説明

キーレス認証システム

【課題】運転者或いは同乗者が操作に対する違和感或いは不満足感を及ぼす従来技術に対して、ユーザ自身が保持する携帯機との応答性を向上させ、ユーザの操作感を良くすることができるキーレス認証システムを提供する。
【解決手段】キーレス認証システムは、固有の識別番号をそれぞれ有する複数の携帯機と、複数の携帯機の優先順位に関する優先順位データを記憶する記憶装置と、ユーザが自身の保持する携帯機の認証の成功が予め必要な行為を行おうとするとき、優先順位データに従って順々に複数の携帯機と通信し認証を行う固定ユニットと、を備えて構成される。そして、ユーザの行為を車外行為と車内行為とに分け、車外行為が行われて決められた優先順位を車外優先順位データとし、車内行為が行われて決められた優先順位を車内優先順位データとし、それぞれの行為に応じて、固定ユニットは、ぞれぞれの優先順位データに従って認証することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが保時する携帯機と通信を行って携帯機の認証が行われるキーレス認証システムに関し、特に、車両のドアの解錠・施錠、エンジンスタート等を行うキーレス認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自動車等の車両において、無線通信機能を有する携帯機から送信された信号を車両に取り付けられる機器(以下固定ユニットと言う)で受信して、ドア等の開閉制御を行うキーレスエントリーシステムが一般に良く知られている。また、近年では、固定ユニットと携帯機との交信データに基づいて、携帯機に設定された固有の識別番号と、固定ユニットに連携した制御装置のメモリに予め登録された識別番号とを対比し、この対比結果に基づいて自動制御されるようにした、所謂、パッシブ・キーレスエントリーシステムも知られるようになってきた。
【0003】
このパッシブ・キーレスエントリーシステムは、例えば、携帯機を保持するユーザがドアに近付くだけで、固定ユニットが携帯機と通信を行い、固有の識別番号を用いて携帯機の認証が行われ、認証に成功すれば、固定ユニットが、ドアロック装置のロック解除の実行を許容すると言ったことがなされる。また、例えば、携帯機を保持するユーザがドアに取り付けられたリクエストボタンを押したときに、固定ユニットが携帯機と通信を行い、固有の識別番号を用いて携帯機の認証が行われ、認証に成功すれば、固定ユニットが、ドアロック装置のロック解除の実行を許容すると言ったことがなされる。このようにして、このパッシブ・キーレスエントリーシステムによれば、ユーザが携帯機での発信操作など特別な操作をわざわざ行うことなしに、各種操作が行われ、より一層ユーザの利便性が高められる。
【0004】
上記のようなパッシブ・キーレスエントリーシステムでは、1台の車両に対して、運転者用を含めて複数(通常、2〜4個程度)の携帯機が付属しており、運転者以外によっても使用されることがある。そして、これら複数の携帯機には、それぞれ異なる固有の識別番号が設定され、車両に取り付けられた固定ユニットに複数の携帯機が登録されている場合、複数の携帯機に対してそれぞれ認証作業が発生し、最初の認証の成功率が低下して、なかなかドアが開けられないとか、すばやくエンジンを起動できないなどの不具合が生じてしまう。
【0005】
そこで、特許文献1の従来技術では、図6に示すように、認証するたびに、認証に成功した携帯機の識別番号(認証コード)を固定ユニット(制御ユニット)910の記憶手段に記憶しておき、次の認証に際しては、最後の認証に成功した識別番号(認証コード)の携帯機(例えばP1)に対し最優先に認証を試みるという方法を用いている。また、特許文献1の従来技術では、記憶手段に記憶された過去の所定回数の認証許可データに基づいて、使用回数が最も多い携帯機(例えばP2)に対し最優先に認証を試みるという方法も用いている。これらの方法によって、少なくとも当面よく使用されると推測される携帯機(P1或いはP2)について、この携帯機(P1或いはP2)の認証順序を早くすることができ、ユーザに違和感或いは不満足感を及ぼす虞を低減することが可能になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−84254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、運転者用を含めて複数の携帯機(従来例では、P1、P2、P3)が存在する場合、最後の認証に成功した識別番号の携帯機(直前に使用した携帯機)が次に使用されるとは必ずしも限らない。例えば、運転者以外の同乗者が携帯機(例えばP3)を保持しドアをアンロックさせて車両Mに乗り込み、その後運転者が携帯機(例えばP1)を保持し車両Mに乗り込みエンジンを起動させるような場合が良く想定される。このような場合、従来例のような構成では、運転者が保持する携帯機P1が最初に認証されず、運転者に違和感或いは不満足感を及ぼすことが考えられる。
【0008】
