説明

クレーン吊り下げアセンブリの構成部分同士を連結する方法、及び該方法のために使用されるフレーム取り付けアセンブリ

【課題】各連結部を形成する時間を短縮し且つ補助クレーンを必要としないクレーン吊り下げアセンブリの各部分同士を連結する方法の提供。
【解決手段】クレーン吊り下げアセンブリの部分同士を連結する方法であり、フレーム(53)を第一の部分に取り付け、フレームと前記アセンブリ内で使用する連結部材(74,94)との間に引っ張り部材(56)を連結し、前記引っ張り部材を動かして連結部材がピンを中心に該連結部材の第二の穴が第二の部分の部材の穴と整合する位置まで枢動するようにさせ、第二のピンを連結部材の穴と第二の部分部材の穴に通し、引っ張り部材を連結部材から外すようにする方法。また、ウインチ(54)を備えているフレームをクレーン吊り下げアセンブリの一部に取り付け、ウインチからのワイヤーロープを前記連結部材に連結させ、前記ウインチを作動させて前記連結部材を枢動軸線周りに枢動させ、前記連結部材を前記第二の位置に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り下げアセンブリ部材同士を移動式巻き上げクレーンのようなクレーン上で相互に連結させる方法と、このような方法において使用されるフレームに取り付けられたアセンブリとに関する。本発明は、特に、吊り下げストラップを連結させるために使用される連結部材を、積み込み位置と作動位置との間を移動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吊り上げクレーンは、典型的には、車体と、車体を地面から持ち上げる接地部材と、該接地部材に対して回転することができるように前記車体に回転可能に連結されている回転床と、該回転床上に枢動可能に取り付けられており且つ荷吊り上げワイヤーロープがそこから延びているブームとを備えている。移動式巻き上げクレーンの場合には種々の形式の可動接地部材があり、中でも注目すべきはトラック取り付けクレーンの場合のタイヤ及びクローラがある。移動式巻き上げクレーンは、典型的には、クレーンが荷を吊り上げるときにクレーンのバランスをとるための補助となるカウンタウエイトを備えている。典型的なクレーンは、ブームの角度を変更し且つ荷重吊り上げワイヤーロープの荷重によってブームにかかる力を相殺するための引っ張り力を付与して、ブームが該ブームの全長に亘って作用する圧縮力のみを有する支柱部材として機能することができるようにしている。典型的なクレーンは、処理することができる機能を最適化して、クレーンが使用される特定の吊り上げ作業に必要とされる程度の長さのブームのみを使用するようにするために、種々のブーム長さ構造によって組み立てられるように設計されている。ブームの長さは形状が異なる度に変わるので、ブーム吊り下げ装置もまた種々のブーム長さに適するように設計されなければならない。典型的には、ブーム吊り下げ装置は、相互に連結される吊り下げ部材の多数の構成部分を備えており、これらの構成部分はブーム用のバックステーストラップと称される場合がある。該ブーム用バックステーストラップは、ブームの頂部と、ブームと固定マストとの間かブームとライブマストの頂部との間に吊り下げているスライド平衡装置と、の間に連結されている。固定マストを備えている典型的なクレーンにおいては、ブーム巻き上げ索具は、スライド平衡装置とマストの頂部との間に延びており、ブームの角度を制御するために使用される多数の部分からなるワイヤーロープを備えている。
【0003】
クレーンが特に背の高いビル若しくは構造物上で又は限られた空間内で作業する必要があるときには、必要とされるリーチを付与するためにブームの頂部にジブが取り付けられる。このジブは、固定ジブ又はラフィングジブとすることができる。ジブが使用される場合には、1以上のジブ支柱がブームの頂部又はジブの底部に連結される。これらのジブ支柱は、ジブ用の索具を支持し且つジブによって吊り上げられている荷を支持するための力がかかるモーメントアームを提供する。ラフィングジブが使用される場合には、しばしば2つの支柱が使用され、これらの支柱間の角度はジブ用巻き上げ索具によって制御される。このように2つの支柱間の角度を変えることによって、ブームとラフィングジブとの間の角度が変られる。
【0004】
クレーン上にジブが使用されている場合には、典型的にはバックステーストラップの形態のジブ吊り下げ装置は、典型的にはブームバットに連結されることによってジブ支柱と回転床との間に連結される。ブームバットは、当然のことながら回転床に枢動可能に連結されている。このストラップは、典型的なブーム吊り下げ装置におけるストラップと同様に幾つかの別個の部分によって作られている。
【0005】
クレーンは色々な位置で使用されるので、一つの作業現場から次の作業現場まで運ぶことができるように設計される必要がある。このことにより、通常は、クレーンが公道輸送限界範囲内でトラックによって搬送できる大きさ及び重量の構成部品に分解できることが必要とされる。クレーンが容易に分解したり組み立てたりすることができるようにすることは、クレーンを使用するトータルコストに影響を及ぼす。従って、クレーンを組み立てるのに必要とされる延べ作業時間がより短くなると、クレーンの所有者又は借用者は直接的な利益を得られるようになる。
【0006】
一つの作業現場と次の作業現場との間でブームストラップ部分をブーム部分と一緒に運ぶことは一般的である。これは、大まかには、底部ストラップ及びジブ用のバックステーストラップの構成部分の数及び各構成部分の長さがブームを構成するために使用されるブーム構成部分の数及び長さに依存することによる。例えば、100フィートのブームは、10フィートのブームバットと10フィートのブームトップと4つの20フィートのブームインサートとによって作られる。しかしながら、ブームを120フィートの長さにしようとする場合には、5つの20フィートのブームインサートが使用される。ブームを130フィートの長さにしようとされる場合には、5つの20フィートのインサートと1つの10フィートのインサートとが使用される。これらの異なるブーム構造の各々に対して、種々の数及び長さのブームストラップ構成部分が使用される。しかしながら、ストラップがこれらを互いに容易に連結させることができるブーム構成部分の頂部に配置させた状態で作業現場間を搬送される場合には、ブームの構成部分同士が組み立てられるときにブームストラップとジブ用のバックステーとが組み立てられることが一般的なやり方である。
【0007】
典型的には、ブーム用ストラップとジブ用バックステーストラップの構成部分は、作業現場において連結部材によって相互に連結される。連結部材は、典型的には、2つの貫通した穴を備えており、ブーム用ストラップとジブ用バックステーストラップとのこれらの構成部分は、各端部に一つの穴を備えている。ブーム用ストラップ又はジブ用バックステーストラップの部分同士は、1本のピンを連結部材の1つの穴と1つのストラップの端部に設けられている穴とに通し、もう1本の別のピンを連結部材の他方の穴ともう一つの別の構成部分の端部に設けられている穴とに通すことによって相互に連結される。
【0008】
クレーンが分解されるときに、これらの連結部材は、ストラップの構成部分のうちの一つに取り付けられた状態のままとして、クレーンが再度組み立てられるときに連結部材と該ストラップの構成部分との間の連結を再度形成する必要が無いようにされるのが一般的なやり方である。ストラップの構成部分をブームの頂部上へと運ぶ際に、連結部材同士をそれらの作動位置から180°枢動させて、連結されたストラップ部分と連結部材との長さが、連結部材がその作動位置にある場合よりも短くなるようにすることも一般的なやり方である。この状態では、連結部材は、ストラップ又はブームの構成部分に容易に固定させて搬送中に回転するのを防止することができる。
【0009】
ブームを組み立てる時点では、連結部材の各々を、その収納位置から作動位置へ折り返すことが必要である。各ブーム部分は、典型的には、ストラップがブームの左側と右側との両方に配置されている吊り下げ装置を使用しているので、このことは、ブームの部分毎に折り返さなければならない連結部材が2つあることを意味する。クレーンがジブを組み立てられる場合にもまた、ブームの部分毎に2つの連結部材がジブ用バックステー部分に存在する。クレーンは、例えばマストを支持するために他の吊り下げアセンブリを使用しており、該吊り下げアセンブリもまた吊り下げアセンブリの多数の構成部分を含んでおり、これらは各々、構成部分間に収納位置から作動位置へと折り返す必要がある連結部材を備えている。更に、典型的には、これらの連結部材は、吊り下げ部分の各々の端部を挟んでいる2つの連結板が設けられるように、多数の連結板によって作られている。
【0010】
従って、クレーンの組立及び分解プロセスは、典型的には、吊り下げアセンブリをクレーンに連結されている連結部材の連結板を折り返すとりわけ多数の繰り返し動作を含んでいる。クレーンのサイズが小さく、個々の連結部材の連結板の重量が極めて大きくない場合には大して問題はない。しかしながら、比較的大きなクレーンにおいては、ブーム吊り下げ装置の各部分は2つの別個のストラップによって作られており、これらのストラップは、3つの連結板を備えている連結部材によって相互に連結されており、これらの連結板の各々が100ポンド(45.4キログラム)以上の重量を有している。これらの沢山の重い連結板を折り返す作業は、時間がかかるばかりでなく、50ポンド(22.7キログラム)を超える重量を持ち上げることは、組立て作業者にとって安全ではない。従って、大きなクレーン用のブーム部分を組み立て又は分解する際に、収納位置と作動位置との間を移動させるのに必要とされる持ち上げ力を提供する補助クレーンを使用することが一般的である。
【0011】
