説明

キーシートの製造方法、キーシート、キー操作装置、電子機器

【課題】円形キーの全周に隣接キーを隙間なく配置する場合に、円形キーの回転位置を正確に位置決めできるキーシートの製造方法等を提供する。
【解決手段】キー貼付治具42に複数のキーボタンKBを裏面を露出させて配置する工程と、円形キー1eの裏面に形成した被係合部R1,R2に係合して円形キー1eが回転しないように位置決め保持する位置決めシート部材30をキーボタンKB上に配置する工程と、キーボタンKBに対してキー基材23を貼付する工程と、位置決めシート部材30をキーボタンKBとキー基材23との間から引き抜く工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーシートの製造方法、キーシート、キー操作装置、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、電子手帳あるいはデジタルカメラなどの各種携帯電子機器が提案されている。これら携帯電子機器は、入力部として複数のキーを備えるキー操作部を備えている場合が多々ある。
このようなキー操作部は、通常、樹脂等の絶縁性材料によって形成されたキーシート部材の一方の面側に配置されたキー部材が、携帯電子機器の筐体に形成された開口部から外部に向けて露出されるようにして構成されている。
そして、4方向等に押すことができるマルチファンクションキーを搭載するのが一般的になっている。
【0003】
マルチファンクションキーのうち、丸形のマルチファンクションキーの組立てにおいては、キーの外周方向に突起を形成し、この突起を用いて丸形のマルチファンクションキーの回転防止を図っている。
【0004】
具体的には、先ずキー貼付治具の凹部にマルチファンクションキーを含むキーボタンを裏面が露出するように配置する。この際、キー貼付治具に形成した切り欠きに丸形のマルチファンクションキーの突部がそれぞれ係合するように配置することで、丸形のマルチファンクションキーの回転防止(位置決め)を図る。
そして、キーボタンの裏面に接着剤を塗布し、その上からキー基材を載せ、加圧、結合させた後、キー貼付治具から取り外して、キーシート(キー操作装置)を組み立てる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−281331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今日では、キー操作性を向上する為にキーの面積を大きくしたり、デザイン性を向上させる為にマルチファンクションキーの全周に隣接キーを隙間なく配置する場合がある。
しかし、従来のキーシートの製造方法では、丸形のマルチファンクションキーの外周方向に形成した突起が邪魔になってマルチファンクションキーの全周に隣接キーを隙間なく配置することはできなかった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、円形キーの全周に隣接キーを隙間なく配置する場合に、円形キーの回転位置を正確に位置決めできるキーシートの製造方法、キーシート、キー操作装置、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、円形キーを含む複数のキーボタンを板状のキー貼付治具に対して配置した後に、前記複数のキーボタンとキー基材を当接して前記複数のキーボタンと前記キー基材を接合させるキーシートの製造方法であって、前記キー貼付治具に前記複数のキーボタンを裏面を露出させて配置する工程と、前記円形キーの裏面に形成した被係合部に係合して前記円形キーが回転しないように位置決め保持する位置決めシート部材を前記複数のキーボタンの外縁から一部が突出するように前記複数のキーボタン上に配置する工程と、前記複数のキーボタンに対してキー基材を貼付する工程と、前記位置決めシート部材を前記複数のキーボタンと前記キー基材との間から引き抜く工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、円形キーを正確に位置決め保持することができる。更に、複数のキーボタンとキー基材を貼付けた後は、複数のキーボタン外縁から位置決めシート部材の一部が突出しているので、前記位置決めシート部材をキーボタンと前記キー基材との間から容易に引き抜くことができる。
【0010】
また、前記被係合部は前記円形キーの中心を基準にして、前記位置決めシート部材を引き抜く方向に線対称な位置に形成されることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、位置決めシート部材により円形キーの回転を効果的に抑制し、正確な位置決めを果たすことができる。
【0012】
また、前記被係合部は2つの第一突起部からなることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、円形キーの裏面の形状変更を必要最低限に抑えることができるので、円形キーのコスト上昇を防ぐことができる。
