説明

キーヤ用グラフィカル・ユーザ・インターフェース

【課題】キーと、そのキーを用いて処理する画像との間の関係をユーザに視覚化し易くするグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えたキーヤを提供する。
【解決手段】カラー空間スワッチに適用した際のキーヤの出力を、ユーザに表示し、どの色が規定したキーに一致するかを示す。キーをカラー空間スワッチに適用することによって生成したアルファ・マットも表示することができる。カラー空間スワッチまたはキーをカラー空間スワッチに適用することによって生成したアルファ・マットのいずれかにおける各画素を修正し、その対応する色が入力画像内、または前処理した入力画像内にあるか否かを示す。また、輝度処理も適用することができる。即ち、画素に対するアルファ値を、ユーザが定義した関数に応じて、当該画素の輝度にしたがって調節することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年9月10日に出願され、係属中の前出願番号第10/939,042号の継続出願であり、その内容はここで引用したことにより本願にも含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
クロマ・キーヤ(chroma keyer)は、画像または動画用の一連の画像を処理し、特定の範囲の色以内で画像における画素を特定する。色の範囲をキーと呼ぶ。各画素の色の近密度は、クロミナンスまたは赤、緑、および青(RGB)の値のいずれかとして規定され、当該信号のアルファ値を決定する。画像における前画素に対する全てのアルファ値の集合が、アルファ・マット(alpha matte)と呼ばれるものを規定する。このアルファ・マットは、通常は前景画像である画像を、通常は背景画像である1つ以上の画像と複合させる際に用いられる。緑色画面および青色画面生成技法は、このようなクロマ・キー処理を拠り所としている。ルーマ・キー(luma key)も、クロミナンスの代わりに輝度に基づいてアルファ・マットを抽出する際に用いることができる。
【0003】
クロマ・キーヤまたはルーマ・キーヤによって用いられるキーを規定するには、種々の方法がある。いずれのキーヤにしても、実現する際の課題は、キーがどのように有力画像に関連するか、そしてキーへの変化がどのように変化して複合画像が得られるかを操作者が理解できる方法を提供することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キーと処理される画像との間の関係をユーザに視覚化し易くするグラフィカル・ユーザ・インターフェースを備えたキーヤを提供する。例えば、ユーザは、キー内にどの色があるのか、そしてどの色が処理する画像の中にあるのかを視覚化することによる利点を得ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、画像に適用するキーによって、カラー空間スワッチ(color space swatch)を処理する。カラー空間スワッチに適用する際のキーヤの出力を、ユーザに表示する。この出力は、どの色が規定したキーに一致するかを示す。キーをカラー空間スワッチに適用することによって生成したアルファ・マットも表示することができる。これらの表示は、ユーザがキーの定義を修正する毎に、対話的に更新し、キーの視覚化を可能にすることができる。
【0006】
また、これらの表示を修正して、どの色が入力画像内にあるかを示すこともできる。カラー・スワッチ、またはそれから生成したアルファ・マット内における各画素は1つの色に対応するので、カラー・スワッチまたはアルファ・マットのいずれかにおける各画素を修正すれば、それに対応する色が入力画像内にあるか否か示すことができる。ユーザがキーの定義を修正しているとき表示を対話的に更新すると、表示は、キーの入力画像における色に対する関係の視覚化を可能にする。
【0007】
また、キーヤは、各画素の彩度を修正することによって、入力画像を前処理することもできる。前処理した画像を用いて表示を生成することにより、ユーザが前処理動作の制御を修正しているとき、表示を対話的に更新し、前処理動作がどのように入力画像に作用するか、そしてその結果がどのようにキーに関係するかを視覚化することが可能となる。
【0008】
