説明

クロロプレンラテックス及びその製造法

【課題】低温で保存しても凍結せず、接着物性が良好であるクロロプレンラテックスを提供する。
【解決手段】カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤及び、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を含むことを特徴とするクロロプレンラテックス、並びにその製造法。R−O(CHCXHO)nH(1)(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温で保存しても凍結せず、接着物性が良好であるクロロプレンラテックス及びその製造法に関するものである。なお、本発明における低温とは0℃以下を指す。
【背景技術】
【0002】
クロロプレンゴム等をベースとした溶剤系接着剤は、その良好な作業性や接着物性から各種用途に用いられてきた。
【0003】
しかし、使用される有機溶剤は地球環境や作業者の健康に悪影響を与え、時には作業場の火災等を引き起こす危険性を有している。そのため、脱溶剤の要求が高まっている。
【0004】
脱溶剤化の手法の一つとして、ラテックス系接着剤による代替が考えられている。クロロプレンラテックスとしては各種のものが知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4)。
【0005】
しかし、特許文献1,2に示されるように、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を用いた場合、その保護コロイド性から優れたラテックスの安定性を示す一方で、期待される接着物性が得られず、特に耐水性が低くなる。
【0006】
また、特許文献3,4に示されるように、ロジン酸の金属塩からなる乳化剤を用いた場合、クロロプレンゴムの保管中における脱塩酸や、接着剤配合の際のpHの低下によりラテックスの安定性が低下し、ゴムが析出するなどの問題が生じる。
【0007】
この特徴をうまく利用し、グリシンなどのアミノ酸でpHを調節し、湿潤状態での接着物性を向上させる方法がある(例えば、特許文献5)。
【0008】
しかし、クロロプレンは保管中に脱塩酸するため、それによりpHが低下することで安定性が更に低下し、ゴムが析出してしまうなどの問題が生じる。
【0009】
一方、溶剤系接着剤と比較してラテックス系接着剤はコンタクト性が低い。この問題を解決する方法の1つとして、クロロホルムに溶解した際に不溶部となるゲル分を含まないクロロプレン系共重合体ラテックス及びそれを用いた接着剤組成物が知られている。(例えば、特許文献6、及び非特許文献1)。この方法で物性を向上させる場合、分子量が増加しゲルが生じると物性が低下することから、保管中に分子量が安定でゲル分が発生しないことが非常に重要となる。
【0010】
しかし、上記のようにクロロプレンゴムは保管中に脱塩酸し、それに伴い分子量増加が生じるため、保管中の脱塩酸の進行を遅らせることが重要となる。脱塩酸量は熱により増加するため低温保管が有効であるが、クロロプレンラテックスはその約半分を水が占める為、0℃以下で保管すると凍結してしまう危険性がある。
【0011】
特許文献7ではノニオン系乳化剤を使用することで低温安定性が改善するとされているが、5℃における1週間の評価であり、冬季や寒冷地では外気温が0℃以下となることも多く、これでは不十分である。
【0012】
【特許文献1】特開平6−287360号公報
【特許文献2】特開平11−335491号公報
【特許文献3】特公昭51−39262号公報
【特許文献4】特開昭51−136733号公報
【特許文献5】特開2001−19922号公報
【特許文献6】特開平9−31429号公報
【特許文献7】特開2001−49043号公報
【非特許文献1】JETI Vol.44 No.12(88頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むクロロプレンラテックスについて、0℃以下の低温保管での凍結を抑制し、低温保管を可能とすることで保管中のpH低下及び分子量変化を最小限に抑え、更には寒冷地への輸送・保管を容易とし、接着剤として用いた場合に良好な接着物性を示すクロロプレンラテックス及びその製造法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むクロロプレンラテックスについて、特定構造を有するノニオン系乳化剤を含有することで低温での保管が可能となり、保管中の分子量変化を抑え、良好な物性を長期間維持できることを見出し本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤及び、特定のノニオン系乳化剤を含むことを特徴とするクロロプレンラテックス、その製造法並びにそれを含有することを特徴とする接着剤組成物である。
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明のクロロプレンラテックスは、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤及び、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を含むものである。
【0017】
R−O(CHCXHO)nH (1)
(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)
本発明のクロロプレンラテックスとは、2−クロロ−1,3−ブタジエンであるクロロプレンの単量体を重合して得られたラテックスであり、必要に応じて、クロロプレン単量体と共重合可能な単量体を用いても良い。クロロプレン単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸等があげられるが、これらを、例えばクロロプレン単量体100重量部に対し、20重量部以下で用いる。
【0018】
本発明のクロロプレンラテックスは、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むものである。カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤を含むことにより、pH調節により接着物性を向上させることが可能である。この乳化剤の含有量は特に限定するものではないが、ラテックスの配合における安定性や、接着物性とのバランスから、ラテックス100重量部に対して1.5〜3.5重量部が好ましい。ここに、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤としては、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩の高分子化合物等があげられる。アルカリ金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどがあげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良い。重合安定性及び接着性能の観点から、ロジン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
【0019】
本発明のクロロプレンラテックスは、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を含むものである。
【0020】
R−O(CHCXHO)nH (1)
(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖又からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)