また、使用回数が最も多い携帯機(例えばP2)が常に最優先に使用されるとは必ずしも限らない。例えば、車両の使用者が変わった場合(中古車の新オーナーや週末のみの運転者等)、従来例のような構成では、常に使用回数が最も多い携帯機P2(前オーナーが使用した携帯機や平日運転者の携帯機等)を優先して認証するので、別な携帯機(例えばP1)を保持した新しい運転者に違和感或いは不満足感を及ぼすことが考えられる。また、前述の想定されるシーンでも、同乗者或いは運転者のどちらか一方、或いは両者ともに、保持する携帯機(P1、P3)が最初に認証されず、違和感或いは不満足感を及ぼすことが考えられる。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するもので、ユーザ自身が保持する携帯機との応答性を向上させ、ユーザの操作感を良くすることができるキーレス認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために、本発明の請求項1によるキーレス認証システムは、固有の識別番号をそれぞれ有する複数の携帯機と、前記複数の携帯機の優先順位に関する優先順位データを記憶する記憶装置と、前記複数の携帯機のうちの一つを保持するユーザが、自身の保持する前記携帯機の認証の成功が予め必要な行為を行おうとするとき、前記優先順位データに従って順々に前記複数の携帯機と通信を行い、前記識別番号を利用した認証を行う固定ユニットと、を備えたキーレス認証システムにおいて、前記行為を車外行為と車内行為とに分け、前記優先順位データは、前記車外行為が行われて決められた前記優先順位を車外優先順位データとし、前記車内行為が行われて決められた前記優先順位を車内優先順位データとし、それぞれの前記行為に応じて、ぞれぞれの前記優先順位データに従うことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項2によるキーレス認証システムは、前記優先順位データが、認証に成功したときの前記携帯機の前記識別番号によって構成された複数のデータであり、前記優先順位データは、最後に認証に成功した携帯機の前記識別番号が最高位の優先順位に設定されるとともに、優先順位に並べられていた前記識別番号のそれぞれが降順されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、キーレス認証システムは、複数の携帯機のうちの一つを保持するユーザが、自身の保持する携帯機の認証の成功が予め必要な行為を行おうとするとき、その行為を車外行為と車内行為とに分け、それぞれの行為に応じた車外優先順位データと車内優先順位データとに従い、複数の携帯機の識別番号を認証するようにした。このため、それぞれの行為を分けない場合と比較して、ユーザが行う行為に対して、ユーザ自身が保持する携帯機の認証確率を向上させることができる。このことにより、複数の携帯機が登録されていても、ユーザ自身が保持する携帯機との応答性を向上させることができ、ユーザの操作感を良くすることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、キーレス認証システムは、識別番号によって構成された優先順位データが、最後に認証に成功した携帯機の識別番号を最高位の優先順位に設定されるとともに、優先順位に並べられていた識別番号のそれぞれが降順されるようにした。このため、常に直近に行われたユーザの行為に近い携帯機の順から、識別番号を認証するようになる。このため、ユーザが行う行為に対してユーザ自身が保持する携帯機の認証確率をより向上させることができる。このことにより、複数の携帯機が登録されていても、ユーザ自身が保持する携帯機との応答性をより向上させることができ、ユーザの操作感をより良くすることができる。
【0014】
したがって、本発明のキーレス認証システムは、ユーザ自身が保持する携帯機との応答性を向上させ、ユーザの操作感を良くすることができるキーレス認証システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態のキーレス認証システムを説明する斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のキーレス認証システムを装着した車両及び携帯機を保持した保持者を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施形態のキーレス認証システムにおける制御方式を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態のキーレス認証システムにおける車両の利用者の行動と車外優先順位データ及び車内優先順位データの変化とを時系列的に説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態のキーレス認証システムの変形例1を説明する図であって、車両の利用者の行動と車外優先順位データ及び車内優先順位データの変化とを時系列的に説明するための図である。
