説明

クレーンポストの製造方法及びクレーンポスト

【課題】品質の高いクレーンポストを効率的に製造すること。
【解決手段】板材からクレーンポストの外板となる複数の部品を切り出す(ステップS101)。次に、切り出した部品に曲げ加工を施す(ステップS102)。そして、曲げ加工を施した部品を板継ぎすることによって(ステップS103)、クレーンポストの左側外板と右側外板とを製造する。次に、左側外板と右側外板との溶接対象部分を対向させるとともに、左側外板及び右側外板の長手方向が水平方向に沿うように、かつ溶接対象部分が鉛直方向下側となるように左側外板と右側外板とを設置する(ステップS105)。この状態で、溶接対象部分を溶接し(ステップS106)、溶接後の左側外板及び右側外板を回転させ(ステップS108)、反対側を溶接する(ステップS109)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接を用いたクレーンポストの製造方法及び溶接によって製造されたクレーンポストに関する。
【背景技術】
【0002】
クレーン(起重機)は、荷役対象を吊り上げて運ぶ装置である。クレーンは、クレーンポストと呼ばれる構造体に巻上げ装置及び俯仰装置等を搭載するとともにジブを取り付ける。例えば、特許文献1には、小型クレーンを有する建屋に隣接する屋外に大型クレーンを配した工場でデッキクレーンの本体を組立てるデッキクレーンの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−196800号公報、(0007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般にクレーンポストは、板状の部材を組み合わせて製造される。特許文献1は、デッキクレーンの本体を組み立てることについては記載されているが、デッキクレーンのクレーンポスト自体を製造することについては言及されていない。本発明は、品質の高いクレーンポストを効率的に製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るクレーンポストの製造方法は、複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストを製造するにあたり、板材から前記クレーンポストの外板となる複数の部品を切り出す材料切断工程と、切り出した前記部品に曲げ加工を施すことにより、前記部品に前記稜線を形成する曲げ工程と、曲げ加工を施した前記部品から得られた前記クレーンポストの左側外板と右側外板との溶接対象部分を対向させるとともに、前記左側外板及び前記右側外板の長手方向が水平方向に沿うように、かつ前記クレーンポストの後方側が鉛直方向下側となるように設置する部品設置工程と、前記クレーンポストの後方側の溶接対象部分を、前記左側外板と前記右側外板とで囲まれた内側から溶接する第1の溶接工程と、溶接後の前記左側外板及び前記右側外板を回転させる回転工程と、残りの溶接対象部分を溶接する第2の溶接工程と、を含むことを特徴とする。
【0006】
このクレーンポストの製造方法は、クレーンポストを構成する外板の長手方向が水平方向と沿うように外板を配置して溶接し、また、溶接した後の構造体を回転させる。外板の長手方向が水平方向と沿うように外板を配置して溶接すれば、外板同士の長手方向に溶接を中断する原因(例えば、運転席の開口等)が存在しない場合、自動溶接を用いて効率的に溶接をすることができる。その結果、品質の高いクレーンポストを効率的に製造することができる。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るクレーンポストの製造方法は、複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストを製造するにあたり、板材から前記クレーンポストの外板となる複数の部品を切り出す材料切断工程と、切り出した前記部品に曲げ加工を施すことにより、前記部品に前記稜線を形成する曲げ工程と、曲げ加工を施した前記部品から得られた前記クレーンポストの左側外板と右側外板との溶接対象部分を対向させるとともに、前記左側外板及び前記右側外板の長手方向が水平方向に沿うように、かつ前記クレーンポストの後方側が鉛直方向下側となるように設置する部品設置工程と、前記クレーンポストの後方側の溶接対象部分を、前記左側外板と前記右側外板とで囲まれた内側から溶接する第1の溶接工程と、溶接後の前記左側外板及び前記右側外板の頂部側に頂部ベース部材を取り付ける頂部ベース部材取付工程と、残りの溶接対象部分を溶接する第2の溶接工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
