説明

クランク軸にスプライン嵌合する部材の係合構造

【課題】エンジンのクランク軸にそれぞれスプライン嵌合している複数の部材の、合理的な係合構造を提供すること。
【解決手段】 エンジンのクランク軸2にそれぞれスプライン嵌合しており、前記クランク軸方向に隣接配置されている、エンジンのジェネレータ用のロータ20と、回転動力伝達体21と、の係合構造において、前記ロータ20と前記回転動力伝達体21との係合部分に、前記クランク軸方向の押圧力を前記クランク軸回りの回転力に変換する、ラチェット機構を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランク軸にそれぞれスプライン嵌合している2部材の係合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つの回転軸にスプライン嵌合し、それぞれが別に動力等を伝達するものとしては、特許文献1に示すように、自動二輪車のエンジンのクランク軸にスプライン嵌合した、クランク軸の回転駆動力を利用して発電するエンジンのジェネレータ用のロータと、エンジンのバランサー駆動用の回転動力伝達体と、が例として挙げられる。
【特許文献1】特開2005−90542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、エンジンのジェネレータ用のロータ及びエンジンのバランサー駆動用の回転動力伝達体(ギヤ)の固定は、ラチェット機構を有する特殊なワッシャにより行っていた。ここで図10を用いて、従来の前記ロータと前記ギヤとの係合構造を説明する。図10は、自動二輪車のエンジンのクランク軸2に、前記ロータ20と前記ギヤ26とがスプライン嵌合している部分の断面図である。説明の都合上、図10中に示すように、図の左側を「左側」、図の右側を「右側」と称し、以下説明する。
【0004】
図10に示すように、クランク軸2の左側先端部には、外周スプライン部2aが形成されており、ジェネレータ用のロータ20の内周スプライン部20a及びバランサー駆動用のギヤ26の内周スプライン部21aがスプライン嵌合している。そして、ロータ20とギヤ26とは、係合部20b及び係合部21bによって、互いに係合している。ロータ20の左側端面には、ラッチ部20cが形成されており、ワッシャ24の右側端面にもラッチ部24cが形成されている。そして、ラッチ部20cとラッチ部24cとがラチェット機構により係合することにより、ワッシャ24で、ロータ20及びロータ20と係合しているギヤ26を固定している。ワッシャ24の左側には平板形状のワッシャ25が当接しており、ワッシャ25は、クランク軸2の左側端面に形成された雌ねじ孔に螺合するボルト23によって固定されることにより、ワッシャ24を固定している。
【0005】
上述したように、ワッシャ24の右側端面には、ロータ20と係合するためのラッチ部24cを形成する必要があり、このため、ワッシャ24は、鍛造で製作される必要があった。したがって、ワッシャ24の製造コストが高くなる傾向にあった。また、ロータ20及びギヤ26は、ロータ20の左側に位置するワッシャ24によって固定されるようになっているが、ロータ20とギヤ26との間の係合構造は、係合部20b及び係合部21bによる係合であるので、それぞれクランク軸2とスプライン嵌合しているロータ20及びギヤ26は、互いにガタつく可能性があった。
【0006】
本発明では、クランク軸にそれぞれスプライン嵌合しており、軸方向に隣接配置されている2部材の部材同士のガタツキ、例えば、前記ロータ20と前記ギヤ26とのガタツキ、を防止し、また、前記2部材の固定部材、例えば、ワッシャ24、の構造を簡素化できる、前記2部材の合理的な係合構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1発明は、エンジンのクランク軸にそれぞれスプライン嵌合しており、前記クランク軸方向に隣接配置されている、エンジンのジェネレータ用のロータと、回転動力伝達体と、の係合構造において、前記ロータと前記回転動力伝達体との係合部分に、前記クランク軸方向の押圧力を前記クランク軸回りの回転力に変換する、ラチェット機構を備えていることを特徴とする。
【0008】
