説明

クーポン印刷方法

【課題】携帯端末上に画面表示された、クーポン情報をエンコードしたバーコードに基づいて、携帯端末のユーザの認証処理を行うことなくクーポンを印刷する。
【解決手段】クーポンサーバ1が携帯端末2からのクーポン情報の要求に応じて、予め登録されたクーポン情報をエンコードしてQRコードを生成し、携帯端末2に送信する。携帯端末2は受信したQRコードを画面表示する。クーポン発行装置3が携帯端末2上に画面表示されたQRコードを読み込んでデコードし、クーポン情報を取得する。クーポン発行装置3が取得したクーポン情報を文字に展開し、展開されたクーポン情報を、クーポンサーバ1から受信したフォーマット情報が示すフォーマットに従って印字してクーポン5を印刷し、発行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン印刷方法に関し、特に、携帯端末上に画面表示されたバーコードを用いて、携帯端末のユーザの認証処理を行うことなく、クーポンを印刷するクーポン印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ある企業の会員向けのクーポンを、当該企業の各店舗や当該企業と業務提携関係にある企業の各店舗において提供する場合、従来は、例えば以下のような手法を採っていた。まず、会員であるユーザが、自己の携帯端末(携帯電話)を用いて企業のウェブサイトにアクセスして、会員認証用の情報がエンコードされたQRコード(Quick Response code )を取得する。各店舗の端末が、ユーザの携帯端末に格納されたQRコードを用いて、ユーザの会員認証を行う。各店舗の端末は、会員認証が成功したユーザに対して、クーポンの印刷情報(クーポンの全体を印刷出力するための情報)を管理しているサーバからダウンロードしたクーポンの印刷情報又は予め各店舗の端末に登録されたクーポンの印刷情報を用いて、クーポンを生成し、発行する。QRコードとは、小さな正方形の点を縦横同じ数だけ並べたマトリックス型2次元コードである。
【0003】
なお、バーコードを使用した認証技術として、例えば、被認証者から受信したバーコードと予め記憶されたバーコードとの照合結果に基づいて、被認証者の認証を行う認証方法を提案している(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3207192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、各店舗の端末において会員認証を行う場合、当該認証のための時間を必要とするために、クーポン発行までにかなりの時間を要する。従って、携帯端末の認証を省略できれば便利である。また、各店舗の端末が、クーポンの印刷情報を管理しているサーバからクーポンの印刷情報をダウンロードする場合、各店舗の端末におけるクーポン発行のための処理時間はさらに長くなる。従って、各端末へのクーポンの印刷情報のダウンロードを省略できれば便利である。また、各店舗内の端末にクーポンの印刷情報を予め登録しておく場合、クーポンが変更される都度に、各店舗の端末に新たなクーポンの印刷情報を登録し直す必要があるため、システムを運用するためのコストが大きくなる。従って、各端末へのクーポンの印刷情報の登録を省略できれば便利である。
【0005】
本発明は、携帯端末上に画面表示された、クーポン情報をエンコードしたバーコードを印字情報として用いて、携帯端末のユーザの認証処理を行うことなく、クーポンを印刷するクーポン印刷方法の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクーポン印刷方法は、クーポン発行装置においてクーポンを印刷する方法であって、携帯端末が、前記クーポンに印字すべき文字情報であるクーポン情報をエンコードしたバーコードを取得して、当該携帯端末上に画面表示し、前記クーポン発行装置が、前記携帯端末上に画面表示されたバーコードを読み取り、前記読み取ったバーコードをデコードすることにより前記クーポン情報を取得し、前記取得したクーポン情報を用いて前記文字情報を含む前記クーポンを印刷し、発行する。
【0007】
好ましくは、本発明のクーポン印刷方法において、前記クーポン発行装置が、前記クーポン情報を用いて前記クーポンを印刷する際の印刷形式を指示する情報であるフォーマット情報に従って、前記取得したクーポン情報を用いて前記文字情報を含む前記クーポンを印刷する。
【0008】
