クラッチディスク摩耗検出装置
【課題】 本発明はクラッチディスク摩耗検出装置に係り、インジケータの種類の削減を可能としたクラッチディスク摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【解決手段】 ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチディスクの摩耗限度を検出するクラッチディスク摩耗検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クラッチディスクの摩耗限度を検出するクラッチディスク摩耗検出装置として、特許文献1または特許文献2に開示されるように、クラッチハウジングに取り付くステーに目盛りの付いたインジケータを取り付け、クラッチブースタの可動するロッド部に付いたインジケータプレートの動きでクラッチディスクの摩耗限度を検出する構造のものが知られている。
【0003】
図7は特許文献1に開示されたクラッチディスク摩耗検出装置を示し、図中、1はクラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフト、3は当該クラッチ操作用シャフト1を回転中心として揺動可能に取り付くアウタレバーで、アウタレバー3の端部は、操作駆動手段であるクラッチブースタのプッシュロッド5とボールジョイント7を介して回動自在に接続されている。そして、プッシュロッド5の端部に指針であるインジケータプレート9が取り付き、これに対応してインジケータ(ウェアインジケータ)11がクラッチハウジングに取り付くステー13にボルト締めされている。
【0004】
インジケータ11には、クラッチディスクが摩耗した状態を示す目盛り(例えば、「MIN」なる刻印等)15が設けられ、その目盛り15と固定側の端部との間の領域には、クラッチディスク組付け時の状態を示す目盛り(例えば、「SET」なる刻印等)17が設けられている。更に、二つの目盛り15、17に対応してインジケータ11の板幅部にV字状の切欠き19、21が設けられている。
【0005】
そして、クラッチディスク摩耗検出装置23は、クラッチディスクを組み付けた際に、インジケータプレート9の先端が「SET」なる目盛り17の切欠き21を指し、クラッチディスクが摩耗するに伴いアウタレバー3が矢印A方向へ回動し、インジケータプレート9が同方向に移行する。そして、クラッチディスクが摩耗の限界に達した場合、インジケータプレート9の先端が「MIN」なる目盛り15の切欠き19を指すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭59−170205号公報
【特許文献2】特開2010−144776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来、この種のクラッチディスク摩耗検出装置は、クラッチやトランスミッションの仕様によってインジケータの長さや取付位置が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトによって使用限度までの移動量に違いがあるため、インジケータが異なる場合があった。
【0008】
このため、従来では、車両の仕様毎に長さの異なるインジケータが必要となって部品の管理工数が増加し、また、生産台数の少ない車型ではインジケータの製造コストが高くついてしまう場合があった。
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、インジケータの種類の削減を可能としたクラッチディスク摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
斯かる目的を達成するため、第1の本発明は、ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【0011】
また、第2の本発明は、ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のワイヤで形成し、当該ワイヤの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ワイヤの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するワイヤの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1、第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置によれば、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のロッドやワイヤで対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となり、現行レイアウトに対して変更することなく使用が可能である。
【0013】
更に、ロッドまたはワイヤととパイプ部材だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる利点を有する。
【0014】
また、第2の発明によれば、ロッドをワイヤに変更することで、確認し易い位置にインジケータを設置することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態の全体斜視図である。
【図2】クラッチディスク摩耗検出装置の分解斜視図である。
【図3】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図4】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図5】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図6】第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態の全体斜視図である。
【図7】従来のクラッチディスク摩耗検出装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は第1の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態を示し、図中、25はクラッチハウジング27を挿通するクラッチ操作用シャフト、29はクラッチ操作用シャフト25を回転中心に揺動可能に取り付くアウタレバー(リリーズシャフトレバー)で、アウタレバー29の端部側は、クラッチブースタ31のプッシュロッド33にボールジョイント35を介して回動自在に接続されている。
