キュベットキャリヤを使用する臨床分析装置におけるアッセイタイミング
臨床分析装置(100)は、フレキシブルなアッセイタイミング及び可変定温放置期間を提供する方法で動かされるキュベットキャリヤ(102)を含む。そのような変化した定温放置時間を有する多数のアッセイを、ランダムアクセス的に、タイミング衝突を避けながら同時並行的に実行することができる。流体送出しステーションが、キュベットキャリヤ(102)の周囲で、アッセイタイミングから独立した位置に配置される。キュベット(108)は、調和しながら、多数の漸増ステップで、閉鎖した幾何学的経路に沿って移動する。キュベットキャリヤ(102)は、試料又は試薬の送出しのために、1周期中で両方向に可変距離を移動して、特定のキュベットを特定の場所に配置することができる。キュベットキャリヤ(102)の移動方向は、好ましくは、キュベットと各流体送出しステーションとの間の最短距離の決定に基づく。しかし、各周期中、選択された方向へのキュベット(108)の正味の段階的漸動がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、生物学的流体試料の自動化臨床分析のための試料分析システムに関し、より具体的には、別々の反応キュベットを使用し、試料及び試薬の異なる所定の定温放置期間のアッセイの同時実施を可能にする装置及び方法に関する。好ましくは、臨床分析装置中のキュベットは、閉鎖経路、たとえばキュベットリングの円形経路をトラバースする。
【0002】
2.関連従来技術
一つの公知の臨床分析装置では、試料及び試薬を受けるためのキュベットが互いに前後方向に直線的に配置される。キュベットは、固定期間の移動周期で、直線経路又はトラックに沿って一方向に移動する。この移動周期は、多くの場合、たとえば公知の臨床分析装置で使用される20秒など、機械周期又は時間周期(又は、文脈から明らかに理解される場合、単に周期)と呼ばれる。
【0003】
各キュベットは普通、別個のアッセイを含み、各キュベットは一般に各周期中に固定距離を移動して特定のステーションに達して、特定の機能、たとえば流体送出しを受ける。
【0004】
流体送出しは、普通は直線トラックに沿って所定の順序で位置する別個の流体送出しステーションによって提供される。キュベットは、直線的な移動経路に沿って漸増的に移動するとき、各流体送出しステーションを通過する。各キュベットは、各キュベットに対応するアッセイに依存して、選択された量の試料、希釈剤、試薬などをそれぞれの流体送出しステーションから受ける。
【0005】
1991年1月31日に公開された欧州特許出願第014064582号公報に示されているもう一つの公知の臨床分析装置は、キュベットを円形経路に沿って移動させる。この開示された分析装置は、キュベットが円形経路に沿って移動するように中心軸を中心に回転可能である円形反応リング又はキュベットリングを含む。キュベット開口が、たとえば100個のキュベットを収容することができるリングの円周部分で互いに離間している。キュベットリングは、たとえば30秒間の固定周期時間間隔で回転する。
【0006】
流体送出し又は他の機能を実行するステーションは普通、キュベットリングの円周の近くに設けられている。
【0007】
臨床分析装置がキュベットを直線経路に沿って移動させるのか、円形経路に沿って移動させるのか、規則的又は不規則な輪郭の他の非直線経路に沿って移動させるのかにかかわらず、流体送出しステーションは普通、キュベットの移動経路に沿って連続する所定の場所に設けられる。流体送出しステーションはまた、選択された範囲の動きを有する公知のロボット式可動装置と組み合わせることもできる。以下の段落に記載する事象ならびにそれらの間の期間及び定温放置の集合がアッセイプロトコルとして知られている。
【0008】
各流体送出しステーションは、以下のような特定の流体送出し機能を実行するように専用化し、設定することができる。
1.キュベットへの試料の小出し、
2.キュベットへの希釈剤の小出し、
3.キュベットへの試薬の小出し、
4.キュベットへの補助物質の小出し。
【0009】
試薬のような液体を吸引し、小出しするプローブはまた、各吸引/小出し周期の前に洗浄し、再使用することができる。試料を吸引し、小出しするプローブは、各吸引/小出し周期の前に取り外され、交換されることもある。
【0010】
臨床分析装置中のキュベットはまた、以下の機能に付されることができる。
1.キュベットの、トラック又はキュベットリング中のその場所からルミノメータへの移送、
2.キュベット中の特定のアッセイに対応する、ルミノメータ中での光検出、
3.キュベットが再使用されない場合、トラック又はキュベットリング中のキュベット空間への新たなキュベットの設置、
4.キュベットが再使用される場合、アッセイが完了した後のキュベットの洗浄。
【0011】
キュベットリング中のキュベットが流体送出し又は他の機能を受けるために、キュベットリングは、各周期中に所定量だけ回転して、各周期でキュベットを選択された流体送出しステーション又は場所まで段階的に移動させる。たとえば、キュベットリングは、各移動周期中、1キュベット空間に等しい量(周期距離)だけ漸増的に回転することができる。
【0012】
一般に、特定のキュベットが特定の流体送出しステーション又は場所に達するために要する時間は、それより早いキュベットへの流体送出しの所定の定温放置期間に基づく。連続的な流体送出しの間の定温放置期間は、周期期間及びキュベットが一つの流体送出しステーションから別の流体送出しステーションまで移動するために要する周期の数の倍数である。アッセイのための総期間は、キュベットが最初の流体送出しステーションから、たとえばルミノメータによってアッセイ読取りを実施することができるアッセイ読取り場所まで移動するために要する周期の数である。
【0013】
キュベットリングを使用する公知の臨床分析装置は、新たな試験の導入を可能にするために周期ごとにリング位置を固定数だけ増しながら、周期ごとにキュベットを所定のパターンで移動させる。このパターンは、キュベットが流体送出しステーション、洗浄ステーション又は読取りステーションに対して位置決めされることを可能にするために多数の移動及び停止を有することができ、パターンは周期ごとに正確に繰り返す。一つの公知の臨床分析装置では、リングは、三つの異なるそのようなパターンを有することができ、そのようなパターンそれぞれの中では、移動及び停止は常に同じである。
【0014】
公知の臨床分析装置及び流体送出しステーションの物理的レイアウトが、流体送出しステーションの順序及び間隔及び/又はロボット式可動流体送出し装置の場所をも含め、一般に、連続的な流体小出し、たとえば試料小出し及び試薬小出しの間の所定の定温放置期間に基づくということは周知である。
【0015】
したがって、公知の臨床分析装置においては、定温放置期間と流体送出しシステムの一般的な物理的レイアウトとの間にはつながりがある。このつながりが、臨床分析装置が異なるアッセイのために定温放置時間の変化を提供することをひどく制限又は妨害し、その結果、アッセイプロトコルは、定温放置期間として、いくつかの別個の値を有するだけに制限される。
【0016】
本発明者は、円形経路沿いのキュベットの非可変性移動によって制限されるのではなく、可変性のキュベットキャリヤ運動を固定周期中に提供することにより、流体送出しシステムの物理的レイアウトとアッセイタイミングとの間のつながりを断ち切ることができることを見いだした。本発明者が知る限りにおいて、キュベットキャリヤを使用するすべての公知の臨床分析装置において、特定の周期に関してキュベットの非可変性移動が主流である。
【0017】
本発明者は、一方向への固定された漸増リング動を待つことなく、キュベットリング中のキュベットを初期の選択された基準場所から、選択された方向に可変距離だけ、流体送出しのための他の選択された場所まで移動させることにより、周期の倍数として広い範囲内で連続的に変化する異なる定温放置時間をアッセイ事象間に提供することができることを見いだした。これが他方で、アッセイ開発者に対し、アッセイごとに最適な定温放置期間を選択する際にはるかに大きな寛容度を提供する。ひとたび最適な定温放置期間が決定されると、以下の段落で記載するスケジューリングアルゴリズムが、異なるアッセイプロトコルの複数のアッセイをランダムアクセス的に実施することを可能にする。
【0018】
また、所与の周期中に選択された方向へのキュベットの可変性移動を実現することにより、通常に必要な流体送出しステーションの数をたとえば5から2に減らすことができる。すべてのキュベットを同じ定温放置時間間隔で同じ方向にたとえば5個の選択された連続する流体送出しステーションそれぞれまで移動させるのではなく、異なるキュベットを異なる定温放置時間間隔で異なる距離だけたとえば2個の異なる流体送出しステーションまで移動させること(可変移動)により、このような流体送出しステーションの削減を得ることができる。
【0019】
加えて、キュベットを円形経路に沿って選択された方向に可変移動させることにより、連続的に位置する流体送出しステーション以外の優先事項を使用して臨床分析装置の物理的レイアウトを決定することができることを見いだした。たとえば、好都合に利用可能な空間に基づいて、また、臨床分析装置中の種々の流体送出し及び機能ステーションへのアクセスしやすさに基づいて、流体送出しステーションを好都合に配置することができる。加えて、同じ流体送出しステーションが一つ以上の試薬及び補助物質をキュベットに送り出すことを可能にすることにより、流体送出しステーションにおける融通性を提供することができる。
【0020】
いくつかの図面を通じて対応する符号が対応する部品を示す。
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の一つの実施態様を具現化する臨床分析装置が図1で符号100によって示されている。
【0022】
臨床分析装置100は、図2に簡略化した形態で示す公知の構造のキュベットリング又は反応リング102を含む。キュベットリング102は、中心の垂直軸を中心にして水平面で動くことができる。キュベットリング102の移動は、適当な公知のステップモータ(図示せず)を、キュベットリング102の外周に押し当てられる公知の駆動ホイール(図示せず)とともに用いることにより、公知の方法でアクティブ化することができる。
【0023】
キュベットリング102(図2)は、リングの円周部に互いに等間隔で設けられた80個のキュベット開口、空間又は位置を含み、各キュベット開口が、円として略した形で示されている取り外し可能で好ましくは使い捨てのキュベット108を収容する。
【0024】
可動キュベットリング12の内側境界22に沿って1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75及び80の間隔で番号を付された等間隔のしるし線は、80個のキュベットそれぞれ及び可動キュベットリング102中のそれらに対応するキュベット空間を識別するためのものである。したがって、キュベットリング上の各番号又はしるし線は、別個のキュベット番号又はキュベット位置に対応し、1〜80の数字によって参照される。
【0025】
キュベットリング102は、臨床分析装置100の周囲固定面200によって境界を画定されている(図5)。
【0026】
本発明の説明を容易にするため、1a、5a、10a、15a、20a、25a、30a、35a、40a、45a、50a、55a、60a、65a、70a、75a及び80aの間隔で番号を付された等間隔のキュベット基準しるし線が固定面200(図5)に設けられて、キュベットリング102上のキュベット開口及びキュベットを表すしるし線及び番号1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75及び80に対応し、それらと整合している。固定面200上のすべてのキュベット参照番号及びしるし線は、別個の参照位置を示し、説明の中では、1〜80の数字の後に文字「a」を添えたものとして参照される。
【0027】
キュベットリング102は80個のキュベットのための80個のキュベット開口を有するが、リング102中のキュベット開口の数は選択の問題である。
【0028】
キュベットリング102は、キュベットリング102中のキュベット108を液こぼれ又は他の方法でキュベット中に落ち込むおそれのある他の物質から保護するように働く適当なカバートレー110(図3)を有する。
【0029】
下にあるキュベットリング102(図2)とともに回転しないカバートレー110(図3)は、2個の離間した開口114及び116を有する。試料が開口114を介してキュベットリング102中の選択されたキュベットの中に小出しされ、試薬が開口116を介してキュベットリング102中の選択されたキュベットの中に小出しされる。図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリング102の上に配置されると、開口114が固定面200上のキュベット基準位置10aと整合し、開口116が固定面200上のキュベット基準位置20aと整合する。
【0030】
このように、試料は、カバートレー110上の唯一の場所、すなわち開口114で小出しされ、試薬は、カバートレー110上の唯一の場所、すなわち開口116で小出しされる。試料及び試薬が小出しされる際に通過するカバートレー110中の開口を制限することにより、試料及び試薬の蒸発が最小限になり、キュベット成分の汚染が最小限になる。
【0031】
カバートレー110(図3)はまた、新たなキュベットがキュベットリング102中の空きキュベット空間に入れられる際に通過する開口120を含む。開口120は、新たなキュベットを空きキュベット空間に入れる際に通すことができるカバートレー110中の唯一の開口である。図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリングの上に配置されると、開口120が固定面200上のキュベット基準位置31a(図5)と整合する。
【0032】
カバートレー110(図3)はさらに、開口124、126、128、130、132、134、136及び138を含む。開口124、126及び130は、たとえば固相捕獲物、たとえば磁性粒子を使用するイムノアッセイの場合に公知の洗浄動作に使用される吸引及び小出しプローブ(図示せず)のための開口である。開口132は、洗浄動作に使用される吸引プローブのための開口である。開口128は洗浄液小出し口であり、開口134は酸注入口である。開口136は再懸濁口である。開口138は、キュベットが公知の方法でルミノメータ140に入るためにキュベットリング102からカバートレー110を上に貫通するところのキュベット放出口である。
【0033】
図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリング102の上に配置されると、吸引(洗浄液)口124がキュベット基準位置69aと整合し、再懸濁口126がキュベット基準位置70aと整合し、洗浄液小出し口128がキュベット基準位置71aと整合し、洗浄液小出し口130がキュベット基準位置75aと整合し、吸引(洗浄液)口132がキュベット基準位置76aと整合し、酸注入口134がキュベット基準位置77aと整合し、再懸濁口136がキュベット基準位置78aと整合し、キュベット放出口138がキュベット基準位置80aと整合する。
【0034】
このように、基準位置69a〜78aは、公知の洗浄動作を実行するための洗浄ステーション188(図1)に対応する。
【0035】
分析装置100(図1)は、オーバヘッドレール152に支持されて水平面沿い及び垂直方向に動くための、公知の構造の試料ピペッタロボット150を含む。試料ピペッタロボット150は、カバートレー110中の試料小出し口114に対して昇降することができる使い捨て試料ピペット又はプローブチップ156を含む。試料ピペッタロボット150は、レール152上、プローブチップ156を貯蔵するビン158の上で動くことができる。試料ピペッタロボット150は、すでに使用されたプローブチップ156が試料ピペッタロボット150から切り離されたのち、ビン158中の選択された使い捨てプローブチップ156にアクセスすることができる。そして、試料ピペッタロボット150は、新たなプローブチップ156を持って上昇し、試料ラックトレー162の上方で移動して、プローブチップ156が試料ラックトレー162中の選択された試料管164にアクセスすることを可能にする。試料ピペッタロボット150は、選択された試料管164(図1)からプローブチップ156を介して所定量の試料を吸引する。
【0036】
試料ピペッタロボット150は、吸引した試料とともに、カバートレー110(図3)中の試料小出し口114まで降下して、試料を、プローブチップ156及び試料小出し口114を介して、キュベットリング102(図2)によって動かされてカバートレー110中の試料小出し口114と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108に小出しする。試料が選択されたキュベット108の中に小出しされたのち、試料ピペッタロボット150は、使い捨てプローブチップ156を解放するため、チップ廃棄容器166(図1)の上方に移動する。試料ピペッタロボット150のすべての動きは公知の方法で実施される。
【0037】
分析装置100はまた、試料ピペッタロボット150とともにオーバヘッドレール152に支持される、又はオーバヘッドレール152から離間し、それに対して平行である別個のレール(図示せず)に支持される、公知の構造の試薬ピペッタロボット170(図1)を含む。試薬ピペッタロボット170もまた、試料ピペッタロボット150と同様、前後に移動し、前進後退し、カバートレー110(図3)中の試薬小出し口116に対して昇降することができる試薬ピペット172を含む。
【0038】
試薬ピペット172は、好ましくは、使い捨てではなく、再使用可能である。試薬ピペッタロボット170は、試薬トレー174(図1)上で移動して、試薬ピペット172が、試薬トレー174内に保持された選択された試薬容器(図示せず)の試薬アクセス口178(図1)に入ることを可能にする。試薬ピペッタロボット170は、試薬アクセス口178から試薬ピペット172を介して所定量の試薬を吸引したのち、カバートレー110中の試薬小出し口116(図3)に移動する。そして、試薬ピペッタロボット170は、試薬を、試薬ピペット172(図1)及び試薬小出し口116(図3)を介して、キュベットリング102によって動かされてカバートレー110(図3)中の試薬小出し口116と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108(図5)に小出しする。
【0039】
ひとたび試薬小出しが完了したならば、試薬ピペッタロボット170は、公知の構造のピペット洗浄ステーション180(図1)の上方に移動して、使い捨てではない試薬ピペット172(図1)を別の試薬小出し機能に備えて洗浄することを可能にする。
【0040】
試薬ピペッタロボット170はまた、試薬ピペット172が洗浄されたのち、補助物質、たとえば試料前処理物質又は希釈剤のような一般的な試薬を補助トレー182(図1)から小出しするために使用することもできる。したがって、試薬ピペッタロボット170は、補助物質アクセス口184(図1)まで降下するために補助トレー182の上方に配置することができる。試薬ピペッタロボット170は、アクセス口184から所定量の補助物質を吸引したのち、カバートレー110中の試薬小出し口116(図3)の上方に移動する。
