説明

ケタール化合物およびそれらの使用

様々なエステル化アルキルケタールエステルまたはヒドロキシアルキルケタールエステルの生成物は、有機重合体組成物の成分として有用である。これらのケタールエステルは、アルキルケタールエステルおよび/またはヒドロキシアルキルケタールエステルと、ポリオール、アミノアルコール、ポリアミンおよび/またはポリカルボン酸との間の特定のエステル交換で生成される。これらの生成物は、様々な有機重合体、重要なポリ(塩化ビニル)プラスチゾルに対して優れた可塑剤である。これらの生成物は、多くの潤滑用途に対して非常に優れた潤滑剤でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年6月22日に出願した米国仮特許出願第61/219,098号の優先権を主張する。
【0002】
オキソカルボン酸エステル類の1,2−アルカンジオールケタールおよび1,3−アルカンジオールケタール、ならびに1,2−アルカントリオールケタールおよび1,3−アルカントリオールケタールに基づく新しい化学組成物を開示し、有機重合体および潤滑剤の可塑剤としてこれらの組成物を使用することも開示する。
【背景技術】
【0003】
オキソカルボン酸エステル類の1,2−プロパンジオールケタールは公知である。例えば、レブリン酸エチルの1,2−プロパンジオールケタールは、http://www.thegoodscentscompany.com/data/rwl597311.htmlで開示されており、アセト酢酸エチルの1,2−プロパンジオールケタールは、
米国特許公開第2006/0165622号の中で開示されている。
【0004】
他のオキソカルボン酸塩のケタール類には、エチレングリコールなどの様々な1,2−アルカンジオール類に基づくケタール類、または1,3−プロパンジオールもしくは1,3−ブタンジオールなどの1,3−アルカンジオール類に基づくケタール類が含まれる。
【0005】
国際特許公開WO2009/032905および米国特許公開第2008/0242721号は、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、または1,1,1−トリメチロールエタンなどのトリオール類と、レブリン酸アルキル類、アセト酢酸アルキル類、およびピルビン酸アルキル類を含む様々なオキソカルボン酸塩のエステル類との反応生成物について開示している。これらの化合物は全て、1分子あたり1個の遊離ヒドロキシル基および1つのカルボン酸エステル、カルボン酸、またはカルボン酸塩を特徴としている。
【0006】
多くの既知の可塑剤化合物は、再生できない、石油または天然ガス由来の原料に由来する。フタル酸エステル類、特に、ジオクチルフタル酸エステル、ジ(2−エチルヘキシル)フタル酸エステル、およびフタル酸ジイソノニルエステルは、多くの製剤を可塑化するのに有用である、工業的に重要な可塑剤であり、より一般的な製剤には、ポリ(塩化ビニル)(PVC)を含む製剤が含まれる。フタル酸塩の使用に伴うリスクのために、最近の規制圧力はフタル酸塩類を置換することを対象としている(米国環境保護庁の報告書:フタル酸塩類の行動計画−2009年12月30日)。可塑剤の代替品には、ヒト、動物および環境へのリスクを伴うことなく製剤を可塑化することが必要とされる。
【0007】
非フタル酸塩類に基づく、または、より一般的には、非石油原料由来の可塑剤を提供するニーズがある。このような物質は、経済的に、大量に合成されることが望ましい。
【0008】
多くの潤滑流体は、潜在的な環境上の危険を提示する鉱油に基づいている。これらの製剤は広く何十年も使われてきた。いくつかの要求が厳しい潤滑剤用途には、塩素化パラフィンを含む高性能の金属加工液を必要とする金属加工が含まれる。しかし、最近、塩素化パラフィンの使用は、労働者および環境への危険のために疑問視されている。非塩素化代替品を使用する以前の試みは、高性能の潤滑特性および超高圧/耐摩耗特性を必要とする金属加工において失敗している。
【0009】
再生可能なバイオマス原料に基づく高性能で、経済的であり、環境的に安全な潤滑液に対するニーズがある。このような潤滑剤は、重要な潤滑/耐摩耗特性を提供することに対して容易に利用でき、対費用効果が高く、危険ではないことが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、一態様において、構造I
【化1】



に対応する構造を有する化合物である(式中、
aは0〜12であり;
bは0または1であり;
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R、R、およびRは、独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
xは少なくとも1であり;
yは0または正数であり、x+yは少なくとも2であり;
は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各Zは、独立して、−O−、−NH−または−NR−であり、ここでRは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)。
【0011】
別の態様において、本発明は、構造Iによる少なくとも2つの異なる化合物を含む混合物である。
【0012】
別の態様において、本発明は、構造II
【化2】


に対応する構造を有する化合物である(式中、
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R、R、およびRは、独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
は水素または
【化3】


であり;
は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各R14およびR15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各Zは、独立して、−O−、−NH−または−NR−であり、ここで、Rは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各aおよび各eは、独立して、0〜12であり;
各bおよび各fは、独立して、0または1であり;
各iは0または1であり;
各jは0〜100であり;
wは1〜100であり;
xは少なくとも1であり;
yは0または正数であり;
zは0または正数であり、ただし、Rが水素である時、zは少なくとも1である)。
【0013】
別の態様において、本発明は、構造IIによる少なくとも2つの異なる化合物を含む混合物である。
【0014】
さらに別の態様において、本発明は、構造III
【化4】


に対応する構造を有する化合物である(式中、
aは0〜12であり;
bは0または1であり;
iは0または1であり;
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R、R、およびRは、独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
各Rおよび各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R23は、1〜12個の間の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
cは0〜12であり;
dは0または1であり;
nは1〜100の数である)。
【0015】
別の態様において、本発明は、構造IIIによる少なくとも2つの異なる化合物を含む混合物である。
【0016】
別の態様において、本発明は、IV
【化5】


に対応する構造を有する化合物である(式中、
各eは、独立して、0〜12であり;
各fは、独立して、0または1であり;
各iは、独立して、0または1であり;
各R10は、独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各R14および各R15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
12は、共有結合、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
wは1〜100の数であり;
vは0〜100の数であり;
sは少なくとも1である)。
【0017】
別の態様において、本発明は、構造IVによる少なくとも2つの化合物を含む混合物である。
【0018】
さらに別の態様において、本発明は、構造Iの化合物、構造IIの化合物、構造IIIの化合物および構造IVの化合物から選択される2つ以上の化合物の混合物である。
【0019】
本発明は、他の態様において、構造I、構造II、構造IIIもしくは構造IVの化合物、またはそれらの2つ以上の任意の組み合わせ、および重合体を含む組成物である。
【0020】
本発明は、重合体と、可塑化量の構造Iの少なくとも1つの化合物、構造IIの少なくとも1つの化合物、構造IIIの少なくとも1つの化合物、構造IVの少なくとも1つの化合物もしくは構造I、構造II、構造III、構造IVもしくは構造Vを有する化合物の2つ以上の混合物とを溶融混合または溶液混合することを含む、重合体を可塑化するプロセスでもある。
【0021】
さらに別の態様において、本発明は、
a.(A)構造
【化6】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(B)触媒および(C)構造R(OH)を有するポリオールまたは構造R(NRH)もしくはR(NHを有するポリアミン(ここで、Rは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび請求項1に記載の化合物を形成すること(式中、R、R、R、R、R、Z、a、b、x、yおよびzは上記で定義したとおりであり、t=x+y、かつ、R20は、最高で36個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)
を含む構造Iによるエステル化合物またはアミド化合物の作製法である。
【0022】
本発明は、
a.(1)構造
【化7】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(2)構造
【化8】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、(3)触媒および(4)構造R(OH)を有するポリオールまたは構造R(NRH)もしくはR(NHを有するポリアミン(ここで、Rはヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび構造IIの化合物を形成すること(式中、R、R、R、R、R、R14、R15、Z、a、b、e、f、i、j、w、x、y、zおよびnは上記で定義したとおりであり、t=x+y+z、R20およびR21は、各々独立して、最高で12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、Rは水素または
【化9】


