説明

クロスバーロック装置

本発明は、クロスバーの両側のロック装置を同時にロックまたは解除することができるロック装置に関する。上記クロスバーCの両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュール100、200と上記各作動モジュール100、200を連動させるケーブル300とで構成される。従って、一側の作動モジュールを作動すれば、両側の作動モジュールを同時にロックまたは解除できる効果がある。また、ロックピン130がループラックRにロックされる構成を有しているので、堅固なロック力を有する効果があるクロスバーCのロック装置に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループラックにクロスバーをロックまたは解除するロック装置に関する。さらに詳しくは、クロスバーの両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、クロスバーの両端を同時にロックまたは解除するクロスバーロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ループキャリアとは車両の屋根上に設けられ、各種貨物やスキー用具などの車体の幅に比べて大きな荷物、車体の全長に比べて長い荷物を積載する装置を意味する。以下、図1を参照して説明すれば、上記ループキャリアは車両の全長の両側にその長手方向に沿って、それぞれ、設けられるループラック10と上記ループラック10に固定されるクロスバー20及び上記クロスバー20を上記ループラック10にロックするロック装置30を含む。
【0003】
ここで、上記クロスバー20は上記各ループラック10を掛け渡すように設けられ、上記ロック装置30は上記クロスバー20の両端に結合される。このようなロック装置30によって上記ループラック10の特定位置に上記クロスバー20が選択的に固定されるようになる。
【0004】
このような従来のループキャリアは、上記クロスバー20の両端に結合されている各ロック装置30が互いに別個の動作によって上記クロスバー20を上記ループラック10にロックまたは解除されるように構成される。従って、上記ループキャリアに積載される貨物(荷物)の大きさに応じて、上記クロスバー20の位置を調整するためには、必ず2名の作業者が上記クロスバー20の両端にそれぞれ結合された上記ロック装置30を同時に操作しなければならないという問題があった。当然ながら、1名の作業者が各ロック装置30を順に操作して上記クロスバー20のロックを解除することができるが、この場合にも上記作業者がそれぞれ上記ロック装置30を操作しなければならないという不都合があった。
【0005】
このような問題点を解決するために、大韓民国公開特許公報第2005−0035591号には、上記ロック装置30の構造を改善するために以下の構成を提案している。
【0006】
即ち、図2に示されるように、車両の一側面でカム25を回転させ、一対の圧縮ロッド21が同時に内側に移動しながら、摩擦パッド22をループラック10に密着し、上記摩擦パッド22と上記ループラック10との間の摩擦力で上記クロスバーが固定される構成を提案している。
【0007】
しかし、上述した構成も、また、貨物の荷重に耐える構成が単純な摩擦パッド22とループラック10との摩擦力のみからなるため、ロック力が弱いという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためのものであり、上記クロスバーの両端にそれぞれ取り付けられ、ターンレバーによりケーブルを作動させる作動モジュールによって、上記クロスバーの両端を同時にロックまたは解除すると同時に、ロックピンをループラックに挿入してロックする構成によって、上記クロスバーをループラックに堅固にロックすることが可能なクロスバーロック装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的は、上記クロスバー両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成されるロック装置であって、上記ロック装置は、上記クロスバー両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、上記作動モジュールは、上記クロスバーの一側端部に取り付けられるベースと;上記ベース上に回転自在に取り付けられ、上記ケーブルがロックされるケーブル固定部と使用者が作動する作動部と上記ケーブル固定部及び作動部を連結する連結部とで構成され、上記ベース上で回転することによって上記ケーブルを駆動するターンレバー;及び、上記ターンレバーの回転によって上記ケーブルが駆動され、上記ループラックに挿入または取り外されるロックピンと、上記ロックピンの一側面に形成され、内部にプーリーが回転自在に取り付けられるプーリー収容部と、上記プーリー収容部を貫通して上記ベースに固定される連結軸とで構成されるロック部と;を含むクロスバーロック装置によって達成することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、従来には2名の作業者がクロスバーの両端にそれぞれ結合された上記ロック装置を同時に操作し、ロックを解除しなければならない問題があった。これを解決するために車両の一側面でカムを回転させ、一対の圧縮ロッドが同時に内側へ移動しながら、摩擦パッドをループラックに密着し、上記摩擦パッドと上記ループラックとの間の摩擦力で上記クロスバーが固定される構成が提案されているが、これも、また単純な摩擦パッドとループラックとの摩擦力のみで固定され、ロック力が弱いという問題点があった。
