説明

キュベットの取扱いパッケージ

自動分析装置内では分析すべき液体がいわゆる反応容器(同時に光学的に高品質なキュベットとしても作用する)内に存在しており、このような自動分析装置は、実験室で種々の液体を分析するのに使用される。本発明は、キュベットのための取扱いパッケージを開示する。本発明によれば、取外し可能な結合ストリップ(100)をキュベットの列に固定し、このストリップは、キュベットの列をその搬送中に結合し、またキュベットを分析機器内にローディングするとき容易に取外し可能とする。キュベット(10)の分析機器内へのローディングは、パッケージを各キュベットの両側端部に位置するブラケットで支持することにより行い、これにより、ストリップ(100)は支持されたキュベットのパッケージから引き剥がすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キュベットの取扱いパッケージに関し、取扱いパッケージは、このようなパッケージとして詰め組みにされたキュベットを機器内にローディング(装填)するために、キュベットを保管及び搬送中に保護するために、また種々のマーキング用のサブストレートとして使用することができる。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置内では分析すべき液体がいわゆる反応容器(同時に光学的に高品質なキュベットとしても作用する)内に存在しており、このような自動分析装置は、実験室で種々の液体を分析するのに使用される。反応容器の列又はキュベットは、一般的に、一体ピースの列として成形されかつ壁で互いに分離された多数の反応容器又はポジションで構成される。反応容器はグループ化され、このグループ化は、これら反応容器間に共通壁が存在し、またキュベットの長辺側面が真っ直ぐに延び、キュベットが均一な列として順次に配置されて、隣接するキュベットの長辺側面が互いに密接するように行う。このようにして、キュベットは、搬送中及び他の取扱い中に、矩形ボックス内に配置することができる。このようなキュベットは、特許文献1(米国特許第4,690,900号)に開示されている。このタイプのキュベットは、取扱いが簡単であり、また信頼性の高い測定結果を得るのに使用することができる。
【0003】
キュベットは、ダストレス(塵埃がない)、スクラッチレス(ひっかき傷のない)及び放射線束の影響を受けない状態に維持し、このことにより、分析を実施する機器を通過させて信頼性の高い測定結果が得られるようにしなければならない。このため、キュベットは、その製造フェーズ直後のパッケージ化中、保管中、搬送中及び操作中に、注意深い取扱いを必要とする。
【0004】
このようなキュベットの使用中、キュベットが完全にダストフリー、スクラッチフリー、かつ指紋が付かないことを保証するローディング方法を行う必要性がある。射出成形プレス後におけるキュベットのパッケージ化する工程は、オートメーション方法及び装置により制御することができるが、キュベットパッケージに対する衝撃及び分析を実施する機器にキュベットをローディングする時の使用者による不適切な取扱いには問題が多い。これらの欠点を回避するよう、キュベットを取外し可能な蓋を有するボックス内に列としてパッケージ化するための方法が提案されている。この場合のパッケージの開口部は、キュベットのための供給開口に装着する形状に形成し、蓋はキュベットを機器内に押込むための押込み手段を有する。キュベットが機器内に搬送される間、パッケージは機器の供給開口に固定される。この固定は、蓋をパッケージに固定するとき、ボックス内のキュベットの列を、パッケージの他方の端部を形成する個別の押込み手段を有するパッケージの蓋で背後から押込むことによりなされる。このパッケージ化方法の利点は、ダストフリーな取扱いであり、光学的領域への指紋の付着を回避し、しかも手動の取扱いにより生ずるスクラッチがないことにある。
【0005】
しかし、このようなボックスパッケージは、取扱い勝手を低下させ、またパッケージ化コストを上昇させるという欠点がある。パッケージボックスの製造はキュベットの価格に比べて極めて高額であり、したがって、パッケージにより1回の分析コストを増大させる。ボックスは、廃棄物処分サイト又はプラスチック廃棄物リサイクル場に搬送しなければならない多量のプラスチック廃棄物となる。キュベットの消費量は多くの実験室において極めて多量であり、またボックスの材料が実験室の他のプラスチック廃棄物とは同一のプラスチックではない場合があるため、この既知の方法はリサイクルをする上で不都合である。パッケージを実験室内で分類し、保管するのは困難である。キュベットは使い捨て可能であり、材料としてのみリサイクルすべきものであるため、パッケージは可能な限り少量の材料で構成すべきであり、またパッケージ材料は収集が容易であり、かつリサイクル可能とすべきである。キュベットは洗浄し、再利用することもできるが、キュベットの光学的表面は汚れやすいだけでなく機械的損傷を被りやすいため、キュベットは収集中、搬送中及び洗浄中に容易に損傷する。この理由により、キュベット製造業者は、キュベットのリサイクルを禁じている。すなわち、リサイクルしたキュベットを使用したとき、損傷しているキュベットに起因する不正確な試験結果となるリスクが高い。