また、別の輝度処理も適用することができる。即ち、画素のアルファ値を、ユーザ定義関数にしたがって、当該画素の輝度に応じて調節すればよい。ユーザに表示されるアルファ・マットは、このような輝度処理の効果を含むことができる。この表示は、ユーザが指定した関数を修正しているとき、対話的に更新することができ、輝度処理がアルファ・マットにどのように作用するかを視覚化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、キーヤを示すデータ・フロー図である。入力画像100は、キーを適用すべき画像である。プリプロセッサ102を用いて、処理制御106に応じて入力画像を修正し、前処理入力画像104を生成してもよい。前処理制御は、ユーザによって、しかるべきグラフィカル・ユーザ・インターフェースを通じて指定することができる。入力画像100を前処理すると、システムのアルファ・マットを抽出する機能を高めることができる。前処理の種類には、一例として、入力画像における彩度の修正を伴うものがある。
【0010】
入力画像100、または前処理を用いる場合には前処理画像104は、マット発生部108に入力され、マット発生部108は、キー制御110にしたがって、この画像を処理し、アルファ・マット112を生成する。どのようにキー制御を用いてアルファ・マット112を生成するかは、実現例によって異なり、マット生成には、種々の技法が知られている。一般に、アルファ・マットとは、各画素毎に、アルファ(α)と呼ばれる値を有し、0≦α≦1となるようにした画像である。ここに記載する例では、キーヤはクロマ・キーヤである。キー制御は、ユーザによって、しかるべきグラフィカル・ユーザ・インターフェースを通じて指定することができる。
【0011】
アルファ・マット112には、ぼかし(blurring)、腐食(eroding)(マット縁端の内側のみのぼかし)、または膨張(dilating)(マット縁端の外側のみのぼかし)のようなマット後処理114を行い、処理済みマット画像116を生成することもできる。例えば、ガウスぼかし(Gaussian blur)をアルファ・マットに適用することができる。腐食または膨張は、ぼかしたマットと元のマットを乗算することにより、または元のマットの逆によって模擬することができる。行うことができるマット後処理は、実現例によって異なることもあり、しかるべきグラフィカル・ユーザ・インターフェースを通じてユーザが指定するパラメータを有することができる。後処理したマットは、なおも0≦α≦1となるようなアルファ値を有している。
【0012】
元の入力画像100には、こぼれ抑制(spill suppression)118またはその他の色補正動作を行うこともできる。こぼれ抑制では、背景からの反射によって物体上に現れるような色合い(color tint)を画像上の物体から除去することを伴う。例えば、緑色の画面の前方にある物体の縁端が、緑色の画面からの反射のために淡い緑色を有する可能性がある。こぼれ抑制は、ある色の画素を識別し、こぼれ制御120に基づいて、種々の既知の技法の1つを用いて、別の色の画素と置き換えることを伴う。こぼれ制御は、しかるべきグラフィカル・ユーザ・インターフェースを通じてユーザによって指定することができる。こぼれ抑制は、こぼれ抑制画像122を供給する。
【0013】
元の入力画像100、またはこぼれ抑制を用いた場合にはこぼれ抑制画像122は、複合部124に入力される。複合部124は、アルファ・マット112に応じて、またはマット後処理を用いる場合にはマット処理画像116にしたがって、画像(100または122)を、1つ以上の他の背景画像126と配合する。複合部は、スケーリング、クロッピング(clopping)、再位置決め等のような、種々の変換動作を画像に対して行うことができる。複合部は、出力画像128を供給する。
【0014】
以上、キーヤの一例について説明し終えたので、これよりグラフィカル・ユーザ・インターフェースについて説明する。グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、ユーザにキーと処理対象画像との間の関係を視覚化し易くする。即ち、操作者は、キーの中にどのような色があるか、そして処理対象画像内にどんな色があるか視覚化することによる効果を得ることができる。
【0015】
このために、設けるグラフィカル・ユーザ・インターフェースは、この情報を伝える画像を表示する。これよりどのようにしてこれらの画像を生成するかを示すデータ・フロー図を、図2に関連付けて説明する。即ち、ユーザの選択128に基づいて、セレクタ204が画像をディスプレイ206に供給し、ユーザが目視する。十分な表示空間が得られる場合、これらの画像を一度に1つよりも多く表示することができる。選択した画像または複数の画像も、入力画像100(図1参照)に対して実行する複合124からの出力画像128に隣接して示すこともできる。ユーザ選択202は、しかるべきユーザ・インターフェースであればいずれを通じて供給することもできる。セレクタ204への入力は、例えば、キー・スワッチ表示210(以下で説明する)、アルファ・スワッチ表示214(以下で説明する)、またはアルファ・マット表示212を含むことができる。アルファ・マット表示は、図1にキーヤによって入力画像に対して生成するものとして示すように、アルファ・マット112またはマット処理画像116のいずれかによって供給することができる。入力画像に適用するキーヤの出力のようなその他の画像も表示することができる。セレクタへのこれらの入力は、ユーザがキーヤに対する種々の制御を変更しながら、対話的に更新することができる。