【0041】
試薬ピペッタロボット170は、選択された量の補助物質を、試薬ピペット172及び試薬小出し口116を介して、キュベットリング102によって動かされてカバートレー110中の試薬小出し口116(図3)と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108(図2)の中に小出しする。試薬小出しが完了したのち、使い捨てではない試薬ピペット172は、試薬ピペッタロボット170の別の吸引及び小出し機能に備えて試薬ピペット172を洗浄するために、洗浄ステーション180(図1)の上方に移動する。試薬ピペッタロボット170のすべての動きは公知の方法で実施される。
【0042】
臨床分析装置100はさらに、試料、試薬、補助物質との定温放置及び洗浄機能を含む、それより早期のアッセイ動作を完了したキュベット108(図2)中の反応の光検出のための公知の構造のルミノメータ140(図1)を含む。ルミノメータ140は、図2のキュベットリング102のキュベット空間80の近くに位置している。ルミノメータ140における検出に適した発光反応を起こしているキュベット108は、試料及び試薬を受ける各キュベット中で試験される様々な血液特性の分析又はアッセイに使用される分析データを提供する。
【0043】
キュベットリング102中のキュベット108(図5)がルミノメータ140(図1)中でのアッセイ読取りの準備ができる適切なタイミングで、アッセイ読取り可能なキュベット108が公知のキュベットイジェクタ又は上昇装置(図示せず)と整合する。キュベットイジェクタ装置(図示せず)がアッセイ読取り可能なキュベット108をキュベットリング102から上に押す、又は他の方法で移送してルミノメータ140に入れる。したがって、空きキュベット開口がキュベットリング102中に残る。ルミノメータ140に受けられるアッセイ読取り可能なキュベット108は、光検出又は読取り動作が完了するまでルミノメータの中に残る。臨床分析装置100において、読取り動作は、ベース物質の小出し、せん光の生成、発光の読取り及びキュベット内容物(図示せず)の排出を含む。読取り動作が完了したのち、キュベット108はルミノメータ140から適当な廃棄容器(図示せず)の中に放出される(図示せず)。
【0044】
臨床分析装置100はまた、ルミノメータ140に隣接する公知の洗浄ステーション188(図1)を含む。洗浄ステーション188は、カバートレー110(図3)中の開口124〜136と整合し、キュベットを、公知の方法で、ルミノメータ140への導入に備えて準備する。したがって、キュベットリング102中のキュベット108(図2)が洗浄ステーション188(図1)を通過するとき、キュベットは、洗浄ステーション188によって公知の方法で処理を施されて、キュベット108中の反応成分が、ルミノメータ140が結果的な発光を適切に読み取り、ひいては各アッセイに必要なデータを提供することを可能にする量及び質の光を発することを保証する。
【0045】
公知の構造のキュベットローダ190(図1)が新たなキュベット108をキュベットリング102(図2)中の空きキュベット開口に入れて、先に取り出されたキュベット108に代わらせる。キュベットローダ190はまた、臨床分析装置100の新たな起動動作のたびにキュベットリング102のキュベット空間にキュベット108を装填する。
【0046】
本発明にしたがって、キュベットリング102は、20秒などの好ましい移動周期期間を有する。移動周期期間は選択の問題である。その20秒周期中に起こるようにスケジューリングすることができる可能な公知の機能の説明が図4のタイミング表に示されている。
【0047】
図4のタイミング表を参照すると、20秒周期の各秒が、「時間/秒」と題する第一列に示されている。
【0048】
「試料ピペッタ」と題する図4のタイミング表の第二列は、試料ピペッタロボット150(図1)による種々の機能を実施するための、20秒周期内の特定の時間割り当てを示す。このように、試料ピペッタロボット150は、20秒周期の最初の10秒間に作動してピペットチップ156(図1)をピックアップし、試料トレー162中の選択された試料容器から公知の方法で試料を吸引する。
【0049】
図4の「試料ピペッタ」列でさらに示すように、20秒周期の10秒目と11秒目との間で、試料ピペッタロボット150が、吸引した試料を小出しし、20秒周期の11秒目と13.5秒目との間で、試料ピペッタロボット150は、試料ピペットチップ156を放出する。20秒周期の13.5秒以降、試料ピペッタロボット150はスケジューリングされた活動を有しない。
【0050】
「試薬ピペッタ」と題する図4のタイミング表の第三列は、試薬ピペッタロボット170(図1)による種々の機能を実施するための、20秒周期内の特定の時間割り当てを示す。このように、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の最初の6秒間に作動して試薬トレー174(図1)から第一の試薬R1を吸引し、必要ならば、その後ただちに第二の試薬R2を吸引する。両試薬R1及びR2は同時に小出しされる。しかし、第二の試薬R2を続けて吸引する必要がないならば、小出し動作は試薬R1に限られる。
【0051】
したがって、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の6秒目と9秒目との間で、周期の最初の6秒間に吸引した試薬R1(及びおそらくはR2)を同時に小出しすることができる。試薬ピペット172が20秒周期の9秒目直前と11秒目直後との間に洗浄ステーション180(図1)で洗浄されたのち、試薬ピペッタロボット170は別の吸引周期を開始することができる。
【0052】
図4の「試薬ピペッタ」列でさらに示すように、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の12秒目直前から15秒目直後までの期間で、必要ならば別の第二の試薬R2を吸引することができる。試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の15秒目直後から17秒目直後までの間で、そのさらなる第二の試薬R2を小出しすることができる。試薬ピペット172は、17秒目直後から20秒目直前までの間の時間セグメントで、洗浄ステーション180(図1)で洗浄される。
【0053】
「洗浄及び酸注入」と題する図4のタイミング表の第四列は、アッセイ読取り可能なキュベット108(図2)がキュベットリング102からルミノメータ140(図1)の中に放出される前の、洗浄ステーション188(図1)におけるキュベット洗浄に割り当てられた20秒周期内の特定の時間を示す。また、洗浄ステーション188では、20秒周期の4秒目と5秒目との間で、酸成分が小出しされる(図4)。洗浄及び酸注入は公知の動作である。
【0054】
「試薬振とう」と題する図4のタイミング表の第五列は、試薬容器の振とう又は混合に割り当てられた特定の時間を示す。試薬振とうは20秒周期中に2回起こる。第一の振とう動作は20秒周期の6秒目直前から10秒目直後まで及ぶ。第二の振とう動作は14秒目直後から19秒目直後まで及ぶ。試薬の振とうは、試薬トレー174(図1)中の成分の均等な分散を保証するための公知の動作である。
【0055】
「ルミノメータ」と題する図4のタイミング表の第六列は、ルミノメータ140(図1)に関する動作に割り当てられた特定の期間を示す。たとえば、20秒周期の2秒目と3秒目との間の1秒に満たない部分で、ルミノメータ140中で読取り動作を完了したキュベット108(図2)がルミノメータから放出される。3秒目直前から3秒目直後までの1秒に満たないもう一つの部分で、光検出又は読取り動作の準備が完了しているキュベットリング102(図2)上のアッセイキュベット108がキュベットリング102からルミノメータ140(図1)の中に上昇又は放出される。読取り動作を構成するルミノメータ140内での測光又は光検出は、20秒周期の7秒目直後から18秒目直前までの期間に起こる。
【0056】
「新キュベット追加」と題する図4のタイミング表の第七列は、新たなキュベットの装填手順が20秒周期の18秒目と19秒目との間に起こることを示す。
【0057】
「リング移動」と題する図4のタイミング表の第八列は、20秒周期のうち、キュベットリング102(図2)が静止状態にある部分を空間によって示す。静止状態期間は、図4の他の列で示すようなキュベットに対する動作、たとえば試料及び試薬小出し、キュベット放出及び設置ならびに洗浄動作と整合する。キュベットリング102は、周期の最初の4秒間、洗浄動作の実行を許すために静止状態にある。4秒目から5秒目直前まで、キュベットリング102の移動が、公知の磁気リングセグメント(図示せず)とキュベットリング102との間の、公知の方法による相対的割出しを可能にする。
【0058】
磁気リングセグメント(図示せず)は通常、20秒周期のうち19秒をわずかに超える期間、キュベットリング102とともに移動する。磁気リングセグメント(図示せず)は、4秒後に始まり、約4.5秒目に終了する期間(図4)中、キュベットリング102から離れて、磁気リングがキュベットリング102に対して一つのキュベット空間を割り出すことを可能にする。割出し動作ののち、磁気リングは、キュベットリング102とともに動くために、再びキュベットリング102と係合する。キュベットリング102との磁気リングの係合/係合解除の動作は公知の動作であり、キュベットリングとのこの磁気リングの脱離及び再係合を可能にするための機構は公知の機構である。
【0059】
図4のタイミング表の「リング移動」列にさらに示すように、キュベットリング102(図2)は、4秒目と5秒目との間の1秒に満たない部分で、酸小出しのために静止状態にある。その後、キュベットリング102は、約5秒目から6秒目直前まで、キュベットを試薬小出し位置に送るために移動する。その後、キュベットリング102は、5.5秒点から9秒目直前まで、試薬小出しを可能にするために停止する。その後、キュベットリング102は、1秒弱の間、キュベットを試料小出し位置に送るために移動する。
【0060】
試料は、10秒直前から約11.5秒目まで小出しされる。その後、キュベットリング102は、約11.5秒目から12秒目直後まで、別のキュベットを試薬小出し場所に送るために移動する。キュベットリング102は、12秒目直後から約17.5秒目まで、第二の試薬小出しのために静止状態にある。その後、キュベットリング102は、約1秒間、キュベットをキュベット装填位置に送るために移動する(必要ならば)。キュベットリング102は、18秒目と19秒目との間の1秒に満たない部分で、新たなキュベットをキャリヤ上の空間に装填するために停止し、その後、再び約0.5秒間、キュベットを洗浄ステーションに送るために移動する。
【0061】
図4のタイミング表に示す処理及び動作はすべて公知の処理である。しかし、本発明者は、固定周期中のキュベットリング102の可変動が異なる所定の定温放置期間の達成を許すことができ、それが本発明の根本的特徴であることを理解した。固定周期中のキュベットリング102の可変動を許すためのこのような処理又は動作のタイミング及びスケジューリングもまた、本発明の根本的特徴である。
【0062】
したがって、固定周期中のキュベットリング102の可変回転動は、特定のキュベット中で実施されるアッセイを他のキュベット中で実施される他のアッセイと同時に、すべてを異なる定温放置期間又は異なるアッセイプロトコルで作動させながら処理することを可能にする。
【0063】
キュベットリング102の各キュベット108(図2)で実施されるアッセイの選択は、各キュベットへの各流体小出しのための所定の定温放置期間をスケジューリングし、各周期中のキュベットリング移動を、他の流体小出し又は臨床分析装置の他の動作のいずれとも衝突させることなく適時な流体小出しを可能にするように制御することによって得ることができる。
【0064】
このように、異なるアッセイごとに所定の定温放置期間を達成するための要点の一つは、衝突が起こらないようにそのようなアッセイをスケジューリングすることである。キュベットごとに所定の定温放置期間を達成するためのもう一つの要点は、種々の流体小出し機構及び試料の臨床分析に寄与する他の機能装置の動作と同調するように可変キュベットリング動をプログラミングすることである。
【0065】
可変キュベットキャリヤ動との臨床分析装置の動作を説明するため、そのような試験を衝突なしで実施することができるように同調させる方法を含め、一連の簡単な試験を記載する。
【0066】
臨床分析装置で試験される試料は一般に、試験される特定のパラメータにかかわらず、ランダムな順序で操作者のところに持ち込まれる。たとえば、試料は一つ以上の試験に付されることもあり、各試験は個々のキュベットの中で実施される。試料に対する一連の試験は、パネル、たとえば甲状腺パネル、貧血パネル又は通常の健康診断血液パネルとして知られている。個々の試験又はアッセイそれぞれは、試験のパネルの一部であるかどうかにかかわらず、個々のキュベットの中で実施される。
【0067】
たとえば、以下、表1の作業リストは、実施される7種の試験の予定表を有する。
【0068】
【表1】
【0069】
表1の作業リスト予定表は、各試験オーダ又は試験要求が臨床分析装置の操作者に与えられる又は他の方法で送られるたびに編集される。表1の作業リストの「到着順」列は、臨床分析装置への試験の到着の順序を示す。表1の作業リストの「試験番号」列は、実施される試験のタイプを示す。
【0070】
文字、数字もしくは文字と数字との組み合わせ又は他の適当な識別法を使用して、実施される試験のタイプを識別することができる。たとえば、試験1は葉酸の試験であることができる。試験2はテストステロンの試験であることができる。試験3はB12の試験であることができる。試験4は甲状腺パネルの一部であることができる。試験5はジゴキシンの試験であることができる。試験6はエストラジオールの試験であることができ、試験7はフェニトインの試験であることができる。
【0071】
説明目的のために、表1の作業リストの試験番号1〜7それぞれは、1個のキュベットに対応する1種の試験の主題である。
【0072】
キュベットリング102(図2)は、周期ごとに、漸増位置として知られる基準位置から出発する。図4の表に示すリングの最初の静止期間の最後に、リングは、一つの位置を新たな漸増位置まで左回りに割出しする。キュベットリング102はまた、各周期の20秒固定期間内に、漸増位置から可変量だけ移動して、選択されたキュベットのための選択された機能を達成することができる。この周期中に他のリング移動が起こるならば、そのような移動は、周期の最後に、漸増後位置とも呼ばれる新たな漸増位置に戻るリングの最後の移動によって相殺される。したがって、所与の周期の漸増位置は直前の周期の漸増後位置である。このように、キュベットリング102の漸増位置は、周期ごとに1キュベットだけ所定の左回り方向に進むことにより、周期ごとに変化する。
【0073】
図5を参照すると、説明目的のために、キュベットリング102中の80個のキュベット又はキュベット位置もしくは空間それぞれが、1〜80の番号を付された位置によって明確に識別されている。図5のキュベットリング102の位置は、臨床分析装置100の、ほどなく説明する周期1の最後の試験条件に対応する。
【0074】
図5の固定面200は、キュベットリング102上の80個の可動キュベット空間と整合する、固定されたままである80個の番号付き基準位置を含む。同じく説明目的のために提供される、固定面200上の80個の番号付き基準位置は、キュベットリング102の移動中のキュベットリング102上の80個のキュベットの位置変化の視覚化を容易にする基準指標として働く。
【0075】
第一の周期の最後かつ第二の周期の前の、キュベットリング102中のキュベット25が固定面200上の固定基準位置25aと整合する漸増後状態が図5に示されている。キュベット25は、7連続試験の、試料を受けるための第一のキュベットである。
【0076】
漸増的移動ののち、キュベットリング102の移動パターンは、どの20秒周期ででも全く可変性であり、臨床分析装置100の移動の各周期で異なることができる。しかし、キュベットリング102は各周期の最後で常にその新たな漸増後位置に戻る。
【0077】
たとえば、図6に示す第二の周期の最初と最後との間で、キュベットリング102は、固定面200上で、図5の漸増後リング位置から1キュベット位置又は1基準位置だけ割出しされる。したがって、図6では、キュベットリング102の試験1キュベット(キュベット25)は、今や、臨床分析装置100の固定面200上の基準位置26aと整合している。
【0078】
後続の各周期で、キュベットリング102は、1周期あたり一つの基準位置を割出しする。このような割出しの後、試料及び試薬を小出しし、臨床分析装置の他の機能を実行するために、選択された距離及び選択された方向のキュベットリング102の可変回転動が続くことができる。しかし、可変動がすべて完了したのち、キュベットリング102は、固定周期の終了の前に、その漸増後位置に戻る。
【0079】
臨床分析装置における大部分のアッセイは普通、三つの別個の定温放置期間を有する。一つの定温放置期間は、試料小出しと第一の試薬(R1)の小出しとの間の期間に起こる。第二の定温放置期間は、第一の試薬(R1)の小出しと第二の試薬(R2)の小出しとの間に起こることができる。第三の定温放置期間は、第二の試薬(R1)の小出しと、シグナル読取りステーションにおける、たとえばシグナルリーダとしてルミノメータが使用される読取り動作との間に起こることができる。総定温放置期間は、試料小出しと読取り動作との間の第一、第二及び第三の定温放置期間の合計時間である。
【0080】
前記三つの定温放置期間それぞれの定温放置時間は、アッセイ開発中に、最適な臨床有効性を達成するように決定され、計器の中に事前にプログラムされる。
【0081】
本発明にしたがって、ひとたび定温放置時間が決定されると、その定温放置時間は、定温放置時間と一致して起こらなければならないキュベットリング移動の周期の数を確かめるために、20秒のキュベットリング移動周期によって分割される。したがって、定温放置時間は、キュベットリング移動周期の期間の整数倍である任意の選択期間であることができる。
【0082】
以下の表2―試験定義タイミングパラメータ(Tdef)は、表1―作業リストにリストされた7種の試験それぞれの所定のタイミングパラメータ又は定温放置期間を示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2―試験定義―タイミングパラメータにおける各試験の場合のキュベットへの試料の小出しは、その試料のための定温放置期間の始まり、すなわち「0」時間で起こるものと考える。
【0085】
表2の7種の試験それぞれの場合のキュベットへの試薬R1の小出しは、小出しされた試料が、表2の列「R1」で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。このような定温放置は、温度平衡のために必要であるかもしれないし、試料が前処理剤とともに送り出される場合に必要であるかもしれない。表2の7種の試験それぞれの場合の試薬R2の小出しは、試料及び試薬R1が、表2の列「R2」で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。
【0086】