【図6】従来例におけるキーレスエントリーシステムを装備した自動車を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101を説明する構成図である。図中の携帯機1は、4つの携帯機(1A、1B、1C、1D)が存在する一例として示している。図2は、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101を装着した車両10及び携帯機1(1A、1B、1C、1D)を保持した保持者(AA、BB、CC、DD)を模式的に示す説明図である。なお、保持者(AA、BB、CC、DD)の各人は、各々1個の携帯機1を保持している。
【0018】
本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101は、図1及び図2に示すように、車両10のユーザが携行可能な複数の携帯機1と、車両10に取り付けられ識別番号を利用した認証を行う固定ユニット5と、認証の際に使用される優先順位データを記憶する記憶装置4とを備えて構成される。
【0019】
固定ユニット5は、図1に示すように、車載機(固定機)20と、複数の送信アンテナ22と、受信アンテナ24とを有して構成され、車両10のエンジン始動リクエストボタン26、ドア解錠リクエストボタン28及びドア施錠リクエストボタン29が電気的に接続されているとともに、車両10のエンジン制御装置16及びドアロック装置18が電気的に接続されている。そして、車載機20に対し、送信アンテナ22、受信アンテナ24がそれぞれ電気的に接続されている。
【0020】
この車両10では、携帯機1を保持するユーザ(以下保持者と言う)は、鍵を用いずとも、携帯機1が固定ユニット5によって認証されることによって、車両10のドアの解錠やエンジンの始動等を実行可能である。つまり、保持者が、予め携帯機1の認証が必要な行為を行おうとするときに、固定ユニット5は、携帯機1の認証を行い、携帯機1の認証に成功したときに、外部機器であるエンジン制御装置16及びドアロック装置18を、利用者の行為を許可するよう制御する。なお、送信アンテナ22は、携帯機1が車外のドア近傍にあるとき、及び、携帯機1が車内の運転席近傍にあるとき、固定ユニット5及び携帯機1が相互に通信可能なように設けられている。このために、例えば、各送信アンテナ22の通信可能距離が適当に制限されている。
【0021】
車載機(固定機)20は、例えばCPU(中央演算装置)からなる車載機制御部30と、記憶装置4とから主に構成され、車載機制御部30に対して、記憶装置4、入力部32、出力部34、受信部36及び送信部38がそれぞれ電気的に接続されている。記憶装置4は、識別番号を記憶しているとともに、認証の際に使用される優先順位データを記憶している。
【0022】
携帯機1は、図1に示すように、携帯機制御部40と、携帯機ボタン42と、送受信アンテナ44と、送受信部46と、携帯機メモリ48とを有して構成される。携帯機制御部40に対して、携帯機ボタン42、送受信部46及び携帯機メモリ48が電気的に接続され、送受信部46に送受信アンテナ44が電気的に接続されている。また、複数の携帯機(1A、1B、1C、1D)は、図2に示すように、複数の保持者(AA、BB、CC、DD)の各人は、各々1個の携帯機1を保持している。
【0023】
携帯機制御部40は、図1に示す送受信アンテナ44及び送受信部46を介して、固定ユニット5からの認証要求を受信する。そして、携帯機メモリ48に記憶されている識別番号を利用して、認証結果を送受信アンテナ44及び送受信部46を介して、固定ユニット5側に送信する。携帯機ボタン42は、必要に応じて設けられ、利用者が車両10から離れているときに、ドアロック装置18にドアの解錠又は施錠を命令するためのボタンである。例えば、携帯機1の携帯機ボタン42が押下されると、携帯機1は識別番号を含む命令信号を発信し、固定ユニット5が命令信号を受信する。そして、固定ユニット5の車載機制御部30は、命令信号に含まれる識別番号の認証に成功すると、ドアロック装置18に命令の実行を許容する。
【0024】
以上のような構成を用いた認証システムの一例を説明する。先ず、保持者AA(携帯機1Aを保持している)が車両10内にいる際に、エンジン始動リクエストボタン26が押され、入力部32は、エンジン始動リクエストボタン26から受けた命令を車載機制御部30に入力する。そして、車載機制御部30は、入力部32から命令が入力されたときに、認証要求信号の発信を送信部38及び送信アンテナ22に行わせる。認証要求信号には、認証のための通信を行う対象の携帯機1Aを特定するためのコードと、携帯機1Aに応答させるためのコードとが含まれている。
【0025】
次に、通信対象の携帯機1Aは、送受信アンテナ44及び送受信部46を介して、固定ユニット5からの認証要求信号を携帯機制御部40に受信する。そして、携帯機制御部40は、携帯機メモリ48に記憶されている自身の固有の識別番号に相当するコードを含む応答信号を送受信アンテナ44及び送受信部46を介して、固定ユニット5側に送信する。