【0006】
コスト上の理由及び材料を節約するため、キュベットのパッケージボックスは薄い材料で構成する必要があり、従ってパッケージボックスを極めて剛性が高いものに構成することはできない。これにより、パッケージボックスは簡単に曲がったり捩じれたりして、使用に若干の難点があり、またボックス及びキュベットのポジションが容易に傾くだけでなく、キュベットは挿入時に倒れ、しかもボックス開口は装置の供給開口部から抜け出るおそれがある。倒れたり傾いたりしたキュベットを手で向きを整えたり持ち上げたりするとき、キュベットに指紋が付着し易いだけでなくスクラッチが生じる恐れもあり、このような指紋やスクラッチは不正確な測定結果につながる。パッケージボックスに関する問題としては、種々の機器における供給装置が一度に収容できるキュベットの個数が異なるため、若干のキュベットが常にボックス内に残留し、次回のキュベット導入時において、キュベットは2個のボックスから供給されることになり、従って供給ミスの発生回数は常に増大する。
【0007】
特許文献2(米国特許第6,328,164号)には、キュベットのための取扱いパッケージを開示しており、このパッケージは、現在使用され、多数の反応容器を構成するキュベットの列、及びキュベットを相互に結合する結合ストリップを備える。各キュベットは、キュベットを機器内に移動する時に掴むためのフック部分を有する。結合ストリップは、キュベットの下側表面に塗布した粘着性物質によりキュベットに固定され、またこのストリップはキュベット上部の反応容器における開口部の側面に固定される。このパッケージにおいて、結合ストリップはキュベットの上側側面よりも僅かに狭幅にし、これにより、キュベットの端縁は成形体等により供給装置の端縁に支持することができる。キュベットは、結合ストリップを取外すため、その側面で支持しなければならない。この方法は安価かつ信頼性の高いものであるが、結合ストリップは反応容器における最外側のポジション又は開口部にわたり十分に延在させるのが容易ではなく、従って塵埃又は他の不純物が容器内に侵入してしまうという事実は、不利な点といえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第4,690,900号明細書
【特許文献2】米国特許第6,328,164号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、キュベットのための取扱いパッケージを得ることにあり、本発明によるパッケージは、新規なタイプのキュベット及びこれらキュベットを固定するための新規なストリップを備える。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、取外し可能な結合ストリップをキュベットの列に固定する着想に基づき、このストリップはキュベットの列をその搬送中に互いに結合し、またキュベットを分析機器内にローディングするとき容易に取外すことができるものとする。この結合ストリップは、少なくとも反応容器の開口部にわたって延在させなければならず、好適には、少なくとも反応容器の列における上面幅全体にわたって延在させる。
【0011】
より具体的には、本発明によるキュベット用のパッケージは、請求項1における後段の特徴部分に記載される特徴がある。
【0012】
本発明により、大きな利点を得ることができる。
【0013】
キュベットはパッケージとして結合され、この結合は、キュベットの列を互いに上部から固定する簡単なテープ又は他の対応するストリップにより行う。したがって、パッケージはキュベットの他に、容易に使い捨て可能なテープ以外には他の部分又は材料を設けない。このことは、廃棄すべきパッケージ用材料ができるだけ少なくなることを意味する。ストリップは、最外側の反応容器の開口部を含めて、塵埃及び不純物から保護する。1個の取扱いパッケージにおけるキュベットの個数、及び機器におけるローディング装置のサイズは、規格標準化することができる。
【0014】
キュベットは、本発明による取扱いパッケージから適切に設計された装置に容易にローディング(装填)することができ、また、好適にはキュベットのパッケージ全体を一度にローディングするため、キュベットを個別部分として取扱う必要性も可能性もない。このことは、キュベットの衛生的かつ光学的な清浄性を保証すると共に、機械的損傷を回避することが可能となる。汚れたキュベット及び損傷したキュベットは、基本的に得られた測定結果の信頼性を相当低下させるため、キュベットがきれいで損傷のない状態にあることは、キュベットを信頼性高く運用する上で極めて重要である。特に有利には、結合ストリップをキュベットにおける上面の全体にわたって延在させる。これにより、結合ストリップは反応容器のポジションにおける全ての開口部を信頼性高くカバーする。
【0015】
以下、本発明を添付図面につき、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明によるキュベットの取扱いパッケージトの1個を示す。
