説明

グラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート

【課題】高品質のグラフェンオキシドナノプレートを得る方法を提供すること。
【解決手段】この方法は2つの段階からなり、第1の段階は、カーボンナノフィラメントからなる中間物質を得るものであり、この場合、カーボンナノフィラメントは、少数の層のグラフェン層を有するグラファイト物質のリボンが、その主軸に沿ってその周りに螺旋状に巻かれている構造を有する。第2の段階は、前記カーボンナノフィラメントを熱処理して、それを清浄にし、その結晶性を高め、次いで、酸化による化学的エッチングにより細分化し、劈開を開始させて、グラフェンオキシドナノプレートを得るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレートに関する。
【0002】
本発明は、後続のグラフェンオキシドナノプレートの生成のために使用される中間体物質を得ることを可能にする第1の段階を含むグラフェンオキシドナノプレートを得る方法であって、得られるこの中間体物質は、カーボンナノフィラメントからなり、その構造が、少数のグラフェン層が互いの頂部に積層され、前記ナノフィラメントの主軸に沿ってその周りに螺旋状に巻かれている、グラファイト物質の連続的なリボンを含む方法により特徴付けられる。
【0003】
本発明は、ナノフィラメントが、その精製、脱水素、脱官能化及び結晶化のために高温の工程にかけられる第2の段階を含む、グラフェンオキシドナノプレートを得る方法により特徴付けられる。
【背景技術】
【0004】
グラフェンは、結合した炭素のsp混成軌道の重なりから形成される、炭素−炭素共有結合によって蜂の巣状の結晶格子に配列された炭素原子で形成される1原子層構造を有する物質である。
【0005】
したがって、グラフェンは、グラファイトの場合のように、多数のこれらの層のスタッキングに関して特有の電子的特性を有する2次元の結晶物質である。
【0006】
最大10層までのスタックの場合、この物質の電子的特性は、工業用の観点から十分に興味深く、特有のものである。特に、グラフェンの6層未満のスタックでは、明確に半金属的挙動が観察されるが、より多層のスタックに対しては、例えば11層以上の場合に対しては、前記電子的特性が大きく変化し、層数が増加するにつれて急速にグラファイトの特性と類似したものになるように、この挙動が著しく低下する。
【0007】
実際には、工業用途のためのグラフェンは、グラフェンの最大10層までのシートとして使用され、グラフェンという用語の使用は、積層数が11層未満である場合に可能であり、特に6層未満のスタックに対して可能である。
【0008】
遊離の状態のグラフェンは、2004年にScotchテープを用いたグラファイトのマイクロメカニックな劈開により最初に得られた。
【0009】
この方法は、グラファイトが多数のオーバーラップするグラフェン層によって形成されるグラファイト結晶から、接着性テープを用いて、個々のグラフェン層を剥離することからなる。
【0010】
他の方法は、例えば、化学蒸着(CVP)等の合成グラフェンとしても知られている。この方法で、グラフェンは、金属基板上に堆積される炭化水素の化学蒸着により成長する。
【0011】
グラフェン合成に関して説明した技術は、少量を生成する小規模で、例えば、研究室で使用するために実施される。
【0012】
現在、大量のグラフェンを製造するために、例えば、工業用途のために、化学的方法が、熱工程又は超音波を用いる、後続の劈開と共に使用される。
【0013】
グラフェン製造のためのこれらの化学的方法は、出発材料としてグラファイトを使用し、グラファイトオキシドを得るために、グラファイトを酸化することにより開始する。
【0014】
グラファイトオキシドを生成する最も一般的な方法は、出発材料として天然グラファイトを使用することであり、ここで、強酸の間にオキシ塩がインターカレートされ、空気の存在下で分解してグラファイトオキシド(GO)と呼ばれる中間固体化合物を生成するステップが実施される。
【0015】
これらの中で、本発明者らは、1860年のBrodie(HNO中のKClO)、1898年のStaudenmeier(HSO中のKClO)並びに1956年のHummers及びOffemann(HSO中のKMnO)を強調する。
【0016】
グラファイトオキシド中で、グラファイトシートは、強い酸化(エポキシド、ヒドロキシル、カルボキシル)のために波型になり、シートを少なくとも二倍の距離まで分離し、後続の劈開を促進する。
【0017】
グラファイトオキシドからグラフェンを製造するためには(この場合、グラフェンオキシドの数百層がオーバーラップすることによってグラファイトオキシドが形成される)、1原子層、さもなければ少数の層を製造するために、グラファイトオキシドの劈開方法に対する変形が提案されており、最も興味深いものは、グラフェンオキシドを懸濁液中で生成する液体超音波劈開法である。
【0018】
これは、酸素化官能基と溶媒の間の静電気相互作用のために、懸濁液中で自由に移動する個々のシートを製造する。
【0019】
カーボンチューブからグラフェンを合成する利点は、過去2年で実証されている。これらのチューブは、グラファイトより少ない積層のグラフェンを有し、それによってより優れた品質の材料を提供する。
