内に、アダプタ部67,68が斜め軸に沿ってヒンジ接続69を備える。
【0078】
このために、アダプタ部67は平板状基部70を有し、外側の片側の上部領域に2つの棒71,72を有する。スイベルジョイント(swivel joint)69の軸受目73,74が棒71,72に配置されている。
【0079】
一般に、アダプタ部68は平板状支持部75から構成され、平板状支持部75は接続アーム76の一端に接続し、接続アーム76は他端の軸受ブロック77を支持する。軸受ブロック77は脚71,72の間に配置され、軸またはシャフト78が軸受ブロック77の中央経路孔を通過し、両端で軸受目73,74に保持される。
【0080】
基部70と支持部75は通過開口部79,80を備え、それらはアダプタ部67,68の一緒に折り畳まれた状態でお互いと同じ高さである。内側に平面測定面83,84を有する平板状挿入部81,82が通過開口部79,80の内側に位置する。
【0081】
基部70と支持部75とは好ましくは、それぞれ内側に挿入される磁石85〜88と89〜92とを有し、一緒に折り畳まれた状態でそれぞれが互いに対に載置される。さらに、中心ピン93が基部70から突出し、支持部75の中心受け器94がそれに当てがわれる。
【0082】
アダプタの開状態で1つまたは両方の平面境界面81,82に試料が加えられる。アダプタ部67,68を一緒に折り畳んだ後、アダプタは標準キュベット軸の中に挿入できる。通過開口部79,80とそれらの後方に配置された透明な平板81,82とそれらの間に位置する試料を通って光学測定装置の光路が通過する。
【0083】
挿入部81,82はたとえばUV透過性石英ガラスまたはUV透過性プラスチックでできている。適用できるならば、それらは特別な表層構造を備えている。
【0084】
通過孔80,81の境界は絞りを形成し、光度計または分光計の測定光が試料のみを照射するようにする。アダプタ部67,68は好ましくはプラスチック製である。
【0085】
アダプタ部67,68は特に再利用に指定されている場合、他の材料、たとえば金属、でできていてもよい。他の変形では、アダプタ部67,68が挿入部81,82と同じプラスチックで、そして適用できるならば、1つの注入成形要素として不可分に作製してもよい。
【0086】
図15および16によると、光学的に透明な測定面83,84は中心に中央液濡れ表面部95を有して設計され、その周囲に撥液表面部96が位置する。領域95,96の液濡れおよび撥液の性質は被膜により発生させることができる。2つの表面部95,96間に機械的な縁がなく、測定面83,84の洗浄中にそれらは分裂的である。測定面83,84が表面部95から表面部96に向かって洗浄されるので、その結果、残された不純物が中央表面部95に残留しない。
【0087】
透光性表面部97は液濡れ表面部95に対応し、挿入部83,84の外側の不透明表面部98が撥液表面部に対応する。
【0088】
表面部95,96は測定面83,84の液体試料の拡大を制限する。撥液または疎水性の表面部に、液体の滴が大きな接触角度位置を有する。この結果、それが測定面83,84上に高く突出する。液濡れまたは親水性の表面部95では、対照的に滴が収まって保持されるか固定される。この結果、平坦ではなくほとんど半球状の液体の滴が発生し、その結果、アダプタ部67,68の一緒に折り畳む間に、測定面83または84に加えられた滴が安全に他の測定面84,83を濡らす。または両方の測定面83,84に加えられた滴は安全に一体となる。結果として、規定された液体の柱が発生し、これにより規定された測定長さまたは層厚がそれぞれ発生する。
【0089】
他の例示的実施例の平板2,3は測定面4,5および外側に対応して設計することができる。
【0090】
図17〜20による例示的実施例では、異なる形状の凹部99,100,101,102が測定面83,84に配置されている。凹部99〜102は試料を受けて測定面83,84でのその拡大を制限する。図18および19によると、試料の過剰量は放射経路103を介して貯蔵室104に、またはオーバーフロー縁105を介してオーバーフロー室106へ逃げることができる。図20の例示的実施例において、凹部102は外側に向かって円錐形に拡大している。さらに、拡大を制限する境界面107は撥液で、ベース面108は液濡れにすることもでき、この結果、滴は測定面83,84から可能な限り遠くへ突出する。
【0091】
滴の拡大を制限するために、小さな表面を有する平面台を測定面83,84に配置してもよい。平面台は表面張力により滴の拡大を防止する。これは滴の高さを増大させ、必要な試料の量の減少が達成される。
【0092】
台を有するかまたは図17〜20による測定面の設計は全ての例示的実施例において達成可能である。
【0093】
図21および22によると、2つの測定面4,5間の層の厚みがスペーサ109により決められる。絞り110が平板3外側上の被膜としてつけられる。
【0094】
この例では、滴が測定面5にのみ加えられ、測定面4をスペーサ9に配置された際に濡らす。
【0095】