である)
を含む構造IIのエステル化合物を作製することでもある。
【0023】
本発明は、別の態様において、
a.(1)構造
【化10】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(2)構造
【化11】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、(3)触媒を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび構造IIIの化合物を形成すること(式中、R、R、R、R、R、R、R23、a、b、c、dおよびnは上記で定義したとおりであり、R20およびR21は、各々独立して、最高で12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)
を含む構造IIIのエステル化合物の作製法である。
【0024】
本発明は、さらに別の態様において、
(1)構造
【化12】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、(2)ポリカルボン酸の完全エステルまたは部分エステル、および(3)触媒を含む試薬を接触させること;反応させて、エステル化合物およびアルコールを形成すること(式中、eは0〜12であり、fは0または1であり、iは0または1であり、各R10は、独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、各R14および各R15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基である)を含むエステルの作製法である。
【0025】
別の態様において、本発明は、
a.触媒の存在下で、
【化13】


に対応する構造を含む化合物と、R(OH)に対応する構造を含むポリオールとを反応させて、水および
【化14】


に対応する構造を含む化合物を形成すること、
b.
【化15】


に対応する構造を含む化合物を加えること、
c.反応させて、水および請求項1に記載の構造を有する化合物を形成すること(式中、a、b、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義したとおりであり、xは少なくとも1であり、yは0または正数であり、t=x+yである)
を含む構造Iの化合物の作製法である。
【0026】
本発明は、抗酸化剤および構造I、構造II、構造III、構造IVを有する化合物または2つ以上のそのような化合物の混合物を含む潤滑剤組成物でもある。本発明は、少なくとも2つの接触面を潤滑する方法でもあり、本方法はこの2つの接触面の間に、請求項70に記載の潤滑剤組成物を導入することを含む。
【0027】
本発明は任意の特定の調製法に限定されないが、構造Iの生成物は、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミン、ならびにオキソカルボン酸エステル類の特定の1,2−および/または1,3−アルカンジオールケタールの反応生成物に相当する。オキソカルボン酸エステル類の1,2−アルカンジオールケタールおよび1,3−アルカンジオールケタールは、本明細書で、「アルキルケタールエステル」と呼ばれることもある。ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンによって提供される1当量のヒドロキシル基またはアミノ基につき最高で1モルのアルキルケタールエステルを反応させることができる。このポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンは、最も好ましくは二官能性であるが、2個を超えるヒドロキシル基および/またはアミノ基を有するポリオール類、アミノアルコール類またはポリアミン類を用いることができる。
【0028】
構造Iのxおよびyの値は、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンのヒドロキシル基またはアミノ基の数、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミン1モルあたりのこのアルキルケタールエステルのモル数、ならびにどの程度この反応が完了へと向かうのかによって決まる。このアルキルケタールエステルの量が多いほど、yの値は低くなり、xの値は高くなる。
【0029】
構造Iにおいて、yは、好ましくは0〜2であり、xは、好ましくは少なくとも2である。構造Iの全てのaは、好ましくは2であり、全てのRは、好ましくはメチルである。構造Iのいくつかの実施形態において、全てのZは−O−であり、yは0であり、xは2である。これらの生成物は、2モルのアルキルケタールエステルと1モルのジオールの反応に相当する。いくつかの他の実施形態において、全てのZは−O−であり、yは1であり、xは1である。これらの生成物は、1モルのアルキルケタールエステルと1モルのジオールの反応に相当する。
【0030】
Zが−O−である時、Rは、構造R(OH)(ここで、t=x+yである)を有するポリオールの、ヒドロキシル基の除去後の残基に相当する。2個のヒドロキシル基は、同じ炭素原子に結合すべきではない。適切なポリオールには、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールなどのアルカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ショ糖、イソソルビド、ソルビトール、ビスフェノール−A、2,3−ジブロモブテン−1,4−ジオール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジオール(ヒドロキノン)、2−ブチン−1,4−ジオール、3−ヘキシン,3−5−ジオール、ならびにエアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社によるSurfynol(商標)の商標で販売されているポリオールなどの他のアルキン含有ポリオールが含まれる。他の適切なポリオール類はエーテル基を含み、これらには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコールエーテルが含まれる。他の適切なエーテル含有ポリオールには、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体類およびテトラメチレングリコールの重合体類等のヒドロキシル末端ポリエーテル類が含まれる。これらは、最高で6000、好ましくは最高で1000、より好ましくは最高150の分子量を有し得る。このポリオールはエステル結合を含み得る。これらのポリオール類には、ジエチレングリコールおよびフタル酸または無水フタル酸のポリエステルを含むジオール類とジカルボン酸類(またはそれらの誘導体類)の縮合または逐次重合により形成されるポリオール類が含まれる。このR基は、好ましくは2〜24個、特に2〜12個または2〜6個の炭素原子を含む。
【0031】
全てのZが−NR−または−NH−である時、Rは、構造R(NRH)またはR(NH(式中、t=x+y)を有するポリアミンの、アミノ基の除去後の残基に相当する。
【0032】
2つのアミノ基が同じ炭素原子に結合すべきではない。適切なポリアミンの例として、ヒドラジン、エタン−1,2−ジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ブタ−2−エン−1,4−ジアミン、メトホルミン、ブタン−1,4−ジアミン、プロパン−1,2−ジアミン、ピペラジン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ベンゼン−1,3−ジアミン、2−メチルベンゼン−1,3−ジアミン、4−クロロベンゼン−1,3−ジアミン、および商標名JEFFAMINE(登録商標)(Huntsman Corp.;ソルトレイクシティ、ユタ州)の下で販売されているアミン類などの2つのアミン基を有するポリオキシアルキレンアミン類、商標名ELASTAMINE(登録商標)(Huntsman Corporation)の下で販売されているジアミンなどのジアミン類、フェニレンジアミン、メチレンビス(アニリン)、およびジエチルトルエンジアミンなどが挙げられる。
【0033】
構造IのZ基が少なくとも1つの−O−および少なくとも1つの−NH−結合または−NR−結合を含む時、Rは、ヒドロキシル基およびアミノアルコールの1級アミノ基または2級アミノ基の除去後の残基に相当し、ヒドロキシル基、1級アミノ基および2級アミノ基の合計数は、x+yに等しい。適切なアミノアルコールの例として、2−アミノエタノール、3−アミノプロパン−1−オール、イソプロパノールアミン、2−アミノプロパン−1−オール、2−アミノブタン−1−オール、2−アミノ−3−メチルブタン−1−オール、2−アミノ−4−メチルペンタン−1−オール、6−アミノヘキサン−1−オール、1−アミノ−3−クロロプロパン−2−オール、7−アミノビシクロ[2.2.2]オクタン−8−オール、2−アミノピリジン−3−オール、2−アミノ−4−フェニルフェノール、5−アミノナフタレン−1−オール、および4−(4−アミノフェニル)フェノールが挙げられる。
【0034】
本明細書の構造I〜IVにおいて、「置換」炭化水素または「置換」ヒドロカルビル基には、構造I〜IVの様々な生成物を形成する反応の条件下で、カルボキシレート基、ヒドロキシル基またはアミノ基と反応しない任意の置換基が含まれ得る。したがって、これらの置換基は、ヒドロキシル基、1級アミノ基または2級アミノ基、メルカプト基、カルボン酸基またはそれらの塩もしくはエステル、カルボン酸ハロゲン化物、硫黄またはリンを含む酸、およびイソシアネート基などの基を除外すべきである。さらに、そうでなければ、これらの置換基は、構造I〜IVの様々な生成物を形成する反応に干渉すべきではない。適切な置換基には、特に、カルボニル、ハロゲン、3級アミノ、エーテル、およびスルホンなどが含まれる。
【0035】
構造Iによるいくつかの特定の化合物には、構造
【化16】