【図2】本発明によるキュベットのための取扱いパッケージとしてパッケージ化した状態で示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、キュベット10はポジション20、すなわち反応容器を有し、これら反応容器は順次に隣接させて一列に配列する。ここに、用語「キュベット10」とは、試料を収容するために少なくとも1個のポジション20を有する手段を意味し、このポジション20は、少なくとも分析中に試料を収容及び保管する。ポジション20は管状の容器であり、内部には分析すべき試料のための試料容積部28を画定する。一実施形態によれば、ポジション20の形状は角丸めした矩形とし、基本的に試料容積部28における開口部の側辺は、試料容積部28の深さよりも相当短くする。試料容積部28は、他の形状とすることもできる。この文脈においては、ポジション20における試料容積部28の最長側面の方向、すなわち深さを、垂直軸線と称する。したがって、水平軸線は、垂直軸線に対して直交するデカルト軸を意味する。
【0018】
一実施形態によれば、キュベット10は10個のポジションを有し、これら10個のポジションは中間壁22により互いに分離する。中間壁22とは、2個のポジション間に設ける地峡形状の連結部のことを指す。図1及び図2に示すように、中間壁22は、互いに隣接するポジション20の狭幅側面のほぼ中心に位置し、この場合、中間壁22はキュベット10の上側端縁からポジション20における側面のおよそ中間部まで延びる。すなわち、中間壁22は各ポジション20をその長さ全体にわたって結合するのではなく、上半分に沿ってのみ連結する。中間壁22の基本構想は、一方のポジション20から他方のポジション20に対して熱伝導を促進せず、むしろポジション20を互いに断熱する連結素子にある。これにより、ポジション20間で伝達される熱は可能な限り小さく、分析精度が向上する。本発明において、中間壁の構造は重要ではなく、列状に配列した多数の反応容器、すなわちポジションを有するキュベットとして形成できるよう、ポジションを何らかの方法で互いに連結すれば十分である。
【0019】
図1に示すように、最外側のポジション20にはブラケット24を設ける。本発明の一実施形態によれば、ブラケット24は2個のタブ(突部)を有し、これらタブはキュベット10の垂直方向寸法がキュベット10よりも相当短く、かつ厚さにおいては幾分薄いものとする。ブラケット24のタブは、最外側におけるポジション20の外側端縁の上部から外方に突出させ、互いに向かって接近するよう湾曲させる。ポジション20の外側端縁とは、最外側におけるポジション20の中間壁22がない側方端縁を意味する。したがって、外方に向かう方向とは、中間壁22からポジション20の外側端縁に向かって延在する水平方向である。反応容器列の上面とは、中間壁を設けない最外側のポジションにおける側壁の外側端縁間における領域を意味する。従って、ブラケット24は、反応容器列の上面には含まれない。
【0020】
中間壁22同様、ブラケット24は弾性材料で構成することができ、このことによりブラケット24もその最長側面における曲げに弾性的に耐えることができる。ブラケット24の曲げ特性は、キュベットにおけるいくつかの実施形態において必要である。本発明において、ブラケットの形状及び位置は、上述の記載と異なっていてもよい。本発明によれば、ブラケットを反応容器列の両側の側面に配置すると共に、リミッタ面に支持できるガイド上面30を形成することが重要である。ガイド上面30は、反応容器列の上面とは異なるレベルに配置することができ、最外側におけるポジションの外側側面に配置する、又は反応容器列の上面よりも僅かに高い位置に配置することができる。ブラケットの形状は自由に選択することができ、またブラケットを異なる位置に配置することにより、識別システムを構成することができる。この識別システムにおいては、適正な形状有し、かつ適正に配置したブラケットを設けたキュベットだけが供給装置に適合する。このことは、特定の分析装置において特定の試料しか供給できないとき、例えば汚染リスクのある場合に有利である。すなわち、キュベット及び供給装置からキー/ロック対を構成し、このキー/ロック対により不適正試料が分析装置に進入することを阻止する。これに関連し、供給装置にはカウンタ装置を設けることができ、これにより、例えば異なるコード付けをしたキュベットを実験室の異なる顧客用に使用することができるだけでなく、実施した検査回数を供給装置の読み取り値で確証することができる。この確証方法は、サポート及びコントロール手段として、装置による他の試料モニタリング用に利用することができる。
【0021】
