説明

グラフ表示装置およびプログラム

【課題】グラフ表示装置において、リストデータの各数値データに基づいてスキャッタプロットグラフを表示した場合に、そのプロットグラフの元となっているリストデータの各数値データとの相互関係を視覚的に容易に把握可能とする。
【解決手段】ユーザがリストデータを入力した際にそのリストデータの各数値データに任意の色を指定しておくことでその指定の色に従ったプロットグラフがカラー表示される。このとき、グラフを表示する際の色の基準を“X”、“Y”の何れにするかをユーザに選択させる基準選択メニュー24が表示され、基準が選択されるごとに、“X”が選択された場合は<リスト1>の各数値データの指定色を基準に各プロット点がカラー表示され、“Y”が選択された場合は<リスト2>の各数値データの指定色を基準に各プロット点がカラー表示されるようにして、プロット表示後に色の基準を切り替えて表示できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の数値データからなるリストデータに基づいてプロットグラフを表示する機能を備えたグラフ表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関数計算機能を備えた電子計算機(関数電卓)では、統計計算モードを設定してリストデータ(統計データ)を入力すると、その入力されたリストデータに対応するグラフを描画する機能がある。ここで扱われる情報としては、「リストデータを構成する各数値データ」と「グラフデータ」であるが、データの種類が異なるため、対応関係を対比するには難しい。
【0003】
ここで、電卓の視覚的な表現力を向上させるために、表示のカラー化が考えられている。例えば、特許文献1では、回帰グラフと入力データとの誤差をカラー表示している。また、特許文献2では、回帰グラフ別に表示色を変えてカラー表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−184819号公報
【特許文献2】特開平10−124690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1,2では、グラフの表示をカラー化しただけであって、そのグラフの元となっているリストデータの各数値データとの相互関係を視覚的に対比するには十分ではない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、リストデータの各数値データに基づいてプロットグラフを描画した場合に、そのプロットグラフの元となっているリストデータの各数値データとの相互関係を視覚的に容易に把握することが可能になるグラフ表示装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載のグラフ表示装置は、ユーザ操作によって複数の数値データからなるリストデータを入力し、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定するリスト入力手段と、このリスト入力手段によって入力されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報と関連付けて記憶するリスト記憶手段と、このリスト記憶手段により記憶されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報に従い当該各数値データに色を付けてカラー表示するリスト表示手段と、前記リスト記憶手段により記憶された2組のリストデータのうち、一方のリストデータの数値データをX値、他方のリストデータの数値データをY値とした点をプロットしたプロットグラフを生成する際に、表示色の基準をX値またはY値の何れにするかをユーザに選択させるためのメニューを表示する基準選択メニュー表示手段と、この基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューにより表示色の基準が選択されるごとに、X値が選択された場合は、X値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットし、Y値が選択された場合は、Y値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成するグラフ生成手段と、このグラフ生成手段により生成されたプロットグラフの各点をカラー表示するグラフ表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載のグラフ表示装置は、請求項1に記載のグラフ表示装置であって、前記基準選択メニュー表示手段は、表示色の基準として、さらに、X値とY値の両方をユーザに選択させるためのメニューを表示し、前記グラフ生成手段は、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値とY値の両方が選択された場合は、両方のリストデータの数値データに指定された色に基づいた色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載のグラフ表示装置は、請求項2に記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ生成手段は、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値とY値の両方が選択された場合は、同両方のリストデータの数値データに指定された色が同じ色であればその色で前記点をプロットし、異なる色であれば特殊態様で前記点をプロットすることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載のグラフ表示装置は、請求項2または請求項3に記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ表示手段によって表示されたプロットグラフの色を変更する第1の色変更手段と、この第1の色変更手段によって変更された色を、