表2の7種の試験それぞれの読取り動作は、試料、試薬R1及び試薬R2が、表2の「読取り」列で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。したがって、試料小出しから読取り動作まで、臨床分析装置中で完了する特定のアッセイのための総所定定温放置時間又は合計周期数が表2の「総計」列に示されている。
【0087】
表2は、リストされた7種の試験が起こる順序を必ずしも示すものではない。7種の試験それぞれが起こる順序は、以下の簡略化された表3―周期事象表に示すように、周期事象解析によって決定される。
【0088】
【表3】
【0089】
表3―周期事象表は、表2―試験定義―タイミングパラメータにリストされた7種の試験それぞれのための活動を、表2に示される各試験のためのタイミングパラメータに基づいてスケジューリングする。
【0090】
表3―周期事象表は、衝突が起こらないことを保証するために、試料小出し、試薬小出し、読取り動作及び他の必要な動作、たとえば試料希釈及びキュベット交換をスケジューリングする。
【0091】
衝突とは、同時に起こることになっているが、現実には、図4のタイミング表に示す時間制限のおかげで同時に起こることができない二つの動作のスケジューリングと定義される。衝突する動作の例は、同時に起こる二つの試料小出し、同時に起こる二つの試薬小出し、同時に起こる二つのルミノメータ読取り又は同時に起こる二つのキュベット設置のスケジューリングである。表3―周期事象表を作成する又は衝突が起こらないように試験活動をスケジューリングするためのプログラムは、当業者が適当な公知の方法で開発することができる。
【0092】
表3―周期事象表は、はじめは利用可能である座席が最終的に占有される航空路線の予約システムに似ている。この座席の取得可能性及び不可能性は、表3―周期事象表における利用可能なタイムスロットにたとえることができる。異なる試験のための定温放置期間の可変性及びタイミングのせいで、表3―周期事象表のタイムスロットがすでに占有されている可能性がある。したがって、特定の試験Bのためのタイムスロットが別の試験Aのための活動によってすでに占有されているならば、試験Bは、試験Bの完全な活動に利用可能であるタイムスロットを求めて「座席変更」又はスケジュール変更されなければならない。
【0093】
たとえば、表1の作業リストでは、試験2が試験1の直後に続く。しかし、試験2は、試験1の直後でシステム中にスケジューリングすることはできない。理由は、R1送出しタイムスロットのための周期16で衝突することになるからである。試験1がスケジューリングされたとき、周期16でR1送出しスロットを予約している。試験2が試験1の直後にスケジューリングされるならば、試験1によって占有された同じタイムスロットで周期16のR1送出しを受けなければならなくなり、それが衝突を生じさせる。したがって、次のアッセイ、すなわち試験3が、試験1の直後にスケジューリングされて試験1との衝突を回避し、試験2は試験3の直後にスケジューリングされる。
【0094】
定温放置期間の可変タイミングの利点の一つは、比較的短い定温放置期間を有することができる試料が、すべてのアッセイに関して固定された定温放置期間を有する臨床システム中で衰えるかもしれないということである。本明細書に開示する定温放置期間の可変タイミングによると、比較的短い定温放置を有する試料を、長めの定温放置期間を有するアッセイと同時に実行することができる。さらなる利点は、臨床分析装置の動作中に臨床分析装置に持ち込まれる試料を、表3―周期事象表ですでにスケジューリングされている試験に干渉させることなく、表3―周期事象表の空きタイムスロットで処理するようにスケジューリングすることができることである。
【0095】
表3―周期事象表におけるように、ひとたび表2の7種の試験それぞれのタイミングパラメータが衝突なしでスケジューリングされたならば、試験1〜7の順序を決定することができる。このように、表3―周期事象表に基づくと、試験1〜7をそれらの番号の順に実施するならば衝突が起こると判断される。表3―周期事象表は、衝突のない試験順序が、試験1、試験3、試験2、試験6、試験4、試験5及び試験7の順であることを示す。
【0096】
衝突のない試験順序が確立されたのち、以下のリング表(表4)に示すように、各試験のためのキュベットリング102中のキュベット位置を決定することができる。
【0097】
【表4】
【0098】
表4に示すようなキュベットリング102中のキュベット場所又は位置は、表2―試験定義―タイミングパラメータで示されるような定温放置周期の総数が7種の試験それぞれに関して完了する前に経過しなければならない周期の数に基づく。
【0099】
各試験に関して総定温放置期間が完了したのち、完全に定温放置されたキュベットがキュベットリング中の、読取り位置と整合する位置になければならないということが、キュベットのリング動及び読取り動作を使用する臨床分析装置の公知の要件である。
【0100】
このように、臨床分析装置100では、完全に定温放置されたキュベットが読取り位置、すなわち基準位置80aに到達し、それと整合したとき、上昇機構又は放出機構(図示せず)が、完全に定温放置されたキュベットをキュベットリング102から上に放出して、固定面200上の基準位置80aでアクセス可能であるルミノメータ140(図1)に入れる。
【0101】
ルミノメータ読取り位置は固定面200上の基準位置80aにあるため、特定のアッセイのためのキュベットリング102の位置は、以下の式に示すように、特定の試験のための周期の総数及び試料小出し前の連続周期の番号を80から引き、それに1を足すことによって決まる。
特定のアッセイのためのリング位置=
80−(そのアッセイのための周期総数+周期連続番号)+2
(得られる値が1未満である場合、80の倍数を加えて値を1〜80の範囲にする)
【0102】
表2―試験定義―タイミングパラメータに示すように、試験1キュベットは、ルミノメータ140に入る前に56周期の総定温放置期間を有する。したがって、ルミノメータ140(図1)は、臨床分析装置100の固定面200上の基準位置80a(図5)でアクセス可能であるため、試験1キュベットは、固定面200上のルミノメータ基準位置80aからキュベット位置をそのものを含めて56周期又はキュベット位置56個分だけ離れていなければならない。したがって、試験1キュベットは、試料を受けたのち、臨床分析装置100の固定面200の基準位置25a(図5)になければならない。
【0103】
キュベットリング102の動きの説明を容易にするため、キュベットリング102は、図5では、可動キュベットリング102上の数字のしるしによって示される番号を付されたキュベットが、臨床分析装置100の固定面200上の数字のしるしによって示される対応する番号の基準位置と整合するように向けられている。
【0104】
最初の周期の最後での図5のキュベットリング102の位置は、最初の周期の漸増後位置であるとみなされる。図5〜19に関しては、試験キュベット23、25、33、36、49、57及び58がキュベットリング102中でそれぞれ別個に識別されていることがわかる。しかし、これらのキュベットは、本明細書で説明するように、表3―周期事象表で特定して示されている周期まで試料又は試薬を受けない。
【0105】
試験1キュベット(キュベット25)が試料を受けるためには、キュベットリング102(図5)が回転して試験1キュベットを、カバートレー110中の、試料を受けるための試料小出し口114(図3)まで送らなければならない。試料小出し口114は固定面200上の基準位置10a(図5)に対応する。試料が試験1キュベットの中に小出しされたのち、キュベットリング102はキュベット位置15個分だけ左回り方向に回転して、固定面200上の基準位置25aと整合するその漸増後位置に戻る。
【0106】
また、キュベットリング102を固定面200上の基準位置25aから、キュベット空間65個分だけ離れている固定面200上の基準位置10aまで左回りに回転させることにより、試験1キュベット25を固定面200上の試料小出し基準位置10a(図5)に動かすことができることが理解されよう。しかし、キュベットリング102は、好ましくは、時間を節約するために、特定の行き先に達するために最小のリング動を生じさせる方向に回転するようにプログラムされる。したがって、キュベットリング102は、試料小出しを受けるために固定面200上の試料小出し口基準位置10aに達するために、試験1キュベットを、キュベット位置65個分だけ左回りではなく、キュベット位置15個分だけ右回りに回転させるようにプログラムされる。
【0107】
わかりやすく説明するため、図3のカバートレー110は図5〜19のいずれにも示されていない。しかし、図3のカバートレー110中の試料小出し口114が図5〜19の固定面200上の試料小出し基準位置10aに対応するということが理解されよう。また、図3のカバートレー110の試薬小出し口116が図5〜19の固定面200上の試薬小出し基準位置20aに対応する。
【0108】
先に示したように、カバートレー110(図3)は、下にあるキュベットリング102(図5〜19)とともに回転しない。したがって、カバートレー110中の試料小出し口114(図3)及び試薬小出し口116は、図5〜19の固定面200上の試料小出し基準位置10a及び試薬小出し基準位置20aと常に整合する。この取り決めの下、キュベットリング102中のキュベットは、図5〜19に示すように、キュベットリング102中の試験キュベットが臨床分析装置の固定面200上の試料小出し基準位置10aと整合する場合のみ試料を受けることができる。
【0109】
さらには、キュベットリング102中の試験キュベットは、キュベットリング102中の試験キュベットが図5〜19の固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合する場合のみ、カバートレー110の試薬小出し口116(図3)を介して試薬を受けることができる。固定面200上の試料小出し基準位置10a又は固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合しないキュベットリング102中のキュベットは試料又は試薬を受けることができない。
【0110】
このように、試料又は試薬を受けるために、は、キュベットリング102中のキュベットは、臨床分析装置の固定面200上の試料小出し基準位置10a又は臨床分析装置の固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合しなければならない。
【0111】
表2―試験定義に示すように、表3―周期事象表における二番目の試験である試験3のためのキュベットは、ルミノメータ140中の読取り動作に付される前に31周期の総定温放置時間を有する。したがって、試験3キュベットは、試料を受けたのち、ルミノメータ読取り基準位置80aからキュベット位置そのものを含めてキュベット位置31個分だけ離れたキュベット位置になければならない。
【0112】
しかし、図4の周期タイミングに示すように、試料小出しは20秒周期のうち11秒強を要するため、試料小出しは1周期あたり1回しか起こらない。したがって、試験3キュベットは、試料が試験1キュベットに小出しされるときと同じ第一周期中には試料を受けることができない。したがって、試験3キュベットは、次の周期、すなわち第二周期中に試料を受けなければならない。したがって、試験3キュベットは、キュベットリング102中、キュベット位置49(図6)に配置される。
【0113】
この取り決めの下、試験3キュベット(表3―周期事象表の連続番号002)は、キュベット位置49が固定面200の基準位置50aと整合する第二周期中に臨床分析装置の固定面200上の基準位置50aに到達するようにスケジューリングされる。
【0114】
このように、第二周期中、試料は、キュベット位置49(図6)に位置する試験3キュベットの中に小出しされる。試料は、試験3キュベットが、固定面200上の基準位置80aにあるルミノメータ読取りステーションからキュベット位置そのものを含めて31周期又はキュベット位置31個分だけ離れた基準位置50aに到達する周期中に試験3キュベットの中に小出しされる。
【0115】
周期1の最後に、キュベット位置49は、固定面200上の基準位置49aに対して整合する。周期2に入って4秒のところで、リングはその漸増後位置に割出ししてキュベット49を基準位置50aと整合させる。試験3キュベット(キュベット49)が試料を受けるためには、キュベットリング102(図6)は、固定面200上の基準位置50aから右回りにキュベット空間40個分の距離だけ回転して、試料が試験3キュベットの中に小出しされる固定面200上の試料小出し口基準位置10aに達する。その後、試験3キュベットは、キュベットリング102によって左回り方向にキュベット空間40個分だけ回されて、キュベットリング102上のキュベット49が固定面200上の基準位置50aと整合するその漸増後位置に戻る。
【0116】
試験3キュベット(キュベット49)は、試料小出しを受けるために固定面200上の基準位置50aから固定面200上の基準位置10aまで移動しなければならないため、キュベットリング102が右回りに回転しようと左回りに回転しようと固定面200上の試料小出し基準位置10aからは等距離(キュベット空間40個分)である。したがって、キュベット49への試料小出しを得るためにキュベットリング102が右回りに回転するのか、左回りに回転するのかを指図するための、最短距離選択の好ましい方向はない。
【0117】
したがって、試料小出し基準位置10aまでの好ましい最短距離方向がない場合、キュベットリング102は、右回り又は左回りの選択された方向で試料小出し口基準位置10aまで移動するようにプログラムすることができる。
【0118】
表2―試験定義に示すように、試験2のアッセイは56周期の総定温放置時間を有する。試験2のアッセイは、表3―周期事象表で示される順序では3番目に起こるようにスケジューリングされている。したがって、試験2キュベット(表3―周期事象表の連続番号003)がキュベットリング位置23(図7)に配置される。キュベットリング102上のキュベット位置23(図7)は、第三周期の最後に固定面200上の基準位置25aと整合する(図7)。
【0119】
この取り決めの下、試験2キュベット(表3―周期事象表の連続番号003)は、第三周期中に固定面200上の基準位置25aに到達するようにスケジューリングされる。キュベットリング102上の位置23の試験2キュベットは、それが、固定面200上の基準位置80aにあるルミノメータ読取りステーションからキュベット位置そのものを含めて左回りにキュベット空間56個分だけ離れたところにある周期中に試料を受ける準備ができる。
【0120】
周期2の最後で、キュベット位置23は、固定面200上の基準位置24aに対して整合する。周期2に入って4秒のところで、リングはその漸増後位置に割出ししてキュベット23を基準位置25aと整合させる。試験2キュベット(キュベット23)が試料小出しを受けるためには、キュベットリング102(図7)は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで右回り方向にキュベット位置15個分だけ回転して、キュベット23を試料小出し基準位置10aと整合させる。その後、キュベットリング102が試験2キュベット(キュベット23)(図7)を左回り方向に同じキュベット位置の数だけ回転させて、キュベットリング102中のキュベット23が固定面200上の基準位置25aと整合するその漸増後位置に戻す。
【0121】
キュベットリング102はまた、理論的には、キュベット23を左回り方向にキュベット空間65個の距離だけ回転させて、固定面200上の試料小出し口基準位置10aに到達させることができる。キュベットリング回転は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまでの最短距離の方向に動くようにプログラムされているため、キュベットリング102は、試料小出し口基準位置10aまで右回りにキュベット位置15個分だけ回転する。また、キュベット25(試験1)(図7)が固定面基準位置27aまで漸増し、キュベット49(試験3)が固定面基準位置51aまで漸増したことが理解されよう。
【0122】
表3―周期事象表で示される第四番目のアッセイは、20周期の総定温放置期間を有する試験6(連続番号004)のアッセイである。しかし、試験6キュベット(キュベット58)は、試料を受ける前に4周期だけ待機しなければならならず、そのせいで、試料を受けるまでに四つの漸増段階でキュベット空間4個分だけ漸増的に移動するため、キュベットリング102中のその位置はキュベット位置58(図8)である。図8で注目されるように、キュベットリング位置58は、第四周期の最後で固定面200上の基準位置61aと整合し、したがって、ルミノメータから、キュベット位置そのものを含めてキュベット空間20個分だけ離れている。試料を受けるためには、キュベットリング102は、左回りに位置29個分だけ回転して、キュベット58を固定面200上の試料小出し口基準位置10aに送る必要がある。試料小出しののち、キュベットリング102は、その周期のその漸増後位置まで右回りに位置29個分だけ回される。
【0123】
キュベット58(試験6)(図8)はまた、キュベットリング102を固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで右回りにキュベット位置51個分だけ回転させることによって試料を受けることができる。キュベットリング102は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで最短距離の方向をとるようにプログラムされているため、キュベットリング102は、試料小出し口基準位置10aまで左回りにキュベット位置29個分だけ回転する。また、リング位置23のキュベット(試験2)(図8)が基準位置26aまで漸増し、リング位置25のキュベット(試験1)が基準位置28aまで漸増的に移動し、リング位置49のキュベット(試験3)が基準位置52aまで漸増的に移動したことが理解されよう。
【0124】
図9は、第五周期の最後に対応するキュベットリング102の位置を示す。このように、試料小出しは、固定面200上の基準位置61aに漸増的に移動したときの周期中、キュベット57(試験4、連続番号005)に対して実施される。
【0125】
図10は、第六周期の最後に対応するキュベットリング102の位置を示す。このように、試料小出しは、キュベット36が固定面200上の基準位置41aに漸増的に移動したときの周期中、キュベット36(試験5、連続番号006)に対して実施される。
【0126】
先に記したように、各試料小出しは、固定面200の基準位置10aにある、キュベットカバートレー110の試料小出し口114(図3)で常に起こらなければならない。したがって、キュベットリング102は、特定の周期内で選択された量だけ回転して、試料小出しを要する特定のキュベットを試料小出し口基準位置10aに動かしたのち、同じ周期内でその周期のキュベットリング102の元の漸増後位置に戻らなければならない。
【0127】
試験1〜6の場合の試料小出しの説明から、表2―試験定義表及び表3―周期事象表で詳述されているような定温放置期間を考慮する周期で試料を小出しするために、キュベットリング102が所与の周期中に異なる量だけ回転することもあることが明らかである。
【0128】
