説明

クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法およびクラウド提供側システム

【課題】利用者によるクラウドアプリケーションの利用において、クラウドアプリケーションが利用不可の場合でも、利用者がクラウドアプリケーションの利用を継続することができるクラウド提供側システムを提供する。
【解決手段】クラウド提供側システムにおいて、利用者がクラウドアプリケーション110を利用した際、クラウドアプリケーション110のデータをキャッシュするクラウドデータキャッシュ処理部130と、クラウドアプリケーション110の利用不可時に、クラウドデータキャッシュ処理部130でキャッシュされたデータと共に利用者に提供される代替アプリケーション170と、クラウドアプリケーション110の復旧時に、代替アプリケーション170でのデータを、クラウドアプリケーション110のデータと同期させるデータ同期処理部150とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、普及するクラウドで提供されるWebアプリケーション(以下クラウドアプリケーションと記載する)のアプリケーションキャッシュ方法およびクラウド提供側システムに関し、特に、データを同期しておき、クラウドアプリケーションが利用不可な状態になった場合に、利用者の利用を継続させるためにクラウドアプリケーションと同等の機能を有する代替のWebアプリケーションを提供するとともに、代替アプリケーションで操作したデータをクラウドアプリケーションに同期させる処理に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メールサーバが保守や障害等で使用できない場合であっても、代替のメールサーバを使用して、メールクライアントからの電子メールを遅滞なく送信する技術として、例えば、特開2004−104732号公報(特許文献1)に記載された技術が知られている。
【0003】
この技術は、保守や障害等によりメールサーバが使用できない場合等に、そのメールサーバを送信用サーバや受信用サーバとして使用しているメールクライアントに対し、代替のメールサーバに関する設定変更情報を送信するものである。この設定変更情報には、代替のメールサーバのドメイン名やIPアドレス、メールアドレス情報等を含めている。
【0004】
メールクライアントは、この情報を用い、メールサーバの設定を変更し、電子メールの送受信時には代替のメールサーバを使用する。メールクライアントは代替のメールサーバを介して電子メールを送受信するので、速やかに送信処理を行うことができる。
【0005】
また、上記設定変更情報に、代替のメールサーバの使用を有効にする時刻情報を含めて、メールサーバの保守等に備えメールサーバの代替えを予告できる。そして、その時刻以降は代替のメールサーバによる電子メールの送受信を可能にし、電子メールの送受信ができない事態を防止する。
【0006】
また、クライアントが使用しているメールサーバの動作状態を他のメールサーバにより確認し、動作状態に変更があれば代替のメールサーバを使用することとし、上記設定変更情報をクライアントに送信し、メールサーバに関する設定変更を迅速に行う。
【0007】
そのため、急な障害等により電子メールの送受信が不可能になる事態を避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−104732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
クラウドアプリケーションでは、利用者によるサーバの構築/管理、アプリケーションの開発/管理が不要である。さらに、クラウドアプリケーションは、インターネット上で公開されているアプリケーションであるため、インターネット環境さえあれば、どこからでも利用することができる。
【0010】
同様に、データもクラウドアプリケーション内に保存されるため、いつでも、どこからアクセスしても、継続してデータを使用することが可能である。また、クラウドアプリケーションを提供する側は、常に最新の機能を提供することができるため、利用者は最新のクラウドアプリケーションを利用し続けることができる。
【0011】
しかし、クラウドアプリケーションはマルチテナントに対応しているため、利用者が固有の機能や設定でクラウドアプリケーションを利用するためには、制限が存在する。また、クラウドアプリケーション側の障害等で利用不可になった場合、アプリケーションもデータもクラウドアプリケーションが保持しているため、利用者はそれらの利用ができなくなる。さらに、クラウドアプリケーションの可用性を高めようとしても、クラウドアプリケーション提供者に依存してしまうため、コントロールできない。
【0012】
例えば、特許文献1に記載のものは、クライアントマシンを有するメールシステムに適用可能であり、メールサーバからの通知を受け、クライアントマシンで接続先のメールサーバを変更するものである。クラウドアプリケーションでは、Webアプリケーションであり、固有のクライアントマシンは不要である上、利用者が接続先を選択/変更することはできないため、特許文献1の技術をクラウド環境に適用することはできない。
【0013】
また、特許文献1では、すでに送受信したメールがメールサーバのみに存在する場合、クライアントの接続先を代替メールサーバに変更すると、それらのメールを参照することができなくなる。クラウドアプリケーションにおいても、クラウドアプリケーションの利用不可時、既存データの参照ができなくなるという同様の問題が発生する。