このクレーンポストの製造方法は、クレーンポストを構成する外板の長手方向が水平方向と沿うように外板を配置して溶接し、また、溶接した後の構造体を回転させる。外板の長手方向が水平方向と沿うように外板を配置して溶接すれば、外板同士の長手方向に溶接を中断する原因(例えば、運転席の開口等)が存在しない場合、自動溶接を用いて効率的に溶接をすることができる。その結果、品質の高いクレーンポストを効率的に製造することができる。また、溶接した後の構造体を、その長手方向が水平方向に沿うように配置した状態で頂部ベース部材を前記構造体に取り付けるので、取り付け作業が容易になる。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記部品設置工程の前に、前記曲げ加工を施した部品同士を溶接して、前記左側外板及び前記右側外板を製造する板継ぎ工程と、前記板継ぎ工程が終了し、かつ前記部品設置工程の前に、前記左側外板の頂部側と前記右側外板の頂部側とに補強部材を取り付ける補強部材取付工程と、を含むことが好ましい。左側外板及び前記右側外板を製造した段階で、これらに補強部材を取り付けるようにすれば、左側外板と右側外板とを接合した筒状の構造体に補強材を取り付けるよりも作業が容易になる。
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るクレーンポストは、複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストであって、板材に曲げ加工を施すことにより前記稜線を形成した複数の外板と、前記外板同士を、それぞれの平面部で溶接接合して、全体として断面多角形に形成されたポストと、前記クレーンポストの頂部内側に、前記クレーンポストの前後方向に向けて固定される梁と、荷掛フックを昇降させる荷物用ワイヤロープ及びジブを俯仰させる俯仰用ワイヤロープが掛け渡される滑車が取り付けられる頂部ベース部材と、を含み、前記頂部ベース部材が前記ポスト頂部及び梁に固定されていることを特徴とする。
【0011】
このクレーンポストは、ジブを有するクレーンのクレーンポストであって、それぞれ稜線を有する複数の外板がそれぞれの平面部で溶接によって接合され、荷掛フックを昇降させる荷物用ワイヤロープ及び前記ジブを俯仰させる俯仰用ワイヤロープが掛け渡される滑車が取り付けられる頂部に、前記ジブの取付側から前記取付側の反対側に向かって複数の梁が取り付けられるものである。
【0012】
上述した特許文献1に記載されているデッキクレーンのハウジングは、荷役対象を吊り下げるワイヤロープやジブを俯仰させるワイヤロープからの荷重が頂部に作用するため、頂部の強度を確保する必要がある。特許文献1には、この点については記載も示唆もなく、改善の余地がある。本発明に係るクレーンポストは、頂部の強度を確保することを課題としている。そして、本発明に係るクレーンポストは、上記構成により、クレーンポストの頂部の強度を十分に確保できるので、荷物用及び俯仰用のワイヤロープの引っ張り力に起因した荷重に十分耐えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、品質の高いクレーンポストを効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態に係るクレーンを搭載した船舶の全体図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るクレーンの構成を示す全体構成図である。
【図3】図3は、本実施形態に係るクレーンポストの側面図である。
【図4】図4は、本実施形態に係るクレーンポストをその頂部側から見た平面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法の工程を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図7】図7は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図8】図8は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図9】図9は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図10】図10は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図11】図11は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図12】図12は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図13】図13は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図14】図14は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図15】図15は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図16】図16は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。