表3―周期事象表は周期7で希釈工程を示す。希釈は、1周期で試料及び希釈剤(図1の補助トレー182から)を空のキュベットの中に加えることからなる。次の周期で、希釈された試料が、図1の試料管164からではなく希釈キュベットから吸引されたのち、前記のように新たなキュベットの中に小出しされる。本発明の利点の一つは、可変リング動を実行する能力のおかげで、キュベットが特定の順序にあることを要するのではなく、キュベットキャリヤ上のどのキュベットをも希釈工程に使用することができることである。
【0129】
希釈を実施するために、試料は、その現在の場所から可変動で試料小出し口基準位置10aに送られる空のキュベットに小出しされる。その後、キュベットが、位置10個分の左回り動きによって試薬小出し口基準位置20aに動かされて、試薬プローブによって希釈剤を受ける。次の周期で、このキュベットは、その現在の場所から可変動によって試料小出し口基準位置10aに送られて希釈された試料を吸引する。次に、前記のように標的アッセイのキュベットが試料小出し口基準位置10aに送られて、希釈された試料がその中に小出しされる。希釈された試料は、通常の試料と同様、前記の原理にしたがって試薬を受け、洗浄及び読取り動作を受けるようにスケジューリングされる。
【0130】
表3―周期事象表に示すように、試験7のための試料小出しは第八周期(図11)で起こる。第八周期の最後に、キュベットリング102中のキュベット33(試験7、連続番号007)が、その中に試料を小出しされたのち、漸増的移動によって固定面200上の基準位置40aに到達する。
【0131】
図12は、第11周期の最後のキュベットリング102の位置を示す。表3―周期事象表に示すように、第12周期で、キュベットリング102上の試験3キュベット(キュベット49)が試薬R1を受けるようにスケジューリングされている。試験3キュベット(キュベット49)は、固定面200上のその基準位置59a(図12)にある。
【0132】
周期12中、試験3のキュベット49は、基準位置60aまで漸増的に移動して、その位置で、試薬R1を受けるようにスケジューリングされている。このように、キュベットリング102は、図13に示すようにいずれかの方向に位置40個分だけ回転して基準位置20aにある試薬小出し口に達して試薬R1を受ける。試験3のキュベット49が試薬R1を受けたのち、キュベットリング102は、周期12中で、試薬小出しの前に回転してその漸増後位置まで戻って、周期12で再び図14に示すように基準位置60aと整合する。
【0133】
試料を受けたキュベットリング102中の他すべてのキュベット(図14)が同様に、第12周期の最後で12の漸増的キュベットリング動に対応する量だけ漸増的に動かされる。したがって、試験2のキュベット23は基準位置34aにあり、試験1のキュベット25は基準位置36aにあり、試験7のキュベット33は基準位置44aにあり、試験5のキュベット36は基準位置47aにあり、試験4のキュベット57は基準位置68aにあり、試験6のキュベット58は基準位置69aにある。
【0134】
図15は、周期23の最後でのキュベットリング102を示す。キュベットリング102上の試験6のキュベット58は、読取り位置に対応する基準位置80aにある。試験6のキュベット58は、周期24の始まりで読取り機能のためにルミノメータ140(図1)の中に上昇又は放出される準備ができている。したがって、取出し後、キュベットリング102(図15)は、リング位置58に空のキュベット空間が残る。したがって、読取り時間は周期中の早期であり、キュベット設置時間は周期中の晩期であり、それが、キュベット補充を同周期中に実施すること可能にするため、リング位置58はまた、周期24の間に新たなキュベットの設置のためにスケジューリングされる。
【0135】
表3―周期事象表を参照すると、第24周期中に四つの活動が起こる。試験6が読み取られ、試薬R1が試験7のキュベット(キュベット33)に加えられ、試薬R2が試験5のキュベット(キュベット36)に加えられ、新たなキュベットの設置がリングの位置58で起こる。また、第24周期の最後に、試験4のキュベット(キュベット57)が周期25で読み取られる準備ができる。
【0136】
このように、第24周期中、キュベットリング102は、図15に示す周期23位置の最後から種々の動きを実行する。まず、キュベット58が読取り動作のためにルミノメータ140の中に上昇される。次の動きは、周期に入って4秒後に起こるリングの規則的な割出しであり、その後、試験7のキュベット33を基準位置55a(図15)から固定面200上の試薬小出し口基準位置20aに送るキュベットリング102の動きが起こる。したがって、キュベットリング102は、右回りに位置35個分だけ回転して図16に示す位置に達する。
【0137】
周期24中のキュベットリング102の次の動きは、試薬が試験7のキュベット33に小出しされたのち、基準位置23a(図16)にある試験5のキュベット36の中に試薬を小出しする動きである。したがって、キュベットリング102は、図16の基準位置23aから右回りに位置3個分だけ移動して図17の基準位置20aと整合し、試薬R2をキュベット36に入れることを可能にする。
【0138】
キュベットリング102の次の動きで、キュベット空間58がキュベットリング102によって固定面200上の基準位置31aにあるキュベット送出しステーションに動かされて、図18に示すようにキュベットローダ190(図1)から新たなキュベットを受ける。
【0139】
キュベットローダ190(図1)は、図18に示すようにキュベットリング102上の一つの空間が臨床分析装置の固定面200上の基準位置31aと整合する場合のみ、新たなキュベットをキュベットリング102の空間に装填することができることが理解されよう。したがって、新たなキュベットを受けるためには、キュベットリング102上の空間が臨床分析装置の固定面200上の基準位置31aに送られなければならない。新たなキュベットは、カバートレー110中のキュベット送出し口120(図3)を介して、固定面200上の基準位置31aと整合するキュベットリング102上の空間58(図18)に移送される。
【0140】
また、公知の方法で臨床分析装置で洗浄され、臨床分析装置で再使用される公知のキュベットを使用することも可能である。
【0141】
図19は、試験4のキュベット57が第23周期の最後での位置(図15)から位置1個分だけ漸増している、第24周期の最後でのキュベットリング102の位置を示す。試験4のキュベット57(図19)が、第25周期の始めにキュベット57がルミノメータ140の中に放出されるアッセイ読取りのために基準位置80aと整合している。
【0142】
このように、表3―周期事象表は第24周期に関して四つの異なる活動を示す。各活動は、求められる機能を達成するための、周期24中のキュベットリング102の可変量の動きを含む。第24周期の最後(図19)で、キュベットリング102は、固定面200に対してその漸増後位置に戻る。
【0143】
このように、各周期の終了前に、キュベットリング102は、事前に可変量だけ右回り及び左回りに移動して、周期事象表(表3)でキュベットリングに関してスケジューリングされている個々の複数の機能を達成したのち、常にその漸増後位置に戻る。
【0144】
以下の原理が、リング位置決め論理、リング移動論理及び衝突管理論理を要約する。
【0145】
新キュベット位置決め論理
各周期には、キュベットの1個が読取りステーション(基準位置80a)に動かされるタイムスロットがある。各周期でキュベットリング102が左回りに位置1個分だけ漸増する。周期1の最後で、リング位置1が作業面基準位置1aにある。周期2で、リング位置80が作業面基準位置1aにある等である。試料及び試薬が導入されるキュベットは、後続の周期で読取りが起こるよう、表2―試験定義表で定義されたその試験のための(「総数」値−1)に対応する数の周期ののち、読取りステーション基準位置80に到達しなければならない。表3―周期事象表を使用すると、キュベット位置決めのための式は以下のとおりである。
【0146】
キュベット位置=リングサイズ−その試験のための総周期−試験が導入された周期事象表における周期数+2。得られる値が1未満であるならば、リングサイズの倍数を加えて、値を1からリングサイズまでの範囲にする。たとえば、表4―リングでは、周期8で始まる試験7の場合、位置は、80−41−8+2=33となる。
【0147】
リング移動論理
以下は、次の可変動の程度及び方向の計算のための論理の流れである。
1.現在のリング位置はどこであるか?
2.次の動作は何であるか、また、どのキュベットがその動作を施されなければならないか?
3.キュベットが移動しなければならない場所を識別する。
a)そこまで右回り又は左回りに移動する。
b)キュベットが移動しなければならない場所までの最短経路を与える方向を選択する。
4.周期中の最後のリング移動は、その周期中でのそれまでの全移動の正味変化が、システムのための選択された漸増的移動の方向における位置1個分の漸増であるような移動である。
【0148】
衝突管理論理
以下は、衝突管理のための論理の流れである。
1.新たな試験(又は以前の衝突のせいでスキップされた試験)ごとに、すべての対応する周期事象表スポットがフリーであることをチェックする。
2.キュベットリング上の指定されたキュベット場所がフリーであるかどうかをチェックする。
3.1及び2のいずれでもyesであるならば、すべての予約を行う。
4.noであるならば、他すべての試料に関して表1―作業リスト表をスキャンする。
a)そのような各試料に対して論理ステップ1及び2を適用する。
b)成功するならば、論理ステップ1及び2の基準を満たす試料に関してすべての予約を行う。これは、元の順序から外れる試料を生じさせる。
c)成功しないならば、周期をスキップし、論理ステップ1に戻る。
【0149】
上述の論理は定期的な試料に適していることが理解されよう。必要に応じて他の考慮事項が変更を加えるかもしれない。たとえば、命に関わる状況では緊急の試料が他の試料よりも優先的にスケジューリングされるかもしれないし、定期的な試料の前に較正物質を稼働させる必要があるかもしれない。
【0150】
公知の衝突管理原理及び公知のプログラミング原理を使用することにより、キュベットリング102は、各周期中に別個のセットの異なる動きを実行するようにプログラムされる。衝突を回避するための各周期中の活動のスケジューリングのための表3―周期事象表もまた、公知のプログラミング原理を使用して確立される。
【0151】
本発明の範囲を逸することなく様々な変更を上記方法に加えることができるため、上記明細書に記載する、又は添付図面に示すすべての要素は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明を具現化する臨床分析装置の略図である。
【図2】そのキュベットリングの略平面図である。
【図3】キュベットリングのためのカバートレーの略平面図である。
【図4】各周期で起こる事象を詳細に示す、臨床分析装置の簡略化タイミング表である。
【図5】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図6】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図7】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図8】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図9】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図10】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図11】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図12】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図13】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図14】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図15】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図16】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図17】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図18】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図19】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、生物学的流体試料の自動化臨床分析のための試料分析システムに関し、より具体的には、別々の反応キュベットを使用し、試料及び試薬の異なる所定の定温放置期間のアッセイの同時実施を可能にする装置及び方法に関する。好ましくは、臨床分析装置中のキュベットは、閉鎖経路、たとえばキュベットリングの円形経路をトラバースする。
【0002】
2.関連従来技術
一つの公知の臨床分析装置では、試料及び試薬を受けるためのキュベットが互いに前後方向に直線的に配置される。キュベットは、固定期間の移動周期で、直線経路又はトラックに沿って一方向に移動する。この移動周期は、多くの場合、たとえば公知の臨床分析装置で使用される20秒など、機械周期又は時間周期(又は、文脈から明らかに理解される場合、単に周期)と呼ばれる。
【0003】
各キュベットは普通、別個のアッセイを含み、各キュベットは一般に各周期中に固定距離を移動して特定のステーションに達して、特定の機能、たとえば流体送出しを受ける。
【0004】
流体送出しは、普通は直線トラックに沿って所定の順序で位置する別個の流体送出しステーションによって提供される。キュベットは、直線的な移動経路に沿って漸増的に移動するとき、各流体送出しステーションを通過する。各キュベットは、各キュベットに対応するアッセイに依存して、選択された量の試料、希釈剤、試薬などをそれぞれの流体送出しステーションから受ける。
【0005】
1991年1月31日に公開された欧州特許出願第014064582号公報に示されているもう一つの公知の臨床分析装置は、キュベットを円形経路に沿って移動させる。この開示された分析装置は、キュベットが円形経路に沿って移動するように中心軸を中心に回転可能である円形反応リング又はキュベットリングを含む。キュベット開口が、たとえば100個のキュベットを収容することができるリングの円周部分で互いに離間している。キュベットリングは、たとえば30秒間の固定周期時間間隔で回転する。
【0006】
流体送出し又は他の機能を実行するステーションは普通、キュベットリングの円周の近くに設けられている。
【0007】
臨床分析装置がキュベットを直線経路に沿って移動させるのか、円形経路に沿って移動させるのか、規則的又は不規則な輪郭の他の非直線経路に沿って移動させるのかにかかわらず、流体送出しステーションは普通、キュベットの移動経路に沿って連続する所定の場所に設けられる。流体送出しステーションはまた、選択された範囲の動きを有する公知のロボット式可動装置と組み合わせることもできる。以下の段落に記載する事象ならびにそれらの間の期間及び定温放置の集合がアッセイプロトコルとして知られている。
【0008】
各流体送出しステーションは、以下のような特定の流体送出し機能を実行するように専用化し、設定することができる。
1.キュベットへの試料の小出し、
2.キュベットへの希釈剤の小出し、
3.キュベットへの試薬の小出し、
4.キュベットへの補助物質の小出し。
【0009】
試薬のような液体を吸引し、小出しするプローブはまた、各吸引/小出し周期の前に洗浄し、再使用することができる。試料を吸引し、小出しするプローブは、各吸引/小出し周期の前に取り外され、交換されることもある。
【0010】
臨床分析装置中のキュベットはまた、以下の機能に付されることができる。
1.キュベットの、トラック又はキュベットリング中のその場所からルミノメータへの移送、
2.キュベット中の特定のアッセイに対応する、ルミノメータ中での光検出、
3.キュベットが再使用されない場合、トラック又はキュベットリング中のキュベット空間への新たなキュベットの設置、
4.キュベットが再使用される場合、アッセイが完了した後のキュベットの洗浄。
【0011】
キュベットリング中のキュベットが流体送出し又は他の機能を受けるために、キュベットリングは、各周期中に所定量だけ回転して、各周期でキュベットを選択された流体送出しステーション又は場所まで段階的に移動させる。たとえば、キュベットリングは、各移動周期中、1キュベット空間に等しい量(周期距離)だけ漸増的に回転することができる。
【0012】
一般に、特定のキュベットが特定の流体送出しステーション又は場所に達するために要する時間は、それより早いキュベットへの流体送出しの所定の定温放置期間に基づく。連続的な流体送出しの間の定温放置期間は、周期期間及びキュベットが一つの流体送出しステーションから別の流体送出しステーションまで移動するために要する周期の数の倍数である。アッセイのための総期間は、キュベットが最初の流体送出しステーションから、たとえばルミノメータによってアッセイ読取りを実施することができるアッセイ読取り場所まで移動するために要する周期の数である。
【0013】
キュベットリングを使用する公知の臨床分析装置は、新たな試験の導入を可能にするために周期ごとにリング位置を固定数だけ増しながら、周期ごとにキュベットを所定のパターンで移動させる。このパターンは、キュベットが流体送出しステーション、洗浄ステーション又は読取りステーションに対して位置決めされることを可能にするために多数の移動及び停止を有することができ、パターンは周期ごとに正確に繰り返す。一つの公知の臨床分析装置では、リングは、三つの異なるそのようなパターンを有することができ、そのようなパターンそれぞれの中では、移動及び停止は常に同じである。
【0014】
公知の臨床分析装置及び流体送出しステーションの物理的レイアウトが、流体送出しステーションの順序及び間隔及び/又はロボット式可動流体送出し装置の場所をも含め、一般に、連続的な流体小出し、たとえば試料小出し及び試薬小出しの間の所定の定温放置期間に基づくということは周知である。
【0015】
したがって、公知の臨床分析装置においては、定温放置期間と流体送出しシステムの一般的な物理的レイアウトとの間にはつながりがある。このつながりが、臨床分析装置が異なるアッセイのために定温放置時間の変化を提供することをひどく制限又は妨害し、その結果、アッセイプロトコルは、定温放置期間として、いくつかの別個の値を有するだけに制限される。
【0016】
本発明者は、円形経路沿いのキュベットの非可変性移動によって制限されるのではなく、可変性のキュベットキャリヤ運動を固定周期中に提供することにより、流体送出しシステムの物理的レイアウトとアッセイタイミングとの間のつながりを断ち切ることができることを見いだした。本発明者が知る限りにおいて、キュベットキャリヤを使用するすべての公知の臨床分析装置において、特定の周期に関してキュベットの非可変性移動が主流である。
【0017】