【0018】
また、図1中、37は図2に示すように一端側にリング状の連結部材39が止着された1本の金属製のロッドで、本実施形態は、当該ロッド37をクラッチディスクの摩耗状態を検出するインジケータとして利用している。
【0019】
即ち、図2に示すようにアウタレバー25の端部には、前記ロッド37を連結する取付孔41が用いられている。そして、先端にストッパ43の係止孔45が形成された筒状の連結ピン47を、前記連結部材39と取付孔41、ワッシャ49に挿通させて、係止孔45にストッパ43を係止することで、ロッド37の一端側がアウタレバー25に回動自在に連結されている。
【0020】
また、図1及び図2に示すようにロッド37の他端側は1本の金属製のパイプ部材51に挿通している。そして、クラッチディスクの組み付け時に、図2及び図3に示すようにパイプ部材51から突出するロッド37の端部に図4の如くパイプ部材51の端部が面一になるようにパイプ部材51の位置を矢印方向へ移動、調整した後、パイプ部材51の端部がロッド37の端部と面一になった状態で、当該パイプ部材51が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0021】
図2に示すように取付ブラケット53は、前記パイプ部材51を圧入させる筒状の保持部57が先端に形成されたプレート部材からなり、断面略L字状に形成されたステー55にボルト締めされている。
【0022】
そして、既述したようにクラッチディスクの組み付け時に、パイプ部材51の端部とロッド37の端部は面一になっているが、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図1の矢印方向へ回動すると、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から出てくるようになっている。また、図2及び図5に示すようにパイプ部材51側のロッド37の端部側外周には、摩耗限度マーク59が所定の範囲に亘ってローレット加工されており、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から出て摩耗限度マーク59がパイプ部材51から現れることで、クラッチディスクの摩耗限界を作業者に認識させるようになっている。
【0023】
本実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置61はこのように構成されているから、図2に示すようにロッド37の一端側をアウタレバー25に回動自在に連結し、図2及び図3に示すようにパイプ部材51から突出するロッド37の他端側端部に図4の如くパイプ部材51の端部が面一になるようにパイプ部材51の位置を矢印方向へ移動、調整した後、パイプ部材51の端部がロッド37の端部と面一になった状態で、当該パイプ部材51を取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固定すればよい。
【0024】
このように、クラッチディスクの組み付け時にパイプ部材51の端部とロッド37の端部は面一になっているが、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図1の矢印方向へ回動すると、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から突出し、摩耗限度マーク59がパイプ部材51から現れることでクラッチディスクの摩耗限界を作業者に認識させることとなる。
【0025】
また、既述したように、従来、クラッチやトランスミッションの仕様によってインジケータの長さや取付位置が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトによってインジケータを種々変える必要があったが、本実施形態に於けるロッド37は、仕様に応じ図3の如くクラッチディスクの組み付け時にパイプ部材57を矢印方向へ移動調整し、また、仕様に応じアウタレバー25に対するロッド37の取付位置を変えて、即ち、アウタレバー25に設ける取付孔の位置を変更してレバー比を変えることで、多くの仕様に対し1本のロッド37で対応が可能となり、前記摩耗限度マーク59が総ての仕様に機能する。
【0026】
このように本実施形態によれば、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のロッド37で対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となり、また、現行レイアウトに対して変更することなく使用が可能である。
【0027】
更に、ロッド37とパイプ部材51だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる利点を有する。
【0028】
また、摩耗限度マーク59を設けたことで、クラッチディスクの摩耗状態を良好に認識することができる利点を有する。
【0029】
図6は第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態を示し、本実施形態は、前記ロッド37に代えてワイヤ63を用いたものである。
【0030】
即ち、ワイヤ63の一端側は前記ロッド37と同一構造によってアウタレバー29に回動自在に連結され、ワイヤ63の他端側にパイプ部材65が被覆している。パイプ部材65は前記パイプ部材51より長尺に形成されて、図示するようにその前後2箇所が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0031】
パイプ部材65は、クラッチディスクの組み付け時に、後側のパイプ部材65から突出するワイヤ63の端部にパイプ部材65の端部が面一になるようにパイプ部材65の位置を移動、調整した後、後側のパイプ部材65の端部がワイヤ63の端部と面一になった状態で、パイプ部材65の前後2箇所が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0032】
そして、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図6の矢印方向へ回動すると、図示するようにワイヤ63がパイプ部材65から出てくるようになっている。また、図示しないがワイヤ63の端部側外周には摩耗限度マークがペイントされており、摩耗限度マークがパイプ部材65から現れることで、クラッチディスクの摩耗限界を認識させるようになっている。