【図17】図17は、左側外板及び右側外板を回転させる回転治具を示す斜視図である。
【図18】図18は、本実施形態の変形例に係るクレーンポストを示す斜視図である。
【図19】図19は、本実施形態の変形例に係るクレーンポストの製造工程の一部を示す図である。
【図20】図20は、本実施形態の変形例に係るクレーンポストの製造工程の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。以下においては、クレーンの一例としてジブクレーンを説明するが、本発明の適用対象はジブクレーンに限定されるものではない。なお、ジブクレーンとは、貨物船の甲板上や港湾設備に設置され、海上輸送される貨物を貨物船に積み込んだり貨物船から貨物を陸場したりする作業に使用される荷役機械である。
【0016】
図1は、本実施形態に係るクレーンを搭載した船舶の全体図である。クレーン1は、船舶100の甲板101に搭載されて、船舶100から荷役対象Cを下ろしたり、船舶100に荷役対象Cを積み込んだりする際に用いられる。本実施形態において、船舶100は、貨物船であり、4機のクレーン1を有する。船舶100が有するクレーン1の数は、4機に限定されるものではない。次に、クレーン1について説明する。
【0017】
図2は、本実施形態に係るクレーンの構成を示す全体構成図である。クレーン1は、クレーンポスト2と、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを含む。本実施形態において、巻上装置3と、俯仰装置4とは一体で構成されている。クレーンポスト2は、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを備える。クレーンポスト2は、船舶100に設けられた架台102上に据え付けられる。そして、クレーンポスト2は、船舶100の甲板101に設けられた架台102の支持面と直交する軸Zを中心として回転できるようになっている。クレーンポスト2のジブ6側には、クレーン1を操作するための機器が配置された運転室DCが設けられる。
【0018】
ジブ6は、棒状の部材であり、先端6Ttに滑車7を有している。ジブ6の先端6Ttとは反対側の端部は、取付端6Tlである。ジブ6は、取付端6Tlがクレーンポスト2に取り付けられている。そして、ジブ6は、取付端6Tlの取付部を中心に揺動できるようになっている。ジブ6の揺動方向は、図2の矢印Uで示す方向である。滑車7には、荷役対象を吊るための荷物用ワイヤロープ8が掛け回されている。荷物用ワイヤロープ8の一端部には、荷役対象を掛ける荷掛フック10が取り付けられる。荷物用ワイヤロープ8の他端は、巻上装置3の巻上用ドラム3Dに連結され、これに巻き付けられている。
【0019】
巻上装置3は、動力発生源によって巻上用ドラム3Dを回転させ、荷物用ワイヤロープ8を巻き取る。また、巻上装置3は、巻き取った荷物用ワイヤロープ8を繰り出す。巻上装置3の巻上用ドラム3Dが荷物用ワイヤロープ8を巻き取る運動を巻上げといい、繰り出す運動を巻下げという。本実施形態においては、両方の運動を総称して巻上げという。巻上装置3が荷物用ワイヤロープ8を巻上げすることにより、荷掛フック10は、鉛直方向と平行な方向(図2の矢印Yで示す方向)に移動する。
【0020】
俯仰装置4は、ジブ6を俯仰させる装置である。俯仰装置4は、俯仰用ワイヤロープ11が巻き付けられた俯仰用ドラム4Dを有している。俯仰用ワイヤロープ11は、ジブ6の先端6Ttと取付端6Tlとの間に連結されている。ジブ6は、俯仰装置4が俯仰用ワイヤロープ11を巻き取ることにより上(鉛直方向とは反対側)を向き、俯仰用ワイヤロープ11を繰り出すことにより下(鉛直方向側)を向く。旋回装置5は、架台102の支持面と直交する軸Zを中心として、クレーンポスト2を旋回させる装置である。クレーンポスト2が旋回する方向は、図2の矢印Rで示す方向である。
【0021】
クレーンポスト2の頂部2T、すなわち、クレーンポスト2の架台102に取り付けられる側とは反対側には、頂部ベース部材12が取り付けられている。頂部ベース部材12は、荷物用ワイヤロープ8が掛け回される滑車13と、俯仰用ワイヤロープ11が掛け回される滑車14とを有している。荷物用ワイヤロープ8は、滑車13及び滑車7に掛け回されて巻上用ドラム3Dに巻き取られる。俯仰用ワイヤロープ11は、滑車14に掛け回されて俯仰用ドラム4Dに巻き取られる。
【0022】
クレーンポスト2の頂部2Tには、梁15が取り付けられている。梁15は板状かつ略コの字形状の部材である。本実施形態において、梁15は、クレーンポスト2のジブ6の取付側(前側)2Fから前記取付側2Fの反対側(後側)2Rに向かい、複数取り付けられて、クレーンポスト2の前側2Fと後側2Rとを連結する。すなわち、梁15は、クレーンポスト2の前後方向に向けて、クレーンポスト2の頂部内側に固定される。頂部ベース部材12は、梁15及びクレーンポスト2に固定される。滑車13、14を支持する頂部ベース部材12は、滑車13、14を介して荷物用ワイヤロープ8及び俯仰用ワイヤロープ11の引っ張り力を支持する。このため、頂部ベース部材12が取り付けられるクレーンポスト2の頂部2Tには大きな荷重が作用するが、梁15をクレーンポスト2の頂部2Tの前後方向に設けることで、クレーンポスト2は前記荷重に十分耐えることができる。
