説明

クリング物品

クリング物品は、クリングバッキング、クリングバッキングの主面の少なくとも一部と接触している第1の熱活性化可能な接着剤を含む。熱活性化可能な接着剤は少なくとも40℃の活性化温度を有し、活性化温度もしくはそれ以上で少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
用語「クリングフィルム」は、接着剤または締結具を使用することなく基材に粘着することができるフィルムを意味するために一般に使用される。クリングフィルムは一般に2つの主なタイプ:クリングビニルフィルムおよび静電気クリングフィルムに分類される。
【0002】
クリングビニルフィルム(「静的クリングビニル」フィルムとしても知られる)は、典型的には可塑剤および/または粘着性付与剤を含有するビニルフィルムである。クリングビニルフィルムは典型的には静電気力よりもむしろ毛管力によって主として基材に付着する。結果として、クリングビニルフィルムは典型的にはガラス窓のような平滑な、堅い表面に付着することができるが、典型的には多孔性の粗いおよび/またはほこりっぽい表面にはうまく付着しない。
【0003】
静電気クリングフィルムは静電荷を有するフィルムである。かかるフィルムは一般に多種多様な基材への静電気引力を示し、それによって上に議論されたようなクリングビニルフィルムでは容易に付着されないものをはじめとする表面に、フィルムを除去可能なように付着させる。静電荷散逸を減らすために、静電クリングフィルムはしばしばエレクトレット電荷(すなわち、永久または半永久静電荷)を含む。
【0004】
典型的には、基材に付着するクリングフィルムの能力は、例えば、湿気のような環境因子、およびクリングフィルムの老化のために時間と共に減少する。接着力のこの損失は典型的には、接着力が数ヶ月または数年間望まれる用途、および/または、例えば屋外用途でのように、天候要素(例えば、水、風など)への曝露が起こり得る用途にとって望ましくない。
【0005】
接着力を高めるために、様々な活性化可能な接着剤が帯電フィルムと組み合わせて使用されてきた。得られた接着剤コートされたフィルムは位置合わせ可能であり、必要ならば、活性化可能な接着剤は、基材への増加した接着力を提供するために活性化することができる。帯電フィルムと一緒での使用に関して、公知の活性化可能な接着剤には、貼り直し可能な感圧接着剤、位置合わせ可能な感圧接着剤、除去可能な剥離ライナが付いた感圧接着剤、ホットメルト接着剤、およびマイクロカプセル化接着剤が含まれる。
【0006】
使用中に、上記のもののような感圧接着剤でコートされた帯電フィルムは、特に大きくて扱いにくい場合に、例えば過度の取扱い、衝突、または他の操作によって、それら自体にまたは基材に時期尚早に付着するようになることがある。
【0007】
マイクロカプセル化接着剤でコートされた帯電フィルムは典型的には接触に対して非粘着性であるが、それらは、マイクロカプセルを破壊し、内部の接着剤を露出させるために圧力および剪断を必要とする。マイクロカプセルを破裂させるために必要とされる圧力は典型的には非常に高く、典型的には、このタイプの接着剤を軟質基材での使用に適さないものにする。
【0008】
対照的に、ホットメルト接着剤コートされた帯電フィルムは、加熱によって意図的に活性化され、感圧接着剤のこのような偶然の付着の問題を典型的には起こしにくい。しかしながら、ホットメルト接着剤は溶融するので、それらは多孔性基材中へ流れ込みやすく、それによって、例えば、基材上に残渣を残すことおよび/または基材に損傷をもたらすことをはじめとして、フィルムのその後の除去での問題を引き起こす。さらに、ホットメルト接着剤は接合形成のために低い溶融粘度を必要とするので、十分な熱が材料を溶融するために加えられなければならず、しばしば、押出機、格子溶融機、またはヒートラミネーターのような特殊な装置を必要とする。実際に、一般のホットメルトはしばしば120℃を超える温度で塗布され、150〜190℃が典型的である。これらの溶融温度は、ヘアドライヤーのような一般家庭装置で達成するのが非常に困難であり、基材および/または任意のプラスチックフィルムへの熱損傷を防ぐために注意を払わなければならない。最後に、ホットメルト接着剤はそれらの流体状態で塗布され、使用されるので、何の架橋も許容することができない。従って接着剤が冷えてクリープを防ぐのに十分に硬くなるまでは、基材のいかなる偶然の接触も、接着剤移行または物品スライディングをもたらし得るので、ホットメルト・コートされた物品の適用が比較的難しくなる。何らかの理由のために、塗布物品がコートされた物品の輸送または使用中にホットメルトの熱活性化温度に達した場合、接着剤の凝集破壊もまた生じるかもしれず、および/または製品が浮きおよびクリープを示し得る。
【0009】
活性化されたときに、基材の表面に強く付着することができるクリングフィルムを有することは望ましいであろう。活性化されたクリングフィルムが基材と不慮のまたは偶然の接触をした場合に、接着剤残渣を残さないこともまた望ましいであろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本発明は、
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、
第1主面の少なくとも一部と接触している熱活性化可能な接着剤と、
を含むクリング物品であって、熱活性化可能な接着剤が少なくとも40℃の活性化温度を有し、かつ、熱活性化可能な接着剤が活性化温度もしくはそれ以上で少なくとも5パーセントのゲル含有率を有するクリング物品を提供する。
【0011】
一態様では、本発明は、
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、第1主面の少なくとも一部と接触している第1の熱活性化可能な接着剤とを提供する工程であって、熱活性化可能な接着剤が少なくとも40℃の第1活性化温度を有し、かつ、熱活性化可能な接着剤が活性化温度もしくはそれ以上で少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する工程と、
クリングバッキングを基材と接触させる工程と、
熱活性化可能な接着剤を、熱活性化可能な接着剤が強粘着性になる温度まで加熱する工程と、
を含む、クリング物品を基材へ接着する方法を提供する。
【0012】
一態様では、本発明は、
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、
第1主面の少なくとも一部と接触している第1の熱活性化可能な接着剤であって、少なくとも40℃の第1活性化温度を有し、かつ、活性化温度もしくはそれ以上で少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する第1の熱活性化可能な接着剤と、
熱活性化可能な架橋された接着剤と接触している基材と、
を含むクリング物品を提供する。
【0013】
本発明による物品は、除去可能なように基材に粘着し、低温で活性化されて接着接合を提供することができる。典型的には、本発明による接合物品は、様々な基材から容易におよび実質的に完全に除去することができる。
【0014】
本明細書で用いるところでは、
「活性化温度」は、その下では材料が本質的に非粘着性であるが、2〜10℃だけ上げられた場合に強粘着性になる最低温度を意味する、
「感圧接着剤」は、室温で永久的粘着性を有し、強粘着性であり、指圧または手圧より多くを必要とせずに接着させることができ、水、溶剤、または熱による何の活性化も必要とせず、強い保持力を発揮し、そして残渣を残すことなく平滑な表面からそれを除去することができる十分な粘着性および弾性を有する接着剤を意味する、
「強粘着性の」は、接着剤が4.5ポンド(2.0kg)ゴム・ローラーのワンパス(前後に)を用いてコピー紙(インターナショナル・ペーパー、テネシー州メンフィス(International Paper,Memphis,Tennessee)から商品名「ハンマーミル・コピー・プラス・20ポンド重量(HAMMERMILL COPY PLUS 20LB WEIGHT)」で商業的に入手可能なまたはその同等物)の試験片に塗布された時に紙にしっかりと接着し、手で剥離される時にそれを引き裂くであろうことを意味する、
「フィルム」は、2つの対向する主面を有する材料の連続の非多孔性薄層を意味し、例えば、ロール、シート、テープ、およびストリップを含む、
「非粘着性」は、接着剤が4.5ポンド(2.0kg)ゴム・ローラーのワンパス(前後に)を用いてコピー紙(インターナショナル・ペーパー、テネシー州メンフィスから商品名「ハンマーミル・コピー・プラス・20ポンド重量」で商業的に入手可能なまたはその同等物)の試験片に塗布された時に紙にしっかりと接着せず、紙への有意の損傷なしにそれを接着剤から剥離させるであろうことを意味する、および
「(メタ)アクリル」はアクリルおよびメタクリルの両方を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に示されるように、本発明による模範的なクリング物品100は、それぞれ、第1および第2の対向する主面112aおよび112bを有するクリングバッキング110を含む。熱活性化可能な接着剤の層120が第1主面112aに接触している。第2主面112b上に配置されてもよい任意の層には、受像層130および乾式消去層132が含まれる。
【0016】
使用に当たって、本発明のクリング物品は典型的には基材に接合されてアセンブリを形成する。図2に示されるように、アセンブリ200は、基材210と接触しているクリング物品100(すなわち、図1で説明されたようなクリングバッキング110、熱活性化可能な接着剤120、任意の受像層130、および任意の乾式消去層132を有する)を含む。当初は、クリング物品100はクリングバッキング110の特性に従って基材210に付着している。クリング物品100は次に、それが所望通り位置合わせされるまで典型的にはスライドされ、平滑にされ、または別のやり方で操作され、そして次に、熱活性化可能な接着剤120を基材210に接着接合させるために熱および少なくともわずかな圧力が加えられる。
【0017】
本明細書で用いるところでは、用語「クリングバッキング」は、接着剤または締結具の使用なしに基材に粘着することができるバッキングを意味する。有用なクリングバッキングは、多孔性であっても、非多孔性であっても、および/または場合により表面処理されていても(例えば、プライマー処理、ACコロナ処理されていても)よい。本発明の実施で使用されてもよいクリングバッキングには、例えば、クリングビニルバッキングおよび帯電バッキング(例えば、帯電フィルム、微多孔性フィルム、織バッキング、不織バッキング(例えば、ブローン微細繊維バッキング、およびスパンボンドバッキング))が含まれる。クリングバッキングは、単一フィルム(すなわち、単層)であってもまたは多層状であってもよい。クリングバッキングは、不透明であっても、透明であっても、または半透明であってもよく、異なる不透明性の区別できる領域を有してもよい。クリングバッキングは穿孔されていても、穿孔されていなくてもよい。