好ましくは、本発明のクーポン印刷方法において、前記携帯端末及び前記クーポン発行装置とネットワークを介して接続されたサーバが、前記クーポンについての前記クーポン情報と前記フォーマット情報とを用意し、前記サーバが、前記クーポン情報をエンコードすることにより前記バーコードを生成して、前記携帯端末に送信し、前記サーバが、前記フォーマット情報を前記クーポン発行装置に送信し、前記携帯端末が、前記サーバから送信された前記バーコードを取得し、前記クーポン発行装置が、前記携帯端末上に画面表示されたバーコードから前記クーポン情報を取得し、前記サーバから送信された前記フォーマット情報を取得する。
【0009】
好ましくは、本発明のクーポン印刷方法において、前記サーバが、前記携帯端末のユーザの認証処理を行い、認証された前記ユーザの携帯端末に対して前記バーコードを送信し、前記クーポン発行装置が、前記バーコードを画面表示した前記携帯端末のユーザの認証処理を行うことなく、前記クーポンを印刷する。
【0010】
好ましくは、本発明のクーポン印刷方法において、前記サーバが、そのエラーチェックを行うためのチェック情報を含む前記クーポン情報をエンコードすることにより前記バーコードを生成し、前記クーポン発行装置が、前記取得したクーポン情報に含まれるチェック情報を用いて、前記取得したクーポン情報のエラーチェックを行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明のクーポン印刷方法は、携帯端末がクーポンに印字すべき文字情報であるクーポン情報をエンコードしたバーコードを画面表示すると、クーポン発行装置が、これを読み取ることによりクーポン情報を取得し、これを用いて前記文字情報を含むクーポンを印刷する。このように、本発明においては、印刷出力すべきクーポンを構成する情報、即ち、クーポンを印刷するための情報(クーポンの印刷情報)から、印刷すべき文字それ自体からなる文字情報であるクーポン情報のみが分離され、エンコードされてバーコードとされた上で、携帯端末に送信される。
【0012】
従って、本発明のクーポン印刷方法によれば、バーコードは、クーポンの文字情報の印刷に用いられ、認証に用いられないので、携帯端末の認証を省略してクーポン発行までの時間を短縮することができる。また、クーポン情報は携帯端末から取得されるので、各店舗のクーポン発行装置(端末)が、少なくともクーポン情報をダウンロードする必要を無くし、クーポン発行のための処理時間をさらに短縮することができ、また、クーポン情報が変更されたとしても、クーポン発行装置に新たなクーポン情報を登録し直す必要を無くし、システムを運用するためのコストを抑えることができる。
【0013】
また、本発明のクーポン印刷方法において、クーポン発行装置が、クーポンを印刷する際の印刷形式を指示する情報であるフォーマット情報に従って、取得したクーポン情報を用いて前記文字情報を含むクーポンを印刷する。このように、本発明においては、印刷出力すべきクーポンを構成する情報(クーポンの印刷情報)から、文字の位置、大きさ、色等の印刷形式(フォーマット)からなるフォーマット情報が分離され、クーポン発行装置に送信される。従って、本発明のクーポン印刷方法によれば、クーポン発行装置によって取得されたクーポン情報が当該クーポン情報に対応するフォーマットで印字されたクーポンを印刷発行することができる。
【0014】
また、本発明のクーポン印刷方法において、サーバ(クーポンサーバ)が、クーポンについてのクーポン情報とフォーマット情報とを用意し、クーポン情報をエンコードすることによりバーコードを生成して携帯端末に送信し、フォーマット情報をクーポン発行装置に送信する。これにより、携帯端末がサーバから取得したバーコードを画面表示することにより、クーポン発行装置が、携帯端末上に画面表示されたバーコードからクーポン情報を取得し、サーバからフォーマット情報を取得する。従って、本発明のクーポン印刷方法によれば、例えば、クーポン情報又はフォーマット情報が変更された場合でも、クーポン発行装置において、変更後のクーポン情報又は変更後のフォーマット情報を新たに登録することなくクーポンを発行することができるため、システムを運用するコストを抑えることができる。
【0015】
また、本発明のクーポン印刷方法において、サーバが、携帯端末のユーザの認証処理を行い、認証されたユーザの携帯端末に対してバーコードを送信し、一方、クーポン発行装置が、携帯端末の認証処理を行うことなく、クーポンを印刷出力する。従って、本発明のクーポン印刷方法によれば、バーコードを画面表示した携帯端末は、既にサーバによって認証されたユーザの携帯端末であり、クーポン発行装置は、携帯端末のユーザの認証処理を行うことなく、迅速にクーポンを発行することができる。