補助クレーンが使用されているときには、各連結部材の多数の連結板は一緒に折り返すことができる。しかしながら、補助クレーンの使用は、補助クレーンのレンタル時間及び補助クレーンを作動させるのに必要な追加の組立要員の給料との両方により、クレーンの組立て及び解体の費用が追加される。従って、各連結部材の多数の連結板を同時に且つ安全に折り返すことができ且つ補助クレーン及び余分の組立要員の必要がない方法が発明された場合には、極めて有益性が高い。更に、沢山の連結部を作らなければならないので、クレーン吊り下げ装置の構成部分間に各連結部を形成する時間をほんの数分でも短縮することによって、ブームを組み立てるためのトータル時間は何時間も短縮できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
クレーン吊り下げアセンブリの各部分同士を連結する方法を発明した。該方法は、各連結部を形成するのに要する時間を短縮し、各連結部が数百ポンド(約50キログラムの数倍)の重量で且つ多数の連結板を含んでいる連結部材を使用している場合でさえ補助クレーンの使用を必要としない。該方法を実施する際に有用であるフレーム取り付けアセンブリをも発明した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第一の特徴においては、本発明は、クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分とを連結させる方法を含んでいる。該クレーン吊り下げアセンブリにおいては、少なくとも前記第一の部分がその端部に頭部を有している少なくとも1つの細長い部材を備えており、該頭部は該細長い部材の長手軸線に対して直角方向に貫通した穴を備えており、前記第二の部分は貫通した穴が設けられている部材を備えており、更に、前記第一の部分の細長い部材の頭部には、該連結部材の第一の穴の中及び前記第一の部分の細長い部材の頭部の穴の中を伸長する第一のピンによって、連結部材が枢動可能に連結されており、該方法は、フレームを前記第一及び第二の部分のうちの一方に取り付けるステップと、フレームと連結部材の間に引っ張り部材を連結させるステップと、前記引っ張り部材を、前記連結部材が前記第一のピンを中心として第一の位置から連結部材の第二の穴が前記第二の部分の部材の穴と整合する第二の位置へと枢動できるように動かすステップと、第二のピンを前記連結部材の第二の穴及び第二の部分の部材の穴に通すステップと、前記引っ張り部材を前記連結部材から外すステップと、を含んでいる。
【0014】
第二の特徴においては、本発明は、クレーンの組立て又は分解の際に、クレーン吊り下げアセンブリの構成部分同士を連結させるために使用される連結部材を、枢動軸線周りに第一の位置から第二の位置へ動かす方法を含んでおり、該方法は、ウインチが取り付けられているフレームをクレーン吊り下げアセンブリの一つの部分に取り付けるステップと、ウインチからのワイヤーロープを連結部材上の吊り上げ位置に連結させるステップと、ウインチを作動させて連結部材を枢動軸線周りに枢動するようにさせるステップと、連結部材をその第二の位置に固定するステップと、ウインチのワイヤーロープを前記の連結部材から外すステップと、を含んでいる。
【0015】
第三の特徴においては、本発明は、クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分との間の連結部を組み立てたり分解したりする際に使用するための、フレームに取り付けられるウインチアセンブリを含んでおり、該アセンブリは、フレームと、フレームに取り付けられ且つスプールを備えているウインチと、前記スプールに取り付けられたウインチ用ワイヤーロープと、フレームがクレーン吊り下げアセンブリの構成部分のうちの一つに対して所望の向きに取り外し可能に取り付けられることを可能にするフレーム上の取り付け構造と、を備えている。
【0016】
本発明によれば、ブーム用バックステー吊り下げ装置の第一の部分と第二の部分との間の連結部を、2人の組立チームで、補助クレーンを使用する場合の約15分に対して5分未満で作り上げることができる。このブーム用バックステー吊り下げ装置は、400ポンド(181.4キログラム)を超える重量であり且つ3つの連結板によって作られた連結部材を備えている。従って、本発明を使用することによって、トータルで24個を超える個々のストラップ連結部を有しているブーム吊り下げ装置とジブ吊り下げ装置とを備えている典型的なクレーンを組み立て又は分解する際の時間を節約することができる。組立要員は重い連結部材を持ち上げる必要はない。本発明のこれらの及びその他の利点並びに本発明自体は、添付図面を参照することにより更に容易に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明を適用することができる移動式巻き上げクレーンの側面図である。
【0018】
【図2】図2は、図1のクレーンの後方斜視図であり、明確化のために幾つかの構成部品が取り除かれ且つジブのバックステーが示されている。
【0019】
【図3】図3は、ブーム組立作業中の図1の移動式巻き上げクレーンの側面図である。
【0020】
【図4】図4は、図1のクレーンを組み立てるために使用されるブーム部分の斜視図であり、ブームストラップ部分とジブのバックステーストラップ部分とが取り付けられた搬送形態にある。
【0021】
【図5】図5は、図1のクレーンにおいて使用されるバックステーストラップの2つの構成部分間の長手方向の連結の詳細図である。
【0022】
【図6】図6は、図1のクレーンのブームの一部の側面図であり、組み立て作業の一部としてブームに連結されているスライド平衡装置を示しており、ブームのバックステー部分とスライド平衡装置に連結された連結部材とが、それらの組立状態で示されている。
【0023】
【図7】図7は、図6のブームの一部の側面図であり、本発明による好ましいフレーム取り付けウインチアセンブリを示しており、フレーム伸長部が、連結部材をスライド平衡装置に取り付けられる位置まで動かすために使用されている。
【0024】
【図8】図8は、第一のブーム部分の頂部に位置決めされたバックステーストラップ部分に固定されている状態の図7のフレーム取り付けウインチアセンブリの部分斜視図であり、ウインチワイヤーロープはバックステーストラップ上に坦持されている連結部材に連結されており、該バックステーストラップは第二のブーム部分の頂部に配置されており、前記連結部材はその搬送状態の位置にある。
【0025】
【図8A】図8Aは、図8の連結部材に対するウインチのワイヤーロープの取り付け状態の拡大部分斜視図である。
【0026】
【図9】図9は、図8と類似の側面図であるが、連結部材は中間位置にある。
【0027】
【図10】図10は、図8と類似の部分斜視図であるが、連結部材は、その作動位置へ枢動せしめられ且つフレームが取り付けられているバックステーストラップ部分にピンによって固定されている。
【0028】
【図11】図11は、図7〜10において使用されているフレームに取り付けられるウインチアセンブリの斜視図である。
【0029】
【図12】図12は、図11のフレーム取り付けウインチアセンブリの側面図である。
【0030】
【図13】図13は、図11のフレーム取り付けウインチアセンブリの頂面図である。
【0031】
【図14】図14は、図7において使用されているフレーム伸長部の斜視図である。
【0032】
【図15】図15は、図14のフレーム伸長部の側面図である。
【0033】
【図16】図16は、図6及び7に示されているブームのバックステー部分の斜視図である。
【0034】
【図17】図17は、図6〜7に示され且つ図16のブームのバックステー部分上に示されている連結部材の斜視図であり、該連結部材の連結板の3枚全てが真横に隣接している。
【0035】
【図18】図18は、図17の連結部材の持ち上げ位置取り付け部の拡大部分側面図である。
【0036】
【図19】図19は、図18における線19−19に沿った断面図である。
【0037】
【図20】図20は、図16における線20−20に沿った断面図である。
【0038】
【図21】図21は、本発明によるフレーム取り付けアセンブリの第一の代替例の側面図である。
【0039】
【図22】図22は、本発明によるフレーム取り付けアセンブリの第二の代替例の側面図である。
【0040】
【図23】図23は、図22のフレーム取り付けアセンブリにおいて支持面を提供するために使用されている回り継手連結板の詳細な側面図である。
【0041】
【図24】図24は、図23における線24−24に沿った断面図である。
【0042】
【図25】図25は、本発明によるフレーム取り付けアセンブリの第三の代替例の側面図であり、該フレーム取り付けアセンブリは、高さが異なる3つの異なるクレーン吊り下げアセンブリ部分のうちの1つに取り付けられている。
【図26】図26は、本発明によるフレーム取り付けアセンブリの第三の代替例の側面図であり、該フレーム取り付けアセンブリは、高さが異なる3つの異なるクレーン吊り下げアセンブリ部分のうちの1つに取り付けられている。
【図27】図27は、本発明によるフレーム取り付けアセンブリの第三の代替例の側面図であり、該フレーム取り付けアセンブリは、高さが異なる3つの異なるクレーン吊り下げアセンブリ部分のうちの1つに取り付けられている。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明を更に詳しく説明する。以下の部分においては、本発明の種々の特徴が更に詳しく規定されている。このように規定されている各特徴は、明確に否定的に示されていない限り、他のあらゆる特徴と組み合わせることができる。特に、好ましいか又は有利なものとして示されている特徴は、好ましいか又は有利であるとして示されている他のあらゆる特徴と組み合わせることができる。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されている以下の用語は、以下に規定する意味を有している。
【0045】
