説明

クロマキー合成処理装置

【課題】クロマキー色が何らかの原因により変化した場合でも、クロマキー合成処理を行うことができるクロマキー合成処理装置を提供する。
【解決手段】クロマキー合成処理装置は、テレビ映像等の外部映像を、パーソナルコンピュータのアプリケーションソフトウェアのウインドウにクロマキー合成処理、すなわち、外部映像信号とパーソナルコンピュータの映像信号とをクロマキー合成処理して表示する際に用いるものであり、クロマキー色が出力されているべき領域において、クロマキー色が検出されない場合には、最頻の色を、クロマキー色とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの映像信号をクロマキー合成処理して表示するクロマキー合成処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータの多機能化が進んでおり、その機能の1つとして、テレビを視聴可能とする機能が搭載されたパーソナルコンピュータが販売されている。このようなパーソナルコンピュータにおいて、テレビ映像は、TVアプリケーションソフトウェアのウインドウに表示される。
【0003】
ところで、上述のようなパーソナルコンピュータでは、テレビ映像信号とパーソナルコンピュータの映像信号とを合成する必要があるが、この合成の方法として、従来より、クロマキー合成が用いられている。このような場合のクロマキー合成では、パーソナルコンピュータは、テレビ映像が表示(合成)されるべき領域を、特定色(クロマキー色)にして出力し、テレビ映像は、このクロマキー色の領域に表示されるよう、クロマキー合成回回路により制御される。
【0004】
なお、このようなパーソナルコンピュータの映像信号と、テレビ映像信号とをクロマキー合成処理する技術が、特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−172573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のように、パーソナルコンピュータの映像信号にテレビ映像信号を合成するには、上述したクロマキー色が一定であることが前提である。
【0007】
しかしながら、例えば、パーソナルコンピュータにおいて、ディスプレイに対応するよう、OSの管理下において、ガンマ補正などの出力画質の調整を行うと、クロマキー色も変化してしまう。また、クロマキー色を含む映像信号が伝送中に劣化してしまうと、クロマキー色も変化してしまう。このような場合、上述したクロマキー合成処理ができなくなってしまうという不具合が生じてしまう。
【0008】
そこで、本発明は、クロマキー色が何らかの原因により変化した場合でも、クロマキー合成処理を行うことができるクロマキー合成処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のクロマキー合成処理装置は、第1の映像の信号と、所定の領域にクロマキー色を含む第2の映像の信号とをクロマキー合成処理するクロマキー合成処理装置であって、前記所定の領域からクロマキー色が検出されない場合には、前記所定の領域の最頻色をクロマキー色とすることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2のクロマキー合成処理装置は、第1の映像の信号と、所定の領域にクロマキー色を含む第2の映像の信号とをクロマキー合成処理するクロマキー合成処理装置であって、前記所定の領域にクロマキー色があるか否かを検出する検出手段と、前記所定の領域の最頻色を計測する計測手段と、前記検出手段が、クロマキー色を検出しない場合、前記計測手段が計測した最頻色をクロマキー色とする変更手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クロマキー色が何らかの原因により変化した場合でも、クロマキー合成処理を行うことができるクロマキー合成処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。まず、本実施の形態の概略を説明すると、本実施の形態のクロマキー合成処理装置は、テレビ映像等の外部映像を、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置のアプリケーションソフトウェアのウインドウにクロマキー合成処理、すなわち、外部映像信号とパーソナルコンピュータの映像信号とをクロマキー合成処理して表示する際に用いるものであり、クロマキー色が出力されているべき領域において、クロマキー色が検出されない場合には、最頻の色を、クロマキー色とするものである。以下、詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態のクロマキー合成処理装置を説明するためのブロック図である。図1を参照すると、パーソナルコンピュータのグラフィックの映像信号は、クロマキー色検出器10、比較器30、及び、クロマキー合成器40に入力される。一方、TV映像信号等の外部映像信号は、クロマキー合成器40に入力される。
【0014】
また、クロマキー色検出器10には、クロマキー色検出結果保持器20が接続され、クロマキー色検出結果保持器20は、比較器30に接続され、比較器30は、クロマキー合成器40に接続されている。
【0015】
以下、本実施の形態のクロマキー合成処理装置の動作について説明する。
【0016】
図2を参照すると、クロマキー色検出器10は、表示期間か否かを判断し(ステップS1)、表示期間でない場合、すなわち、垂直ブランキング期間である場合、クロマキー色更新フラグが図示せぬ所定の記憶領域に立っているか否かを検知する(ステップS2)。
【0017】
ステップS2において、クロマキー色検出器10が、クロマキー色更新フラグが立っていないことを検知した場合には、クロマキー色検出器10は、クロマキー色が検出されるべき領域に、クロマキー色があるか否かを検出する(ステップS3)。なお、ステップS3において、検出するクロマキー色は、当初は初期値であるが(この場合、初期値を検出結果保持器20にもたせる必要がある。)、その後は、後述されるように変更されていくクロマキー色である。なお、検出すべきクロマキー色は、クロマキー色検出結果保持器20に保持されており、クロマキー色検出器10により参照される。
【0018】
ステップS3において、クロマキー色検出器10が、クロマキー色を検出しない場合には、クロマキー色を変更する(ステップS4)。ここで、変更されるクロマキー色は、前回の表示期間に、後述するよう検出した最頻色であり、ステップS3においてクロマキー色検出器10が検出すべきクロマキー色とともに、クロマキー色検出結果保持器20に保持されている。
【0019】
ステップS4の後、及び、ステップS3にて検出器10がクロマキー色を検出した場合、クロマキー色検出器10は、クロマキー色更新フラグをセットする(ステップS5)。
【0020】
次に、ステップS1にて、クロマキー色検出器10が、表示期間、すなわち、垂直ブランキング期間でない、と判断した場合、クロマキー色検出器10は、クロマキー色を検出すべき領域に存在する色の最頻色を求めるため、色のヒストグラム(度数分布)を計る(ステップS6)。なお、ステップS6にて、クロマキー色検出器10が検出した最頻色が、クロマキー色検出器10により、クロマキー色検出結果保持器20に保持される。そして、クロマキー色検出結果保持器20にて保持されているクロマキー色が、前述したステップS4でのクロマキー色変更の際に用いられる。なお、変更されたクロマキー色は、クロマキー色検出器10がステップS3にて検出すべきクロマキー色となる。
【0021】
そして、ステップS6にて、クロマキー色検出器10により最頻色が求められると、クロマキー色検出器10は、クロマキー色更新フラグをクリアする(ステップS7)。
【0022】
次に、クロマキー合成処理について説明する。
【0023】
比較器30には、上述したステップS3にてクロマキー色検出器10が、検出すべきクロマキー色が、クロマキー色検出結果保持器20から入力されており、パーソナルコンピュータのグラフィックの映像信号と、クロマキー色との比較の結果、一致する領域は、TV映像信号等の外部映像信号が、クロマキー合成器40から出力されるよう指示するための信号が、クロマキー合成器40に出力される。
【0024】
一方、パーソナルコンピュータのグラフィックの映像信号と、クロマキー色との比較の結果、一致しない領域は、パーソナルコンピュータのグラフィックの映像信号が、クロマキー合成器40から出力されるよう指示するための信号が、クロマキー合成器40に出力される。そして、クロマキー合成器40は、双方の映像信号をクロマキー合成処理をして出力する。
【0025】
以上説明した本実施の形態では、要するに、クロマキー色が検出されるべき領域に存在する色のヒストグラム(度数分布)を監視し、変化を検出した場合には、その変化に適応してクロマキー色を変更している。
【0026】
したがって、上述したように、ガンマ補正などを行うなどして、クロマキー色が変わっても、ガンマ補正後の色をクロマキー色とするため、正しくクロマキー合成表示ができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
10 クロマキー色検出器
20 クロマキー色検出結果保持器
30 比較器
40 クロマキー合成器












