説明

グローブボックス用の電動作業装置及び電動作業装置を装備したグローブボックス

本発明は、モータ部(10)によって駆動されるように構成された受け取り部分(8)を有する、グローブボックス(4)用の電動作業装置(1)に関する。本発明は、受け取り部分には、当該受け取り部分をグローブボックスの内側で、当該グローブボックスに設けられたドッキングシリンダ(6)に取り付けることができるように構成された主取り付け手段(12)が設けられること、及びモータ部は、グローブボックスの外側で上記モータ部を同じドッキングシリンダに取り付けることができるように構成された補助取り付け手段(32)が設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[説明]
本発明は、包括的には密閉容器を画定するグローブボックスの分野、及びこれらのグローブボックスの内部で動作することを意図された電動作業装置に関する。
【0002】
したがって、本発明は、そのようなグローブボックスを使用する任意の産業、たとえば、薬学、化学、化粧品、農産物等の産業に適用されると考えられる。
【0003】
しかしながら、本発明は、原子力分野において、最も格別に適用されるが、しかしこれに制限されるものではない。たとえば、特にMOX燃料等の核燃料の製造するための核粉末を取り扱う分野、又は、たとえば、グローブボックスの清掃又は解体の分野である。
【0004】
本発明はまた、少なくとも1つのドッキングシリンダを有するグローブボックスに電動作業装置を組み付ける方法に関する。ここで、この電動作業装置は、たとえば真空掃除機、ドリル、のこぎり、研摩機、チェーンソー、パンチ等のタイプである。
【背景技術】
【0005】
[従来技術の状況]
密閉容器を画定するグローブボックスは、核燃料の製造分野で、特にMOX燃料ペレットを製造する構造物内で、広く知られている。
【0006】
これらのペレットは、実際に密閉容器内で、適当な規格内の範囲の超高圧下で圧縮されたプルトニウム及び酸化ウランの粉末を集合させることによって形成され、この圧縮作業に続いて、乾式研摩による修正作業が行われる。
【0007】
この最後の作業により、密閉容器内に大量の残留粉末が出ることは避けられない。したがって、製造物の品質という明らかな理由のため、グローブボックスは通常、異なったグレードのペレットを製造する段階間で清掃され、これらの清掃段階は「グレード間キャンペーン」とも呼ばれる。
【0008】
必要な清掃を行うために、グローブボックスは、グローブボックスの内部に堅固に、且つ全体的に追加された1つ又は複数の真空掃除機を備えている。このことは、第1に、このボックスの統合性に悪影響を及ぼすこと、比較的長いセットアップ時間を必要とすること、さらに、このグローブボックスの内部の空間を相当に占めることにより、悲惨な結果を有する。
【0009】
さらに、密閉容器内に広がっている、核燃料粉末が大量に存在することによって生じる研摩が発生しやすい環境のため、真空掃除機、特にそれのモータ部は、寿命が短いとともに信頼性が低く、また、寿命及び信頼性は、グローブボックス内に生じる高温及び窒素雰囲気によって変化することに留意されたい。
【0010】
実際に、40℃〜50℃程度の高温は、真空掃除機のモータ部が急速に過熱しやすいことを暗に意味する一方、研摩粉末は、わずかに数時間の作業後、又はさらに短時間後でも、このモータ部のロータの短絡を不可避的に発生させる。
【0011】
したがって、真空掃除機を頻繁に交換する必要があり、これは同時に、大量の廃棄物、長い介入時間、及びもちろん作業員の相当な線量測定値に関連した作業員の制約を生じる。
【0012】
また、この従来技術の構造に関連した別の欠点は、グローブボックスの内部に設置された真空掃除機が、吸い込むべき粉末が局所的に存在するために、吸い込み用フレキシブルホースを相当な長さにして使用できなければ最適な吸い込みを行わないことである。この最後の場合、吸い込みフレキシブルホースが特に相当に長いことは、廃棄物の量を少なからず増加させ、特に、グローブボックス内部の嵩高及び取り扱いやすさの点で欠点になる。
【0013】