“クレーン吊り下げアセンブリ部分”という用語は、クレーン吊り下げアセンブリを形成するために相互に連結される複数の部分を指している。クレーン吊り下げアセンブリ部分の例としては、a)ブームトップとスライド平衡装置又はライブマストとの間のバックステーの部分(ときには、ストラップ部分と呼ばれる)、b)ブームバットとジブ支柱との間のバックステーの部分、c)ジブ支柱とジブトップとの間のバックステーの部分、及びd)マストトップとカウンタウエイトとの間のカウンタウエイトストラップ部分がある。貫通した穴を備えているヘッドを各端部に備えている伝統的には細長い堅牢な金属部材であるストラップ部分に加えて、クレーン吊り下げアセンブリの長手方向に伸長している部分を形成するためには、時にはワイヤーロープ吊り束又は炭素繊維引っ張り部材さえもが使用され、従って、これらはクレーン吊り下げアセンブリの構成部分である。これらの構成部分は、図4に示されている好ましいストラップ部分におけるように、多数の平行な細長い部材によって作られている。“クレーン吊り下げアセンブリ部分”という用語はまた、スライド平衡装置及びブームトップをも備えている。なぜならば、これらは、ブーム吊り下げアセンブリの構成部分であり且つブームのバックステーストラップに連結されているからである。“クレーン吊り下げアセンブリ部分”はまた、ストラップ部分に取り付けられた他の部材、例えばブームバット、マストトップ、ジブトップ、ジブ支柱トップ、ライブマストトップ、及び中間の吊り下げ部材をも備えている。
【0046】
“ピン”という用語は概ね円筒形の部材を指しており、該ピンは、貫通穴を備えている2つ以上の構造物の該貫通穴に嵌挿されてこれらの構造物を相互に連結して該2つ以上の構造物間での枢動回転を可能にしている。ピンは、該ピンが穴の中で長手方向に摺動するのを防止するために、一端又は両端に割りピンのような頭部又は保持部を備えている。本発明において使用されるピンのほとんどは滑らかな軸部を備えているけれども、幾つかの例においては、ねじが切られている軸部を備えたボルトがピンとして使用され、従ってこのように使用されるボルトも“ピン”という用語の意味に含まれる。
【0047】
“連結部材”という用語は、クレーン吊り下げアセンブリの細長い部分を該アセンブリの別の部分に保持するために使用される構造を指している。典型的には、これらの連結部材は2つの貫通した穴を備えており、連結部材は、各貫通した穴にピンが貫通された状態でクレーン吊り下げアセンブリ内の2つの隣接しているストラップ間に取り付けることができる。連結部材は唯一つの連結板を備えていても良い。更に典型的には、該連結部材は、多数の連結板よって作られていて、ストラップ部分の頭部をこれらの連結板間に挟み、このようにして引っ張り荷重を連結部材/ストラップ部分間の連結によって曲げモーメントを誘発させることなく2つの連結板内に均等に伝えるようになされている。これらの連結部材が取り付けられる部分が多数の互いに平行な細長い部材によって作られている場合には、これらの連結部材は、細長い部材の数よりも1つだけ多い数の連結板を備えている場合が多い。例えば、クレーン吊り下げ装置の部分が2つの細長い部材によって作られている場合には、これらの連結部材は3つの連結板によって作られる。
【0048】
本発明における連結部材は持ち上げられ、従って、典型的には該連結部材上に持ち上げ位置を有している。“持ち上げ位置”という用語は、該連結部材を持ち上げるために使用されるワイヤーロープ又はその他の引っ張り部材を取り付けるために使用される連結部材上の構造部分を指している。連結部材が多数の連結板からなる場合には、これらの連結板は、これら全てが同時に持ち上げられるように棒によって相互に連結される。ウインチのワイヤーロープのフックを連結部材の多数の連結板に連結するために棒が使用される場合には、連結部材の持ち上げ位置は、該連結部材の種々の部品にかかる持ち上げ力の全てが、互いに隔置されているプレート形状の堅牢な本体に対して1点に掛かっているのと同様な持ち上げ作用をもたらす位置となる。更に、ウインチのワイヤーロープ56がフォーク状に分かれており且つ多数の位置において連結部材74又は棒57に取り付けられている2つのフックを備えている場合には、“持ち上げ位置”という用語は、持ち上げ力が全て一箇所にかかる場合に同じ持ち上げ作用がなされる位置であると理解される。
【0049】
“連結部材の重心が第一のピンの概ね直上の位置にある”という表現は、重心が該ピンの回転軸線を通る垂線に対して5度以内の位置にあることを意味している。
【0050】
“連結部材の重心が第一のピンの直上に位置にある”という表現は、重心が該ピンの回転軸線を通る垂線に対して1度以内の位置にあることを意味している。
【0051】
本発明は多くの形式のクレーンに対する適用可能性を有しているけれども、以下においては、本発明を、その作動形態が図1〜2に示されている移動式巻き上げクレーン10に関連させて説明する。移動式巻き上げクレーン10は、車体12とも称される下方機構と、クローラ14及び16の形態の可動接地部材とを備えている。当然のことながら、2つの前方クローラ14と2つの後方クローラ16とが設けられている。クレーン10においては、接地部材は、各側部に1つのクローラを備えたちょうど一組みのクローラとすることができる。当然のことながら、図示されているものに加えて付加的なクローラを使用することができると共にタイヤのような他のタイプの接地部材を使用することもできる。
【0052】
回転床20は、旋回リングを介して車体12に取り付けられて、回転床20が接地部材14,16に関して軸線を中心に回転できるようになされている。回転床は、該回転床の前方部分に枢動可能に取り付けられているブーム22と、第一の端部が回転床に取り付けられているマスト28(該マストの第二の端部に隣接した位置においては下方スライド平衡装置47が該マストに連結されている)と、マストと回転床の後方部分との間に連結されている後方連結器30と、可動のカウンタウエイトユニット34と、を支持している。カウンタウエイトは、支持部材上の個々のカウンタウエイト部材44からなる多数の積層体の形態とすることができる。
【0053】
マストの頂部28とブーム22との間のブーム巻き上げ索具(以下に更に詳しく説明される)は、カウンタウエイトを使用してクレーンによって持ち上げられる荷のバランスをとることができるように、ブームの角度を制御し且つ荷を移動させるために使用されている。荷巻き上げワイヤーロープ24は、ブーム22上のプーリーの外周を這わせられてフック26を支持している。荷巻き上げワイヤーロープは、他端が、回転床に連結されている第一の主要荷巻き上げドラム70に巻き付けられており、このことは以下において更に詳しく説明する。回転床20は、運転室、ブーム巻き上げ索具のための巻き上げドラム50、第二の主要巻き上げドラム80、及び補巻きロープのための補助の荷巻き上げドラム90のような移動式巻き上げクレーン上に一般的に見られる他の構成要素を備えている。
【0054】
図1に示されているように、ブーム22は、ジブ23好ましくは主要ブーム22の頂部に枢動可能に取り付けられているラフィングジブを備えている。クレーンはまた、ジブ支柱27及び主要支柱29並びにこれらに関連するラフィングジブ用索具及びラフィングジブ巻き上げドラム100をも備えている。ラフィングジブ巻き上げワイヤーロープ19は、ドラム100から1以上のワイヤーガイド18を通って支柱キャップ31内の滑車間の索具まで延びており、ジブ支柱27と主要支柱29との間の角度を制御するために使用されている。
【0055】
2つのジブ用バックステーストラップ33は、主要支柱29の端部例えばそのキャップ又はキャップの近くとブーム22の底部との間に連結されている。ブーム22は回転床20に連結されているので、ジブ用バックステーストラップ33は、ブーム22への連結を介して回転床20に連結されている。これらのジブ用バックステーストラップは、多くの固定長さ部分によって作られている。該固定長さ部分の個数及び長さを選択することによって、主要支柱29とブーム22との間に形成される固定角度の三角形の最も長い辺の長さを変えて種々の異なるブーム長さに適合させることができる。ジブ用のバックステーストラップ33の長さを変えることによって、クレーンが要求するブームの各長さに対して、主要支柱29とブーム22との間に一定の角度が維持される。長さ調節ができる延展機がジブ用バックステーストラップの対間に連結されており、該延展機は、ジブ用バックステーストラップ同士が延展機無しで伸ばされるよりも大きく伸ばされるように作動可能な油圧シリンダを備えているのが好ましい。
【0056】
ジブ支持ストラップ37の各部分は、ジブ用支柱27の端部とラフィングジブ23の頂部に隣接した位置との間に連結されていて、これらの間を一定の角度に維持している。従って、主要支柱29とジブ用支柱27との間の角度はまた、ラフィングジブ23が主要ブーム22との間で形成する角度をも規定している。ここに記載されているジブ支持ストラップ37を使用することによって、ラフィングジブ巻き上げワイヤーロープ19を伸縮させると主要支柱29とジブ用支柱27との間の角度が広げられ又は狭められる。支柱ストッパ35が主要支柱29とブーム22との間に連結されていて、ジブに荷重がかかっていない場合及び主要支柱を引っ張り上げる力が主要支柱を引き下げる力よりも小さい場合の主要支柱29に対する支持がなされる。支柱、ジブ巻き上げ索具、及びジブ用バックステーストラップ33を組み立てる方法の詳細は、米国特許出願公開2010/0243595号に更に詳しく開示されている。
【0057】
後方連結器30は、マスト28の頂部に隣接して連結されているが、マスト28に連結されている他の部品と干渉しないようにマスト28の十分下方に離れて連結されている。後方連結器30は、図1に示されているように、圧縮荷重と引っ張り荷重との両方を担持するように設計された格子状部材からなる。クレーン10においては、マストは、持ち上げ、移動、及び据え置き動作のようなクレーンの動作の間、回転床に対して一定の角度に維持される。
【0058】
カウンタウエイトユニット34は、回転床20の残りの部分に対して移動させることができる。マストの頂部に隣接して連結されている引っ張り部材32は、吊り下げモードにおいてカウンタウエイトユニットを支持している。カウンタウエイト移動構造が回転床とカウンタウエイトユニットとの間に連結されていて、カウンタウエイトユニットは、マストの頂部より前方の第一の位置へ動かされてそこに保持されたり、マストの頂部より後方の第二の位置へ動かされてそこに保持されたりするようになされている。このことは、米国特許第7,967,158号に更に詳しく説明されている。