一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤とは、炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖を有し、HLBが9〜16であるポリオキシアルキレン構造を有するノニオン系乳化剤をいい、例えば、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシプロピレンイソデシルエーテル、炭素数が9〜16のポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル、炭素数が9〜16のポリオキシプロピレン分岐アルキルエーテル(具体的には、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテル、ポリオキシプロピレン分岐ドデシルエーテル等)等があげられる。アルキル鎖が分岐を有しない場合には、凍結に対する安定性が低い。HLBが9未満の場合は曇点が低いため熱に弱く、製造工程上で不具合が生じる可能性があり、16を超える場合には、凍結に対する安定性が低くなる。これらをラテックス100重量部に対して0.1〜3.0重量部含むことが好ましく、0.2〜2.0重量部含むことがさらに好ましい。
【0021】
本発明のクロロプレンラテックスは、ラテックスの安定性確保のために、さらにスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は硫酸エステルのアルカリ金属塩からなる安定剤を含有することが好ましい。スルホン酸のアルカリ金属塩からなる安定剤としては、例えば、ペンタンスルホン酸のアルカリ金属塩,オクタンスルホン酸のアルカリ金属塩などの脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、トルエンスルホン酸のアルカリ金属塩,スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩,ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩,ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩などの芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、及びこれらのスルホン酸化合物のアルカリ金属塩を有する各種化合物等があげられる。スルホン酸化合物のアルカリ金属塩を有する各種化合物としては、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物、不飽和結合を有するスルホン酸のアルカリ金属塩とそれと共重合可能な単量体との各種共重合体などがあり、不飽和結合を有するスルホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、ビニルスルホン酸のアルカリ金属塩、アリルスルホン酸のアルカリ金属塩、メタリルスルホン酸のアルカリ金属塩、イソプレンスルホン酸のアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸のアルカリ金属塩などがあげられ、それと共重合可能な単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、メチルメタクリレートなどがあげられる。硫酸エステルのアルカリ金属塩からなる安定剤としては、例えば、ラウリル硫酸のアルカリ金属塩などのアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸のアルカリ金属塩などのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアルカリ金属塩等があげられる。アルカリ金属塩としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどがあげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上含んでいても良い。これらの中でも、重合安定性の面及び湿潤状態における接着物性の面から、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物又はスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩とメタクリル酸のアルカリ金属塩の共重合体が好ましい。スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は硫酸エステルのアルカリ金属塩からなる安定剤の含有量は特に限定するものではないが、重合およびラテックスの安定性確保のため、ラテックス100重量部に対して0.01〜2.0重量部が好ましい。
【0022】
クロロプレンラテックス中のポリマーのゲル分は、特に室温乾燥における初期の接着性を良好にするため、1重量%以下であることが好ましい。
【0023】
本発明のクロロプレンラテックスの製造法としては、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の存在下でクロロプレン単量体又はクロロプレン単量体とこの単量体と共重合可能な単量体を重合する際に、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を添加するものである。
【0024】
R−O(CHCXHO)nH (1)
(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)
カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の使用量は特に限定するものではないが、重合およびラテックスの安定性確保のため、クロロプレン単量体100重量部に対して3〜6重量部が好ましい。
【0025】
一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤の使用量は特に限定するものではないが、凍結に対する安定性確保のために、クロロプレン単量体100重量部に対して0.2重量部以上が好ましく、接着物性維持のためクロロプレン単量体100重量部に対して5重量部以下が好ましい。
【0026】
一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤は、重合開始時、重合中及び重合終了後に1回以上添加するものである。
【0027】
スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は硫酸エステルのアルカリ金属塩からなる安定剤を使用する場合の量は特に限定するものではないが、重合安定性のため、クロロプレン単量体100重量部に対して0.01〜3.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がさらに好ましい。
【0028】
重合の方法としては特に制限のあるものではなく、例えば、クロロプレン単量体、又はクロロプレン単量体とこの単量体と共重合可能なその他の単量体をラジカル乳化重合すればよい。乳化重合は、上記の単量体、及び乳化剤を、重合開始剤、連鎖移動剤等と共に乳化し、所定温度にて行い、所定の転化率で重合停止剤を添加すれば良い。
【0029】
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
【0030】
連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン炭化水素、アルキルキサントゲンジスルフィド、硫黄等の分子量調節剤等があげられ、これらのうち、臭気及び作業性の面からn−ドデシルメルカプタンが好ましく、その使用量はクロロプレン単量体100重量部に対して0.01〜1.0重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がさらに好ましい。
【0031】