【0014】
そこで、本発明は、利用者によるクラウドアプリケーションの利用において、クラウドアプリケーションが利用不可の場合でも、利用者がクラウドアプリケーションの利用を継続することができるクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法およびクラウド提供側システムを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
【0017】
すなわち、代表的なものの概要は、クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法において、クラウド提供側システムにより、利用者がクラウドアプリケーションを利用した際、クラウドアプリケーションのデータをキャッシュし、クラウドアプリケーションの利用不可時には、クラウドアプリケーションの代替アプリケーションをキャッシュしたデータと共に提供し、クラウドアプリケーションの復旧時に、代替アプリケーションでのデータを、クラウドアプリケーションのデータと同期させるものである。
【0018】
また、クラウド提供側システムにおいて、利用者がクラウドアプリケーションを利用した際、クラウドアプリケーションのデータをキャッシュするクラウドデータキャッシュ処理部と、クラウドアプリケーションの利用不可時に、クラウドデータキャッシュ処理部でキャッシュされたデータと共に利用者に提供される代替アプリケーションと、クラウドアプリケーションの復旧時に、代替アプリケーションでのデータを、クラウドアプリケーションのデータと同期させるデータ同期処理部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0020】
すなわち、代表的なものによって得られる効果は、クラウドアプリケーションが利用不可の場合でも、利用者がクラウドアプリケーションの利用を継続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係るクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法を実施するクラウド提供側システムの構成を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法で使用される利用者テーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるクラウドデータキャッシュ処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるデータ同期処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者管理処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者の代替アプリケーションのアクセス動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0023】
<クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法を実施するクラウド提供側システムの構成>
図1により、本発明の一実施の形態に係るクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法を実施するクラウド提供側システムの構成について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係るクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法を実施するクラウド提供側システムの構成を示す構成図、図2は本発明の一実施の形態に係るクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法で使用される利用者テーブルの一例を示す図である。
【0024】
図1において、クラウド提供側システムとしては、クラウドアプリケーション110を提供するサーバなどの情報処理装置、クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法を実施するためのサーバなどから構成されるアプリケーションキャッシュ装置120から構成されている。
【0025】
クラウドアプリケーション110を提供するサーバなどの情報処理装置およびアプリケーションキャッシュ装置120は、ネットワークに接続され、ネットワークを介して、利用者に対するクラウドアプリケーション110の提供などのサービスを行っている。
【0026】
また、アプリケーションキャッシュ装置120は、クラウドデータキャッシュ処理部130、図2に示す利用者テーブル600を格納するデータベース140、データ同期処理部150、利用者管理処理部160、代替アプリケーション170から構成されている。
【0027】
図2において、データベース140に格納された利用者テーブル600は、利用者ID610、企業情報620、パスワード630の項目を有し、利用者ID610および企業情報620は、利用者の識別子として使用され、利用者を一意に識別している。企業情報620を保持することで、クラウドアプリケーション110と同様にマルチテナントに対応することが可能である。パスワード630は利用者の認証に使用する値である。
【0028】
<クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法の処理動作の概略>