前記構成によれば、クランク軸において、エンジンのジェネレータ用のロータと回転動力伝達体とを、クランク軸方向の押圧力をクランク軸回りの回転力に変換するラチェット機構によって、係合させることにより、前記ロータと前記回転動力伝達体とのガタツキを防止することができる。また、前記ロータ及び前記回転動力伝達体をクランク軸方向に固定するワッシャにラチェット機構が不要となることによって、ワッシャの構造を簡素化することができる。
【0009】
本願の第1発明は、更に、次のような構成を備えるのが好ましい。
(1)前記ラチェット機構は、前記ロータに当接する前記回転動力伝達体の面に形成された複数の凸状のラッチ部と、前記回転動力伝達体に当接する前記ロータの面に、前記複数の凸状のラッチ部に係合するように形成された複数の凹状のラッチ部と、から構成されている。
(2)前記ラチェット機構は、前記ロータに当接する前記回転動力伝達体の面に形成された複数の凹状のラッチ部と、前記回転動力伝達体に当接する前記ロータの面に、前記複数の凹状のラッチ部に係合するように形成された複数の凸状のラッチ部と、から構成されている。
(3)前記構成(1)又は(2)において、前記ロータに形成された前記ラッチ部と、前記回転動力伝達体に形成された前記ラッチ部とが、互いに当接する傾斜面を有する。
(4)前記回転動力伝達体は、エンジンのバランサー駆動用のものである。
【0010】
前記構成(1)又は(2)によれば、前記ロータと前記回転動力伝達体とを凹凸のラッチ部を用いて係合させることによって、ラチェット機構を簡易に構成することができる。
【0011】
前記構成(3)によれば、ラッチ部が互いに当接する傾斜面を有することによって、クランク軸方向の押圧力をクランク軸回りの回転力に変換するラチェット機構を簡易に構成することができる。
【0012】
前記構成(4)によれば、クランク軸において、エンジンのジェネレータ用のロータとエンジンのバランサー駆動用の回転動力伝達体とを、クランク軸方向の押圧力をクランク軸回りの回転力に変換するラチェット機構によって、係合させることにより、前記ロータと前記回転動力伝達体とのガタツキを防止することができる。また、前記ロータ及び前記回転動力伝達体をクランク軸方向に固定するワッシャにラチェット機構が不要となることによって、ワッシャの構造を簡素化することができる。
【0013】
本願の第2発明は、前記第1発明の係合構造を備えた、自動二輪車である。
【0014】
前記構成によれば、クランク軸にスプライン嵌合した、エンジンのジェネレータ用のロータと回転動力伝達体とのガタツキを抑制し、前記ロータ及び前記回転動力伝達体をクランク軸方向に固定するワッシャの構造を簡素化した、自動二輪車を提供できる。
【発明の効果】
【0015】
要するに本発明によると、クランク軸にスプライン嵌合している部材同士のガタツキを防止し、且つ、前記部材の固定部材であるワッシャの構造を簡素化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本願発明に係る部材の係合構造について、自動二輪車を例として添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
図1は、自動二輪車のV型2気筒エンジン1の断面図である。説明の都合上、図1中に示すようにクランク軸方向を左右方向とし、図のエンジンの左側を「左側」、図のエンジンの右側を「右側」と称し、以下説明する。
【0018】
図1に示すように、クランクケース10は、クランク軸方向に2つに分割された構造、すなわち、左右二つ割り構造となっており、左クランクケース部材10aと右クランクケース部材10bとが、クランク軸2と略直角な合わせ面で結合されている。左クランクケース部材10aの左側には、ジェネレータカバー11で覆われたジェネレータ室12が形成されており、ジェネレータ室12内にジェネレータ13が収納されている。右クランクケース部材10bの右側には、クラッチカバー14が着脱自在に取り付けられ、クラッチカバー14により覆われたクラッチ室15内には、一次駆動チェーン16及び多板摩擦クラッチ17等が収納されている。
【0019】
クランク軸2の左右のジャーナル部2a、2bは、左右のクランクケース部材10a、10bの軸受孔18a、18bにそれぞれ軸受メタル(ジャーナル軸受)19a、19bを介して回転可能に支持されており、左右のジャーナル部2a、2b間に形成された一対のクランクアーム2c及び両クランクアーム2cを連結するクランクピン2dは、クランク室3内に収納されている。クランクピン2dには前後の気筒用のコンロッド4a、4bの下側大端部が嵌合し、各コンロッド4a、4bはそれぞれ対応する前気筒5、後気筒(図示せず)内にそれぞれ延び、各上側小端部が対応するピストン6(後気筒用は図示せず)に連結されている。
