説明

グロメット

【課題】アウター部材に対するインナー部材の取付作業性を維持しつつ、アウター部材の捲れを抑制すること。
【解決手段】アウター部材30とそれに嵌入されるインナー部材50とを備え、アウター部材30は、環状の本体部32と、本体部32の一端部に設けられ車体パネルの表面に対して車体貫通孔部2hの周囲に密着可能な環状の密着部34と、本体部32の内周部で開口する溝部38と、溝部38の両側壁を連結する態様で底部38bから深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部42とを有し、インナー部材50は、ワイヤーハーネスを挿通可能で且つ車体貫通孔部2hに挿通可能な挿通部52と、溝部38内に収容可能な鍔部58と、鍔部58に形成され第1嵌合凸部42に嵌合可能な第1嵌合凹部62と、車体パネルの裏面に係止可能で密着部34を車体パネルの表面に押付けるように鍔部58を位置規制する係止部54とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のパネルに形成された貫通孔を通じて配策されるワイヤーハーネスを保護するためのグロメットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体とドアとの間に貫通孔を通じて配策されるワイヤーハーネスを保護するグロメットとして、特許文献1のものがある。特許文献1のグロメットは、アウター部材とインナー部材とを備えている。アウター部材は、車体の取付板に形成された取付孔に挿通される筒状の挿通部と、挿通部の外側面に設けられ取付板の表面に密着される密着部と、密着部に対応して挿通部の内側面に設けられた溝部とを有している。インナー部材は、アウター部材の溝部に収容される中空円盤状に形成されている(以下、鍔部)。
【0003】
このようなグロメットは、インナー部材をアウター部材に嵌入した後の車両取付等の作業中に、密着部が捲れることがある。これにより、グロメットは、アウター部材に対するインナー部材の外れ、シール性能の低下等の問題が発生する恐れがある。このような問題に対して、特許文献1のグロメットは、アウター部材の溝部に収容される鍔部の周縁に突起を設け、この突起が鍔部に加えてさらに密着部にラップすることにより、アウター部材の密着部を捲れ難くするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−319535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、鍔部に加えて突部が形成されているため、インナー部材をアウター部材に対して嵌入する際に、溝部に鍔部及び突部が入るように密着部を大きく拡げる必要があり、取付作業性が低下する恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、アウター部材に対するインナー部材の取付作業性を維持しつつ、アウター部材の捲れを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係るグロメットは、車両のパネルに形成された貫通孔部に装着されるグロメットであって、アウター部材と前記アウター部材に嵌入されるインナー部材とを備え、前記アウター部材は、環状に形成されている本体部と、前記本体部の一端部に設けられ、前記パネルの表面に対して前記貫通孔部の周囲に密着可能な環状の密着部と、前記本体部の内周部に、内周側に向けて開口するように形成されている溝部と、前記溝部内に周方向部分的に形成され、前記溝部の両側壁を連結する態様で、前記溝部の底部から開口部側に向けて深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部とを有し、前記インナー部材は、前記ワイヤーハーネスを挿通可能で且つ前記貫通孔部に挿通可能な筒状の挿通部と、前記挿通部の外周部に形成され、前記溝部内に収容可能な鍔部と、前記鍔部に周方向部分的に形成され、前記第1嵌合凸部に嵌合可能な第1嵌合凹部と、前記パネルの裏面に係止可能に形成され、前記鍔部が前記溝部内に収容された状態で、前記密着部を前記パネルの表面に対して前記貫通孔部の周囲に押付けるように、前記鍔部を前記貫通孔部の貫通方向に位置規制する係止部とを有している。
【0008】
第2の態様に係るグロメットは、第1の態様に係るグロメットであって、前記第1嵌合凸部は、前記溝部の底部側から開口部側に向けて順次幅狭になるように形成されている。
【0009】
第3の態様に係るグロメットは、第1又は第2の態様に係るグロメットであって、前記アウター部材は、前記溝部内に周方向部分的に形成され、前記溝部の両側壁を連結する態様で、前記溝部の底部から開口部まで突出する第2嵌合凸部をさらに有し、前記インナー部材は、前記鍔部に周方向部分的に形成され、前記第2嵌合凸部に嵌合可能な第2嵌合凹部をさらに有している。
【0010】