次に、クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法の処理動作の概略について説明する。
【0029】
まず、クラウドアプリケーション110が利用可能時、アプリケーションキャッシュ装置120のクラウドデータキャッシュ処理部130において、クラウドアプリケーション110のデータを同期させている。
【0030】
また、クラウドアプリケーション110が利用不可時、利用者はデータベース140の利用者テーブル600を参照することにより認証されると、代替アプリケーション170を利用する。
【0031】
クラウドアプリケーション110が利用不可になった後、復旧時、利用者が代替アプリケーション170で操作したデータは、データ同期処理部150によって、クラウドアプリケーション110へ同期される。
【0032】
クラウドアプリケーション110において、利用者情報が新規登録/変更/削除された場合、クラウドアプリケーション110とアプリケーションキャッシュ装置120の利用者を同期する。
【0033】
以下、アプリケーションキャッシュ装置120内の各部の処理動作について説明する。
【0034】
<クラウドデータキャッシュ処理部の処理動作>
図3により、本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるクラウドデータキャッシュ処理部の処理動作について説明する。図3は本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるクラウドデータキャッシュ処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【0035】
まず、クラウドアプリケーション110が利用不可となった場合に、利用者が代替アプリケーション170でデータを参照できるように、クラウドアプリケーション110のデータをアプリケーションキャッシュ装置120に同期する。
【0036】
データの同期時期と同期方法はクラウドアプリケーション110の操作やスケジュールにより決定されており、同期時期の決定は、クラウドアプリケーション110でデータが操作されたかの判定(ステップ210)、ステップ210でクラウドアプリケーション110でデータが操作されていない場合のスケジュールによる実行かの判定(ステップ230)により行われる。
【0037】
ステップ210の判定により、クラウドアプリケーション110のデータが操作された場合は、クラウドアプリケーション110のデータ操作により処理を実施する(ステップ220)。
【0038】
また、ステップ210でクラウドアプリケーション110でデータが操作されていない場合は、ステップ230の判定により、スケジュールによる実行の場合は、スケジュールによって処理を実施する(ステップ240)。
【0039】
また、ステップ230の判定により、スケジュールによる実行ではなく、任意のタイミングで実行する場合は、手動で処理を実施する(ステップ250)。
【0040】
また、同期方法としては、データの取得方法を判定し(ステップ260)、ステップ260では、クラウドアプリケーション110から送信される場合、またはクラウドアプリケーション110に対して取得処理を行う場合を判定する。
【0041】
そして、ステップ260での判定に基づいて、クラウドアプリケーション110からデータが送信される場合の処理(ステップ270)、またはクラウドアプリケーション110に対しデータ取得処理を実施する場合の処理(ステップ280)が選択される。
【0042】
そして、ステップ270またはステップ280の処理によるクラウドアプリケーション110のデータをクラウドデータキャッシュ処理部130で取得する(ステップ285)。
【0043】
そして、ステップ285で取得したデータについて、すでに同期済みのデータと重複の有無を確認し(ステップ290)、ステップ290で重複がない場合は、取得したデータを保存する(ステップ296)。
【0044】
ステップ290で重複があり、取得したデータで更新保存する場合は、取得したデータを更新登録する(ステップ292)。
【0045】
ステップ290で重複があり、取得したデータで更新保存を行わない場合、終了する。
【0046】
以上の処理により、利用者がクラウドアプリケーション110を利用している際には、クラウドアプリケーション110のデータがクラウドデータキャッシュ処理部130に保存され、クラウドアプリケーション110のデータを同期させることができる。
【0047】
<データ同期処理部の処理動作>
次に、図4により、本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるデータ同期処理部の処理動作について説明する。図4は本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法におけるデータ同期処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【0048】
データ同期処理部150は、クラウドアプリケーション110のサービス停止中に、利用者が代替アプリケーション170を利用して操作したデータを、クラウドアプリケーション110に対して同期させる処理を行っている。
【0049】
データ同期処理の同期時期は、スケジュール機能を有し、スケジュール設定により実施するか、または任意のタイミングで実行する。
【0050】
まず、スケジュールによる実行かを判定し(ステップ305)、ステップ305の判定により、スケジュールによる実行の場合は、スケジュールにより処理を実施する(ステップ310)。