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値が選択されている場合は、前記リスト記憶手段により記憶されたX値に対応した一方のリストデータに反映させ、Y値が選択されている場合は、Y値に対応した他方のリストデータに反映させ、X値とY値の両方に選択されている場合は、両方のリストデータに反映させて、各数値データに指定された色を同様に変更する第2の色変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載のグラフ表示装置は、請求項1から4のうちの1項に記載のグラフ表示装置であって、前記グラフ表示手段により表示されたプロットグラフの中からユーザにより選択されたプロット点のX値とY値を、前記リスト記憶手段に記憶されたそれぞれの値に関連付けられた色で表示する値表示手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載のプログラムは、カラー表示可能な表示部を有する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラムであって、前記コンピュータを、ユーザ操作によって複数の数値データからなるリストデータを入力し、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定するリスト入力手段と、このリスト入力手段によって入力されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報と関連付けて記憶するリスト記憶手段と、このリスト記憶手段により記憶されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報に従い当該各数値データに色を付けてカラー表示するリスト表示手段と、前記リスト記憶手段により記憶された2組のリストデータのうち、一方のリストデータの数値データをX値、他方のリストデータの数値データをY値とした点をプロットしたプロットグラフを生成する際に、表示色の基準をX値またはY値の何れにするかをユーザに選択させるためのメニューを表示する基準選択メニュー表示手段と、この基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューにより表示色の基準が選択されるごとに、X値が選択された場合は、X値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットし、Y値が選択された場合は、Y値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成するグラフ生成手段と、このグラフ生成手段により生成されたプロットグラフの各点をカラー表示するグラフ表示手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、リストデータの各数値データに基づいてプロットグラフを描画した場合に、そのプロットグラフの元となっているリストデータの各数値データとの相互関係を視覚的に容易に把握することが可能になるグラフ表示装置およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のグラフ表示装置の実施形態に係る電子計算機10の外観構成を示す正面図。
【図2】前記電子計算機10の回路構成を示すブロック図。
【図3】前記電子計算機10に設けられたRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶されるリストデータの構成を示す図。
【図4】前記電子計算機10に備えられたCPU11がグラフ表示制御プログラム14aを実行することにより果たす機能構成を示すブロック図。
【図5】前記電子計算機10に備えられたCPU11によって実行される統計計算モード時のグラフ表示処理の全体の流れを示すフローチャート。
【図6】前記電子計算機10における統計計算モード時のグラフ表示処理に伴うプロットグラフ生成処理を示すフローチャート。
【図7】前記電子計算機10における統計計算モード時のグラフ表示処理に伴うリスト入力画面21の一例を示す図。
【図8】前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Scatter」が選択され表示色の基準を“X”グラフに選択したときのプロットグラフ32Xの表示画面31を示す図。
【図9】前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Scatter」が選択され表示色の基準を“Y”グラフに選択したときのプロットグラフ32Yの表示画面31を示す図。
【図10】前記電子計算機10のプロットグラフ生成処理に伴い基準選択メニュー24の“X&Y”が選択され各数値データの指定色が異なった場合に描画される特殊態様のプロット点33A,33Bを示す図。
【図11】前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Trace」キー12gにより部分的な色変更を行う場合のプロットグラフ32Xの表示画面31を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本発明のグラフ表示装置の実施形態に係る電子計算機10の外観構成を示す正面図である。
【0017】
この電子計算機10は、「グラフ関数電卓」と呼ばれ、入力された関数式や統計データに対応するグラフを描画表示するための機能を備えている。
【0018】
この電子計算機10の本体には、本体正面の下端から3分の2程度の範囲でキー入力部12が設けられ、上端から3分の1程度の範囲で表示部13が設けられる。
【0019】
キー入力部12には、数値・記号キー12a、関数・演算子キー12b、「Menu」キー12c、「Shift」キー12d、「Color」キー12e、「Graph」キー12f、「Trace」キー12g、「EXIT」キー12h、カーソルキー12i、そしてファンクションキー「F1」〜「F6」等が備えられる。
【0020】
数値・記号キー12aは、数字,記号などの個々のキーを配列した数値・記号の入力用キー群からなる。