重合温度は特に限定するものではなく、0〜80℃の範囲で行うことができ、好ましくは10〜50℃の範囲である。
【0032】
重合終了時期は特に限定するものでないが、生産性、及び良好な接着物性を得るため、単量体の転化率が60〜100%まで重合を行うことが好ましい。
【0033】
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
【0034】
また、ラテックスの安定性を更に良好にするため、重合中、及び重合終了後に上記の乳化剤や安定剤のうち1種類以上を添加しても良い。
【0035】
本発明のクロロプレンラテックスは、単独でも接着剤として使用可能であるが、粘着付与樹脂や架橋剤を添加することで接着物性が向上する。
【0036】
粘着付与樹脂としては特に限定するものではなく、例えば、フェノール系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体樹脂、石油系炭化水素等があげられ、例えば、重合ロジン、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル、アルキルフェノール樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール、水添ロジン、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、石油樹脂、クマロン樹脂等が使用される。
【0037】
架橋剤としては、クロロプレンラテックスに均一に混合できる化合物であれば用いることができ、例えば、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート化合物等が使用できる。
【0038】
クロロプレンラテックスを主成分とする接着剤の粘度は、各種増粘剤、例えば、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルアルコール、疎水化セルロース、会合型ノニオン界面活性剤等の水溶性ポリマー、及びカルボキシル基含有ポリマーから構成されるアルカリ可溶型の増粘剤、ヘクトライト等のシリケート化合物等の配合により所望の粘度に調整できる。また必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、凍結防止剤、造膜助剤、可塑剤、クレー等の各種充填剤を適宜配合しても良い。
【発明の効果】
【0039】
本発明のクロロプレンラテックスは、上記の通りすることにより、長期間の保管において分子量の上昇が少なく、低温で保存しても凍結せず、その結果、これを含有する接着剤組成物は安定して良好な接着物性を示すものである。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0041】
ラテックスのpH、機械的安定性、配合安定性、ポリマーの溶液粘度、接着剤配合物の常温接着強度は以下の方法で測定した。
【0042】
<pH>
pHメーター((株)堀場製作所製)により、23℃におけるラテックスのpHを測定した。
【0043】
<ポリマーのゲル分及び溶液粘度>
ラテックスをシャーレ上に広げ、ドライアイス/メタノールの冷媒にて冷却・凍結後、真空乾燥機において30℃以下で凍結乾燥を実施した。16時間以上経過後に秤量し、更に2時間後に再度秤量を実施して重量変化が1%以下となるまで乾燥した。その後、ゴムが重量換算で0.6%の濃度となるようにトルエンを加え、マグネットスターラーを用いて20時間以上混合・溶解した。得られた溶液を2500RPMで30分遠心分離をかけた後、200メッシュの金網にてろ過し、残渣を110℃で20分乾燥してその重量と溶解したゴムの重量の比をゲル分とした。またゲル分同様にゴムを重量換算で10%の濃度となるようにトルエンに溶解し、その粘度をB型粘度計を用いて測定した。測定は、試料容器を23℃の恒温槽に1時間浸漬した後に、No.3ローターを用いて60rpmで測定、60秒後の値を用いた。測定範囲外の高粘度の場合は12rpmで再度測定した。
【0044】
<配合安定性>
接着剤配合時のゴム析出有無を観察した。
【0045】
<塩素イオン濃度測定>
純水150mlにラテックス5ml及び10%硝酸水溶液0.1mlを混合し、1/20硝酸銀水溶液を滴定液として電位差自動滴定装置(KYOTO ELECTRONICS製AT−400)にてラテックス中の塩素イオンの濃度を測定した。
【0046】
<接着強度>
9号帆布2枚(約150mm×60mm)それぞれの片面に下塗りとして刷毛で接着剤組成物を約250g/m塗布し、80℃で5分乾燥後冷却を行うことで被着体を作製した。それに、接着剤組成物を刷毛で110g/m塗布した後23℃にて所定時間乾燥し、ハンドローラーを用いて圧着し、150mm×25mmのサイズに切り出したものを測定用の試験片とした。接着強度の測定はテンシロン型引っ張り試験機を用いて23℃の雰囲気下にて100mm/minの剥離速度で180°方向のT字型剥離試験にて行った。測定は圧着してから2分後及び1日後に実施した。
【0047】
実施例1
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスAを得た。ラテックスA中のポリマーのゲル分は0.2重量%であった。
【0048】
【表1】

ラテックスA100重量部に対し、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル(商品名:ノイゲンSD−80、第一工業製薬(株)HLB=14.3)の20%水溶液を純分換算で0.25重量部となるよう添加(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.45重量部相当)してラテックスを得た(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)。
【0049】
得られたラテックスの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表3に示す。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

実施例2
ラテックスA100重量部に対するポリオキシエチレンイソデシルエーテルの添加量を2重量部(クロロプレン単量体100重量部に対して約3.6重量部相当)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0052】
実施例3
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルA(商品名:ノイゲンXL−60、第一工業製薬(株)HLB=12.5)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0053】
実施例4
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルB(商品名:ノイゲンXL−100、第一工業製薬(株)HLB=14.7)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0054】
実施例5
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルA(商品名:エマルゲン705、花王(株)HLB=10.5)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0055】
実施例6
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルB(商品名:エマルゲン707、花王(株)HLB=12.1)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0056】
実施例7