【0051】
また、ステップ305の判定により、スケジュールによる実行ではなく、任意のタイミングで実行する場合は、手動で処理を実施する(ステップ315)。
【0052】
そして、ステップ310またはステップ315により、データ同期処理が実行されると、同期先のクラウドアプリケーション110が利用可能かを判定し(ステップ320)、ステップ320の判定により利用不可の場合、処理は終了する。
【0053】
また、ステップ320の判定により、利用可の場合、代替アプリケーション170によって操作された同期対象データの有無を確認し(ステップ330)、ステップ330の確認により、同期対象データが存在しない場合、終了する。
【0054】
ステップ330の確認により、データが存在する場合、代替アプリケーション170で利用者が使用した同期対象のデータを抽出し(ステップ340)、ステップ340で抽出されたデータをクラウドアプリケーション110に対し重複を確認した上で同期する(ステップ350)。
【0055】
以上の処理により、クラウドアプリケーション110のサービス停止中のデータを、代替アプリケーション170からクラウドアプリケーション110へ同期させることができる。
【0056】
<利用者管理処理部の処理動作>
次に、図5により、本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者管理処理部の処理動作について説明する。図5は本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者管理処理部の処理動作を示すフローチャートである。
【0057】
利用者情報の同期時期と同期方法はクラウドアプリケーション110の操作やスケジュールにより決定されており、同期時期の決定は、クラウドアプリケーション110で利用者情報が操作されたかの判定(ステップ405)、ステップ405でクラウドアプリケーション110で利用者情報が操作されていない場合のスケジュールによる実行かの判定(ステップ420)により行われる。
【0058】
ステップ405の判定により、クラウドアプリケーション110の利用者情報が操作された場合は、クラウドアプリケーション110の利用者情報の操作により処理を実施する(ステップ410)。
【0059】
また、ステップ405でクラウドアプリケーション110で利用者情報が操作されていない場合は、ステップ420の判定により、スケジュールによる実行の場合は、スケジュールによって処理を実施する(ステップ425)。
【0060】
また、ステップ420の判定により、スケジュールによる実行ではなく、任意のタイミングで実行する場合は、手動で処理を実施する(ステップ430)。
【0061】
また、同期方法としては、データの取得方法を判定し(ステップ435)、ステップ435では、クラウドアプリケーション110から送信される場合、またはクラウドアプリケーション110に対して取得処理を行う場合を判定する。
【0062】
そして、ステップ435での判定に基づいて、クラウドアプリケーション110から利用者情報が送信される場合の処理(ステップ440)、またはクラウドアプリケーション110に対し利用者情報取得処理を実施する場合の処理(ステップ445)が選択される。
【0063】
そして、ステップ440またはステップ445の処理によるクラウドアプリケーション110の利用者情報を利用者管理処理部160で取得する(ステップ450)。
【0064】
そして、取得した利用者情報が、利用者が新規登録/変更/削除の情報のいずれかを判定する(ステップ455)。
【0065】
ステップ455の判定により、新規登録の場合は、利用者テーブル600に利用者の利用者ID610、企業情報620、パスワード630を追加し、利用者テーブル600に登録し(ステップ470)、利用者テーブルの更新が完了すると、登録された利用者は、代替アプリケーション170の利用が可能になると共に、クラウドアプリケーション110のデータのアプリケーションキャッシュ装置120への同期が開始される。
【0066】
また、ステップ455の判定により、利用者情報を変更する場合は、利用者テーブル600のパスワード630を変更し、利用者テーブル600を更新する(ステップ480)。利用者は、変更されたパスワードを利用し、代替アプリケーション170へアクセス可能になる。
【0067】
また、ステップ455の判定により、利用者情報を削除する場合は、利用者テーブル600から削除対象の利用者情報を削除する(ステップ460)。削除された利用者は、代替アプリケーション170を利用できなくなると共に、クラウドアプリケーション110のデータがアプリケーションキャッシュ装置120へ同期されなくなる。
【0068】
以上の処理により、利用者がクラウドアプリケーション110を利用する際の利用者情報を、データベース140に格納されている利用者テーブル600に同期させることができる。
【0069】
<利用者の代替アプリケーションのアクセス動作>
次に、図6により、本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者の代替アプリケーションのアクセス動作について説明する。図6は本発明の一実施の形態に係るラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法における利用者の代替アプリケーションのアクセス動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、クラウドアプリケーション110が利用可能時は、利用者はクラウドアプリケーション110へアクセスする(ステップ510)。