【0021】
関数・演算子キー12bは、演算式や関数式を入力する際に操作される各種の関数記号キーや、「+」「−」「×」「÷」「=」などの演算子キーからなる。
【0022】
「Menu」キー12cは、四則計算式や関数計算式等の任意の計算式を入力して演算処理を行わせる演算モード、入力された関数式に対応したグラフの描画処理を行わせるグラフモード、統計計算を行わせる統計計算モード、グラフ関数の学習処理を行わせるe-Activityモード、任意のプログラムを入力して対応する計算処理を行わせるプログラムモード等、各種の動作モードの選択設定メニューを表示させる際に操作される。
【0023】
「Shift」キー12dは、キー入力部12における各キートップの左上に記述された各種の記号や機能を指定入力する際に該当するキーと合わせて操作される。
【0024】
「Color」キー12eは、入力データやグラフなどに対して任意の色を指定する際に操作される。
【0025】
「Graph」キー12fは、入力データを元にして任意のグラフを描く際に操作される。
【0026】
「Trace」キー12gは、画面上に表示された関数式のグラフをトレースするトレースモードを設定する際に操作される。
【0027】
「EXIT」キー12hは、現在の状態から抜けるためのキーである。
【0028】
カーソルキー(「↑」「↓」「←」「→」)12iは、それぞれ表示されたデータの選択,送り操作や、カーソルの移動操作を行なう際等に操作される。
【0029】
ファンクションキー「F1」〜「F6」は、種々の動作モードに応じて表示部13の画面下端に沿って配列表示される各種選択メニューを選択させる際に操作される。
【0030】
また、表示部13には、例えば縦186ドット×横378ドットの表示範囲を有するカラー表示可能な液晶表示装置が用いられている。
【0031】
図2は、前記電子計算機10の回路構成を示すブロック図である。
【0032】
電子計算機10は、マイクロコンピュータであるCPU11を備えている。
【0033】
CPU11は、プログラムの起動により回路各部を動作させて、電卓機能や関数グラフ表示機能など、電子計算機10に備えられた各種機能を実行する。このCPU11には、図1に示したキー入力部12、表示部13の他に、記憶装置14、RAM15、記録媒体読取部16、通信制御部18などが接続されている。
【0034】
記憶装置14は、ROMなどのメモリデバイスから構成され、本発明を実現するためのグラフ表示制御プログラム14aの他、各種データ及びプログラムを記憶している。
【0035】
RAM15は、CPU11の処理動作に必要な各種データを記憶している。このRAM15には、表示部13の画面上にカラー表示されるデータが展開される表示データ記憶領域15aの他、式データ記憶領域15b、リストデータ記憶領域15c、グラフデータ記憶領域15dが設けられている。
【0036】
式データ記憶領域15bには、キー入力部12の操作により入力された関数式に関するデータが記憶される。
【0037】
リストデータ記憶領域15cには、統計計算モードのリスト機能で作成されたリストデータが色指定の属性情報と共に記憶される(図3参照)。
【0038】
グラフデータ記憶領域15dには、関数式データあるいはリストデータに基づいて作成されたグラフに関するデータが記憶される。
【0039】
記録媒体読取部16は、記録媒体17に記録されたデータの読み取りを行う。記録媒体17としては、例えばメモリカードなどが用いられ、プログラムや画像などが記録されている。
【0040】
通信制御部18は、図示せぬUSB(Universal Serial Bus)を介して接続された外部端末との間のデータ通信、あるいは所定の通信回線を介して無線により接続される外部端末との間のデータ通信を行う。
【0041】
図3は、前記電子計算機10に設けられたRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶されるリストデータの構成を示す図である。
【0042】
リストデータは、「統計データ」あるいは「数表データ」とも言い、後述するリスト入力画面21(図7参照)に設けられたリスト(表)22の各セルに入力された数値データを有する。これらの数値データには、予め用意された複数色の中の任意の色を表示色として指定でき、その指定された色が属性情報として数値データに対応付けられて、RAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶される。
【0043】
図3の例では、「リスト1」と「リスト2」の2組のリストデータが示されている。図中のセル1,2,3,…,10の各数値データは、例えば「リスト1」と「リスト2」とが関係した何らかの統計のために入力された任意の数値データを示す。
【0044】
「リスト1」と「リスト2」ともに、セル1,2,3,5,6,9,10の各数値データは同色の「黒色」に指定されている。
【0045】
また、セル4の数値データは、「リスト1」側が「青色」、「リスト2」側が「赤色」の異なる色に指定されている。同様に、セル7の数値データは、「リスト1」側が「赤色」、「リスト2」側が「青色」の異なる色に指定されている。さらに、セル8の数値データは、「リスト1」側が「黒色」、「リスト2」側が「赤色」の異なる色に指定されている。
【0046】
図4は、前記電子計算機10に備えられたCPU11がグラフ表示制御プログラム14aを実行することにより果たす機能構成を示すブロック図である。
【0047】
CPU11は、グラフ表示においては、リスト入力制御部11a、リスト記憶制御部11b、グラフ生成制御部11c、グラフ表示制御部11d、第1の色変更制御部11e、第2の色変更制御部11fとして機能する。
【0048】
リスト入力制御部11aは、後述するリスト入力画面21(図7参照)を表示することにより、ユーザ操作によって複数の数値データからなるリストデータを入力し、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定するための制御を行う。
【0049】