【0059】
油圧シリンダ又は代替的にはラック及びピニオンアセンブリのような少なくとも1つの線形作動装置36と、第一の端部が回転床に枢動可能形態に連結され且つ第二の端部が線形作動装置36に連結されている少なくとも1つのアームとが、クレーン10のカウンタウエイト移動構造内に使用されていて、カウントウエイトの位置を変えることができるようになされている。該アームと線形作動装置36とは、回転床とカウンタウエイトユニットとの間に連結されていて、線形作動装置36の伸縮によって、回転床に対するカウンタウエイトユニットの位置を変えることができるようになされている。図1〜2には最も前方位置にあるカウンタウエイトユニットが示されているけれども、線形作動装置36は部分的に又は一杯まで伸長させることができ、これによって、例えば、荷がフック26から吊り下げられているときに、カウンタウエイトユニットは中央位置及び後方位置へ又はあらゆる中間位置へ動かされる。
【0060】
カウンタウエイト移動構造の好ましい実施例においては、固相溶接プレート構造とすることができる枢動フレーム40が、回転床20と線形作動装置36の第二の端部との間に連結されている。後方アーム38が、枢動フレーム40とカウンタウエイトとの間に連結されている。後方アーム38もまた、枢動フレーム40に連結されている端部に角度が付けられた部分39を備えている溶接プレート構造である。このことにより、アーム38は枢動フレーム40に沿った状態で直接連結することができる。図2において最も良くわかるように、後方連結器30は、互いに離れる方向に広がっている下方脚部を備えたA字形状の構造を有しており、これにより、カウンタウエイト移動構造は必要とされるときに脚部間を通ることができる。
【0061】
クレーン10には、カウンタウエイト支持装置46が設けられており、該カウンタウエイト支持装置46は、幾つかの国においてはクレーン安全規則に適合させるために必要とされる。カウンタウエイト移動構造とカウンタウエイト支持構造とは、米国特許第7,967,158号に更に詳しく開示されている。
【0062】
ブーム巻き上げ索具は、ブーム巻き上げドラム50に巻き付けられ且つ下方スライド平衡装置47及び上方スライド平衡装置48内の滑車に通して固定されているワイヤーロープ25の形態をしたブーム巻き上げワイヤーロープを備えている。該索具はまた、ブームトップと上方スライド平衡装置48との間に連結されている一定長さのストラップ21をも備えている。下方のスライド平衡装置47は、マストを介して回転床20に連結されている。この構造によってブーム巻き上げドラム50の回転が可能とされ、下方スライド平衡装置47と上方スライド平衡装置48との間のブーム巻き上げワイヤーロープ25の長さを変えて回転床20とブーム22との間の角度を変えることができる。
【0063】
クレーン10は、各々がフレーム内に取り付けられ且つ積み重ねられた形態で回転床に連結されている4つのドラムを備えている。(回転床は、主要フレームと前方及び後方のローラ坦持部材とを備えている。)更に、ジブ巻き上げドラム100は、前方のローラ坦持部材の前面に取り付けられたフレームに取り付けられている。該4つの積み重ねられたドラムのうちの2つのためのフレームは回転床に直に連結されており、一方、他の2つのドラムのためのフレームは、回転床に直接連結されている2つのドラムのためのフレームのうちの少なくとも1つに間接的に連結されている。この場合には、該4つの積み重ねられたドラムは、荷巻き上げワイヤーロープ24が巻き付けられている第一の主要な荷巻き上げドラム70と、荷巻き上げワイヤーロープ17が巻き付けられている第二の主要な荷巻き上げドラム80と、補巻きワイヤーロープ13が巻き付けられている補助の荷巻き上げドラム90と、ブーム巻き上げワイヤーロープ25が巻き付けられているブーム巻き上げドラム50とによって構成されているのが好ましい。
【0064】
上記したように、ブーム22は、多くのブーム構成部分を相互に連結させることによって作られ、ジブのバックステーストラップ33は、各々が多数のバックステーストラップ構成部分を相互に連結することによって作られ、ブームは、クレーンの作動中は、各々が構成部分によって作られている一対のブームストラップ21によって支持される。図4に最も詳しく示されているように、2つのジブ用バックステーストラップ構成部分63,64は、クレーンの組立て前に、それらの間にある幅を有した状態でブームの構成部分42上に平行に取り付けられた形態で作業現場へ搬送される。2つのブーム用ストラップの構成部分76,77もまた、それらの間にある幅を有した状態でブーム部分42上に平行に取り付けられて搬送される。ブームストラップの構成部分76,77は、バックステーストラップの構成部分63,64同士の間でブーム部分42上に取り付けられている。ブームストラップの構成部分76,77は、ブーム22の頂部と第二のスライド平衡装置48との間に取り付けられるときの幅に相当する幅で搬送され、ジブのバックステーストラップの構成部分63及び64は、ブームバット及び主要支柱29の端部に取り付けられるときの幅に相当する幅で搬送されるのが好ましい。
【0065】
ジブ用バックステーストラップの部分63及び64の各々は二重の細長い部材によって構成され、該バックステーストラップの部分は、搬送中は、一端に連結部材74を備えていて、これらが別のジブ用バックステーストラップに連結できるようになされているのが好ましい。図5は、バックステーストラップ(ブーム用バックステーストラップ又はジブ用バックステーストラップ)の構成部分間でなされる好ましい連結を示している。注記したように、各構成部分は、2つの細長い部材41及び43によって作られている。これらの細長い部材は、それらの端部が幅広に形成されたヘッド部分を備えており、該幅広に形成されたヘッド部分を貫通して穴が設けられている。連結部材74は、3つの連結板86,87,88からなり、これらの連結板の各々は両端に幅広くなされた部分を備えており、該幅広くなされた端部を貫通して穴が設けられている。連結板87は、細長い部材41と43との間に配置されており、連結板86と88とは、細長い部材41と43との外側に配置されていて該細長い部材41及び43の端部とこれらの細長い部材間の連結板87とを挟んでいる。ピン89は、これらの細長い部材の穴及び連結板の穴内に固定され、バックステーストラップの1つの構成部分の端部を該バックステーストラップの別の構成部分に保持している。
【0066】
ジブ用バックステーの構成部分63、64とブーム用ストラップの構成部分76,77とがブームの構成部分42の頂部に運ばれるときに、連結部材74は、図5に示されているように、1本のピン89によってストラップの構成部分の一端に取り付けられており、第二のピン89は、後に連結部材が連結される該構成部分の端部と共に運ばれる。ストラップと連結部材74とを合わせた長さを短くするために、連結板86,87,88は折り返すように180°回転される。中央の連結板87は、細長い部材41と43との間に嵌っており、外側の連結板86,88は細長い部材41,43に沿って横たわっている。2つのバックステー構成部分がクレーンの組み立て中に相互に連結されるときには、連結板86,87,88はそれらの伸長位置(以下において更に詳しく説明する)へと折り返され、第二の構成部分からの細長い部材41、43は連結板86,87、88間に配置され、これらの連結板の穴は、第二のピン89を挿入し且つ固定することができるように一列に整列される。
【0067】
図8からわかるように、連結板と細長い部材41,43の端部とには、小さな穴83が設けられている。この小さな穴と短いストラップ92とにピンが通されている。ストラップ92の他端はブームの構成部分42にピンで留められている。従って、短いストラップ92と小さな穴83に通されている小さいピンとは、それらの搬送形態においては、連結板同士を連結させ且つ細長い部材に対して保持するために使用される。ストラップ92は、後に、ブームの組立プロセス中にストラップ部分間の連結がなされるときに、図8に示されている位置へ回される。
【0068】
クレーン10が組み立てられるとき、最初に、ブーム22が回転床20に枢動可能に連結される。これは負荷がない状態で始められ、ブームバット45と第一のブーム部分42とを組んで、これらを一緒にピンで留めるようにする。次いで、この構造全体が組み立てられて回転床上のブームヒンジに組み付けられ且つピンで留められる。付加的なブーム部分及びブームトップが付け加えられて所望のブームの長さとされる。図3は、ブームバット45及び6個のブーム部分42が既に定位置に設けられ且つ第七番目のブーム部分42が補助クレーンによって吊り下げられて取り付けられようとしている状態のクレーン10を示している。ブーム部分42間の好ましい連結装置は、米国特許第7,954,657号に記載されている。図3に示され且つ米国特許出願公開第2010/0072156号に更に詳しく記載されているように、上方のスライド平衡装置48が定位置に運ばれ且つブームに一時的にピン留めされている。次いで、以下において更に詳しく説明するように、固定長さの吊束21が上方のスライド平衡装置48に連結され、このようにして、上方スライド平衡装置がブームトップに連結される。
【0069】
次いで、第一及び第二の支柱27及び29並びにそれに関連するラフィングジブ索具が設置される。ジブ用のバックステーストラップ33の端部が主要支柱29とブーム22の底部とに取り付けられ且つ以下に詳しく説明するように付加的な構成部分が相互に連結される。しかしながら、各ジブ用のバックステーストラップ33を作り上げている構成部分間の最終的な連結は、米国特許出願公開第2010/0243595号に記載されているように主要支柱29が持ち上げられるときになされる。
【0070】