【0026】
最後に、固定ユニット5の受信部36は、受信アンテナ24を介して応答信号を受信し、受信した応答信号に含まれる識別番号を車載機制御部30に入力する。車載機制御部30は、応答信号に含まれる携帯機1Aの固有の識別番号を、記憶装置4に記憶された識別番号と照らし合わせ、これらが相互に一致したときに、携帯機1Aの認証が成功する。
【0027】
そして、この認証が成功すると、車載機制御部30は、出力部34を介して保持者AAからの要求を外部機器、即ち、エンジン制御装置16に伝達し、エンジン制御装置16が保持者AAの要求を実行することを許容するようになる。例えば、保持者AA(携帯機1Aを保持している)がドア解錠リクエストボタン28やドア施錠リクエストボタン29を押した場合でも、同様の認証が行われる。また、他の携帯機(1B、1C、1D)からの認証要求信号が送信された場合、固定ユニット5は、他の携帯機(1B、1C、1D)の認証は行われない。このようにして、複数の携帯機1と固定ユニット5とが順々に通信を行い、認証が行われる。
【0028】
次に、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101について、上述した車載機制御部30が実行するメインプログラム例を取り上げて詳細に説明する。図3は、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101における制御方式を説明するフローチャートである。
【0029】
先ず、メインプログラムが実行されると、初期設定として、車外用データ及び車内用データが読み込まれる(ステップS11)。車外用データ及び車内用データには、登録されている固有の識別番号の他に、車外行為AUが行われて決められた車外優先順位データCUD及び車内行為AIが行われて決められた車内優先順位データCIDが記憶されている。
【0030】
それから、例えば、ドア解錠リクエストボタン28或いはドア施錠リクエストボタン29或いはエンジン始動リクエストボタン26が押されて、行為命令信号が入力部32より車載機制御部30に入力されると(ステップS12)、車載機制御部30は、その行為命令信号が車外行為AUか車内行為AIかを判定する(ステップS13)。行為命令信号が車外行為AUか車内行為AIかを判定する基準テーブルは、車外用データ及び車内用データに記憶されている。また、車外行為AUとは、ドア解錠の他に、ドア施錠、足下ランプ点灯やハザードランプ点灯やトランクルーム解錠等を言い、車内行為AIとは、エンジン始動の他に、車内への鍵忘れ行為等を言う。
【0031】
次に、例えば行為命令信号がドア解錠命令であった場合、車載機制御部30は、車外優先順位データCUDに記憶された優先順位がn番目の携帯機1に対して、認証要求信号を送信する(ステップS21)。なお、ステップS21が初めて行われる場合、n番目は1であるので、車外優先順位データCUDの優先順位が1番目の携帯機1に対して、認証要求信号が送信される。
【0032】
ステップS21が行われた後、優先順位がn番目の携帯機1は、固定ユニット5からの認証要求信号を受信し、携帯機メモリ48に記憶されている自身の固有の識別番号に相当するコードを含む応答信号を固定ユニット5側に返信する。そして、優先順位がn番目の携帯機1からの応答信号を受信(ステップS22)した車載機制御部30は、応答信号に含まれる携帯機1の固有の識別番号を、記憶装置4に記憶された識別番号と照らし合わせ、これらが相互に一致したときに、携帯機1の認証を承認する。このようにして、優先順位がn番目の携帯機1が、認証要求信号を受信可能な範囲内にあれば、認証は成功する(ステップS23)。一方、優先順位がn番目の携帯機1が、認証要求信号を受信可能な範囲内になければ、認証は失敗する(ステップS23)。つまり、優先順位がn番目の携帯機1は応答信号を発信することはなく、固定ユニット5の車載機制御部30は、認証を行なうことができない。
【0033】
この認証が失敗した場合、即ち、応答信号を受信することなく所定の応答待ち時間が経過した場合、優先順位のn番目が1つ増やされる(ステップS24)。増やされた後の優先順位のn番目のn数は、携帯機1の総数Nと比較され(ステップS25)、n数が総数Nを超えていなければ、再びステップS21が実行される。つまり、認証に成功するまで、車外優先順位データCUDの優先順位に従って、1つずつ順々に携帯機1との認証のための通信が行われる。この通信にかかる時間は、0.2秒以下と短いが、セキュリティを厳しくすればするほど、長くなる傾向がある。また、ユーザ(保持者)は、1秒以下の待ち時間であっても、違和感或いは不満足感を覚える場合がある。
【0034】