【0020】
クランク軸2の右端部は、クラッチ室15内に突出しており、該右側突出部分には、一次駆動用のプライマリスプロケット41と、後気筒用のカム駆動スプロケット42とが設けられている。プライマリスプロケット41は、一次駆動チェーン16を介してクラッチ17の入力スプロケット17aに動力伝達可能に連結している。
【0021】
クランク軸2の左端部は、ジェネレータ室12内に突出しており、該左側突出部分には、ジェネレータ13のロータ20と、バランサー駆動用の回転動力伝達体(スプロケット)21と、前気筒用のカム駆動スプロケット31とが設けられている。前気筒用のカム駆動スプロケット31に巻き掛けられたカムチェーン32は、前気筒5の左側部分に形成された前気筒用カムチェーントンネル33を通って前気筒5のロッカーアーム室34に至り、前気筒用のカム軸35のスプロケット36に巻き掛けられている。
【0022】
図2は、図1のクランク軸2の左端部の拡大図である。図2に示すように、クランク軸2の左端部には、外周スプライン部2aが形成されており、ジェネレータ13用のロータ20の内周スプライン部20a及びバランサー駆動用のスプロケット21の内周スプライン部21aが、スプライン嵌合している。
【0023】
図1に示すように、スプロケット21は、チェーン51を介して、バランサー52の一端に取り付けられたスプロケット53に連動連結されている。ここで、回転動力伝達体は、スプロケット21、53及びチェーン51によるチェーン駆動となっているが、プーリーとベルトを用いたベルト駆動や、歯車(ギヤ)を組み合わせたギヤ駆動とすることも可能である。また、回転動力伝達体は、バランサー駆動用のもの以外に、オイルポンプ駆動用、ウォータポンプ駆動用、カム駆動用等のものでも可能である。バランサー52は、軸方向の中央部にバランスウェイト部521を一体成形している。したがって、クランク軸2が回転すると、それに合わせてスプロケット21が回転し、そして、スプロケット21に掛巻きされたチェーン51を介してスプロケット53が回転する。その結果、バランサー52が回転し、エンジン1の振動を打ち消すようになっている。
【0024】
図2において、スプロケット21の左側では、ジェネレータ13用のロータ20がスプロケット21に係合し、また、クランク軸2にスプライン嵌合している。ロータ20は、コイル54の右側側面と外周面を非接触にて覆うような形状をしている。したがって、クランク軸2が回転すると、それに合わせてロータ20が回転し、ロータ20のクランク軸2径方向内側に位置するコイル54に誘導起電力を発生させ、自動二輪車に必要な電力を発電するようになっている。
【0025】
ロータ20の左側端面には、ワッシャ22が当接しており、ワッシャ22は、クランク軸2の左側端面に形成された雌ねじ孔2bに螺合するボルト23により固定されている。その結果、スプロケット21及びロータ20は、ワッシャ22及びボルト23により固定されている。
【0026】
図3はスプロケット21の断面図であり、図4は図3のIV矢視図である。図3、4に示すように、スプロケット21は、チェーン51が掛けられる歯211を、クランク軸方向右端部に円環状に有している。また、スプロケット21は、クランク軸2のスプライン加工された外周スプライン部2a面に嵌合するように、スプライン加工された内周スプライン部21aを有している。更に、ロータ20と当接する側の面(左側端面)に、断続的なラッチ部213が複数(図3では6個)周方向等間隔に配置されている。図5は図4のV−V断面図である。図5に示すように、スプロケット21の各ラッチ部213は、クランク軸2の通常の回転方向R側の端部に傾斜面213aを有している。特に限定されないが、傾斜面213aの、クランク軸2の軸芯O1と直交する面P1に対する角度θ1として、例えば45°や30°を採用できる。また、各ラッチ部213は、クランク軸2の通常の回転方向Rの逆方向側の端部に傾斜面213bを有している。そして、特に限定されないが、傾斜面213bの、クランク軸2の軸芯O1と直交する面P1に対する角度として、例えば略90°を採用できる。
【0027】