【0018】
クリングビニル(「静的クリングビニル」としても知られる)技術は周知である。有用なクリングビニルバッキングは典型的にはフィルムである。クリングビニルフィルムは一般に可塑化および/または粘着性付与されたポリ塩化ビニルを含み、一般に、静電気引力以外の物理的原理によって基材に粘着する。クリングビニルフィルムは典型的には、ガラス窓のような平滑な、堅い表面に粘着するが、多孔性の粗いおよび/またはほこりっぽい表面にはうまく付着しない。クリングビニルフィルムは当該技術では広く知られており、商業的に入手可能であり、例えばモルコ、ペンシルバニア州ウェイマート(Molco,Waymart,Pennsylvania)、トランシルラップ・カンパノー、イリノイ州フランクリン・パーク(Transilwrap Company,Franklin Park,Illinois)、およびフレックスコン、マサチューセッツ州スペンサー(Flexcon,Spencer,Massachusetts)から入手されてもよい。粘着するためには、クリングビニルフィルムと基材とが直接接触することが一般に必要である。従って、クリングビニルフィルムがクリングバッキングとして使用される場合、熱活性化可能な接着剤はフィルムの主面上に連続の隣接層として提供されるべきではなく、むしろ不連続のおよび/または部分的な層として提供されるべきである。クリング特性の損失を防ぐために、クリングビニルフィルムは一般に、基材へのクリングビニルフィルムの付着直前に除去されるようにデザインされているライナ(例えば、シリコーン処理紙)上に供給される。
【0019】
クリングビニルバッキングとは対照的に、帯電バッキングは典型的には静電気引力によって表面に付着し、粗いまたはほこりっぽい表面にさえも付着する。帯電バッキングは、一時的な、半永久的な、または永久的な静電荷を有してもよい。
【0020】
一時的な静電荷は、例えば、摩擦帯電によってバッキングに与えられてもよい。摩擦帯電は、例えば、異なる材料のライナとバッキングを擦る、またはライナからバッキングを剥離することをはじめとする任意の公知の方法によって成し遂げられてもよい。
【0021】
半永久的または永久的静電荷を有するクリングバッキングは、バッキングとしてエレクトレット材料(すなわち、エレクトレットバッキング)を使用することによって達成されてもよい。エレクトレットバッキングは商業的供給源から容易に入手することができ、または当該技術で周知である様々な方法によって製造することができる。エレクトレットフィルムの製造方法に関する詳細については、例えば、ジー.エム.セスラー(G.M.Sessler)編、「エレクトレット(Electrets)」、ニューヨーク、スプリンガー−フェルラーグ(Springer−Verlag)、1987年を参照されたい。バッキングとしての使用に好適なエレクトレット材料およびそれらの製造に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許出願公開第2002/0090480号明細書(スウ(Hsu)ら)に、ならびに米国特許第6,123,752号明細書(ウ(Wu)ら)および同第6,214,094号明細書(ロウセアウ(Rousseau)ら)に見いだされるかもしれない。
【0022】
エレクトレット形成の模範的方法は当該技術では周知であり、熱エレクトレット、電気エレクトレット(例えば、直流(すなわち、DC)、コロナ放電)、ラジオエレクトレット、マグネットエレクトレット、フォトエレクトレット、および、例えば、米国特許第5,558,809号明細書(グロー(Groh)ら)に記載されているような機械的エレクトレット形成方法を含む。典型的には、本発明の実施で利用されるエレクトレットバッキングは、平方センチメートル当たり0.005ナノクーロン(nC/cm2)より大きい、例えば、0.5nC/cm2より大きい、または5nC/cm2よりさらに大きい電荷(すなわち、エレクトレット電荷)密度を有する。DCコロナ放電(例えば、米国特許第6,001,299号明細書(カワベ(Kawabe)ら)および同第4,623,438号明細書(フェルトン(Felton)ら)に記載されているような)は、本発明の実施に有用であるエレクトレットフィルムを製造するための望ましい便利な方法である。模範的な商業的に入手可能なエレクトレットバッキングには、パーマチャージ・コーポレーション、ニューメキシコ州リオランチョ(Permacharge Corporation,Rio Rancho,New Mexico)から商品名「クリングズ(CLINGZ)」で入手可能なポリプロピレン・エレクトレットフィルムが含まれる。
【0023】
本発明の実施に有用なエレクトレットバッキングは、場合により様々なフィラーおよび添加剤を含有する熱可塑性ポリマー材料を典型的には含む。
【0024】
エレクトレット電荷を維持することができる有用な熱可塑性ポリマー材料には、例えば、フッ素化ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロクロロエチレン共重合体)、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、プロピレン−エチレン共重合体)、オレフィンと他のモノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、(4−メチル−1−ペンテン)−アクリル酸共重合体、(4−メチル−1−ペンテン)−無水マレイン酸共重合体)、アイオノマー(例えば、少なくとも幾らかの酸性部分がNa+、K+、Ca2+、Mg2+、またはZn2+カチオンで置換されたエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド(例えば、ナイロン−6、ナイロン−6,6)、ポリカーボネート、ポリスルホン、非可塑化ポリ塩化ビニルおよびそれらの組み合わせが含まれる。
【0025】
多くのポリ(エチレン−コ−(メタ)アクリル酸)アイオノマーは、例えば、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントン(E.I.du Pont de Nemours & Company,Wilmington,Delaware)によって商品名「サーリン(SURLYN)」(例えば、「サーリン7930」、「サーリン7940」のようなリチウム・ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)アイオノマー;「サーリン1601」、「サーリン8020」、「サーリン8120」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8320」、「サーリン8527」、「サーリン8660」、「サーリン8920」、「サーリン8940」、「サーリン8945」のようなナトリウム・ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)アイオノマー;「サーリン1705−1」、「サーリン1706」、「サーリン6101」、「サーリン9020」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9320W」、「サーリン9520」、「サーリン9650」、「サーリン9720」、「サーリン9721」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリン9950」、「サーリン9970」、「サーリンPC−100」のような亜鉛ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)アイオノマー)で市販されているように;またはエクソンモービル・コーポレーション、テキサス州ヒューストン(ExxonMobil Corporation,Houston,Texas)によって商品名「アイオテック(IOTEK)」(例えば、「アイオテック3110」、「アイオテック3800」、もしくは「アイオテック8000」のようなナトリウム・ポリ(エチレン−コ−アクリル酸)アイオノマー;および「アイオテック4200」のような亜鉛ポリ(エチレン−コ−アクリル酸)アイオノマーで市販されているような、ペレットおよび/またはフィルムとして商業的に入手可能である。有用なポリ(エチレン−コ−(メタ)アクリル酸)アイオノマーのさらなる詳細は、例えば、2002年8月30日に出願された、「クリング物品の接着方法およびそれからの物品(METHOD OF ADHERING A CLING ARTICLE AND ARTICLES THEREFROM)」(バラティ(Bharti)ら)という表題の同一出願人による米国特許出願第10/231,570号明細書に記載されている。
【0026】
ポリマーがペレット形で入手される場合、ペレットは、当該技術で周知の手順を用いて、例えば、フィルム、ブローン微細繊維ウェブ、またはスパンボンドウェブとして溶融押出されてもよい。典型的には、エレクトレットフィルムの厚さは10〜2500マイクロメートルの範囲にあるが、より薄いおよびより厚いフィルムもまた使用されてもよい。例えば、エレクトレットフィルムは25〜310マイクロメートルの範囲の、または50〜110マイクロメートルの範囲の厚さを有してもよい。
【0027】
場合により、1つもしくはそれ以上の添加剤を熱可塑性ポリマー中に含めることができる。模範的な任意の添加剤には、酸化防止剤、光安定剤(例えば、商品名「キマソーブ(CHIMASSORB)2020」「キマソーブ119」「キマソーブ944」「チヌビン(TINUVIN)783」、または「チヌビンC353」でチバ・スペシャルティ・ケミカルズ、ニューヨーク州タリタウン(Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,New York)から入手可能なような)、熱安定剤(例えば、商品名「イルガノックス(IRGANOX)1010」、「イルガノックス1076」でチバ・スペシャルティ・ケミカルズから入手可能なような)、フィラー(例えば、無機または有機)、電荷調整剤(例えば、米国特許第5,558,809号明細書(グローら)に記載されているような)、フルオロケミカル添加剤(例えば、米国特許第5,976,208号明細書(ロウセアウら)および同第6,397,458号明細書(ジョーンズ(Jones)ら)に記載されているような)、ガラスビーズ、ガラス球、着色剤(例えば、染料、顔料(リン光性顔料を含む))、ならびに香料が含まれる。