第4の態様に係るグロメットは、第3の態様に係るグロメットであって、前記アウター部材の前記本体部と前記インナー部材の前記鍔部とは、それぞれ、直線部分及び曲線部分を有する環状に形成され、前記本体部の直線部分に、前記第2嵌合凸部が形成され、前記鍔部の直線部分に、前記第2嵌合凹部が形成されている。
【0011】
第5の態様に係るグロメットは、第3又は第4の態様に係るグロメットであって、前記係止部は、前記挿通部の外周部から周方向部分的に外側に向けて突出するように前記挿通部に一体形成され、前記第2嵌合凹部は、前記鍔部の周方向において、前記係止部と略同位置に形成されている。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様に係るグロメットによると、アウター部材には、溝部の周方向部分的に、その底部から開口部側に向けて深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部が形成されている。このため、周方向において第1嵌合凸部が形成された位置で、本体部のうち溝部の両側部分が溝部の底部から深さ方向中途部までの位置で連結され、本体部のうち溝部より密着部側の部分が捲れることを抑制することができる。また、第1嵌合凸部が溝部の深さ方向中途部まで形成されている態様により、本体部の密着部側部分は、第1嵌合凸部より溝部の開口部側の部分が比較的弾性変形しやすく、アウター部材に対してインナー部材を嵌入しやすくなっている。よって、アウター部材に対するインナー部材の取付作業性を維持しつつ、アウター部材の捲れを抑制することができる。
【0013】
第2の態様に係るグロメットによると、第1嵌合凸部が溝部の底部側から開口部側に向けて順次幅狭になるように形成されているため、よりアウター部材に対してインナー部材を嵌入し易く取付作業性がよくなっている。
【0014】
第3の態様に係るグロメットによると、アウター部材が、溝部の両側壁を連結する態様で、溝部の底部から開口部まで突出する第2嵌合凸部を有している。このため、本体部のうち溝部の両側部分が溝部の深さ方向全体に亘って連結されており、アウター部材の溝部より密着部側の部分の捲れをより効果的に抑制することができる。
【0015】
第4の態様に係るグロメットによると、アウター部材には、本体部のうち曲線部分と比較して捲れが発生し易い直線部分に、第2嵌合凸部が形成されている。これにより、アウター部材の溝部より密着部側の部分の捲れをより効果的に抑制することができる。
【0016】
第5の態様に係るグロメットによると、第2嵌合凹部が、鍔部の周方向において係止部と略同位置に形成されている。このため、インナー部材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】グロメットの取付態様を示す図である。
【図2】グロメットを示す斜視図である。
【図3】インナー部材とアウター部材とを示す斜視図である。
【図4】第1装着部の側面図である。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】第1装着部の平面図である。
【図7】図6のVII−VII線断面図である。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図である。
【図9】図6のIX−IX線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態に係るグロメットについて説明する。
【0019】
自動車に用いられるワイヤーハーネスのなかには、車両のパネル(例えば車体、ドア等のパネル)に形成された貫通孔部に挿通されて配策されるものもある。上記パネルは、主に金属材(その他樹脂等)で形成されており、貫通孔部内を挿通されるワイヤーハーネスWHは、車両の振動等により貫通孔部の開口縁部に接触して傷ついてしまう恐れがある。本第1装着部20は、上記のようにパネルに形成された貫通孔部に挿通されるワイヤーハーネスWHを、該貫通孔部の開口縁部から保護すると共に外部からの液体の進入を阻止するものである(図1参照)。
【0020】
ここでは、第1装着部20が、車体2とバックドア8との間に配策されるワイヤーハーネスWHに外装されるグロメット10の一部分であり、車体パネル2aに形成された車体貫通孔部2hに装着される例で説明する。また、車体貫通孔部2hは、対向する一対の直線部分と、一対の直線部分を結ぶ略円弧状の曲線部分を有する略楕円形の孔状に形成されているものとする(図3参照)。もっとも、第1装着部20は、車体貫通孔部2hがその他円形状、略矩形状等の場合であっても適用可能である。
【0021】
上記グロメット10は、第1装着部20と、バックドア8のドアパネル8aに形成されたドア貫通孔部8hに装着される第2装着部80と、第1装着部20と第2装着部80との間に延設される管部90とを備えている部材である。以下、管部90の一端部に第1装着部20が設けられ、他端部に第2装着部80が設けられているものとする。
【0022】