【0016】
キー・スワッチ表示210は、規定したキーをカラー空間スワッチに適用することによって生成する。カラー空間スワッチとは、カラー空間において輝度に対して直交する二次元空間における画像を表す画像である。カラー空間スワッチにおける各画素は、画素の座標に応じて、当該平面内における異なる色に対応する。例えば、クロミナンス値(YCrCbフォーマットではCrおよびCb、またYUVフォーマットではUおよびV値)を、このような色平面で表すこともできる。カラー空間スワッチは、円形(カラー・ホイールとも呼ぶ)、正方形でもよく、あるいはその他の何らかの形状でもよい。例えば、カラー空間スワッチは、無彩度を表す中心に原点を有することができ、その場合、色は角度(色相)と、原点からの距離を表す大きさ(彩度)とで表す。カラー・ホイールまたは正方形の一例では、勾配角度で色相が変化し、赤は110度、緑は230度、そして青は350度であり、半径の勾配(gradient)で彩度が変化し、中心において彩度は0、縁端では彩度は最大となる。
【0017】
カラー空間スワッチをキーヤに入力することによって、規定したキーに基づいてアルファ・マットを生成する。生成したアルファ・マットを用いて、カラー空間スワッチを、黒い画像のような背景と合成する。合成部の出力がキー・スワッチ216となる。規定したキーをカラー・スワッチ画像に適用することによって生成したアルファ・マットは、アルファ・スワッチ218を与える。キー・スワッチを生成するには、カラー空間スワッチを予め処理しない。しかしながら、アルファ・マットを後処理すればよく、こぼれ補正をカラー空間スワッチに適用すればよい。合成部によって出力されるキー・スワッチは、ユーザがキー制御(図1における110)、こぼれ制御(図1における120)、およびマット後処理のためのいずれかの制御(図1における114)を修正しているとき、対話的に表示し更新することができる。
【0018】
キー・スワッチ表示210およびアルファ・スワッチ表示214は、直接的にキー・スワッチ216またはアルファ・スワッチ218に基づくことができる。あるいは、キー・スワッチ216および/またはアルファ・スワッチ218を修正して、入力画像の表現を含ませることもできる。即ち、この入力画像の表現は、当該入力画像にどの色があるかを示す。カラー・スワッチ、またはそれから発生したアルファ・マットにおける各画素は1つの色に対応するので、各カラー・スワッチまたはアルファ・マットのいずれかにおける各画素を修正すると、その対応する色が入力画像内にあるか否か示すことができる。このビューを生成するには、キー・スワッチおよびアルファ・スワッチを合成部220に入力する。また、合成部は、入力画像、または222で示す前処理した入力画像も受ける。入力画像の画素毎に、キー・スワッチまたはアルファ・スワッチにおけるその対応する色の位置を特定する。キー・スワッチまたはアルファ・スワッチ内のこの位置における画素を、表示されると、当該色が入力画像内にあることを示す値に設定する。例えば、アルファ・スワッチ表示では、アルファ・マットがグレー・スケールであるので、入力画像内にある各色は、その色を用いて表示することができる。合成部220は、キー・スワッチ表示210またはアルファ・スワッチ表示214を出力する。
【0019】
これより図3および図4を参照すると、このようなキー・スワッチ表示およびアルファ・スワッチ表示の例が、グレー・スケールで示されている。図3において、暗い領域300は、キーによって抽出された色を示す。散布図状物体(scattergram-like object)302は、入力画像内にある色を示す。キー・スワッチ内の各画素は1つの色であるので、例えば、この色の輝度を入力画像の画素の輝度に設定することによって、例えば、その輝度を変更することによって、その色を変化させることによって、当該色が入力画像内にあるという指示を与える。図4でも、暗い領域400は、キーによって抽出された色を示す。散布図状物体402は、入力画像内にある色を示す。散布図状物体内の各画素は、入力画像内にある色とすることができる。黒い画素、白い画素、または画素上に配された一意のキャラクタも用いてもよい。
【0020】
先に記したように、キー・スワッチ表示210およびアルファ・スワッチ表示214を修正し、入力画像の代わりに、前処理した入力画像の表現を含むこともできる。前処理入力画像を用いることによって、キーを適用する能力に対する前処理制御の効果を視覚化することができる。キー・スワッチ表示およびアルファ・スワッチ表示は、前処理入力画像の表現を含むように修正すると、ユーザが前処理制御を変化させているとき、対話的に更新することができる。例えば、図5に示すように、画素の彩度を高くすると、アルファ・スワッチ表示内に示されるその結果は、原点から外側に向かって広がる画素の外観となる。