【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の映像の信号と、所定の領域にクロマキー色を含む第2の映像の信号とをクロマキー合成処理するクロマキー合成処理装置であって、前記所定の領域からクロマキー色が検出されない場合には、前記所定の領域の最頻色をクロマキー色とすることを特徴とするクロマキー合成処理装置。
【請求項2】
第1の映像の信号と、所定の領域にクロマキー色を含む第2の映像の信号とをクロマキー合成処理するクロマキー合成処理装置であって、
前記所定の領域にクロマキー色があるか否かを検出する検出手段と、
前記所定の領域の最頻色を計測する計測手段と、
前記検出手段が、クロマキー色を検出しない場合、前記計測手段が計測した最頻色をクロマキー色とする変更手段とを有することを特徴とするクロマキー合成処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記第2の映像の垂直ブランキング期間に、前記所定の領域にクロマキー色があるか否かを検出することを特徴とする請求項2記載のクロマキー合成処理装置。
【請求項4】
前記変更手段は、前記第2の映像の垂直ブランキング期間に、前記計測手段が計測した最頻色をクロマキー色とすることを特徴とする請求項2または3記載のクロマキー合成処理装置。
【請求項5】
前記変更手段にて前記第2の映像の垂直ブランキング期間に変更されるクロマキー色は、直前の表示期間に前記計測手段が計測した最頻色であることを特徴とするクロマキー合成処理装置。



























【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−77007(P2009−77007A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241854(P2007−241854)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】