管部90は、ワイヤーハーネスWHを挿通状に収容可能な筒状(ここでは略円筒状)に形成されている(図2参照)。ここでは、管部90は、第1装着部20が設けられる一端部で、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した略楕円形に開口している(図4、図5参照)。また、管部90は、バックドア8が車体2に対して開閉される動作に応じて、第1装着部20と第2装着部80との間で屈曲変形可能に形成されている。すなわち、管部90は、第1装着部20と第2装着部80との姿勢及び位置関係に応じて屈曲変形される。この管部90は、ゴム等のエラストマーにより形成されている。
【0023】
第1装着部20は、管部90に挿通されるワイヤーハーネスWHを、車体パネル2aの表面側と裏面側との間で車体貫通孔部2hに挿通可能なように、管部90の一端部に設けられた中空状部材である(図2参照)。そして、この第1装着部20は、車体貫通孔部2hに対して水密性を保って装着されると共に、車体貫通孔部2hの開口縁部からワイヤーハーネスWHを保護するように構成されている。
【0024】
第1装着部20は、筒状のアウター部材30と当該アウター部材30に嵌入される筒状のインナー部材50とを備えている。
【0025】
アウター部材30は、管部90の一端部に連続して形成された中空状部分である(図3参照)。より具体的には、アウター部材30は、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した略楕円形状の内孔を有している。そして、アウター部材30は、管部90の一端側の開口部における軸方向と同軸上に形成されている。このアウター部材30は、本体部32と、密着部34と、溝部38と、第1嵌合凸部42と、第2嵌合凸部46とを有している。ここでは、アウター部材30は、エラストマーにより第2装着部80及び管部90と一体形成されている(図2参照)。
【0026】
本体部32は、管部90の一端部に連続して、平面視環状に形成された部分である(図3、図6参照)。ここで、平面視とは、第1装着部20の軸方向一方側(図3の上側)から見ることを指し(以下同様)、図6が第1装着部20の平面視図である。より具体的には、本体部32は、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形の内孔を有し、全体としても平面視略楕円形の環状に形成されている。この本体部32の内孔は、ワイヤーハーネスWHを挿通可能なようにワイヤーハーネスWHの直径より大きく設定されている。ここでは、本体部32は、車体貫通孔部2hの開口形状と同様に、略楕円形状の長軸に沿った対向する一対の直線部分を有すると共に、当該一対の直線部分を結ぶ略円弧状の曲線部分を有している。
【0027】
密着部34は、本体部32の軸方向一端部(後述する一端側部分32aの一端部)に設けられ、車体パネル2aの表面に対して車体貫通孔部2hの周囲に密着可能な環状に形成されている(図1、図3参照)。より具体的には、密着部34は、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形の内孔を有し、全体として平面視略楕円形の環状に形成されている。密着部34の内孔は、車体貫通孔部2hの開口形状より大きく形成されている。この密着部34は、内側密着部35と外側密着部36とを有している。
【0028】
内側密着部35は、本体部32の一端部のうち内周部分から、本体部32の軸方向において他端部側から一端部側(図3の上側)に向けて突出するように形成されている。ここでは、内側密着部35は、僅かに外周側に広がるように傾斜して突出している(図7〜図9参照)。この内側密着部35は、車体貫通孔部2hの開口形状より大きく、且つ、当該開口形状に対応した平面視略楕円形の環状に形成されている(図3参照)。そして、内側密着部35は、車体パネル2aの表面に押付けられると、先端部が外周側に広がるようにして僅かに弾性変形し、車体パネル2aの表面に対して、車体貫通孔部2hの周囲で線接触して密着する。
【0029】
外側密着部36は、本体部32の一端部のうち外周部分から、本体部32の軸方向において他端部側から一端部側に向かうと共に外周側に広がるように突出する鍔状に形成されている(図7〜図9参照)。この外側密着部36は、内側密着部35の外周形状より大きく、且つ、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形の環状に形成されている(図3、図6参照)。そして、外側密着部36は、車体パネル2aの表面に押付けられると、先端部が外周側に広がるようにして弾性変形し、先端側部分の内側面が車体パネル2aの表面に対して、車体貫通孔部2hの周囲に内側密着部35より外周側の位置で面接触して密着する。この外側密着部36は、内側密着部35より弾性変形しやすく(例えば、先端側が薄肉に)形成されている。
【0030】
ここでは、内側密着部35より外側密着部36の方が軸方向の突出寸法が大きく設定されている(図7〜図9参照)。
【0031】