【0016】
また、本発明のクーポン印刷方法において、エラーチェックを行うためのチェック情報を含むクーポン情報がエンコードされバーコードとされ、クーポン発行装置が、クーポン情報に含まれるチェック情報を用いて、取得したクーポン情報のエラーチェックを行う。従って、本発明のクーポン印刷方法によれば、クーポン発行装置において、クーポンに印字すべき内容のエラーをチェックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、クーポン発行システム構成図であり、本発明のクーポン発行システム構成の一例を示す図である。本発明のクーポン発行システムは、クーポンサーバ1、携帯端末2、クーポン発行装置3からなり、クーポン5を発行する。クーポンサーバ1は入力装置4を備える。ネットワーク6は、クーポンサーバ1とクーポン発行装置3とを接続し、例えばインターネット、専用線、LAN(Local Area Network)等からなる。ネットワーク7は、クーポンサーバ1と携帯端末2とを接続し、例えばインターネット等からなる。
【0018】
クーポンサーバ1は、コンテンツ管理サーバ(ウェブサーバ)又はクーポン管理装置であるコンピュータからなる。なお、クーポンサーバ1を、例えばASP(Application Service Provider)、ISP(Internet Services Provider)等に設けるようにしても良い。クーポンサーバ1は、クーポン情報をエンコードしてバーコードを生成すると共に、フォーマット情報(印刷形式(フォーマット)を指示する情報)を管理する。この例では、バーコードとして、例えば2次元バーコードであるQRコードを生成する。
【0019】
入力装置4は、クーポン発行システムの管理者の入力に従って、クーポンサーバ1に対してクーポン情報とフォーマット情報を入力する。即ち、本発明においては、印刷出力すべきクーポンを構成する情報、即ち、クーポンを印刷するための情報(クーポンの印刷情報)が、印刷すべき文字それ自体からなる文字情報であるクーポン情報と、文字の位置、大きさ、色等の印刷形式(フォーマット)からなるフォーマット情報とに分離される。
【0020】
後述するように、クーポン情報は、エンコードされてバーコードとされた上で、携帯端末2に送信される。このクーポン情報即ちバーコードは、クーポンの文字情報の印刷に用いられ、認証には用いられない。クーポン情報は携帯端末から取得されるので、各店舗のクーポン発行装置3が、クーポン情報をダウンロードする必要は無く、クーポン発行のための処理時間をさらに短縮することができる。フォーマット情報は、各店舗のクーポン発行装置3に送信される。これにより、クーポン発行装置3は、当該クーポン情報に対応するフォーマット情報に従って、取得されたクーポン情報に基づく文字情報を印刷したクーポンを印刷発行することができる。
【0021】
携帯端末2は、クーポン発行システムのユーザが携帯する端末であり、例えば、携帯電話からなる。携帯端末2は、ユーザによって携帯される種々の携帯型のユーザ装置であってもよい。携帯端末2は、インターネット接続機能を持つコンピュータを備える。携帯端末2は、クーポンサーバ1からQRコードを取得して、取得したQRコードを画面表示する。また、携帯端末2は、ネットワーク7を介してクーポンサーバ1と接続される。
【0022】
クーポン発行装置3は、コンピュータであり、例えば、各々の店頭に設けられる。クーポン発行装置3は、携帯端末2が画面表示したQRコードを読み取り、読み取ったQRコードをデコードしてクーポン情報を取得し、取得したクーポン情報と、クーポンサーバ1から受信したフォーマット情報とに基づいて、クーポン5を生成し、発行する。クーポン発行装置3は、ネットワーク6を介してクーポンサーバ1と接続される。
【0023】
クーポン5は、例えば、サービス、商品の割引券や引換券等をいう。クーポン情報とは、クーポン5に印字すべき文字情報(テキスト情報)であり、例えば、クーポン名、販促メッセージ、説明文、有効期限等についての文字情報が該当する。また、フォーマット情報とは、クーポン情報をクーポン5に印字する際のフォーマット(印刷形式)に関する情報(印刷形式を指示する情報)であり、例えば、クーポン情報を印字する領域のアドレス、文字フォント、文字色等の情報が該当する。