【0028】
模範的な任意の添加剤にはまた、二酸化チタン(例えば、微粒子形の)が含まれる。存在する場合、二酸化チタンの量は、フィルムの全容量を基準にして、典型的には1〜50容量パーセントの範囲に、および/または1〜20容量パーセントの範囲にあるが、より多いおよびより少ない量の二酸化チタン粒子もまた使用されてもよい。
【0029】
熱活性化可能な接着剤は、本明細書で上に定義されたように、少なくとも40℃の活性化温度を有する任意の材料であってもよい。有用な熱活性化可能な接着剤には、例えば、米国特許第6,080,480号明細書(シバ(Shiba)ら)に記載されているもののような、架橋した半結晶性ポリマーを含有するもの、粘着性を強化された(over−tackified)接着剤、固体可塑剤を含有する遅延粘着接着剤、国際公開特許出願第96/08540号パンフレット(ライス(Rice)ら)に記載されているもののような表面非粘着化感圧接着剤、米国特許第4,135,033号明細書(ロートン(Lawton))に記載されているもののような2成分接着剤、ならびにワックスとエラストマーとの組み合わせが含まれる。
【0030】
有用な熱活性化可能な接着剤は室温で、典型的には多くても適度の粘着性を有する、典型的にはほとんどまたは何の粘着性も持たず、こうして容易な位置合わせおよび貼り直しえを可能にする(すなわち、接着剤は指圧または手圧の単純適用ではしっかりと接着しない)。しかしながら、それらの活性化温度もしくはそれ以上の温度まで加熱すると、それらは強粘着性になる。いったん活性化されると、接着剤は強粘着性になり、粘着して強いままであり(すなわち、流体にならず)、単純な指圧または手圧で塗布することができ、室温まで元に冷却した後でさえも、基材にしっかりと接合したままである。室温への冷却は強粘着性を消失させる。全体プロセスは典型的には繰り返し可能であり、そのために一連の加熱および冷却工程は強粘着性をオンにし、またオフにすることができる。
【0031】
活性化温度より上の温度で流れるのを防ぎ、強粘着性の接着剤特性を維持するために、熱活性化可能な接着剤は典型的には活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも5、10、15、20、40、もしくは少なくとも50パーセントさえから100パーセント以下のゲル含有率を有してもよい。ゲルネットワークは典型的には共有結合的またはアイオノマー的なポリマー架橋の結果であるが、幾つかのケース(例えば、ワックスとスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体エラストマーとの組み合わせ)では架橋は物理的ポリマー架橋(例えば、高いガラス転移温度または結晶領域)によって生じるかもしれない。
【0032】
ゲル含有率は、任意の公知の技術によって測定することができる。共有結合架橋ポリマーネットワークのケースでは、ゲル含有率は、非架橋ポリマーに対しての良溶剤(場合によりトルエンの代わりに)を用いて、および適切な温度を用いて実施例セクションに述べられるゲル含有率試験に従って測定することができる。物理的に架橋したポリマーネットワークのケースでは、ゲル含有率は、ハードセグメント(例えば、高いTgブロック)に対して非溶剤でもある、エラストマー部分に対しての良溶剤(場合によりトルエンの代わりに)を用いて、および適切な温度を用いて実施例セクションに述べられるゲル含有率試験に従って一般に測定することができる。
【0033】
1つの有用な熱活性化可能な接着剤には、有機の共有結合架橋した半結晶性ポリマーが含まれる。かかるポリマーは、それらの主鎖および/またはペンダント側鎖中に結晶性領域を有してもよい。主鎖結晶性ポリマーの例には、ポリ(エチレンオキシド)アミンまたはジオールを多官能性イソシアネートと反応させることによって得られるポリ(エチレンオキシド)ウレアおよびウレタンエラストマーが挙げられる。主鎖の融点はポリエチレンオキシド・セグメントによって制御され、架橋密度は、例えば、多官能性イソシアネートの選択によって、または当該技術で公知であるように湿気硬化性シラン末端基をポリマー中へ組み入れることによって制御することができる。有用な架橋した半結晶性有機ポリマーには、例えば、n−アルキル基が少なくとも20個の炭素原子を有する少なくとも1つの(メタ)アクリル酸n−アルキルモノマー(本明細書では以下C20+(メタ)アクリレートモノマーと言われる)と、アルキル基が4〜12個の炭素原子を有する少なくとも1つの(メタ)アクリル酸アルキルモノマー(本明細書では以下C4〜C12(メタ)アクリレートモノマーと言われる)と、場合により極性モノマーとを含むモノマーの重合によって形成される半結晶性アクリルポリマーが含まれる。
【0034】
理論に縛られるのを望むことなく、本発明で使用される濃度でのC20+(メタ)アクリレートモノマー単位は室温で低粘着性をもたらす結晶性の程度に影響を及ぼすと考えられる。ポリマー材料の結晶性含有率は、例えば、本明細書で下の実施例セクションに示される結晶性含有率測定試験方法に従って、示差走査熱量測定法を用いて測定することができる。接着、活性化温度より下の温度での低粘着性、および除去可能性を達成するために、結晶性含有率の程度は好ましくは、少なくとも5、10、もしくは15重量パーセントさえの結晶性含有率から20、25、もしくは30重量パーセントさえ以下の結晶性含有率の範囲にあるべきである。低い結晶性含有率は典型的には室温で増加したおよび永久的な粘着性をもたらすが、より高いレベルの結晶性含有率は典型的には、熱活性化後でさえも、ほとんどまたは何の粘着性ももたらさない。
【0035】
対照的に、C4〜C12アルキル(メタ)アクリレートモノマー単位は室温もしくはそれ以上で粘着性の程度に寄与すると考えられる。任意の極性モノマー単位は接着剤の接着強度を改善する。
【0036】
ポリマー中のC20+(メタ)アクリレートモノマー単位は、ポリマーの少なくとも20、30、35、40、もしくは45重量パーセントさえから、50、55,60、65、もしくは70重量パーセントさえ以下を占めてもよい。しかしながら、ポリマーが非酸性の極性モノマーを含まない場合、その時はポリマー中に含まれるべきであるC20+(メタ)アクリレートモノマーの最小量は少なくとも40重量パーセントである。
【0037】
有用なC20+(メタ)アクリレートモノマーには、例えば、(メタ)アクリル酸アイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニル、およびそれらの組み合わせが含まれる。20個より多くの炭素を有するアルコールの他の有用な(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、商品名「ユニリン(UNILIN)」および「ユニソックス(UNITHOX)」(ベイカー・ペトロライト、テキサス州シュガー・ランド(Baker Petrolite,Sugar Land,Texas)から入手可能な)で入手可能な20個より多い炭素原子を有する商業的に入手可能なアルコールを第三級アミンの存在下に塩化(メタ)アクリロイルでエステル化することによって得ることができる。
【0038】
ポリマー中のC4~12(メタ)アクリレートモノマー単位は、ポリマーの少なくとも30、35、40、もしくは45重量パーセントさえから、50、55,60、65、70、もしくは80重量パーセントさえ以下を占めてもよい。C4~12(メタ)アクリレートモノマーは、非第三級アルコールの線状または分岐モノ官能性(メタ)アクリレートエステルであってもよい。これらの低級の線状および分岐アクリレートは、性質の点で粘着性である材料をもたらす低いガラス転移温度の性質および粘弾性特性を提供するかもしれない。本発明で使用されるより短い鎖の低級アルキルアクリレートおよびメタクリレートの例には、例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−メチルブチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸4−メチル−2−ペンチル、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
極性モノマー単位は、N−ビニルラクタムのケースでは20重量パーセント以下の量で、および他のモノマーのケースでは10重量パーセント以下の量でポリマー中に含まれてもよいが、5パーセントに等しいもしくはそれ未満の量または1パーセントに等しいもしくはそれ未満の量でさえも多くのケースで有用である。
【0040】
本明細書で上に議論されたC4~12(メタ)アクリレートおよびC20+(メタ)アクリレートモノマーと共重合されてもよい有用なエチレン系不飽和極性モノマーには、強極性のおよび適度に極性のモノマーが含まれる。
【0041】
強極性モノマーには、例えば、モノ−、ジ−、および多−官能性カルボン酸および塩(例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、およびフマル酸)、アクリル酸シアノアルキル、(メタ)アクリルアミド、ならびにアクリロニトリルが含まれる。
【0042】
適度に極性のモノマーには、例えば、N−ビニルラクタム(例えば、N−ビニルカプロラクタムおよびN−ビニルピロリドン)、ハロゲン化ビニル(例えば、塩化ビニルおよび塩化ビニリデン)、スチレン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸3−ヒドロキシプロピル)が含まれる。
【0043】
半結晶性ポリマーの架橋は、例えば、半結晶性ポリマーを形成するための重合の前にC4~12(メタ)アクリレートおよびC20+(メタ)アクリレートモノマーと共に架橋剤を含むことによって、および/または重合前にモノマー混合物中に少なくとも1つの多官能性モノマー(架橋モノマー)を含むことによって成し遂げられてもよい。モノマー混合物中に含まれてもよい有用なエチレン系不飽和架橋剤には、例えば、多官能性(メタ)アクリレート(例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよび米国特許第4,379,201号明細書(ハイルマン(Heilmann)ら)に記載されている多官能性(メタ)アクリルモノマー)が含まれる。モノマー混合物中に含まれ得るが、半結晶性ポリマーの形成の後で架橋を形成するかもしれない他の有用なエチレン系不飽和架橋剤には、モノエチレン系不飽和芳香族ケトン(例えば、米国特許第4,737,559号明細書(ケレン(Kellen)ら)に記載されているような、4−アクリロイル−オキシ−ベンゾフェノン)、高ガラス転移温度マクロマー、およびエチレン系不飽和シラン(例えば、モノエチレン系不飽和モノ−、ジ−、またはトリ−アルコキシシラン)が含まれる。