本発明者は、一方向への固定された漸増リング動を待つことなく、キュベットリング中のキュベットを初期の選択された基準場所から、選択された方向に可変距離だけ、流体送出しのための他の選択された場所まで移動させることにより、周期の倍数として広い範囲内で連続的に変化する異なる定温放置時間をアッセイ事象間に提供することができることを見いだした。これが他方で、アッセイ開発者に対し、アッセイごとに最適な定温放置期間を選択する際にはるかに大きな寛容度を提供する。ひとたび最適な定温放置期間が決定されると、以下の段落で記載するスケジューリングアルゴリズムが、異なるアッセイプロトコルの複数のアッセイをランダムアクセス的に実施することを可能にする。
【0018】
また、所与の周期中に選択された方向へのキュベットの可変性移動を実現することにより、通常に必要な流体送出しステーションの数をたとえば5から2に減らすことができる。すべてのキュベットを同じ定温放置時間間隔で同じ方向にたとえば5個の選択された連続する流体送出しステーションそれぞれまで移動させるのではなく、異なるキュベットを異なる定温放置時間間隔で異なる距離だけたとえば2個の異なる流体送出しステーションまで移動させること(可変移動)により、このような流体送出しステーションの削減を得ることができる。
【0019】
加えて、キュベットを円形経路に沿って選択された方向に可変移動させることにより、連続的に位置する流体送出しステーション以外の優先事項を使用して臨床分析装置の物理的レイアウトを決定することができることを見いだした。たとえば、好都合に利用可能な空間に基づいて、また、臨床分析装置中の種々の流体送出し及び機能ステーションへのアクセスしやすさに基づいて、流体送出しステーションを好都合に配置することができる。加えて、同じ流体送出しステーションが一つ以上の試薬及び補助物質をキュベットに送り出すことを可能にすることにより、流体送出しステーションにおける融通性を提供することができる。
【0020】
いくつかの図面を通じて対応する符号が対応する部品を示す。
【0021】
発明の詳細な説明
本発明の一つの実施態様を具現化する臨床分析装置が図1で符号100によって示されている。
【0022】
臨床分析装置100は、図2に簡略化した形態で示す公知の構造のキュベットリング又は反応リング102を含む。キュベットリング102は、中心の垂直軸を中心にして水平面で動くことができる。キュベットリング102の移動は、適当な公知のステップモータ(図示せず)を、キュベットリング102の外周に押し当てられる公知の駆動ホイール(図示せず)とともに用いることにより、公知の方法でアクティブ化することができる。
【0023】
キュベットリング102(図2)は、リングの円周部に互いに等間隔で設けられた80個のキュベット開口、空間又は位置を含み、各キュベット開口が、円として略した形で示されている取り外し可能で好ましくは使い捨てのキュベット108を収容する。
【0024】
可動キュベットリング12の内側境界22に沿って1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75及び80の間隔で番号を付された等間隔のしるし線は、80個のキュベットそれぞれ及び可動キュベットリング102中のそれらに対応するキュベット空間を識別するためのものである。したがって、キュベットリング上の各番号又はしるし線は、別個のキュベット番号又はキュベット位置に対応し、1〜80の数字によって参照される。
【0025】
キュベットリング102は、臨床分析装置100の周囲固定面200によって境界を画定されている(図5)。
【0026】
本発明の説明を容易にするため、1a、5a、10a、15a、20a、25a、30a、35a、40a、45a、50a、55a、60a、65a、70a、75a及び80aの間隔で番号を付された等間隔のキュベット基準しるし線が固定面200(図5)に設けられて、キュベットリング102上のキュベット開口及びキュベットを表すしるし線及び番号1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75及び80に対応し、それらと整合している。固定面200上のすべてのキュベット参照番号及びしるし線は、別個の参照位置を示し、説明の中では、1〜80の数字の後に文字「a」を添えたものとして参照される。
【0027】
キュベットリング102は80個のキュベットのための80個のキュベット開口を有するが、リング102中のキュベット開口の数は選択の問題である。
【0028】
キュベットリング102は、キュベットリング102中のキュベット108を液こぼれ又は他の方法でキュベット中に落ち込むおそれのある他の物質から保護するように働く適当なカバートレー110(図3)を有する。
【0029】
下にあるキュベットリング102(図2)とともに回転しないカバートレー110(図3)は、2個の離間した開口114及び116を有する。試料が開口114を介してキュベットリング102中の選択されたキュベットの中に小出しされ、試薬が開口116を介してキュベットリング102中の選択されたキュベットの中に小出しされる。図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリング102の上に配置されると、開口114が固定面200上のキュベット基準位置10aと整合し、開口116が固定面200上のキュベット基準位置20aと整合する。
【0030】
このように、試料は、カバートレー110上の唯一の場所、すなわち開口114で小出しされ、試薬は、カバートレー110上の唯一の場所、すなわち開口116で小出しされる。試料及び試薬が小出しされる際に通過するカバートレー110中の開口を制限することにより、試料及び試薬の蒸発が最小限になり、キュベット成分の汚染が最小限になる。
【0031】
カバートレー110(図3)はまた、新たなキュベットがキュベットリング102中の空きキュベット空間に入れられる際に通過する開口120を含む。開口120は、新たなキュベットを空きキュベット空間に入れる際に通すことができるカバートレー110中の唯一の開口である。図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリングの上に配置されると、開口120が固定面200上のキュベット基準位置31a(図5)と整合する。
【0032】
カバートレー110(図3)はさらに、開口124、126、128、130、132、134、136及び138を含む。開口124、126及び130は、たとえば固相捕獲物、たとえば磁性粒子を使用するイムノアッセイの場合に公知の洗浄動作に使用される吸引及び小出しプローブ(図示せず)のための開口である。開口132は、洗浄動作に使用される吸引プローブのための開口である。開口128は洗浄液小出し口であり、開口134は酸注入口である。開口136は再懸濁口である。開口138は、キュベットが公知の方法でルミノメータ140に入るためにキュベットリング102からカバートレー110を上に貫通するところのキュベット放出口である。
【0033】
図示されていないが、カバートレー110が図5のキュベットリング102の上に配置されると、吸引(洗浄液)口124がキュベット基準位置69aと整合し、再懸濁口126がキュベット基準位置70aと整合し、洗浄液小出し口128がキュベット基準位置71aと整合し、洗浄液小出し口130がキュベット基準位置75aと整合し、吸引(洗浄液)口132がキュベット基準位置76aと整合し、酸注入口134がキュベット基準位置77aと整合し、再懸濁口136がキュベット基準位置78aと整合し、キュベット放出口138がキュベット基準位置80aと整合する。
【0034】
このように、基準位置69a〜78aは、公知の洗浄動作を実行するための洗浄ステーション188(図1)に対応する。
【0035】
分析装置100(図1)は、オーバヘッドレール152に支持されて水平面沿い及び垂直方向に動くための、公知の構造の試料ピペッタロボット150を含む。試料ピペッタロボット150は、カバートレー110中の試料小出し口114に対して昇降することができる使い捨て試料ピペット又はプローブチップ156を含む。試料ピペッタロボット150は、レール152上、プローブチップ156を貯蔵するビン158の上で動くことができる。試料ピペッタロボット150は、すでに使用されたプローブチップ156が試料ピペッタロボット150から切り離されたのち、ビン158中の選択された使い捨てプローブチップ156にアクセスすることができる。そして、試料ピペッタロボット150は、新たなプローブチップ156を持って上昇し、試料ラックトレー162の上方で移動して、プローブチップ156が試料ラックトレー162中の選択された試料管164にアクセスすることを可能にする。試料ピペッタロボット150は、選択された試料管164(図1)からプローブチップ156を介して所定量の試料を吸引する。
【0036】
試料ピペッタロボット150は、吸引した試料とともに、カバートレー110(図3)中の試料小出し口114まで降下して、試料を、プローブチップ156及び試料小出し口114を介して、キュベットリング102(図2)によって動かされてカバートレー110中の試料小出し口114と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108に小出しする。試料が選択されたキュベット108の中に小出しされたのち、試料ピペッタロボット150は、使い捨てプローブチップ156を解放するため、チップ廃棄容器166(図1)の上方に移動する。試料ピペッタロボット150のすべての動きは公知の方法で実施される。
【0037】
分析装置100はまた、試料ピペッタロボット150とともにオーバヘッドレール152に支持される、又はオーバヘッドレール152から離間し、それに対して平行である別個のレール(図示せず)に支持される、公知の構造の試薬ピペッタロボット170(図1)を含む。試薬ピペッタロボット170もまた、試料ピペッタロボット150と同様、前後に移動し、前進後退し、カバートレー110(図3)中の試薬小出し口116に対して昇降することができる試薬ピペット172を含む。
【0038】
試薬ピペット172は、好ましくは、使い捨てではなく、再使用可能である。試薬ピペッタロボット170は、試薬トレー174(図1)上で移動して、試薬ピペット172が、試薬トレー174内に保持された選択された試薬容器(図示せず)の試薬アクセス口178(図1)に入ることを可能にする。試薬ピペッタロボット170は、試薬アクセス口178から試薬ピペット172を介して所定量の試薬を吸引したのち、カバートレー110中の試薬小出し口116(図3)に移動する。そして、試薬ピペッタロボット170は、試薬を、試薬ピペット172(図1)及び試薬小出し口116(図3)を介して、キュベットリング102によって動かされてカバートレー110(図3)中の試薬小出し口116と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108(図5)に小出しする。
【0039】
ひとたび試薬小出しが完了したならば、試薬ピペッタロボット170は、公知の構造のピペット洗浄ステーション180(図1)の上方に移動して、使い捨てではない試薬ピペット172(図1)を別の試薬小出し機能に備えて洗浄することを可能にする。
【0040】
試薬ピペッタロボット170はまた、試薬ピペット172が洗浄されたのち、補助物質、たとえば試料前処理物質又は希釈剤のような一般的な試薬を補助トレー182(図1)から小出しするために使用することもできる。したがって、試薬ピペッタロボット170は、補助物質アクセス口184(図1)まで降下するために補助トレー182の上方に配置することができる。試薬ピペッタロボット170は、アクセス口184から所定量の補助物質を吸引したのち、カバートレー110中の試薬小出し口116(図3)の上方に移動する。
【0041】
試薬ピペッタロボット170は、選択された量の補助物質を、試薬ピペット172及び試薬小出し口116を介して、キュベットリング102によって動かされてカバートレー110中の試薬小出し口116(図3)と整合する状態にある、下にある選択されたキュベット108(図2)の中に小出しする。試薬小出しが完了したのち、使い捨てではない試薬ピペット172は、試薬ピペッタロボット170の別の吸引及び小出し機能に備えて試薬ピペット172を洗浄するために、洗浄ステーション180(図1)の上方に移動する。試薬ピペッタロボット170のすべての動きは公知の方法で実施される。
【0042】
臨床分析装置100はさらに、試料、試薬、補助物質との定温放置及び洗浄機能を含む、それより早期のアッセイ動作を完了したキュベット108(図2)中の反応の光検出のための公知の構造のルミノメータ140(図1)を含む。ルミノメータ140は、図2のキュベットリング102のキュベット空間80の近くに位置している。ルミノメータ140における検出に適した発光反応を起こしているキュベット108は、試料及び試薬を受ける各キュベット中で試験される様々な血液特性の分析又はアッセイに使用される分析データを提供する。
【0043】
キュベットリング102中のキュベット108(図5)がルミノメータ140(図1)中でのアッセイ読取りの準備ができる適切なタイミングで、アッセイ読取り可能なキュベット108が公知のキュベットイジェクタ又は上昇装置(図示せず)と整合する。キュベットイジェクタ装置(図示せず)がアッセイ読取り可能なキュベット108をキュベットリング102から上に押す、又は他の方法で移送してルミノメータ140に入れる。したがって、空きキュベット開口がキュベットリング102中に残る。ルミノメータ140に受けられるアッセイ読取り可能なキュベット108は、光検出又は読取り動作が完了するまでルミノメータの中に残る。臨床分析装置100において、読取り動作は、ベース物質の小出し、せん光の生成、発光の読取り及びキュベット内容物(図示せず)の排出を含む。読取り動作が完了したのち、キュベット108はルミノメータ140から適当な廃棄容器(図示せず)の中に放出される(図示せず)。
【0044】
臨床分析装置100はまた、ルミノメータ140に隣接する公知の洗浄ステーション188(図1)を含む。洗浄ステーション188は、カバートレー110(図3)中の開口124〜136と整合し、キュベットを、公知の方法で、ルミノメータ140への導入に備えて準備する。したがって、キュベットリング102中のキュベット108(図2)が洗浄ステーション188(図1)を通過するとき、キュベットは、洗浄ステーション188によって公知の方法で処理を施されて、キュベット108中の反応成分が、ルミノメータ140が結果的な発光を適切に読み取り、ひいては各アッセイに必要なデータを提供することを可能にする量及び質の光を発することを保証する。
【0045】
公知の構造のキュベットローダ190(図1)が新たなキュベット108をキュベットリング102(図2)中の空きキュベット開口に入れて、先に取り出されたキュベット108に代わらせる。キュベットローダ190はまた、臨床分析装置100の新たな起動動作のたびにキュベットリング102のキュベット空間にキュベット108を装填する。
【0046】
本発明にしたがって、キュベットリング102は、20秒などの好ましい移動周期期間を有する。移動周期期間は選択の問題である。その20秒周期中に起こるようにスケジューリングすることができる可能な公知の機能の説明が図4のタイミング表に示されている。
【0047】
図4のタイミング表を参照すると、20秒周期の各秒が、「時間/秒」と題する第一列に示されている。
【0048】
「試料ピペッタ」と題する図4のタイミング表の第二列は、試料ピペッタロボット150(図1)による種々の機能を実施するための、20秒周期内の特定の時間割り当てを示す。このように、試料ピペッタロボット150は、20秒周期の最初の10秒間に作動してピペットチップ156(図1)をピックアップし、試料トレー162中の選択された試料容器から公知の方法で試料を吸引する。
【0049】
図4の「試料ピペッタ」列でさらに示すように、20秒周期の10秒目と11秒目との間で、試料ピペッタロボット150が、吸引した試料を小出しし、20秒周期の11秒目と13.5秒目との間で、試料ピペッタロボット150は、試料ピペットチップ156を放出する。20秒周期の13.5秒以降、試料ピペッタロボット150はスケジューリングされた活動を有しない。
【0050】
「試薬ピペッタ」と題する図4のタイミング表の第三列は、試薬ピペッタロボット170(図1)による種々の機能を実施するための、20秒周期内の特定の時間割り当てを示す。このように、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の最初の6秒間に作動して試薬トレー174(図1)から第一の試薬R1を吸引し、必要ならば、その後ただちに第二の試薬R2を吸引する。両試薬R1及びR2は同時に小出しされる。しかし、第二の試薬R2を続けて吸引する必要がないならば、小出し動作は試薬R1に限られる。
【0051】
したがって、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の6秒目と9秒目との間で、周期の最初の6秒間に吸引した試薬R1(及びおそらくはR2)を同時に小出しすることができる。試薬ピペット172が20秒周期の9秒目直前と11秒目直後との間に洗浄ステーション180(図1)で洗浄されたのち、試薬ピペッタロボット170は別の吸引周期を開始することができる。
【0052】
図4の「試薬ピペッタ」列でさらに示すように、試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の12秒目直前から15秒目直後までの期間で、必要ならば別の第二の試薬R2を吸引することができる。試薬ピペッタロボット170は、20秒周期の15秒目直後から17秒目直後までの間で、そのさらなる第二の試薬R2を小出しすることができる。試薬ピペット172は、17秒目直後から20秒目直前までの間の時間セグメントで、洗浄ステーション180(図1)で洗浄される。
【0053】
「洗浄及び酸注入」と題する図4のタイミング表の第四列は、アッセイ読取り可能なキュベット108(図2)がキュベットリング102からルミノメータ140(図1)の中に放出される前の、洗浄ステーション188(図1)におけるキュベット洗浄に割り当てられた20秒周期内の特定の時間を示す。また、洗浄ステーション188では、20秒周期の4秒目と5秒目との間で、酸成分が小出しされる(図4)。洗浄及び酸注入は公知の動作である。
【0054】
「試薬振とう」と題する図4のタイミング表の第五列は、試薬容器の振とう又は混合に割り当てられた特定の時間を示す。試薬振とうは20秒周期中に2回起こる。第一の振とう動作は20秒周期の6秒目直前から10秒目直後まで及ぶ。第二の振とう動作は14秒目直後から19秒目直後まで及ぶ。試薬の振とうは、試薬トレー174(図1)中の成分の均等な分散を保証するための公知の動作である。
【0055】
「ルミノメータ」と題する図4のタイミング表の第六列は、ルミノメータ140(図1)に関する動作に割り当てられた特定の期間を示す。たとえば、20秒周期の2秒目と3秒目との間の1秒に満たない部分で、ルミノメータ140中で読取り動作を完了したキュベット108(図2)がルミノメータから放出される。3秒目直前から3秒目直後までの1秒に満たないもう一つの部分で、光検出又は読取り動作の準備が完了しているキュベットリング102(図2)上のアッセイキュベット108がキュベットリング102からルミノメータ140(図1)の中に上昇又は放出される。読取り動作を構成するルミノメータ140内での測光又は光検出は、20秒周期の7秒目直後から18秒目直前までの期間に起こる。
【0056】
「新キュベット追加」と題する図4のタイミング表の第七列は、新たなキュベットの装填手順が20秒周期の18秒目と19秒目との間に起こることを示す。