【0011】
本発明は、クロスバーの両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、一側の作動モジュールを作動すれば、両側の作動モジュールを同時にロックまたは解除することができる効果がある。
【0012】
また、本発明は、ロックピンがループラックに固定される構成により堅固なロック力を有する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
【0014】
本発明は上述するように、クロスバー両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、上記作動モジュールに取り付けられるターンレバーがケーブルの駆動によって、上記クロスバーの両端をループラックに、同時に、ロックまたは解除することができるクロスバーロック装置に関するものである。
【0015】
以下、図3を参照して本発明に対して説明する。上記図3に示されるように、本発明はクロスバーCの両端に設けられる作動モジュール100、200と上記作動モジュール100、200を連動させるケーブル300とで構成される。
【0016】
上記両側の作動モジュール100、200は構成が同様であり、そのうちの一つの作動モジュール100を基準に説明すれば、上記作動モジュール100は、上記クロスバーCの一側端部に取り付けられるベース110と、上記ベース110に取り付けられ、上記ケーブル300を駆動するターンレバー120と、上記ターンレバー120により駆動されるケーブル300の作動によってループラックRに挿入されるか、又は脱離されるロック部130とで構成される。
【0017】
上記ベース110は、上記クロスバーCに取り付けられ、その上面にヒンジ部112が形成され、後述するターンレバー120とピン結合し、上記ベース110の内部に形成される収容部111により、後述するロック部130の連結軸133が取り付けられる。
【0018】
上記ロック部130は、上記ループラックRに挿入され固定されるロックピン131と、上記ロックピン131の一側面に形成され、内部にプーリー132が回転自在に取り付けられるプーリー収容部135と、上記プーリー収容部135を貫通し、上記ベース110の収容部111に固定される連結軸133とで構成される。
【0019】
上述するように、上記プーリー132上に掛け渡されて駆動されるケーブル300によって上記ロックピン131が前進または後進し、上記ループラックRにロックまたは解除されるものである。また、上記連結軸133上にスプリング134が取り付けられ、上記スプリング134の復原力によって上記ロックピン131が常に上記ループラックRに挿入され、ロック状態を保持するようになる。このような作動メカニズムに対する詳細な説明は後述する。
【0020】
上述するように、上記ロック部130はケーブル300によって前進又は後進される。上記ケーブル300はターンレバー120によって駆動される。
【0021】
上記ターンレバー120は、図4に示されるように、上記ケーブル300が固定されるケーブル固定部123と使用者が作動する作動部121と上記ケーブル固定部123及び作動部121を連結する連結部122で構成される。このとき、上記ターンレバー120に貫通孔124が形成され、上記ターンレバー120の貫通孔124と上記ベース110のヒンジ部112とがピン結合することによって、上記ターンレバー120が回転自在に取り付けられ、ケーブル300を駆動するようになるものである。このとき、上記ターンレバー120を貫通するように形成されるスリット125を形成し、上記ロック部130の連結軸133が上記スリット125を貫通し、上記ベース110の収容部111に取り付けられていてもよい。
【0022】
即ち、上記ターンレバー120の作動部121を使用者が持ち上げると、上記ベース110のヒンジ部112とピン結合されている貫通孔124を中心に回転するようになり、これにより、上記ケーブル固定部123が回転するようになる。このような動作によって、上記ケーブル固定部123がケーブル300を引っ張り、これにより、上記ループラックRに挿入固定されているロックピン131が後進しながら、ロック状態が解除される。このとき、上記ロックピン131に取り付けられているプーリー132が上記ケーブル300によって回転するようになり、これにより、上記ロックピン131を引っ張るのに必要とされる力を低減することができる。その一方、上記ケーブル固定部123に係止具123aを形成し、ケーブル300をロックするようにすることも可能である。