リスト記憶制御部11bは、リスト入力制御部11aによって入力されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報と関連付けてRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶するための制御を行う。
【0050】
グラフ生成制御部11cは、リスト記憶制御部11bによってRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶されたリストデータをグラフ化するための制御を行う。
【0051】
グラフ表示制御部11dは、グラフ生成制御部11cによって生成されたグラフを前記各数値データに指定された色に基づいて表示部13の画面にカラー表示するための制御を行う。
【0052】
第1の色変更制御部11eは、グラフ表示制御部11dによって表示されたグラフの色を変更するための制御を行う。
【0053】
第2の色変更制御部11fは、第1の色変更制御部11eによって変更された色をRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶された当該グラフに対応したリストデータに反映させて、前記各数値データに指定された色を変更するための制御を行う。
【0054】
ここで、前記グラフ生成制御部11cは、前記リストデータ記憶領域15cに記憶されたリストデータ(図3参照)を、スキャッタプロットグラフ(散布図)としてグラフ化する際、<リスト1>の各数値データを“X”、<リスト2>の各数値データを“Y”として各対応するプロット点を描画しグラフ化する。そして、ユーザによって、各プロット点の表示色の基準を“X”グラフに選択した場合は、<リスト1>の各数値データに指定された色でグラフ化し、“Y”グラフに選択した場合は、<リスト2>の各数値データに指定された色でグラフ化する。さらに、“X&Y”グラフに選択した場合、<リスト1><リスト2>の同一セルにおける各数値データの指定色が同色である場合はその色でグラフ化し、異なる色である場合は特殊態様(図10参照)にしてグラフ化するための制御を行う。
【0055】
また、前記第2の色変更制御部11fは、前記第1の色変更制御部11eによって変更されたスキャッタプロットグラフ(散布図)の色をRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶された当該グラフに対応したリストデータに反映させる際、前記表示色の基準が“X”グラフに選択されている場合は、<リスト1>の各数値データに指定された色を変更し、“Y”グラフに選択されている場合は、<リスト2>の各数値データに指定された色を変更する。さらに、“X&Y”グラフに選択されている場合は、<リスト1><リスト2>の各数値データに指定された色を変更するための制御を行う。
【0056】
次に、前記構成の電子計算機10の動作を説明する。
【0057】
なお、以下の各フローチャートで示される処理は、コンピュータであるCPU11が記憶装置14に記憶されたグラフ表示制御プログラム14aを読み込むことにより実行される。
【0058】
図5は、前記電子計算機10に備えられたCPU11によって実行される統計計算モード時のグラフ表示処理の全体の流れを示すフローチャートである。
【0059】
図6は、前記電子計算機10における統計計算モード時のグラフ表示処理に伴うプロットグラフ生成処理を示すフローチャートである。
【0060】
(データ入力)
図7は、前記電子計算機10における統計計算モード時のグラフ表示処理に伴うリスト入力画面21の一例を示す図である。
【0061】
まず、ユーザが電子計算機10のキー入力部12に設けられた「Menu」キー12cを操作して統計計算モードを設定すると、CPU11の制御の下で表示部13に図7に示すようなリスト入力画面21が表示される(ステップA1)。
【0062】
図7に示すように、リスト入力画面21には、複数のセルからなるリスト(表)22が設けられている。ユーザがキー入力部12の数値・記号キー12aを操作して、このリスト22の各セルに数値データを入力することにより、これらの数値データを含むリストデータ(統計データ)が作成される(ステップA2)。
【0063】
このとき、キー入力部12に設けられた「Color」キー12eを操作すると、リスト入力画面21の下端に、赤色(Red)、青色(Blue)、緑色(Grn)、黄色(Yllw)の色選択メニュー23が表示され、その選択メニュー23の各色に対応したファンクションキー「Fn」の操作にて任意の色を数値毎に指定することができる。
【0064】
ここでは、ファンクションキー「F2」の操作で赤色、ファンクションキー「F3」の操作で青色、ファンクションキー「F4」の操作で緑色、ファンクションキー「F5」の操作で黄色が指定されるものとする。
【0065】
図7および図3の例では、List1の4番目のセルに入力された数値データ「156」に対して青色、7番目のセルに入力された数値データ「96」に対して赤色、また、List2の4番目のセルに入力された数値データ「60」に対して赤色、7番目のセルに入力された数値データ「40」に対して青色、8番目のセルに入力された数値データ「62」に対して赤色が指定されている。
【0066】
なお、図7の数値データに引き出し線で説明した指定の色は、図面の制約上、色付けで表現できないために便宜的に付したものであり、実際には同数値データが指定の色でカラー表示される。
【0067】
このようにして、リストデータの各数値データに対して任意の色が指定されると(ステップA3のYes)、その指定された色が属性情報として当該数値データに設定されてRAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶される(ステップA4)。
【0068】
なお、色指定されなかった場合には、その数値データに対しては標準色として黒色がデフォルト設定されるものとする。
【0069】
(リストデータに基づくグラフ表示)