【0057】
「リング移動」と題する図4のタイミング表の第八列は、20秒周期のうち、キュベットリング102(図2)が静止状態にある部分を空間によって示す。静止状態期間は、図4の他の列で示すようなキュベットに対する動作、たとえば試料及び試薬小出し、キュベット放出及び設置ならびに洗浄動作と整合する。キュベットリング102は、周期の最初の4秒間、洗浄動作の実行を許すために静止状態にある。4秒目から5秒目直前まで、キュベットリング102の移動が、公知の磁気リングセグメント(図示せず)とキュベットリング102との間の、公知の方法による相対的割出しを可能にする。
【0058】
磁気リングセグメント(図示せず)は通常、20秒周期のうち19秒をわずかに超える期間、キュベットリング102とともに移動する。磁気リングセグメント(図示せず)は、4秒後に始まり、約4.5秒目に終了する期間(図4)中、キュベットリング102から離れて、磁気リングがキュベットリング102に対して一つのキュベット空間を割り出すことを可能にする。割出し動作ののち、磁気リングは、キュベットリング102とともに動くために、再びキュベットリング102と係合する。キュベットリング102との磁気リングの係合/係合解除の動作は公知の動作であり、キュベットリングとのこの磁気リングの脱離及び再係合を可能にするための機構は公知の機構である。
【0059】
図4のタイミング表の「リング移動」列にさらに示すように、キュベットリング102(図2)は、4秒目と5秒目との間の1秒に満たない部分で、酸小出しのために静止状態にある。その後、キュベットリング102は、約5秒目から6秒目直前まで、キュベットを試薬小出し位置に送るために移動する。その後、キュベットリング102は、5.5秒点から9秒目直前まで、試薬小出しを可能にするために停止する。その後、キュベットリング102は、1秒弱の間、キュベットを試料小出し位置に送るために移動する。
【0060】
試料は、10秒直前から約11.5秒目まで小出しされる。その後、キュベットリング102は、約11.5秒目から12秒目直後まで、別のキュベットを試薬小出し場所に送るために移動する。キュベットリング102は、12秒目直後から約17.5秒目まで、第二の試薬小出しのために静止状態にある。その後、キュベットリング102は、約1秒間、キュベットをキュベット装填位置に送るために移動する(必要ならば)。キュベットリング102は、18秒目と19秒目との間の1秒に満たない部分で、新たなキュベットをキャリヤ上の空間に装填するために停止し、その後、再び約0.5秒間、キュベットを洗浄ステーションに送るために移動する。
【0061】
図4のタイミング表に示す処理及び動作はすべて公知の処理である。しかし、本発明者は、固定周期中のキュベットリング102の可変動が異なる所定の定温放置期間の達成を許すことができ、それが本発明の根本的特徴であることを理解した。固定周期中のキュベットリング102の可変動を許すためのこのような処理又は動作のタイミング及びスケジューリングもまた、本発明の根本的特徴である。
【0062】
したがって、固定周期中のキュベットリング102の可変回転動は、特定のキュベット中で実施されるアッセイを他のキュベット中で実施される他のアッセイと同時に、すべてを異なる定温放置期間又は異なるアッセイプロトコルで作動させながら処理することを可能にする。
【0063】
キュベットリング102の各キュベット108(図2)で実施されるアッセイの選択は、各キュベットへの各流体小出しのための所定の定温放置期間をスケジューリングし、各周期中のキュベットリング移動を、他の流体小出し又は臨床分析装置の他の動作のいずれとも衝突させることなく適時な流体小出しを可能にするように制御することによって得ることができる。
【0064】
このように、異なるアッセイごとに所定の定温放置期間を達成するための要点の一つは、衝突が起こらないようにそのようなアッセイをスケジューリングすることである。キュベットごとに所定の定温放置期間を達成するためのもう一つの要点は、種々の流体小出し機構及び試料の臨床分析に寄与する他の機能装置の動作と同調するように可変キュベットリング動をプログラミングすることである。
【0065】
可変キュベットキャリヤ動との臨床分析装置の動作を説明するため、そのような試験を衝突なしで実施することができるように同調させる方法を含め、一連の簡単な試験を記載する。
【0066】
臨床分析装置で試験される試料は一般に、試験される特定のパラメータにかかわらず、ランダムな順序で操作者のところに持ち込まれる。たとえば、試料は一つ以上の試験に付されることもあり、各試験は個々のキュベットの中で実施される。試料に対する一連の試験は、パネル、たとえば甲状腺パネル、貧血パネル又は通常の健康診断血液パネルとして知られている。個々の試験又はアッセイそれぞれは、試験のパネルの一部であるかどうかにかかわらず、個々のキュベットの中で実施される。
【0067】
たとえば、以下、表1の作業リストは、実施される7種の試験の予定表を有する。
【0068】
【表1】
【0069】
表1の作業リスト予定表は、各試験オーダ又は試験要求が臨床分析装置の操作者に与えられる又は他の方法で送られるたびに編集される。表1の作業リストの「到着順」列は、臨床分析装置への試験の到着の順序を示す。表1の作業リストの「試験番号」列は、実施される試験のタイプを示す。
【0070】
文字、数字もしくは文字と数字との組み合わせ又は他の適当な識別法を使用して、実施される試験のタイプを識別することができる。たとえば、試験1は葉酸の試験であることができる。試験2はテストステロンの試験であることができる。試験3はB12の試験であることができる。試験4は甲状腺パネルの一部であることができる。試験5はジゴキシンの試験であることができる。試験6はエストラジオールの試験であることができ、試験7はフェニトインの試験であることができる。
【0071】
説明目的のために、表1の作業リストの試験番号1〜7それぞれは、1個のキュベットに対応する1種の試験の主題である。
【0072】
キュベットリング102(図2)は、周期ごとに、漸増位置として知られる基準位置から出発する。図4の表に示すリングの最初の静止期間の最後に、リングは、一つの位置を新たな漸増位置まで左回りに割出しする。キュベットリング102はまた、各周期の20秒固定期間内に、漸増位置から可変量だけ移動して、選択されたキュベットのための選択された機能を達成することができる。この周期中に他のリング移動が起こるならば、そのような移動は、周期の最後に、漸増後位置とも呼ばれる新たな漸増位置に戻るリングの最後の移動によって相殺される。したがって、所与の周期の漸増位置は直前の周期の漸増後位置である。このように、キュベットリング102の漸増位置は、周期ごとに1キュベットだけ所定の左回り方向に進むことにより、周期ごとに変化する。
【0073】
図5を参照すると、説明目的のために、キュベットリング102中の80個のキュベット又はキュベット位置もしくは空間それぞれが、1〜80の番号を付された位置によって明確に識別されている。図5のキュベットリング102の位置は、臨床分析装置100の、ほどなく説明する周期1の最後の試験条件に対応する。
【0074】
図5の固定面200は、キュベットリング102上の80個の可動キュベット空間と整合する、固定されたままである80個の番号付き基準位置を含む。同じく説明目的のために提供される、固定面200上の80個の番号付き基準位置は、キュベットリング102の移動中のキュベットリング102上の80個のキュベットの位置変化の視覚化を容易にする基準指標として働く。
【0075】
第一の周期の最後かつ第二の周期の前の、キュベットリング102中のキュベット25が固定面200上の固定基準位置25aと整合する漸増後状態が図5に示されている。キュベット25は、7連続試験の、試料を受けるための第一のキュベットである。
【0076】
漸増的移動ののち、キュベットリング102の移動パターンは、どの20秒周期ででも全く可変性であり、臨床分析装置100の移動の各周期で異なることができる。しかし、キュベットリング102は各周期の最後で常にその新たな漸増後位置に戻る。
【0077】
たとえば、図6に示す第二の周期の最初と最後との間で、キュベットリング102は、固定面200上で、図5の漸増後リング位置から1キュベット位置又は1基準位置だけ割出しされる。したがって、図6では、キュベットリング102の試験1キュベット(キュベット25)は、今や、臨床分析装置100の固定面200上の基準位置26aと整合している。
【0078】
後続の各周期で、キュベットリング102は、1周期あたり一つの基準位置を割出しする。このような割出しの後、試料及び試薬を小出しし、臨床分析装置の他の機能を実行するために、選択された距離及び選択された方向のキュベットリング102の可変回転動が続くことができる。しかし、可変動がすべて完了したのち、キュベットリング102は、固定周期の終了の前に、その漸増後位置に戻る。
【0079】
臨床分析装置における大部分のアッセイは普通、三つの別個の定温放置期間を有する。一つの定温放置期間は、試料小出しと第一の試薬(R1)の小出しとの間の期間に起こる。第二の定温放置期間は、第一の試薬(R1)の小出しと第二の試薬(R2)の小出しとの間に起こることができる。第三の定温放置期間は、第二の試薬(R1)の小出しと、シグナル読取りステーションにおける、たとえばシグナルリーダとしてルミノメータが使用される読取り動作との間に起こることができる。総定温放置期間は、試料小出しと読取り動作との間の第一、第二及び第三の定温放置期間の合計時間である。
【0080】
前記三つの定温放置期間それぞれの定温放置時間は、アッセイ開発中に、最適な臨床有効性を達成するように決定され、計器の中に事前にプログラムされる。
【0081】
本発明にしたがって、ひとたび定温放置時間が決定されると、その定温放置時間は、定温放置時間と一致して起こらなければならないキュベットリング移動の周期の数を確かめるために、20秒のキュベットリング移動周期によって分割される。したがって、定温放置時間は、キュベットリング移動周期の期間の整数倍である任意の選択期間であることができる。
【0082】
以下の表2―試験定義タイミングパラメータ(Tdef)は、表1―作業リストにリストされた7種の試験それぞれの所定のタイミングパラメータ又は定温放置期間を示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2―試験定義―タイミングパラメータにおける各試験の場合のキュベットへの試料の小出しは、その試料のための定温放置期間の始まり、すなわち「0」時間で起こるものと考える。
【0085】
表2の7種の試験それぞれの場合のキュベットへの試薬R1の小出しは、小出しされた試料が、表2の列「R1」で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。このような定温放置は、温度平衡のために必要であるかもしれないし、試料が前処理剤とともに送り出される場合に必要であるかもしれない。表2の7種の試験それぞれの場合の試薬R2の小出しは、試料及び試薬R1が、表2の列「R2」で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。
【0086】
表2の7種の試験それぞれの読取り動作は、試料、試薬R1及び試薬R2が、表2の「読取り」列で示される所定の周期数の間だけ定温放置された後で起こる。したがって、試料小出しから読取り動作まで、臨床分析装置中で完了する特定のアッセイのための総所定定温放置時間又は合計周期数が表2の「総計」列に示されている。
【0087】
表2は、リストされた7種の試験が起こる順序を必ずしも示すものではない。7種の試験それぞれが起こる順序は、以下の簡略化された表3―周期事象表に示すように、周期事象解析によって決定される。
【0088】
【表3】
【0089】
表3―周期事象表は、表2―試験定義―タイミングパラメータにリストされた7種の試験それぞれのための活動を、表2に示される各試験のためのタイミングパラメータに基づいてスケジューリングする。
【0090】
表3―周期事象表は、衝突が起こらないことを保証するために、試料小出し、試薬小出し、読取り動作及び他の必要な動作、たとえば試料希釈及びキュベット交換をスケジューリングする。
【0091】
衝突とは、同時に起こることになっているが、現実には、図4のタイミング表に示す時間制限のおかげで同時に起こることができない二つの動作のスケジューリングと定義される。衝突する動作の例は、同時に起こる二つの試料小出し、同時に起こる二つの試薬小出し、同時に起こる二つのルミノメータ読取り又は同時に起こる二つのキュベット設置のスケジューリングである。表3―周期事象表を作成する又は衝突が起こらないように試験活動をスケジューリングするためのプログラムは、当業者が適当な公知の方法で開発することができる。
【0092】
表3―周期事象表は、はじめは利用可能である座席が最終的に占有される航空路線の予約システムに似ている。この座席の取得可能性及び不可能性は、表3―周期事象表における利用可能なタイムスロットにたとえることができる。異なる試験のための定温放置期間の可変性及びタイミングのせいで、表3―周期事象表のタイムスロットがすでに占有されている可能性がある。したがって、特定の試験Bのためのタイムスロットが別の試験Aのための活動によってすでに占有されているならば、試験Bは、試験Bの完全な活動に利用可能であるタイムスロットを求めて「座席変更」又はスケジュール変更されなければならない。
【0093】
たとえば、表1の作業リストでは、試験2が試験1の直後に続く。しかし、試験2は、試験1の直後でシステム中にスケジューリングすることはできない。理由は、R1送出しタイムスロットのための周期16で衝突することになるからである。試験1がスケジューリングされたとき、周期16でR1送出しスロットを予約している。試験2が試験1の直後にスケジューリングされるならば、試験1によって占有された同じタイムスロットで周期16のR1送出しを受けなければならなくなり、それが衝突を生じさせる。したがって、次のアッセイ、すなわち試験3が、試験1の直後にスケジューリングされて試験1との衝突を回避し、試験2は試験3の直後にスケジューリングされる。
【0094】
定温放置期間の可変タイミングの利点の一つは、比較的短い定温放置期間を有することができる試料が、すべてのアッセイに関して固定された定温放置期間を有する臨床システム中で衰えるかもしれないということである。本明細書に開示する定温放置期間の可変タイミングによると、比較的短い定温放置を有する試料を、長めの定温放置期間を有するアッセイと同時に実行することができる。さらなる利点は、臨床分析装置の動作中に臨床分析装置に持ち込まれる試料を、表3―周期事象表ですでにスケジューリングされている試験に干渉させることなく、表3―周期事象表の空きタイムスロットで処理するようにスケジューリングすることができることである。
【0095】
表3―周期事象表におけるように、ひとたび表2の7種の試験それぞれのタイミングパラメータが衝突なしでスケジューリングされたならば、試験1〜7の順序を決定することができる。このように、表3―周期事象表に基づくと、試験1〜7をそれらの番号の順に実施するならば衝突が起こると判断される。表3―周期事象表は、衝突のない試験順序が、試験1、試験3、試験2、試験6、試験4、試験5及び試験7の順であることを示す。
【0096】
衝突のない試験順序が確立されたのち、以下のリング表(表4)に示すように、各試験のためのキュベットリング102中のキュベット位置を決定することができる。
【0097】
【表4】
【0098】
表4に示すようなキュベットリング102中のキュベット場所又は位置は、表2―試験定義―タイミングパラメータで示されるような定温放置周期の総数が7種の試験それぞれに関して完了する前に経過しなければならない周期の数に基づく。
【0099】
各試験に関して総定温放置期間が完了したのち、完全に定温放置されたキュベットがキュベットリング中の、読取り位置と整合する位置になければならないということが、キュベットのリング動及び読取り動作を使用する臨床分析装置の公知の要件である。
【0100】
このように、臨床分析装置100では、完全に定温放置されたキュベットが読取り位置、すなわち基準位置80aに到達し、それと整合したとき、上昇機構又は放出機構(図示せず)が、完全に定温放置されたキュベットをキュベットリング102から上に放出して、固定面200上の基準位置80aでアクセス可能であるルミノメータ140(図1)に入れる。
【0101】
ルミノメータ読取り位置は固定面200上の基準位置80aにあるため、特定のアッセイのためのキュベットリング102の位置は、以下の式に示すように、特定の試験のための周期の総数及び試料小出し前の連続周期の番号を80から引き、それに1を足すことによって決まる。
特定のアッセイのためのリング位置=
80−(そのアッセイのための周期総数+周期連続番号)+2
(得られる値が1未満である場合、80の倍数を加えて値を1〜80の範囲にする)
【0102】
表2―試験定義―タイミングパラメータに示すように、試験1キュベットは、ルミノメータ140に入る前に56周期の総定温放置期間を有する。したがって、ルミノメータ140(図1)は、臨床分析装置100の固定面200上の基準位置80a(図5)でアクセス可能であるため、試験1キュベットは、固定面200上のルミノメータ基準位置80aからキュベット位置をそのものを含めて56周期又はキュベット位置56個分だけ離れていなければならない。したがって、試験1キュベットは、試料を受けたのち、臨床分析装置100の固定面200の基準位置25a(図5)になければならない。
【0103】
キュベットリング102の動きの説明を容易にするため、キュベットリング102は、図5では、可動キュベットリング102上の数字のしるしによって示される番号を付されたキュベットが、臨床分析装置100の固定面200上の数字のしるしによって示される対応する番号の基準位置と整合するように向けられている。
【0104】
最初の周期の最後での図5のキュベットリング102の位置は、最初の周期の漸増後位置であるとみなされる。図5〜19に関しては、試験キュベット23、25、33、36、49、57及び58がキュベットリング102中でそれぞれ別個に識別されていることがわかる。しかし、これらのキュベットは、本明細書で説明するように、表3―周期事象表で特定して示されている周期まで試料又は試薬を受けない。
【0105】
試験1キュベット(キュベット25)が試料を受けるためには、キュベットリング102(図5)が回転して試験1キュベットを、カバートレー110中の、試料を受けるための試料小出し口114(図3)まで送らなければならない。試料小出し口114は固定面200上の基準位置10a(図5)に対応する。試料が試験1キュベットの中に小出しされたのち、キュベットリング102はキュベット位置15個分だけ左回り方向に回転して、固定面200上の基準位置25aと整合するその漸増後位置に戻る。
【0106】
また、キュベットリング102を固定面200上の基準位置25aから、キュベット空間65個分だけ離れている固定面200上の基準位置10aまで左回りに回転させることにより、試験1キュベット25を固定面200上の試料小出し基準位置10a(図5)に動かすことができることが理解されよう。しかし、キュベットリング102は、好ましくは、時間を節約するために、特定の行き先に達するために最小のリング動を生じさせる方向に回転するようにプログラムされる。したがって、キュベットリング102は、試料小出しを受けるために固定面200上の試料小出し口基準位置10aに達するために、試験1キュベットを、キュベット位置65個分だけ左回りではなく、キュベット位置15個分だけ右回りに回転させるようにプログラムされる。