【0044】
半結晶性ポリマーは、例えば、当該技術で周知の手順を用いる懸濁、乳化、または溶液重合法を用いて製造されてもよい。
【0045】
あるいはまた、またはさらに、半結晶性ポリマーは重合後に架橋されてもよい。この関連で使用されてもよい架橋剤は当該技術で周知であり、半結晶性ポリマーの化学官能性に基づいて典型的には選択される。例えば、半結晶性ポリマーが酸基を含む場合、有用な架橋剤には、例えば、多官能性アジリジンアミド(例えば、1,1’−(1,3−フェニレンジカルボニル)ビス[2−メチルアジリジン]、2,2,4−トリメチルアジポイルビス[2−エチルアジリジン]、1,1’−アゼラオイルビス[2−メチルアジリジン])およびアジリジニルトリアジン(例えば、2,4,6−トリス(2−エチル−l−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン);金属イオン架橋剤(例えば、銅、亜鉛、ジルコニウム、およびクロムイオン)、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。金属イオン架橋剤の例には、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントンによって商品名「タイザー(TYZOR)」で市販されているオルトチタン酸のキレート化エステル(例えば、商品名「タイザーAA」で市販されているチタンアセチルアセトネート)が挙げられる。
【0046】
アクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはメタクリル酸3−ヒドロキシプロピルのようなヒドロキシ官能性の適度に極性のモノマーが利用される場合、多官能性イソシアネート架橋剤が有効に利用されるかもしれない。有用な多官能性架橋剤には、芳香族多官能性イソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネート)、アラルキレン多官能性イソシアネート(例えば、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン)、脂環式多官能性イソシアネート(例えば、ビス(4−イソシアナトヘキシル)メタン)、ならびに脂肪族多官能性イソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびテトラメチレンジイソシアネート)が含まれる。
【0047】
最初の重合後の紫外線への曝露による架橋もまた、例えば、米国特許第4,329,384号明細書(ベスレイ(Vesley)ら)、同第4,330,590号明細書(ベスレイ)、および同第4,379,201号明細書(ベスレイ)に記載されている発色団−置換ハロメチル−s−トリアジンのような架橋剤を使用して用いられてもよい。
【0048】
典型的には、架橋剤の量は組成物の総重量を基準にして0.01重量パーセント〜10重量パーセントに変わるが、使用される架橋剤の量は使用される架橋剤のタイプに依存し、他の量の架橋剤を使用することができる。用いられる架橋剤の量は、熱活性化可能な接着剤が活性化された時に強粘着性をもたらすべきであるが、本発明による物品が後ほど基材表面から除去される時に基材上に目に見える接着剤残渣をもたらさない。
【0049】
粘着性を強化された接着剤はまた、熱活性化可能な接着剤として使用されてもよい。これらの接着剤は典型的にはエラストマーおよび大量の粘着性付与樹脂を含み、後者は、生じた接着剤のガラス転移温度(Tg)を、接着剤でコートされたシートの便利なおよび効果的な室温取扱いに必要とされるレベルまで高めるのに十分な量で含まれる。加熱すると、粘着性付与剤は軟化または溶融し、強粘着性が発現する。続いて冷却すると、粘着性付与剤は再凝固して強粘着性の喪失をもたらす。粘着性を強化された接着剤の例は、米国特許第4,248,748号明細書(マックグラス(McGrath)ら)に記載されている。有用な粘着性付与樹脂は一般に周知の樹脂であり、典型的にはエラストマーのTgおよび粘着性を高めるそれらの能力によって特徴づけられる熱可塑性樹脂状の室温固形分である。
【0050】
高分子量有機酸と関連する中性物質との典型的には複雑な混合物である、天然起源材料は、粘着性付与樹脂の一般的ひな形である。ウッドロジンもしくな他のロジン、またはかかる天然起源ロジンの変性形(例えば、水素化またはエステル化ロジン)が特に有用である。テルペン、フェノール−またはスチレン−変性テルペンのポリマー、および低分子量ステン樹脂もまた有用である。
【0051】
粘着性を強化された接着剤は、感圧接着剤で典型的に使用されるエラストマーから誘導することができる。かかる粘着性を強化された接着剤は室温(すなわち、20℃〜25℃)で粘着性が低いまたは全く粘着性なしである。室温でのそれらの低粘着性または粘着性なし特性は、それらの高いガラス転移温度(典型的には、少なくとも10℃)および/または高い貯蔵剪断弾性率(典型的には、23℃および1ヘルツ(Hertz)で少なくとも5×105パスカル)に由来する。
【0052】
本発明で有用な粘着性を強化された接着剤の例には、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロック共重合体、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(アルファ・オレフィン)、およびシリコーンが挙げられる。
【0053】
粘着性を強化された天然ゴム接着剤には、薄淡クレープ・グレードから暗リブド・スモークド・シートまでのグレードの範囲にあってもよい天然ゴムが含まれ、例えば、CV−60(制御粘度ゴムグレード)およびSNIR−5(リブド・スモークド・シート・ゴムグレード)が含まれる。天然ゴムの粘着性を強化するために使用される粘着性付与樹脂には一般に、ウッドロジンおよびその水素化誘導体、様々な軟化点のテルペン樹脂、ならびに石油系樹脂が含まれるが、それらに限定されない。
【0054】
粘着性を強化された合成ゴム接着剤には、ブチルゴム、イソブチレンと3パーセント未満のイソプレンとの共重合体、ポリイソブチレン、イソプレンのホモポリマー、ポリブタジエン、またはスチレン−ブタジエンゴムのような一般にゴム状エラストマーである合成ゴムが含まれる。合成ゴムの例は、商品名「アメリポール(AMERIPOL)1011AE」でアメリポール・シンポール・コーポレーション、テキサス州ポート・ネッチス(Ameripol Synpol Corporation,Port Neches,Texas)によって市販されているもの、スチレン/ブタジエンゴムである。合成ゴムの粘着性を強化するために有用である粘着性付与剤には、ロジンの誘導体、ポリテルペン、C5脂肪族オレフィン由来樹脂、およびC9芳香族/C5脂肪族オレフィン由来樹脂が含まれる。
【0055】
粘着性を強化されたスチレンブロック共重合体接着剤は一般に、A−BまたはA−B−Aタイプ(ここで、Aは熱可塑性ポリスチレンブロックを表し、Bはポリイソプレン、ポリブタジエン、またはポリ(エチレン−コ−ブチレン)のゴム状ブロックを表す)のエラストマーと樹脂とを含む。接着剤で有用な様々なブロック共重合体の例には、商品名「クラトン(KRATON)D1107」、「クラトンG1657」、「クラトンG175W」、および「クラトンD1118」で、シェル・ケミカル・カンパニー、テキサス州ヒューストン(Shell Chemical Company,Houston,Texas)から商業的に入手可能なもののような線状の、放射状の、星形のおよび先細のスチレン−イソプレンブロック共重合体が挙げられる。
【0056】
ポリスチレンブロックは、回転楕円体、円筒、またはラメラの形状でブロック共重合体接着剤に2相構造を持たせる領域を形成する傾向がある。ゴム相に関係する樹脂は一般に感圧接着剤で粘着性を発現する。ゴム相関連樹脂の例には、商品名「エスコレッツ(ESCOREZ)130W」および「ウィングタック(WINGTACK)」でグッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー、オハイオ州アクロン(The Goodyear Tire & Rubber Company,Akron,Ohio)から市販されているもののような脂肪族オレフィン由来樹脂、商品名「フォラル(FORAL)」および「ステイベライト・エステル1W(STAYBELITE Ester 1W)」でハーキュレス社(Hercules,Inc.)から商業的に入手可能なもののようなロジンエステル、商品名「エスコレッツ5000」でエクソンモービル・コーポレーション、テキサス州ヒューストンから商業的に入手可能なもののような水素化炭化水素、商品名「ピッコライテ(PICCOLYTE)X」でハーキュレス社、デラウェア州ウィルミントンによって市販されているもののようなポリテルペン、ならびに熱可塑性相に関係し、感圧接着剤を硬化させる傾向がある、商品名「ヴィッコフィン・アロウ(VICCOFYN AlOW)」樹脂で商業的に入手可能なもののような、石油またはテレビン油源に由来するテルペンフェノール樹脂が挙げられる。
【0057】
粘着性を強化された(メタ)アクリル接着剤は一般に、例えば、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシルおよびアクリル酸n−ブチルのような、100〜80重量パーセントのC4〜C12アルキルエステル成分と、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、およびスチレン・マクロマーのような、0〜20重量パーセントの極性成分または付着力強化成分とを含む。(メタ)アクリル感圧接着剤は、0〜20重量パーセントのアクリル酸と100〜80重量パーセントのアクリル酸イソオクチル、アクリル酸ブチルまたはアクリル酸エチルヘキシルとを含んでもよい。これらの材料の粘着性を強化するために使用することができる有用な粘着性付与剤は、商品名「フォラル85」でハーキュレス社から商業的に入手可能なもののようなロジンエステル、商品名「ヴィッコテックス(VICCOTEX)LC)−55WE」でハーキュレス社から商業的に入手可能なもののような芳香族樹脂、ならびに商品名「シルヴァレッツ(SYLVAREZ)2019」および「シルヴァレッツB−100」でアリゾナ・ケミカル・カンパニー、フロリダ州ジャクソンビル(Arizona Chemical Company,Jacksonville,Florida)から商業的に入手可能なもののようなテルペン樹脂である。ポリ(1−アルケン)接着剤とも呼ばれる、潜在的な粘着性を強化されたポリ(アルファ−オレフィン)接着剤には一般に、米国特許第5,112,882号明細書(バブ(Babu)ら)に記載されているように放射線活性化可能な官能基がそれにグラフトされていてもよい実質的に非架橋のポリマーか非架橋ポリマーかのどちらかが含まれる。かかる接着剤の粘着性を強化するために使用することができる粘着性付与材は典型的には、ポリ(アルファ−オレフィン)ポリマーに混和性である樹脂である。有用な粘着性付与樹脂には、C5〜C9不飽和炭化水素モノマーの重合によって誘導される樹脂、ポリテルペン、フェノール−またはスチレン−変性ポリテルペンなどが含まれる。このタイプのC5オレフィン留分をベースにするかかる樹脂の例には、商品名「ウィングタック(WINGTACK)」でグッドイヤーから商業的に入手可能なものが挙げられる。