ステップS23で認証に成功した場合、車載機制御部30は、ドアロック装置18にドアの解錠を許可し(ステップS26)、この結果としてドアの解錠が行われる。そして、ステップS26の後、最後に認証に成功した携帯機1の車外優先順位データCUDでの優先順位が最高位(1番目)の優先順位に設定されるとともに(ステップS27)、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号のそれぞれが降順される(ステップS28)。例えば、優先順位が3番目の携帯機1の認証が成功した場合、認証に成功した携帯機1の優先順位が1番目に設定され、それまで1番であった携帯機1の優先順位は2番目に設定され、それまで2番であった携帯機1の優先順位は3番目に設定される。なお、優先順位が1番目の携帯機1の認証が成功した場合、車外優先順位データCUDにおける優先順位の変更は行わない。
【0035】
一方、例えば行為命令信号がエンジン始動命令であった場合、車載機制御部30は、車内優先順位データCIDに記憶された優先順位がn番目の携帯機1に対して、認証要求信号を送信する(ステップS41)。なお、ステップS41が初めて行われる場合、n番目は1であるので、車内優先順位データCIDの優先順位が1番目の携帯機1に対して、認証要求信号が送信される。
【0036】
ステップS41が行われた後、優先順位がn番目の携帯機1は、固定ユニット5からの認証要求信号を受信し、携帯機メモリ48に記憶されている自身の固有の識別番号に相当するコードを含む応答信号を固定ユニット5側に返信する。そして、優先順位がn番目の携帯機1からの応答信号を受信(ステップS42)した車載機制御部30は、応答信号に含まれる携帯機1の固有の識別番号を、記憶装置4に記憶された識別番号と照らし合わせ、これらが相互に一致したときに、携帯機1の認証を承認する。このようにして、優先順位がn番目の携帯機1が、認証要求信号を受信可能な範囲内にあれば、認証は成功する(ステップS43)。一方、優先順位がn番目の携帯機1が、認証要求信号を受信可能な範囲内になければ、認証は失敗する(ステップS43)。つまり、優先順位がn番目の携帯機1は応答信号を発信することはなく、固定ユニット5の車載機制御部30は、認証を行なうことができない。
【0037】
この認証が失敗した場合、即ち、応答信号を受信することなく所定の応答待ち時間が経過した場合、優先順位のn番目が1つ増やされる(ステップS44)。増やされた後の優先順位のn番目のn数は、携帯機1の総数Nと比較され(ステップS45)、n数が総数Nを超えていなければ、再びステップS41が実行される。つまり、認証に成功するまで、車内優先順位データCIDの優先順位に従って、1つずつ順々に携帯機1との認証のための通信が行われる。
【0038】
ステップS43で認証に成功した場合、車載機制御部30は、エンジン制御装置16にエンジンの始動を許可し(ステップS46)、この結果としてエンジンの始動が行えるようになる。そして、ステップS46の後、最後に認証に成功した携帯機1の車内優先順位データCIDでの優先順位が最高位(1番目)の優先順位に設定されるとともに(ステップS47)、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号のそれぞれが降順される(ステップS48)。例えば、優先順位が4番目の携帯機1の認証が成功した場合、認証に成功した携帯機1の優先順位が1番目に設定され、それまで1番であった携帯機1の優先順位は2番目に設定され、それまで2番であった携帯機1の優先順位は3番目に設定され、それまで3番であった携帯機1の優先順位は4番目に設定される。なお、優先順位が1番目の携帯機1の認証が成功した場合、車内優先順位データCIDにおける優先順位の変更は行わない。
【0039】
次に、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101において、上述したメインプログラム例について、利用者の行動と記憶装置4に記憶されている優先順位データの変遷を時系列的に例示しながら説明をする。図4は、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101における車両10の利用者の行動と車外優先順位データCUD及び車内優先順位データCIDの変化とを時系列的に説明するための図であって、図4(a)は、初期に設定されている優先順位データであり、図4(b)から図4(e)までは、優先順位データの変遷を示した図である。なお、利用者は、携帯機1を必ず1つ保持している保持者である。
【0040】
例えば、図2に示すように、登録された4つの携帯機(1A、1B、1C、1D)のうち、保持者AAが携帯機1Aを所持し、保持者BBが携帯機1Bを所持し、保持者CCが携帯機1Cを所持し、保持者DDが携帯機1Dを所持しているとする。そして、車両10に設けられた固定ユニット5の記憶装置4には、優先順位データとして、車外優先順位データCUDと車内優先順位データCIDとが記憶されている。例えば、図4(a)に示すように、車外優先順位データCUD及び車内優先順位データCIDの両方とも、携帯機1Aの識別番号A11が最優先順位として記憶され、携帯機1Bの識別番号B11が2番目に、携帯機1Cの識別番号C11が3番目に、携帯機1Dの識別番号D11が4番目に記憶されていたとする。
【0041】