または構造
【化17】


を有する化合物が含まれ、特に、この中のRは−(CH)−である(式中、mは2〜18、特に2、3、4または6である)。
【0036】
構造Iによる化合物を、対応するポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンと、対応するアルキルケタールエステルとの間のエステル交換またはエステル−アミノリシス反応で調製することができる。もう1つの方法として、構造Iによる化合物を、オキソカルボン酸と、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンとを反応させて、エステルまたはアミドを形成し、その後、得られた生成物を、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、および1,3−ヘキサンジオールなどの1,2−アルカンジオールまたは1,3−アルカンジオールでケタール化することによって調製することができる。ケタール化を、国際特許公開WO2009/048874号、または米国特許公開第2008/0242721号に記載の方法に従って都合よく行う。
【0037】
生成物の混合物は、一般的に、合成プロセスから得られる。例えば、反応生成物が、xとyの様々な値を有する物質の混合物を含むことは一般的である。生成物のわずか25モル%は、yが1以上である化合物を表すことは好ましい。出発ポリオールがジオールである特に好ましい場合において、生成物の少なくとも75モルは、xが2であり、yが0である種であることは好ましい。
【0038】
構造IIに対応する化合物は、構造R(OH)のポリオール、アミノアルコールまたは構造R(NRH)もしくはR(NH(式中、t=x+y+z)を有するポリアミン、構造
【化18】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、および構造
【化19】


を有するオキソカルボン酸エステルの1つ以上のトリオールケタール(式中、変数は前記で定義したとおりである)の反応生成物に相当する。Rは、構造Iに関して上記で定義したとおりである。オキソカルボン酸エステルを有するトリオールのケタール類は、本明細書で「ヒドロキシアルキルケタールエステル」とも呼ばれることがある。有用なアルキルケタールエステル出発物質のいくつかの例として、レブリン酸エチルの1,2−プロパンジオールケタール、レブリン酸プロピルの1,3−プロパンジオールケタール、レブリン酸ブチルの1,2−プロパンジオールケタール、レブリン酸エチルの1,3−プロパンジオールケタールおよびレブリン酸エチルの1,2−エタンジオールケタールが挙げられる。有用なヒドロキシアルキルケタールエステル出発物質のいくつかの例として、レブリン酸メチルの1,2−グリセロールケタール、レブリン酸エチルの1,2−グリセロールケタール、アセト酢酸メチルの1,2−グリセロールケタール、およびアセト酢酸エチルの1,2−グリセロールケタールが挙げられる。このようなアルキルケタールエステルおよびヒドロキシアルキルケタールエステルを作製するための有用な方法は、米国特許公開第2008/0242721号および国際特許公開WO2009/048874号に記載されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
【0039】
構造IIのj、w、x、yおよびzの値は、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミン上のヒドロキシル基またはアミノ基の数、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミン1モルあたりのこのアルキルケタールエステルのモル数、ポリオール、アミノアルコールまたはポリアミン1モルあたりのこのヒドロキシアルキルケタールエステルのモル数、およびどの程度この反応が完了へと向かうのかを含む要因によって決まる。このアルキルケタールエステルの量が多いほど、yの値は低くなる。このヒドロキシアルキルケタールエステルの量が多いほど、yの値は低くなり、xおよびzの値は高くなり、かつ/またはjおよびwの値は高くなる。
【0040】
構造IIにおいて、jまたはwが1より大きい時、このヒドロキシアルキルケタールエステルの自己縮合(「オリゴマー化」)がいくぶんか生じる。
【0041】
構造IIの化合物のいくつかの実施形態において、Rは、
【化20】


であり、(a)j=0、zは少なくとも1であり、wは1〜15であり、(b)z=0、x=1、wは1〜15であるか、または(c)z=0、xは1より大きく、wは1〜15である。構造IIの化合物のいくつかの他の実施形態において、Rは水素であり、jは0〜15であり、zは少なくとも1である。今しがた言及したそれらの特定の実施形態を含む構造IIの化合物のいくつかの実施形態において、各Zは−O−である。
【0042】
前のパラグラフで言及した特定の実施形態を含む構造IIにおいて、aおよび全てのeは、好ましくは2であり、全てのRおよびRは、好ましくはメチルであり、R14は好ましくはアルキル基、特に、最高で4つの炭素原子を有するアルキル基である。前述の実施形態のいずれかにおけるRは、エーテル基またはエステル基を含み得る。
【0043】
構造IIによる化合物は、対応するポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンと、対応するアルキルケタールエステルおよび対応するヒドロキシアルキルケタールエステルとの間のエステル交換反応で調製することができる。いくつかの実施形態において、これらの物質の全3つを混合し、単一ステップで反応させて、構造IIの物質を形成する。他の実施形態において、この化合物を、試薬が順次追加されるワンポットプロセスで形成する。このような場合では、このヒドロキシアルキルケタールエステルをこの反応に飢餓供給し、オリゴマー化を最小限に抑えることができる。他の実施形態において、このポリオール、アミノアルコールまたはポリアミンおよびヒドロキシアルキルケタールエステルを最初に反応させて中間体を形成させ、その後、この中間体をアルキルケタールエステルと反応させる。さらに他の実施形態では、構造IIにおいてjおよび/またはwの値が1より大きい時、このヒドロキシアルキルケタールエステルを、予備段階でオリゴマー化することができ、その後、このオリゴマー化物質を、他の出発物質と反応させるか、またはポリオール、アミノアルコールおよび/またはポリアミンとアルキルケタールエステルの反応によって形成した中間と反応させる。このヒドロキシアルキルケタールエステルのオリゴマー化を、このヒドロキシアルキルケタールエステルが他の出発物質と反応するのと同時に行うことができる。
【0044】
再び、生成物の混合物は、一般的に、合成プロセスから得られる。例えば、この反応生成物が、j、w、x、yおよびzの様々な値を有する物質の混合物を含むことは一般的である。
【0045】
構造IIIの化合物は、構造
【化21】


を有するアルキルケタールエステル(式中、これらの変数は上記で定義したとおりである)、および構造
【化22】


を有するヒドロキシアルキルケタールエステル(ここで、再び、これらの変数は上記で定義したとおりである)の特定の反応生成物に相当する。適切なアルキルケタールエステルには、構造Iに関して上記に記載したアルキルケタールエステルが含まれる。適切なヒドロキシアルキルケタールエステルには、構造IIに関して上記に記載したヒドロキシアルキルケタールエステルが含まれる。
【0046】
構造IIIにおいて、nは好ましくは1〜15であり、aおよび全てのcは、好ましくは2であり、RおよびRは、好ましくはメチルであり、R23は、好ましくはアルキル基またはフェニル基である。構造IIと同様に、nの値が1より大きいということは、ヒドロキシアルキルケタールエステルのオリゴマー化がいくぶんか生じたことを示し、nは、より好ましくは1〜2であり、1であり得る。構造IIIの化合物は、nが1の時の出発物質の1:1の反応生成物である。構造IIIによる化合物の例として、
【化23】