リストデータの作成後、キー入力部12に設けられた「Graph」キー12fが操作されると、「Scatter」、「Histgram」、「回帰グラフ」といったグラフ種を示すグラフ種選択メニュー(図示せぬ)が画面下端に沿って配列表示され、任意のグラフ種をファンクションキー「Fn」の操作にて選択できる。
【0070】
なお、「Scatter」とは、X値とY値で特定される座標点をXY座標上にプロットしていくことを言い、そのプロットされた点で描かれるグラフのことを「プロットグラフ」または「散布図」と呼ぶ。
【0071】
ここで、「Scatter」の場合には、ユーザは、2組のリストデータをX値とY値として指定し、プロットグラフ(散布図)の描画を指示するといった操作を行う。
【0072】
図8は、前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Scatter」が選択され表示色の基準を“X”グラフに選択したときのプロットグラフ32Xの表示画面31を示す図である。
【0073】
図9は、前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Scatter」が選択され表示色の基準を“Y”グラフに選択したときのプロットグラフ32Yの表示画面31を示す図である。
【0074】
プロットグラフ(散布図)の描画を指示する操作がなされると(ステップA5のYes)、グラフ表示画面31の下端に、ユーザによって各プロット点の表示色の基準を“X”または“Y”または“X&Y”に選択するための基準選択メニュー24が表示される(ステップA6)。
【0075】
このグラフ表示画面31に表示された基準選択メニュー24においてユーザによる選択操作が行われると(ステップA7のYes)、図6におけるプロットグラフ生成処理に移行され、プロットグラフが生成される(ステップAB)。
【0076】
前記基準選択メニュー24において“X”が選択されると(ステップB1のYes)、リストデータ記憶領域15cに記憶されているグラフ化対象のリストデータ<リスト1><リスト2>から各セルに対応する1対の数値データが順番に取り込まれる。そして、同1対の数値データに対応する(X,Y)の点を、“X”<リスト1>の数値データに指定された色で順次プロットしたプロットグラフが生成され、そのプロットグラフのデータがRAM15のグラフデータ記憶領域15dに記憶される(ステップB2〜B4)。
【0077】
すなわち、図8のグラフ表示画面31に示すように、<リスト1>の各数値データを“X”、<リスト2>の各数値データを“Y”とした各プロット点33a〜33jを描画したプロットグラフ32Xが、当該<リスト1>の各数値データに指定された色を基準に生成され、具体的には、4番目のセルに対応するところのプロット点(156,60)33dは青色、7番目のセルに対応するところプロット点(96,40)33gは赤色、それ以外は黒色で描画される。
【0078】
一方、前記基準選択メニュー24において“Y”が選択されると(ステップB5のYes)、前記同様にリストデータ記憶領域15cに記憶されているグラフ化対象のリストデータ<リスト1><リスト2>から各セルに対応する1対の数値データが順番に取り込まれる。そして、同1対の数値データに対応する(X,Y)の点を、“Y”<リスト2>の数値データに指定された色で順次プロットしたプロットグラフが生成され、そのプロットグラフのデータがRAM15のグラフデータ記憶領域15dに記憶される(ステップB6〜B8)。
【0079】
すなわち、図9のグラフ表示画面31に示すように、<リスト1>の各数値データを“X”、<リスト2>の各数値データを“Y”とした各プロット点33a〜33jを描画したプロットグラフ32Yが、当該<リスト2>の各数値データに指定された色を基準に生成され、具体的には、4番目のセルに対応するところのプロット点(156,60)33dは赤色、7番目のセルに対応するところプロット点(96,40)33gは青色、8番目のセルに対応するところのプロット点(122,62)33hは赤色、それ以外は黒色で描画される。
【0080】
さらに、前記基準選択メニュー24において“X&Y”が選択されると(ステップB9のYes)、前記同様にリストデータ記憶領域15cに記憶されているグラフ化対象のリストデータ<リスト1><リスト2>から各セルに対応する1対の数値データが順番に取り込まれ(ステップB10)、その都度、同読み出された<リスト1>の数値データに指定された色と<リスト2>の数値データに指定された色とが同色か否か判断される(ステップB11)。
【0081】
そして、同色と判断された場合は(ステップB11のYes)、同1対の数値データに対応する(X,Y)の点を、その色で順次プロットしたプロットグラフが生成され、そのプロットグラフのデータがRAM15のグラフデータ記憶領域15dに記憶される(ステップB10〜B13)。
【0082】
一方、リストデータからセル毎に読み出された<リスト1>の数値データに指定された色と<リスト2>の数値データに指定された色とが異なると判断された場合は(ステップB11のNo)、同1対の数値データに対応する(X,Y)の点を、特殊態様でプロットしたプロットグラフが生成され、そのプロットグラフのデータがRAM15のグラフデータ記憶領域15dに記憶される(ステップB10,B11(No),B14,B13)。
【0083】
具体的には、1〜3番目のセルに対応するところのプロット点33a〜33c、5,6番目のセルに対応するところのプロット点33e,33f、9,10番目のセルに対応するところのプロット点33i,33jは黒色、4,7,8番目のセルに対応するところプロット点33d,33g,33hは特殊態様で描画される。
【0084】
図10は、前記電子計算機10のプロットグラフ生成処理に伴い基準選択メニュー24の“X&Y”が選択され各数値データの指定色が異なった場合に描画される特殊態様のプロット点33A,33Bを示す図である。
【0085】
前記特殊態様のプロット点は、例えば図10(a)に示すように、中心に穴の開いた枠状プロット点33Aとしてもよいし、図10(b)に示すように、異なる2色で半々に色分けした枠状プロット点33Bとしてもよい。
【0086】