【0033】
本実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置67はこのように構成されており、本実施形態によっても、前記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のワイヤ63で対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となる。
【0034】
更に、ワイヤ63とパイプ部材65だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる。
【0035】
而も、本実施形態によれば、図1のロッド37をワイヤ63に変更することで、確認し易い位置にインジケータを設置することができる利点を有する。
【符号の説明】
【0036】
25 クラッチ操作用シャフト
27 クラッチハウジング
29 アウタレバー(リリーズシャフトレバー)
31 クラッチブースタ
33 プッシュロッド
35 ボールジョイント
37 ロッド
51、65 パイプ部材
53 取付ブラケット
55 ステー
59 摩耗限度マーク
61、67 クラッチディスク摩耗検出装置
63 ワイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラッチディスクの摩耗限度を検出するクラッチディスク摩耗検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クラッチディスクの摩耗限度を検出するクラッチディスク摩耗検出装置として、特許文献1または特許文献2に開示されるように、クラッチハウジングに取り付くステーに目盛りの付いたインジケータを取り付け、クラッチブースタの可動するロッド部に付いたインジケータプレートの動きでクラッチディスクの摩耗限度を検出する構造のものが知られている。
【0003】
図7は特許文献1に開示されたクラッチディスク摩耗検出装置を示し、図中、1はクラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフト、3は当該クラッチ操作用シャフト1を回転中心として揺動可能に取り付くアウタレバーで、アウタレバー3の端部は、操作駆動手段であるクラッチブースタのプッシュロッド5とボールジョイント7を介して回動自在に接続されている。そして、プッシュロッド5の端部に指針であるインジケータプレート9が取り付き、これに対応してインジケータ(ウェアインジケータ)11がクラッチハウジングに取り付くステー13にボルト締めされている。
【0004】
インジケータ11には、クラッチディスクが摩耗した状態を示す目盛り(例えば、「MIN」なる刻印等)15が設けられ、その目盛り15と固定側の端部との間の領域には、クラッチディスク組付け時の状態を示す目盛り(例えば、「SET」なる刻印等)17が設けられている。更に、二つの目盛り15、17に対応してインジケータ11の板幅部にV字状の切欠き19、21が設けられている。
【0005】
そして、クラッチディスク摩耗検出装置23は、クラッチディスクを組み付けた際に、インジケータプレート9の先端が「SET」なる目盛り17の切欠き21を指し、クラッチディスクが摩耗するに伴いアウタレバー3が矢印A方向へ回動し、インジケータプレート9が同方向に移行する。そして、クラッチディスクが摩耗の限界に達した場合、インジケータプレート9の先端が「MIN」なる目盛り15の切欠き19を指すように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭59−170205号公報
【特許文献2】特開2010−144776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来、この種のクラッチディスク摩耗検出装置は、クラッチやトランスミッションの仕様によってインジケータの長さや取付位置が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトによって使用限度までの移動量に違いがあるため、インジケータが異なる場合があった。
【0008】
このため、従来では、車両の仕様毎に長さの異なるインジケータが必要となって部品の管理工数が増加し、また、生産台数の少ない車型ではインジケータの製造コストが高くついてしまう場合があった。
【0009】
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、インジケータの種類の削減を可能としたクラッチディスク摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
斯かる目的を達成するため、第1の本発明は、ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【0011】
また、第2の本発明は、ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、前記ステーを1本のワイヤで形成し、当該ワイヤの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ワイヤの他端側をパイプ部材に挿通し、クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するワイヤの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1、第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置によれば、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のロッドやワイヤで対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となり、現行レイアウトに対して変更することなく使用が可能である。
【0013】
更に、ロッドまたはワイヤととパイプ部材だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる利点を有する。
【0014】