【0020】
これらの方針に沿って、Kosynkinらは、グラフェンナノリボンを得るためのその出発材料としてカーボンナノチューブを用いて、Hummers及びOffemannによる伝統的な方法に基づき新規な酸化法を開示した。
【0021】
この方法は、長軸方向の切片によってグラフェンナノリボンを製造し、カーボンナノチューブを形成する層を解体する、Hummers及びOffemannによる方法に基づいた化学的酸化法であり、ここで、前記カーボンナノチューブは、多層、2層又は単層のナノチューブであり得る。
【0022】
特許文献のWO201022164は、グラフェンナノリボンのための製造方法を例示している。
【0023】
グラフェンナノリボンは、50を超える高アスペクト比を有するグラフェンリボンで構成されている。これらのリボンは、通常、最大10nmから10nmの長さ及び5nmから10nmの幅に達することが可能である。
【0024】
一方、これらのナノリボンは原子的尺度では非常に不規則なエッジを有し、したがって多角形の構造は有さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的は、工業規模での使用が可能になるのに十分な量で、高品質のグラフェンオキシドナノプレートを得る方法にある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記の点を考慮して、本発明は、グラフェンオキシドナノプレートを得る方法及び誘導された生成物に関するものであり、前記方法は、以下のステップ:
a)少なくとも以下の化合物:
i.炭化水素又は炭化水素の混合物、
ii.触媒粒子を生成するためのニッケル化合物及び硫黄化合物、
iii.キャリアガス
の計量のステップと、
b)ステップa)に列挙された計量した化合物を、浮遊触媒法により化学蒸着法が行われる、900℃から1500℃の間の操作温度を用いた炉の内部に入れるステップと、
c)カーボンナノフィラメントを含む中間体物質を得るステップであって、その構造は、連続的グラファイトの連続的なリボンを含み、この場合、前記リボンは、ナノフィラメント主軸に沿ってその周りに渦巻を成長させて巻かれた、11層未満のグラフェン層のスタッキングを含むステップと、
d)前記ナノフィラメントを精製し、脱水素し、脱官能化し、結晶化させて構造を改変するために(この場合、炭素−炭素結合の数は、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント中に存在する前記結合の数を超える)、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメントの、不活性雰囲気中で1500℃から3000℃の間の温度に曝すことによる熱処理のステップと、
e)ステップd)からの処理されたカーボンナノフィラメントの液相酸化の段階を含む化学的エッチングのステップであって、それらの分画を引き起こし、それらを形成するグラフェン層の劈開を開始させるステップと、
f)以下の特徴:
− 多角形の形状、
− 6個未満の積層グラフェン層、
− 0.1μmから50μmの範囲に含まれる最大長さ
を有するグラフェンオキシドナノプレートを得るために、物理的な方法によりカーボンナノフィラメントの劈開工程を完了させるステップとを
含む。
【0027】
ナノプレートの最大長さは、グラフェンオキシドナノプレートのより長い側面により達せられる最大長さと理解される。
【0028】
以下、多角形という用語は、明確に規定され且つ直線のエッジによって境界が定められた形状を定義するために使用される。
【0029】
グラフェンオキシドナノプレートの品質は、それが作られているグラファイト物質の積層数、その構造の規則正しさ、及び得られるグラフェンオキシドナノプレートのサイズと直接関連付けられる。
【0030】
層数はその品質と反比例しており、したがって、層が少ないほど、その特性は純粋なグラフェン又は単層グラフェンの特性に近いので、得られる生成物の品質が高い。
【0031】
構造の規則正しさは品質に正比例し、したがって、得られるグラフェンオキシドナノプレートの構造がより規則的であるほど、その結晶性が高く、その後続の用途におけるその挙動が優れている。
【0032】
最後に、グラフェンオキシドナノプレートのサイズもその品質に正比例し、したがって、より大きなナノプレートは、その後の取扱い及び応用を容易にし、それによってナノプレートから得られる生成物の品質に有利に働くので、よりすぐれた品質であると考えられる。
【0033】
これらの特徴は良質の材料を規定し、それゆえ、本発明者らが、これらの特徴にさらに工業規模でそれを得る能力を付け加えた場合は、多数の用途で大量に使用するのに適した高品質のグラフェンを得ることになる。
【0034】
グラフェンに関する品質という用語を定義したので、これらの特徴はそれぞれ、本発明の方法に関係する。
【0035】
この方法は、2つの別個の段階、引き続いてグラフェンオキシドナノプレートを得るために中間体物質を得る第1の段階、及びグラフェンオキシドナノプレートそれ自体を得る第2の段階に分けることができる。
【0036】