吸い込みを最適化することは、グローブボックスを清掃する作業のとき及びグローブボックスを解体するときにも求められ、直接的に(汚染物質を有する)埃か、又は一度使用されてから、乾燥した形で再び見つけられる汚染除去製品(たとえば、文献フランス公開特許第2746328号に記載されている有機無機質汚染除去ゲル)のいずれか一方を吸い上げなければならないことが指摘される。
【0014】
最後になるが、問題が、グローブボックスに真空掃除機以外の電動作業装置、たとえばドリル、のこぎり、研摩機、チェーンソー、さらにはパンチ等を装備することである場合でも、同一又は同様の欠点及び、おそらくは他の欠点も発生することが指摘される。
【0015】
他方、上記欠点の少なくとも一部は当然ながら、他のタイプの産業、たとえば薬学、化学、化粧品、さらには農産物の産業等に用いられるそのような電動作業装置を備えたグローブボックスにも見られる。
【発明の開示】
【0016】
[発明の目的]
したがって、本発明の目的は、グローブボックス用の電動作業装置及び、少なくとも1つのドッキングシリンダを有するとともにそのような装置を備えるグローブボックスを提案することであり、この装置及びこのグローブボックスは、従来技術の実現に関する上記欠点を少なくとも部分的に改善する。
【0017】
また、本発明の目的は、そのような電動作業装置をグローブボックスに組み付ける方法も提供することである。
【0018】
これを行うために、本発明の目的は、第1に、モータ部によって駆動される受け取り部分を有する、グローブボックス用の電動作業装置である。本発明によれば、受け取り部分は、この受け取り部分をグローブボックスの内側でグローブボックスに設けられたドッキングシリンダに取り付けることができるように構成された主取り付け手段を有する。また、モータ部は、このモータ部をグローブボックスの外側で同じドッキングシリンダに取り付けることができるように構成された補助取り付け手段を有する。
【0019】
さらに、本発明の目的はまた、機材を受け取ることができるように構成された少なくとも1つのドッキングシリンダを備えるグローブボックスである。このグローブボックスは、さらに、モータ部によって駆動されることができるとともにこのグローブボックス内で動作することが意図される受け取り部分を有する電動作業装置を備える。グローブボックスである。本発明によれば、グローブボックスのドッキングシリンダに組み付けられた電動作業装置は、たとえば、以上に記載されるとともに本発明の目的でもあるものである。
【0020】
したがって、本発明は、画期的なやり方で、グローブボックスのドッキングシリンダに電動作業装置を直接的に取り付けることができるようにする。その際、関連するドッキングシリンダの統合性、又はグローブボックスのいずれの他の構成要素の統合性を変更する必要はない。実際に、受け取り部分及びモータ部をそれぞれドッキングシリンダに取り付けるための主取り付け手段及び補助取り付け手段は、内側保護シール蓋、又は外側安全リング等でもある他の標準構成要素又は機材を組み付けることができるようにするという既知の目的で、最初にこのドッキングシリンダに設けられている相補手段と直接的に協働することができるような特殊構成になっている。
【0021】
グローブボックスの統合性は、電動作業装置を取り付けることによって変更されることはないので、この装置を取り付けるための時間及び難しさが好都合にも減少する。
【0022】
さらに、装置のモータ部は、グローブボックスの内部に位置しておらず、完全にその外側にあり、このことは、好都合にもモータ部がもはや、高温、窒素雰囲気、さらには大量の粉末の存在による研摩環境等の制約的な内部状態に晒されないことを意味することを理解されたい。
【0023】
当然ながら、この特殊性は、モータ部の、さらに全体的には電動作業装置全体の寿命及び信頼性の大幅な増加を生じる。さらに、この改良により、廃棄物の量の減少、電動装置の交換に関連する介入時間の大幅な短縮、したがって、作業員に関連した線量測定値の無視できない低下ももたらす。
【0024】
また、モータ部は密閉容器内に位置しないので、それの嵩高及びそれの冷却はもはや大した問題ではなく、したがって、このモータ部を以前よりはるかに大容量形にし、それによってその性能を高めることが容易に考えられるであろう。したがって、電動作業装置が真空掃除機であるとき、能力をより高くすることにより、グローブボックスの清掃を目的とする「グレード間キャンペーン」の継続時間を相当に短縮することができ、これは、作業員の線量測定値を減少させることにも好都合に貢献する。