上記密着部34は、内側密着部35と外側密着部36とを有することにより、2重に液体の浸入を阻止して、より高い水密性を発揮することができる。さらに、外側密着部36が弾性変形しやすく車体パネル2aに対して面接触可能であるため、車体パネル2aに起伏がある場合でもより確実に密着して水密性を保つことができる。また、内側密着部35が外側密着部36より弾性変形し難くなっているので、第1装着部20が車体貫通孔部2hに装着された状態で、車体貫通孔部2hの貫通方向において第1装着部20の移動、がたつきをより確実に抑制できる。
【0032】
溝部38は、本体部32の内周部に、周方向に亘って内周側に向けて開口するように形成されている(図3、図7参照)。この溝部38は、後述するインナー部材50の鍔部58を収容可能に形成されている。より具体的には、溝部38は、鍔部58の突出寸法と略同じ(ここでは僅かに大きい)深さ寸法に設定されていると共に、鍔部58の厚さ寸法と略同じ幅寸法に設定されている。
【0033】
以下、本体部32のうち、溝部38に対して密着部34側の部分を一端側部分32a、密着部34と反対側の部分を他端側部分32bとして説明する。この一端側部分32a、と他端側部分32bとは、溝部38の底部38bの位置で連結されている。なお、他端側部分32bは、上述した管部90の一端部に開口を一致させる態様で管部90と連結されている。そして、一端側部分32a(後述する第1嵌合凸部42及び第2嵌合凸部46に対応する部分は除く)は、その先端側部分(内周側部分)が自由端となり、外周側に拡がるように弾性変形可能になっている。
【0034】
ここで、溝部38は、深さ方向において、一端側部分32aの内周側端部の位置を開口部38aとする。そして、上記深さ寸法は、開口部38aの位置を基準としている。
【0035】
溝部38内には、第1嵌合凸部42と第2嵌合凸部46とが形成されている。
【0036】
第1嵌合凸部42は、溝部38の両側壁を連結する態様で、底部38bから開口部38a側に向けて深さ方向中途部まで突出するように、溝部38内に周方向部分的に形成されている(図3、図5、図9参照)。例えば、深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部42の突出寸法は、底部38bから溝部38の深さ寸法の3分の2程度のように設定されていてもよい。
【0037】
より具体的には、第1嵌合凸部42は、溝部38の底部38bに略直交する方向に沿って開口側に向けて突出するように、周方向に複数(ここでは8つ)形成されている。この第1嵌合凸部42は、溝部38の底部38b側から開口部38a側に向けて順次幅狭になるように形成されている。ここでは、第1嵌合凸部42は、平面視略半円凸状に形成されている(図5参照)。また、第1嵌合凸部42は、溝部38の幅方向において、一端側が一端側部分32aに連続し、他端側が他端側部分32bに連続している。すなわち、第1嵌合凸部42は、溝部38の底部38bから深さ方向中途位置までの部分で、一端側部分32aと他端側部分32bとを連結している。そして、溝部38の周方向において第1嵌合凸部42が形成されている位置では、一端側部分32aのうち第1嵌合凸部42の先端部より開口部38a側の部分が、外周側に弾性変形容易となっている。
【0038】
第2嵌合凸部46は、溝部38の両側壁を連結する態様で、溝部38の底部38bから開口部38aまで第1嵌合凸部42より大きく突出するように、溝部38内に周方向部分的に形成されている(図3、図5、図8参照)。
【0039】
より具体的には、第2嵌合凸部46は、溝部38の底部38bに略直交する方向に沿って開口側に向けて突出するように、周方向に沿って複数(ここでは4つ)形成されている。この第2嵌合凸部46の突出寸法は、溝部38の底部38bから開口部38a(密着部34の内側端部)までの寸法と同じ寸法である。ここでは、第2嵌合凸部46は、平面視略矩形に形成されている。また、第2嵌合凸部46は、溝部38の幅方向において、一端側が一端側部分32aに連続し、他端側が他端側部分32bに連続している。すなわち、第2嵌合凸部46は、溝部38の底部38bから開口部38aまでの深さ方向全体に亘って、一端側部分32aと他端側部分32bとを連結している。このため、第2嵌合凸部46が形成されている位置では、一端側部分32aが外周側に弾性変形し難く(捲れ難く)なっている。
【0040】
複数の第2嵌合凸部46のうちの一部は、本体部32の直線部分に形成されている。ここでは、2つの第2嵌合凸部46が、密着部34の一対の直線部分のそれぞれ対向する中間部に形成されている。また、他の2つの第2嵌合凸部46は、曲線部分のそれぞれ対向する中間部に形成されている。すなわち、4つの第2嵌合凸部46は、溝部38の周方向において略等間隔に設けられている。
【0041】
そして、第1嵌合凸部42及び第2嵌合凸部46は、溝部38の周方向において、4つの第2嵌合凸部46の各間に第1嵌合凸部42が2つずつ略等間隔に位置するように設けられている。
【0042】