本方法の第1の段階は、より少数のグラフェン層から形成される構造を有するカーボンナノフィラメント、具体的には、グラフェンの11層未満の積層数を含むカーボンナノフィラメントからなる中間体物質を製造する一組のステップからなる。
【0037】
したがって、グラフェンオキシドナノプレートを製造するために、本発明者らは、その構造中に少数のグラフェン層を有する材料で開始し、それ故に、その方法の第2の段階で得られるグラフェンオキシドナノプレートの層数も必然的に少ない。
【0038】
上述したように、これらのグラフェンオキシドナノプレートの品質を決定する特性の1つは少数の層である。この層数は、生成されるグラフェンオキシドナノプレートの品質及びその物理的特性に直接関係する。したがって、本発明の方法で得られるグラフェンオキシドナノプレートは少数の層を有するので、これは高品質の生成物である。
【0039】
したがって、この特定の構造を有するカーボンナノフィラメントは、グラフェンオキサイドの製造に関して、数百のグラフェン層又は多層カーボンナノチューブで形成される黒鉛等の他の材料よりもはるかに興味深い出発材料、即ちカーボンナノフィラメントよりもはるかに低反応性にさせる層間の低近接性を作り、そして、それは、少数のグラフェン層中で積層された黒鉛材料の連続的なリボンを有する構造を有して、前記ナノフィラメントの主軸に沿ってその周りに渦巻状に巻かれている。
【0040】
本方法の第2の段階は、本方法の第1の段階で得られるカーボンナノフィラメントに、これを精製し、脱水素し、脱官能化し、結晶化させるために加える熱処理で開始して、高結晶性構造を有する改変された物質を製造する。
【0041】
そこで、本発明者らは、一方では、カーボンナノフィラメントの精製を行い、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント中に存在する他の不純物及び他の望ましくない化合物の中の多環式芳香族炭化水素を除去し、他方では、脱官能化及び脱水素工程の結果として、その構造の結晶性を増大させる。
【0042】
それによって、ナノフィラメントを熱処理に曝すことによるこれらの方法の効果に起因して、本発明者らは、より多数の炭素−炭素結合が存在する改変された構造を得る。
【0043】
カーボンナノフィラメントのこの高結晶性構造は、一旦ステップd)の熱処理にかけられると、その安定性が増大し、したがって、カーボンナノプレートを得るためにエッチングされた場合、これがより秩序正しく且つ制御された方法で実施され、それによって、明確に規定された規則的且つ多角形の形状のグラフェンオキシドナノプレートを製造する。
【0044】
上記で規定されたように、高品質のグラフェンを規定する別の特徴の1つは、その構造の規則正しさである。したがって、本発明の方法で製造されるグラフェンオキシドナノプレートは、側面が明確に規定された直線のエッジを形成する、多角形の形状の規則的な構造を有するので、本発明者らは高品質の生成物を得る。
【0045】
他方、前記熱処理は、カーボンナノフィラメント中で近接するグラフェン層の自由エッジ間のループ又は結合の形成を引き起こす。以下、近接する層とは、隣接する或いはその間に1原子のグラフェン層が8層以下で存在するものと理解される。
【0046】
この現象は、前記自由エッジの脱水素及び脱官能化の結果として起こる。
【0047】
従って、前記自由エッジから官能基及び水素原子が一旦、除去されると、前記エッジ中に存在する炭素原子は、近接するグラフェン層中に位置する炭素原子に結合する傾向にあり、それによってより安定な状態を達成する。
【0048】
カーボンナノフィラメントの熱処理ステップで形成される、これらのループによって形成される2つの近接するグラフェン層間の結合部分は、後続のカーボンナノフィラメントの化学的エッチング及び劈開工程を完了させるステップの過程で破壊されない。
【0049】
グラフェン層の部分は、破壊されなかったこれらのループを介して結合されたままであり、これらのループを持たないナノプレートのサイズより大きなサイズのグラフェンオキシドナノプレートを生じる。
【0050】
上述したように、グラフェンの品質を規定する特徴の別の1つは、得られるナノプレートのサイズである。
【0051】
本発明の方法で得られる、ステップd)の熱処理中にカーボンナノフィラメントの自由エッジ間に形成されるループは、このような熱処理を実施しない他の既知の方法で得られるものより大きなグラフェンオキシドナノプレートを製造し、それ故に、高品質の材料を製造する。
【0052】
他方では、本発明は目的として、グラフェンオキシドナノプレートを製造するための製造方法を有し、この場合、このグラフェンオキシドナノプレートは、最新技術で記載されているナノリボンと多かれ少なかれ同じ長さを有するにもかかわらず、これらと比較することはできない。なぜなら、これらが処理された方法及びこれらを使用することができる可能な用途の一部が、全く異なるからである。
【0053】
上述の通り、グラフェンオキシドナノリボンは、一次元的であると考えることができ、且つそのアスペクト比は50を超えており、幅広というより非常に長い、細長い要素からなる。
【0054】
他方、本発明の方法を用いて得られるグラフェンオキシドナノプレートは、アスペクト比が10未満の2次元の形状を有する。即ち、ナノプレートの場合、これらは幅広というより長いとは明確には言えない。
【0055】