図6は、スプロケット21に当接するロータ20を右側(スプロケット21側)から見た図である。図6に示すように、ロータ20は、クランク軸2のスプライン加工された外周スプライン部2a面に嵌合するようにスプライン加工された内周スプライン部20aを有している。また、ロータ20は、スプロケット21のラッチ部213が当接する面に、ラッチ部213に対応するよう、ラッチ部213と同数のラッチ部203を有している。
【0028】
図7は、図6のVII−VII断面図である。図7に示すように、ロータ20の各ラッチ部203は、クランク軸2の通常の回転方向R側の端部に、スプロケット21の傾斜面213aと当接する、傾斜面203aを有している。傾斜面203aでは、クランク軸2の軸芯O1と直交する面P2に対する角度θ2が、スプロケット21の傾斜面213aの角度θ1と略同一又は少し小さくなっている。ここでθ2は、例えば45°や30°を採用することができる。また、各ラッチ部203は、クランク軸2の通常の回転方向Rの逆方向の端部に、傾斜面203bを有している。
【0029】
図8は、スプロケット21のラッチ部213がロータ20のラッチ部203と係合している状態の図である。ラッチ部213とラッチ部203は、互いに傾斜面で当接するように、凹凸が形成されており、面P1、P2に平行な面213cと面203cとは間隔を有し、傾斜面213aと傾斜面203aとが当接し、傾斜面213bと傾斜面203bとは間隔を有するようになっている。その結果、クランク軸2の軸芯O1方向の押圧力F1、すなわち、スプロケット21とロータ20とをクランク軸方向に固定するボルト23の軸圧F1を、傾斜面213a及び傾斜面203aによって、回転方向R方向の力F2に変換する。
【0030】
図9は、ロータ20に左側から当接するワッシャ22を右側(ロータ20側)から見た図である。ワッシャ22は、内周面がクランク軸2の外周スプライン部2aと嵌合していないので、図9に示すように、ワッシャ22の内周面22aはスプライン加工が不要となっている。また、ワッシャ22は平面でロータ20の左端面に当接していることから、ワッシャ22は通常の平板形状となっている。その結果、ワッシャ22は鍛造で製作する必要はなく、通常の機械加工で製作できる。
【0031】
前記実施形態では、スプロケット21が凸状のラッチ部213を有し、ロータ20が凹状のラッチ部203を有している場合を説明したが、スプロケット21が凹状のラッチ部を有し、ロータ20が凸状のラッチ部を有しても良い。
【0032】
前記構成のスプロケット21とロータ20との係合構造によれば、次のような効果を発揮できる。
【0033】
(1)クランク軸2とスプライン嵌合しているスプロケット21及びロータ20は、クランク軸方向の押圧力をクランク軸回りの回転力に変換するラチェット機構を構成するラッチ部213及びラッチ部203を有している。その結果、スプロケット21とロータ20とのガタツキを防止し、且つ、ワッシャ22の構造を簡素化することができるようになっている。更に、ワッシャ22の構造の簡素化により、ワッシャ22は鍛造による製作が不要となり、コスト低減を行うことができるようになっている。
【0034】
(2)ワッシャ22の構造を簡素化できるので、ワッシャ22のクランク軸方向長さを短くすることができ、その結果、クランク軸2の長さを短くすることができる。
【0035】
(3)スプロケット21が凸状のラッチ部213を有し、ロータ20が凹状のラッチ部203を有している。そして、ラッチ部213の傾斜面213aとラッチ部203の傾斜面203aとが当接している。その結果、スプロケット21とロータ20は、クランク軸2が回転すると、互いに押し付け合うことのできる係合構造となり、簡易な構成で、ラチェット機構を構成できるようになっている。
【0036】
(4)ロータ20の傾斜面203aは、クランク軸2の軸直交方向に対して、スプロケット21の傾斜面213aと略同一又は少し小さい角度をなしている。その結果、スプロケット21及びロータ20は、互いに傾斜面で当接し、簡易な構成で、クランク軸方向の押圧力をクランク軸回りの回転力に変換できるラチェット機構を構成できるようになっている。
【0037】
(5)前記構成のスプロケット21とロータ20とを自動二輪車のエンジン1のクランク軸2に取り付けることにより、スプロケット21とロータ20とのガタツキを抑制し、且つ、ワッシャ22の構造を簡素化した自動二輪車を提供することができる。
【0038】