【0023】
上述するように、上記連結軸133上に取り付けられているスプリング134の復原力によって上記後進されたロックピン131が再びループラックRに挿入固定され、自動でロック状態が保持されるので、使用者が別途に、この本発明の作動モジュールを作動しなくてもロック状態に復元できる効果がある。
【0024】
一方、図5に示されるように、上記ターンレバー120の作動部121上に上記作動部121のサイズより大きなハンドレバー400を取り付け、上記作動部121を動かすのに必要とされる力を低減することも可能である。
【0025】
このような本発明の作動モジュールがクロスバーCに取り付けられている場合を想定し、本発明によって上記クロスバーCが同時にロックまたは解除されるメカニズムについて、図6及び図7を参照して説明する。
【0026】
上記図6は上記クロスバーCに取り付けられている作動モジュールが上記ループラックRに固定されている状態を示す断面図であり、上記図7は作動モジュールが上記ループラックRから脱離され、解除された状態を示す断面図である。
【0027】
上記図6に示されるように、本発明の作動モジュールは上記クロスバーC内部に取り付けられ、上記クロスバーCとの締結のために上記ベース110をボルトによって上記クロスバーCに取り付けることも可能である。
【0028】
このとき、上記作動モジュールはハウジングH内に収納される。上記ハウジングHについては、後述する。
【0029】
上述するように上記図6は、クロスバーCの両側に取り付けられる作動モジュールがループラックRに挿入され固定されている状態を示している。以下では、上記作動モジュールのうちの左側の作動モジュール100を基準にその作動メカニズムを説明する。このとき、上記右側の作動モジュール200の作動メカニズムは左側の作動モジュール100のそれと同一である。
【0030】
まず、上記ハンドレバー400を持ち上げると、上記ハンドレバー400に固定されているターンレバー120の作動部121が共に持ち上げられる。これにより、上記ターンレバー120は上記ベース110のヒンジ部112とピン結合されている貫通孔124を中心にして反時計方向に回転するようになる。これにより、上記ターンレバー120のケーブル固定部123が上記貫通孔124を中心に反時計方向に回転するようになる。従って、上記ケーブル固定部123に固定されるケーブル300が右側に引っ張られるようになる。
【0031】
このとき、上記右側に引っ張られたケーブル300が、上記ロック部130のプーリー132に乗って引っ張られ、これにより、上記ロック部130のロックピン131も右側に引っ張られるようになる。このとき、上記連結軸133が上記ベース110に挿入される構成も可能であり、または上記プーリー収容部135に上記連結軸133が貫通される構成も可能である。
【0032】
上述するように、上記ループラックRに挿入され固定されているロックピン131が後進し、上記クロスバーCのロック状態が解除される。
【0033】
一方、上記ケーブル300が上記プーリー132を通して引っ張られることによって、上記クロスバーCの右側に取り付けられている作動モジュール200と連結されるケーブル300は、左側に駆動される。これにより、上記右側作動モジュール200のロックピンも、また上記ループラックRから脱離されてロック状態が解除される。
【0034】
つまり、一つの作動モジュールの作動によって、両側の作動モジュールを同時に作動させ、クロスバーCのロック状態を一度で解除でき、上述するようにロックピン131がループラックRに挿入され、ロックする構成によって堅固なロック力を確保することができる。
【0035】
また、使用者が上記ハンドレバー400を持ち上げ、ロック状態を解除した後に、使用者が上記ハンドレバー400を離すと、連結軸133上に取り付けられる上記スプリング134の復原力によって上記ロックピン131が自動的にロック状態に戻ることになる。
【0036】
即ち、使用者が例えば、車両の屋根に荷物を載せて、上記作動モジュールを操作して上記荷物の大きさに合せて上記クロスバーCを調整して置くと、上記スプリング134による復原力によって、再びロック状態に復元され、使用の便宜性と安全性を増大させることができる。
【0037】