【0014】
また、前記キー基材における前記被係合部に対応する部位には、前記被係合部との干渉を回避する第一逃げ部が形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、円形キーをキー基材に対して密着させることができるので、確実な貼付を実現することができる。
【0016】
また、前記位置決めシート部材が可撓性部材からなることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、キーボタンとキー基材の隙間(位置決めシート部材が配置される空間)が複雑な形状であったとしても、位置決めシート部材を折り曲げたりすることで、キーボタンとキー基材の隙間の形状に倣うように変形させることができる。また、位置決めシート部材を変形させながらキーボタンとキー基材の隙間から引き抜くことができる。更に、折り曲げた位置決めシート部材を元の形状に復元させて再使用することも可能となる。
【0018】
また、前記円形キーの裏面に第二突起部が形成され、前記キー基材における前記第二突起部に対応する部位には、前記第二突起部との干渉を回避する第二逃げ部が形成されることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、円形キーの取付方向(回転方向)を正しい位置に配置しなかった場合には、円形キー裏面の第二突起部が第二逃げ部に対応しないので、第二突起部がキー基材に干渉して前記キー基材が押し上げられる。これにより、目視により円形キーの取付方向(回転方向)が間違っていることを容易に確認することができる。
【0020】
第2の発明は、円形キーを含む複数のキーボタンを板状のキー貼付治具に対して配置した後に、前記複数のキーボタンとキー基材を当接して前記複数のキーボタンと前記キー基材を接合させたキーシートであって、前記キー貼付治具に前記複数のキーボタンを裏面を露出させて配置し、前記円形キーの裏面に形成した被係合部に係合して前記円形キーが回転しないように保持する位置決めシート部材を前記複数のキーボタンの外縁から一部を突出させて前記複数のキーボタン上に配置し、前記複数のキーボタンに対してキー基材を貼付し、前記位置決めシート部材を前記複数のキーボタンと前記キー基材との間から引き抜いて製造したことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、円形キーが正確な位置に配置されたキーシートが得られる。
【0022】
第3の発明は、第1の発明により製造されたキーシート又は第2の発明に係るキーシートを備えるキー操作装置であることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、円形キーが正確な位置に配置されたキー操作装置が得られる。
【0024】
第4の発明は、第3の発明に係るキー操作装置を備える電子機器であることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、円形キーが正確な位置に配置されたキー操作装置を有する電子機器が得られる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば以下の効果を得ることができる。
すなわち、円形キーの裏面に被係合部を形成してキー貼付治具に裏面を露出するように配置し、前記被係合部に位置決めシート部材を係合して前記円形キーが回転しないように位置決め保持する。これにより、円形キーの全周に隣接キーを配置した構成のキー操作部であっても円形キーの方向性を正確に位置決め保持した状態で複数のキーボタンとキー基材を貼付けることができる。更に、位置決めシート部材を引き抜くことで効率よくキーシートの製造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施形態に係る携帯電話機の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】キーシートを表面側から視た斜視図である。
【図4】キーシートを表面側から視た分解斜視図である
【図5】キーシートの製造方法を説明する斜視図である。
【図6】キー貼付治具に配置したキーシートを示す一部透視平面図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るキーシートの製造方法、キーシート、キー操作装置、電子機器の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る携帯電話機の正面図、図2は、図1のA−A断面図である。
【0029】
携帯電話機(電子機器)Kは、第1筐体1と第2筐体2とがヒンジ部3を介して接続されており、必要に応じて折り畳める構造となっている。