【0107】
わかりやすく説明するため、図3のカバートレー110は図5〜19のいずれにも示されていない。しかし、図3のカバートレー110中の試料小出し口114が図5〜19の固定面200上の試料小出し基準位置10aに対応するということが理解されよう。また、図3のカバートレー110の試薬小出し口116が図5〜19の固定面200上の試薬小出し基準位置20aに対応する。
【0108】
先に示したように、カバートレー110(図3)は、下にあるキュベットリング102(図5〜19)とともに回転しない。したがって、カバートレー110中の試料小出し口114(図3)及び試薬小出し口116は、図5〜19の固定面200上の試料小出し基準位置10a及び試薬小出し基準位置20aと常に整合する。この取り決めの下、キュベットリング102中のキュベットは、図5〜19に示すように、キュベットリング102中の試験キュベットが臨床分析装置の固定面200上の試料小出し基準位置10aと整合する場合のみ試料を受けることができる。
【0109】
さらには、キュベットリング102中の試験キュベットは、キュベットリング102中の試験キュベットが図5〜19の固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合する場合のみ、カバートレー110の試薬小出し口116(図3)を介して試薬を受けることができる。固定面200上の試料小出し基準位置10a又は固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合しないキュベットリング102中のキュベットは試料又は試薬を受けることができない。
【0110】
このように、試料又は試薬を受けるために、は、キュベットリング102中のキュベットは、臨床分析装置の固定面200上の試料小出し基準位置10a又は臨床分析装置の固定面200上の試薬小出し基準位置20aと整合しなければならない。
【0111】
表2―試験定義に示すように、表3―周期事象表における二番目の試験である試験3のためのキュベットは、ルミノメータ140中の読取り動作に付される前に31周期の総定温放置時間を有する。したがって、試験3キュベットは、試料を受けたのち、ルミノメータ読取り基準位置80aからキュベット位置そのものを含めてキュベット位置31個分だけ離れたキュベット位置になければならない。
【0112】
しかし、図4の周期タイミングに示すように、試料小出しは20秒周期のうち11秒強を要するため、試料小出しは1周期あたり1回しか起こらない。したがって、試験3キュベットは、試料が試験1キュベットに小出しされるときと同じ第一周期中には試料を受けることができない。したがって、試験3キュベットは、次の周期、すなわち第二周期中に試料を受けなければならない。したがって、試験3キュベットは、キュベットリング102中、キュベット位置49(図6)に配置される。
【0113】
この取り決めの下、試験3キュベット(表3―周期事象表の連続番号002)は、キュベット位置49が固定面200の基準位置50aと整合する第二周期中に臨床分析装置の固定面200上の基準位置50aに到達するようにスケジューリングされる。
【0114】
このように、第二周期中、試料は、キュベット位置49(図6)に位置する試験3キュベットの中に小出しされる。試料は、試験3キュベットが、固定面200上の基準位置80aにあるルミノメータ読取りステーションからキュベット位置そのものを含めて31周期又はキュベット位置31個分だけ離れた基準位置50aに到達する周期中に試験3キュベットの中に小出しされる。
【0115】
周期1の最後に、キュベット位置49は、固定面200上の基準位置49aに対して整合する。周期2に入って4秒のところで、リングはその漸増後位置に割出ししてキュベット49を基準位置50aと整合させる。試験3キュベット(キュベット49)が試料を受けるためには、キュベットリング102(図6)は、固定面200上の基準位置50aから右回りにキュベット空間40個分の距離だけ回転して、試料が試験3キュベットの中に小出しされる固定面200上の試料小出し口基準位置10aに達する。その後、試験3キュベットは、キュベットリング102によって左回り方向にキュベット空間40個分だけ回されて、キュベットリング102上のキュベット49が固定面200上の基準位置50aと整合するその漸増後位置に戻る。
【0116】
試験3キュベット(キュベット49)は、試料小出しを受けるために固定面200上の基準位置50aから固定面200上の基準位置10aまで移動しなければならないため、キュベットリング102が右回りに回転しようと左回りに回転しようと固定面200上の試料小出し基準位置10aからは等距離(キュベット空間40個分)である。したがって、キュベット49への試料小出しを得るためにキュベットリング102が右回りに回転するのか、左回りに回転するのかを指図するための、最短距離選択の好ましい方向はない。
【0117】
したがって、試料小出し基準位置10aまでの好ましい最短距離方向がない場合、キュベットリング102は、右回り又は左回りの選択された方向で試料小出し口基準位置10aまで移動するようにプログラムすることができる。
【0118】
表2―試験定義に示すように、試験2のアッセイは56周期の総定温放置時間を有する。試験2のアッセイは、表3―周期事象表で示される順序では3番目に起こるようにスケジューリングされている。したがって、試験2キュベット(表3―周期事象表の連続番号003)がキュベットリング位置23(図7)に配置される。キュベットリング102上のキュベット位置23(図7)は、第三周期の最後に固定面200上の基準位置25aと整合する(図7)。
【0119】
この取り決めの下、試験2キュベット(表3―周期事象表の連続番号003)は、第三周期中に固定面200上の基準位置25aに到達するようにスケジューリングされる。キュベットリング102上の位置23の試験2キュベットは、それが、固定面200上の基準位置80aにあるルミノメータ読取りステーションからキュベット位置そのものを含めて左回りにキュベット空間56個分だけ離れたところにある周期中に試料を受ける準備ができる。
【0120】
周期2の最後で、キュベット位置23は、固定面200上の基準位置24aに対して整合する。周期2に入って4秒のところで、リングはその漸増後位置に割出ししてキュベット23を基準位置25aと整合させる。試験2キュベット(キュベット23)が試料小出しを受けるためには、キュベットリング102(図7)は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで右回り方向にキュベット位置15個分だけ回転して、キュベット23を試料小出し基準位置10aと整合させる。その後、キュベットリング102が試験2キュベット(キュベット23)(図7)を左回り方向に同じキュベット位置の数だけ回転させて、キュベットリング102中のキュベット23が固定面200上の基準位置25aと整合するその漸増後位置に戻す。
【0121】
キュベットリング102はまた、理論的には、キュベット23を左回り方向にキュベット空間65個の距離だけ回転させて、固定面200上の試料小出し口基準位置10aに到達させることができる。キュベットリング回転は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまでの最短距離の方向に動くようにプログラムされているため、キュベットリング102は、試料小出し口基準位置10aまで右回りにキュベット位置15個分だけ回転する。また、キュベット25(試験1)(図7)が固定面基準位置27aまで漸増し、キュベット49(試験3)が固定面基準位置51aまで漸増したことが理解されよう。
【0122】
表3―周期事象表で示される第四番目のアッセイは、20周期の総定温放置期間を有する試験6(連続番号004)のアッセイである。しかし、試験6キュベット(キュベット58)は、試料を受ける前に4周期だけ待機しなければならならず、そのせいで、試料を受けるまでに四つの漸増段階でキュベット空間4個分だけ漸増的に移動するため、キュベットリング102中のその位置はキュベット位置58(図8)である。図8で注目されるように、キュベットリング位置58は、第四周期の最後で固定面200上の基準位置61aと整合し、したがって、ルミノメータから、キュベット位置そのものを含めてキュベット空間20個分だけ離れている。試料を受けるためには、キュベットリング102は、左回りに位置29個分だけ回転して、キュベット58を固定面200上の試料小出し口基準位置10aに送る必要がある。試料小出しののち、キュベットリング102は、その周期のその漸増後位置まで右回りに位置29個分だけ回される。
【0123】
キュベット58(試験6)(図8)はまた、キュベットリング102を固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで右回りにキュベット位置51個分だけ回転させることによって試料を受けることができる。キュベットリング102は、固定面200上の試料小出し口基準位置10aまで最短距離の方向をとるようにプログラムされているため、キュベットリング102は、試料小出し口基準位置10aまで左回りにキュベット位置29個分だけ回転する。また、リング位置23のキュベット(試験2)(図8)が基準位置26aまで漸増し、リング位置25のキュベット(試験1)が基準位置28aまで漸増的に移動し、リング位置49のキュベット(試験3)が基準位置52aまで漸増的に移動したことが理解されよう。
【0124】
図9は、第五周期の最後に対応するキュベットリング102の位置を示す。このように、試料小出しは、固定面200上の基準位置61aに漸増的に移動したときの周期中、キュベット57(試験4、連続番号005)に対して実施される。
【0125】
図10は、第六周期の最後に対応するキュベットリング102の位置を示す。このように、試料小出しは、キュベット36が固定面200上の基準位置41aに漸増的に移動したときの周期中、キュベット36(試験5、連続番号006)に対して実施される。
【0126】
先に記したように、各試料小出しは、固定面200の基準位置10aにある、キュベットカバートレー110の試料小出し口114(図3)で常に起こらなければならない。したがって、キュベットリング102は、特定の周期内で選択された量だけ回転して、試料小出しを要する特定のキュベットを試料小出し口基準位置10aに動かしたのち、同じ周期内でその周期のキュベットリング102の元の漸増後位置に戻らなければならない。
【0127】
試験1〜6の場合の試料小出しの説明から、表2―試験定義表及び表3―周期事象表で詳述されているような定温放置期間を考慮する周期で試料を小出しするために、キュベットリング102が所与の周期中に異なる量だけ回転することもあることが明らかである。
【0128】
表3―周期事象表は周期7で希釈工程を示す。希釈は、1周期で試料及び希釈剤(図1の補助トレー182から)を空のキュベットの中に加えることからなる。次の周期で、希釈された試料が、図1の試料管164からではなく希釈キュベットから吸引されたのち、前記のように新たなキュベットの中に小出しされる。本発明の利点の一つは、可変リング動を実行する能力のおかげで、キュベットが特定の順序にあることを要するのではなく、キュベットキャリヤ上のどのキュベットをも希釈工程に使用することができることである。
【0129】
希釈を実施するために、試料は、その現在の場所から可変動で試料小出し口基準位置10aに送られる空のキュベットに小出しされる。その後、キュベットが、位置10個分の左回り動きによって試薬小出し口基準位置20aに動かされて、試薬プローブによって希釈剤を受ける。次の周期で、このキュベットは、その現在の場所から可変動によって試料小出し口基準位置10aに送られて希釈された試料を吸引する。次に、前記のように標的アッセイのキュベットが試料小出し口基準位置10aに送られて、希釈された試料がその中に小出しされる。希釈された試料は、通常の試料と同様、前記の原理にしたがって試薬を受け、洗浄及び読取り動作を受けるようにスケジューリングされる。
【0130】
表3―周期事象表に示すように、試験7のための試料小出しは第八周期(図11)で起こる。第八周期の最後に、キュベットリング102中のキュベット33(試験7、連続番号007)が、その中に試料を小出しされたのち、漸増的移動によって固定面200上の基準位置40aに到達する。
【0131】
図12は、第11周期の最後のキュベットリング102の位置を示す。表3―周期事象表に示すように、第12周期で、キュベットリング102上の試験3キュベット(キュベット49)が試薬R1を受けるようにスケジューリングされている。試験3キュベット(キュベット49)は、固定面200上のその基準位置59a(図12)にある。
【0132】
周期12中、試験3のキュベット49は、基準位置60aまで漸増的に移動して、その位置で、試薬R1を受けるようにスケジューリングされている。このように、キュベットリング102は、図13に示すようにいずれかの方向に位置40個分だけ回転して基準位置20aにある試薬小出し口に達して試薬R1を受ける。試験3のキュベット49が試薬R1を受けたのち、キュベットリング102は、周期12中で、試薬小出しの前に回転してその漸増後位置まで戻って、周期12で再び図14に示すように基準位置60aと整合する。
【0133】
試料を受けたキュベットリング102中の他すべてのキュベット(図14)が同様に、第12周期の最後で12の漸増的キュベットリング動に対応する量だけ漸増的に動かされる。したがって、試験2のキュベット23は基準位置34aにあり、試験1のキュベット25は基準位置36aにあり、試験7のキュベット33は基準位置44aにあり、試験5のキュベット36は基準位置47aにあり、試験4のキュベット57は基準位置68aにあり、試験6のキュベット58は基準位置69aにある。
【0134】
図15は、周期23の最後でのキュベットリング102を示す。キュベットリング102上の試験6のキュベット58は、読取り位置に対応する基準位置80aにある。試験6のキュベット58は、周期24の始まりで読取り機能のためにルミノメータ140(図1)の中に上昇又は放出される準備ができている。したがって、取出し後、キュベットリング102(図15)は、リング位置58に空のキュベット空間が残る。したがって、読取り時間は周期中の早期であり、キュベット設置時間は周期中の晩期であり、それが、キュベット補充を同周期中に実施すること可能にするため、リング位置58はまた、周期24の間に新たなキュベットの設置のためにスケジューリングされる。
【0135】
表3―周期事象表を参照すると、第24周期中に四つの活動が起こる。試験6が読み取られ、試薬R1が試験7のキュベット(キュベット33)に加えられ、試薬R2が試験5のキュベット(キュベット36)に加えられ、新たなキュベットの設置がリングの位置58で起こる。また、第24周期の最後に、試験4のキュベット(キュベット57)が周期25で読み取られる準備ができる。
【0136】
このように、第24周期中、キュベットリング102は、図15に示す周期23位置の最後から種々の動きを実行する。まず、キュベット58が読取り動作のためにルミノメータ140の中に上昇される。次の動きは、周期に入って4秒後に起こるリングの規則的な割出しであり、その後、試験7のキュベット33を基準位置55a(図15)から固定面200上の試薬小出し口基準位置20aに送るキュベットリング102の動きが起こる。したがって、キュベットリング102は、右回りに位置35個分だけ回転して図16に示す位置に達する。
【0137】
周期24中のキュベットリング102の次の動きは、試薬が試験7のキュベット33に小出しされたのち、基準位置23a(図16)にある試験5のキュベット36の中に試薬を小出しする動きである。したがって、キュベットリング102は、図16の基準位置23aから右回りに位置3個分だけ移動して図17の基準位置20aと整合し、試薬R2をキュベット36に入れることを可能にする。
【0138】
キュベットリング102の次の動きで、キュベット空間58がキュベットリング102によって固定面200上の基準位置31aにあるキュベット送出しステーションに動かされて、図18に示すようにキュベットローダ190(図1)から新たなキュベットを受ける。
【0139】
キュベットローダ190(図1)は、図18に示すようにキュベットリング102上の一つの空間が臨床分析装置の固定面200上の基準位置31aと整合する場合のみ、新たなキュベットをキュベットリング102の空間に装填することができることが理解されよう。したがって、新たなキュベットを受けるためには、キュベットリング102上の空間が臨床分析装置の固定面200上の基準位置31aに送られなければならない。新たなキュベットは、カバートレー110中のキュベット送出し口120(図3)を介して、固定面200上の基準位置31aと整合するキュベットリング102上の空間58(図18)に移送される。
【0140】
また、公知の方法で臨床分析装置で洗浄され、臨床分析装置で再使用される公知のキュベットを使用することも可能である。
【0141】
図19は、試験4のキュベット57が第23周期の最後での位置(図15)から位置1個分だけ漸増している、第24周期の最後でのキュベットリング102の位置を示す。試験4のキュベット57(図19)が、第25周期の始めにキュベット57がルミノメータ140の中に放出されるアッセイ読取りのために基準位置80aと整合している。
【0142】
このように、表3―周期事象表は第24周期に関して四つの異なる活動を示す。各活動は、求められる機能を達成するための、周期24中のキュベットリング102の可変量の動きを含む。第24周期の最後(図19)で、キュベットリング102は、固定面200に対してその漸増後位置に戻る。
【0143】
このように、各周期の終了前に、キュベットリング102は、事前に可変量だけ右回り及び左回りに移動して、周期事象表(表3)でキュベットリングに関してスケジューリングされている個々の複数の機能を達成したのち、常にその漸増後位置に戻る。
【0144】
以下の原理が、リング位置決め論理、リング移動論理及び衝突管理論理を要約する。
【0145】
新キュベット位置決め論理
各周期には、キュベットの1個が読取りステーション(基準位置80a)に動かされるタイムスロットがある。各周期でキュベットリング102が左回りに位置1個分だけ漸増する。周期1の最後で、リング位置1が作業面基準位置1aにある。周期2で、リング位置80が作業面基準位置1aにある等である。試料及び試薬が導入されるキュベットは、後続の周期で読取りが起こるよう、表2―試験定義表で定義されたその試験のための(「総数」値−1)に対応する数の周期ののち、読取りステーション基準位置80に到達しなければならない。表3―周期事象表を使用すると、キュベット位置決めのための式は以下のとおりである。
【0146】
キュベット位置=リングサイズ−その試験のための総周期−試験が導入された周期事象表における周期数+2。得られる値が1未満であるならば、リングサイズの倍数を加えて、値を1からリングサイズまでの範囲にする。たとえば、表4―リングでは、周期8で始まる試験7の場合、位置は、80−41−8+2=33となる。
【0147】
リング移動論理
以下は、次の可変動の程度及び方向の計算のための論理の流れである。
1.現在のリング位置はどこであるか?