【0025】
当業者には既知のやり方で、標準グローブボックスは一般的に、複数の同一又は同様のドッキングシリンダを備えており、このことは、電動作業装置をこの複数のドッキングシリンダの各々に交互に取り付けることができることを意味する。
【0026】
したがって、電動作業装置が真空掃除機であるとき、相当に長いフレキシブルホースを必要とすることなく、グローブボックスの内部に位置する粉末の特定の局在性に従って、真空掃除機を支持するドッキングシリンダを選択するだけで、粉末の最適な吸い込みを行うことも容易に可能である。
【0027】
さらに、モータ部及び受け取り部分の着脱は容易且つ迅速に適用されるので、粉末の局在性に従って常に吸い込みを最適化する目的で、真空掃除機を1つのドッキングシリンダから別のものへ、同一の「グレード間キャンペーン」中に幾度も容易に移動させることができる。
【0028】
好ましくは、電動作業装置は、主取り付け手段が、ドッキングシリンダを支持する内側フランジに設けられたねじ穴と協働するねじを有し、また、補助取り付け手段が、バヨネットネット式の(bayonet type)の取り付けを行うために、ドッキングシリンダ上に設けられたランプと協働する突出部を設けたブラケットを有するようになっている。
【0029】
言い換えると、受け取り部分は、ドッキングシリンダを支持する内側フランジに最初に設けられたねじ穴に取り付けられる。実際にこれらの穴は元来、主に内側保護シール蓋を取り付けることができるように設けられて、グローブ等の関連のシリンダ内に収容されたフレキシブル機材が負圧下でグローブボックス内で吸い上げられるのを防止することを意図している。したがって、「取り外し式蓋」とも言われる内側保護シール蓋は、電動作業装置がドッキングシリンダに組み付けられているときは取り付けられず、通常は第1群の上記ねじ穴にねじ留めされたヒンジに結合されて、閉鎖ラッチによってロックされることができる。閉鎖ラッチ自体は、第2群の上記ねじ穴にねじ付けられ、また、第1群の穴及び第2群の穴は一般的に、内側支持フランジ上で直径方向に向き合っている。
【0030】
さらに詳しく述べると、好ましくは、主取り付け手段が、上述したねじ及びねじ穴によってドッキングシリンダを支持する内側フランジ上に取り付けられる2つのクリートとともに、受け取り部分のケースをクリート上に組み付けるための刻み付きねじをさらに有することが提案される。
【0031】
したがって、モータ部について言うと、補助取り付け手段は、最初にドッキングシリンダに設けられたランプに取り付けられる。実際にこれらのランプは元来、主にドッキングシリンダ内に収容された機材の抜き取り時に支持を行うために外側安全リングを設置することができるように、又はさらに、射出キャノンを対応のシリンダに結合させることができるように設けられている。これらの2つのケースの各々の内部で、回り止めストッパを設けたらせん形ランプにより、ドッキングシリンダとこれに結合された構成要素との間をバヨネット式に取り付けることが可能である。これらの結合はもちろん、モータ部が対応のシリンダに組み付けられているときにはできない。
【0032】
以上を鑑みて、提案の電動作業装置は、フランス公開特許第2652143号に例示的な実施形態が特に記載されている、「LA CALHENE」(登録商標)タイプのドッキングシリンダに組み付けられるのに特に適することがわかるであろう。
【0033】
一般的に、これらのドッキングシリンダは実際に、バヨネット式連結を行うことができるようにするらせん形ランプとともに、上記のようなねじ穴を有する。したがって、本発明の目的である電動作業装置を受け取るための何らかの形状変更をまったく必要としない。
【0034】
好ましくは、装置は、磁気駆動部を備える。その場合、モータ部が、永久磁石を設けた駆動板を有し、受け取り部分が、やはり永久磁石を設けた受け取り板を有する。この時、好ましくは永久磁石をそれぞれの板に放射状に、すなわち、「リングとして」配置することが考えられ得る。
【0035】