また、第2の発明によれば、ロッドをワイヤに変更することで、確認し易い位置にインジケータを設置することができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態の全体斜視図である。
【図2】クラッチディスク摩耗検出装置の分解斜視図である。
【図3】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図4】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図5】ロッドとパイプ部材の説明図である。
【図6】第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態の全体斜視図である。
【図7】従来のクラッチディスク摩耗検出装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は第1の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態を示し、図中、25はクラッチハウジング27を挿通するクラッチ操作用シャフト、29はクラッチ操作用シャフト25を回転中心に揺動可能に取り付くアウタレバー(リリーズシャフトレバー)で、アウタレバー29の端部側は、クラッチブースタ31のプッシュロッド33にボールジョイント35を介して回動自在に接続されている。
【0018】
また、図1中、37は図2に示すように一端側にリング状の連結部材39が止着された1本の金属製のロッドで、本実施形態は、当該ロッド37をクラッチディスクの摩耗状態を検出するインジケータとして利用している。
【0019】
即ち、図2に示すようにアウタレバー25の端部には、前記ロッド37を連結する取付孔41が用いられている。そして、先端にストッパ43の係止孔45が形成された筒状の連結ピン47を、前記連結部材39と取付孔41、ワッシャ49に挿通させて、係止孔45にストッパ43を係止することで、ロッド37の一端側がアウタレバー25に回動自在に連結されている。
【0020】
また、図1及び図2に示すようにロッド37の他端側は1本の金属製のパイプ部材51に挿通している。そして、クラッチディスクの組み付け時に、図2及び図3に示すようにパイプ部材51から突出するロッド37の端部に図4の如くパイプ部材51の端部が面一になるようにパイプ部材51の位置を矢印方向へ移動、調整した後、パイプ部材51の端部がロッド37の端部と面一になった状態で、当該パイプ部材51が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0021】
図2に示すように取付ブラケット53は、前記パイプ部材51を圧入させる筒状の保持部57が先端に形成されたプレート部材からなり、断面略L字状に形成されたステー55にボルト締めされている。
【0022】
そして、既述したようにクラッチディスクの組み付け時に、パイプ部材51の端部とロッド37の端部は面一になっているが、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図1の矢印方向へ回動すると、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から出てくるようになっている。また、図2及び図5に示すようにパイプ部材51側のロッド37の端部側外周には、摩耗限度マーク59が所定の範囲に亘ってローレット加工されており、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から出て摩耗限度マーク59がパイプ部材51から現れることで、クラッチディスクの摩耗限界を作業者に認識させるようになっている。
【0023】
本実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置61はこのように構成されているから、図2に示すようにロッド37の一端側をアウタレバー25に回動自在に連結し、図2及び図3に示すようにパイプ部材51から突出するロッド37の他端側端部に図4の如くパイプ部材51の端部が面一になるようにパイプ部材51の位置を矢印方向へ移動、調整した後、パイプ部材51の端部がロッド37の端部と面一になった状態で、当該パイプ部材51を取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固定すればよい。
【0024】
このように、クラッチディスクの組み付け時にパイプ部材51の端部とロッド37の端部は面一になっているが、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図1の矢印方向へ回動すると、図5に示すようにロッド37がパイプ部材51から突出し、摩耗限度マーク59がパイプ部材51から現れることでクラッチディスクの摩耗限界を作業者に認識させることとなる。
【0025】
また、既述したように、従来、クラッチやトランスミッションの仕様によってインジケータの長さや取付位置が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトによってインジケータを種々変える必要があったが、本実施形態に於けるロッド37は、仕様に応じ図3の如くクラッチディスクの組み付け時にパイプ部材57を矢印方向へ移動調整し、また、仕様に応じアウタレバー25に対するロッド37の取付位置を変えて、即ち、アウタレバー25に設ける取付孔の位置を変更してレバー比を変えることで、多くの仕様に対し1本のロッド37で対応が可能となり、前記摩耗限度マーク59が総ての仕様に機能する。
【0026】
このように本実施形態によれば、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のロッド37で対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となり、また、現行レイアウトに対して変更することなく使用が可能である。
【0027】
更に、ロッド37とパイプ部材51だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる利点を有する。
【0028】
また、摩耗限度マーク59を設けたことで、クラッチディスクの摩耗状態を良好に認識することができる利点を有する。
【0029】
図6は第2の発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置の一実施形態を示し、本実施形態は、前記ロッド37に代えてワイヤ63を用いたものである。