図11〜13は、クレーン吊り下げアセンブリの第一の構成部分と第二の構成部分との間の連結部を組み立てたり分解したりするのに使用するための好ましいフレーム取り付けアセンブリ52を示している。該クレーン吊り下げアセンブリとしては、ブーム用のバックステーストラップの部分同士が連結されるブーム吊り下げ装置及びジブ用のバックステーストラップの部分同士が連結されるラフィングジブ吊り下げ装置がある。フレーム取り付けアセンブリ52は、フレーム53と、該フレームに連結され且つスプール55を備えているウインチ54と、フレームをクレーン吊り下げアセンブリの構成部分のうちの一つに所望の作動配向で取り外し可能に取り付けることができるようにするためのフレーム53上の取り付け構造とを備えている。好ましいフレーム取り付けアセンブリ52はまた、フレーム上に支持されており且つウインチのワイヤーロープ56がその周囲に沿ってならされているプーリー58も備えている。
【0071】
フレーム53は、2つの隔置された側方フレームプレート61及び62を備えている。前記の取り付け構造は支持面59(図12)を備えている。支持面59は、側方フレームプレートのうちの少なくとも1つに取り付けられ且つ該プレート同士の間に配置される。この配置は、支持面59がクレーン吊り下げアセンブリの一部分上に載置され且つ2つの隔置された側方フレームプレート61及び62がクレーン吊り下げアセンブリの一部分の各側に配置された状態で、フレームをクレーン吊り下げアセンブリの一部分上に配置することにより、フレーム53がクレーン吊り下げアセンブリの一つの部分例えば図8〜10に示されている細長い部材43に取り付けられるようにしてなされる。フレームアセンブリ52のこの実施形態においては、支持面59は2つのプレート60によって提供されている。すなわち、フレームがその作動配向状態で取り付けられるときに支持面59がクレーン吊り下げアセンブリの部分に対して平面接触をなすように、2つのプレート60のうちの一つが側方フレームプレート61及び62(図11及び13)の各々の上に所定の角度(図12)で溶接されることによってなされている。プレート60の間及びプーリー58の近くの側方フレームプレート61と62との間にはスペーサ65が配置されていて、これらの側方フレームプレート61及び62を離隔状態に維持している。
【0072】
該取り付け構造はまた下方係合面も備えている。該下方係合面は、フレーム53を底部から細長い部材43上に保持することによって、フレーム53をクレーン吊り下げアセンブリの部分に固定している。この下方係合面は、支持面59と協働して、プーリー58に荷重がかけられたときにフレーム53が支持面59を中心に回転するのを防止する。この下方係合面は、クレーン吊り下げアセンブリの第二の部分の下方の2つの隔置されている側方フレームプレート61と62との間に取り外し可能に取り付けることができるシャフトによって提供されるのが好ましい。このシャフトは連結ピン66のような形態であるのが好ましい。図8〜10においてわかるように、連結ピン66は、フレーム取り付けアセンブリ52が使用されている間は、側方フレームプレート61及び62が細長い部材43上に配置された後に細長い部材43の下方において側方フレームプレート61及び62の各々の穴に挿入され、次いで、保持ピン67によって定位置に保持される。
【0073】
フレームアセンブリ52は、他の特徴、例えば、ウインチのワイヤーロープ56を連結部材74に取り付けるために使用されるバー57を保持する設計とされたホルダーをフレーム上に備えている。更に、図12においてわかるように、ウインチのワイヤーロープ56が使用されていないときに該ウインチのワイヤーロープの端部のフックを取り付けておくためのしまい込み位置として、フレーム53の中心部分に別のスペンサーを使用しても良い。
【0074】
図8〜10は、フレームアセンブリ52を使用して、クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分とを相互に連結させながら連結部材74の連結板86,87,88を軸を中心としてひっくり返すための複数のステップを示している。図4及び5に関して既に説明したように、少なくとも第一の部分はその端部に頭部を備えている少なくとも1つの細長い部材43を備えており、該頭部は、細長い部材43の長手軸線に対して直角方向に貫通した穴を備えている。第二の部分(この場合には別の細長い部材43)もまた貫通した穴を備えている。更に、この実施形態においてもまた、クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分との両方が、各々、複数の細長い部材を備えており、この場合には、これらの部分の両方が2つの平行な細長い部材41と43とを備えている。連結部材74は、該連結部材74の第一の穴及び第一の部分の細長い部材の頭部の穴を貫通している第一のピン89によって、第一の部分の細長い部材41及び43の頭部に枢動可能に連結されている。この基本的な方法は、最初のステップとして、フレーム53を第一の部分と第二の部分とのうちの一方に取り付けるステップを含んでいる。この場合には、フレームは第二の部分の細長い部材43に取り付けられている。第二番目のステップとして、引っ張り部材(この場合には、可撓性のウインチ用のワイヤーロープ56)がフレーム53と連結部材74との間に連結される。第三番目のステップとして、該引っ張り部材が、(この場合には、ワイヤーロープ56をウインチ54に巻き付けたりウインチ54からほどいたりすることを繰り出すことによって)動かされて、連結部材74が第一のピン89を中心として第一の位置(図8)から第二の位置(図10)ヘと枢動される。第二の位置においては、連結部材74の第二の穴81が第二の部分の部材43の穴と整合している。この第三のステップは、連結部材74を枢動させてその重心を第一のピン89のほぼ真上に位置する位置(図9)まで持ち上げるステップと、連結部材74を重力が該連結部材74を第二の位置にまで移動させるように作用するようになる位置まで動かすステップと、引っ張り部材を制御したやり方で動かして連結部材74を第二の位置まで落下させるステップとを含んでいるのが好ましい。第四番目のステップとして、第二のピン89が連結部材74の第二の穴81及び第二の部分の部材を貫通している穴内に配置される。第五番目のステップとして、引っ張り部材が連結部材74から外される。
【0075】
規定された別の方法として、該方法は、クレーンの組立て及び分解中に、クレーン吊り下げアセンブリの部分同士を連結させるために使用される連結部材74を、枢動軸線を中心に第一の位置から第二の位置まで動かす動作を含んでおり、該動作は以下の各ステップからなる。すなわち、ウインチ54が取り付けられているフレーム53をクレーン吊り下げアセンブリの部分43に取り付けるステップと、ウインチ54からのワイヤーロープ56を連結部材内の持ち上げ位置に連結させるステップと、ウインチ54を作動させて連結部材74を枢動軸線を中心に枢動するように動かすステップと、連結部材を第二の位置に固定するステップと、ウインチのワイヤーロープ56を連結部材74から取り外すステップと、を含んでいる。この点に関して、ウインチ54を作動させて連結部材74を動かす前記ステップは、連結部材74を枢動軸線を規定している第一のピン89を中心に枢動させて、連結部材74の重心を前記第一のピンの概ね真上に位置する位置まで持ち上げるステップと、次いで、連結部材74を重力が該連結部材を第二の位置にまで移動させるように作用するようになる位置まで更に動かすステップと、次いで、ワイヤーロープをウインチから制御されたやり方で緩めて連結部材74を第二の位置まで降下させるステップと、を含んでいる。ウインチは、第二のピン89が挿入されている間、連結部材74を第二の位置に保持するために使用される。別の方法として、ブームインサート42を正しい位置へ載置されるように作り、連結板86,87,88が軸を中心としてひっくり返されたときに、載置場所に載置されて連結板の穴81が細長い部材41及び43の頭部の穴と整合されるようにすることができる。
【0076】
図8に示されているように、ウインチのワイヤーロープ56はフックを備えており、連結部材74の連結板86,87,88は、各々、貫通した穴を備えている耳部82を備えている。従って、連結部材上の持ち上げ位置は、連結板の各々の耳部82の穴にバー57を通すことによって設けられている。フックがバー57に取り付けられることにより、連結部材の複数の連結板が同時に動かされる。
【0077】
細長い部材41上でのフレームアセンブリ52の位置決めは、ワイヤーロープ56がプーリー58から離れるプーリー58の接線と連結部材74内の持ち上げ位置との間の相対位置を決定し、この位置は、次いで、プーリーの位置を中心とした円弧状の持ち上げ位置の移動を決定するであろう。クレーン10を組み立てるときに、フレームアセンブリ52は、図8に示されているように、連結部材74が軸を中心にひっくり返されたときに載置される吊り下げ装置の部分の細長い部材43に連結されているのが好ましい。フレーム53は、連結部材74の重心が第一のピン89の真上にあるときに、ウインチのワイヤーロープ56の作用線が前記の持ち上げ位置と枢動軸線とを通るようになる位置でクレーン吊り下げアセンブリの部分に取り付けられているのが好ましい。図9は、この位置にある連結部材74を示しており、耳部82にある持ち上げ位置を通るプーリーの接線からの作用線は、ピン89の回転軸線を横切る位置へと延びていることがわかる。ウインチのワイヤーロープ56の作用線が枢動軸線を横切ると、ウインチのワイヤーロープ56はスプール55上に十分に巻き付けられなければならず、連結部材74を更に動かすためには、持ち上げ位置が下向きの円弧をたどるようにウインチのワイヤーロープはスプールからほどかれることが必要である。フレーム53をこの好ましい位置で連結部材74に対して位置決めすることによって、フレームアセンブリ52は、吊り下げ装置を組み立てるか分解する際に連結部材74を直立位置へと持ち上げるために使用することができる。もちろん、連結部材74が直立位置に達したときに十分なモーメントが存在しない場合には、組み立て作業員のうちの一人は、ウインチのワイヤーロープ56が緩められるときに連結部材74を右方向に移動させるように若干の押圧力を付与する必要がある。次いで、重力によって、連結部材74はピンを通すことができる第二の位置へ引っ張られる。