が挙げられ、R23は上記で定義したとおりである。
【0047】
構造IIIによる化合物は、対応するアルキルケタールエステルと対応するヒドロキシアルキルケタールエステルとのエステル交換反応で調製することができる。構造IIIにおけるnの値は、このアルキルケタールエステルおよびヒドロキシアルキルケタールエステルの相対的モル数、かつこの反応をどの程度継続するかによって決まる。このヒドロキシアルキルケタールエステルの量が多いほど、nの値は高くなる。このヒドロキシアルキルケタールエステルがオリゴマー化したことを示す、nが1より大きい時、予備段階で、別々にオリゴマー化反応を行うことができる。もう1つの方法として、このオリゴマー化を、このアルキルケタールエステルとの反応と同時に行うことができる。オリゴマー化を最小限するか、または防ぐ場合、このヒドロキシアルキルケタールエステルを、反応条件下でこのアルキルケタールエステルに飢餓供給してもよい。
【0048】
構造IVによる化合物は、上記に記載した完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステル化合物と1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステルの間のエステル交換反応の反応生成物に相当する。
【0049】
この完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステル化合物は、1分子あたり2個以上のカルボキシル基を含む物質であり、その少なくとも1つは、好ましくは、最高で12個の炭素原子、特に、最高で6個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基でエステル化される。カルボキシル基の全てがエステル化される場合、ポリカルボン酸エステル化合物は完全エステルといわれる。部分エステルは、このカルボキシル基の一部のみがエステル化されたエステルであり、残りのカルボキシル基は、酸または塩の形態であってもよい。いくつかの実施形態において、このポリカルボン酸エステルは、2〜8個のカルボン酸またはカルボン酸基を含んでもよいが、好ましくはこのような基を2〜4個含み、より好ましくはジカルボン酸のモノエステルまたはジエステルである。
【0050】
この完全エステルまたは部分エステルは、構造R12−(COOX)によって代表され得、R12は上記で定義したとおりであり、n=1+s、Xは、ヒドロカルビルまたは置換された、水素または一価の陽イオンであり、ただし、少なくとも1個のXは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。すべてのXがヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであることは好ましい。
【0051】
IVに対応する反応生成物を形成するのに適した完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルの例として、ジカルボン酸のモノエステルまたはジエステルが挙げられ、式中、R12は共有結合の、二価アルキル(特に、−(CH−型の二価アルキル−、ここで、kは1〜20、特に2〜10である)、二価アルケニル(特に−CH=CH−のシス型またはトランス型)、二価アルキニル、フェニレン、および置換フェニレンなどである。適切で完全なまたは部分的なカルボン酸エステルの例として、シュウ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼアリック酸(azealic)、マレイン酸、フマル酸、ブタン酸、コハク酸、ドデカン酸とオクタデカン二酸の様々なエステルが挙げられる。いくつかの実施形態において、適切なジエステルには、アジピン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、フタル酸ジオクチル、およびフタル酸ブチルベンジルが含まれる。
【0052】
適切なヒドロキシアルキルエステル類には、構造IIに関して上記に記載したヒドロキシアルキルエステル類が含まれる。
【0053】
構造IVにおいては、w、sおよびvの値は、完全なまたは部分的なカルボン酸エステルのカルボン酸基またはカルボン酸エステル基の数、完全なまたは部分的なカルボン酸エステル1モルあたりのヒドロキシアルキルケタールエステルのモル数、ならびにどの程度この反応が完了へと向かうのかを含む要因によって決まる。ヒドロキシアルキルケタールエステルの量が多いと、w、s、およびvの値を高くなる。sは、好ましくは1〜7であり、より好ましくは1〜3であり、最も好ましくは1である。wおよびvは、各々、1〜100であり、好ましくは1〜10である。いくつかの実施形態において、wとvは各々1である。他の実施形態において、w+vは少なくとも3である。さらに他の実施形態において、v=0である。w=1、v=0かつs=1であるとき、この生成物は、このヒドロキシアルキルケタールエステルとジカルボン酸モノエステルまたはジカルボン酸ジエステルの1:1の反応生成物に相当する。w=v=s=1である時、この生成物は、このヒドロキシアルキルケタールエステルとジカルボン酸モノエステルまたはジカルボン酸ジエステルの2:1の反応生成物に相当する。wおよびvのいずれかまたは両方が1より大きい時は、構造IVの物質の分子量は、約200〜40,000ダルトンの範囲であり得るが、好ましくは300から3000ダルトンである。
【0054】
構造IVにおいて、各eの値は、好ましくは1または2であり、各R14は、好ましくはメチル基であり、各R15は、好ましくは、最高で3個の炭素原子を有するアルキルである。各R10は、好ましくはC1−8アルキル、より好ましくはC2−4アルキルである。
【0055】
構造IVの有用な化合物の具体例として、
【化24】