【0021】
以上、グラフィカル・ユーザ・インターフェースにおける表示画像について説明したが、これよりクロマ・キーイング動作に適用することができる追加の任意輝度処理について説明する。最初に、アルファ・マットを、入力画像内の画素の輝度に応じて修正することができる。第2に、入力画像を前処理して、画素の輝度に応じて各画素を修正することによって、陰影を抑制することができる。
【0022】
アルファ・マットを修正するには、入力画像における各画素に対応するアルファ値を、当該画素の輝度に応じて修正する。この任意の修正は、画素が暗いかまたは明るいかに基づいて、画素の透明度を増減するために用いることができる。例えば、非常に明るい画素を、それよりも暗い画素よりも多くキー・アウト(key out)することもできる。この修正は、完全に不透明でない、または完全に透明でない画素、即ち、アルファ値が0よりも大きいが1未満である画素のみに適用される。即ち、ユーザは、例えば、輝度値をアルファ・オフセットにマッピングする1つ以上の関数曲線を用いることによって、関数を指定することができる。アルファ・オフセットは、−1.0から1.0までの範囲を取ることができる。このような関数は、従来のグラフィカル・ユーザ・インターフェース、例えば、関数曲線を規定するインターフェースによって指定することができる。この関数は、参照表に表すこともできる。
【0023】
このような輝度処理が画素毎に可能になっているとき、当該画素に生成されるアルファ値が0よりも大きいが1よりも小さい場合、その画素の輝度値を参照表に適用し、アルファ・オフセットを得る。アルファ値およびアルファ・オフセット値の和を計算し、必要であれば、その結果を0または1に揃える(clip)。アルファ値が0または1の場合、これは変更しない。画素毎に得られたアルファ値から、マット処理画像が得られる。輝度処理から得られたマット画像は、ユーザ・インターフェースにおいて、アルファ表示212として与えることができる。一実施形態では、輝度処理は、入力画像を処理するために可能か否かには係わらず、キー・スワッチ表示やアルファ・スワッチ表示を生成するためには用いられない。即ち、これは、カラー・スワッチのために生成されたアルファ・マットには適用されない。別の実施形態では、このような輝度処理は、キー・スワッチ表示の生成に用いることもできる。指定されたアルファ・オフセット関数にユーザが変更を行う毎に、アルファ表示212を対話的に更新し、修正アルファ・マットを表示することができる。
【0024】
先に記したように、輝度処理の他の形態では、入力画像を前処理することによる陰影抑制を伴う。クロマ・キーイング動作では、キー・アウトすべき背景上に陰影を被せ(cast)、背景における一部の画素を更に暗くすることは、前景にとっては一般的である。これらの画素の輝度および彩度は更に低くなることが多い。その結果、キーがこれらの画素を確実に取り込めるようにすることは一層難しくなる。この難問に取り組むために、輝度が低い画素の彩度を、輝度が高い画素の彩度の増大よりも多く増大させることによって、入力画像を前処理することもできる。
【0025】
例えば、彩度を増大させるには、ユーザ調節可能な変数および画素の輝度によって決定される彩度にオフセットを加算すればよい。即ち、ユーザ調節可能値(V)は0と1との間を取ることができ、スライダやテキスト・ボックスというような、しかるべくユーザ・インターフェースであればそのいずれによってでも規定することができる。この値を、輝度の関数、たとえば、f(Y)=1−Y(ここで、0≦Y≦1)、または輝度に反比例する他の関数と乗算し、積V*f(Y)を得る。画素のクロミナンス値は、CbおよびCrであり、ここで、−0.5≦Cb、Cr≦=0.5である。画素(Cb’およびCr’)の新たなクロミナンス値は、Cb’=Cb+f(Y)*V*(Cb/sqrt(Cb*Cb+Cr*Cr))、およびCr’=Cr+f(Y)*V*(Cr/sqrt(Cb*Cb+Cr*Cr))となる。新たなクロミナンス値Cb’およびCr’は、CbおよびCrの最小値および最大値以内に収まった状態を維持する。彩度を増大するために用いられる輝度の機能は、関数f(Y)を表す入力テキスト・ボックスまたはスライダのような、しかるべきグラフィカル・ユーザ・インターフェースによって、ユーザが調節することができる。
【0026】
前処理して得られた画像は、マット生成機能への入力となる。一方、元の入力画像は、こぼれ補正および/または**コンポジタ(compositor)に適用される。キー・スワッチ表示、アルファ・スワッチ表示、およびアルファ表示は各々前処理された入力画像を用いて生成することができるので、これらの表示は、ユーザが前処理制御を変化させているとき、対話的に更新することができる。