原子的尺度では、この形状の差異は、ナノプレートとナノリボンの間の物理的特性の実質的な差異を意味し、その可能な後続の用途の一部及びその製造方法も、全く異なり得る。
【0056】
さらに、本方法の第1の段階では、グラフェンオキシドナノプレートを得るための中間体物質が、優れた品質で且つ工業規模のカーボンナノフィラメントの大量生産を可能にするという事実は、本方法の第8の段階では、カーボンナノフィラメントを熱処理にかけ、次いでこれらを劈開し、断片化することにより、これもグラフェンオキシドナノプレートを工業規模で製造することを可能にする、グラフェンオキシドナノプレートを得るという事実と相まって、両者が工業レベルで且つ優れた品質のグラフェンオキシドナノプレートを得ることを可能にする。
【0057】
グラフェン及びその任意の形態の誘導体の両方の独特な特徴を考慮に入れると、工業規模における製造は、1日に1グラムを超えて製造することを可能することであると考えることが合理的である。
【0058】
さらに、本発明は、上記の本発明の方法で得られ、且つ、以下の特徴:
− 多角形の形状
− 6個未満の積層グラフェン層、及び
− 0.1μmから50μmの範囲の間に含まれる最大長さ
を有するグラフェンオキシドナノプレートに関する。
【0059】
本明細書は、好ましい実施形態を図示する一組の図面で補足されているが、これは決して本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】グラフェンオキシドナノプレート及び本発明による中間体生成物として得られるカーボンナノフィラメントのための製造法の図である。
【図2】ステップd)の熱処理前のカーボンナノフィラメントのTEM像である。
【図3】ステップd)の熱処理後のカーボンナノフィラメントのTEM像であり、カーボンナノフィラメントの多角形の構造を示し、他方は、隣接するグラフェン層を結合する、カーボンナノフィラメントのエッジ上に生じたループを示す。
【図4】得られるグラフェンオキシドナノプレートのTEM像であり、その多角形の形状を示す。
【図5】得られるグラフェンオキシドナノプレートのSAED像であり、高結晶性グラフェンオキシドナノプレートの試料に対する電子線回折ダイアグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
グラフェンオキシドナノプレート(5)を得るための本発明の方法は、2つの別個の段階、中間体物質(3)を得る方法からなる第1の段階、及び本方法の第1の段階で得られる中間体物質(3)からグラフェンオキシドナノプレート(5)を得る方法からなる第2の段階に分けられる。
【0062】
本発明のグラフェンオキシドナノプレート(5)を得るための製造方法の図を示す、図1に見られるように、本方法の第1の段階は、前記方法のステップa)、b)及びc)で表され、第2の段階は、ステップd)、e)及びf)で表される。
【0063】
本方法の第1の段階は、中間体物質(3)を得るのに必要な化合物(1)、特に、少なくとも以下の化合物:
i.炭化水素又は炭化水素の混合物、例えば、メタン又は50%を超える割合で主にメタンからなる混合物、
ii.触媒粒子を生成するためのニッケル化合物及び硫黄化合物(ここで、好ましい場合は、ニッケル化合物と硫黄化合物から形成される混合物は、前記化合物がステップb)の炉中に投入されると、1.2〜3の間内の硫黄−ニッケルのモル比を有する)、及び
iii.水素等のキャリアガス
を計量するステップa)で開始される。
【0064】
上述した化合物(1)を、例えば、質量計量制御装置を用いて計量した後、例えば、これらの化合物を、本出願人の特許文献EP1598455、ステップc)に記載されたような垂直の炉になり得る、垂直に配置されたセラミック材料の1つ又はいくつかの反応チューブからなる炉(2)に投入する。
【0065】
特に、炉(2)の垂直の構造に起因して、化合物(1)は、炉(2)のトップを介して投入され、カーボンナノフィラメント(3)は、炉のボトムに位置するマニフォールドを経由して回収される。
【0066】
カーボンナノフィラメント(3)は、900℃から1500℃の間の範囲の操作温度で浮遊触媒法による化学蒸着法により、この炉(2)の中で製造される。
【0067】
炉(2)中に一旦入ると、硫黄及びニッケル成分は反応して、平衡状態の2つの相、液体NiS相及び固体金属Ni相により形成される触媒粒子が生成される。
【0068】
説明された工程条件及び出発化合物(1)は、前記ナノフィラメント(3)の主軸「s」に沿ってその周りに渦巻状(連続的渦巻状)に巻かれている、11層未満のグラフェン層を有するグラファイト物質の連続的なリボンを含む構造を有するカーボンナノフィラメント(3)を製造する。
【0069】
前記炉(2)の内部で起こる化学的反応の過程で、触媒粒子上において気相炭化水素の分解で生じる触媒作用があり、これが、カーボンナノフィラメント(3)の核形成及び後続の成長を引き起こす。
【0070】
ニッケル及び硫黄化合物から形成される触媒粒子の使用は、本出願人の特許文献EP1990449に見られるように、他の既知の材料と比較して、カーボンナノフィラメント(3)の高度な核形成及びより速く且つより高品質な成長をもたらす。
【0071】