さらに、アウター部材30は、管部90に挿通されてその一端部から延出されるワイヤーハーネスWHについて、長手方向及び長手方向に直交する方向の移動又はがたつきを抑制するように固定用突部39を有している(図3参照)。固定用突部39は、本体部32の他端側部分32bの内周縁部(管部90の開口縁部)の周方向一部から、本体部32の軸方向に沿って一端側部分32a側に向けて舌状に突出するように形成されている。そして、管部90の一端部から延出されるワイヤーハーネスWHは、固定用突部39に対して、テープ巻き等により固定される。
【0043】
インナー部材50は、アウター部材30に嵌入され、ワイヤーハーネスWHを、車体貫通孔部2hの開口縁部から保護しつつ、車体パネル2aの表面側から裏面側に挿通可能なように中空状に形成された部材である(図3参照)。より具体的には、インナー部材50は、アウター部材30と同様に車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形状の内孔を有している(図6参照)。そして、インナー部材50は、アウター部材30に嵌入された状態で、管部90の開口部及びアウター部材30と同軸上に位置するように形成されている。このインナー部材50は、挿通部52と、係止部54と、鍔部58と、第1嵌合凹部62と、第2嵌合凹部66とを有している。
【0044】
挿通部52は、ワイヤーハーネスWHを挿通可能で且つ車体貫通孔部2hに挿通可能な筒状に形成されている。より具体的には、挿通部52の外周形状は、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形状に形成されている(図3、図6参照)。すなわち、対向する一対の直線部分と、一対の直線部分を結ぶ略円弧状の曲線部分とを有している。そして、挿通部52の外周形状は、車体貫通孔部2hの開口形状と同じかそれより小さく(ここでは僅かに小さく)設定されている。なお、アウター部材30との関係では、一端側部分32aの内周形状が、挿通部52の外周形状と同じかそれより大きく(ここでは僅かに大きく)形成されている。また、挿通部52の内周形状は、管部90の開口形状より大きく設定されている。
【0045】
鍔部58は、挿通部52の外周部のうち基端部から挿通部52の外周側に突出した鍔状に形成され、アウター部材30の溝部38内に収容可能になっている(図3、図7参照)。この鍔部58は、車体貫通孔部2hの開口形状に対応した平面視略楕円形状に形成され、車体貫通孔部2hの開口縁部より大きい外周形状を有している。より具体的には、鍔部58は、対向する一対の直線部分を有すると共に、当該一対の直線部分を結ぶ略円弧状の曲線部分を有している。そして、上述したように、溝部38との関係では、鍔部58は、溝部38の深さ寸法と略同じ突出寸法で且つ溝部38の幅寸法と略同じ厚さ寸法に設定されている。なお、この鍔部58(後述する第1嵌合凹部62及び第2嵌合凹部66が形成された部分を除く)は、周方向に亘って、略同じ突出寸法に設定されている。
【0046】
鍔部58には、第1嵌合凹部62と第2嵌合凹部66とが形成されている(図5参照)。
【0047】
第1嵌合凹部62は、鍔部58に周方向部分的に形成され、第1嵌合凸部42に嵌合可能になっている(図5参照)。より具体的には、第1嵌合凹部62は、鍔部58の外周部で外周側に向けて開口し、鍔部58の突出寸法より小さい深さ寸法で凹んだ凹状に形成されている。この第1嵌合凹部62は、第1嵌合凸部42と同じかそれより大きい(ここでは僅かに大きい)内部空間を有するように設定されている。ここでは、第1嵌合凹部62は、第1嵌合凸部42の形状に対応して、平面視略半円凹状に形成されている。また、第1嵌合凹部62は、第1嵌合凸部42に対応して複数(ここでは8つ)形成されている。
【0048】
第2嵌合凹部66は、鍔部58に周方向部分的に形成され、複数の第2嵌合凸部46に嵌合可能になっている(図5参照)。より具体的には、第2嵌合凹部66は、鍔部58の外周部で外側に向けて開口し、第2嵌合凸部46と同じかそれより大きい内部空間を有する凹状に設定されている。すなわち、この第2嵌合凹部66は、第1嵌合凹部62より深い凹状に形成されている。ここでは、第2嵌合凹部66は、第2嵌合凸部46に対応して複数(ここでは4つ)形成されている。
【0049】
複数の第2嵌合凹部66のうちの一部は、鍔部58の直線部分に形成されている。ここでは、2つの第2嵌合凹部66が、鍔部58の一対の直線部分のそれぞれ対向する中間部に形成されている。また、他の2つの第2嵌合凹部66は、曲線部分のそれぞれ対向する中間部に形成されている。すなわち、4つの第2嵌合凹部66は、鍔部58の周方向において略等間隔に設けられる。
【0050】
そして、第1嵌合凹部62及び第2嵌合凹部66は、鍔部58の周方向において、4つの第2嵌合凹部66の各間に第1嵌合凹部62が2つずつ設けられ、それぞれ略等間隔に位置するよう設定されている(図5参照)。
【0051】
係止部54は、車体パネル2aの裏面に係止可能に形成され、鍔部58が溝部38内に収容された状態で、密着部34を車体パネル2aの表面に対して車体貫通孔部2hの周囲に押付けるように、鍔部58を車体貫通孔部2hの貫通方向に位置規制するようになっている(図1、図3参照)。より具体的には、係止部54は、挿通部52の外周部から周方向部分的に外側に向けて突出するように挿通部52に一体形成されている。ここでは、係止部54は、爪状に形成されている。