図23および24による例示的実施例では、スペーサ111,112が測定面4,5の両方に割り当てられ、器具が閉じた際には互いに接触する。この例では、層厚が両方のスペーサ111,112の距離によって決められる。さらにまた、測定面4,5の両方へ滴の塗布、器具1が閉じられると一緒に流れることが示されている。
【0096】
図25の例示的実施例は図21および22によるものと、規定された層厚が好ましくは磁石113,114,115,116からの磁力により確保される点で異なり、器具1が閉じられると互いから短い間隔でそれら磁石の対極が配置される。磁石113〜116は挿入部2,3を収容するキュベットの器具要素(たとえばアダプタ部67,68)の中に組み込まれる。
【0097】
測定面4,5の平面平行構造を保証するために、器具要素67,68間に設計された関節69を浮動的に設計することができるので、その結果システムは幾何学的に過剰に決定されない。閉状態では、2つのアダプタ部67,68を有するパタパタ動くキュベットにおいて測定される物質が決定的に、安全にかつ安定に位置決めされる。
【0098】
本発明の他の実施例は1回限りの部材の収納である(個々には示さない)。好ましくはカートリッジの形の、処理しやすいマガジンから、再利用可能な折り畳みキュベットにこのために設けられた開口部の中へ1回限りの使用の挿入部2,3が容易に挿入される。使用後、1回限りの挿入具2,3は手または器具またはカートリッジの付属器により折り畳みアダプタの外へ押し出されて、廃棄される。新しい挿入具2,3がそれから再び挿入される。
【0099】
1回限りの部材は1回限りの部材として設計された2部分アダプタと併用することもできる。さらにまた、さらに、1つの器具から作られた前部および後部を有する1回限りの部材を組み合わせてもよいし、適用できるならば2成分射出成型物と呼ばれるものとしてもよい。
【0100】
図26〜28によるキュベットはDE19826470C1の例示的実施例によるキュベットにほとんど対応しており、それは引用したものとする。しかしながら、上述したキュベットとは対照的に、4つの脚117,118,119,120間に配置された、箱形下部部材121がキュベットの空洞に向かって内側に開口しているのではなくむしろ閉じられている。さらに、両側で開口している経路122が、両外側に向かって漏斗形の拡張部123,124を有し、この下部部材121を通って走る。
【0101】
キュベットは市販のキュベットの形状を有しており、その結果、市販の光度計または分光計それぞれに挿入することができる。
【0102】
両側に開口している経路122を介して光学測定を実施することができる。これより、測定中にキュベットのプラスチック壁を介して光が案内されず、したがって測定が影響を受けない。各キュベットに対する空の測定値が必要ない。
【0103】
経路122はキュベットの外側に向けて円錐形に拡大する。その結果、過剰投与は光学的層厚の微々たる増加を引き起こす。副作用として、キュベットはこれより充填補助を受ける。経路122の円錐および円筒領域間に液体がその境界から漏れるまで、ピペットチップが拡張部123,124に付けられ、経路122が充填される。ここで、液体は完全に経路122を充填しその中で付着力または毛管作用それぞれにより保持される。
【0104】
一方で絞り効果を達成するために、また他方で誤操作中に液体が漏れるのを回避するために円錐形拡張部123をざらざらに作ることができる。加えて、受け皿が経路122の下に設けられ、漏れ出す液体を受けることができる。経路122がキュベットの全体幅よりもかなり短いので、液体がこの受け皿へのみ落ちる。
【0105】
例示的実施例は本発明のより良好な視覚化として適する。本発明は例示的実施例に限られない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの測定面(4,5)を有する少なくとも1つの挿入具(28)を備え、
前記挿入具は測定チップ(28)であり、前記測定チップ(28)は一端に2つの測定面(4,5)を有し、前記一端は測定チップ(28)の他端から間隔を置かれ、さらに、
光学測定装置のキュベット軸に挿入用のアダプタ(29)と、
測定面(4,5)がキュベット軸を通過する光学測定装置の光路の測定面(4,5)間に試料の位置決め用に互いから間隔距離で、前記アダプタ(29)に前記少なくとも1つの挿入具を取り外し可能に保持する挿入具およびアダプタ手段(29)とを備えるキュベット。
【請求項2】
測定チップ(28)の前記他端がピペットとおよび/または他の投与器具または器具とおよび/または測定チップ(28)の把持手段との接続用に設計された端部である
請求項1のキュベット。
【請求項3】
標準キュベット軸に測定面(4,5)の位置決めをする手段を有する
請求項1または2のキュベット。
【請求項4】
キュベット軸の異なる位置に測定面(4,5)の位置決めをする手段を有する
請求項1から3のいずれか1つのキュベット。
【請求項5】
キュベット軸の異なる高さ位置に測定面(4,5)の位置決めをする手段を有する
請求項4のキュベット。
【請求項6】
前記取り外し可能に保持する手段は、前記アダプタ(29)の受け器(38)と前記測定チップ(28)の外形を備え、
前記測定チップ(28)が前記受け器(38)の中へ特定の位置に挿入されるようにそれらの形状が互いに設定される