【0058】
粘着性を強化されたシリコーン接着剤は2つの主成分、ポリマーまたはゴムと粘着性付与樹脂とを含む。ポリマーは典型的には、ポリマー鎖の末端に残留シラノール官能性を含有する高分子量ポリジメチルシロキサンもしくはポリジメチルジフェニルシロキサン、またはポリジオルガノシロキサン・ソフトセグメントとウレア末端ハードセグメントとを含むブロック共重合体である。これらの接着剤の粘着性を強化するために使用することができる粘着性付与樹脂は、トリメチルシロキシ基でエンドキャップされている、そしてまた幾つかの残留シラノール官能性も含有する三次元シリケート構造を含む。粘着性付与樹脂の例には、商品名「SR545」でゼネラル・エレクトリック・カンパニー、シリコーン樹脂部門、ニューヨーク州ウォーターフォード(General Electric Company,Silicone Resins Division,Waterford,New York)によって、および商品名「MQD−32−2」でシンエツ・シリコーンズ・オブ・アメリカ、カリフォルニア州トランス(Shin−Etsu Silicones of America,Torrance,California)から市販されているものが挙げられる。典型的には、シリコーン樹脂の粘着性を強化するために、粘着性付与剤は少なくとも50重量パーセントの量で存在する。典型的なシリコーン感圧接着剤の製造は、米国特許第2,736,721号明細書(デキスター(Dexter))に記載されている。シリコーン・ウレアブロック共重合体感圧接着剤の製造は、米国特許第5,214,119号明細書(レイル(Leir)ら)に記載されている。
【0059】
熱活性化可能な粘着性を強化された接着剤で使用されるエラストマーは、溶媒重合、分散重合、乳化重合、懸濁重合、無溶媒バルク重合、ならびに紫外光、電子線、およびガンマ線を使用する方法をはじめとする放射線重合の通常の技術を含むが、それらに限定されない技術によって製造することができる。これらの方法は当業者には周知である。
【0060】
幾つかの実施形態では、熱活性化可能な接着剤は、クリングバッキングの1主面と接触している層として配置されるが、幾つかの実施形態では、熱活性化可能な接着剤は、2つの主面の両方上に1つで、2層として配置される。熱活性化可能なおよび/または他の接着剤層は連続であってもよくおよび/または不連続であってもよく(例えば、接着剤の不連続領域を有する)、そして主面の幾らかまたはすべてをカバーしてもよい。
【0061】
熱活性化可能な接着剤は、その粘度に依存して、例えば、ロールコーティング、ナイフコーティング、ホットメルトコーティング、積層、または押出のような様々な通常のコーティング方法のどれによってコートされてもよい。熱活性化可能な接着剤層の厚さは、典型的には1マイクロメートル〜500マイクロメートルの範囲にあるが、より大きいおよびより小さい厚さもまた用いられてもよい。
【0062】
熱活性化可能な接着剤層は、任意の公知のコーティング技術によってクリングバッキングに塗布されてもよい。有用なコーティング技術には、例えば、ロールコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、スプレーコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、バーコーティング、およびカーテンコーティングが含まれる。熱活性化可能な接着剤層はクリングバッキング(例えば、クリングビニルまたは帯電フィルム)に塗布されてもよいし、または帯電フィルムのケースでは、接着剤はフィルムに静電気帯電させる前にフィルムに塗布されてもよい。
【0063】
熱活性化可能な接着剤の偶然の活性化(例えば、ヒトの手またはさらに控えめに暖かい表面との接触による)から守るために、熱活性化可能な接着剤の活性化温度は、少なくとも40、50、60、70、80、または90℃でさえあってもよい。感熱性クリングバッキングおよび/または基材への損傷を防ぐために、かつ、個人ヘアドライヤーを用いる活性化を可能にするために、幾つかのケースでは活性化温度は100、90、80、70、60℃、または50℃未満でさえあることが望ましいかもしれない。活性化可能な接着剤を活性化するために使用されてもよい他の有用な熱源には、例えば、オーブン、マイクロ波エネルギー、太陽エネルギー、赤外線、スチーム、熱水、加熱された金属(例えば、アイロン)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0064】
ワックスとエラストマーとの組み合わせもまた、熱活性化可能な接着剤として使用されてもよい。かかる材料は、エラストマーマトリックスのゴム状プラトー弾性率を高めるために粘着性付与樹脂の代わりにワックスを使用することを除いて、上に議論された粘着性を強化された接着剤と同様に機能する。
【0065】
好適なエラストマーには、本明細書で上の粘着性を強化された接着剤での使用について述べられたものが含まれる。
【0066】
好適なワックスには、例えば、パラフィンワックスおよび低分子量の微結晶性ワックス(例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン・ワックス)が含まれる。かかるポリオレフィンワックスは周知であり、例えば、微粉化固形分としてまたはエマルジョンとして入手されてもよい。
【0067】
有用なパラフィンワックスは典型的には25℃〜180℃、例えば、40℃〜120℃の融点を有する。溶融温度が高すぎると、パラフィンは接着剤と相溶性ではなく、接着剤の活性化温度が高すぎるかもしれず、溶融温度が低すぎると、それは時期尚早に軟化し、活性化可能な接着剤が室温に近い温度でさえ強粘着性である原因となる。
【0068】
本発明の熱活性化可能な接着剤で有用なパラフィンワックスには、微結晶性ワックス(例えば、商品名「シェルワックス(SHELLWAX)」でシェル・オイル・カンパニー、テキサス州ヒューストン(Shell Oil Company,Houston,Texas)によって市販されているもの)が含まれる。パラフィンワックスは典型的には、エラストマーの重量を基準にして1パーセントもしくは5重量パーセントから100パーセントもしくは150重量パーセントさえまでの量で有用である。
【0069】
場合により、本発明によるクリング物品は、その主面の少なくとも一部と接触した通常の感圧層を含んでもよい。この補助感圧接着剤は、熱活性化可能な接着剤の層に加えて存在し、該層の上に配置されない。補助接着剤は、例えば、クリングバッキングと接触している層およびいかなる追加の任意の層を含んでもよい。
【0070】
場合により、本発明の実施で使用される任意の接着剤層は、当該接着剤層が基材に塗布される時に流体(空気を含む)が脱出できるように表面トポグラフィーを提供されてもよい。例えば、該トポグラフィーは、クリング物品と基材との間に取り込まれた気泡の形成を減らすまたは排除するために有効なパターンで提供されてもよい、マイクロチャネルまたは溝の形で提供されてもよい。かかるマイクロチャネルは、円形、正方形、三角形または台形のような、任意の適切な断面形状を有してもよい。典型的には、マイクロチャネルまたは溝は、0.1ミリメートル未満の幅および25ミリメートル未満の深さを有してもよい。
【0071】
本発明のクリング物品上に図画像を有することが望まれる場合、その時はかかるものはクリングバッキング上に、または任意の受像層上に直接(例えば、エレクトログラフィー、スクリーン印刷、熱物質移動、インクジェット(水溶性インク、溶剤系インクまたはUV硬化性インクを使用するインクジェット技術を含む)、フレキソ印刷、または染料昇華によって)印刷されてもよい。受像層は、熱活性化可能な接着剤層の反対側のクリングバッキングの主面上へコートされても、主面に積層されても(例えば、共押出、熱積層、接着積層によって)、または他のやり方で主面に貼り付けられてもよい典型的には連続の層である。本発明での使用に好適な受像層はグラフィック技術で周知であり、例えば、米国特許第5,707,722号明細書(イクバル(Iqbal)ら)、同第6,500,527号明細書(ミラー(Miller))、および米国特許出願公開第2002/0052439号明細書(ファルーク(Farooq))に記載されている。
【0072】
上述の任意の層に加えて、本発明に従ったクリング物品は、乾式消去層のような他の任意の層を含むことができる。有用な任意の乾式消去層は典型的には高度に架橋したポリマー材料の平滑な層である。任意の乾式消去層を製造する材料および方法に関する詳細は、例えば2002年8月30日に出願された「消去可能物品およびそれからの物品の製造方法(Method of Making Erasable Articles and Articles Therefrom)」という表題の同一出願人による米国特許出願第10/231,568号明細書(バラティら)に、ならびに米国特許第5,258,225号明細書(カッツァムベリス(Katsamberis))、同第5,391,210号明細書(ビルカディ(Bilkadi)ら)、および同第5,677,050号明細書(ビルカディら)に見いだされるかもしれない。
【0073】
任意であろうとなかろうと、上の層のいかなるものも少なくとも1つの任意の添加剤を含んでもよい。任意の添加剤は、それらのすべてが当業者におなじみである、顔料(蛍光性およびリン光性顔料を含む)、染料、フィラー、紫外(UV)吸収剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、可塑剤、光安定剤、熱安定剤、スリップ剤、帯電防止剤、フリーラジカル捕捉剤、およびかかる添加剤のためのキャリア樹脂から選択することができる。
【0074】