【0027】
ここに記載するシステムの種々のコンポーネントは、汎用コンピュータを用いて、コンピュータ・プログラムとして実現することができる。このようなコンピュータ・システムは、通例、ユーザに情報を表示する出力デバイスと、ユーザからの入力を受ける入力デバイスの双方に接続された主ユニットを含む。主ユニットは、一般に、相互接続機構を通じてメモリ・システムに接続されているプロセッサを含む。入力デバイスおよび出力デバイスも、相互接続機構を通じて、プロセッサおよびメモリ・システムに接続されている。
【0028】
1つ以上の出力デバイスをコンピュータ・システムに接続することもできる。出力デバイスの例には、陰極線管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、およびその他のビデオ出力デバイス、プリンタ、モデムのような通信デバイス、ならびにディスクまたはテープのような記憶装置が含まれるが、これらに限定する訳ではない。1つ以上の入力デバイスをコンピュータ・システムに接続することもできる。入力デバイスの例には、キーボード、キーパッド、トラック・ボール、マウス、ペンおよびタブレット、通信デバイス、ならびにデータ入力デバイスが含まれるが、これらに限定する訳ではない。本発明は、コンピュータ・システムと組み合わせて用いられる特定の入力または出力デバイスにも、ここに記載したものにも限定されることはない。
【0029】
コンピュータ・システムは、コンピュータ・プログラミング言語を用いてプログラム可能な、汎用コンピュータ・システムとすることができる。また、コンピュータ・システムは、特別にプログラムされた、特殊目的ハードウェアとすることもできる。汎用コンピュータ・システムでは、プロセッサは、通例、市販のプロセッサである。また、汎用コンピュータは、通例、オペレーティング・システムを含み、オペレーティング・システムが、他のコンピュータ・プログラムの実行を制御し、スケジューリング、デバッグ、入力/出力制御、アカウンティング(accounting)、コンパイル、ストレージの割り当て、データ管理、およびメモリ管理、ならびに通信制御および関係するサービスを行う。
【0030】
メモリ・システムは、通例、コンピュータ読み取り可能媒体を含む。この媒体は、揮発性または不揮発性、書き込み可能または書き込み不可能、および/または書き換え可能または書き換え不可能な場合がある。メモリ・システムは、通例、二進形式でデータを格納する。このようなデータは、マイクロプロセッサが実行するアプリケーション・プログラム、またはディスク上に格納されアプリケーション・プログラムが処理する情報を定義することができる。本発明は、特定のメモリ・システムに限定されることはない。
【0031】
ここに記載するようなシステムは、ソフトウェアまたはハードウェアまたはファームウェア、あるいはこれら3つの組み合わせで実施することができる。システムの種々のエレメントは、個別であれ組み合わせであれ、コンピュータによる実行のためにコンピュータ読み取り可能媒体上にコンピュータ・プログラム命令が格納されている、1つ以上のコンピュータ・プログラム製品として実施することができる。プロセスの種々のステップは、このようなコンピュータ・プログラム命令を実行するコンピュータによって、行うことができる。コンピュータ・システムは、マルチプロセッサ・コンピュータ・システムでもよく、あるいはコンピュータ・ネットワークを通じて接続されている多数のコンピュータを含むこともできる。図1に示したコンポーネントは、コンピュータ・プログラムの別個のモジュールでもよく、または別個のコンピュータ上で動作可能な、別個のコンピュータ・プログラムでもよい。これらのコンポーネントによって生成されるデータは、メモリ・システムに格納するか、またはコンピュータ・システム間で送信することができる。
【0032】
以上いくつかの実施形態について説明したが、前述したことは単なる例示であり限定ではなく、一例として提示したにすぎないことは、当業者には明白なはずである。多数の変更やその他の実施形態も、当技術分野における通常技術の1つの範囲内にあり、本発明の範囲内に該当するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、クロマ・キー処理を示すデータ・フロー図である。
【図2】図2は、グラフィカル・ユーザ・インターフェースをどのように生成するかを示すデータ・フロー図である。
【図3】図3は、グレー・スケールで示す入力画像情報を重ね合わせた、キー・スワッチ表示の一例である。
【図4】図4は、グレー・スケールで示す入力画像情報を重ね合わせた、アルファ・スワッチ表示の一例である。