【0030】
即ち、ワイヤ63の一端側は前記ロッド37と同一構造によってアウタレバー29に回動自在に連結され、ワイヤ63の他端側にパイプ部材65が被覆している。パイプ部材65は前記パイプ部材51より長尺に形成されて、図示するようにその前後2箇所が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0031】
パイプ部材65は、クラッチディスクの組み付け時に、後側のパイプ部材65から突出するワイヤ63の端部にパイプ部材65の端部が面一になるようにパイプ部材65の位置を移動、調整した後、後側のパイプ部材65の端部がワイヤ63の端部と面一になった状態で、パイプ部材65の前後2箇所が取付ブラケット53とステー55を介してクラッチハウジング27に固着されている。
【0032】
そして、クラッチディスクが摩耗してアウタレバー25が図6の矢印方向へ回動すると、図示するようにワイヤ63がパイプ部材65から出てくるようになっている。また、図示しないがワイヤ63の端部側外周には摩耗限度マークがペイントされており、摩耗限度マークがパイプ部材65から現れることで、クラッチディスクの摩耗限界を認識させるようになっている。
【0033】
本実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置67はこのように構成されており、本実施形態によっても、前記実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、クラッチやトランスミッションの仕様が異なり、また、クラッチブースタのレイアウトが異なっても、多くの仕様に対し1本のワイヤ63で対応が可能となり、この結果、長さの異なるインジケータの種類の削減が可能となって煩わしい部品管理が不要となる。
【0034】
更に、ワイヤ63とパイプ部材65だけの部品でインジケータを構成することができるため、クラッチディスク摩耗検出装置の製造コストを抑えることができる。
【0035】
而も、本実施形態によれば、図1のロッド37をワイヤ63に変更することで、確認し易い位置にインジケータを設置することができる利点を有する。
【符号の説明】
【0036】
25 クラッチ操作用シャフト
27 クラッチハウジング
29 アウタレバー(リリーズシャフトレバー)
31 クラッチブースタ
33 プッシュロッド
35 ボールジョイント
37 ロッド
51、65 パイプ部材
53 取付ブラケット
55 ステー
59 摩耗限度マーク
61、67 クラッチディスク摩耗検出装置
63 ワイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、
前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、
クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とするクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項2】
ロッドの前記他端側外周に、摩耗限度マークを設けたことを特徴とする請求項1に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項3】
ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、
前記ステーを1本のワイヤで形成し、当該ワイヤの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ワイヤの他端側をパイプ部材に挿通し、
クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するワイヤの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とするクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項4】
ワイヤの前記他端側外周に、摩耗限度マークを設けたことを特徴とする請求項3に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項1】
ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、
前記ステーを1本のロッドで形成し、当該ロッドの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ロッドの他端側をパイプ部材に挿通し、
クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するロッドの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とするクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項2】
ロッドの前記他端側外周に、摩耗限度マークを設けたことを特徴とする請求項1に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項3】
ステーを介してインジケータをクラッチハウジングに取り付けたクラッチディスク摩耗検出装置に於て、
前記ステーを1本のワイヤで形成し、当該ワイヤの一端側を、前記クラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフトに取り付くアウタレバーに回動自在に連結し、ワイヤの他端側をパイプ部材に挿通し、
クラッチディスクの組み付け時に、前記パイプ部材から突出するワイヤの端部にパイプ部材の端部を面一に調整して、当該パイプ部材をステーに固着してなることを特徴とするクラッチディスク摩耗検出装置。
【請求項4】
ワイヤの前記他端側外周に、摩耗限度マークを設けたことを特徴とする請求項3に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−127417(P2012−127417A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279292(P2010−279292)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
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