そして、前記一連のプロットグラフ生成処理が終了すると(Return)、前記グラフデータ記憶領域15dに記憶されたプロットグラフが表示データ記憶領域15aに展開され、図8または図9に示すようなグラフ表示画面31として表示部13の画面上にカラー表示される(ステップA8)。
【0087】
(グラフ表示後の色変更)
・全部変更
ここで、グラフの表示後に、ユーザによりキー入力部12に設けられた「Color」キー12eが操作されると(ステップA9のYes)、そのグラフ表示画面31に赤色(Red)、青色(Blue)、緑色(Grn)、黄色(Yllw)の色選択ウインドウ(図示せず)が表示される。
【0088】
この色選択ウインドウの中の1色がカーソルキー12iの操作にて指定されると(ステップA10のYes)、グラフ全体の色がその指定色に変更される(ステップA11)。また、それに伴い、RAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶されたリストデータの各数値データに指定された色も同様に変更される(ステップA12)。
【0089】
この際、前記プロットグラフ生成処理(図6参照)において、基準選択メニュー24の“X”が選択されていた場合は、<リスト1>の各数値データに指定された色の全てが前記色選択ウインドウでの指定色に変更され、同基準選択メニュー24の“Y”が選択されていた場合は、<リスト2>の各数値データに指定された色の全てが前記色選択ウインドウでの指定色に変更される。さらに、同基準選択メニュー24の“X&Y”が選択されていた場合は、<リスト1><リスト2>の各数値データに指定された色の全てが前記色選択ウインドウでの指定色に変更される。
【0090】
例えば、図8で示したように、表示色の基準を“X”グラフに選択したときのプロットグラフ32Xが表示されている状態で、「Color」キー12eが操作されると、図示しない色選択ウインドウが表示され、その色選択ウインドウ中の青色(Blue)がカーソルキー12iの操作にて指定されたとすると、プロットグラフ32Xを構成する全てのプロット点33a〜33jが青色に変更される。
【0091】
そして、前記表示色の基準“X”に対応したリストデータ<リスト1>の各数値データに指定された色が全て青色に変更される。
【0092】
また、例えば、図9で示したように、表示色の基準を“Y”グラフに選択したときのプロットグラフ32Yが表示されている状態で、「Color」キー12eが操作されると、図示しない色選択ウインドウが表示され、その色選択ウインドウ中の赤色(Red)がカーソルキー12iの操作にて指定されたとすると、プロットグラフ32Yを構成する全てのプロット点33a〜33jが赤色に変更される。
【0093】
そして、前記表示色の基準“Y”に対応したリストデータ<リスト2>の各数値データに指定された色が全て赤色に変更される。
【0094】
「回帰グラフ」に対応したグラフでも同様であり、同グラフの色が色選択ウインドウの中で指定された色に変更され、その色変更が基準選択メニュー24で表示色の基準として選択したリストデータの全数値データに反映され、同様に色変更されることになる。
【0095】
・部分変更
一方、「Color」キー12eの操作後(ステップA9のYes)、ファンクションキー「Fn」ではなく、「Trace」キー12gが操作された場合には(ステップA13)、グラフ表示画面31に赤色(Red)、青色(Blue)、緑色(Grn)、黄色(Yllw)の色選択ウインドウ(図示せず)が表示され、以下のような手順で部分的な色変更が行われる。
【0096】
なお、この電子計算機10にはタッチパネルが備えられていないため、「Trace」キー12gの操作によってトレースモードに切り替えた際に、カーソルキー12iの操作によって表示中のオブジェクト(つまり、グラフ上の点など)を1つずつ指定するといった操作を行うものとする。
【0097】
図11は、前記電子計算機10の統計計算モード時のグラフ表示処理に伴い「Trace」キー12gにより部分的な色変更を行う場合のプロットグラフ32Xの表示画面31を示す図である。
【0098】
ここで、「Trace」キー12gが操作された際に(ステップA13のYes)、現在表示中のグラフ種がプロットグラフであれば、例えば図11に示すように、カーソルキー12iの操作によって選択されたプロットグラフ32X上のプロット点33gが色変更の対象として抽出され、点滅などにより識別表示される(ステップA14)。
【0099】
そして、前記カーソルキー12iの操作によって選択されたプロット点33gに対応する数値データ[X=96][Y=40]がリストデータ記憶領域15cに記憶されているリストデータ<リスト1><リスト2>(図3参照)から読み出され、当該各数値データに指定されている色の赤色と青色で表示される(ステップA15)。
【0100】
この後、前記色選択ウインドウ(図示せず)の中の1色がカーソルキー12iの操作にて指定された際に(ステップA16のYes)、前記抽出されたプロット点33gの色がその指定色に変更され(ステップA17)、それに伴い、RAM15のリストデータ記憶領域15cに記憶されたリストデータの各数値データの中の対応するデータの色も変更される(ステップA18)。
【0101】
この際、前記プロットグラフ生成処理(図6参照)において、基準選択メニュー24の“X”が選択されていた場合は、前記選択されたプロット点に対応する<リスト1>の数値データに指定された色だけが前記色選択ウインドウでの指定色に変更され、同基準選択メニュー24の“Y”が選択されていた場合は、同選択されたプロット点に対応する<リスト2>の数値データに指定された色だけが前記色選択ウインドウでの指定色に変更される。さらに、同基準選択メニュー24の“X&Y”が選択されていた場合は、同選択されたプロット点に対応する<リスト1><リスト2>の各数値データに指定された色が前記色選択ウインドウでの指定色に変更される。
【0102】
すなわち、前記図11で示した表示色の基準を“X”<リスト1>に選択したプロットグラフ32Xのグラフ表示画面31において、現在は赤色で表示されているプロット点33gが色変更対象(オプジェクト)として選択され、前記色選択ウインドウの中の青色(Blue)が指定されたとすると(ステップA16のYes)、そのプロット点33gが赤色から青色に変更される(ステップA17)。