が挙げらる(式中、h=0〜34、好ましくは2、3、4または6であり、各R10は、独立して、C〜C12アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、または最高で12個の炭素原子の芳香族もしくはアルキル芳香族である)。
【0056】
構造IVによる化合物は、対応する完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルと、対応するヒドロキシアルキルケタールエステルの間のエステル交換反応で調製することができる。いくつかの実施形態において、これらの物質を混合し、単一ステップで反応させて、構造IVの物質を形成する。他の実施形態において、構造IVにおけるnの値が1より大きい時、このヒドロキシアルキルケタールエステルを、予備段階でオリゴマー化することができ、その後、このオリゴマー化物質を、完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルと反応させる。このヒドロキシアルキルケタールエステルのオリゴマー化も、物質が完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルと反応するのと同時に行うことができる。前述同様に、このヒドロキシアルキルケタールエステルのオリゴマー化を、反応条件下でこの物質をこの反応に飢餓供給することによって最小限にするか、または防ぐことができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、化学量論的過剰のヒドロキシアルキルケタールエステルを、構造IVを有する反応生成物を形成するために、完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルに関して使用する。いくつかの場合において、1つ以上のエステル交換反応において、カルボン酸エステル1モルあたり約2当量のヒドロキシアルキルケタールエステルを使用する。他の実施形態において、化合物IVを形成する反応において、ポリカルボン酸エステル1当量あたり約2より大きくかつ最高で100当量のヒドロキシアルキルケタールエステルを使用する。このモル比は、約2:1〜50:1、または約2.2〜5:1であり得る。さらに他の実施形態において、この反応が完全変換しない場合は、より高い比率を使用することができるが、完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルに対してヒドロキシアルキルケタールエステルを2:1より低いモル比を使用する。ヒドロキシアルキルケタールエステルと完全なまたは部分的なポリカルボン酸エステルの1:1の反応生成物が求められるいくつかの他の実施形態において、ヒドロキシアルキルケタールエステル1モルあたり約1〜10当量のポリカルボン酸エステルを使用する。
【0058】
前述同様に、生成物の混合物は、一般的に、合成プロセスから得られる。例えば、この反応生成物が、w、vおよびsの様々な値を有する物質の混合物を含むことは一般的である。いくつかの実施形態において、wおよびsが1であり、vが0である種、ならびに、w、sおよびvが全て1である種を含む生成物の混合物が得られる。いくつかの実施形態において、このような混合物の少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%は、w、sおよびvが全て1である種である。他の実施形態において、この混合物をわずか10重量%またはわずか5重量%含むこのような混合物は、w、sおよびvが全て1である種である。
【0059】
構造I〜IVによる特定の化合物は、光学異性体および/または幾何異性体として存在し得る。そのような場合には、これらの異性体のいずれも適切である。
【0060】
構造I〜IVの化合物を形成するのに用いるエステル交換反応を、ヘキサン、トルエン、およびジクロロベンゼンなどの不活性溶媒の存在下で行うことができる。他の実施形態において、この反応を端正に行う。いくつかの実施形態において、この反応を、縮合副産物、すなわち、ほとんどの場合ではアルコールであるが、場合によっては水が、この反応混合物から蒸発し、蒸気が液化し、それによって除去するような温度条件および圧力条件で行う。いくつかの実施形態において、約60℃〜300℃の温度を用いる。他の実施形態において、約100℃〜250℃の温度を用いる。さらに他の実施形態において、約160℃〜240℃の温度を使用して、この反応を成し遂げる。いくつかの実施形態において、反応容器内の圧力を大気圧以下まで下げ、縮合副産物、すなわち、アルコールまたは水の除去を助ける。いくつかの実施形態において、窒素をこの反応混合物に散布するか、または掃引して、この副生成物アルコールの除去を助ける。
【0061】
上記に記載の様々な反応を、典型的には、触媒の存在下で行う。この反応に用いる触媒の選択は、特に、本開示の範囲内に限定されないが、実施形態の好ましいセットは、金属触媒、例えば、チタンテトライソプロポキシド(Ti(OiPr))、オクタンスズ(II)、または有機ジルコネートなどのチタン、アルミニウム、ジルコニウム、またはスズに基づく触媒を使用する。他の適切な触媒は、例えば、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社(DuPont deNemours and Co.)によってTyzor(登録商標)商標で販売されている有機チタネートおよびジルコネートである。いくつかの実施形態において、2種類以上の触媒を用いる。従って、上記で言及した触媒などの1種類以上の触媒の混合物を混合して使用して、構造I〜IVの化合物の形成を触媒してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、酢酸カルシウム、およびカリウムメトキシドを含む無機塩基などの触媒を用いることができる。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドおよび酢酸塩などの有機アンモニウム触媒および有機ホスホニウム触媒を用いることができる。カンファースルホン酸や硫酸を含む強酸触媒を、ケタール化反応およびエステル化反応に用いることができる。触媒を、反応を触媒するのに適切な量で用いる。実施形態においては、用いる有機金属触媒の量は、試薬の総重量の重量に基づいて約5〜50,000ppmであるか、または試薬の総重量に基づいて約10〜500ppmである。
【0063】
いくつかの実施形態において、この触媒を固体支持体物質の中に、もしくは固体支持体物質上に組込むか、または固体支持体物質に共有結合させる。樹脂ビーズ、膜、多孔質炭素粒子、ゼオライト物質、および他の固体支持体物質は、実施形態において、この固体支持体の1つ以上の表面に共有結合しているか、または強く収着している触媒部分で機能させることができる。
【0064】
いくつかの実施形態において、この反応が完了した後に、この触媒を不活性化することが望ましい。不活性化は、例えば、蒸留または高温のプロセスもしくは適用を用いる実施形態において有用である。不活性化を任意の便利な技術によって成し遂げる。この方法は、特に不活性化の方法によって限定されるものではない。不活性化物質の例として、水などの亜リン酸エステル化合物、およびIRGAFOS(登録商標)168およびPEP−Q(登録商標)、またはIRGANOX(登録商標)MD1024(BASF(登録商標);Ludwigshafen am Rhein、Germany)などのフェノール系化合物、ならびにサリチル酸などのカルボン酸が挙げられる。
【0065】
本明細書に記載した様々な合成反応を、設備、規模、および他の反応パラメーターに応じて、バッチ式または連続モードで行うことができる。反応容器を、任意の適切な物質で作ってもよい。いくつかの実施形態において、試薬を、任意の便利な手法を用いて、触媒を加える前に乾燥させる。実施形態において、乾燥を、約60〜110℃に反応容器を温め、少なくとも約1時間5〜20トールの真空を適用することによって成し遂げる。他の実施形態において、窒素またはアルゴンなどの乾燥した不活性ガスを、真空を適用するかわりに、この容器中に連続的に掃引する。これらの試薬を、いくつかの実施形態において、この容器に触媒を加える前に水分含有量について分析する。他の実施形態において、これらの試薬を反応容器に加える前に別々に乾燥させ、この容器へこれらの試薬を導入する間、水または空気を混入させない管またはチューブなどの閉鎖系によってこの容器に導入する。
【0066】
触媒を、バッチ式または連続的様式でこの容器に加えてもよい。実施形態において、触媒の添加中、これらの試薬は乾燥中に用いる温度と同じ温度である。他の実施形態において、これらの試薬を、触媒の添加前に、例えば、上記に指定した範囲の目標温度まで予熱する。触媒添加後、いくつかの実施形態において、添加中に混入した全ての空気を除去するために真空を用いる。他の実施形態において、この触媒を、この容器へこれらの試薬を導入する間に、水または空気を混入させない管またはチューブなどの閉鎖系によってこの容器に導入する。この反応を、実施形態において、不活性ガス雰囲気下または不活性ガス散布下で行い、攪拌の任意の簡便な手段を用いて攪拌する。
【0067】
実施態様において、この反応は約2時間未満で完了する。他の実施形態において、この反応は約1〜12時間の間に完了する。さらに他の実施形態において、この反応は約2〜8時間で完了する。いくつかの実施形態において、この反応の制限試薬を、添加漏斗、測定ポンプ、または当業で公知の別の装置を用いることにより徐々に測定する。試薬の測定を、実施形態において、触媒の添加後または添加中に開始し、この反応を連続的なプロセスで達成する場合に特に有用である。
【0068】
必要に応じて、粗反応生成物を任意の便利な技術を用いて精製することができ、そのうちの1つは蒸留である。蒸留を、減圧下または窒素散布の助けを借りて行ってもよい。熱履歴を最小にする方法で蒸留を行うことが好ましい。したがって、このステップを、好ましくは劣化、色の形成、または別の副反応が生じる温度未満で行うか、またはこのような温度を用いる場合、蒸留を行って、生成物のこのような温度への暴露時間を最小限にするべきである。いくつかの実施形態において、精製中、200℃以下に温度を維持することが望ましい。他の実施形態において、精製中、175℃以下に温度を維持することが望ましい。薄膜蒸発(wiped film evaporation)、流下薄膜蒸発、および膜蒸発(membrane pervaporization)などの技術が有用である。触媒を事前に不活性化するか、しないかのいずれかで、精製を行う。
【0069】
反応生成物の混合物を得るいくつかの場合において、特定の化合物または化合物の混合物の中に濃縮される(または特定の化合物または化合物の混合物からなる)生成物を得るために、反応生成物の混合物からそれらの反応生成物の1つ以上を分離することが望ましい場合がある。これを、蒸留、溶媒抽出、およびクロマトグラフィー法などを含む任意の適切な技術によって行うことができる。
【0070】