【0023】
図3は、本実施形態に係るクレーンポストの側面図である。図4は、本実施形態に係るクレーンポストをその頂部側から見た平面図である。クレーンポスト2は、略8角錐台形状の構造体である。しかし、クレーンポスト2はこれに限定されるものではなく、例えば、4角錐台形状、6角錐台形状、9角錐台形状、8角柱形状、4角柱形状等、断面(図2に示す軸Zと平行な方向、すなわち長手方向に垂直な断面)が多角形の柱状又は錐台形状の構造体であればよい。
【0024】
クレーンポスト2は、それぞれ稜線(曲がり部)Bを有する複数の外板21F、21R、22F、22Rが溶接によって接合された外筒20を有している。また、クレーンポスト2は、頂部2Tに、前側2Fから後側2Rに向かって複数の梁15が取り付けられる。外筒20は、左側外板21と右側外板22とを溶接して製造される。ここで、左側外板21は、外板21Fと21Rとを溶接して製造され、右側外板22は、外板22Fと外板22Rを溶接して製造される。図4に示す符号WLが溶接線である。
【0025】
外板21F、22Fはクレーンポスト2の前側2Fに配置され、外板21R、22Rはクレーンポスト2の後側2Rに配置される。本実施形態において、クレーンポスト2(外筒20)の後側2Rから前側2Fに向かって左側に左側外板21が配置され、右側に右側外板22が配置される。次に、クレーンポスト2の製造方法を説明する。
【0026】
図5は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法の工程を示すフローチャートである。図6〜図16は、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法を説明するための図である。本実施形態に係るクレーンポストの製造方法によって図2、図3に示すクレーンポスト2を製造するにあたって、図6に示すように、板材からクレーンポスト2の外板21F、21R、22F、22Rとなる複数の部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpを切り出す(ステップS101)。ステップS101が、材料切断工程に相当する。部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpは、例えば、鋼板から切り出される。部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpは、クレーンポスト2の軸方向(長手方向)、かつ断面多角形の稜線Bを外す平面位置を接合線とする板材である。
【0027】
図6の2点鎖線Bplは、それぞれの部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpを曲げる位置である。以下、Bplをプレスラインという。それぞれの部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpの曲げ加工が終了した後、プレスラインBplは、図3、図4に示す外板21F、21R、22F、22Rの稜線Bになる。図1に示すように、クレーンポスト2は、運転室DCを有するので、部品21Fp、22Fpには、運転室DCの窓となる切り欠きCUが形成される。
【0028】
次に、図7に示すように、切り出された部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpに曲げ加工が施される(ステップS102)。ステップS102が、曲げ工程に相当する。図7のプレスラインBplは、曲げ位置を示している。曲げ工程は、図6に示すプレスラインBplに沿ってプレス曲げ加工を施すことにより、図3に示す多角形断面のクレーンポスト2の稜線Bを形成する工程である。プレス曲げをする箇所は、1つの部品につき一箇所以上である。これは、製造使用とするクレーンポスト2の断面形状によって定まる稜線Bの数によって異なる。曲げ工程により、図8に示すように、それぞれの部品21Fp、21Rp、22Fp、22Rpは、それぞれ外板21F、21R、22F、22Rとなる。図6に示したプレスラインBplは、外板21F、21R、22F、22Rの稜線Bとなる。後述する溶接工程において外板21F、21R、22F、22Rを溶接し、図3に示す多角形断面のクレーンポスト2が完成すると、プレスラインBplは、多角形断面のクレーンポスト2の稜線Bとなる。
【0029】