第1筐体1には、ディスプレイ4やスピーカ5が設けられる。第2筐体2には、複数のキートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4eからなるキーボタンKBが露出して配置される。
【0030】
また、携帯電話機Kは、図1に示すように、キートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4e同士が隣接して配置されるフレームレスキー構造を採用している。このため、キートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4e間には、筐体の一部が各キートップ2a〜2e,3a〜3e,4a〜4eを支持するための枠体として配置されていない。
【0031】
図2において、第2筐体2には、キートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4eの配置領域を全て含む大きな開口部21のみが図示されているが、第2筐体の内部には、キー操作部(キー操作装置)7、回路基板8及びバッテリー9等が配置されている。
なお、回路基板8とバッテリー9との間の空間には、必要に応じて電子部品(例えばアンテナ等)が配置されている。
【0032】
更に、図2に示すように、回路基板8は、電子回路が実装された基板であり、上述のように第2筐体2内部の支持部22によって支持されることで、後述するキー基材23の裏面(キーボタンKBが配置される面と逆の面)に対向配置されている。この回路基板8の上面側には、各キーボタンKBの押下によって動作されるドーム状のキースイッチ部材10が配置されている。
【0033】
次に、キーシートKSに付き説明する。
図3はキーシートKSを表面側から視た斜視図、図4はキーシートKSを表面側から視た分解斜視図である。
なお、図3〜図6においては、キー基材23、キーボタンKB及び補強プレートFは、表面側から見た場合には符号にfを付し(23f,KBf,Ff)、裏面側から見た場合には符号にbを付して(23b,KBb,Fb)、表裏を区別している。
【0034】
図3、図4において、キー操作部7を構成するキーシートKSは、キーボタンKBと、弾性変形可能なゴム板により成形されたキー基材23と、ステンレス等の薄板からなる補強プレートFとを備え、キーボタンKBとキー基材23との間に補強プレートFを挟んだ状態で接着剤により貼付して組み立てられる。
【0035】
キーボタンKBの一部を構成する円形キー1eの外周には、その円形キー1eを中心として複数のキートップ1a〜1dが隙間なく隣接して配置されている。
キーボタンKBの裏面側に配置される補強プレートFは、各キーボタンKB(キートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4e)に対応する部位を打ち抜き成型することで複数の貫通穴Wが形成されている。
【0036】
更に、補強プレートFの裏面側に配置されるキー基材23は、表面に各キーボタンKBに対応する部位に複数の膨出部Hが島状に所定間隔を持って突設配置されている。
【0037】
これらの膨出部Hは、補強プレートFの貫通穴Wを挿通可能な形状として形成されており、貫通穴Wを挿通した膨出部Hの頂面は、各キーボタンKBの裏面に密着して貼り付く貼付面として構成される。
なお、詳細は後述するが、キー基材23は、複数の膨出部Hの裏面側は凹部Gとして略同一形状で形成されている。そして、各凹部Gの底面には、ドーム状のキースイッチ部材10を押下すべくそれぞれに対応する複数の押圧部Pが突設している(図2参照)。
【0038】
次に、図5〜図7に従って本実施形態に係るキーシートKSの製造方法について説明する。
図5は、キーシートKSの製造方法を説明する斜視図である。
図6は、キー貼付治具42に配置したキーシートKSを示す一部透視平面図である。
図7は、図6のB−B断面図である。
【0039】
図5において、キー貼付治具42は、例えば所定の板厚で矩形状に形成された金型により構成されており、その上面にはキーボタンKBに対応した複数の彫り込み(図示せず)が形成される。
まず、この彫り込みに複数のキートップ1a〜1e,2a〜2e,3a〜3e,4a〜4eが裏面を露出させた状態にして挿嵌して整列配置される。
【0040】
円形キー1eの裏面には、外縁側に2つの第一突起部(被係合部)R1,R2が突設しており、更に外縁側には1つの第二突起部Sが突設している。
したがって、キー貼付治具42に円形キー1eを配置した状態において、2つの第一突起部R1,R2と第二突起部Sが露出する。
なお、第一突起部R1,R2と第二突起部Sは、円形キー1eの裏面から例えば0.8mm以下の高さに形成される。
【0041】
2つの第一突起部R1,R2は、円形キー1eの中心Mを基準として、中心線Cに線対称な位置に形成されている。
これら2つの第一突起部R1,R2は、キーボタンKBにキー基材23を当接接合するに際し、後述する位置決めシート部材30が係合して、円形キー1eの回転を規制するように位置決め保持される機能を備えている。