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルC(商品名:エマルゲン709、花王(株)HLB=13.3)に変更した以外は実施例1に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.2重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0057】
実施例8
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスBを得た。ラテックスB中のポリマーのゲル分は0.3重量%であった。
【0058】
ラテックスB100重量部に対し、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル(商品名:ノイゲンSD−80、第一工業製薬(株)HLB=14.3)の20%水溶液を純分換算で0.25重量部となるよう添加(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.45重量部相当)してラテックスを得た(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.3重量%)。
【0059】
得られたラテックスの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表3に示す。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0060】
実施例9
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルB(商品名:ノイゲンXL−100、第一工業製薬(株)HLB=14.7)に変更した以外は実施例8に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.3重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0061】
実施例10
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルC(商品名:エマルゲン709、花王(株)HLB=13.3)に変更した以外は実施例8に従ってラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.3重量%)評価を実施した。表3の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0062】
実施例11
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中30℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスCを得た。ラテックスC中のポリマーのゲル分は0.3重量%であった。
【0063】
ラテックスC100重量部に対し、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルA(商品名:エマルゲン705、花王(株)HLB=10.5)の20%水溶液を純分換算で0.25重量部となるよう添加(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.45重量部相当)してラテックスを得た(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.3重量%)。
【0064】
得られたラテックスの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表4に示す。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0065】
【表4】

実施例12
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル(商品名:ノイゲンSD−80、第一工業製薬(株)HLB=14.3)、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスDを得た。ラテックスD中のポリマーのゲル分は0.4重量%であった。
【0066】
ラテックスDの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表4に示す。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0067】
実施例13
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテル(商品名:ノイゲンXL−100、第一工業製薬(株)HLB=14.7)、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスEを得た。ラテックスE中のポリマーのゲル分は0.4重量%であった。
【0068】
ラテックスEの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表4に示す。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0069】
実施例14
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテル(商品名:エマルゲン709、花王(株)HLB=13.3)、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスFを得た。ラテックスF中のポリマーのゲル分は0.4重量%であった。
【0070】
ラテックスFの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表4に示す。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0071】
実施例15
ラテックスB100重量部に対し、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))を0.5重量部、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルA(商品名:ノイゲンXL−60、第一工業製薬(株)HLB=12.5)を0.25重量部(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.45重量部相当)、添加してラテックスを得た(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.4重量%)以外は、実施例1に従って評価を実施した。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0072】
実施例16
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、スチレンスルホン酸ナトリウム−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテル(商品名:ノイゲンXL−100、第一工業製薬(株)HLB=14.7)、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスGを得た。ラテックスG中のポリマーのゲル分は0.5重量%であった。
【0073】
ラテックスG100重量部に対し、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルA(商品名:ノイゲンXL−60、第一工業製薬(株)HLB=12.5)を0.125重量部(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.227重量部相当)添加してラテックスを得て(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.5重量%)、実施例1に従って評価を実施した。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0074】