【0024】
クーポン情報は、携帯端末2が画面表示したQRコードをクーポン発行装置3が読み取ってデコードすることによって取得される。また、フォーマット情報は、クーポンサーバ1から送信され、クーポン発行装置3によって取得される。なお、クーポンサーバ1によって生成されるコードは、QRコードのような二次元コードに限定されない。この例においては、クーポンサーバ1が、クーポン情報をエンコードして種々の種類のバーコードを生成するようにしても良い。
【0025】
クーポンサーバ1は、図1に示すように、クーポン情報登録部11、フォーマット情報登録部12、認証部13、QRコード生成部14、QRコード送信部15、フォーマット情報送信部16、クーポン情報データベース(DB)17、フォーマット情報データベース(DB)18を備える。クーポンサーバ1が備える各部の機能は、CPUとその上で実行されるプログラムにより実現される。
【0026】
なお、クーポン情報DB17は、情報を格納する手段であれば良く、データベース以外にメモリ、ファイル、ストレージ等のいずれであっても良い。フォーマット情報DB18等の他のデータベースについても同様である。
【0027】
また、クーポンサーバ1を、QRコードを送信するサーバ(ウェブサーバ)と、フォーマット情報を送信するサーバとに分離し、相互をLANで接続するようにしても良い。この場合、QRコードを送信するサーバは、クーポン情報登録部11、認証部13、QRコード生成部14、QRコード送信部15、クーポン情報DB17からなる。フォーマット情報を送信するサーバは、フォーマット情報登録部12、フォーマット情報送信部16、フォーマット情報DB18からなる。
【0028】
クーポン情報登録部11は、入力装置4から入力されたクーポン情報をクーポン情報DB17に登録する。クーポン情報DB17には、クーポン情報登録部11によって登録されたクーポン情報が格納される。認証部13は、携帯端末2のユーザの認証処理を行う。即ち、認証部13は、携帯端末2から問合せを受けると、携帯端末2に対して認証入力を要求する。認証部13は、携帯端末2から、例えばユーザIDやパスワード等の認証入力情報を受信すると、認証が成功したか否かを調べる。このように、ユーザIDやパスワード等の認証入力情報による認証を行うことにより、他の手段、例えばバーコードによる認証を行う必要が無い。
【0029】
認証が成功した場合は、認証部13は、認証されたユーザの携帯端末2の画面上にクーポン5の内容の選択画面を表示させる。認証部13によって携帯端末2のユーザの認証処理が行われるため、クーポン発行装置3における、その携帯端末2のユーザについての認証処理が不要となる。認証部13が携帯端末2の画面上に表示させたクーポン5の内容の選択画面における、ユーザの指示入力に基づいて、クーポン5の内容が選択される。なお、認証が失敗した場合、例えば再度ユーザIDやパスワード等の認証入力情報の入力を求める。
【0030】
QRコード生成部14は、携帯端末2からクーポン5の内容の選択情報を受信すると、当該選択されたクーポン内容に対応するクーポン情報をクーポン情報DB17から抽出し、抽出したクーポン情報をエンコードして、QRコードを生成する。QRコード送信部15は、携帯端末2に対して、QRコードを送信する。これにより、クーポン情報が変更された場合、これに従って携帯端末2に送信されるクーポン情報が変更される。従って、クーポン情報が変更された場合でも、管理者はクーポン情報の変更を意識する必要は無く、また、クーポン発行装置3における変更は生じない。
【0031】
フォーマット情報登録部12は、入力装置4から入力されたフォーマット情報をフォーマット情報DB18に登録する。フォーマット情報DB18には、フォーマット情報登録部12によって登録されたフォーマット情報が格納される。フォーマット情報送信部16は、フォーマット情報DB18内のフォーマット情報をクーポン発行装置3に対して送信する。
【0032】
携帯端末2は、クーポン情報要求部21、QRコード受信部22、QRコード表示部23、QRコードデータベース(DB)24を備える。携帯端末2が備える各部の機能は、CPUとその上で実行されるプログラムにより実現される。
【0033】
クーポン情報要求部21は、クーポンサーバ1に対してクーポン情報を要求する。クーポン情報要求部21は、ユーザの指示入力に従って、クーポンサーバ1に対して問合せを行い、クーポンサーバ1からの認証入力の要求に応じて、認証入力を行い、認証入力情報をクーポンサーバ1に対して送信する。また、クーポン情報要求部21は、クーポンサーバ1によって携帯端末2上に画面表示されたクーポン内容を、ユーザの指示入力に従って選択する。