上記の特徴を有するカーボンナノフィラメント(3)、即ち、前記ナノフィラメントの主軸「s」に沿ってその周りに渦巻状に巻かれている、11層未満の積層グラフェン層を有するグラファイト物質の連続的な渦巻を含む構造のカーボンナノフィラメント(3)を得て(本方法のステップc))、本発明者らは、所望の品質のグラフェンオキシドナノプレート(5)を製造するための中間体物質(3)を得る。
【0072】
上記の特徴を有するこうしたカーボンナノフィラメント(3)を、図2の透過型電子顕微鏡(TEM)像に示す。
【0073】
上記のように、グラフェンオキシドナノプレート(5)の品質は、それが構成されているグラフェン層の数と直接関係する。したがって、積層グラフェン層の数が少ないほど、得られる生成物の品質が優れており、即ち、得られるナノプレート(5)の品質が優れている。
【0074】
したがって、ステップ(c)で得られるカーボンナノフィラメント(3)は、少数のグラフェン層から形成される構造をすでに有しているので、こうしたカーボンナノフィラメントから得られる生成物は高品質のグラフェンオキシドナノプレート(5)であり、その後、これらのナノプレート(5)が含む層数は、ステップe)及びf)において以下で詳述する劈開及び断片化工程の完了後は、前記ナノフィラメント(3)の数よりも必然的に少ない。
【0075】
中間体物質(3)が一旦得られると、本方法のステップd)を実施し、本方法の第2の段階を開始する。
【0076】
このステップd)において、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント(3)を、不活性雰囲気中、1500℃から3000℃の間内の温度に15分間を超えてこれらフィラメントを曝すことにより熱処理に付する。
【0077】
この種の処理法を開示する一例は、Matthew Weisenbergerらによる文献「螺旋状リボンカーボンナノファイバーの構造に及ぼすグラファイト化温度の影響(The effect of graphitization temperature on the structure of helical−ribbon carbon nanofibers)」である。
【0078】
この熱処理は、目的として前記ナノフィラメント(3)の精製、脱水素、脱官能化及び結晶化を有し、それ故に、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント(3)中に存在する炭素−炭素結合の数より多数の結合を有する、高結晶性の改変された構造をもたらす。
【0079】
したがって、一方では、本発明者らは、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント(3)中に存在する、他の不純物(3.1)中の、多環式芳香族炭化水素及び他の望ましくない化合物を除去して、カーボンナノフィラメントを精製して、他方では、脱官能化及び脱水素工程の結果としてその構造の結晶性を増大させる。
【0080】
したがって、ナノフィラメント(3)を熱処理に曝すことによるこうした工程の効果に起因して、本発明者らは、多数の炭素−炭素結合が存在する改変された構造を得る。
【0081】
一旦、ステップd)の熱処理に付された後のカーボンナノフィラメント(4)を示すTEM像に対応する図3で観察されるように、これは、明確に規定された多角形の形状を有する構造のカーボンナノフィラメント(4)を生じる。
【0082】
この高結晶性構造は、カーボンナノフィラメント(4)の安定性を向上させ、したがって、グラフェンオキシドナノプレート(5)を得るためにそれに実施されるエッチングは、これらのカーボンナノフィラメントがステップd)の熱処理を受けなかった場合より、秩序正しく且つ制御された方法で実施され、それによって、図4及び5で観察することができるように、規則的な形状及び明確に規定された多角形の形状のグラフェンオキシドナノプレート(5)を生じる。
【0083】
他方、前記熱処理は、カーボンナノフィラメント(4)の隣接するグラフェン層の自由エッジの間にループ(4.1)又は結合の形成を引き起こし、これは、図3に示すTEM像で観察することができる。
【0084】
この現象は、カーボンナノフィラメント(4)によって形成される自由エッジの脱水素及び脱官能化の結果として起こり、それによって、官能基及び水素原子が前記自由エッジから除去されると、炭素−炭素結合の数が増加する。
【0085】
それ故に、グラフェン層の自由エッジに存在する炭素原子は、隣接するグラフェン層に位置する炭素原子と結合する傾向にあり、それによってより安定な状態を達成する。
【0086】
これらのループ(4.1)によって形成された結合の一部は、後続のカーボンナノフィラメント(4)の化学的エッチングステップ及び劈開工程の完了の過程で破壊されない。
【0087】
したがって、これ以降、グラフェン層の部分は、破壊されていないこれらのループ(4.1)を介して結合されたままであり、このようなループ(4.1)を持たないナノプレートの大きさより大きなサイズのグラフェンオキシドナノプレート(5)を生じる。
【0088】
本方法のステップe)は、このステップd)が一旦終了し、炭素−炭素結合の数が増加した高結晶性構造を有するカーボンナノフィラメント(4)を製造した後で実施される。
【0089】