【0042】
次いで、位置決めシート部材30をキー貼付治具42に配置した円形キー1e上(裏面側)に配置する。
位置決めシート部材30は、プラスチック(PP,PET等)等の可撓性部材からなるシート部材であって、二股状に形成された先端には、円形キー1eの2つの第一突起部R1,R2に係合する2つの係合溝30a,30bが形成されており、更に二股を形成する凹溝底部の中央には係止溝30cが形成されている。
そして、位置決めシート部材30をキー貼付治具42の円形キー1e上に配置すると、図6に示すように、その一端がキーボタンKBの外縁、更にはキー貼付治具42の外縁から食み出るような長さとなっている。
なお、位置決めシート部材30の厚みは、例えば0.5mm程度である。
【0043】
係止溝30cは、キー貼付治具42の上面に立設された係止ピンTに対応するもので、位置決めシート部材30の係合溝30a,30bが2つの第一突起部R1,R2に係合した際に、同時に係止ピンTに係合するように構成されている。
従って、キー貼付治具42に対して裏面にして配置された円形キー1e上に、位置決めシート部材30を載せると、円形キー1eは回転が規制されるようになっている。言い換えれば、円形キー1eの回転位置が一義的に定まるように、位置決めされる。
【0044】
次に、キー貼付治具42に配置したキーボタンKB上(裏面)に接着剤を塗布した後に、その上から補強プレートF及びキー基材23を載せ、加圧して接合する。接着剤は、キー基材23の膨出部Hに塗布してもよい。
なお、キー基材23の貼付面となる膨出部Hは、互いに島状に離間配置されており、各膨出部Hの間に補強プレートFが貼付される。したがって、補強プレートFは、予めキー基材23に接着しておくことが好ましい。
このようにして、各キーボタンKBは、キー基材23の膨出部Hに接着剤を介して貼付される。
【0045】
キー基材23の膨出部Hのうち、円形キー1eの第一突起部R1,R2及び第二突起部Sに対応する部位には、これらとの干渉を回避するための第一逃げ部H1,H2及び第二逃げ部H3が形成されている。
また、膨出部Hの高さは、第一突起部R1,R2と第二突起部Sの高さ(例えば0.8mm以下)よりも高く(例えば1.0mm以上)なっている。
したがって、円形キー1eの第一突起部R1,R2及び第二突起部Sがキー基材23に当接して干渉することなく、円形キー1eとキー基材23が接合される。
【0046】
そして、位置決めシート部材30をキーボタンKBとキー基材23の間から、引き抜く。具体的には、キーボタンKBの外縁から食み出ている位置決めシート部材30の一部を中心線Cに沿って引っ張る。
これにより、キー基材23とキーボタンKBの間に補強プレートFを挟んだ状態で、キー基材23とキーボタンKBとが接着剤により貼付されて一体成形されたキーシートKSとして組立てられる。
【0047】
上述したキーシートKSの製造方法によれば、円形キー1eは、2つの第一突起部R1,R2に位置決めシート部材30の係合溝30a,30bが係合して円形キー1eの回転位置が正確に位置決め保持される。
また、円形キー1eを正確な位置に貼り付けた後に位置決めシート部材30を容易に引き抜くことができる。
【0048】
また、円形キー1eは、その第一突起部R1,R2が、位置決めシート部材30を引き中心線Cに対して線対称な位置に形成されているので、円形キー1eの回転を効果的に抑制し、正確な位置決めを図ることができる。
【0049】
また、キー基材23には、円形キー1eの第一突起部R1,R2に対応する部位に、第一逃げ部H1,H2が形成されるので、第一突起部R1,R2との干渉を回避することができる。
【0050】
なお、円形キー1eに第二突起部Sを、キー基材23に第2突起部Sに対応する第二逃げ部H3を設けたのは、円形キー1eを間違った位置(回転位置)に取り付けた場合に、それを目視確認できるようにするためである。
言い換えれば、円形キー1eを正しい位置に配置しなかった場合には、円形キー1eの第二突起部Sが第二逃げ部H3に対応しない位置にあるので、第二突起部Sがキー基材23の膨出部Hに当接(干渉)して膨出部Hが押し上げられる。したがって、目視により円形キー1eの取付方向(回転方向)が間違っていることを容易に確認することができる。
【0051】
また、位置決めシート部材30は、上述したように可撓性を有する樹脂等により形成することが好ましい。キーボタンKBとキー基材23の隙間(位置決めシート部材30が配置される空間)が複雑な形状(例えば折れ曲がったり湾曲したりする形状)であったとしても、位置決めシート部材30をその形状に容易に追従させることができ、また、位置決めシート部材30を変形させながら引き抜くことができるからである。そして、位置決めシート部材30を変形させながら引き抜いた場合には、位置決めシート部材30を元の形状に復元させて再使用することも可能である。
【0052】