ここで、保持者CCと保持者DDがショッピングのため、車両10を使用したとする。保持者DDがドア解錠リクエストボタン28を操作すると、図4(a)に示す車外優先順位データCUDに規定された優先順位に従って、固定ユニット5は、先ず優先順位が1番目の携帯機1Aに認証要求信号を送信する。しかし、保持者AAは車両10のドア近傍にいないため、携帯機1Aの認証は成功しない。
【0042】
次に、固定ユニット5は、優先順位が2番目の携帯機1Bに認証要求信号を送信するが、保持者BBもまた車両10のドア近傍にいないため、携帯機1Bの認証は成功しない。さらに、固定ユニット5は、優先順位が3番目の携帯機1Cに認証要求信号を送信するが、保持者CCもまた車両10のドア近傍にいないため、携帯機1Cの認証は成功しない。最後に、固定ユニット5は、優先順位が4番目の携帯機1Dに認証要求信号を送信するので、保持者DDが車両10のドア近傍にいるため、携帯機1Dの認証が成功し、ドアの解錠が行われる。そして、図4(b)に示すように、最後に認証に成功した携帯機1Dの優先順位が最高位(1番目)に設定されるので、車外優先順位データCUDでの識別番号D11が1番目に更新される。さらに、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号(A11、B11、C11)のそれぞれが降順される。
【0043】
ドアの解錠後、保持者DDが例えば助手席に座り、後から来た保持者CCが運転席に座る。そして、保持者CCがエンジン始動リクエストボタン26を操作すると、図4(b)に示す車内優先順位データCIDに規定された優先順位に従って、固定ユニット5は、まず優先順位が1番目の携帯機1Aに認証要求信号を送信する。しかし、保持者AAは車両10内にいないため、携帯機1Aの認証は成功しない。同様にして、保持者BBは車両10内にいないため、優先順位が2番目の携帯機1Bの認証も成功しない。
【0044】
次に、固定ユニット5は、優先順位が3番目の携帯機1Cに認証要求信号を送信するので、保持者CCが車両10内の運転席にいるため、携帯機1Cの認証が成功し、保持者CCはエンジン始動スイッチをオンにすることが可能になる。そして、図4(c)に示すように、最後に認証に成功した携帯機1C優先順位が最高位(1番目)に設定されるので、車内優先順位データCIDでの識別番号C11が1番目に更新される。さらに、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号(A11、B11)のそれぞれが降順される。
【0045】
保持者CCが車両10を運転して目的地のショッピングセンタに着いた後、車両10から離れるため、保持者CCがドア施錠リクエストボタン29を操作すると、図4(c)に示す車外優先順位データCUDに規定された優先順位に従って、固定ユニット5は、まず優先順位が1番目の携帯機1Dに認証要求信号を送信する。保持者DDが車両10のドア近傍にいる際には、一番目の認証作業で携帯機1Dの認証が成功し、ドアの施錠が行われる。保持者DDが車両10のドア近傍にいない際には、携帯機1Dの認証は成功しない。
【0046】
ここで、保持者DDがショッピングセンタに既に向かっていて車両10のドア近傍にいないとすると、次に、固定ユニット5は、優先順位が2番目の携帯機1Aに認証要求信号を送信するが、保持者AAもまた当然の事ながら車両10のドア近傍にいないため、携帯機1Aの認証は成功しない。同様にして、保持者BBも車両10のドア近傍にいないため、優先順位が3番目の携帯機1Bの認証も成功しない。そして、固定ユニット5は、優先順位が4番目の携帯機1Cに認証要求信号を送信するので、保持者CCが車両10のドア近傍にいるため、携帯機1Cの認証が成功し、ドアの施錠が行われる。そして、図4(d)に示すように、最後に認証に成功した携帯機1Cの優先順位が最高位(1番目)に設定されるので、車外優先順位データCUDでの識別番号C11が1番目に更新される。さらに、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号(D11、A11、B11)のそれぞれが降順される。
【0047】
次に、ショッピングを終えた後、保持者DDが車両10に戻り、保持者DDがドア解錠リクエストボタン28を操作すると、図4(d)に示す車外優先順位データCUDに規定された優先順位に従って、固定ユニット5は、まず優先順位が1番目の携帯機1Cに認証要求信号を送信する。保持者CCが車両10のドア近傍にいる際には、一番目の認証作業で携帯機1Cの認証が成功し、ドアの解錠が行われる。保持者CCが車両10のドア近傍にいない際には、携帯機1Cの認証は成功しない。
【0048】
ここで、保持者CCがショッピングセンタから戻るのが遅れて車両10のドア近傍にいないとすると、次に、固定ユニット5は、優先順位が2番目の携帯機1Dに認証要求信号を送信するので、保持者DDが車両10のドア近傍にいるため、携帯機1Dの認証が成功し、ドアの解錠が行われる。そして、図4(e)に示すように、最後に認証に成功した携帯機1Dの優先順位が最高位(1番目)に設定されるので、車外優先順位データCUDでの識別番号D11が1番目に更新される。さらに、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号C11が降順される。