一方、図8に示されるように、上述した作動モジュールを覆い、上記ループラックRと接触して移動を容易にするために、ハウジングHを接着することも可能である。即ち、上記クロスバーCに取り付けられている作動モジュールを覆い、上記ターンレバー120上に取り付けられるハンドレバー400を露出しうる開放部が形成されるハウジングHを取り付け、外観を美しくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、従来には2名の作業者がクロスバーの両端に、それぞれ、結合された上記ロック装置を同時に操作し、ロックを解除しなければならない問題があった。これを解決するために車両の一側面でカムを回転させ、一対の圧縮ロッドが同時に内側に移動しながら、摩擦パッドをループラックに密着させ、上記摩擦パッドと上記ループラックとの間の摩擦力によって、上記クロスバーが固定される構成が提案されているが、これも、また単純な摩擦パッドとループラックの摩擦力のみで固定され、ロック力が弱いという問題があった。
【0039】
本発明は、クロスバー両端に、それぞれ、取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、一側の作動モジュールを作動すれば、両側の作動モジュールを同時にロックまたは解除することができる効果がある。
【0040】
また、ロックピンがループラックに固定される構成により堅固なロック力を有する効果がある。
【0041】
本発明の好ましい実施例は、例示を目的として開示されたが、当業者は添付の特許請求の範囲に開示された本発明の範囲及び精神に逸脱することなく、 様々な変形、付加、及び代替することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ループラックとクロスバーを示す概念図である。
【図2】従来のクロスバーロック装置の概念図である。
【図3】本発明の実施例に係るクロスバーロック装置の分離斜視図である。
【図4】本発明に係るクロスバーロック装置のターンレバーを示す拡大斜視図である。
【図5】本発明に係るクロスバーロック装置にハンドレバーが付加されたことを示す分離斜視図である。
【図6】本発明のクロスバーロック装置の作動メカニズムを示す断面図である。
【図7】本発明のクロスバーロック装置の作動メカニズムを示す断面図である。
【図8】本発明のクロスバーロック装置のハウジングを示す平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスバーを一対のループラックにロック又は解除するためのロック装置であって、
上記ロック装置は、上記クロスバー両端にそれぞれ取り付けられる作動モジュールと上記各作動モジュールを連動させるケーブルとで構成され、
上記作動モジュールは、上記クロスバーの一側端部に取り付けられるベースと;
上記ベース上に回転自在に取り付けられ、上記ケーブルがロックされるケーブル固定部と使用者が作動する作動部と上記ケーブル固定部及び作動部を連結する連結部とで構成され、上記ベース上で回転することによって上記ケーブルを駆動するターンレバーと;及び
上記ターンレバーの回転によって上記ケーブルが駆動され、上記ループラックに挿入または取り外されるロックピンと上記ロックピンの一側面に形成され、内部にプーリーが回転自在に取り付けられるプーリー収容部と、上記プーリー収容部を貫通する一方、上記ベースに固定される連結軸とで構成されるロック部と;を含むことを特徴とするクロスバーロック装置。
【請求項2】
上記ターンレバーの作動部上に、上記作動部のサイズより大きなハンドレバーをさらに、含むことを特徴とする請求項1に記載のクロスバーロック装置。
【請求項3】
上記ロックピンとベースとの間に設けられる連結軸上に、スプリングを取り付け、上記ロックピンが上記ループラックに挿入される状態を保持するようにすることを特徴とする請求項1に記載のクロスバーロック装置。
【請求項4】
上記クロスバー両端に取り付けられ、上記作動モジュールを収納し、上面に上記ターンレバーの作動部を露出する開放部が形成されたハウジングをさらに、含むことを特徴とする請求項1に記載のクロスバーロック装置。
【請求項5】
上記ターンレバーの上部に貫通孔が形成され、上記ベース上面にヒンジ部が形成され、上記ターンレバーの貫通孔と上記ヒンジ部とがピン結合することによって、上記ターンレバーが回転自在に取り付けられ、上記ターンレバーに形成されるスリットによって上記ロック部の連結軸が上記ターンレバーを貫通して上記ベースの収容部に取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクロスバーロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−518139(P2008−518139A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553052(P2007−553052)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【国際出願番号】PCT/KR2006/002225
【国際公開番号】WO2007/078036
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(502202007)エルジー・ケム・リミテッド (224)
【Fターム(参考)】