【0071】
そして、クラウドアプリケーション110が利用可能かを判定し(ステップ520)、ステップ520の判定により、利用可能の場合は、利用者はクラウドアプリケーション110を利用する(ステップ560)。
【0072】
また、ステップ520の判定により、クラウドアプリケーション110が利用不可の場合は、利用者は代替アプリケーション170へアクセスする(ステップ530)。
【0073】
そして、代替アプリケーション170では、入力値として利用者ID、企業情報、パスワードを取得し、利用者テーブル600に一致するデータを照会し、利用者の認証を行い(ステップ540)、認証された利用者は、代替アプリケーション170を利用する(ステップ550)。
【0074】
以上の処理により、利用者はクラウドアプリケーション110が利用不可の場合でも、代替アプリケーション170を利用することができる。
【0075】
本実施の形態では、クラウドアプリケーション110のデータをアプリケーションキャッシュ装置120で同期し、クラウドアプリケーション110が利用不可時に、利用者に対し代替アプリケーション170の提供、クラウドアプリケーション110の復旧後に代替アプリケーション170で操作したデータの同期を行うことができる。
【0076】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、クラウドアプリケーションを使用するメールシステムや会計システムなどの他のシステムや装置にも幅広く適用することができる。
【符号の説明】
【0078】
110…クラウドアプリケーション、120…アプリケーションキャッシュ装置、130…クラウドデータキャッシュ処理部、140…データベース、150…データ同期処理部、160…利用者管理処理部、170…代替アプリケーション、600…利用者情報テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者にクラウドアプリケーションを提供するクラウド提供側システムによる前記クラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法であって、
前記クラウド提供側システムにより、前記利用者が前記クラウドアプリケーションを利用した際、前記クラウドアプリケーションのデータをキャッシュし、前記クラウドアプリケーションの利用不可時には、前記クラウドアプリケーションの代替アプリケーションを前記キャッシュしたデータと共に提供し、前記クラウドアプリケーションの復旧時に、前記代替アプリケーションでのデータを、前記クラウドアプリケーションのデータと同期させることを特徴とするクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法。
【請求項2】
請求項1に記載のクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法において、
前記クラウド提供側システムにより、前記利用者の利用者情報をデータベースに格納し、前記データベースに格納された前記利用者情報に基づいて、前記代替アプリケーション提供時の前記利用者の認証を行うことを特徴とするクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法。
【請求項3】
請求項2に記載のクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法において、
前記クラウド提供側システムにより、前記利用者が前記クラウドアプリケーションを利用した際、前記利用者情報の登録、変更、または削除があると、前記データベースに格納された前記利用者情報の内容を更新することを特徴とするクラウドアプリケーションのアプリケーションキャッシュ方法。
【請求項4】
利用者にクラウドアプリケーションを提供するクラウド提供側システムであって、
前記利用者が前記クラウドアプリケーションを利用した際、前記クラウドアプリケーションのデータをキャッシュするクラウドデータキャッシュ処理部と、
前記クラウドアプリケーションの利用不可時に、前記クラウドデータキャッシュ処理部でキャッシュされたデータと共に前記利用者に提供される代替アプリケーションと、
前記クラウドアプリケーションの復旧時に、前記代替アプリケーションでのデータを、前記クラウドアプリケーションのデータと同期させるデータ同期処理部とを備えたことを特徴とするクラウド提供側システム。
【請求項5】
請求項4に記載のクラウド提供側システムにおいて、
前記利用者の利用者情報を格納するデータベースを備え、
前記代替アプリケーションは、前記利用者に提供される際、前記データベースに格納された前記利用者情報に基づいて、前記利用者の認証を行うことを特徴とするクラウド提供側システム。
【請求項6】
請求項5に記載のクラウド提供側システムにおいて、
前記利用者が前記クラウドアプリケーションを利用した際、前記利用者情報の登録、変更、または削除があると、前記データベースに格納された前記利用者情報の内容を更新する利用者管理処理部を備えたことを特徴とするクラウド提供側システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−4058(P2013−4058A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138127(P2011−138127)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】