構造I〜IVによる化合物は、有機重合体も含む組成物中の有用な成分である。もちろん、非常に広範な有機重合体が特定の用途に応じて有用である。この有機重合体は、熱硬化性または熱可塑性であり得る。
【0071】
構造I〜IVよる多くの化合物は、少なくとも12(MPa)1/2、非常に典型的には、12〜20(MPa)1/2のヒルデブランド溶解パラメーター(「HSP」)を有する。このような化合物は、ヒルデブランド溶解パラメーター(「HSP」)が約16(MPa)1/2以上である有機重合体と非常に適合する傾向にあるので、より好ましい組成物は、その中の有機重合体が約16(MPa)1/2以上のヒルデブランド溶解パラメーター(「HSP」)を有する組成物である。これらの優れた適合性は、構造I〜IVの化合物をこの組成物から抽出することを困難にさせる傾向があり、かつこの組成物から可塑剤物質をにじみ出させないか、または浸出させそうにもない。ヘキサン、石鹸水、鉱油などの様々な抽出剤の抽出率を、ASTM D 1239の手順に従って評価することができ、このテストにおける重量損失は、本発明の好ましい組成物に対して、好ましくは2%と同じくらいであり、さらにより好ましくは1%と同じくらいである。製品からの可塑剤の移行は、環境への可塑剤の曝露の増加を引き起こす。この曝露の増加は接着破壊を引き起こし、この製品と接触して物質を分解し、かつこの製品と接触して液体の混入を引き起こし得る。さらに、これらの製品からの移行は、硬化、性能の損失およびTの増加をもたらし得る。
【0072】
適切な有機重合体のいくつかの例として、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(乳酸)、ポリスチレン、ポリカーボネート類、ポリウレタン類または尿素類、アクリル重合体類、スチレン−アクリル重合体、ビニル−アクリル重合体類、エチレン−酢酸ビニル重合体類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリエーテル類、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン重合体類、スチレン−ブタジエン−スチレン重合体類、ポリビニルアセテート、ポリ(ビニルブチレート)、ポリケタールエステルおよびこれらの共重合体、セルロースの熱可塑性エラストマー、またはそれらのランダムなグラフト共重合体もしくはブロック共重合体、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
構造I〜IVによる化合物は一般的に再生可能なバイオベース原料であり、「バイオベース」は、ASTM D6866で定義したとおりに用いられる。このように、これらの化合物は、可塑剤などの石油ベースの生成物をバイオベースの物質と交換する機会を提供する。このようなバイオベースの化合物をバイオベースの有機重合体と混合し、バイオベースでもある重合体組成物を形成することができる。このような1種類の重合体は、ポリ(乳酸)、すなわちPLAである。構造I〜IVのいずれかによる化合物は、PLAに対して優れた可塑剤である。化合物I〜IVは、適合性のある他の可塑剤に比べて、PLAの中で高い耐久性を有する場合が多い。
【0074】
構造I〜IVによる化合物を、機械的混合または機械的配合、溶融混合、溶液混合などの任意の適切な技術を用いて有機重合体組成物に組み込んでもよい。有機重合体が熱硬化性である時、この化合物を1種類以上の前駆体物質の中に混合し、これらをその後硬化させるか、または別な方法で重合させ、熱硬化性重合体を形成してもよい。
【0075】
構造物I〜IVのいずれかによる化合物および有機重合体を含む組成物は、均質な混合形態、一つの成分の他の成分への分散の形態、または、場合によっては、この有機重合体が重合体粒子の形態で分散している連続液相の分散の形態をとり得る。構造I〜IVのいずれかによる化合物およびこの有機重合体の混合物は、ラテックスの場合と同様に、連続液相として機能を果たすエマルション中の分散相または別の物質の分散を形成してもよい。
【0076】
構造I〜IVの化合物およびこの有機重合体の相対量は大幅に変動し得る。様々な実施形態において、この有機重合体は、重合体および構造I〜IVの化合物の総合重量の10〜99.9%、30〜96%、65〜90%または40〜60%を構成してもよい。
【0077】
有機重合体と混合する時、構造I〜IVによる化合物は、可塑化機能を実行する場合が多い。構造I〜IVの化合物がこのような機能を果たす時、この化合物は好ましくは室温で液体であり、または室温で固体である場合、この化合物は、室温を下回る、多くの場合、0または−20℃のガラス転移温度および/または軟化温度を有する。端正な有機重合体のTと比較して、可塑化は組成物のTの減少によって示され、かつ/または軟化効果もしくは柔軟効果は、それぞれ、ショア硬さの減少および/または曲げ弾性率の低下によって示される。典型的には、この有機重合体と構造I〜IVのいずれかの化合物の組み合わせは、ASTM D3418または他のDSC法によるDSCによって測定した時、端正な重合体のTよりも少なくとも5℃低い、少なくとも15℃低い、少なくとも30℃低い、または少なくとも50℃低いTを有する。有用な一般的な手順は次の通りである:試料を、冷蔵冷却およびTAサーマルアドバンテージソフトウェア(TA Instruments;ニューキャッスル、デラウェア州)を備えるTA Q200装置、またはその同等物で、20℃/分のランプ速度を用いて評価する。試料を室温から210℃にし、その後、急冷する。その後、試料を、20℃/分の速度で210℃まで再加熱する。ガラス転移温度を、第二スキャンで測定する。
【0078】
可塑化機能を実行するために用いる時、構造I〜IVのいずれかの化合物は、好ましくは25℃で約500センチポイズ(cP)より低い粘性を有する。この粘性は、25℃で約1cP〜250cP、または約50cP〜200cPであり得る。粘性が低いと、例えば、予熱することなく、または希釈剤もしくは溶媒を付加することなく、1種類以上の重合体組成物への配合が容易になり、プラスチゾルなどのペーストの作製が可能になる。
【0079】
特定の実施形態において、化合物I〜IVの少なくとも一部は、プラスチゾルの液相にある。本明細書で使用する「プラスチゾル」という用語は、熱を加えると固体で、柔軟性のある、可塑化重合体生成物を形成する可塑化エマルション中の重合体粒子の流動性懸濁液を意味する。他の重合体粒子を用いることができるが、好ましい重合体相はポリ塩化ビニルである。本発明によるプラスチゾルは、構造I〜IVの化合物を10重量%から90重量%含んでもよい。重合体プラスチゾルを、実施形態において、金型の中または表面に注ぎ、そこで次に熱を加えると、この懸濁液は固体の、柔軟性のある塊を形成する。このような実施形態において、この可塑剤に「融合」をもたらすことが重要であり、詳解の目的で、「融合」とは、プラスチゾルの重合体粒子の境界を可塑剤の影響で破壊し、分子スケールでこの重合体の混合をもたらし、その際、この効果が固体状態を維持することを意味する。構造I〜IVによる化合物は、「高速融合可塑剤」として十分に機能する場合が多く、この「高速融合可塑剤」とは、可塑剤がプラスチゾルの重合体粒子の境界を破壊し、混合が生じるのに必要な時間を短縮するか、プラスチゾルの重合体粒子の境界を破壊し、混合が生じるのに必要な温度を下げるか、またはその両方を意味する。
【0080】
本発明によるプラスチゾルは、車の車体の底面コーティングにおける、モールディングにおける、および他の消費者製品におけるシート原料またはフィルム、フローリング、テント、防水シート、自動車の内装などのコーディング布の製造に有用である。プラスチゾルは、血液バッグおよび多層シートなどの医療用途、ならびにフィルム、チューブ、履物、布のコーティング、おもちゃ、フローリング製品および壁紙にも用いられる。プラスチゾルは、分散した重合体粒子100部につき可塑剤を典型的には40〜200重量部、より典型的には50〜150重量部、より典型的には70〜120重量部、より典型的には、90〜110重量部含む。PVCプラスチゾルを、通常、エマルション重合により産生したPVCから作製する。
【0081】
特定の実施形態において、構造I〜IVによる化合物は、PVC100部につきこの化合物を40〜200重量部、または50〜150重量部、または70〜120重量部、または90〜110重量部を含むPVCプラスチゾル組成物の中に含まれる。このようなプラスチゾル組成物は、安定した粘性を有する傾向があり、それらの粘性は、約20℃〜25℃の間の温度で保存した時、14日間にわたって約200%未満増加するか、または約20℃〜25℃の間の温度で5日間保存した時、約100%未満、好ましくは70%未満、より好ましくは50%未満増加する傾向にある。
【0082】
本開示の別の実施形態において、柔軟性のあるPVC品の製造プロセスを提供し、それによって、PVCの100重量部につき化合物のI〜IVの1つ以上を含む可塑剤組成物を40〜200重量部、または50〜150重量部、または70〜120重量部、または90〜110重量部含むプラスチゾルから層を形成し、その後、加熱によってこの層を融合する。
【0083】
本発明によるプラスチゾルは、ジエチレングリコールジベンゾエート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイオデシル(diiodecyl)、他のジアルキルフタル酸塩類、ジプロピレングリコールジベンゾエート、例えば、ドイツのレーバークーゼンにあるBayer AGからMESAMOLL(商標)として入手可能なペンタデシルスルホン芳香族スルホン酸エステルのフェニルクレシルエステル類、クエン酸トリブチルアセチルなどのクエン酸類、トリ2−エチルヘキシルホスフェート、2−エチルヘキシル−イソデシルホスフェートなどのトリオクチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェートおよびトリクレシルホスフェートなどの1つ以上の追加の可塑剤をさらに含んでもよい。
【0084】
一般に、本発明による重合体組成物は、1種類以上の架橋剤、アジュバント、着色剤、付着防止剤、強靭化剤、溶媒、充填剤、金属微粒子、臭気除去剤、潤滑剤、熱安定剤、UV安定剤を含む光安定剤、難燃添加剤、顔料、発泡剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、凝集溶剤、またはそれらの組み合わせをさらに含んでもよい。
【0085】