本発明のクリング物品はシートまたはロール形で提供されてもよい。ロール形の場合、それらは引裂によって個々のシートの取り外しを可能にする穿孔のラインを含んでもよい。シート形の場合、それらは、例えば、個別に(例えば、少なくとも1つのキャリアシート上に支持されて)または積み重ね形で提供されてもよい。
【0075】
本発明のクリング物品は、それらが、例えば、一方向プライバシーフィルムおよびステンシルとして使用されることを可能にする穿孔を含有してもよい。
【0076】
本発明のクリング物品は、例えば、乾式消去板、メモ板、壁紙、表面保護フィルム(例えば、棚ライナ)、プライバシーフィルム、エネルギー管理フィルム、マスキング、映写幕、グラフィック物品(例えば、自動車グラフィックス、トラックグラフィックス、窓グラフィックス、アップリケ、掲示板)、および壁取付け可能な画架パッドをはじめとする多くの用途を有する。
【0077】
本発明のクリング物品は任意の固体基材に付着されてもよい。好適な基材は垂直のおよび/または水平の平面を有してもよく、導電性であっても非導電性であってもよく、ペンキが塗られていても塗られていなくてもよい。模範的な基材には、木材、石造建築物、建築物表面(例えば、床、壁、天井)、ガラス(例えば、窓、鏡)、金属、乾式壁、漆喰、自動車両(例えば、自動車、トラック、モーターサイクル)、トレーラー(例えば、トラックトレーラー)、移動住宅、ボート、ボックス、キャビネット、ドア、およびセラミックタイルが含まれる。
【0078】
本発明の目的および利点は、次の非限定的な実施例によってさらに例示されるが、これらの実施例に列挙される特定の材料およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を不当に限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0079】
特に記載のない限り、実施例で使用するすべての試薬は、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Aldrich Chemical Company,Milwaukee,Wisconsin)のような総合化学薬品供給業者から入手した、もしくは入手可能である、または公知の方法によって合成してもよい。
【0080】
次の省略形を次の実施例の全体にわたって使用する。
【0081】
【表1】

【0082】
次の手順および試験方法を次の実施例で用いた。
【0083】
積層の方法
接着剤を異なるフィルムへの容易な移行のためにシリコーン処理ポリエステル・ライナ上にコートした。乾燥接着剤厚さは25マイクロメートルであった。接着剤付きライナを次にフィルムに向けて接着剤付き面でフィルム上へ置いた。接着剤を、ゴム−カバー付きローラーを用いて手動でロールダウンし、気泡を除去するように注意しながら、低ヒートセッティングにセットしたヘアドライヤー(イースト・ウェスト・ディストリブーション・カンパニー、イリノイ州ディアフィールド(East West Distribution Company,Deerfield,Illinois)から商品名「パーフェクション・クラシック、クワイエット(PERFECTION CLASSIC,QUIET)1875W」で入手した)を用いて46℃に加熱した。次にライナを、高ヒートセッティングでヘアドライヤーを用いて60℃に加熱し、ライナおよび接着剤を、ゴム−カバー付きローラーを用いて手動で2回目のロールダウンをしてフィルム−接着剤−ライナ・ラミネートをもたらした。上記手順の全体にわたって、ヘアドライヤーとライナとの間の距離を約15cmに保った。
【0084】
静電帯電の方法
ライナをフィルム−接着剤−ライナ・ラミネート(8.5インチ×11インチ(22cm×28cm))から除去し、生じたフィルム−接着剤ラミネートに、水平に配置した一連の4つの放電棒(シムコ・カンパニー、ペンシルバニア州ハットフィールド(Simco Company,Hatfield,Pennsylvania)から商品名「チャージマスター・ピンナー・アーク抵抗性放電棒(CHARGEMASTER PINNER ARC RESISTANT CHARGING BAR)」で入手した)を用いて周囲条件下でDCコロナ放電した(接着剤面を放電棒の方に向けて)。放電棒を次の通り間隔を置いて配置した:棒1と棒2との間の中心−中心距離は3.0インチ(7.6cm)であり、棒2と棒3との間の中心−中心距離は3.25インチ(8.3cm)であり、棒3と棒4との間の中心−中心距離は3.75インチ(9.5cm)であった。各放電棒を、対応する接地金属板の1.5インチ(3.5cm)上方に置いた。+29キロボルトの電圧(接地金属板に対して)を各放電棒にかけた。ベルトが金属板と接触して維持されるように、放電棒と金属板との間を通過する移動中(1フィート毎分(1.8メートル毎分))の連続ベルト(ライト・ウェイト・ベルティング・コーポレーション、メネソタ州ミネアポリス(Light Weight Belting Corporation,Minneapolis,Minnesota)から入手した部品番号:8882802A)上にフィルムを置くことによってそれらに帯電させた。帯電後に、ライナを露出接着剤表面上に元通りに置いた。
【0085】
剪断接着力試験
2インチ×4インチ(5.1cm×10.2cm)の寸法があるフィルムストリップをフィルムの各サンプルからカットした。フィルムストリップを、40ポイント白色板紙(ユニソース・ワールドワイド・カンパニー、ミネソタ州ブルックリン・パーク(Unisource Worldwide Company,Brooklyn Park,Minnesota)から商品名「クレセント板紙(CRESCENT PAPERBOARD)」で入手した)であって、淡黄色仕上げラテックスペンキ(ダッチ・ボーイ、オハイオ州クリーブランド(Dutch Boy,Cleveland,Ohio)から入手した「サンディ・オアシス(SANDY OASIS)」色標準に従って着色した「淡黄色超白色(EGGSHELL ULTRA WHITE)#110−07」)を塗った、そしてスプレー接着剤(3Mカンパニーから商品名「スプラ−メント・アート・アンド・ディスプレー接着剤(SPRA−MENT ART & DISPLAY ADHESIVE)」で入手した)を用いて5インチ×8インチ×0.25インチ(13cm×20cm×0.6cm)のペンキを塗っていないアメリカボダイ樹パネルに接着した40ポイント白色板紙の垂直配向表面に接着させた。テープの一片(3/4インチ(1.9cm)幅、3Mカンパニーから商品名「スコッチ・フィラメント・テープ(SCOTCH FILAMENT TAPE)」で入手した)をフィルムストリップの上端に垂直に接着し、力がフィルム試験片の10.2cmエッジに平行に加えられるように、引張試験機(MTSシステムズ・コーポレーション、ノースカロライナ州カリー(MTS Systems Corporation,Cary,North Carolina)から商品名「シンテック(SINTECH)200/S」で入手した)のクロス−ヘッドに固定した。フィルムストリップの5.1cmエッジがフィルムの最上部と底部とに置かれるようにパネルおよびフィルムストリップ・アセンブリを垂直に配向させた。パネルに対するフィルムストリップの移動を引き起こすために必要な力(すなわち、剪断接着力)を、2.5cm/分のクロス−ヘッド速度を用いて測定した。
【0086】
フィルムストリップを順次試験パネルに貼り付け、上記のように剪断によって除去した。
【0087】
試験パネルへのフィルムストリップの剪断接着力を、ヒートガン(マスター・アプライアンス・コーポレーション、ウィスコンシン州ラシーン(Master Appliance Corporation,Racine,Wisconsin)製のモデル番号HG−501A)を用いて接着剤を活性化した後に測定した。温度をフィルムストリップ間でほぼ一定に保つために、接着剤コートされたフィルムストリップをフィルムとガンとの間の7cmの距離で2秒間一様に加熱する前に、ヒートガンを10秒間走らせた。フィルムストリップを、剪断接着力試験を行う前に室温まで放冷した。接着剤コーティングなしのフィルムストリップについての剪断接着力を、熱活性化工程を経ることなしに測定した。
【0088】
ゲル含有率測定
次の実施例で報告するゲル含有率は本方法に従って測定した。試験すべき既知重量の乾燥接着剤を、前もって秤量したスクリーンバスケット上に置いた。ポリマーおよびスクリーンを70℃に加熱したトルエン中に浸し、24時間浸漬したままにした。浸漬後に、スクリーン上の任意の残留ポリマーをよりきれいな溶剤で洗浄し、70℃で20分間乾燥した。乾燥後に、サンプルを再び秤量してスクリーン上に残留するポリマーの重量を得た。この手順を、安定した乾燥重量が得られるまで繰り返した。パーセント単位のゲル含有率は、100を乗じた、ポリマーの元の重量で割った浸漬後にスクリーン上に残留するポリマーの重量の比として計算した。
【0089】
結晶性含有率試験
熱活性化可能な接着剤のサンプルを密封したアルミニウム鍋に入れ、5℃毎分の速度で0℃から100℃までの温度プロフィールを用いて示差走査熱量計(パーキン−エルマー、マサチューセッツ州ウェルズリー(Perkin−Elmer,Wellesley,Massachusetts)から商品名「DSC7」で入手した)で走査した。融解熱を、サンプルの第1上方走査中の熱活性化可能な接着剤の融点についてのピーク面積を測定することによって求めた。融解熱を純C20+(メタ)アクリレートモノマーよりなるポリマー(ホモポリマー)について測定し、共重合体についてのパーセント結晶化度は、共重合体の融解熱をホモポリマーの融解熱で割り、百を乗じることによって求めた。
【0090】
準備例P1
熱活性化可能な接着剤を、容器中で20グラムのアクリル酸2−エチルヘキシル、19.2グラムのアクリル酸ベヘニルおよび0.8グラムのアクリル酸(50/48/2EHA/BHA/AAターポリマーをもたらす)を60グラムの酢酸エチル/トルエンの50/50(重量/重量)溶媒混合物、0.12グラムの熱開始剤(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントンから商品名「ヴァゾ(VAZO)67」で入手した)と混合し、容器の内容物を不活性化し、内容物を60℃に24時間加熱することによって製造した。生じたポリマー溶液を0.04グラムのビスアミド(ポリマーの乾燥重量を基準にして乾燥重量パーセント)と混合し、混合直後に37.5マイクロメートル厚さシリコーン処理ポリエステルフィルム上へコートし、70℃で15分間乾燥して25マイクロメートルの乾燥接着剤コーティングを与えた。乾燥接着剤テープを、上記の積層の方法手順に従って異なるクリングフィルム上に貼り付けた。この接着剤のゲル含有率は49.5パーセントであると測定され、活性化温度は40℃であり、結晶性含有率は結晶性含有率試験に従って測定されたところでは19パーセントであった。