【図5】図5は、グレー・スケールで示す、処理した入力画像情報を重ね合わせた、アルファ・スワッチ表示の一例である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーヤによって入力画像に適用したキーに関する情報をユーザに提供する方法であって、
アルファ・マットを生成するために前記キーをカラー空間スワッチに適用するステップと、
キー・スワッチ画像を生成するために、前記アルファ・マットを用いて、前記カラー空間スワッチを、前景画像として、背景画像としてのグレー・スケール画像と複合させるステップと、
前記キー・スワッチ画像をユーザに表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記入力画像内にある色の指示を、前記キー・スワッチ画像上に重畳するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記入力画像を前処理するステップと、
前記前処理した入力画像内にある色の指示を、前記キー・スワッチ画像上に重畳するステップと、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、更に、
ユーザが前記キーを変更しているとき、対話的に前記キー・スワッチ画像を更新するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項3記載の方法であって、更に、
前記ユーザが、前記入力画像の前処理を規定する制御を変更しているとき、対話的に前記キー・スワッチ画像を更新するステップを含む、方法。
【請求項6】
コンピュータ・プログラム製品であって、
コンピュータ読み取り可能媒体と、
前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納したコンピュータ・プログラム命令とを備え、前記コンピュータ・プログラム命令をコンピュータによって処理すると、該コンピュータに、キーヤによって入力画像に適用したキーに関する情報をユーザに提供する方法を実行するように命令し、該方法が、
アルファ・マットを生成するために前記キーをカラー空間スワッチに適用するステップと、
キー・スワッチ画像を生成するために、前記アルファ・マットを用いて、前記カラー空間スワッチを、前景画像として、背景画像としてのグレー・スケール画像と複合させるステップと、
前記キー・スワッチ画像をユーザに表示するステップと、
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項7】
請求項6記載のコンピュータ・プログラム製品において、前記方法は、更に、
前記入力画像内にある色の指示を、前記キー・スワッチ画像上に重畳するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項6記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
前記入力画像を前処理するステップと、
前記前処理した入力画像内にある色の指示を、前記キー・スワッチ画像上に重畳するステップと、
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項9】
請求項6記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
ユーザが前記キーを変更しているとき、対話的に前記キー・スワッチ画像を更新するステップを含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項10】
請求項8記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
前記ユーザが、前記入力画像の前処理を規定する制御を変更しているとき、対話的に前記キー・スワッチ画像を更新するステップを含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項11】
キーヤによって入力画像に適用されたキーに関する情報をユーザに提供する方法であって、
アルファ・マットを生成するために、前記キーをカラー空間スワッチに適用するステップと、
前記アルファ・マットに基づくアルファ・スワッチ画像をユーザに表示するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法であって、更に、前記アルファ・スワッチ画像上に、前記入力画像内にある色の指示を重畳するステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項11記載の方法であって、更に、
前記入力画像を前処理するステップと、
前記アルファ・スワッチ画像上に、前記前処理した入力画像内にある色の指示を重畳するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