図2は、本発明によるキュベットのための取扱いパッケージ又はこのパッケージの一部を示す。パッケージは、結合ストリップ100により互いに結合したキュベット列を備える。図面においては、説明を分かり易くするため、キュベット間に間隔を設けて示す。実際には、各キュベットはパッケージ内で互いに接触させる。キュベット列の長さは、1個のパッケージに配置するキュベットの個数によって決まり、またキュベット列の長さはストリップの長さを決める。キュベットの個数は、例えば18個とすることができる。パッケージのサイズは、主に分析装置の供給装置内にローディングできるキュベットの個数によって決まる。他方で、結合ストリップ100の幅は、反応容器の上面幅によって決まる。結合ストリップの幅は、少なくとも最外側のポジション28における最外側内壁32間の間隔よりも広くなければならない。最大長は、ブラケット34の先端部34間の間隔で制限される。結合ストリップ100における固定部分の最大幅は、ブラケット34間の最大距離よりも小さくなくてはならない。結合ストリップ100の固定部分とは、ストリップをキュベットに固定する幅に沿う部分である。必要に応じて、ストリップは、キュベット列の側面に折り返す保護的なラペル(折り返し)を構成することができ、またこれらラペルは、この領域の少なくとも一部に結合性物質を設けることができる。しかし、このようなラペルはパッケージの取扱いにおいて不利になるおそれがあり、また結合ストリップに必要なパッケージ材料の必要性を増大させる。
【0022】
ストリップ100は、例えばポリプロピレンテープとすることができ、このポリプロピレンテープは、耐候性、並びに高温及び低温に対する耐性を有するアクリルを主成分とした接着剤を粘着性物質として含有する。結合は、パッケージの取扱い、例えば持ち上げ及び曲げを許容するに十分な強度を有する必要があるが、他方で、ストリップは過度な力なしに引き剥がすことにより取外し可能でなければならない。さらに、粘着性物質は防汚性のものにしなければならず、また反応容器の側面に汚れが残らないものとする必要がある。
【0023】
粘着性物質は、例えばアクリル分散接着剤とすることができ、この接着剤の接着力及び引き剥がし力は適切に選択することができる。粘着性物質は、低温及び高温下でも十分な粘着力を有する必要があり、保管中に接着力が消失しないようにする必要がある。粘着性物質の結合力は、結合領域に適合するよう調整しなければならず、結合ストリップとキュベットとの間の結合は、結合領域を変えることで異ならせることができる。粘着性物質は、ストリップの端縁若しくはストリップの中心部の狭い領域に塗布、又は他の適切な箇所に塗布することができ、また当然ながらストリップの幅全体にわたって塗布することもできる。しかし、好適には、若干の粘着性物質を最外側のポジションにおける最外側壁の位置に設け、これにより反応容器内への不純物の侵入を防止する。同様の理由により、好適には、粘着性物質はパッケージの両側端部における最外側キュベットの外側側面位置に塗布する。各反応容器の最適に閉鎖は、粘着性物質を結合領域全体にわたって塗布するときに得られる。これにより、各反応容器の開口部が結合ストリップにより閉鎖される。
【0024】
結合ストリップ100の前方端部には、搬送中及び保管中にキュベット列に沿って曲がる結合部分を設けることができる。この結合部分は、容易に掴むことができるのに十分な長さにし、また粘着性物質を塗布しない。結合ストリップの後方端部に、好適にはキュベット列の最後尾キュベットの光学面を保護するよう折り返すラペルを設ける。これにより、最後尾におけるキュベットの光学面をも汚染することなく後ろから列を押込むことが可能となる。ラペルの長さは、キュベットの高さよりも僅かに短くするとともに、依然として光学面をカバーすることができる長さを選択する。このようにして、最後尾のキュベットは、ラペルによる妨害がなくその下側端縁で支持され、また光学面が保護される。結合部分及び後方端部におけるラペルの下側面には、粘着性物質を設けない。結合ストリップ100の幅はキュベットの幅よりも狭くし、少なくとも結合領域がキュベットの幅よりも狭くし、結合領域が最大でもブラケットにおける上面の一部まで延在するようにする。最も好ましくは、結合領域を反応容器の幅全体にわたって延在させ、反応容器の開口部を確実にカバーするようにする。パッケージを解体するとき、キュベット列を、ブラケットの上面で上方から支持して、フリーな状態にすることができる。結合ストリップ100は、キュベットにおける各反応容器を上から完全にカバーし、塵埃から保護する。キュベットを機器内にローディングするとき、結合ストリップ100は取外すことができ、ブラケットの上面でパッケージを垂直方向に支持することにより、キュベットをパッケージから一斉に釈放することができる。上述のようにパッケージを支持するとき、パッケージはキュベットからストリップを引き剥がすことで解体することができ、これによりキュベットはストリップの粘着性物質から釈放される。
【0025】
結合ストリップ100は種々の材料で形成することができ、結合ストリップ100の釈放可能な結合も多数の結合法により行うことができる。最適には、ストリップは弾性材料、例えばポリプロピレン又は強化紙で形成する。最適には、ストリップ幅はできるだけ広くし、反応容器を搬送中にカバーできるようにする。ストリップ幅は当然ながら極めて狭くすることもできる。このことは、搬送中における反応容器に対する保護が、キュベットのパッケージをより長いダストプルーフとした搬送パッケージとして構成することでなされる場合に行われる。幅広のストリップを使用する場合、粘着性物質はストリップ幅の一部のみに塗布することもでき、例えばストリップの端縁における狭幅領域に塗布することができる。粘着性物質を狭幅領域にのみ塗布する場合、良好な結合力を有する接着剤を使用することができるとともに、相当小さな結合領域での良好な釈放性を確保することができる。超音波溶接又は熱溶接を使用してストリップを結合させる場合、この結合は、好適にはスポット状の連結面を利用することにより行うことができ、これにより、スポットの個数を変えることで結合強度を調節することができる。ストリップは剛性材料で形成することもでき、この場合、パッケージは堅固となる。