【0091】
準備例P2
熱活性化可能な接着剤を、容器中で20.8グラムのEHA、19.2グラムのBHAを60グラムの酢酸エチル/トルエンの50/50(重量/重量)溶媒混合物、0.12グラムの熱開始剤(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントンから商品名「ヴァゾ67」で入手した)と混合し、容器の内容物を不活性化し、内容物を60℃に24時間加熱することによって製造した。生じたポリマー溶液を37.5マイクロメートル厚さシリコーン処理ポリエステルフィルム上へコートし、70℃で15分間乾燥して25マイクロメートルの乾燥接着剤コーティングを与えた。コートされたフィルムを、10メートル毎分で全出力で動作するH−バルブを備えたヒュージョン・システムズ・コーポレーション、メリーランド州ゲイサーズバーグ(Fusion Systems Corporation,Gaithersburg,Maryland)から商品名「UVプロセッサー(PROCESSOR)モデルMC−6RQN」で入手した紫外光処理装置を1回(接着剤面がランプの方を向いて)通過させた。接着剤のゲル含有率は53パーセントであると測定され、活性化温度は40℃であり、結晶性含有率は結晶性含有率試験に従って測定されたところでは19パーセントであった。
【0092】
準備例P3
準備例P3の熱活性化可能な接着剤を、40グラムのF85を40グラム・メチルエチルケトンに溶解することによって製造した。該溶液を、酢酸エチル/トルエンの混合物に27重量パーセント固形分に溶解した220グラムの57.5/35/7.5IOA/MA/AAターポリマー(酢酸エチル中の固有粘度は1.7デシリットル/グラムであった)と混合した。コーティングの直前に、0.06グラムのビスアミド架橋剤を添加した。混合物を均一になるまでかき混ぜ、37.5マイクロメートル厚さシリコーン処理ポリエステルラーナーにコートし、70℃で15分間乾燥した。乾燥接着剤厚さは25マイクロメートルであり、ゲル含有率は49.7パーセントであった。
【0093】
準備例P4
準備例P4の熱活性化可能な接着剤を、準備例P3について記載したように製造したが、40グラムF85の代わりに、20グラムのF85を使用した。220グラムの溶液接着剤の代わりに、300グラムの溶液接着剤を使用した。この溶液を準備例P3について記載したようにコートし、乾燥した。この接着剤のゲル含有率は69.5パーセントであると測定された。
【0094】
準備例P5
熱活性化可能な接着剤を、100グラムのKR1107、40グラムのWTPLUS、60グラムのPW1000、および1グラムのIRG1010を溶融混合装置(シー.ダブリュ.ブラベンダー、ニュージャージー州サウス・ハッケンサック(C.W.Brabender,South Hackensack,New Jersey)から商業的に入手可能な)中150℃で15分間を溶融混合することによって調製した。生じた混合物を、実施例5(下で)で使用するBOPPフィルム上へ25マイクロメートル厚さで熱溶融押出した。この接着剤の活性化温度は105℃であった。
【0095】
実施例1〜4
これらの実施例では、表1に示すような様々な接着剤を、積層の方法手順に従ってSBOPPクリングフィルムの個々の試験片に積層した。
【0096】
SBOPPフィルムは同時3層共押出によって製造した3層二軸延伸(7×7)フィルムであった。2つの外層は0.005ミル(0.1マイクロメートル)の厚さを有し、ポリプロピレン(アトフィナ・ペトロケミカルズ、テキサス州ヒューストン(Atofina Petrochemicals,Houston,Texas)から商品名「フィナ(FINA)−3376」で入手した)よりなった。中心層は95重量パーセント・ポリプロピレン(フィナ−3376)中の5重量パーセント二酸化チタンよりなった。全SBOPPフィルム厚さは1.85ミル(47マイクロメートル)であった。SBOPPフィルムに、積層の方法手順を実施した後、静電帯電の方法に従って帯電させた。
【0097】
実施例1〜4の帯電フィルム接着剤ラミネートを剪断接着力試験に従って試験した。結果を表1に報告する。
【0098】
実施例5
本実施例では、準備例P5からの接着剤を、二軸スクリュー反転式押出機およびホットメルト・ドロップダイを用いて二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)クリングフィルムに向けて熱溶融押出した。BOPPフィルムを、バッキングの歪曲を避けるためにゴムコートされたチルロールの周りに巻き付けた。厚さ50マイクロメートルのBOPPフィルム、タイプ−BW9は、ナン・ヤ・コーポレーション、台湾、台北(Nan Ya Corporation,Taipei,Taiwan)から入手した。BOPPフィルムに、積層の方法手順を実施した後に静電気帯電の方法に従って帯電させた。
【0099】
この帯電フィルム接着剤ラミネートを剪断接着力試験に従って試験した。結果を表1に報告する。
【0100】
実施例6
準備例P2からの接着剤を、積層の方法手順に従ってアイオノマー・クリングフィルムに向けて積層し、次にラミネートに静電帯電の方法に従って帯電させた。
【0101】
アイオノマー・クリングフィルムは次の通り製造した:亜鉛ポリエチレン−メタクリル酸アイオノマー・ペレット(78部、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントンから商品名「サーリン1705−1」で入手した)と、6.6部ポリエチレン中に分散された15.4部二酸化チタンの22部の混合物(スタンドリッジ・カラー、ニュージャージー州ブリッジウォーター(Standridge Color,Bridgewater,New Jersey)から商品名「スタンドリッジ11937ホワイト・コンセントレート(STANDRIDGE 11937 WHITE CONCENTRATE)」で入手した)とを組み合わせ、199℃の温度で、2.5インチ(6.4cm)単軸スクリュー押出機(HPMコーポレーション、オハイオ州マウントギリアド(HPM Corporation,Mount Gilead,Ohio)から入手した、モデル番号:2.5TMIII−30)を用いて、ポリエステル・ライナ(2ミル(50マイクロメートル)厚さ)上へ押し出し、3ミル(80マイクロメートル)の厚さがポリエステル・ライナ(2ミル(50マイクロメートル)厚さ)に接着したフィルムをもたらした。ポリエステル・ライナを、積層の方法手順を実施する前にアイオノマー・クリングフィルムから除去した。
【0102】
このフィルム接着剤ラミネートを剪断接着力試験に従って試験した。結果を表1に報告する。
【0103】
実施例7
準備例P2からの接着剤を、上記の手順に従ってビニルクリングフィルムに向けて積層した。クリングビニルフィルムは、26インチ×36インチのサイズおよび8ミル厚さで商品名「ウィンドー・カバリング・フィルム(WINDOW COVERING FILM)」、品目No.107−14で入手し、アートスケープ、オレゴン州ポートランド(Artscape,Portland,Oregon)から入手した。クリングビニルフィルムを次に、上の積層の方法手順に従って準備例P2の接着剤でコートした。フィルム接着剤ラミネートを剪断接着力試験に従って試験した。結果を表1に報告する。
【0104】
【表2】

【0105】
本発明の様々な予測できない修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく当業者によって行われるかもしれず、本発明は本明細書に述べられた例示的実施形態に不当に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明による模範的なクリング物品の略断面図である。
【図2】本発明による模範的なアセンブリの略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、
前記第1主面の少なくとも一部と接触している熱活性化可能な接着剤と、
を有するクリング物品であって、前記熱活性化可能な接着剤が、少なくとも40℃の活性化温度を有し、かつ、前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する、クリング物品。
【請求項2】
前記活性化温度が少なくとも60℃である、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項3】
前記活性化温度が100℃未満である、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項4】
前記クリングバッキングがクリングビニルを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項5】
前記クリングバッキングが帯電フィルムを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項6】
前記クリングバッキングがエレクトレットフィルムを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項7】
前記熱活性化可能な接着剤が半結晶性ポリマーを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項8】
前記熱活性化可能な接着剤が、粘着性を強化された接着剤を含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項9】
前記熱活性化可能な接着剤が、ワックスおよびエラストマーを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項10】
前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも10パーセントのゲル含有率を有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項11】
前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、50〜100パーセントの範囲のゲル含有率を有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項12】
前記第2主面の少なくとも一部と接触している補助接着剤をさらに有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項13】
前記補助接着剤が、熱活性化可能な接着剤を含む、請求項12に記載のクリング物品。