【0103】
そして、同プロットグラフ32Xのプロット点33gに対応したリストデータ<リスト1><リスト2>の各数値データ[X=96][Y=40]のうち、基準選択された“X”<リスト1>の数値データ[X=96]に指定された色だけが赤色から青色に変更される(ステップA18)。
【0104】
以後同様にして、カーソルキー12iの操作によりオブジェクト(プロット点)を1つ1つ指定しながら、その指定されたオブジェクトの色を部分的に変更することができる。
【0105】
そして、同指定されたオブジェクト(プロット点)に対応したリストデータの色も、基準選択された“X”<リスト1>、または“Y”<リスト2>、または“X&Y”<リスト1><リスト2>を対象に変更することができる。
【0106】
一方、前記基準選択メニュー24にて選択された表示色の基準に従ったプロットグラフの表示画面31において、同表示画面31の下端に常時表示されている同基準選択メニュー24にて他の基準が選択されると(ステップA19のYes)、当該選択された他の基準に従い前記図6におけるプロットグラフ生成処理が再実行される(ステップAB)。
【0107】
そして、キー入力部12に設けられた「EXIT」キー12hが操作されると(ステップA20のYes)、グラフ表示状態から抜け、RAM15のリストデータ記憶領域15cから当該グラフに対応したリストデータが読み出されて画面上に表示される(ステップA21)。このとき、グラフに色変更があった場合には、表示されたリストデータの色も変化している。
【0108】
したがって、前記構成の電子計算機10における統計計算モード時のグラフ表示機能によれば、ユーザがリストデータを入力した際に、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定しておくことにより、その指定された色に従ったスキャッタプロットグラフがカラー表示される。この際、基準選択メニュー24で“X”が選択された場合は<リスト1>の各数値データに指定された色を基準に各プロット点がカラー表示され、“Y”が選択された場合は<リスト2>の各数値データに指定された色を基準に各プロット点がカラー表示される。さらに、“X&Y”が選択された場合に<リスト1><リスト2>の各対応する数値データに指定された色が同色であるところのプロット点はその色でカラー表示され、異なる色であるところのプロット点は枠状プロット点(33Aや33B)などの特殊態様にしてカラー表示される。このため、リストデータとスキャッタプロットグラフとの相互関係を色や表示態様にて視覚的に把握できるようになり、リストデータを元に描画されるプロットグラフの特性を容易に理解することができるようになる。
【0109】
さらに、ユーザが表示中のスキャッタプロットグラフに対して色変更を全体的あるいは部分的に行うと、その色変更が前記基準選択されたリストデータ(<リスト1>または<リスト2>または<リスト1><リスト2>)の各数値データに反映されるので、表示中のスキャッタプロットグラフとリストデータの各数値データとの相互関係を色変化にて容易に学ぶことができる。
【0110】
なお、前記各実施形態では、リストデータの各数値データに対して指定可能な色として、赤色(Red)、青色(Blue)、緑色(Grn)、黄色(Yllw)の5色を例にして説明したが、これらの色以外の色を指定できようにしても良いし、5色以上の色を指定できるような構成であってもよい。
【0111】
前記各実施形態において記載した電子計算機10による各動作手法、すなわち、図5、図6の各フローチャートで示した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フレシキプルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体(記録媒体17)に記録して配布することができる。そして、電子計算機10のコンピュータ(CPU11)は、この記憶媒体に記録されたプログラムを読み込みことで、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0112】
また、前記手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)を介して伝送させることができる。そして、電子計算機10のコンピュータ(CPU11)は、このプログラムを通信ネットワークに接続された通信装置(通信制御部18)にて受信することにより、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0113】
なお、本発明は前記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 …電子計算機(グラフ関数電卓)
11 …CPU
11a…リスト入力制御部
11b…リスト記憶制御部
11c…グラフ生成制御部
11d…グラフ表示制御部
11e…第1の色変更制御部
11f…第2の色変更制御部
12 …キー入力部
12a…数値・記号キー
12b…関数・演算子キー
12c…「Menu」キー
12d…「Shift」キー
12e…「Color」キー
12f…「Graph」キー
12g…「Trace」キー
12h…「EXIT」キー
12i…カーソルキー
F1〜F6…ファンクションキー
13 …表示部
14 …メモリ
14a…グラフ表示制御プログラム
15 …RAM
15a…表示データ記憶領域
15b…式データ記憶領域
15c…リストデータ記憶領域
15d…グラフデータ記憶領域
16 …記録媒体読取部
17 …記録媒体
18 …通信制御部
21 …リスト入力画面
22 …リスト(表)
23 …色選択メニュー
24 …基準選択メニュー
31 …グラフ表示画面
32X…プロットグラフ(X基準)
32Y…プロットグラフ(Y基準)
33a〜33J…プロット点