【0026】
上述した実施形態に加えて、本発明には他の実施形態もある。既に述べたように、キュベットの結合ストリップは種々の材料で形成することができるだけでなく、その形状を異ならせることができる。ストリップは、異なる方法によりキュベットに固定することもできる。ストリップにはプリントを施すことができ、例えば使用方向、製造業者名及びその商標、並びにパッケージの使用及びリサイクルに関する情報を付記することができる。
【0027】
パッケージを構成するキュベットは任意の個数とすることができるが、標準的なサイズのパッケージを使用することが、機器の使用者にとってもキュベットのサプライヤにとっても最適であることは言うまでもない。原理的には、本発明の方法を利用して1個のキュベットのみをパッケージ化することもできるが、経済的には1回のローディングで分析装置に適合する最大のパッケージサイズを使用するのが最も実用的であろう。最大のパッケージサイズを使用することにより、パッケージ方法は最も効果的であり、また形成したパッケージ材料による廃棄物の量ができるだけ少ないものになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キュベットの取扱いパッケージであって、該パッケージは、
複数個の反応容器で構成したキュベット(10)の列であり、前記反応容器(28)は順次それら反応容器間に共通壁が存在する状態で互いに隣接させ、前記キュベット(10)の長辺側面を直線状にして、前記連続するキュベットの長辺側面が順次に互いに密着した状態で前記キュベットを順次連続的に配置して連続的な列を構成することができるようにした、該キュベット(10)の列と、
前記キュベット(10)における前記反応容器の開口部周りにおける表面に、前記キュベット(10)の使用前に取外し可能に接着する結合ストリップ(100)であり、前記キュベットの列を連続した取扱いパッケージとなるよう結合する、該結合ストリップ(100)と
を備える取扱いパッケージにおいて、
各前記キュベット(10)は、両側の端部に上面(32)を有するブラケット(30)を設け、該ブラケットにおける端部間の距離は、キュベットのパッケージの幅によって決定され、
前記結合ストリップ(100)は、前記反応容器における開口部の少なくとも上面領域に延在させ、また、
前記結合ストリップ(100)は粘着表面を有し、該粘着表面は前記ブラケット(30)の端部間の距離よりも狭い領域に延在させた
ことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項2】
請求項1記載の取扱いパッケージにおいて、前記ストリップ(100)は、最大でも前記反応容器の上面領域まで延在させたことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の取扱いパッケージにおいて、前記ストリップは、前記ブラケットの領域までは延在させないものとしたことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の取扱いパッケージにおいて、粘着性物質は、前記ストリップにおける幅の一部にのみ塗布したことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項5】
請求項1又は2記載の取扱いパッケージにおいて、前記ストリップを、超音波溶接により溶着したことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載の取扱いパッケージにおいて、前記ストリップを、熱溶接により溶着したことを特徴とする取扱いパッケージ。
【請求項7】
請求項5又は6記載の取扱いパッケージにおいて、前記ストリップを、スポット溶接により溶着したことを特徴とする取扱いパッケージ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−520670(P2013−520670A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554384(P2012−554384)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/FI2011/050162
【国際公開番号】WO2011/104438
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(501286093)サーモ フィッシャー サイエンティフィック オイ (13)
【Fターム(参考)】