外板21F、21R、22F、22Rが完成したら、図9、図10に示すように、曲げ加工を施して稜線Bを形成した部品、すなわち外板21F、21R同士及び外板22F、22R同士をそれぞれ溶接して、左側外板21及び右側外板22を製造する(ステップS103)。ステップS103が、板継ぎ工程に相当する。図11に示すように、板継ぎ工程においては、外板21F、21Rの突き合わせ部に設けた開先HT及び外板22F、22R同士の突き合わせ部に設けた開先HTの反対側に裏当て51を配置し、溶接トーチ50を用いて突き合わせ部が溶接(突き合わせ溶接)される。なお、開先形状は、図に示すようなV開先に限定されるものではなく、これ以外の開先であってもよい。
【0030】
本実施形態においては、板継ぎ工程でサブマージアーク溶接を用いるが、溶接の手法はこれに限定されるものではない(以下同様)。なお、例えば、平面視が四角形のクレーンポストを製造する場合、コの字形状に折り曲げた2個の外板同士を溶接によって接合すれば足りる。このため、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、製造するクレーンポスト2の形状によっては、板継ぎ工程は必ずしも必要ではない。
【0031】
板継ぎ工程においては、外板21F、21R、22F、22Rの長手方向が水平方向に沿った姿勢に配置されて、溶接される。通常、板材をそれぞれの端部(角部)で溶接すると、大きな歪み反り返りが発生するため歪み取りに時間を要してしまい、作業効率が低下するとともに、品質を保持することが困難である。本実施形態では、板継ぎ工程において、外板21Fと外板21Rとの平面部分同士及び外板22Fと外板22Rとの平面部分同士を溶接する。このようにすると、歪み反り返りが低減されるので、歪み取りの時間が短縮されて作業効率の低下が抑制される。また、歪み反り返りが抑制されるので、クレーンポスト2の品質低下も抑制できる。
【0032】
板継ぎ工程によって、外板21F、21Rが接合されて左側外板21が完成し、外板22F、22Rが接合されて右側外板22が完成する。次に、図12に示すように、左側外板21の頂部側と右側外板22の頂部側とに補強部材である梁15を取り付ける(ステップS104)。梁15を左側外板21及び右側外板22に取り付ける場合において、左側外板21及び右側外板22の姿勢は、上述した図9、図10に示すように、開口側が上方(鉛直方向とは反対側)を向くようにすることが好ましい。
【0033】
左側外板21及び右側外板22の頂部側とは、図3に示すクレーンポスト2の頂部2T側である。左側外板21及び右側外板22は、それぞれ1つの梁15を有している。このため、左側外板21と右側外板22とを連結して製造されるクレーンポスト2は、2個の梁15を有する。クレーンポスト2が有する梁15の数は2個に限定されるものではなく、クレーンポスト2の仕様によって適宜変更することができる。
【0034】
1つの梁15は、左側外板21の外板21F、21Rに溶接され、両者を連結する。また、もう1つの梁15は、右側外板22の外板22F、22Rに溶接され、両者を連結する。このように、一方の梁15は左側外板21の前側2Fと後側2Rとを連結し、他方の梁15は右側外板22の前側2Fと後側2Rとを連結する。図13は、梁15が外板21Fと21Rとを連結することにより、左側外板21の前側2Fと後側2Rとを連結した状態を示している。
【0035】
次に、図14に示すように、曲げ加工を施した部品21Fp、21Rpから得られた左側外板21と、曲げ加工を施した部品22Fp、22Rpから得られた右側外板22との溶接対象部分を対向させる。そして、左側外板21及び右側外板22の長手方向が水平方向に沿うように、かつ溶接対象部分が鉛直方向下側となるように、これらを定盤52上に設置する(ステップS105)。ステップS105が、部品設置工程(大組工程)に相当する。溶接対象部分は、左側外板21及び右側外板22の開先HTが形成されている部分である。
【0036】
部品設置工程においては、先に本溶接(仮溶接ではない溶接)をする部分を、定盤52側、すなわち、鉛直方向下側に配置する。先に本溶接をする部分は、より長い溶接線が確保できる部分を選択する。これは、溶接線を長くすることにより、製造途中におけるクレーンポスト2(仮組体)の強度を確保するとともに、できる限り自動溶接を利用するためである。本実施形態では、切り欠きCUが設けられた外板21F、22Fとは反対側(クレーンポスト2の後方側)の外板21R、22Rを定盤52側とする。すなわち、外板21R、22Rを最初に本溶接する。この例では、定盤52と左側外板21及び右側外板22との間に、裏当て51が配置される。切り欠きCUが設けられた外板21F、22Fは、切り欠きCUで溶接線が中断されるので、仮組体の強度が確保しにくくなるとともに、自動溶接が切り欠きCUで中断されるので、作業効率の向上を十分に図ることができないため、外板21R、22Rを最初に本溶接する。
【0037】