【0049】
ドアの解錠後、保持者DDが助手席に座り、後から来た保持者CCが運転席に坐り、保持者CCがエンジン始動リクエストボタン26を操作すると、図4(e)に示す車内優先順位データCIDに規定された優先順位に従って、固定ユニット5は、まず優先順位が1番目の携帯機1Cに認証要求信号を送信する。そして、保持者CCが車両10内の運転席にいるため、一番目の認証作業で携帯機1Cの認証が成功し、保持者CCはエンジン始動スイッチをオンにすることが可能になる。
【0050】
そして、保持者CCと保持者DDが次の目的地に向かい、保持者CCと保持者DDによって、同じ様な車外行為AUと車内行為AIが繰り返される。この際には、図4(d)または図4(e)に示す車外優先順位データCUD及び車内優先順位データCIDに規定された優先順位に従って、認証作業が行われるので、保持者CC及び保持者DDが行う行為に対して、1番目か2番目の認証作業で、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機(1C、1D)の認証がされることとなる。
【0051】
このようにして、初期の認証作業では、複数の携帯機1に対して何回か認証作業を繰り返すことになるが、ある程度繰り返すと、ユーザ(保持者)が行う行為に対して、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1の認証確率が向上するようになる。また、エンジン始動のような車内行為AIの場合、ある程度ユーザ(保持者)が特定されるので、初期の段階から、その行為を行うユーザ(保持者)の携帯機1の優先順位が1番目に固定されるようになる。このため、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1の認証確率がより向上することとなる。
【0052】
また、保持者AAと保持者BBが車両10を使用した場合でも、上記と同様なことが行われ、ユーザ(保持者)が行う行為に対して、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1の認証確率が向上するようになる。
【0053】
また、車外行為AUと車内行為AIとに分けたことで、例えば、エンジン始動等の運転者の車内行為AIが、保持者AAと保持者CCとに固定され、車内優先順位データCIDの上位に常に優先順位付けされるので、運転者が行う車内行為AIに対して、保持者AA及び保持者CC自身が保持する携帯機(1A、1C)の認証確率が向上するようになる。
【0054】
以上により、本発明のキーレス認証システム101は、複数の携帯機1のうちの一つを保持するユーザ(保持者)が、自身の保持する携帯機1の認証の成功が予め必要な行為を行おうとするとき、その行為を車外行為AUと車内行為AIとに分け、それぞれの行為に応じた車外優先順位データCUDと車内優先順位データCIDとに従い、複数の携帯機1の識別番号を認証するようにした。このため、それぞれの行為を分けない場合と比較して、ユーザ(保持者)が行う行為に対して、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1の認証確率を向上させることができる。このことにより、複数の携帯機1が登録されていても、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1との応答性を向上させることができ、ユーザの操作感を良くすることができる。
【0055】
また、識別番号によって構成された優先順位データが、最後に認証に成功した携帯機1の識別番号を最高位の優先順位に設定されるとともに、優先順位に並べられていた識別番号のそれぞれが降順されるようにした。このため、常に直近に行われたユーザ(保持者)の行為に近い携帯機1の順から、識別番号を認証するようになる。このため、ユーザ(保持者)が行う行為に対して、ユーザ自身が保持する携帯機1の認証確率をより向上させることができる。このことにより、複数の携帯機1が登録されていても、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1との応答性をより向上させることができ、ユーザ(保持者)の操作感をより良くすることができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0057】
図5は、本発明の第1実施形態のキーレス認証システム101の変形例1を説明する図であって、車両10の利用者の行動と車外優先順位データCUD及び車内優先順位データCIDの変化とを時系列的に説明するための図であって、図5(a)は、初期に設定されている優先順位データであり、図5(b)から図5(e)までは、優先順位データの変遷を示した図である。
【0058】
<変形例1>