有用な、任意選択の添加剤には、ジイソ酪酸トリメチルペンタニル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、フタル酸アルキルベンジル、アジピン酸ジアルキル、トリアルキルトリメリテート、クエン酸アルキリル(alkylyl)トリアルキル、アゼライン酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、ジアルキルシクロヘキサンジカルボン酸、スルホン酸ジアルキル、ペンタエリスリトールエステル、グリセロールエステル、脂肪酸エステル、グリコールジベンゾアート、エポキシ化大豆油、国際特許出願PCT/US08/79337もしくはPCT/US09/40841に記載されている添加剤のいずれか、またはこれらの追加の添加剤のいずれかの混合物が含まれるが、これらに限定されない。アルキル、ジアルキル、またはトリアルキル基の1つ以上は、実施形態において、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル基、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、カプリル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、イソヘプチル、イソオクチル、イソノニル、イソデシル、イソウンデシル、またはそれらの混合物である。実施形態においては、アルキリルはアセチルまたはn−ブチリルである。実施形態において、グリコールはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、またはジプロピレングリコールである。これらの追加の添加剤は、実施形態において、化合物I〜IVの1つ以上との混合物として存在する。
【0086】
さらに、本発明の重合体組成物中に存在してもよい任意の物質には、例えば、1種以上の(凝集溶剤を含む)溶媒、架橋剤、着色剤(染料または顔料)、(抗真菌剤、抗菌剤、または抗ウイルス剤などの)付着防止剤、強靭化剤、粘着剤、追加の重合体、充填剤、希釈剤、粘度調整剤、金属微粒子、臭気除去剤、アジュバント、潤滑剤、熱安定剤、UV安定剤を含む光安定剤、難燃添加剤、発泡剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤またはそれらの組み合わせが含まれる。これらの追加の物質は、下記に記載するように、この組成物に様々な機能要素を与え、それらの性質は、例えば、1つ以上の製品におけるこの組成物の使用目的によって決まる。
【0087】
本発明の重合体組成物は、様々な製品を形成するのに有用である。本明細書で使用する「製品」は、本開示の1つ以上の組成物を包含するチューブ、フィルム、シート、または繊維などの別々の形状を有するアイテムである。いくつかの実施形態において、この製品は、1種類以上の溶媒の凝固または蒸発などの変換行い、最終製品をもたらす組成物中にその起源を有してもよい。いくつかの実施形態において、製品を、実質的には、本発明の重合体組成物から形成し、他の実施形態において、本発明の重合体組成物は、製品の1枚の層などの1部のみを形成する。
【0088】
製品を、例えば、コーティング、鋳造、押出、共押出、異形押出、ブロー成形、熱成形、射出成形、コインジェクション成形、反応射出成形、フライス加工、または機織りを含む広範な製造方法によって本発明の重合体組成物から形成することができる。この重合体がPVCを含む場合、例えば、製品は、いくつかの実施形態において、ケーシング、パイプ、ケーブル、ワイヤーの被覆、繊維、織布、不織布、フィルム、ウィンドウプロファイル、床の敷物、壁の主成分、自動車用アイテム、医療用アイテム、おもちゃ、包装容器、瓶に適合したネジ閉鎖やストッパー、ガスケット、シーリング化合物、フィルム、合成皮革アイテム、粘着テープの裏打ち、または衣類のアイテムである。いくつかの実施形態において、ケーシングは、電気装置用のケーシングである。いくつかの実施形態において、医療用アイテムは、医療用チューブや医療バッグである。いくつかの実施形態において、フィルムは、屋根のフィルム、複合フィルム、合わせガラス用フィルム、または包装フィルムである。いくつかの実施形態において、包装容器は、食品または飲料用の容器である。いくつかの実施形態において、シーリング化合物は、密封されたガラス窓用である。いくつかの実施形態において、自動車用アイテムはシートの表皮、計器パネル、肘掛、ヘッドサポート、ギアシフトダストカバー、シートのスプライン、消音パネル、窓シーリング、ランドー型の上部、封止剤、トラックの防水シート、ドアパネル、コンソールとグローブボックスのカバー、装飾用積層フィルム、フロアマット、電線の絶縁、車体の側面の成形、車体の底面のコーティング、グロメット、またはガスケットである。
【0089】
いくつかの実施形態において、この製品は2枚以上の層を含み、構造I〜IVのいずれかの化合物は、少なくとも1枚の層を構成するか、または1枚の層の中に含まれる。別の実施形態において、この製品は、少なくとも1枚の層の中に1つ以上の化合物I〜IVを含む組成物を含む。いくつかのそのような実施形態において、2枚の隣接する層の他方が、化合物I〜IVに対応する構造を持たない可塑剤を含む。これらの可塑剤には、種々な実施形態において、他の添加剤が含まれている。このような添加剤のいくつかの例として、フタル酸ジアルキル、ジイソ酪酸トリメチルペンタニル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、フタル酸アルキルベンジル、アジピン酸ジアルキル、トリアルキルトリメリテート、クエン酸アルキリル(alkylyl)トリアルキル、アゼライン酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、ジアルキルシクロヘキサンジカルボン酸、ペンタエリスリトールのエステル、グリセロールエステル、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸エステル類、グリコールジベンゾエート、エポキシ化大豆油、およびそれらの混合物のエステルが挙げられる。
【0090】
本発明による特定の重合体組成物は、粘着フィルムまたは粘着コーティングを含む接着剤として有用である。このような接着剤は、例えば、ポリ(酢酸ビニル)または酢酸ビニル共重合体エマルションを含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、化合物I〜IVは、マニキュア液における可塑剤として有用である。別の実施形態において、化合物IまたはIIは、これらの製剤における溶媒および/または共溶媒として使用することができる。マニキュア液において有用な重合体には、ニトロセルロースおよびトシルアミド−ホルムアルデヒドなどが含まれる。
【0092】
構造I〜IVのいずれかによる化合物は、潤滑剤として、または潤滑剤組成物の成分としても有用である。いくつかの実施形態において、2つ以上のこのような化合物の混合物(blend)、すなわち混合物(mixture)は、潤滑剤として、または潤滑剤組成物の成分として有用である。この潤滑剤は、典型的には、少なくとも1種類の抗酸化剤を含み、この抗酸化剤は、典型的には、潤滑剤組成物の0.1〜5重量%、特に、0.1〜2重量%を構成する。この潤滑剤を、2つの表面間に潤滑性能を提供する2つの接触面の間に適用する。
【0093】
本発明による潤滑剤は、例えば、コンプレッサー液、工業用油類(耐摩耗特性の潤滑剤、循環潤滑剤、化合物用潤滑剤、綿摘み機用潤滑剤、シリンダー用潤滑剤、エッジコーティングシール用潤滑剤、電気用生分解性潤滑剤)、エンジンオイル類、オートマチックトランスミッション液、自動車ギア用潤滑剤類、金属加工液、およびR&Oタービン油などとして有用である。本開示の化合物I〜IVは、例えば、1種類以上の鉱油類、ポリアルファオレフィン類、二塩基酸エステル類、ポリオールエステル類、アルキル化芳香族化合物類、ポリアルキレングリコール類、リン酸エステル類、および植物油類などの1種類以上の他の潤滑剤との混合物として用いることができる。潤滑製剤は、耐摩耗特性の極圧添加剤、防腐剤および防錆剤、洗浄剤、分散剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、シール膨張剤、粘度調整剤、消泡剤、および金属不活性化剤などをさらに含み得る。実施例5の生成物の流動点を、それぞれ、(発泡特性−シーケンスI、IIおよびII)、ならびにASTM D97に従って評価する。
【0094】
潤滑剤として、または潤滑製剤において有用な化合物I〜IVは、ASTM D97に従って測定した時、好ましくはわずか0℃の、好ましくはわずか−20℃の流動点を有する。これらの化合物は、ASTM D892 IP 146によって示されるように、そのテストにおいて、好ましくは発泡に優れた耐性を示し、好ましくは5分および10分の両方の吹き付け後に1mL未満の泡量を示す。低起泡性は、大規模な操作中により優れた潤滑フィルムおよび安定した油圧を与えることができる。さらに、低起泡性潤滑剤は、高容量または高圧を用いる高性能オイルポンプシステムにおいてより優れた性能をもたらし得る。
【0095】
以下の実施例に、本開示の化合物およびそれらの適用について、それらの範囲を限定することなくさらに説明し、記載する。特に明記しない限り、全ての部および%は重量によるものである。
【0096】
実施例1
250mLの3口丸底フラスコに、レブリン酸エチル(Et−LGK)(98.2%)のグリセリンケタール32.8g(0.15モル)、およびレブリン酸エチル(Et−LPK)(0.14%レブリン酸エチルおよび検出不可能なプロパンジオール)の1,2−プロピレングリコールケタール91.0g(0.45モル)を入れる。フラスコの内容物を真空下(6トール)で攪拌し、110℃まで加熱する。チタンテトライソプロポキシド9.7μLをこのフラスコの中に加える。窒素パージを維持し、フラスコの内容物を23O℃まで加熱し、その間に、液体凝縮液が形成する。この反応混合物を110℃まで冷却し、第2の液体の蒸留を約4トールの減圧を用いて行う。この反応混合物を、それ以上の蒸留物が収集されなくなるまで、周囲温度まで冷却する。
【0097】
生成物は、構造IIIに対応する化合物の混合物であり、aおよびcは2であり、bは0であり、dは0であり、iが1であり、RおよびRはメチル基であり、RはCH(CH)であり、Rはメチレンであり、Rは水素であり、R23はエチルである。nの値は、この物質の約48.6%に対しては1であり、この物質の約26.8%に対しては2であり、この物質の約12.2%に対しては3であり、この物質の約8.2%に対しては4である。この生成物は、残留Et−LGKおよびEt−LPKを4.3%含む。
【0098】
実施例2
250mLの3口丸底フラスコに、1,4−ブタンジオール((BDO)シグマアルドリッチ社、セントルイス、ミズーリ州)18.02g(0.2モル)およびエチル−LPK(Et−LPK)121.35g(0.6モル)(0.14%レブリン酸エチルおよび検出不可能なプロパンジオール)を入れる。90℃まで加熱しながら、フラスコの内容物を6トールの圧力で攪拌する。その後、チタンテトライソプロポキシド3.22μLをこのフラスコの中に加える。窒素パージを維持し、このフラスコの内容物を3時間、200℃まで加熱し、その間に、凝縮物が形成する。この反応混合物を110℃まで冷却し、第2の液体の蒸留を約7トールの減圧下で成し遂げる。それ以上の蒸留物が収集されなくなるまで、減圧を維持する。このフラスコを周囲温度まで冷却し、圧力は大気圧まで平衡化する。
【0099】
この反応生成物は、
【化25】