【0078】
幾つかの例においては、クレーンを組み立てている作業者は、フレーム53を、連結部材74から上記した理想的な位置より若干後方に配置する。この場合には、ウインチのワイヤーロープの作用線が持ち上げ位置及び枢動軸線を通ると、連結部材の重心は、該連結部材の重量が枢動軸線内の摩擦力に打ち勝つ十分なモーメントを発生させて連結部材74が作業者による押圧力なしでその第二の位置へと移動する位置となる。しかしながら、フレーム53が細長い部材43上を遠くまで後退させていて連結部材の重心が枢動軸線の真上にあるときにウインチのワイヤーロープの作用線が枢動軸線を通らない場合には、連結部材74は、落下してウインチのワイヤーロープに衝撃をかける傾向がある。なぜならば、ウインチのワイヤーロープの長さは、連結部材74が直立するときに必要とされる長さよりも長いからである。この衝撃荷重がウインチのワイヤーロープ56の強度より小さい限り、このことは問題とならないであろう。しかしながら、クレーンを分解するときに、フレーム53が細長い部材43上のかなり後方に配置されている場合には、ウインチのワイヤーロープは作用線が枢動軸線を通るときに、できる限り遠くまで十分に引き出されるが、連結部材の重心は枢動軸線上の真上にはないので、その搬送位置へ落下して戻る位置まで組立て作業者が連結部材74を押し倒すためにより大きな労力を要する。
【0079】
好ましいフレームアセンブリ52はまた、図6及び7に示されているように、ブーム用のバックステーストラップを上方のスライド平衡装置48に連結するために使用することもできる。この方法においては、第一の部分の細長い部材はブーム用のバックステーストラップ部分の一部を構成しており、第二の部分の細長い部材は貫通した穴を備えている側方プレート49のようなブーム巻き上げスライド平衡装置48の一部を構成している。ブーム用のバックステー部分のほとんどは一端のみに連結部材74が取り付けられた状態で搬送されるけれども、スライド平衡装置48に連結されているブーム用バックステーの部分は、図16〜20に見られるように一端に連結部材74を備え且つ他端に特別に設計された連結部材74を備えているのが好ましい。ブーム用バックステーの他の構成部分と同様に、この部分は、2つの細長い部材41及び43によって作られている。この部分には、細長い部材41及び43を相対的に一定の離隔距離で保持するために使用されるブラケットアセンブリ95が設けられている。(これらのブラケットは、図示されていないけれども、他のストラップ部分63,64,76,77上に含まれている。)ブラケット95はまた、必要な場合に、ストラップ部分をブーム部分42上へ持ち上げ又は該ブーム部分から持ち上げるためにも使用される。
【0080】
連結部材74と同様に、特別な連結部材94は3枚の連結板96,97,98を備えている。ちょうど連結部材74の場合と同様に、連結部材94においては、ピン89が、3つの連結板の各々の第一の穴91並びに細長い部材41及び43の各々の頭部の穴の中を伸長しており、各細長い部材の頭部は、連結部材94の連結板のうちの2つの間に挟まれている。連結板96,97,98の各々は穴が設けられている耳部82を備えており、これらの穴にバー57が挿入されて連結部材の94の複数の連結板が同時に持ち上げられるようになされている。しかしながら、連結部材94には、図18及び19に示されているように、中心の連結板97の端部に溶接されているブランケット99によって付与される特別な持ち上げ位置が設けられている。
【0081】
図7に示されているように、連結部材94をその作動位置へと軸を中心にひっくり返すときに、フレーム53は、該フレーム53と細長い部材43との間に取り付けられているフレーム伸長部68を使用して細長い部材43に取り付けられていて、プーリー58の作動半径が連結部材94に対してずらされている。フレーム伸長部68は図14及び15に詳しく示されている。該フレーム伸長部68は、中心本体79と2つの端部72及び73とを備えている。中心本体79は、端部よりも幅が広くて中心本体の両側部に支持面69及び71を提供している。これらの支持面は、支持面59がフレーム53の長手軸線に対してなす角度と同じ角度を、フレーム伸長部68の長手軸線に対してなしている。フレーム伸長部68は、穴75と連結ピン78とを備えている。端部73はフレーム53の互いに隔置されている側方フレームプレート61と62との間に配置されており、連結ピン66は、側方フレームプレート61及び62内の穴の中及び穴75の中に配置されていて、フレーム伸長部68とフレーム53とを相互に固定している。支持面59は、フレーム伸長部68の端部73の端部に対して定位置に位置しており、側方フレームプレート61及び62の斜めの端部(図12において最も良くわかる)は支持面69に当接している。次いで、連結されたフレーム53とフレーム伸長部68とは、フレーム伸長部の端部72が細長い部材41と43との間の空間内を通るように配置され、連結ピン78が、細長い部材の下方の定位置に配置されて連結されたフレーム53とフレーム伸長部68とを図7に示されている位置に保持する。このようにして、フレーム伸長部を使用しているときでさえ、フレームはクレーン吊り下げアセンブリの一部分に取り付けられる。次いで、ウインチのワイヤーロープ56が持ち上げ部分99に取り付けられ、ウインチ54が使用されて連結部材94が重心がピン89の上方に位置する位置まで持ち上げられる。次いで、連結部材94が、(図7の視点から見て)左に押され、ウインチ56は、連結部材94がその第二の作動位置に達するまで緩められる。第二の作動位置においては、連結板96,97,98の穴93はスライド平衡装置48の側方プレート部材49の穴と整合する。
【0082】
伸長フレーム68は、使用されていないときには、図6に示されている位置においてワイヤーロープガイド18上に収納される。該伸長フレームは、組立て又は分解プロセスにおいて特別な連結部材94を操作する際にのみ使用され、従って、必要とされるときにアクセスできるこの位置に収納されている。
【0083】
図20は、ピン89が連結板及び細長い部材の中を伸長している状態の断面を示している。カラー84がピン89の一端に使用されており、ピン89は両端を貫通している割りピンを備えている係止ピン85によって保持されている。カラー84は、連結板同士を均一にまとめる均一なクランプ力を提供し、該カラーは、連結板が連結されたり分離されたりするときにピン89の周りを回転し、従って、連結板の向きに関して係止ピン85の向きは連結毎に変わるので好ましい。
【0084】
好ましいウインチ54は、自動の荷重保持ブレーキ、例えば、ミシガン州ブルームフィールドにあるCequent Performance Products, Inc.,によるモデルKX1550010 Fulton brand手動ブレーキ型ウインチを備えている。このモデルは、クランクハンドルが解除されたときに荷重を確実に保持する自己作動型自動ブレーキを備えている。別の方法として、ウインチは、油圧によって作動させるか、電気によって作動させるか、又は空気圧により作動させることができる。
【0085】
代替的なフレームアセンブリ102では、ウインチを使用するのではなく、図21に示されているようなレバー114を使用している。この実施形態においては、レバー114はフレーム103に取り付けられており、引っ張り部材106はレバー114を作動させることによって動かされる。レバーは、引っ張り部材106に直に連結させることができ、又は図21に示されているように、付加的な連結機構116及び118を使用してレバー114の位置を組立作業員が操作するのに楽な位置にするようにすることができる。いずれの場合にも、レバー及び該レバーをフレーム及び引っ張り部材に連結させることによって機械的な利点が提供され、レバーを引き下げるのに要求される力は連結板を手で直接持ち上げる場合に比べてより小さくなる。当然のことながら、レバーを使用することによって、連結部材を持ち上げるために、上向きの力よりも作業者が発生させ易い下向きの力が必要とされるという利点が付加される。この実施形態における引っ張り部材106は、ワイヤーロープ、ファイバロープ、チェーン、一定の長さのバー、及びこれらの組み合わせとすることができる。当然のことながら、ウインチのロープ56はワイヤーロープであるのが好ましいけれども、ファイバロープ又はチェーンとすることもでき、短い一定の長さのバーをスプール55に巻き付けられる別の可撓性のロープに取り付けることができる。
【0086】
フレームアセンブリ102のフレーム103は、ちょうどフレームアセンブリ52が連結されるように、固定の支持面108及び連結ピン104を使用して細長い部材43に連結されている。しかしながら、他の取り付け構造を本発明のフレームアセンブリのフレーム上に使用して、フレームが所望の作動配向で吊り下げ装置の構成部分のうちの一つに取り外し可能に取り付けることができるようにすることができる。例えば、側方フレームプレート61及び62のうちの一つは、支持面59の下方で該側方フレームプレートから取り外される部分を備えていて、フレーム53を上方から下方へ差し込むのではなく側方から差し込んで細長い部材43上に配置させることができる。この場合には、連結ピン66は、フレームの下方部分に永久的に取り付けられた下方の支持面と置き換えることができる。
【0087】
該取り付け構造は、フレームが種々の高さの細長い部材上に取り付けられるようにすることもできる。このようにして、種々の大きさの断面の吊り下げ部分を備えている場合が多い種々のクレーンを、同じアセンブリを使用して組み立てることができる。例えば、図22〜24に示されているフレームアセンブリ122においてわかるように、i)支持面129とii)シャフト124とのうちの少なくとも一方が、支持面129とシャフト124との間の長手方向の距離が調節できる形態でフレーム123に取り付けられている。フレームアセンブリ122においては、プレート128上の支持面129は、フレーム123の長さ方向に沿って隔置されている穴125間にボルト止めされることによって、プレート128をフレーム123上の種々の取り付け位置間で動かすことができる形態でフレームに取り付けられている。フレーム123の高さがより高い高さ151である細長い部材150に取り付けられる場合には、プレート128は、123上の比較的高い位置のボルト穴125のうちの1つを使用することによってフレームに取り付けられる。