実施例17
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学(株))、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中10℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率が約90%となった時点で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を55%に調整しラテックスHを得た。ラテックスH中のポリマーのゲル分は0.5重量%であった。
【0075】
ラテックスH100重量部に対し、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルA(商品名:ノイゲンXL−60、第一工業製薬(株)HLB=12.5)20%水溶液を純分換算で0.25重量部(クロロプレン単量体100重量部に対して約0.45重量部相当)、添加してラテックスを得た(ラテックス中のポリマーのゲル分:0.1重量%)。
【0076】
得られたラテックスの一部を容器に入れ、−3〜−7℃の雰囲気で1週間保管し、保管によるラテックスの凍結の有無を確認した。また、ラテックスに樹脂エマルジョン、金属酸化物、増粘剤を配合して接着剤組成物を作製し、その配合安定性、常温接着強度を測定した。配合を表2に示し、結果を表4に示す。表4の結果より、−7℃の保管でも凍結することなく、ラテックスの凍結安定性は良好であり、接着強度も良好な値であった。
【0077】
比較例1
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを加えないこと以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−3℃の保管でラテックスが凍結した。
【0078】
【表5】

比較例2
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを加えないこと以外は実施例8に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−3℃の保管でラテックスが凍結した。
【0079】
比較例3
ポリオキシエチレン分岐アルキルエーテルAを加えないこと以外は実施例11に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−3℃の保管でラテックスが凍結した。
【0080】
比較例4
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)HLB=13.6)に変更した以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−5℃の保管でラテックスが凍結した。
【0081】
比較例5
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル(商品名:エマルゲンLS−110、花王(株)HLB=13.4)に変更した以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−5℃の保管でラテックスが凍結した。
【0082】
比較例6
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシエチレンジスチレンフェニルエーテル(商品名:エマルゲンA−60、花王(株)HLB=12.8)に変更した以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−7℃の保管でラテックスが凍結した。
【0083】
比較例7
ポリオキシエチレンイソデシルエーテルを、ポリオキシプロピレン分岐デシルエーテルD(商品名:ノイゲンXL−400、第一工業製薬(株)HLB=18.4)に変更した以外は実施例1に従って評価を実施した。結果を表5に示す。表5の結果より、−5℃の保管でラテックスが凍結した。
【0084】
実施例18
ラテックスEを−1℃にて100日間保管し、その前後におけるpH、ラテックス中の塩素イオン濃度、10%トルエン溶液粘度及びゲル分の変化を測定した。結果を表6に示す。表6の結果より、保管の前後で物性の変化は殆どなかった。
【0085】
【表6】

比較例8
ラテックスBを−1℃にて100日間保管し、その前後におけるpH、ラテックス中の塩素イオン濃度、10%トルエン溶液粘度及びゲル分の変化を測定した。結果を表6に示す。表6の結果より、保管によりラテックスが凍結した。
【0086】
比較例9
ラテックスEを25℃にて100日間保管し、その前後におけるpH、ラテックス中の塩素イオン濃度、10%トルエン溶液粘度及びゲル分の変化を測定した。結果を表6に示す。表6の結果より、保管により塩素イオン濃度、10%トルエン溶液粘度、ゲル分が増加し、ラテックスのpHが低下した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤及び、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を含むことを特徴とするクロロプレンラテックス。
R−O(CHCXHO)nH (1)
(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)
【請求項2】
カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤が、ロジン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンラテックス。
【請求項3】
安定剤としてスルホン酸のアルカリ金属塩及び/又は硫酸エステルのアルカリ金属塩を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のクロロプレンラテックス。
【請求項4】
安定剤が、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物及び/又はスチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸ナトリウムの共重合体であることを特徴とする請求項3に記載のクロロプレンラテックス。
【請求項5】
ラテックス中のポリマーのゲル分が1重量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックス。
【請求項6】
カルボン酸のアルカリ金属塩からなる乳化剤の存在下でクロロプレン単量体又はクロロプレン単量体とこの単量体と共重合可能な単量体を重合する際に、HLBが9〜16である下記一般式(1)で表されるノニオン系乳化剤を重合開始時、重合中及び重合終了後に1回以上添加することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスの製造法。
R−O(CHCXHO)nH (1)
(式中、Rは炭素数9〜16で分岐を有するアルキル鎖からなる親油基を表し、Xは水素又は炭素数1〜2のアルキル鎖を表し、nはノニオン系乳化剤のHLBが9〜16になる範囲の整数を表す。)
【請求項7】
請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のクロロプレンラテックスを含有することを特徴とする接着剤組成物。

【公開番号】特開2009−215418(P2009−215418A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60069(P2008−60069)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】