前述した実施の形態で示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0053】
位置決めシート部材30の形状は、実施形態で説明した構成に限定されるものでなく、各種変形例が挙げられる。
2つの第一突起部R1,R2に代えて、第一突起部R1,R2を連結した直線状の段付き壁部として構成すると共に、位置決めシート部材30の先端に直線状の当接部を形成してもよい。このような形状であっても、当接部を段付き壁部に当接することで、円形キー1eの回転を規制することができる。
【0054】
また、円形キー1eの裏面に形成する被係合部としては、突起に限るものではなく、溝であってもよい。この場合には、位置決めシート部材として、この溝に係合可能な舌片を備えた部材を用いればよい。
【符号の説明】
【0055】
1e…円形キー、 7…キー操作部(キー操作装置)、 23…キー基材、 30…位置決めシート部材、 30a,30b…係合溝、 42…キー貼付治具、 KB…キーボタン、 KS…キーシート、 R1,R2…第一突起部(被係合部)、 S…第二突起部、 H1,H2…第一逃げ部、 H3…第二逃げ部、 K…携帯電話機(電子機器)、 21…開口部、 F…補強プレート、 P…押圧部、 G…凹部、 W…貫通穴、 H…膨出部、 30c…係止溝、 T…係止ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形キーを含む複数のキーボタンを板状のキー貼付治具に対して配置した後に、前記複数のキーボタンとキー基材を当接して前記複数のキーボタンと前記キー基材を接合させるキーシートの製造方法であって、
前記キー貼付治具に前記複数のキーボタンを裏面を露出させて配置する工程と、
前記円形キーの裏面に形成した被係合部に係合して前記円形キーが回転しないように位置決め保持する位置決めシート部材を前記複数のキーボタンの外縁から一部が突出するように前記複数のキーボタン上に配置する工程と、
前記複数のキーボタンに対してキー基材を貼付する工程と、
前記位置決めシート部材を前記複数のキーボタンと前記キー基材との間から引き抜く工程と、
を有することを特徴とするキーシートの製造方法。
【請求項2】
前記被係合部は前記円形キーの中心を基準にして、前記位置決めシート部材を引き抜く方向に線対称な位置に形成されることを特徴とする請求項1に記載のキーシートの製造方法。
【請求項3】
前記被係合部は2つの第一突起部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のキーシートの製造方法。
【請求項4】
前記キー基材における前記被係合部に対応する部位には、前記被係合部との干渉を回避する第一逃げ部が形成されることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載のキーシートの製造方法。
【請求項5】
前記位置決めシート部材が可撓性部材からなることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載のキーシートの製造方法。
【請求項6】
前記円形キーの裏面に第二突起部が形成され、
前記キー基材における前記第二突起部に対応する部位には、前記第二突起部との干渉を回避する第二逃げ部が形成されることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載のキーシートの製造方法。
【請求項7】
円形キーを含む複数のキーボタンを板状のキー貼付治具に対して配置した後に、前記複数のキーボタンとキー基材を当接して前記複数のキーボタンと前記キー基材を接合させたキーシートであって、
前記キー貼付治具に前記複数のキーボタンを裏面を露出させて配置し、
前記円形キーの裏面に形成した被係合部に係合して前記円形キーが回転しないように保持する位置決めシート部材を前記複数のキーボタンの外縁から一部を突出させて前記複数のキーボタン上に配置し、
前記複数のキーボタンに対してキー基材を貼付し、
前記位置決めシート部材を前記複数のキーボタンと前記キー基材との間から引き抜いて製造したことを特徴とするキーシート。
【請求項8】
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載のキーシートの製造方法により製造されたキーシート又は請求項7に記載のキーシートを備えることを特徴とするキー操作装置。
【請求項9】
請求項8に記載のキー操作装置を備えることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−170834(P2010−170834A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12267(P2009−12267)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】