【0088】
フレームアセンブリ122においては、支持面129は、フレーム123上の取り付け部に関して枢動できるように該フレームに取り付けられている。支持プレート128は中空の管状部材130に溶接されていており、プレート128をフレーム123に保持しているボルトは管状部材130を貫通している。この枢動取り付け構造により、細長い部材150の高さがどうであっても支持面129は常に細長い部材150に対して平らとなる。
【0089】
図25〜27に示されている種々の取り付け構造がフレームアセンブリ142上に使用されて該取り付け構造が種々の高さの細長い部材151,152,153上に取り付けることができるようにされている。この実施形態においては、フレームに取り付けられるアセンブリは、凸状の支持面159を備えている支持ブロック148によって作られている。この場合の支持ブロック148はボルト147によって固定位置においてフレーム143に取り付けられており且つ連結ピン144は唯一の可能な位置に固定されているけれども、支持面159の凸形状は、種々の高さの細長い部材151,152,153に対する支持面159の接触位置が常に支持プレートの隅部ではなく面159の比較的滑らかな部分にあるようにする。図25においてわかるように、細長い部材151の高さが比較的高い高さhであるときには、支持面159の後方部分が細長い部材151に当接し、その結果、フレーム143と細長い部材151との間に急勾配の角度αがもたらされる。図26においてわかるように、細長い部材152の高さが中間の高さhであるときには、支持面159の中間部分が細長い部材152に当接し、その結果、フレーム143と細長い部材152との間に中間の角度αがもたらされる。そして、図27においてわかるように、細長い部材153の高さが比較的低い高さhであるときには、支持面159の前方部分が細長い部材153に当接し、フレーム143と細長い部材153との間に浅い角度αがもたらされる。
【0090】
ここに記載されている現在のところ好ましい実施形態に対する種々の変更及び改造が当業者に明らかであることがわかるはずである。支持面159は、間にスペーサ65を備えている2つの別個のプレート60の代わりに、フレームの側方プレートのうちの一方の上にのみにあるか又は側方フレームプレート間の距離に全体に亘って伸長している単一のプレートによって設けることができる。プーリーを使用するのではなく、ワイヤーロープ56をフレーム53の上方十分に高い位置に取り付け、ウインチから繰り出されるワイヤーロープ56を連結部材74上の持ち上げ位置に直に連結させることができる。このような変更及び改造は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく且つ本発明の意図されている利点を減らすことなくなすことができる。従って、このような変更及び改造は、添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図されている。
【符号の説明】
【0091】
10 移動式巻き上げクレーン、 12 クローラ、
13 補巻きロープ、 14 クローラ、
16 クローラ、 17 荷巻き上げワイヤーロープ、
18 ワイヤーロープガイド、
19 ラフィングジブ巻き上げワイヤーロープ、
20 回転床、 21 吊束、
22 ブーム、 23 ラフィングジブ、
25 ブーム巻き上げワイヤーロープ、 26 フック、
27 ジブ支柱、 28 マスト、
29 主要支柱、 30 後方連結器、
31 支柱キャップ、 32 引っ張り部材、
33 バックステーのストラップ、 34 カウンタウエイト、
35 支柱ストッパ、 36 線形作動装置、
37 ジブ支柱ストラップ、 38 後方アーム、
39 角度が付けられた部分、 40 枢動フレーム、
41 細長い部材、 42 ブーム部分、
43 細長い部材、 44 カウンタウエイト部材、
45 ブームバット、 46 カウンタウエイト支持装置、
47 下方スライド平衡装置、 48 上方スライド平衡装置、
49 側方アーム、 50 ブーム巻き上げドラム、
52 フレームアセンブリ、 54 ウインチ、
56 ウインチのワイヤーロープ、 57 バー、
58 プーリー、 60 プレート、
61,62 側方フレームプレート、 63 ジブ用バックステーの構成部分、
64 ジブ用バックステーの構成部分、 65 スペーサ、
66 連結ピン、 68 フレーム伸長部、
69 支持面、 70 第一の主要な巻き上げクレーン、
71 支持面、 72 端部、
73 端部、 74 連結部材、
75 穴、 76 ブーム用ストラップの構成部分、
77 ブーム用バックステーの構成部分、 78 連結ピン、
79 中心本体、 80 第二の主要な巻き上げドラム、
81 穴、 82 耳部、
83 穴、 84 カラー、
85 係止ピン、 86 連結板、
87 連結板、 88 連結板、
89 ピン、 90 補助の荷巻き上げドラム、
91 穴、 92 短いストラップ、
93 穴、 94 連結部材、
95 ブランケット、 96,97,98 連結板、
99 、ブランケット、 100 ドラム、
102 フレームアセンブリ、 103 フレーム、
104 連結ピン、 106 引っ張り部材、
108 支持面、 114 レバー、
116 連結機構、 118 連結機構、
122 フレームアセンブリ、 123 フレーム、
124 シャフト、 125 穴、
128 プレート、 129 支持面、
130 管状部材、 142 フレームアセンブリ、
143 フレーム、 144 連結ピン、
147 ボルト、 148 支持ブロック、
150 細長い部材、 151 細長い部材、
152 細長い部材、 153 細長い部材、
159 支持面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分とを連結する方法であって、少なくとも前記第一の部分はその端部に頭部を有する少なくとも一つの細長い部材を備え、前記頭部には前記細長い部材の長手軸線に対して直角方向に貫通した穴が設けられており、前記第二の部分は貫通した穴を有する部材を備え、前記第一の部分の前記細長い部材の前記頭部には、連結部材が、該連結部材の第一の穴と前記第一の部分の前記細長い部材の前記頭部の前記穴とを第一のピンが貫通することによって、枢動可能に連結されており、
a)フレームを前記第一の部分と前記第二の部分のうちの一方に取り付けるステップと、
b)前記フレームと前記連結部材との間に引っ張り部材を連結させるステップと、
c)前記引っ張り部材を、前記連結部材が前記第一のピンを中心として第一の位置から前記連結部材の第二の穴が前記第二の部分の前記穴と整合する第二の位置まで枢動するように動かすステップと、
d)第二のピンを、前記連結部材の前記第二の穴及び前記第二の部分を貫通した前記穴に挿入するステップと、
e)前記引っ張り部材を前記連結部材から外すステップと、
を含んでいる方法。
【請求項2】
前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分の各々が、ブーム用のバックステーストラップ部分を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分の各々が、ジブ用のバックステーストラップ部分を備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分の各々が、複数の細長い部材を備えている、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分の各々が、2つの細長い部材を備えている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記連結部材が複数の連結板を備えており、該複数の連結板は、前記細長い部材の前記頭部をそれらの間に挟んでいる、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記連結部材が3枚の連結板を備えており、前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一の部分と前記第二の部分の各々が2つの細長い部材を備えており、各細長い部材の前記頭部が前記連結部材の連結板のうちの2枚の間に挟まれている状態で、前記第一のピンを前記3枚の連結板の各第一の穴と前記第一の部分の前記細長い部材の各頭部の穴とを貫通するようにされた、請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記引っ張り部材を、前記連結部材が枢動するように動かす前記ステップが、
a)前記連結部材を枢動させて、前記連結部材の重心が前記第一のピンのほぼ真上に位置する位置まで前記重心を持ち上げるステップと、
b)前記連結部材を、重力が該連結部材を第二の位置にまで移動させるように作用するようになる位置まで動かすステップと、
c)前記引っ張り部材を制御された方法で動かして、前記連結部材を前記第二の位置まで降下させるステップと、