このように、動作中、板は互いに向き合う位置にあって、ドッキングシリンダ内に収容された機材によって分離されていることにより、既存の密閉性を変えることなく、又はグローブボックスの初期形状を変更する必要なく、十分な無接触駆動を実現することができる。
【0036】
さらに、ドッキングシリンダに取り付けられた電動作動装置は、最初に広がっている安全且つ保全状態の永続性を保証する。
【0037】
前述したように、装置は真空掃除機でもよく、それにより、受け取り部分は、吸い込みフレキシブルホースに接続するための管状スリーブを設けた吸い込みらせん体であることを意味する。
【0038】
したがって、電動作業装置をグローブボックスに組み付けたとき、受け取り部分及びモータ部は、ドッキングシリンダに取り付けられた機材によって実際に分離され、この機材は好ましくは、窓又は中実シール蓋である。
【0039】
さらに好ましくは、グローブボックスは複数のドッキングシリンダを備え、その各々が交互に電動作業装置を受け取ることができる。これは、先に指摘したものから明らかになるように、装置が真空掃除機の形をとる場合、それを異なったドッキングシリンダに交互に取り付けることができることにより、グローブボックスによって画定された密閉容器の容積全体を適当に探査することができる。したがって、「グレード間キャンペーン」中に粉末の吸い込みを高度に最適化することができる。したがって、本発明の範囲から逸脱することなく、同時に幾つかの作業装置をさまざまなドッキングシリンダに取り付けることも当然ながら考えられると言える。
【0040】
たとえば、負圧下で働くグローブボックスは、核燃料の製造分野において特に適用されるが、それは、薬学、化学、化粧品、さらには農産物産業等の他のタイプの産業にも適用され得る。
【0041】
同様に、真空掃除機が、電動作業装置の好適な実施形態であっても、電動作業装置は、ドリル、のこぎり、研摩機、チェーンソー、パンチ、又はグローブボックスの内部で必要となりやすい任意の他の電動装置の形を取ってもよい。
【0042】
最後に、本発明の目的はまた、機材を受け取ることができるように構成された少なくとも1つのドッキングシリンダを有するグローブボックスに電動作業装置を組み付ける方法である。本発明によれば、本方法は、
電動作業装置の受け取り部分をグローブボックスの内部に導入するステップと、
受け取り部分をグローブボックスのドッキングシリンダに取り付けるステップと、
グローブボックスの外側で、モータ部をドッキングシリンダに取り付けるステップと、
を含む。
【0043】
本発明の他の利点及び特徴は、以下の非制限的な詳細な説明から明らかになるであろう。
【0044】
添付の図面を参照しながら、説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
[好適な実施形態の詳細な説明]
まず、本発明の好適な実施形態として現れる電動作業装置1を示す図1を参照すると、やはり本発明の目的であり、負圧下で働くことができるグローブボックス4に属する壁2の一部分も見えるであろう。
【0046】
密閉容器5を画定するグローブボックス4の壁部分2は、グローブ、窓、バッグ、中実シール蓋等の既知の装備品を受け取ることができる、LA CALHENE(登録商標)タイプのドッキングシリンダ6を有する。もちろん、図1に単一のドッキングシリンダ6が見える場合でも、実際のグローブボックス4は、複数の同一又は同様なドッキングシリンダを有し、その数は、このグローブボックス4の寸法によって決まることを理解すべきである。さらに、グローブボックスは、当業者には既知の任意の他の標準装備品、たとえば1つ又は幾つかのエアロックを含むこともあるであろう。
【0047】
グローブボックス4が核燃料の製造用であり、電動作業装置1が真空掃除機であるこの好適な実施形態では、真空掃除機は全体的に、無接触駆動部を備える、好ましくは磁気駆動部を備える2つの別個の部分8、10として現れることが指摘される。
【0048】
実際に、真空掃除機1は、密閉容器5内でドッキングシリンダ6に取り付けられる受け取り部分8又は吸い込みらせん体を備えるとともに、同じシリンダ6に取り付けられるのであるが、グローブボックスの外側で取り付けられるモータ部10を備える。
【0049】