33A,33B…枠状プロット点(特殊態様)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作によって複数の数値データからなるリストデータを入力し、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定するリスト入力手段と、
このリスト入力手段によって入力されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報と関連付けて記憶するリスト記憶手段と、
このリスト記憶手段により記憶されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報に従い当該各数値データに色を付けてカラー表示するリスト表示手段と、
前記リスト記憶手段により記憶された2組のリストデータのうち、一方のリストデータの数値データをX値、他方のリストデータの数値データをY値とした点をプロットしたプロットグラフを生成する際に、表示色の基準をX値またはY値の何れにするかをユーザに選択させるためのメニューを表示する基準選択メニュー表示手段と、
この基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューにより表示色の基準が選択されるごとに、X値が選択された場合は、X値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットし、Y値が選択された場合は、Y値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成するグラフ生成手段と、
このグラフ生成手段により生成されたプロットグラフの各点をカラー表示するグラフ生成手段と、
を備えたことを特徴とするグラフ表示装置。
【請求項2】
前記基準選択メニュー表示手段は、表示色の基準として、さらに、X値とY値の両方をユーザに選択させるためのメニューを表示し、
前記グラフ生成手段は、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値とY値の両方が選択された場合は、両方のリストデータの数値データに指定された色に基づいた色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成することを特徴とする請求項1に記載のグラフ表示装置。
【請求項3】
前記グラフ生成手段は、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値とY値の両方が選択された場合は、同両方のリストデータの数値データに指定された色が同じ色であればその色で前記点をプロットし、異なる色であれば特殊態様で前記点をプロットすることを特徴とする請求項2に記載のグラフ表示装置。
【請求項4】
前記グラフ表示手段によって表示されたプロットグラフの色を変更する第1の色変更手段と、
この第1の色変更手段によって変更された色を、前記基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューによりX値が選択されている場合は、前記リスト記憶手段により記憶されたX値に対応した一方のリストデータに反映させ、Y値が選択されている場合は、Y値に対応した他方のリストデータに反映させ、X値とY値の両方に選択されている場合は、両方のリストデータに反映させて、各数値データに指定された色を同様に変更する第2の色変更手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のグラフ表示装置。
【請求項5】
前記グラフ表示手段により表示されたプロットグラフの中からユーザにより選択されたプロット点のX値とY値を、前記リスト記憶手段に記憶されたそれぞれの値に関連付けられた色で表示する値表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のうちの1項に記載のグラフ表示装置。
【請求項6】
カラー表示可能な表示部を有する電子機器のコンピュータを制御するためのプログラム
であって、
前記コンピュータを、
ユーザ操作によって複数の数値データからなるリストデータを入力し、そのリストデータの各数値データに任意の色を指定するリスト入力手段と、
このリスト入力手段によって入力されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報と関連付けて記憶するリスト記憶手段と、
このリスト記憶手段により記憶されたリストデータを前記各数値データに指定された色の情報に従い当該各数値データに色を付けてカラー表示するリスト表示手段と、
前記リスト記憶手段により記憶された2組のリストデータのうち、一方のリストデータの数値データをX値、他方のリストデータの数値データをY値とした点をプロットしたプロットグラフを生成する際に、表示色の基準をX値またはY値の何れにするかをユーザに選択させるためのメニューを表示する基準選択メニュー表示手段と、
この基準選択メニュー表示手段で表示されたメニューにより表示色の基準が選択されるごとに、X値が選択された場合は、X値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットし、Y値が選択された場合は、Y値に対応するリストデータの数値データに指定された色で前記点をプロットしてプロットグラフを生成するグラフ生成手段と、
このグラフ生成手段により生成されたプロットグラフの各点をカラー表示するグラフ生成手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−48738(P2012−48738A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246138(P2011−246138)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【分割の表示】特願2010−123438(P2010−123438)の分割
【原出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】