請求項1から5のいずれか1つのキュベット。
【請求項7】
2つの測定面(4,5)が光学的に透明である
請求項1から6のいずれか1つのキュベット。
【請求項8】
2つの測定面(4,5)が平板状である
請求項1から7のいずれか1つのキュベット。
【請求項9】
前記挿入具(28)および/またはアダプタ(29)がプラスチックおよび/または金属でできている
請求項1から8のいずれか1つのキュベット。
【請求項10】
少なくとも1つの測定面(4,5)が親水性である
請求項1から9のいずれか1つのキュベット。
【請求項11】
測定位置における測定面(4,5)が平らである
請求項1から10のいずれか1つのキュベット。
【請求項12】
測定位置における測定面(4,5)が平行に配置される
請求項1から11のいずれか1つのキュベット。
【請求項13】
前記測定面(4,5)の互いからの前記間隔距離は最大で2mm、好ましくは約1mmである
請求項1から12のいずれか1つのキュベット。
【請求項14】
前記測定面(4,5)の互いからの前記間隔距離は
約0.5〜5マイクロリットルの体積を有する試料が間に保持されるように調整される
請求項1から13のいずれか1つのキュベット。
【請求項15】
測定面(4,5)を通って光線を制限する少なくとも1つの絞りを備える
請求項1から14のいずれか1つのキュベット。
【請求項16】
前記アダプタ(29)が前記絞りを有する
請求項15のキュベット。
【請求項17】
光学測定装置のキュベット軸に挿入可能なアダプタ(29)用の挿入具において、
挿入具(28)が2つの測定面(4,5)と測定面(4,5)がキュベット軸を通過する光学測定装置の光路の測定面(4,5)間に試料の位置決め用に互いから間隔距離で、アダプタ(29)に取り外し可能に保持する手段とを備え、
前記挿入具は測定チップ(28)であり、前記測定チップ(28)は一端に2つの測定面(4,5)を有し、前記一端は測定チップ(28)の他端から間隔を置かれている
挿入具。
【請求項18】
少なくとも1つの挿入具(28)とアダプタ(29)を有するキュベットと関係する請求項1から16の少なくとも1つの挿入具の特徴を有する
請求項17の挿入具。
【請求項19】
2つの測定面を有する少なくとも1つの挿入具用のアダプタにおいて、
前記挿入具は測定チップ(28)であり、前記測定チップ(28)は一端に2つの測定面(4,5)を有し、前記一端は測定チップ(28)の他端から間隔を置かれてあり、
アダプタ(29)は光学測定装置のキュベット軸に挿入され、測定面(4,5)がキュベット軸を通過する前記光学測定装置の光路の測定面間に試料の位置決め用に互いから間隔距離で挿入具(28)の少なくとも1つの挿入具に取り外し可能に保持する手段を有する
アダプタ。
【請求項20】
少なくとも1つの挿入具(28)とアダプタ(29)とを有するキュベットと関係する請求項1から16の少なくとも1つのアダプタの特徴を有する
請求項19のアダプタ。
【請求項21】
開口部を有する中間領域が液体と接触され、変位装置を用いて液体が前記中間領域で受け取られ、適用できるなら、それから押し出され、前記中間領域の前記液体が光学測定を受ける
少量の液体の光学検査方法。
【請求項22】
中間領域がピペットチップに設計されている
請求項21の方法。
【請求項23】
前記液体が前記中間領域に吸収され、適用できるなら、ピペットを用いてそこから吐出され 前記ピペットチップが取り付けられる
請求項22の方法。
【請求項24】
測定面または中間領域間の間隔距離領域の開放側を介して光学測定が実施される
請求項21から23のいずれか1つの方法。
【請求項25】
中間領域は少なくとも1つの光学的に透明な壁を有し、前記光学測定は前記光学的に透明な壁を介して実施される
請求項21から24のいずれか1つの方法。
【請求項26】
前記2つの測定面が光学的に透明で前記光学測定が前記光学的に透明な測定面を介して実施される
請求項21から25のいずれか1つの方法。
【請求項27】
互いから間隔距離で配置された2つの測定面が同時に、たとえばピペットにより、液体試料で濡らされ、表面張力により測定面間に滴が伸ばされ、この滴が光学測定を受ける
請求項21から26のいずれか1つの方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2011−516831(P2011−516831A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500123(P2011−500123)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/002114
【国際公開番号】WO2009/115344
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(591121683)エッペンドルフ アクチエンゲゼルシャフト (23)
【氏名又は名称原語表記】Eppendorf AG
【住所又は居所原語表記】Barkhausenweg 1, D−22339 Hamburg, Germany
【Fターム(参考)】