これを行うために、受け取り部分8は、まずは2つのクリート14(図1には1つだけが固定位置に示されている)を有する主取り付け手段12を有する。クリートの各々は、ドッキングシリンダ6に、特にそれの内側支持フランジ16にねじ付けることによって組み付けられるようになっている。このフランジ16は実際に、壁2の内面上にシール可能に支持され、好ましくはLexan(登録商標)で形成される。
【0050】
支持フランジ16にはこのフランジ16上で、直径方向において正反対の位置に、2つずつ2群にして分散された4つのねじ穴18が最初から設けられているので、両方のクリート14はそれぞれ、この目的で設けられるとともに主取り付け手段12に属する2つのねじ20によって、フランジに容易に取り付けられるであろう。
【0051】
受け取り部分8のケース22は、2つのラグ24を有し、互いに直径方向において正反対の位置にある(斜視図であるために常に1つだけが見える)。各ラグ24は、この受け取り部分8をドッキングシリンダ6に対して適切に位置付けるために、対応のクリート14の上部分及び前部分にぴったりと接して支持されることができるように構成されている。
【0052】
これらのラグ24をクリート14上にしっかり取り付けるために、主取り付け手段12はさらに、直径方向において正反対の位置にある2つのクリート14にそれぞれ対応付けられた、2つの紛失しがたいように構成された、刻み付きねじ26を有し、紛失しがたい刻み付きねじ26の各々は、ラグ24を貫通して、対応のクリート14に設けられたねじ穴28と協働するようになっている。
【0053】
さらに受け取り部分8について言うと、これは好ましくは2つの管状スリーブ30a、30bを有し、それらは、たとえばケース22にねじ付けることによって組み付けられ、それぞれ吐き出し及び吸い込みを目的としている。
【0054】
選択した輪郭に応じて、「グレード間キャンペーン」中に、密閉容器5内に含まれる粉末を吸い上げることによるボックス4の清掃を続行することができるという目的で、吸い込みフレキシブルホース(図示せず)が、このグローブボックス4の内側でスリーブ30bに連結される。そういうものとして、吸い込みらせん体8は好ましくは、下流側で、サイクロンデキャンタポットに、又は埃及び他の粒子を回収するための任意のフィルタに接続されることが指摘される。
【0055】
さらに、真空掃除機1のモータ部10は、主にブラケット34を備える補助取り付け手段32を有しており、ブラケット34は、(図1には示していないが、図2に47で示す)回り止めストッパを設けた4つのらせん形バヨネットランプとそれぞれ協働する4つの突出部36を備えている。これらのランプは全体的に、同一円の周りに配置され、好ましくはドッキングシリンダ6の端部に機械加工されている。もちろん、上記突出部及びランプを、4より多い、又は少ない数で設けてもよい。
【0056】
このように、対称的に位置付けられるとともに、それぞれ概ね環状部分の形をした4つのらせん形ランプ及び4つの突出部36は、ドッキングシリンダ6への外側安全リングの、当業者には既知の取り付けを行うやり方と全く同じやり方で、ドッキングシリンダ6の簡単な手動回転を実施することによって、モータ部10及びこの同じドッキングシリンダ6間をバヨネット式に取り付けることができる。
【0057】
また、モータ部10は、ドッキングシリンダ6の外側円筒部分44の外面と一致するリング形端部分38を有する。これは、このモータ部をドッキングシリンダ6に対して適当に位置決めするという明白な目的を有する。さらに、リング形端部分38は、ブラケット34と同軸的に、且つそれの周囲にそれから距離をおいて位置付けられ、これは、次に説明する図2でよりわかりやすい。さらにその時、端部分38及びブラケット34間に位置する環状空間は、ドッキングシリンダ6の環状外端部を受け取るためのものである。
【0058】
したがって、図1の平面Pに沿った断面図を示す図2を参照すると、この水平面Pは両方のクリート14を切るように真空掃除機1を直径方向に横断するので、この真空掃除機1は、グローブボックス4に取り付けられた構成配置に示されるであろう。
【0059】
したがって、真空掃除機1をグローブボックス4に装備するとき、まず第1に、関連のドッキングシリンダ6内に収容された機材42によって受け取り部分8及びモータ部分10を分離することが明らかになり、この機材42は、窓又は中実シール蓋から成る。
