説明

キーコピー防止された記憶装置のデジタル自己消去

メモリの第1および第2の部分は、記憶モジュール(例えば、ハードドライブ、または、フラッシュカード)に備えられている。この第1の部分はコンテンツ(例えば、音楽、ビデオ、写真)を記憶するためのものであり、そして、第2の部分はコンテンツにアクセスするのに要求される情報(例えば、キーワード、または、コンテンツのテーブル)を記憶するためものである。記憶モジュールの権限のない使用(再生デバイスからの分離、モジュールの開放、モジュールを含む再生デバイスの開放、モジュールが権限のある再生装置から分離されたときのコンテンツへのアクセスの試み)が検出されたとき、第2の部分に記憶された情報にさらにアクセスすることは阻止される。アクセスは、例えば、第2の部分のブランク消去により阻止され得る。電源(例えば、バッテリ)は、アクセスの検出および阻止をするために備えられ、このアクセスもまた、この電源が落ちれば、阻止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツ(digital content)のコピー保護の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル記憶モジュールは、ビデオ、音楽、および、写真のようなデジタルコンテンツを記憶するために、ますます使用されている。MP3(MPEGaudio layer3)プレーヤやPVRs(Personal Video Recorders)のような、多くのアプリケーションにおいて、コンテンツ(content)がダウンロードされ、そしてローカル・デバイス(local device)の記憶モジュールに記憶されることは必要不可欠である。コンテンツ・プロバイダ(content providers)は、著作権により保護されているコンテンツをダウンロードすることを有料申込者に許可する。この申込者はコンテンツをさらに配給する権利を有さないが、しかし、違法コピーが非常に横行しているので、プロバイダは申込者がダウンロードするためにコンテンツを提供することを躊躇させられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンテンツ・プロバイダは、著作権侵害者がダウンロードしたコンテンツを違法に配給するのを阻止する方法を探している。あらかじめダウンロードされたコンテンツの違法コピーを阻止する提案は、十分ではない。ほとんどの提案は、ダウンロードされたデータ(material)の暗号化に従ったものであり、しかし、全く技術的に、純粋なコピー機(copiers)はそのような保護は回避することができる。例えば、PVRで使用されるハードディスクドライブモジュールは、分離されることができ、そして、暗号化されたコンテンツは複製され得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで本発明において、記憶モジュールは、第1の部分(a first portion)および第2の部分(a second portion)を含むメモリの複数の部分(multiple portions)を備えている。コンテンツは第1の部分に記憶され、そして、第1の部分に記憶されたコンテンツにアクセスするために要求される情報は第2の部分に記憶されている。権限のない使用が検出されたとき、そこで、第2の部分はブランク消去(blank erased)され、それ故コンテンツは使用されることができない。
【0005】
データのブランク消去は、例えば、ブランクでデータを上書きすることによりデータを破壊することであり、それ故データは回復されることができない。普通は、記憶モジュールのデータが消去されたときこのデータ自体は変更されないが、しかし、フラグ(a flag)がデータの位置にデータを書き込むことができる指示の印になる。第1の部分ではなく第2の部分のみをブランク消去することの利益の1つは、通常のメモリ処理が第1の部分に使用されることができるとともに、特別なブランク消去手順のみが第2の部分に利用することができなければならないことである。他の利益は、ブランク消去がメモリ位置を得られる印よりもより長い時間がかかり得ることである。
【0006】
例えば、権限のない使用はVCRまたはPM3プレーヤのような記憶モジュールを含むデバイスから記憶モジュールを抜くことであるかも知れず、権限のない使用はデバイスまたは記憶モジュールをこじ開けることであるかも知れず、権限のない使用は記憶モジュールがデバイスから分離されたときに記憶モジュールからデータを読み出すことを試みることであるかも知れない。
【0007】
本発明の追加の態様および利益は、以下の図面の参照とともに以下の詳細な説明から 直ちに当業者にとって明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、本発明の方法の例のフローチャートを示す。ステップ102において、メモリの複数の部分は記憶モジュールに備えられる。メモリの部分はコンテンツを記憶する第1の部分、および、この第1の部分に記憶されたコンテンツにアクセスするためにアクセスされなければならない情報を記憶する第2の部分を含む。ステップ104において、記憶モジュールの権限のない使用が検出される。この検出は、モジュールが接続されたデバイスの部分からのモジュールの分離、モジュールの開放、デバイスの開放、または、モジュールが権限のあるデバイスに接続されていないときにモジュールに記憶された情報にアクセスすることの試み、の検出を含む。