を含んでいる請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記フレームが、2枚の隔置された側方フレームプレートであって、支持面が、該側方フレームプレートの少なくとも一つに取り付けられ且つ該側方フレームプレート間に配置されている、側方フレームプレートを備えており、前記フレームが、前記支持面が前記細長い部材上に当接し且つ2枚の前記側方フレームプレートが前記細長い部材の両側に配置された状態で、該フレームを前記第一の部分の前記細長い部材の上方に配置し且つ前記細長い部材の下方の2枚の隔置されている前記側方フレームプレート間にピンを挿入することによって、前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分のうちの一つに取り付けられる、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第二の部分は少なくとも1つの細長い部材を備えており、前記フレームが前記第二の部分の前記細長い部材に取り付けられる、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第一の部分の前記細長い部材が一対のブーム用バックステーストラップ部分を備えており、前記第二の部分の部材が一対のブーム巻き上げスライド平衡装置を備えている、請求項1〜10のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記引っ張り部材が、ワイヤーロープ、ファイバロープ、チェーン、一定長さのバー、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記フレーム上にレバーが取り付けられており、前記引っ張り部材が前記レバーの作動によって動かされる、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フレームにウインチが取り付けられており、前記引っ張り部材が可撓性のワイヤーロープからなり、前記引っ張り部材が前記ワイヤーロープを前記ウインチに巻き付けるか前記ウインチからほどくことによって動かされる、請求項1〜11のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ウインチが、手動ウインチ、油圧作動ウインチ、電動ウインチ、及び空気圧作動ウインチからなる群から選択されたものである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ウインチの前記ワイヤーロープがフックを備えており、前記連結部材の前記連結板の各々が貫通した穴を有している耳部を備えており、前記フックが、前記連結部材の前記耳部の前記穴に挿入されたバーに取り付けられて、前記連結部材の複数の連結板を同時に動かすようにした、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記ウインチが自動の荷重保持ブレーキを備えている、請求項14〜16のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記フレームが更にプーリーを支持しており、前記ワイヤーロープが、前記ウインチから延びており且つ前記連結部材に連結される前の位置で前記プーリーの周囲に沿って延びている、請求項14〜17のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記フレームが、該フレームと前記細長い部材との間に取り付けられているフレーム伸長部を使用して前記第一の部分の前記細長い部材に取り付けられて、前記プーリーの作動半径が前記連結部材に対してずらされている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
クレーンの組立て又は分解中に、クレーン吊り下げアセンブリの部分同士を連結するために使用される連結部材を、枢動軸線周りに第一の位置から第二の位置へと動かす方法であって、
a)ウインチが取り付けられているフレームを前記クレーン吊り下げアセンブリの部分に取り付けるステップと、
b)前記ウインチからのワイヤーロープを前記連結部材の持ち上げ部分に連結させるステップと、
c)前記ウインチを作動させて、前記連結部材を、前記枢動軸線周りに枢動するように動かすステップと、
d)前記連結部材を前記第二の位置に固定するステップと、
e)前記ウインチの前記ワイヤーロープを前記連結部材から外すステップと、を含んでいる方法。
【請求項21】
前記ウインチを作動させて前記連結部材を動かす前記ステップが、
a)前記連結部材を前記枢動軸線を規定している第一のピンを中心に枢動させて、前記連結部材の重心が前記第一のピンのほぼ真上に位置する位置まで前記重心を持ち上げるステップと、
b)前記連結部材を、重力が前記連結部材を前記第二の位置にまで移動させるように作用するようになる位置まで更に動かすステップと、
c)前記ワイヤーロープを、前記ウインチから制御された方法で緩めて前記連結部材を前記第二の位置へ下げるステップと、
を更に含んでいる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ウインチを作動させて前記連結部材を動かす前記ステップが更に、d)第二のピンが挿入される間、前記連結部材を前記第二の位置に保持するステップを更に含んでいる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記フレームが、前記クレーン吊り下げアセンブリの部分に、前記連結部材の重心が前記第一のピンの真上に位置したときに前記ウインチの前記ロープの作用線が前記持ち上げ位置及び前記枢動軸線を通るようになる位置で、取り付けられる、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記クレーンが組み立てられている最中において、前記ウインチのワイヤーロープの作用線が前記持ち上げ位置及び前記枢動軸線を通るようしたときに、前記連結部材の重量によって前記枢動軸線内の摩擦力に打ち勝つのに十分なモーメントを発生して前記連結部材を前記第二の位置へ移動するようになる位置に前記連結部材の重心があるようになる位置で、前記フレームが、前記クレーン吊り下げアセンブリの部分に取り付けられる、請求項21〜23のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
クレーン吊り下げアセンブリの第一の部分と第二の部分との間の連結部を組み立てたり分解したりする際に使用するためのフレームに取り付けられるウインチアセンブリであって、
a)フレームと、
b)該フレームに連結され且つスプールを備えているウインチと、
c)前記スプールに取り付けられているウインチのワイヤーロープと、
d)前記フレームが所望の作動配向で前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一及び第二の部分のうちの一つに取り外し可能に取り付けられるようにする前記フレーム上の取り付け構造と、を備えているフレーム取り付けウインチアセンブリ。
【請求項26】
前記フレーム上に支持されたプーリーであって、その周囲に沿って前記ウインチのワイヤーロープが延びているプーリーを更に備えている、請求項25に記載のフレームに取り付けられるウインチアセンブリ。
【請求項27】
前記フレーム上にホルダーを更に備えており、該ホルダーは、前記ウインチのワイヤーロープを前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第一の部分と前記第二の部分との間の前記連結部を形成するために使用される連結部材に取り付けるために使用されるバーを保持するようにされている、請求項25又は26に記載のフレームに取り付けられるウインチアセンブリ。
【請求項28】
前記フレームが2つの隔置されたプレートを備え、前記取り付け構造が支持面を備えており、該支持面は、前記プレートのうちの少なくとも1つに取り付けられ且つ前記プレート間に配置されていて、前記フレームを前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第二の部分の上に、前記支持面が前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第二の部分の上に載置され且つ2つの隔置されたプレートが前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第二の部分の両側にある状態で取り付けることによって、前記フレームが前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第二の部分に取り付けられるようになされており、前記取り付け構造は更にシャフトを備えており、該シャフトは、前記クレーン吊り下げアセンブリの前記第二の部分の下方において2つの隔置されている前記プレート間に取り外し可能に取り付けることができるようになされている、請求項25〜27のうちのいずれか一項に記載のフレーム取り付けウインチアセンブリ。
【請求項29】
前記支持面が凸形状である、請求項28に記載のフレーム取り付けウインチアセンブリ。
【請求項30】
i)前記支持面とii)前記シャフトのうちの少なくとも一方が、前記支持面と前記シャフトとの間の長手方向の距離が調節できるような形態で、前記フレームに取り付けられている、請求項28及び29のうちのいずれか一項に記載のフレーム取り付けウインチアセンブリ。
【請求項31】
前記支持面が、該支持面が前記フレーム上の異なる取り付け位置間で動かすことができる形態で前記フレームに取り付けられており、前記支持面は、前記支持面の前記フレーム上への取り付け位置に対して枢動できるように前記フレームに取り付けられている、請求項30に記載のフレーム取り付けウインチアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−144373(P2012−144373A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−3670(P2012−3670)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【出願人】(510051082)マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー (13)
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
【Fターム(参考)】