【0060】
機材42は、当業者には既知のやり方で、シリンダ6内に保持される。すなわち、機材42は、特に、動作位置での静止用シール、及び射出キャノンによる初期セットアップの場合には運動用シール、の両方の機能を与えるリップガスケット43を用いて、かつ、シリンダ6内に機械加工された溝の内部に締め付けられるフランジ45を用いて、シリンダ6内に保持される。
【0061】
一方、ステンレス鋼ドッキングシリンダ6をグローブボックス4の壁2上に保持することは、内側支持フランジ16によって、及び、密閉容器5の外側にねじ付けられて、この同じ内側支持フランジ16上に設けられた溝内に配置されたOリングガスケット48を押しつぶすねじ46によって、行われることが想起される。
【0062】
モータ部10による受け取り部分8の無接触駆動を達成するために、自然起源の磁気、すなわち永久磁石を使用する。
【0063】
したがって、モータ部10は、回転軸52に対して及びモータ54の出力軸56に対して垂直に位置付けられた駆動板50を有する。この板50には、放射状に、すなわち王冠のように、配置された、永久磁石58が設けられている。非制限的な例として、永久磁石58は、数が4つであって、駆動板50上に対称的に配置されている。
【0064】
同様に、受け取り部分8は、回転軸62に対して及びらせん体の出力軸63に対して垂直に位置付けられた受け取り板60を有する。この板60にも、放射状に配置された永久磁石64が設けられている。ここでもやはり、永久磁石64は、数が4つであって、駆動板60上に対称的に配置されている。もちろん、本発明の範囲から逸脱することなく、磁石58、64を、4より多い、又は少ない数で設けてもよい。
【0065】
したがって、駆動板50は、窓42の外面に面している一方、受け取り板60は、この同じ窓42の内面に面しており、両方の板50、60が互いに向き合い、且つ互いに平行であることを暗に意味することがわかるであろう。
【0066】
もちろん、真空掃除機1を図2に示すように組み付けたとき、両方の板50、60を隔てている距離は、動力伝達が、磁束によって、窓42の壁を通して行われるような状態にある。
【0067】
一例として、受け取り板60を任意手段によって保護し、それにより、受け取り板を作業員が容易に清掃できることに留意されたい。
【0068】
さらに、真空掃除機1のモータ部10に関して、この部分は、モータ54に対応付けられた電子システムを備える。このシステムにより、モータ54をいかなる電気損傷からも保護することができるが、特にモータを徐々に始動させることができる。この時、可変電位差計により、モータ54の回転速度を適応させ、それによって吸い込みらせん体8によって生じる気体脈の流量及び速度を適応させることが可能である。このようなことが可能であるため、吸い込むべき材料の粒度を選択し、それにより、微細埃、断片及びより大きい破片間の分離を行うことが有利になる。
【0069】
電動作業装置1の組付けを達成するために、本発明の好適な実施形態による方法はまず、この装置1を支持するためのドッキングシリンダ6を、グローブボックス4上に存在する多数のシリンダから選択することから成る。この選択は、たとえば、吸い込むべき粉末の局在性に従って行われる。
【0070】
次に、窓又は中実シール蓋タイプの機材42を、射出キャノンによって保持されたドッキングシリンダ6内に収容し、それにより、この作業はもちろん、そのような機材がこの場所にまだ存在してはいないときにだけ実施される。
【0071】
その後、エアロック等の、当業者には既知の標準手段によるグローブボックス4内への受け取り部分8の導入を続行する。
【0072】
次に、クリート14を内側支持フランジ16のねじ穴18にねじ留めするが、固定ねじ20がこれらの同じクリート14から突出しないようにする。それにより、クリートはドッキングシリンダ6上に永久的にとどまるであろう。
【0073】
クリート14をここで設置したので、ケース22の両方のラグ24をクリート14に当てて適当に位置付け、次に、刻み付きねじ26をクリート14のねじ穴28にねじ込むことで十分である。したがって、刻み付きねじ26をラグ24を挿通してねじ込むことにより、受け取り部分8をドッキングシリンダ6上にしっかりと機械的に組み付けることができる。