【0034】
QRコード受信部22は、クーポンサーバ1から、クーポン情報要求部21によって選択されたクーポン内容に対応するクーポン情報がエンコードされたQRコードを受信し、QRコードDB24に格納する。
【0035】
QRコード表示部23は、QRコードDB24内のQRコード情報を画面表示する。QRコード表示部23は、例えば、周知の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)である。
【0036】
クーポン発行装置3は、フォーマット情報取得部31、QRコードデコード部32、クーポン発行部33、フォーマット情報DB34、クーポン情報DB35を備える。クーポン発行装置3が備える各部の機能は、CPUとその上で実行されるプログラムにより実現される。
【0037】
フォーマット情報取得部31は、クーポンサーバ1から送信されたフォーマット情報を取得して、フォーマット情報DB34に格納する。従って、フォーマット情報DB34には、フォーマット情報取得部31によって取得されたフォーマット情報が格納される。このように、フォーマット情報は携帯端末2に送られることが無い。これにより、携帯端末2に送信すべき情報をクーポン情報のみとしてその情報量をある程度少なくすることができ、この結果、携帯端末2に送信すべき情報(クーポン情報)をエンコードしてバーコードとすることができる。なお、複数のフォーマット情報を予め用意することにより、フォーマット情報が変更された場合でも、事実上当該変更に対応することができる。即ち、複数のフォーマット情報からいずれか1つのフォーマット情報を選択して用いることにより、殆どのフォーマット情報の変更に対応することができる。
【0038】
QRコードデコード部32は、例えば周知のデジタルカメラ機能及び画像認識機能を備えており、携帯端末2の画面上に表示されたQRコード(画像情報)を読み込み(撮像し)、読み込んだQRコードを画像認識した上でデコードし、これによりクーポン情報(バイナリ情報)を取得する。
【0039】
また、QRコードデコード部32は、後述するように、取得したクーポン情報に含まれるチェック情報(チェックデジット)を用いて、当該取得したクーポン情報のエラーチェックを行い、エラーが検出されなかったクーポン情報を展開する。この例において、クーポン情報の展開とは、クーポン情報(バイナリ情報)を印刷出力すべき当該文字(画像情報又は印字情報)に変換することをいう。QRコードデコード部32は、エラーが検出されなかったクーポン情報をクーポン情報DB35に格納する。
【0040】
クーポン発行部33は、QRコードデコード部32によって展開されたクーポン情報とフォーマット情報DB34内のフォーマット情報とに基づいてクーポン5を印刷し、印刷したクーポン5を発行する。即ち、クーポン発行部33は、フォーマット情報DB34内のフォーマット情報のうち、QRコードデコード部32が展開したクーポン情報に対応するフォーマット情報を特定し、当該クーポン情報の展開処理によって得られた文字を、当該フォーマット情報が示すフォーマットに従って印字することによって、クーポン5を印刷する。この例においては、クーポン発行部33は、クーポン情報の展開情報によって得られた文字を印字すると共に、フォーマット情報中の画像情報を描画することによって、クーポン5を印刷するようにしても良い。
【0041】
図2は、クーポン情報の例を示す図である。クーポン情報は、バイナリ(2進数)のデータであり、「フォーマット番号」、「クーポン名」、「販促メッセージ」、「説明文」、「クーポン番号」、「有効期限」、「発行元」、「チェックデジット」等からなる。「フォーマット番号」は、クーポン情報をクーポン5に印字する際に用いるフォーマットを識別する番号を格納する。「クーポン名」は、クーポン5の名称を格納する。「販促メッセージ」は、ユーザにクーポン5の発行元への来店を促すメッセージを格納する。例えば、クーポン5の発行元がA社であるとすると、「販促メッセージ」は、「A社訪問時にクーポンをご提示ください。2時間の無料体験レッスンとテキストを差し上げます。」といったメッセージを格納する。なお、クーポン情報は画像情報を持たない(後述する)。
【0042】