【0052】
上記係止部54は、例えば、挿通部52の外周面から隆起する爪状に形成されてもよいし、自身が弾性変形するように挿通部52の外周部から舌状に延出する爪状に形成されていてもよい。すなわち、係止部54は、インナー部材50を車体貫通孔部2hに挿通する際に、主に挿通部52が弾性変形することにより車体貫通孔部2hを通過するものでも、自身が弾性変形することにより車体貫通孔部2hを通過するものでもよい。また、係止部54は、挿通部52の先端部から基端部に向けて、挿通部52の外周部から外側に突出寸法が順次大きくなるテーパー形状に形成されている。この係止部54のテーパー形状により、インナー部材50は、車体貫通孔部2hに嵌入し易くなっている。
【0053】
もっとも、係止部54は、挿通部52に一体形成されるものに限定されず、挿通部52とは別体(例えば鍔状)で形成され、挿通部52を車体貫通孔部2hに挿通した状態で鍔部58を上記のように位置規制するように挿通部52の先端部に嵌合、螺合等により取り付けられてもよい。また、係止部54は、爪状に限られず、挿通部52の外周部から円弧状に突出する形状等、車体パネル2aの裏面に係止可能であればよい。
【0054】
この係止部54は、挿通部52の軸方向一端部(基端部)に形成されている鍔部58に対して、他端部(先端部)側に離間して形成されている。より具体的には、係止部54は、挿通部52が車体貫通孔部2hに挿通された状態で、先端部が車体貫通孔部2hの開口縁部より外側に突出するように形成されている。
【0055】
係止部54は、複数(ここでは4つ)設けられている。より具体的には、4つの係止部54は、挿通部52の対向する一対の直線部分の中間部にそれぞれ形成されていると共に、曲線部分の中間部にそれぞれ形成されている。すなわち、4つの係止部54は、挿通部52の周方向において等間隔に設けられている。そして、挿通部52のうち弾性変形しやすい直線部分には、外周面から隆起する形状の係止部54が形成され、曲線部分には自身が弾性変形する舌状の係止部54が形成されている。
【0056】
上記複数の第2嵌合凹部66と複数の係止部54との関係では、鍔部58の周方向において、複数の第2嵌合凹部66と複数の係止部54とがそれぞれ略同位置に形成されている。より具体的には、第2嵌合凹部66は、平面視において、挿通部52の外周部に対する係止部54の突出形状より大きい内部空間を有するように形成されている。すなわち、第2嵌合凹部66は、平面視において、係止部54が鍔部58と重ならないように形成されている。
【0057】
第1装着部20は、上記インナー部材50をアウター部材30に嵌入されて構成される。まず、インナー部材50の鍔部58をアウター部材30の溝部38内に配設する。より具体的には、本体部32の一端側部分32aの内周側部分を外周側に広げるように弾性変形させて、鍔部58を一端側部分32aの内周側を通過させて溝部38内に収容する。このとき、一端側部分32aの弾性変形は、周方向において、第1嵌合凸部42も第2嵌合凸部46も形成されていない部分で大きく、第2嵌合凸部46が形成された部分では僅かである。また、周方向において第1嵌合凸部42が形成された部分の一端側部分32aの弾性変形は、内周側部分で大きく、外周側部分では僅かである。
【0058】
つまり、鍔部58の溝部38に対する嵌入し易さの観点では、溝部38の周方向において、第1嵌合凸部42が形成されている部分では、一端側部分32aの内周側部分が自由端であって弾性変形し易いため、溝部38内に鍔部58を嵌入し易くなっている(図9参照)。
【0059】
鍔部58が溝部38内に配設されると、複数の第1嵌合凸部42がそれぞれ複数の第1嵌合凹部62に嵌合すると共に、複数の第2嵌合凸部46がそれぞれ複数の第2嵌合凹部66に嵌合する。
【0060】
つまり、一端側部分32aの捲れ難さの観点では、溝部38の周方向において第1嵌合凸部42が形成されている部分では、第1嵌合凸部42によって一端側部分32aの外周側部分が他端側部分32bに対して連結されているため、一端側部分32aは、全体として捲れ難くなっている(図9参照)。また、第2嵌合凸部46が形成されている部分では、第2嵌合凸部46によって一端側部分32aが内周側から外周側に亘って他端側部分32bに対して連結されているため、一端側部分32aはより捲れ難くなっている(図8参照)。
【0061】
また、インナー部材50の挿通部52は、鍔部58に対して先端側に隣接する部分が一端側部分32aの内側に配設される(図7〜図9参照)。なお、係止部54の位置は、第1装着部20の軸方向において、密着部34が車体パネル2aに押付けられて変形したときに、係止部54の係止部分(先端部)と密着部34との間に車体パネル2aを配設可能な程度の隙間が設けられるように設定されている。ここでは、係止部54は、密着部34の車体パネル2aに対する密着性をより高めるように、係止部分が変形前の外側密着部36の先端部より本体部32側に位置するようになっている。