【0074】
当然ながら、受け取り部分8の設置に関する作業全体は、グローブボックス4の外にいる作業員により、たとえばこの同じボックス4のドッキングシリンダを備えた1つ又は複数のグローブを使用して、手動で行われる。
【0075】
モータ部10を取り付ける作業を行うためには、最初に、機材42に対応付けられた外側安全リングが除去されていることを確認しなければならない。そうであるとき、ドッキングシリンダ6のらせん形ランプ47が自由であり、そのため、モータ部10を回転させるだけで、モータ部のブラケット34を取り付けることができ、これは好ましくは、グローブボックスの外にいる作業員によって行われる。
【0076】
最後に、本発明の範囲から逸脱することなく、受け取り部分8及びモータ部10間の取り付け順序を上記のものと逆にしてもよいことが指摘される。
【0077】
もちろん、当業者であれば、単に非制限的な例として以上に記載した電動作業装置1、グローブボックス4及び組み付け方法にさまざまな変化を加えることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の好適な実施形態による、電動作業装置を、グローブボックスに取り付ける前の状態で、非常に部分的に示す斜視図である。
【図2】電動作業装置をグローブボックスに取り付けたときの、図1の平面Pに沿った断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ部(10)によって駆動される受け取り部分(8)を有する、グローブボックス(4)用の電動作業装置(1)であって、
前記受け取り部分(8)は、該受け取り部分(8)を前記グローブボックス(4)の内側で、該グローブボックスに設けられたドッキングシリンダ(6)に取り付けることができるように構成された主取り付け手段(12)を有し、
前記モータ部(10)は、前記グローブボックス(4)の外側で前記モータ部(10)を前記ドッキングシリンダ(6)に取り付けることができるように構成された補助取り付け手段(32)を有する
ことを特徴とする、電動作業装置。
【請求項2】
電動作業装置(1)であって、
前記主取り付け手段(12)は、前記ドッキングシリンダ(6)の内側支持フランジ(16)に設けられたねじ穴(18)と協働するねじ(20)を有し、
前記補助取り付け手段(32)は、バヨネット式取り付けを行うために、前記ドッキングシリンダ(6)上に設けられたランプ(47)と協働する突出部(36)を設けたブラケット(34)を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の電動作業装置。
【請求項3】
電動作業装置(1)であって、
前記主取り付け手段(12)は、
前記ねじ(20)によって前記ドッキングシリンダ(6)の前記内側支持フランジ(16)に取り付けられる2つのクリート(14)と、
前記受け取り部分(8)のケース(22)を前記クリート(14)に組み付けるための刻み付きねじ(26)と
をさらに有することを特徴とする、請求項2に記載の電動作業装置。
【請求項4】
電動作業装置(1)であって、磁気駆動部を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動作業装置。
【請求項5】
電動作業装置(1)であって、
前記モータ部(10)は、永久磁石(58)を設けた駆動板(50)を有し、
前記受け取り部分(8)は、永久磁石(64)を設けた受け取り板(60)を有する
ことを特徴とする、請求項4に記載の電動作業装置。
【請求項6】
電動作業装置(1)であって、真空掃除機であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動作業装置。
【請求項7】
電動作業装置(1)であって、
前記受け取り部分(8)は、吸い込みフレキシブルホースとの接続用の管状スリーブ(30b)を設けた吸い込みらせん体であることを特徴とする、請求項6に記載の電動作業装置。
【請求項8】
機材(42)を受け取ることができるように構成された少なくとも1つのドッキングシリンダ(6)を備えるグローブボックス(4)であり、