左側外板21及び右側外板22が定盤52上に設置されたら、溶接対象部分を溶接する(ステップS106)。ステップS106が、第1の溶接工程に相当する。溶接工程においては、まず、外板21Rと外板22Rとを仮溶接し、次に、左側外板21及び右側外板22の定盤52とは反対側、すなわち、外板21F、22F側を仮溶接し、左側外板21及び右側外板22の定盤52側、すなわち外板21R、22Rを長手方向全体にわたって本溶接して、両者を接合する。このため、上述した部品設置工程では、外板21R、22Rの開先HTの広い方が鉛直方向上側になるように左側外板21と右側外板22とが設置される。そして、左側外板21と右側外板22とで囲まれた内側から、溶接トーチ50により左側外板21の外板21Rと右側外板22の外板22Rとが溶接(本溶接)される。
【0038】
外板21F、22Fには切り欠きCUが存在するが、外板21R、22R側は、切り欠きCUが存在しない。このため、自動溶接により外板21R、22Rの長手方向全域にわたって溶接対象部分(開先HTが設けられている部分)を溶接することができる。その結果、溶接作業が容易になるとともに、クレーンポスト2の生産性も向上する。また、切り欠きCUが存在しない外板21R、22Rを最初に溶接することにより、切り欠きCUが存在する外板21F、22Fを溶接するよりも図15に示す溶接線WLは長くなる。このため、切り欠きCUが存在しない外板21R、22Rを最初に溶接した方が、溶接後における構造体の強度は高くなるので、その後の前記構造体の取り扱いも容易になる。さらに、突き合わせ溶接を下向きで行うことができるので、溶接性及び強度が向上する。
【0039】
溶接工程においては、左側外板21と右側外板22との平面部分同士を溶接する。このため、歪み反り返りが低減されるので、歪み取りの時間が短縮されて作業効率の低下が抑制される。また、歪み反り返りが抑制されるので、クレーンポスト2の品質低下も抑制できる。
【0040】
外板21R、22Rを溶接したら、図15に示すように、溶接工程が終了した後における左側外板21及び右側外板22の頂部2T側に、頂部ベース部材12を取り付ける(ステップS107)。ステップS107が、頂部ベース部材取付工程に相当する。頂部ベース部材12は、例えば、溶接によって取り付けられる。また、本実施形態では、頂部ベース部材12は、滑車13、14が取り付けられた状態で、左側外板21及び右側外板22の頂部2T側に取り付けられるが、頂部ベース部材12を単独で左側外板21及び右側外板22の頂部2T側に取り付けた後に、滑車13、14を頂部ベース部材12に取り付けてもよい。
【0041】
頂部ベース部材12は、左側外板21及び右側外板22が横置き、すなわち、これらの長手方向が水平方向に沿って設置された状態で取り付けられる。このようにすることで、左側外板21及び右側外板22の一端部が頂部ベース部材12で固定されるので、これらの部材で構成される構造体の強度が向上し、変形が抑制される。なお、頂部ベース部材取付工程は、上述した溶接工程の後であればよい(左側外板21と右側外板22とが仮止めされた後であればよい)。すなわち、切り欠きCUが存在する外板21F、22Fを本溶接してから頂部ベース部材12が左側外板21及び右側外板22の頂部2T側に取り付けられてもよい。
【0042】
次に、外板21R、22Rが本溶接された左側外板21及び右側外板22を回転させる(ステップS108)。ステップS108が回転工程に相当する。回転工程は、左側外板21及び右側外板22を、これらの長手方向と平行な軸を中心とし、かつ、前記軸が水平方向に沿った姿勢で回転させる。
【0043】
回転工程においては、例えば、クレーン等で左側外板21及び右側外板22を吊り上げて回転させることもできるが、後述する回転治具を用いると、効率的かつより安全に作業できるので好ましい。クレーン等で左側外板21及び右側外板22を吊り上げる場合も、左側外板21及び右側外板22の長手方向と平行な軸が水平方向に沿った姿勢で吊り上げ、回転させるので、吊り上げ高さは低くて済むので、作業効率が向上する。
【0044】
回転工程では、例えば、図16に示すように、左側外板21及び右側外板22を反転(180度回転)させることにより、切り欠きCUが存在する外板21F、22Fを定盤52側に配置する。そして、左側外板21と右側外板22とで囲まれた内側から、溶接トーチ50により残りの溶接対象部分が溶接される(ステップS109)。ステップS109が、第2の溶接工程に相当する。本実施形態では、左側外板21の外板21Fと右側外板22の外板22Fとが溶接(本溶接)される。この場合、ステップS106と同様に、外板21F、22Fと定盤52との間には、裏当て51が設けられる。また、ステップS109においては、各種の艤装品も左側外板21及び右側外板22に溶接等で取り付けられる。なお、艤装品の取付・溶接は、ステップS103以降に適宜行う。このようにして、図2に示すクレーンポスト2が完成する。
【0045】