【0062】
そして、上記のように構成された第1装着部20は、車体貫通孔部2hに対して、車体パネル2aの表面側から裏面側に向けて嵌入されることにより装着される。より具体的には、インナー部材50の挿通部52が、先端側から車体貫通孔部2h内に挿通される。挿通部52が挿通されるのに伴って、係止部54は、テーパー部分が車体貫通孔部2hの開口縁部に当接して、インナー部材50の内周側に押される。すなわち、係止部54自体或いは挿通部52が、挿通部52の内周側に向けて弾性変形される。そして、係止部54の係止部分が車体貫通孔部2hを越える位置まで挿通部52が挿通されると、係止部54(或いは挿通部52)が弾性復帰することにより、係止部54は、車体貫通孔部2hの周囲の車体パネル2aの裏面に対して係止する。
【0063】
挿通部52が車体貫通孔部2hに挿通されるのに伴って、密着部34は、車体パネル2aの表面に押付けられていく。より具体的には、外側密着部36は、先端部が車体パネル2aの表面に接触した位置から、先端部が徐々に外周側に広がるように弾性変形されていく。そして、係止部54が車体パネル2aの裏面に係止した状態で、先端側部分が車体貫通孔部2hの周囲で車体パネル2aの表面に対して環状に面接触した状態となる。また、内側密着部35は、外側密着部36より後に車体パネル2aの表面に接触し、当該接触した位置から先端部が僅かに外側に広がるように弾性変形されていく。そして、係止部54が車体パネル2aの裏面に係止した状態で、先端部が、外側密着部36より内側且つ車体貫通孔部2hの周囲で車体パネル2aの表面に対して環状に線接触した状態となる。この状態で、密着部34は、その内部と外部との間で水密性を保っている。
【0064】
上記のようにして、第1装着部20は、車体貫通孔部2hに対して水密性を保って装着される。また、第1装着部20は、管部90内に挿通配設されたワイヤーハーネスWHを、車体貫通孔部2hの開口縁部から保護すると共に車体パネル2aの表面側と裏面側との間で案内する。
【0065】
そして、グロメット10は、第1装着部20が車体貫通孔部2hに装着されると共に、第2装着部80がドア貫通孔部8hに装着されることにより、車体2とバックドア8との間に配策されるワイヤーハーネスWHを保護する。すなわち、グロメット10は、ワイヤーハーネスWHを、車体貫通孔部2h及びドア貫通孔部8hから保護すると共に、車体2とバックドア8との間で外部からの接触、衝撃等から保護する。
【0066】
第2装着部80は、上記第1装着部20と同様の構造を採用してもよいし、異なる構造を採用してもよい。以下、第2装着部80の構造として、第1装着部20と異なる構造について説明する。
【0067】
第2装着部80は、管部90に挿通されるワイヤーハーネスWHを、ドアパネル8aの表面側と裏面側との間でドア貫通孔部8hに挿通可能なように、管部90の他端部に連続して形成された中空状部分である(図1参照)。この第2装着部80は、挿通部82と、第1密着部84と、第2密着部86とを有している(図1、図2参照)。挿通部82は、ワイヤーハーネスWHを挿通可能で且つドア貫通孔部8hに挿通可能に形成されている。第1密着部84及び第2密着部86は、挿通部82の一方側又は他方側に連続して形成され、挿通部82をドア貫通孔部8hに挿通した状態でドアパネル8aの表面又は裏面に水密性を保って密着するように形成されている。第2装着部80は、ゴム等のエラストマーで形成されている。
【0068】
そして、第2装着部80は、ドア貫通孔部8hに対して、ドアパネル8aの表面側或いは裏面側から挿通部82がドア貫通孔部8hの内側に配設される位置に、弾性変形されつつ挿通状に嵌め込まれて装着される。ドア貫通孔部8hに装着された第2装着部80は、ワイヤーハーネスWHをドア貫通孔部8hの開口縁部から保護する。
【0069】
これまで、第1装着部20がグロメット10の一部である例で説明してきたが、当然にグロメット10がアウター部材30とインナー部材50とを有する第1装着部20のみを備える構成であってもよい。また、第1装着部20が組込まれるグロメット10は、他の構成のものでもよい。
【0070】
上記のように構成された第1装着部20によると、アウター部材30には、溝部38の周方向部分的に、その底部38bから開口部38a側に向けて深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部42が複数形成されている。このため、周方向において第1嵌合凸部42が形成された位置で、本体部32の一端側部分32aと他端側部分32bとが溝部38の底部38bから深さ方向中途部までの位置で連結され、一端側部分32aが捲れることを抑制することができる。また、第1嵌合凸部42が溝部38の深さ方向中途部まで形成されている態様により、本体部32の一端側部分32aは、第1嵌合凸部42より溝部38の開口部38a側の部分が比較的弾性変形しやすく、アウター部材30に対してインナー部材50を嵌入しやすくなっている。よって、アウター部材30に対するインナー部材50の取付作業性を維持しつつ、アウター部材30の一端側部分32aの捲れを抑制することができる。