モータ部(10)によって駆動されることができるとともに該グローブボックス(4)内で動作する受け取り部分(8)を有する電動作業装置(1)をさらに備えるグローブボックス(4)であって、
該グローブボックス(4)のドッキングシリンダ(6)に組み付けられた電動作業装置(1)は、たとえば、請求項1〜7のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、グローブボックス。
【請求項9】
グローブボックス(4)であって、
前記受け取り部分(8)及び前記モータ部(10)は、前記ドッキングシリンダ(6)に取り付けられた前記機材(42)によって分離されることを特徴とする、請求項8に記載のグローブボックス。
【請求項10】
グローブボックス(4)であって、前記機材(42)は、窓又は中実シール蓋であることを特徴とする、請求項9に記載のグローブボックス。
【請求項11】
グローブボックス(4)であって、
前記受け取り部分(8)の主取り付け手段(12)は、前記ドッキングシリンダ(6)の内側支持フランジ(16)に設けられたねじ穴(18)と協働し、
補助取り付け手段(32)は、バヨネット式取り付けを行うために、前記ドッキングシリンダ(6)上に設けられたランプ(47)と協働する
ことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のグローブボックス。
【請求項12】
グローブボックス(4)であって、
複数のドッキングシリンダ(6)を有し、
その各々は前記電動作業装置(1)を交互に受け取ることができる
ことを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載のグローブボックス。
【請求項13】
グローブボックス(4)であって、
前記電動作業装置(1)は、真空掃除機であることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のグローブボックス。
【請求項14】
グローブボックス(4)であって、
原子力分野で使用するためのものであることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項に記載のグローブボックス。
【請求項15】
グローブボックス(4)であって、
核燃料の製造用であることを特徴とする、請求項14に記載のグローブボックス。
【請求項16】
グローブボックス(4)であって、
負圧下で働かせるためのものであることを特徴とする、請求項8〜15のいずれか一項に記載のグローブボックス。
【請求項17】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電動作業装置(1)を、機材(42)を受け取ることができるように構成された少なくとも1つのドッキングシリンダ(6)を有するグローブボックス(4)に組み付ける方法であって、
前記電動作業装置(1)の前記受け取り部分(8)を前記グローブボックス(4)の内部に導入するステップと、
前記受け取り部分(8)を前記グローブボックス(4)のドッキングシリンダ(6)に取り付けるステップと、
前記グローブボックス(4)の外側で、前記モータ部(10)を前記ドッキングシリンダ(6)に取り付けるステップと、
を含むことを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−525202(P2008−525202A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547590(P2007−547590)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/051096
【国際公開番号】WO2006/090036
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(505302317)コンパニー・ジェネラル・デ・マティエール・ニュークレエール (8)
【氏名又は名称原語表記】COMPAGNIE GENERALE DES MATIERES NUCLEAIRES
【住所又は居所原語表記】2 rue Paul Dautier, 78140 Velizy Villacoublay, France
【Fターム(参考)】