請求項11記載の方法であって、更に、
ユーザが前記キーを変更しているとき、対話的に前記アルファ・スワッチ画像を更新するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項13記載の方法であって、更に、
前記ユーザが前記入力画像の前処理を規定する制御を変更しているとき、対話的に前記アルファ・スワッチ画像を更新するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
コンピュータ・プログラム製品であって、
コンピュータ読み取り可能媒体と、
前記コンピュータ読み取り可能媒体上に格納したコンピュータ・プログラム命令とを備え、前記コンピュータ・プログラム命令をコンピュータによって処理すると、該コンピュータに、キーヤによって入力画像に適用されたキーに関する情報をユーザに提供する方法を実行するように命令し、該方法が、
アルファ・マットを生成するために、前記キーをカラー空間スワッチに適用するステップと、
前記アルファ・マットに基づくアルファ・スワッチ画像をユーザに表示するステップと、
を含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
請求項16記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、前記アルファ・スワッチ画像上に、前記入力画像内にある色の指示を重畳するステップを含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
請求項16記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
前記入力画像を前処理するステップと、
前記アルファ・スワッチ画像上に、前記前処理した入力画像内にある色の指示を重畳するステップと、
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
請求項16記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
ユーザが前記キーを変更しているとき、対話的に前記アルファ・スワッチ画像を更新するステップを含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項20】
請求項18記載のコンピュータ・プログラム製品であって、前記方法は、更に、
前記ユーザが前記入力画像の前処理を規定する制御を変更しているとき、対話的に前記アルファ・スワッチ画像を更新するステップと、
を含む、コンピュータ・プログラム製品。
【請求項21】
キーヤに対する入力画像を前処理する方法であって、
前記入力画像における画素毎に、前処理入力画像を生成するために、前記画素の輝度を用いて当該画素の彩度を修正するステップと、
前記前処理した画像を用いて、アルファ・マットを生成するステップと、
前記アルファ・マットを用いて、前記入力画像および背景画像を複合させるステップと、
を含む方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法であって、更に、
前記前処理入力画像内にある色を示す表示を生成するステップと、
ユーザが前記入力画像における画素の彩度を修正するため制御を変化させているとき、前記表示を対話的に更新するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
キーを画像に適用することによって生成されるアルファ・マットを後処理する方法であって、
前記画像における画素毎に、当該画素の輝度の関数としてアルファ・オフセット値を決定するステップと、
前記画像における画素毎に、処理したマット画像を作成するために、当該画素に対する前記アルファ・オフセット値に応じて、前記アルファ・マットにおける前記画素に対するアルファ値を修正するステップと、
前記処理したマット画像を用いて、前記画像および背景画像を複合させるステップと、
を含む方法。
【請求項24】
請求項23記載の方法であって、更に、
前記処理マット画像を用いて表示を生成するステップと、
ユーザが前記アルファ・オフセット値を規定する機能に対する制御を変化させているとき、前記表示を対話的に更新するステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−81151(P2006−81151A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−163621(P2005−163621)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(500035823)アビッド テクノロジー インコーポレイテッド (35)
【Fターム(参考)】