本実施形態では、自動二輪車のエンジン1のクランク軸2にスプライン嵌合しているスプロケット21及びロータ20に本発明を適用した例を示したが、本発明は、1つの回転軸にそれぞれスプライン嵌合している2部材の係合構造に関して広く適用できる。
【0039】
特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、各種変形及び変更を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明では、クランク軸にそれぞれスプライン嵌合している2部材、例えば、エンジンのジェネレータ用のロータ20と回転動力伝達体であるスプロケット21との、ガタツキを抑制し、且つ、ロータ20及びスプロケット21を固定するワッシャ22の構造を簡素化できるので、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に係る自動二輪車のエンジン1の断面図である。
【図2】図1のクランク軸2の左端部の拡大図である。
【図3】スプロケット21の断面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】スプロケット21に当接するロータ20を右側から見た図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】スプロケット21のラッチ部213とロータ20のラッチ部203とが互いの傾斜面213a、203aで当接している状態の図である。
【図9】ロータ20に左側から当接するワッシャ22を右側から見た図である。
【図10】従来の、ロータ20とギヤ26とが、クランク軸2にスプライン嵌合している部分の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 エンジン
2 クランク軸
3 クランク室 4a コンロッド 4b コンロッド 5 前気筒 6 ピストン
10 クランクケース 11 ジェネレータカバー 12 ジェネレータ室
13 ジェネレータ 14 クラッチカバー 15 クラッチ室
16 一次駆動チェーン 17 多板摩擦クラッチ
20 ロータ 21 スプロケット 22 ワッシャ 23 ボルト
24 ワッシャ 25 ワッシャ 26 ギヤ
31 カム駆動スプロケット 32 カムチェーン 33 カムチェーントンネル
34 ロッカーアーム室 35 カム軸 36 スプロケット
41 プライマリスプロケット 42 カム駆動スプロケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンのクランク軸にそれぞれスプライン嵌合しており、前記クランク軸方向に隣接配置されている、エンジンのジェネレータ用のロータと、回転動力伝達体と、の係合構造において、
前記ロータと前記回転動力伝達体との係合部分に、前記クランク軸方向の押圧力を前記クランク軸回りの回転力に変換する、ラチェット機構を備えていることを特徴とする部材の係合構造。
【請求項2】
前記ラチェット機構は、
前記ロータに当接する前記回転動力伝達体の面に形成された複数の凸状のラッチ部と、
前記回転動力伝達体に当接する前記ロータの面に、前記複数の凸状のラッチ部に係合するように形成された複数の凹状のラッチ部と、から構成されている、請求項1記載の部材の係合構造。
【請求項3】
前記ラチェット機構は、
前記ロータに当接する前記回転動力伝達体の面に形成された複数の凹状のラッチ部と、
前記回転動力伝達体に当接する前記ロータの面に、前記複数の凹状のラッチ部に係合するように形成された複数の凸状のラッチ部と、から構成されている、請求項1記載の部材の係合構造。
【請求項4】
前記ロータに形成された前記ラッチ部と、前記回転動力伝達体に形成された前記ラッチ部とが、互いに当接する傾斜面を有する、請求項2又は3に記載の部材の係合構造。
【請求項5】
前記回転動力伝達体は、エンジンのバランサー駆動用のものである、請求項1〜4のいずれか1つに記載の部材の係合構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の部材の係合構造を備えた、自動二輪車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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