このように、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、自動溶接を多用することが可能なので、作業効率が向上する。また、下向きの姿勢で突き合せ溶接を行うことができるので、溶接性及び強度向上を図ることができる。さらに、平面部で溶接することにより、溶接歪を最小限に止め、品質の良いクレーンポストを製造することができる。また、板材をそれぞれの端部(角部)で溶接して多角形断面のクレーンポストの稜線を形成すると、溶接の回数が増加してしまう。例えば、8角形断面のクレーンポストでは、板材同士を8回溶接する必要がある。本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、板材をプレス曲げ加工して多角形断面のクレーンポストの稜線を形成し、平面部を溶接するので、すべての稜線は溶接で形成される必要はない。例えば、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法で8角形断面のクレーンポストを製造する場合、板材同士の溶接は平面部の突き合わせ溶接を4回行うことで足りる。このように、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、溶接の回数を大幅に減らすことができるので、クレーンポストの生産性が向上する。このように、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、品質の高いクレーンポストを低コストで、かつ効率よく製造することができる。
【0046】
ステップS109で左側外板21の外板21Fと右側外板22の外板22Fとを溶接する場合、外板21Fと外板22Fとの平面部分同士を溶接する。このため、歪み反り返りが低減されるので、歪み取りの時間が短縮されて作業効率の低下が抑制される。また、歪み反り返りが抑制されるので、クレーンポスト2の品質低下も抑制できる。さらに、突き合わせ溶接を下向きで行うことができるので、溶接性及び強度が向上する。
【0047】
上述したように、本実施形態に係るクレーンポストの製造方法は、ステップS103の板継ぎ工程は必須ではない。また、ステップS107の頂部ベース部材取付工程と、ステップS108の回転工程との順序は問わない。
【0048】
図17は、左側外板及び右側外板を回転させる回転治具を示す斜視図である。ステップS108において、左側外板21及び右側外板22を回転させるにあたり、図17に示す回転治具60を用いることが好ましい。回転治具60は、一対の環状構造体63、63を対向して配置し、これらの内側に左側外板21及び右側外板22を配置して支持する。一対の環状構造体63、63は、それぞれ複数のローラ64を介してベース65に支持される。ローラ64は、駆動手段によって回転するので、ローラ64の回転が環状構造体63に伝達されて、環状構造体63が回転する。すると、一対の環状構造体63、63に支持された左側外板21及び右側外板22も、これらの長手方向と平行な軸周りに回転する。
【0049】
環状構造体63は、第1円弧部材61と、第2円弧部材62とを組み合わせた構造体である。第1円弧部材61と第2円弧部材62とは分離及び固定が可能である。左側外板21及び右側外板22を回転治具60に搬入する場合、一対の環状構造体63、63からそれぞれの第2円弧部材62、62を取り外す。すると、それぞれの第1円弧部材61、61には開口が生まれるので、この開口から左側外板21及び右側外板22を第1円弧部材61、61内に搬入する。そして、それぞれの第1円弧部材61、61に第2円弧部材62、62を取り付けて、左側外板21及び右側外板22を一対の環状構造体63、63で支持する。このような回転治具60を用いて左側外板21及び右側外板22を回転させれば、これらを回転させる際にクレーン等で吊り上げる必要はないので、作業効率、安全性が向上するとともに、製造コストを低減できる。
【0050】
図18は、本実施形態の変形例に係るクレーンポストを示す斜視図である。図19、図20は、本実施形態の変形例に係るクレーンポストの製造工程の一部を示す図である。本実施形態においては、上述したようにクレーンポストの形状は、8角錐台形状に限定されるものではなく、例えば、図18に示すクレーンポスト2aのように4角錐台形状であってもよい。この場合、クレーンポスト2aは、4本の稜線Bを有する。また、クレーンポスト2aは、左側外板21aと右側外板22aとで製造される。
【0051】
クレーンポスト2aは、まず、板材から切り出した板状の部品を曲げ加工して、図19に示すような左側外板21aと右側外板22aとを製造する。図19の符号Bで示す部分が稜線である。左側外板21a及び右側外板22aは、いずれも1枚の板状の部品をプレス曲げ加工して製造される。これらは、それぞれ2箇所に稜線Bを有した、断面が略コの字形状の構造体である。稜線Bは、上述した曲げ工程においてプレス曲げ加工により形成される。この稜線Bが、図18に示す多角形(四角形)断面のクレーンポスト2aのコーナー部の稜線Bとなる。左側外板21a及び右側外板22aの頂部側には、前側2Fから後側2Rに向かって複数の梁15、15が掛け渡され、溶接により接合される。
【0052】