【0009】
このデジタル記憶モジュールは、例えば、ハードディスクドライブモジュール、または、フラッシュカード(a flash card)のような、不揮発性のメモリモジュールであり得る。
【0010】
ステップ106において、権限のない使用が検出された後、第2の部分の情報へのアクセスは、阻止される。アクセスは、例えば、第2の部分に記憶されたコンテンツを解読するのに必要な、第2の部分に記憶された秘密キー(private key)をブランク消去することにより阻止され得る。アクセスは、メモリの第2の部分に記憶された、メモリの第1の部分のコンテンツのテーブル(table)をブランク消去することによってもまた阻止され得る。
【0011】
ステップ108において、電源は該検出とともにアクセスの阻止のために備えられており、もしこの電源が落ちれば、このアクセスもまた阻止され得る。一般に、バッテリはそのような電源に使用され、そして、バッテリは、このバッテリが切れたときアクセスが阻止されるように、相互に連結され得る。
【0012】
図2は、再生デバイス(playing device)および接続された記憶モジュールを含む本発明のシステムの概略図である。この記憶モジュールは、第1の部分(122)、および、第2の部分(124)を含むメモリの複数の部分を備える。この記憶モジュールは、また、この記憶モジュールを動作させるプログラミングモジュールを含むプロセッサ126を備える。このプログラミングモジュールは、メモリの第2の部分に記憶された情報へアクセスすることなくメモリの第1の部分に記憶されたコンテンツにアクセスすることを阻止するためのアクセス制御モジュール128を含む。記憶モジュールは、記憶モジュールの権限のない使用を検出するための検出装置130を備える。
【0013】
プロセッサは、権限のない使用が検出された後、メモリの第1の部分に記憶された情報のさらなるアクセスを阻止するための保護モジュール132をもまた含む。この保護モジュールは、権限のない使用が検出されたときはいつも、第2のモジュールのコンテンツを簡単にブランク消去する。電源134は、検出装置と保護モジュールを含むプロセッサとを動作させるために記憶モジュールに備えられている。この保護モジュールは、電源が落ちた後に、メモリの第1の部分に記憶された情報にさらにアクセスするのを阻止する。
【0014】
記憶モジュールの権限のない使用は、記憶モジュールを使用するデバイスからの記憶モジュールの権限のない分離を含み得る。その場合において、保護装置130は、記憶モジュールと再生デバイスの部分138との間の接続136の連続性を監視する。分離が検出されたときはいつも、そこで、保護モジュール132はメモリの第2の部分をブランク消去する。
【0015】
記憶モジュールの権限のない使用は、記憶モジュールのケース140の権限のない開放を含み得る。その場合において、保護装置130は、記憶モジュールのケースの一体性を監視する。例えば、開放検出器152は、モジュールケースの部分の間に接続され、そして、モジュールケースのこれらの部分が分離されれば、開放が検出される。モジュールケースの権限のない開放が検出されたときはいつも、そこで、保護モジュール132はメモリの第2の部分をブランク消去する。
【0016】
記憶モジュールの権限のない使用は、再生装置のケース142の権限のない開放を含み得る。その場合において、保護装置130は、再生装置のケースの一体性を監視する。例えば、開放検出器154は、デバイスケースの部分の間に接続され、そして、デバイスケースのこれらの部分が分離されれば、開放が検出される。デバイスケースの権限のない開放が検出されたときはいつも、そこで、保護モジュール132はメモリの第2の部分をブランク消去する。
【0017】
コンテンツにアクセスするためにアクセスされなければならない第2の部分に記憶された情報は、コンテンツにアクセスするためにメモリの第1の部分に記憶されたコンテンツを解読するのに使用されなければならない秘密キー144を含み得る。記憶モジュールは、さらに、メモリの第1の部分に記憶されたデータを解読するため、メモリの第2の部分に記憶された秘密キーを使用する、プロセッサ126のデータ解読モジュール146を含み得る。代替的に、またはこの秘密キーに追加で、メモリの第2の部分に記憶された情報は、メモリの第1の部分に記憶されたコンテンツを再生するに必要であるコンテンツのテーブルを含み得る。
【0018】
本発明は、特定の実施例に関連して以上に説明されている。当業者は、ここで、本発明の範囲でそれらの実施例を変更する方法を認識し得る。この発明は、以下の請求項のみにより限定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の方法のフロー図である。