「説明文」は、クーポン5に関する説明文を格納する。例えば、「説明文」は、「予約なしの場合、お待たせする場合がありますので、あらかじめ電話又はインターネットでご予約をお願いします。」といった説明文を格納する。「クーポン番号」は、クーポン5の番号を格納する。「有効期限」は、クーポン5の有効期限を格納する。「発行元」は、クーポン5の発行元の名称を格納する。「チェックデジット」は、チェック情報であり、当該クーポン情報のエラーチェックに用いるデータを格納する。
【0043】
例えば、エラーチェックは周知のECCによれば良く、その精度を比較的高い精度とすれば良い。このように、クーポン情報のエラーチェックを行うことにより、携帯端末2の認証を省略することができる。即ち、当該認証を省略しても、誤ったクーポン情報を画面表示した携帯端末2にクーポン5を発行しないようにすることにより、クーポン5の不正な入手を防止する観点からは、認証とほぼ同等の効果を得ることができる。
【0044】
図3は、フォーマット情報の例を示す図である。フォーマット情報DB34は、「フォーマット番号」毎にフォーマット情報を格納する。図3に示すように、ある「フォーマット番号」に対応するフォーマット情報は、「項目名」毎の、「アドレス」、「文字フォント」、「文字色」等からなる。「項目名」には、「クーポン名」、「販促メッセージ」、「説明文」、「クーポン番号」、「有効期限」、「発行元」等といった、当該クーポン情報を構成する各情報に対応する項目(項目の名称)を格納する。
【0045】
これに加えて、必要に応じて(即ち、画像が存在する場合)、「項目名」に「画像」を格納する。「画像」は、クーポン5に描画する画像情報を格納する。「画像」は、必要の無い場合、「空」とされ省略される。この例では、図4において「画像」が「販促メッセージ」と「説明文」との間に存在するので、これに応じて、図3においても、「画像」が「販促メッセージ」と「説明文」との間に格納される。このように、この例においては、クーポン5に描画する画像情報をフォーマット情報の一部として持つため、クーポン情報を文字情報のみとすることができ、クーポン情報をQRコードにエンコードすることが可能となる。
【0046】
「アドレス」は、クーポン5上における、当該「項目名」に対応する情報を印字又は描画する領域の位置情報を格納する。「文字フォント」は、クーポン5に当該「項目名」に対応する情報を印字する際の文字フォントを格納する。「文字色」は、クーポン5に当該「項目名」に対応する情報を印字する際の文字色を格納する。例えば、図2に示すクーポン情報の「クーポン名」に格納されたクーポン5の名称は、図3中の当該「クーポン名」に対応する「文字フォント」及び「文字色」で、当該「クーポン名」に対応する「アドレス」が指示する位置(即ち、図4における「クーポン名」の領域)に印字される。
【0047】
なお、「画像」については、図3の「画像」の例えば「文字フォント」に当該画像(画像情報)を格納するメモリ(図示せず)上のアドレスをポイントするデータ(ポインタ)が格納され、「文字色」等は「空」とされる。例えば、ポインタにより指示された画像(画像情報)は、図3の「画像」の「アドレス」が指示する位置(即ち、図4における「画像」の領域)に印刷される。
【0048】
図4は、クーポン情報が印字されるクーポン上の領域を示す図である。図4に示すクーポン5中の、実線の枠で囲った各領域は、例えば図2に示すクーポン情報を構成する、「クーポン名」、「販促メッセージ」、「説明文」、「クーポン番号」、「有効期限」、「発行元」等が印字される領域と、フォーマット情報中の「画像」(画像情報)が描画される領域を示す。
【0049】
図5は、フォーマット情報登録・送信処理を説明する図であり、クーポンサーバ1又はクーポン発行装置3の実行する処理を示す。
【0050】
クーポンサーバ1は、フォーマット情報をフォーマット情報DB18に登録した後(ステップS1)、登録したフォーマット情報をクーポン発行装置3に対して送信する(ステップS2)。クーポン発行装置3は、フォーマット情報を取得して、フォーマット情報DB34に格納する(ステップS3)。
【0051】
図6は、クーポン印刷処理を説明する図であり、クーポンサーバ1、携帯端末2又はクーポン発行装置3の実行する処理を示す。
【0052】
クーポンサーバ1は、クーポン情報をクーポン情報DB17に登録する(ステップS11)。携帯端末2がクーポンサーバ1に対してクーポン発行サービスの問合せを行うと(ステップS12)、クーポンサーバ1は、当該携帯端末2に対して認証入力を要求する(ステップS13)。例えば、クーポンサーバ1は、携帯端末2に対してユーザIDとパスワードの入力を要求する。