【請求項14】
前記補助接着剤が、少なくとも40℃の活性化温度を有する熱活性化可能な接着剤を含む、請求項12に記載のクリング物品。
【請求項15】
前記補助接着剤が、100℃未満の活性化温度を有する熱活性化可能な接着剤を含む、請求項14に記載のクリング物品。
【請求項16】
前記熱活性化可能な接着剤が、連続層を形成する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項17】
前記熱活性化可能な接着剤が、不連続層を形成する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項18】
前記補助接着剤が連続層を形成する、請求項12に記載のクリング物品。
【請求項19】
前記補助接着剤が不連続層を形成する、請求項12に記載のクリング物品。
【請求項20】
テープ、ストリップ、ロール、またはシートを構成している、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項21】
前記第1または第2主面の少なくとも1つと接触している受像層をさらに有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項22】
前記第1または第2主面の少なくとも1つが、その上に図画像を有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項23】
前記第2主面がその上に、乾式消去可能層を有する、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項24】
前記クリングバッキングが、フッ素化ポリマー、ポリオレフィン、オレフィンと他のモノマーとの共重合体、アイオノマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項25】
前記クリングバッキングがポリプロピレンを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項26】
前記クリングバッキングが、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)アイオノマーを含む、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項27】
穿孔されている、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項28】
前記クリングバッキングが、少なくとも蛍光性であるかまたはリン光性である、請求項1に記載のクリング物品。
【請求項29】
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、前記第1主面の少なくとも一部と接触している第1の熱活性化可能な接着剤とを提供する工程であって、前記熱活性化可能な接着剤が、少なくとも40℃の活性化温度を有し、かつ、前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する工程と、
前記クリングバッキングを基材と接触させる工程と、
前記熱活性化可能な接着剤を、前記熱活性化可能な接着剤が強粘着性になる温度まで加熱する工程と、
を含む、クリング物品を基材へ接着する方法。
【請求項30】
前記活性化温度が、少なくとも60℃である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記活性化温度が、100℃未満である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記クリングバッキングがクリングビニルを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記クリングバッキングが帯電フィルムを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記クリングバッキングがエレクトレットフィルムを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記熱活性化可能な接着剤が半結晶性ポリマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記熱活性化可能な接着剤が、粘着性を強化された接着剤を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
前記熱活性化可能な接着剤が、ワックスおよびエラストマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも10パーセントのゲル含有率を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
前記熱活性化可能な接着剤が、前記活性化温度もしくはそれ以上で、50〜100パーセントの範囲のゲル含有率を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
前記熱活性化可能な接着剤が、連続層を形成する、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
前記熱活性化可能な接着剤が、不連続層を形成する、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
前記クリングバッキングが、テープ、ストリップ、ロール、またはシートを構成している、請求項29に記載の方法。
【請求項43】
前記第1または第2主面の少なくとも1つが、受像層と接触する、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
前記第1または第2主面の少なくとも1つがその上に、図画像を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
前記第2主面がその上に、乾式消去可能層を有する、請求項29に記載の方法。
【請求項46】
前記クリングバッキングが、フッ素化ポリマー、ポリオレフィン、オレフィンと他のモノマーとの共重合体、アイオノマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された熱可塑性ポリマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項47】
前記クリングバッキングがポリプロピレンを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項48】
前記クリングバッキングが、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)アイオノマーを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項49】
前記クリング物品が穿孔されている、請求項29に記載の方法。
【請求項50】
前記クリングバッキングが、少なくとも蛍光性であるかまたはリン光性である、請求項29に記載の方法。
【請求項51】
前記基材がライナを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項52】
前記基材が、窓、建築物表面、または自動車よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項53】
第1および第2の対向する主面を有するクリングバッキングと、
前記第1主面の少なくとも一部と接触している第1の熱活性化可能な接着剤であって、少なくとも40℃の第1活性化温度を有し、かつ、前記活性化温度もしくはそれ以上で、少なくとも5パーセントのゲル含有率を有する、第1の熱活性化可能な接着剤と、
前記熱活性化可能な架橋された接着剤と接触している基材と、
を含む、アセンブリ。
【請求項54】
前記第1活性化温度が少なくとも60℃である、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項55】
前記第1活性化温度が100℃未満である、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項56】
前記クリングバッキングがクリングビニルを含む、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項57】
前記クリングバッキングが帯電フィルムを含む、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項58】
前記クリングバッキングがエレクトレットフィルムを含む、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項59】
前記第1または第2主面の少なくとも1つが、受像層と接触している、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項60】
前記第1または第2主面の少なくとも1つがその上に、図画像を有する、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項61】
前記第2主面がその上に、乾式消去可能層を有する、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項62】
前記クリングバッキングが、フッ素化ポリマー、ポリオレフィン、オレフィンと他のモノマーとの共重合体、アイオノマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、およびそれらの組み合わせよりなる群から選択された熱可塑性ポリマーを含む、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項63】
前記クリングバッキングがポリプロピレンを含む、請求項53に記載のアセンブリ。
【請求項64】
前記基材がライナを含む、請求項53に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−521372(P2007−521372A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518612(P2006−518612)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/014181
【国際公開番号】WO2005/010117
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】