このステップe)は、ステップd)で得られるカーボンナノフィラメント(4)の化学的エッチングからなり、前記カーボンナノフィラメント(4)の分画を引き起こし、それが構成されているグラフェン層の劈開を開始する酸化剤が使用される、前記カーボンナノフィラメント(4)の液相酸化の段階を含む。
【0090】
好ましくは、この酸化ステップを脱水媒体中で実施する。
【0091】
さらに、この液相酸化のステップは、グラフェン層を酸性媒体中でインターカレートする段階を先行させることがある。
【0092】
この場合、このインターカレーションは、例えばHSO等の酸を、それがカーボンナノフィラメント(4)を形成する積層グラフェン層を形成する面間の侵入部位の間に導入して、面間の空間をふさぎ、分離することからなり、そのため、酸化剤のエッチング及びその後続の切断及び劈開に有利に働くように、カーボンナノフィラメント(4)の積層構造は維持され、ここで、酸化剤は、例えばKMnOであることができる。
【0093】
ステップd)で得られるカーボンナノフィラメント(4)の高結晶性構造の結果として、ナノフィラメント(4)の切断を起こすこの化学的エッチングの開始は、制御され且つ秩序正しい方法で起こり、前記切断はまた、同様に制御され且つ秩序正しい方法で終了して、多数の切片を引き起こし、したがってより小さく且つより低品質の断片となる新しいエッチングが発生する確率を低下する。
【0094】
したがって、カーボンナノフィラメント(4)の高結晶性は、切断を実施するためのカーボンナノフィラメント(4)のエッチングを開始することを困難にするという事実にもかかわらず、この切断が開始すると、カーボンナノフィラメント(4)の高度の断片化を引き起こすことになる他の地点での新しいエッチングを引き起こす代わりに、切断が完了するまで1つの原子から隣接する原子に移行しながら、秩序正しく且つ規則的な方法で継続する傾向があり、それ故に、小さなグラフェンオキシドナノプレートを生成する。
【0095】
一旦、ステップe)の化学的エッチングが完了した後、グラフェンオキシドナノプレート(5)を得るために、本方法はステップf)で完了し、ここで、カーボンナノフィラメント(4)の劈開は、例えば超音波を適用することによる等の物理的手段によって終了する。
【0096】
超音波は液体の媒体中で適用することができ、グラフェンオキシドナノプレート(5)を構成する、ステップd)のカーボンナノフィラメント(4)から断片を得るために、ステップe)の過程で終了しなかったかもしれない、そのステップで開始された切断を完了させる目的を有する。
【0097】
本方法で得られるグラフェンオキシドナノプレート(5)は優れた品質のものであり、それは以下の特徴:
− 図4に示すTEM像(ここで、グラフェンオキシドナノプレート(5)の輪郭が点線で明るく強調されているため、それは六角形の形状を有し、それによって明確に規定された直線のエッジから形成されていることが観察される)で分かるように、多角形の形状、
− 6個未満の積層グラフェン層、及び
− 0.1μmから50μmの間を含む最大長さ
で認めることができる。
【0098】
さらに、本発明は、上に挙げた特徴を有するグラフェンオキシドナノプレート(5)に関する。
【0099】
グラフェンオキシドナノプレートを得る方法が一旦完了した後、上記のステップの続きとして、他のステップ又は後工程を実施することができ、これは、前記グラフェンオキシドナノプレート(5)から誘導体生成物を生成することになる。
【0100】
一例は、グラフェンナノプレートを得るために還元ステップを実施してもよい。
【0101】
この還元は2種のタイプ、化学的還元又は熱還元であることができる。
【0102】
化学的還元工程は、液相又は気相中で実施することができる。
【0103】
同様に、この化学的還元工程は、アンモニアを含んで又は含まないで実施することができる。
【0104】
同様に、前記化学的還元工程は、界面活性剤を含んで又は含まないで実施することができる。
【0105】
他方、前記還元工程に使用される還元剤は、ヒドラジン、ヨウ化物、ホスフィン、亜リン酸塩、硫化物、亜硫酸塩、ヒドロサルファイト、ボロハイドライド、シアノボロハイドライド、アルミニウムハイブリッド、ボラン、ヒドロキシルアミン及びジイミン化合物の様々な群の中から選択することができる。
【0106】
熱還元は、不活性雰囲気中で高温熱フラッシュにより又は急激加熱(progressive heating)(この場合、不活性雰囲気又は還元性雰囲気中で実施することもできる)により実施することができる。
【0107】
他方、前記熱還元を、予め基板上に置かれているグラフェンオキシドナノプレート(5)に対して、又は基板を使用せずに粉末として実施してもよい。
【0108】
グラフェンナノプレートを得るための還元ステップを完了後、こうしたグラフェンナノプレートをその特性の一部を制御された方法で得るために、さらにドーピングステップにかけることができる。
【0109】
後処理の別の例は、官能化グラフェンオキシドナノプレートを得るために、異なる官能基をこのナノプレートと結合させることによる官能化ステップを実施することができる。
【0110】
したがって、この官能化ステップは、グラフェンオキシドナノプレート(5)について、又はそれを還元ステップに付した後、即ち、グラフェンナノプレートについて実施してもよい。