【0053】
携帯端末2が認証入力を行うと(ステップS14)、クーポンサーバ1は、認証が成功したか否かを調べる(ステップS15)。認証が失敗した場合はステップS13以下を繰り返し、認証が成功した場合は、クーポンサーバ1は、携帯端末2の画面上にクーポン5の内容の選択画面を表示させる(ステップS16)。ステップS16の処理によって、携帯端末2の画面上に、例えば図7(A)に示すような、クーポン5の内容の選択画面が表示される。図7(A)の例では、選択対象となるクーポン5の内容として、「ショートケーキ無料」と「無料レッスン」とが画面表示されている。
【0054】
携帯端末2が、クーポン内容を選択すると(ステップS17)、クーポンサーバ1は、選択されたクーポン内容に対応するクーポン情報をクーポン情報DB17から抽出し、抽出したクーポン情報をエンコードして、QRコードを生成する(ステップS18)。例えば、図7(A)に示す選択画面上で、携帯端末2のユーザが、「無料レッスン」についてのチェックボックスにチェックし、「携帯にクーポンを送信」と記述された領域をクリックすると、携帯端末2には、図7(B)に示すような、選択されたクーポン内容「無料レッスン」と、当該クーポン内容の選択情報の送信先であるクーポンサーバ1のメールアドレスとが表示される。図7(B)に示す画面上で、携帯端末2のユーザが、「送信」と記述された領域をクリックすると、クーポン内容についての選択情報がクーポンサーバ1に送信される。
【0055】
クーポンサーバ1は、クーポン情報DB17から当該「無料レッスン」を内容とするクーポン情報を抽出する。そして、クーポンサーバ1は、抽出したクーポン情報をエンコードして、図7(C)に示すようなQRコード100を生成する。クーポンサーバ1は、QRコード100を生成した後、携帯端末2に例えばメールを送信して、図7(D)に示すような、QRコード100をダウンロードするための画面を表示させる。
【0056】
次に、クーポンサーバ1は、生成したQRコード100を携帯端末2に対して送信する(ステップS19)。例えば、図7(D)に示すような画面上に示されるURLアドレスが選択されると、携帯端末2にQRコード100がダウンロードされる。
【0057】
携帯端末2は、クーポンサーバ1からQRコードを受信して(ステップS20)、これをQRコードDB24に格納する。
【0058】
この後、携帯端末2は、QRコードDB24内のQRコードを画面上に表示する(ステップS21)。例えば、携帯端末2のユーザが、クーポン発行装置3を備える店舗等において、QRコードを画面表示させるための指示入力を行うと、携帯端末2上に、図8(A)に示すような、QRコード100と、QRコード100が示すクーポン5の内容が画面表示される。
【0059】
クーポン発行装置3は、携帯端末2の画面上に表示されたQRコードを読み込み(ステップS22)、読み込んだQRコードをデコードして、クーポン情報を取得する(ステップS23)。
【0060】
クーポン発行装置3は、取得したクーポン情報のエラーチェックを行う(ステップS24)。即ち、クーポン発行装置3は、取得したクーポン情報中のチェックデジットを用いて、当該クーポン情報のエラーチェックを行う。また、ステップS24においては、クーポン発行装置3は、エラーが検出されなかったクーポン情報をクーポン情報DB35に格納する。
【0061】
そして、クーポン発行装置3は、クーポン情報を展開する(ステップS25)。即ち、クーポン発行装置3は、エラーが検出されなかったクーポン情報を文字に変換する。
【0062】
そして、クーポン発行装置3は、展開されたクーポン情報とフォーマット情報DB34内のフォーマット情報とに基づいて、クーポン5を発行する(ステップS26)。即ち、クーポン発行装置3は、ステップS23において取得されたクーポン情報に含まれるフォーマット番号に対応するフォーマット情報をフォーマット情報DB34から抽出する。そして、クーポン発行装置3は、ステップS25において展開されたクーポン情報を、上記抽出したフォーマット情報が示すフォーマットに従って印字して、例えば、図8(B)に示すようなクーポン5を印刷し、出力する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明のクーポン印刷方法によれば、クーポン発行装置が、クーポン情報を予め登録しておかなくてもクーポンを発行することができるため、クーポン発行にかかるコストを抑えることができる。また、本発明のクーポン印刷方法によれば、クーポン発行装置が、携帯端末のユーザの認証処理を行うことなくクーポンを発行することができるため、クーポン発行にかかる処理時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のシステム構成の一例を示す図である。