上記第1実施形態では、最後に認証に成功した携帯機1の車外優先順位データCUD或いは車内優先順位データCIDでの優先順位を1番目の優先順位に設定し、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号のそれぞれを降順するように好適に構成したが、最後に認証に成功した携帯機1の車外優先順位データCUD或いは車内優先順位データCIDでの優先順位を最優先の優先順位に設定し、その前に優先順位の順に並べられていた識別番号のそれぞれを降順しなくても良い。
【0059】
例えば、図5(a)に示す車外優先順位データCUDと車内優先順位データCIDが登録されている場合、上記第1実施形態での利用者の行動によって、図5(b)から図5(e)に示すように、優先順位データが変遷する。つまり、最後に認証に成功した携帯機1の識別番号が最高位の優先順位に位置付けられる。この際には、一度認証作業を行った携帯機1に対しては、再度認証を行わないように、認証作業をスキップするステップをプログラムに設ける方が良い。
【0060】
<変形例2>
上記第1実施形態では、初期の優先順位データはランダムに設定されていたが、車外行為AUに応じた車外優先順位データCUDと車内行為AIに応じた車内優先順位データCIDとに優先順位データを分けたので、予めそれぞれの行為を行う携帯機1を決めておき(例えば運転者用は携帯機1Aと携帯機1C、同乗者用は携帯機1Bと携帯機1D)、それぞれの優先順位データを別々に後から予め登録できるようにしても良い。このことにより、複数の携帯機1が登録されていても、ユーザ(保持者)自身が保持する携帯機1との応答性をより向上させることができ、ユーザ(保持者)の操作感をより良くすることができる。
【0061】
<変形例3>
上記第1実施形態では、送信アンテナ22の通信可能領域を制限することによって、携帯機1が車外のドア近傍にある場合や携帯機1が車内の運転席近傍にある場合に、固定ユニット5と携帯機1とが相互に通信可能になるようにしたが、通信信号の周波数を低周波数にして、通信可能領域を制限するように構成しても良い。
【0062】
<変形例4>
上記第1実施形態では、ドア解錠リクエストボタン28、ドア施錠リクエストボタン29及びエンジン始動リクエストボタン26を操作することがトリガとなって、固定ユニット5が携帯機1と通信を開始するようにしたが、定期または不定期にて、固定ユニット5が携帯機1と通信を開始してもよい。例えば、携帯機1の保持者がドアに近付くのみで通信が開始されたり、携帯機1の保持者が車内の運転席に居るのみで通信が開始されても良い。
<変形例5>
上記第1実施形態のキーレス認証システム101は、ドアの解錠、ドアの施錠及びエンジンの始動に適用されていたが、ハンドルロック等の他の機能のセキュリティ確保にも適用可能である。また、本発明のキーレス認証システム101は、例えば住宅のドア等、車両10以外の輸送機械や建造物にも適用可能である。
【0063】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1、1A、1B、1C、1D 携帯機
A11、B11、C11、D11 識別番号
4 記憶装置
5 固定ユニット
AI 車内行為
AU 車外行為
CID 車内優先順位データ
CUD 車外優先順位データ
101 キーレス認証システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の識別番号をそれぞれ有する複数の携帯機と、
前記複数の携帯機の優先順位に関する優先順位データを記憶する記憶装置と、
前記複数の携帯機のうちの一つを保有するユーザが、自身の保有する前記携帯機の認証の成功が予め必要な行為を行おうとするとき、前記優先順位データに従って順々に前記複数の携帯機と通信を行い、前記識別番号を利用した認証を行う固定ユニットと、
を備えたキーレス認証システムにおいて、
前記行為を車外行為と車内行為とに分け、
前記優先順位データは、前記車外行為が行われて決められた前記優先順位を車外優先順位データとし、前記車内行為が行われて決められた前記優先順位を車内優先順位データとし、
それぞれの前記行為に応じて、ぞれぞれの前記優先順位データに従うことを特徴とするキーレス認証システム。
【請求項2】
前記優先順位データは、認証に成功したときの前記携帯機の前記識別番号によって構成された複数のデータであり、
前記優先順位データは、最後に認証に成功した携帯機の前記識別番号が最高位の優先順位に設定されるとともに、優先順位に並べられていた前記識別番号のそれぞれが降順されることを特徴とする請求項1に記載のキーレス認証システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−255311(P2012−255311A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−129706(P2011−129706)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】