梁15、15が接合された左側外板21aと右側外板22aとは、切り欠きCUが形成されている側とは反対側を鉛直方向下側に向けて、裏当て51を介して定盤52上に設置される。そして、切り欠きCUが形成されている側とは反対側の開先HTの部分が、溶接トーチ50を用いて突き合わせ溶接(本溶接)される。その後、図15に示す頂部ベース部材12が左側外板21a及び右側外板22aの頂部側に取り付けられる。そして、左側外板21a及び右側外板22aが回転させられることにより、左側外板21a及び右側外板22aの切り欠きCUが形成されている側が裏当て51を介して定盤52上に設置され、両者が突き合わせ溶接(本溶接)される。このような工程により、図18に示すクレーンポスト2aが完成する。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明に係るクレーンポストの製造方法及びクレーンポストは、品質の高いクレーンポストを製造することに有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 クレーン
2、2a クレーンポスト
2F 前側
2R 後側
2T 頂部
6 ジブ
8 荷物用ワイヤロープ
11 俯仰用ワイヤロープ
12 頂部ベース部材
13、14 滑車
15 梁
20 外筒
21、21a 左側外板
21F、21R、22F、22R 外板
21a 左側外板
21Fp、21Rp、22Fp、22Rp 部品
22、22a 右側外板
50 溶接トーチ
51 裏当て
52 定盤
60 回転治具
61 第1円弧部材
62 第2円弧部材
63 環状構造体
64 ローラ
65 ベース
100 船舶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストを製造するにあたり、
板材から前記クレーンポストの外板となる複数の部品を切り出す材料切断工程と、
切り出した前記部品に曲げ加工を施すことにより、前記部品に前記稜線を形成する曲げ工程と、
曲げ加工を施した前記部品から得られた前記クレーンポストの左側外板と右側外板との溶接対象部分を対向させるとともに、前記左側外板及び前記右側外板の長手方向が水平方向に沿うように、かつ前記クレーンポストの後方側が鉛直方向下側となるように設置する部品設置工程と、
前記クレーンポストの後方側の溶接対象部分を、前記左側外板と前記右側外板とで囲まれた内側から溶接する第1の溶接工程と、
溶接後の前記左側外板及び前記右側外板を回転させる回転工程と、
残りの溶接対象部分を溶接する第2の溶接工程と、
を含むことを特徴とするクレーンポストの製造方法。
【請求項2】
複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストを製造するにあたり、
板材から前記クレーンポストの外板となる複数の部品を切り出す材料切断工程と、
切り出した前記部品に曲げ加工を施すことにより、前記部品に前記稜線を形成する曲げ工程と、
曲げ加工を施した前記部品から得られた前記クレーンポストの左側外板と右側外板との溶接対象部分を対向させるとともに、前記左側外板及び前記右側外板の長手方向が水平方向に沿うように、かつ前記クレーンポストの後方側が鉛直方向下側となるように設置する部品設置工程と、
前記クレーンポストの後方側の溶接対象部分を、前記左側外板と前記右側外板とで囲まれた内側から溶接する第1の溶接工程と、
溶接後の前記左側外板及び前記右側外板の頂部側に頂部ベース部材を取り付ける頂部ベース部材取付工程と、
残りの溶接対象部分を溶接する第2の溶接工程と、
を含むことを特徴とするクレーンポストの製造方法。
【請求項3】
前記部品設置工程の前に、前記曲げ加工を施した部品同士を溶接して、前記左側外板及び前記右側外板を製造する板継ぎ工程と、
前記板継ぎ工程が終了し、かつ前記部品設置工程の前に、前記左側外板の頂部側と前記右側外板の頂部側とに補強部材を取り付ける補強部材取付工程と、
を含む請求項1又は2に記載のクレーンポストの製造方法。
【請求項4】
複数の稜線を有する断面多角形のクレーンポストであって、
板材に曲げ加工を施すことにより前記稜線を形成した複数の外板と、
前記外板同士を、それぞれの平面部で溶接接合して、全体として断面多角形に形成されたポストと、
前記クレーンポストの頂部内側に、前記クレーンポストの前後方向に向けて固定される梁と、
荷掛フックを昇降させる荷物用ワイヤロープ及びジブを俯仰させる俯仰用ワイヤロープが掛け渡される滑車が取り付けられる頂部ベース部材と、を含み、
前記頂部ベース部材が前記ポスト頂部及び梁に固定されていることを特徴とするクレーンポスト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−111563(P2012−111563A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259442(P2010−259442)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】