【0071】
また、第1嵌合凸部42が溝部の底部側から開口部側に向けて順次幅狭になるように(ここでは、平面視略半円凸状に)形成されているため、一端側部分32aが第1嵌合凸部42の先端部付近でより弾性変形しやすいと共に、第1嵌合凸部42に第1嵌合凹部62が嵌合する際に引っ掛かりを抑制できる。これにより、アウター部材30に対してインナー部材50を嵌入し易く取付作業性がよくなっている。
【0072】
また、アウター部材30が、溝部38の両側壁を連結する態様で、溝部38の底部38bから開口部38aまで突出する第2嵌合凸部46を有している。このため、本体部32の一端側部分32aと他端側部分32bとが溝部38の深さ方向全体に亘って連結されており、アウター部材30の一端側部分32aの捲れをより効果的に抑制することができる。
【0073】
また、アウター部材30には、本体部32のうち曲線部分と比較して捲れが発生し易い直線部分に対応する位置に、第2嵌合凸部46が形成されている。これにより、アウター部材30の一端側部分32aの捲れをより効果的に抑制することができる。
【0074】
また、第2嵌合凹部66が、鍔部58の周方向において係止部54と略同位置に形成されている。このため、インナー部材50を金型成型で製造する場合、係止部54のうち挿通部52の基端側(鍔部58側)に面している部分を、金型のうち第2嵌合凹部66を形成するように第2嵌合凹部66が有する内部空間の位置を通じて移動される部分により形成することができる。よって、インナー部材50の製造に係る金型数を削減して設備費等を軽減することができる。
【符号の説明】
【0075】
2a 車体パネル
2h 車体貫通孔部
10 グロメット
20 第1装着部
30 アウター部材
32 本体部
34 密着部
38 溝部
38a 開口部
38b 底部
42 第1嵌合凸部
46 第2嵌合凸部
50 インナー部材
52 挿通部
54 係止部
58 鍔部
62 第1嵌合凹部
66 第2嵌合凹部
WH ワイヤーハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のパネルに形成された貫通孔部に装着されるグロメットであって、
アウター部材と前記アウター部材に嵌入されるインナー部材とを備え、
前記アウター部材は、
環状に形成されている本体部と、
前記本体部の一端部に設けられ、前記パネルの表面に対して前記貫通孔部の周囲に密着可能な環状の密着部と、
前記本体部の内周部に、内周側に向けて開口するように形成されている溝部と、
前記溝部内に周方向部分的に形成され、前記溝部の両側壁を連結する態様で、前記溝部の底部から開口部側に向けて深さ方向中途部まで突出する第1嵌合凸部とを有し、
前記インナー部材は、
前記ワイヤーハーネスを挿通可能で且つ前記貫通孔部に挿通可能な筒状の挿通部と、
前記挿通部の外周部に形成され、前記溝部内に収容可能な鍔部と、
前記鍔部に周方向部分的に形成され、前記第1嵌合凸部に嵌合可能な第1嵌合凹部と、
前記パネルの裏面に係止可能に形成され、前記鍔部が前記溝部内に収容された状態で、前記密着部を前記パネルの表面に対して前記貫通孔部の周囲に押付けるように、前記鍔部を前記貫通孔部の貫通方向に位置規制する係止部とを有しているグロメット。
【請求項2】
請求項1に記載のグロメットであって、
前記第1嵌合凸部は、前記溝部の底部側から開口部側に向けて順次幅狭になるように形成されているグロメット。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のグロメットであって、
前記アウター部材は、前記溝部内に周方向部分的に形成され、前記溝部の両側壁を連結する態様で、前記溝部の底部から開口部まで突出する第2嵌合凸部をさらに有し、
前記インナー部材は、前記鍔部に周方向部分的に形成され、前記第2嵌合凸部に嵌合可能な第2嵌合凹部をさらに有しているグロメット。
【請求項4】
請求項3に記載のグロメットであって、
前記アウター部材の前記本体部と前記インナー部材の前記鍔部とは、それぞれ、直線部分及び曲線部分を有する環状に形成され、
前記本体部の直線部分に、前記第2嵌合凸部が形成され、
前記鍔部の直線部分に、前記第2嵌合凹部が形成されているグロメット。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のグロメットであって、
前記係止部は、前記挿通部の外周部から周方向部分的に外側に向けて突出するように前記挿通部に一体形成され、
前記第2嵌合凹部は、前記鍔部の周方向において、前記係止部と略同位置に形成されているグロメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−223747(P2011−223747A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90364(P2010−90364)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】