2.次の動作は何であるか、また、どのキュベットがその動作を施されなければならないか?
3.キュベットが移動しなければならない場所を識別する。
a)そこまで右回り又は左回りに移動する。
b)キュベットが移動しなければならない場所までの最短経路を与える方向を選択する。
4.周期中の最後のリング移動は、その周期中でのそれまでの全移動の正味変化が、システムのための選択された漸増的移動の方向における位置1個分の漸増であるような移動である。
【0148】
衝突管理論理
以下は、衝突管理のための論理の流れである。
1.新たな試験(又は以前の衝突のせいでスキップされた試験)ごとに、すべての対応する周期事象表スポットがフリーであることをチェックする。
2.キュベットリング上の指定されたキュベット場所がフリーであるかどうかをチェックする。
3.1及び2のいずれでもyesであるならば、すべての予約を行う。
4.noであるならば、他すべての試料に関して表1―作業リスト表をスキャンする。
a)そのような各試料に対して論理ステップ1及び2を適用する。
b)成功するならば、論理ステップ1及び2の基準を満たす試料に関してすべての予約を行う。これは、元の順序から外れる試料を生じさせる。
c)成功しないならば、周期をスキップし、論理ステップ1に戻る。
【0149】
上述の論理は定期的な試料に適していることが理解されよう。必要に応じて他の考慮事項が変更を加えるかもしれない。たとえば、命に関わる状況では緊急の試料が他の試料よりも優先的にスケジューリングされるかもしれないし、定期的な試料の前に較正物質を稼働させる必要があるかもしれない。
【0150】
公知の衝突管理原理及び公知のプログラミング原理を使用することにより、キュベットリング102は、各周期中に別個のセットの異なる動きを実行するようにプログラムされる。衝突を回避するための各周期中の活動のスケジューリングのための表3―周期事象表もまた、公知のプログラミング原理を使用して確立される。
【0151】
本発明の範囲を逸することなく様々な変更を上記方法に加えることができるため、上記明細書に記載する、又は添付図面に示すすべての要素は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で解釈されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明を具現化する臨床分析装置の略図である。
【図2】そのキュベットリングの略平面図である。
【図3】キュベットリングのためのカバートレーの略平面図である。
【図4】各周期で起こる事象を詳細に示す、臨床分析装置の簡略化タイミング表である。
【図5】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図6】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図7】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図8】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図9】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図10】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図11】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図12】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図13】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図14】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図15】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図16】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図17】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図18】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【図19】表3「周期事象表」に示すように実行される活動を示すための、選択された周期における固定作業面に対する可動キュベットリングの略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッセイごとに別個の反応キュベットを使用する臨床分析装置におけるアッセイのタイミングを制御する方法であって、
(a)所望の各アッセイのために臨床分析装置で実施される試験のタイプを識別することと、
(b)識別された各試験のために実施される試料小出し、試薬小出し及び読取り動作の順序、ならびに、いかなる選択期間であることもできる所定の定温放置時間のセットを各アッセイのために提供する、識別された各試験のためのそのような各活動の間の所定の期間を決定することと、
(c)閉鎖した幾何学的経路に沿ってキュベットを移動させるキュベットキャリヤを提供することと、
(d)各アッセイのための試料小出し、試薬小出し及び読取り動作をスケジューリングして、各アッセイのための所定の定温放置時間を考慮し、一つの活動の動作が別の活動の動作に干渉することなく、すべてのアッセイのためのすべての活動を実施することを可能にすることと、
(e)活動のスケジュールに基づいてアッセイごとに別個のキュベット位置をキュベットキャリヤ上に決定することと、
(f)前記キュベットキャリヤ上のすべてのキュベットを、調和させながら、多数の漸増ステップで、閉鎖した幾何学的経路に沿って、連続的な所定の周期で、各周期中に漸増的移動を起こさせながら移動させて、各周期中に各キュベットが閉鎖した幾何学的経路上の異なる漸増位置まで進み、任意の期間の所定の定温放置時間が所定の周期の期間の倍数になるようにすることと、
(g)少なくとも1個のキュベットが特定の周期で試料又は試薬を受けるようにスケジューリングされている場合、1個のキュベットをキュベットキャリヤとともにその特定の周期におけるその1個のキュベットの位置から試料小出しのための試料送出し場所又は試薬小出しのための試薬送出し場所まで移動させることと
を含む方法。
【請求項2】
選択されたキュベットの中に試料を小出しするために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された試料送出し場所及びその固定された試料送出し場所における試料送出しサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
選択されたキュベットの中に試薬を小出しするために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された試薬送出し場所に一つ以上の試薬送出しサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
アッセイのための所定の定温放置時間が経過したのちキュベットからアッセイシグナルを読み取るために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定されたシグナル読取り場所にシグナル読取りサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
定温放置のための所定の時間が経過したキュベットを、シグナル読取りサービスステーションにあるキュベットキャリヤから取り出すことを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
新たなキュベットをキュベットキャリヤ中の選択されたキュベット位置の中に装填して選択されたキュベット位置から取り出されるキュベットに代えるために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定されたキュベット設置場所にキュベット設置サービスステーションを設けることを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
キュベット中のアッセイの部品を分離/洗浄するために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された分離/洗浄サービスステーション場所に分離/洗浄サービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
サブパラグラフ(a)のステップが、各試験の受け入れの順序及び臨床分析装置中で実施される各試験の識別を示す作業リストを確立することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、作業リストの情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
サブパラグラフ(b)のステップが、識別された各試験のリスト、識別された各試験に対応する活動及び識別された各試験の連続的な各活動の間の、識別された各試験のための定温放置時間の所定のセットを指定する所定の期間又はタイミングパラメータを含む試験定義―タイミングパラメータリスト又は表を確立することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
試験定義―タイミングパラメータリスト又は表の中で所定の総定温放置時間を示すことを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、試験定義―タイミングパラメータリスト又は表の情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
一つの活動を別の活動に干渉させることなく実施することを可能にするために、臨床分析装置の各連続周期を指示する周期事象スケジュールを確立し、臨床分析装置中で実施される試験を受けるキュベットキャリヤ上の各キュベットの別個のキュベット位置を識別し、試験を受ける各キュベットが試料を受けるところの特定の周期を識別し、試験を受ける各キュベットが試薬を受けるところの特定の周期を識別し、試験を受ける各キュベットが読取り動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
試験を受ける各キュベットが分離/洗浄動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
選択された試験が希釈動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、周期事象スケジュールの情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項17】
キュベットが読取り動作に付されるときキュベットキャリヤからキュベットを取り出し、新たなキュベットをキュベットキャリヤの中に設置して、キュベットキャリヤから取り出されるキュベットに代え、新たなキュベットがキュベットキャリヤに設置されて、取り出されたキュベットに代わるところの周期事象スケジュール中の特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、選択された固定基準点に関してキュベットキャリヤ上の各キュベットの場所をモニタリングすることを含む、請求項13記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1個のキュベットが特定の周期中に試料又は試薬を受けるようにスケジューリングされているならば、その1個のキュベットの、その現在の場所から選択された試料又は試薬送出し場所までの距離を決定し、キュベットキャリヤを、二つの反対方向のうち、1個のキュベットの、選択された試料又は試薬送出し場所までの可能な最短移動経路を提供する一方に移動させる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、1個のキュベットに関する第一の方向の距離情報及び第二の方向の距離情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送して、選択された試料又は試薬送出し場所までの最短移動の方向へのキュベットキャリヤの移動を制御することを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
読取り動作ののち前記臨床分析装置での後続の試験における再使用に備えてキュベットを洗浄するために、分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された洗浄ステーション場所に洗浄ステーションを設けることを含む、請求項4記載の方法。
【請求項22】
所定の周期の期間が約30秒未満の固定期間である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
漸増的移動が、閉鎖した幾何学的経路上の一つの漸増位置のキュベットキャリヤの動きである、請求項1記載の方法。
【請求項24】
閉鎖した幾何学的経路がリングの形である、請求項1記載の方法。
【請求項1】
アッセイごとに別個の反応キュベットを使用する臨床分析装置におけるアッセイのタイミングを制御する方法であって、
(a)所望の各アッセイのために臨床分析装置で実施される試験のタイプを識別することと、
(b)識別された各試験のために実施される試料小出し、試薬小出し及び読取り動作の順序、ならびに、いかなる選択期間であることもできる所定の定温放置時間のセットを各アッセイのために提供する、識別された各試験のためのそのような各活動の間の所定の期間を決定することと、
(c)閉鎖した幾何学的経路に沿ってキュベットを移動させるキュベットキャリヤを提供することと、
(d)各アッセイのための試料小出し、試薬小出し及び読取り動作をスケジューリングして、各アッセイのための所定の定温放置時間を考慮し、一つの活動の動作が別の活動の動作に干渉することなく、すべてのアッセイのためのすべての活動を実施することを可能にすることと、
(e)活動のスケジュールに基づいてアッセイごとに別個のキュベット位置をキュベットキャリヤ上に決定することと、
(f)前記キュベットキャリヤ上のすべてのキュベットを、調和させながら、多数の漸増ステップで、閉鎖した幾何学的経路に沿って、連続的な所定の周期で、各周期中に漸増的移動を起こさせながら移動させて、各周期中に各キュベットが閉鎖した幾何学的経路上の異なる漸増位置まで進み、任意の期間の所定の定温放置時間が所定の周期の期間の倍数になるようにすることと、
(g)少なくとも1個のキュベットが特定の周期で試料又は試薬を受けるようにスケジューリングされている場合、1個のキュベットをキュベットキャリヤとともにその特定の周期におけるその1個のキュベットの位置から試料小出しのための試料送出し場所又は試薬小出しのための試薬送出し場所まで移動させることと
を含む方法。
【請求項2】
選択されたキュベットの中に試料を小出しするために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された試料送出し場所及びその固定された試料送出し場所における試料送出しサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
選択されたキュベットの中に試薬を小出しするために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された試薬送出し場所に一つ以上の試薬送出しサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
アッセイのための所定の定温放置時間が経過したのちキュベットからアッセイシグナルを読み取るために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定されたシグナル読取り場所にシグナル読取りサービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
定温放置のための所定の時間が経過したキュベットを、シグナル読取りサービスステーションにあるキュベットキャリヤから取り出すことを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
新たなキュベットをキュベットキャリヤ中の選択されたキュベット位置の中に装填して選択されたキュベット位置から取り出されるキュベットに代えるために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定されたキュベット設置場所にキュベット設置サービスステーションを設けることを含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
キュベット中のアッセイの部品を分離/洗浄するために、臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された分離/洗浄サービスステーション場所に分離/洗浄サービスステーションを設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
サブパラグラフ(a)のステップが、各試験の受け入れの順序及び臨床分析装置中で実施される各試験の識別を示す作業リストを確立することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、作業リストの情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
サブパラグラフ(b)のステップが、識別された各試験のリスト、識別された各試験に対応する活動及び識別された各試験の連続的な各活動の間の、識別された各試験のための定温放置時間の所定のセットを指定する所定の期間又はタイミングパラメータを含む試験定義―タイミングパラメータリスト又は表を確立することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
試験定義―タイミングパラメータリスト又は表の中で所定の総定温放置時間を示すことを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、試験定義―タイミングパラメータリスト又は表の情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項10記載の方法。
【請求項13】
一つの活動を別の活動に干渉させることなく実施することを可能にするために、臨床分析装置の各連続周期を指示する周期事象スケジュールを確立し、臨床分析装置中で実施される試験を受けるキュベットキャリヤ上の各キュベットの別個のキュベット位置を識別し、試験を受ける各キュベットが試料を受けるところの特定の周期を識別し、試験を受ける各キュベットが試薬を受けるところの特定の周期を識別し、試験を受ける各キュベットが読取り動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
試験を受ける各キュベットが分離/洗浄動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
選択された試験が希釈動作に付されるところの特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、周期事象スケジュールの情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項17】
キュベットが読取り動作に付されるときキュベットキャリヤからキュベットを取り出し、新たなキュベットをキュベットキャリヤの中に設置して、キュベットキャリヤから取り出されるキュベットに代え、新たなキュベットがキュベットキャリヤに設置されて、取り出されたキュベットに代わるところの周期事象スケジュール中の特定の周期を識別することを含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
臨床分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、選択された固定基準点に関してキュベットキャリヤ上の各キュベットの場所をモニタリングすることを含む、請求項13記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1個のキュベットが特定の周期中に試料又は試薬を受けるようにスケジューリングされているならば、その1個のキュベットの、その現在の場所から選択された試料又は試薬送出し場所までの距離を決定し、キュベットキャリヤを、二つの反対方向のうち、1個のキュベットの、選択された試料又は試薬送出し場所までの可能な最短移動経路を提供する一方に移動させる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
臨床分析装置の動作をコンピュータで制御し、1個のキュベットに関する第一の方向の距離情報及び第二の方向の距離情報を、臨床分析装置のコンピュータ制御動作でプログラミングするために、コンピュータに転送して、選択された試料又は試薬送出し場所までの最短移動の方向へのキュベットキャリヤの移動を制御することを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
読取り動作ののち前記臨床分析装置での後続の試験における再使用に備えてキュベットを洗浄するために、分析装置の閉鎖した幾何学的経路に対し、固定された洗浄ステーション場所に洗浄ステーションを設けることを含む、請求項4記載の方法。
【請求項22】
所定の周期の期間が約30秒未満の固定期間である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
漸増的移動が、閉鎖した幾何学的経路上の一つの漸増位置のキュベットキャリヤの動きである、請求項1記載の方法。
【請求項24】
閉鎖した幾何学的経路がリングの形である、請求項1記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−503453(P2009−503453A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522956(P2008−522956)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/028144
【国際公開番号】WO2007/013960
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507269175)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/028144
【国際公開番号】WO2007/013960
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507269175)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (39)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
【Fターム(参考)】
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