【図2】クーポン情報の例を示す図である。
【図3】フォーマット情報の例を示す図である。
【図4】クーポン情報が印字されるクーポン上の領域を示す図である。
【図5】フォーマット情報登録・送信処理を説明する図である。
【図6】クーポン印刷処理を説明する図である。
【図7】携帯端末の画面又はQRコードを示す図である。
【図8】携帯端末の画面又はクーポンを示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 クーポンサーバ
2 携帯端末
3 クーポン発行装置
11 クーポン情報登録部
12 フォーマット情報登録部
13 認証部
14 QRコード生成部
15 QRコード送信部
16 フォーマット情報送信部
17 クーポン情報DB
18 フォーマット情報DB
21 クーポン情報要求部
22 QRコード受信部
23 QRコード表示部
24 QRコードDB
31 フォーマット情報取得部
32 QRコードデコード部
33 クーポン発行部
34 フォーマット情報DB
35 クーポン情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クーポン発行装置においてクーポンを印刷する方法であって、
携帯端末が、前記クーポンに印字すべき文字情報であるクーポン情報をエンコードしたバーコードを取得して、当該携帯端末上に画面表示し、
前記クーポン発行装置が、前記携帯端末上に画面表示されたバーコードを読み取り、前記読み取ったバーコードをデコードすることにより前記クーポン情報を取得し、前記取得したクーポン情報を用いて前記文字情報を含む前記クーポンを印刷し、発行する
ことを特徴とするクーポン印刷方法。
【請求項2】
前記クーポン発行装置が、前記クーポン情報を用いて前記クーポンを印刷する際の印刷形式を指示する情報であるフォーマット情報に従って、前記取得したクーポン情報を用いて前記文字情報を含む前記クーポンを印刷する
ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン印刷方法。
【請求項3】
前記携帯端末及び前記クーポン発行装置とネットワークを介して接続されたサーバが、前記クーポンについての前記クーポン情報と前記フォーマット情報とを用意し、
前記サーバが、前記クーポン情報をエンコードすることにより前記バーコードを生成して、前記携帯端末に送信し、
前記サーバが、前記フォーマット情報を前記クーポン発行装置に送信し、
前記携帯端末が、前記サーバから送信された前記バーコードを取得し、
前記クーポン発行装置が、前記携帯端末上に画面表示されたバーコードから前記クーポン情報を取得し、前記サーバから送信された前記フォーマット情報を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載のクーポン印刷方法。
【請求項4】
前記サーバが、前記携帯端末のユーザの認証処理を行い、認証された前記ユーザの携帯端末に対して前記バーコードを送信し、
前記クーポン発行装置が、前記バーコードを画面表示した前記携帯端末のユーザの認証処理を行うことなく、前記クーポンを印刷する
ことを特徴とする請求項3に記載のクーポン印刷方法。
【請求項5】
前記サーバが、そのエラーチェックを行うためのチェック情報を含む前記クーポン情報をエンコードすることにより前記バーコードを生成し、
前記クーポン発行装置が、前記取得したクーポン情報に含まれるチェック情報を用いて、前記取得したクーポン情報のエラーチェックを行う
ことを特徴とする請求項1に記載のクーポン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−172023(P2007−172023A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−364528(P2005−364528)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(000136136)株式会社PFU (354)
【Fターム(参考)】