【図2】再生デバイスおよび接続されたモジュールを含む本発明のシステムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶モジュールにおけるメモリの複数の部分を準備し、前記部分はコンテンツを記憶するための第1の部分、および、前記第1の部分に記憶されたコンテンツにアクセスするためにアクセスされなければならない情報を記憶するための第2の部分を含み、
前記記憶モジュールの権限のない使用を検出し、
前記権限のない使用が検出された後、前記第2の部分における前記情報へのアクセスを阻止し、
前記検出およびアクセスの阻止のための電源を準備し、前記電源が落ちた場合にアクセスがまた阻止される
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2の部分の前記情報へのアクセスは、権限のないアクセスが検出されたとき前記第2の部分の前記情報をブランク消去することにより阻止される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
権限のない使用の検出は、記憶モジュールを使用するデバイスからの前記記憶モジュールの権限のない分離を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
権限のない使用の検出は、前記記憶モジュールのケースの権限のない開放を検出することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
権限のない使用の検出は、前記記憶モジュールを含むデバイスのケースの権限のない開放を検出することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
記憶モジュールであって、
第1の部分および第2の部分を含むメモリの複数の部分と、
メモリの前記第2の部分に記憶された情報へアクセスすることなくメモリの前記第1の部分に記憶されたコンテンツにアクセスすることを阻止するためのアクセス制御手段と、
前記記憶モジュールの権限のない使用を検出するための手段と、
権限のない使用が検出された後、メモリの第2の部分に記憶された情報にさらにアクセスするのを阻止するための保護手段と、
前記検出手段および前記保護縦断を動作させるための電源と、を備え、前記保護手段は前記電源が落ちた後に前記メモリの第2の部分に記憶された前記情報にさらにアクセスするのをもまた阻止する
ことを特徴とする記憶モジュール。
【請求項7】
権限のない使用は、記憶モジュールを使用するデバイスからの前記記憶モジュールの権限のない分離を含み、
前記検出手段は、前記記憶モジュールとこの記憶モジュールを使用する前記デバイスとの間の接続を監視するとともに、前記保護手段は、前記デバイスからの前記記憶モジュールの権限のない分離が検出されたときに、前記メモリの第2の部分に記憶された前記情報をブランク消去する
ことを特徴とする請求項6に記載の記憶モジュール。
【請求項8】
権限のない使用は、前記記憶モジュールのケースの権限のない開放を含み、
前記検出手段は、前記記憶モジュールのケースの一体性を監視するとともに、前記保護手段は、前記記憶モジュールのケースの権限のない開放が検出されたときに、前記メモリの第2の部分に記憶された前記情報をブランク消去する
ことを特徴とする請求項6に記載の記憶モジュール。
【請求項9】
権限のない使用は、前記記憶モジュールを含むデバイスのケースの権限のない開放を含み、
前記検出手段は、前記デバイスのケースの一体性を監視するとともに、前記保護手段は、前記デバイスのケースの権限のない開放が検出されたときに、前記メモリの第2の部分に記憶された前記情報をブランク消去することを特徴とする請求項6に記載の記憶モジュール。
【請求項10】
前記第2の部分に記憶された前記情報は、前記メモリの第1の部分に記憶されたコンテンツを解読するのに使用されることができる秘密キーを含み、
前記記憶モジュールは、さらに、前記メモリの第1の部分に記憶された前記秘密キーを使用して、前記メモリの第2の部分に記憶されたデータを解読するためのデータ解読器を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の記憶モジュール。
【請求項11】
前記メモリの第2の部分に記憶された情報は、前記メモリの第1の部分に記憶された前記コンテンツを再生するに必要であるコンテンツのテーブルを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の記憶モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−519055(P2007−519055A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518436(P2006−518436)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051049
【国際公開番号】WO2005/001673
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】