【0111】
官能化ステップは、グラフェンオキシドナノプレート(5)の酸素化基、例えばカルボキシル基を利用することができ(酸素化基は、例えばポリマー等の他の化合物に対する固着点である)、又はハロゲン基又は窒素含有基等の他の基から創り出される。
【0112】
一旦、前記ナノプレートが官能化されると、グラフェンナノコンポジットを製造するためにこれをポリマー基質中へインターカレートすることができる。
【0113】
その用途が導電性を要求する場合、グラフェンオキシドフィルム又はグラフェンフィルムを得るために、基板上に堆積されたグラフェンオキシドナノプレート(5)、又はグラフェンナノプレートを得る後工程の他の例は、基板上への堆積である。
【0114】
一旦、還元ステップを通過すると、グラフェンオキシド又はグラフェンのいずれかのナノプレート(5)の基板上への堆積は、様々な方法を用いて実施することができる。
【0115】
一例は電気泳動であり、この場合、溶媒中で分散された、電気的に荷電されたグラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートの電極上への堆積は、電界を印加することにより実施する。前記ナノプレートの堆積は、電極上へのその蓄積が前記電極上に硬く且つ均一な堆積物を生じるように、凝析によって行われる。
【0116】
堆積の別の例は、遠心力又は「スピンコーティング」による堆積であることができる。この堆積技術を実施するために、グラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートの過剰な溶液を、高速で回転するようにした基板上に置き、そのため、液体は遠心力により基板上に均一に広がる。
【0117】
堆積の別の例は、懸濁液中にカーボンナノプレートの溶液を含む基板を浸漬することからなる。溶液から基板を引き抜くのに使用される速度は、得られるコーティングの厚さ(引き抜き速度とともに増加する)を制御することを可能にする。次いで溶媒を除去すると、必要に応じて、グラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートの均一な堆積物が後に残る。
【0118】
堆積の別の例は、「ドクターブレーディング」として知られている方法であり、この場合、基板の表面に堆積される、グラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートを含む溶液から開始し、「ドクターブレード」カッターナイフの援助のもとに連続シートとして溶液を流れさせる。次いで溶媒を除去する。
【0119】
堆積の別の可能な例は、「インクジェット印刷」として知られている技術である。この技術は、2D印刷技術に基づいており、グラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートを含むインクのジェット堆積物の小滴を基板上に適用するものである。堆積された後、前記液滴は凝固して、基板上に堆積物の薄層が残る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレートであって、以下のステップ:
a)少なくとも以下の化合物(1):
i.炭化水素又は炭化水素の混合物、
ii.触媒粒子を生成するためのニッケル化合物及び硫黄化合物、
iii.キャリアガス
の計量のステップと、
b)ステップa)に列挙された計量した化合物(1)を、浮遊触媒法により化学蒸着法が行われる、900℃から1500℃の間の操作温度を用いた炉の内部に入れるステップと、
c)カーボンナノフィラメント(3)を含む中間体物質(3)を得るステップであって、その構造は、連続的グラファイトの連続的なリボンを含み、この場合、前記リボンは、ナノフィラメント主軸「s」に沿ってその周りに渦巻を成長させて巻かれた、11層未満のグラフェン層のスタッキングを含むステップと、
d)前記ナノフィラメント(3)を精製し、脱水素し、脱官能化し、結晶化させて構造を改変するために(この場合、炭素−炭素結合の数は、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント(3)中に存在する前記結合の数を超える)、ステップc)で得られるカーボンナノフィラメント(3)の、不活性雰囲気中で1500℃から3000℃の間の温度に曝すことによる熱処理のステップと、
e)ステップd)からの処理されたカーボンナノフィラメント(4)の液相酸化の段階を含む化学的エッチングのステップであって、その分画を引き起こし、それを形成するグラフェン層の劈開を開始させる上記ステップと、
f)以下の特徴:
多角形の形状、
6個未満の積層グラフェン層、
0.1μmから50μmの間に含まれる最大長さ
を有するグラフェンオキシドナノプレート(5)を得るために、物理的な方法によりカーボンナノフィラメント(4)の劈開工程を完了させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
本方法のステップa)で使用されるものが、メタン又は50%を超える割合で主にメタンからなる混合物であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項3】
本方法のステップa)で使用されるキャリアガスが水素であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項4】
ニッケル化合物と硫黄化合物をステップb)の炉中に投入した後、触媒分子を形成する、ニッケル化合物と硫黄化合物から形成された混合物が、1.2〜3の間内の硫黄−ニッケルのモル比を有することを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項5】
本方法のステップb)で使用される炉(2)が、垂直の炉であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項6】
本方法のステップd)で実施する処理が、15分よりも長く続くことを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項7】
本方法のステップe)で行われる酸化が、脱水媒体中で実施されることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項8】
ステップe)の液相酸化が、グラフェン層のインターカレーションの段階により先行され、ここで、前記インターカレーションが酸性媒体中で実施されることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項9】
グラフェンオキシド劈開工程を完了させる、ステップf)で使用される物理的工程が、超音波の適用であることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導された生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項10】
グラフェンナノプレートを得るために、ステップf)の後、グラフェンオキシドナノプレート(5)の還元ステップが実施されることを特徴とする、請求項1に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項11】
還元が、液相又は気相における化学的還元であることを特徴とする、請求項10に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項12】
還元が、アンモニアを伴う化学的還元であることを特徴とする、請求項11に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項13】
化学的還元が、界面活性剤を伴うことを特徴とする、請求項11に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項14】
還元が、熱フラッシュ又は急激な加熱による熱還元であることを特徴とする、請求項10に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項15】
熱還元が、還元性雰囲気又は不活性雰囲気中で実施されることを特徴とする、請求項14に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項16】
ドーピングステップが、グラフェンナノプレートに対して実施されることを特徴とする、請求項10に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項17】
官能化ステップが、官能基をグラフェンオキシドナノプレート(5)又はグラフェンナノプレートと結合させることにより実施されることを特徴とする、請求項1又は10に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項18】
官能基が、ハロゲン基、窒素含有基又はポリマーからなることを特徴とする、請求項17に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項19】
基板上への堆積のステップが実施されることを特徴とする、請求項1又は17に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項20】
堆積が、電気泳動、浸漬、遠心力のスピンコーティング、ドクターブレーディング又はインクジェット印刷の方法により実施されることを特徴とする、請求項19に記載のグラフェンオキシドナノプレート及び誘導体生成物を得る方法、並びにそれによって得られるグラフェンオキシドナノプレート。
【請求項21】
多角形の形状を有し、
6個未満のグラフェン層を有し、
0.1μmから50μmの範囲内に含まれる最大長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法により得られるグラフェンオキシドナノプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−167005(P2012−167005A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−30093(P2012−30093)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(500146750)グルポ アントリン − インジエニエリア ソシエダッド アノニム (2)
【Fターム(参考)】