に対応する化合物を約87.2%、
【化26】


に対応する化合物(式中、Rは−(CH−である)を約1.1%、かつエチル−LPKを約0.6%含む。この生成物は、いくつかのオリゴマー物質も含む。
【0100】
実施例3〜4および比較試料1
実施例1の生成物を、PVC100部につき可塑剤50部でポリ(塩化ビニル)((PVC)、Mn=55,000、Mw=97,000)とあらかじめ混合する。このプレミックスを、連続的な窒素(N)パージ下、165℃〜170℃で作動する2軸押出機の中で10分間、別々に混合し、実施例3を形成する。実施例4を、実施例2の生成物を実施例1の生成物と交換することを除いて、同じ方法で作製する。得られた混合物のショアA硬度を、ASTM D 2240に従って測定する。Tを、標準的なDSC技術を用いて測定する。実施例3のTは−9.7℃であり、ショアA硬度は81.5である。実施例4のTは−8.0℃であり、ショアA硬度は78.8である。PVCそれ自体のTは67.2℃である。
【0101】
実施例5
5ガロンのParr Model 4557反応器(Parr Instrument Co.,モリーン、イリノイ州)に、Et−LPK12.74kg(63モル)および1,4−ブタンジオール(シグマアルドリッチ社;セントルイス、ミズーリ州)1.89kg(20.97モル)を入れる。この反応器の内容物を52トールの圧力、50rpmで撹拌する。再循環冷却器を−10℃で作動させ、高温循環装置を70℃で作動させる。この反応混合物を約16時間乾燥窒素でパージする。その後、4〜5トールの真空を約2時間この反応器に適用する。チタン(IV)イソプロポキシド(シグマアルドリッチ社、セントルイス、ミズーリ州)0.358g(1.26ミリモル)をEt−LPK4mLと混合し、この反応器に加える。この反応混合物を乾燥窒素で約20分間パージし、その後、高温循環装置を200℃に設定する。
【0102】
この反応器の内容物を3時間、約200℃まで加熱し、その間に、凝縮物を収集する。約97.2%が変換した時点で、高温循環装置の設定点を200℃まで下げることにより、20〜25トールの真空を適用して、この反応器を冷却する。凝縮物形成が終わるまで、この反応器に約5トールの真空を適用することにより、蒸留を継続する。この反応器の内容物をGC−FIDにより分析する。その後、上記に記載のとおりに蒸留を再び始め、エチル−LPKの濃度が約1.0%未満であることをその後の分析が明らかにするまで継続する。蒸留が完了する時、この反応器を周囲温度まで冷却する。
【0103】
この反応生成物は、構造I(式中、aは2であり、bは0であり、xは1であり、yは1であり、Rは−CHであり、RはCH(CH)であり、Rはメチレンであり、Rは−(CH−であり、各Zは−O−である)による物質を約90.77%含む。
【0104】
実施例6
5ガロンの反応器に、Et−LPK12.54kg(62モル)、Et−LGK3.38kg(15.48モル)、およびIRGAFOS(登録商標)168(Ciba AG、バーゼル、スイス)2.95gを入れる。この反応器の内容物を52トールの圧力、50rpmで撹拌し、再循環冷却器を−10℃に設定する。高温循環装置を70℃で、一晩約16時間作動させる。4〜5トールの真空を約2時間この反応器に適用する。チタン(IV)イソプロポキシド0.358g(1.26ミリモル)をEt−LPK4mLと混合し、この反応器に加える。その後、この反応混合物を乾燥窒素で約20分間パージし、高温循環装置を200℃に設定する。
【0105】
この反応器の内容物を6時間、約200℃まで加熱し、凝縮物を収集する。この反応が約99.0%の変換に達した後、Et−LPKおよびEt−LGKのあわせた濃度が1%未満になるまで、Et−LPKおよびEt−LGKを留去する。蒸留が完了する時、この反応器を周囲温度まで冷却する。
【0106】
この生成物は、構造III(式中、aおよびcは2であり、bは0であり、dは0であり、iは1であり、RおよびRはメチルであり、RはCH(CH)であり、Rはメチレンであり、Rは水素であり、R23はエチルである)による化合物の混合物である。nが1,2,3または3をこえる種は、それぞれ、この組成物の49.60%、28.35%、13.01%および8.32%を構成する。
【0107】
実施例7〜8
サスペンショングレードのPVC粉末(Type 2095 Georgia Gulf Corporation,アトランタ、ジョージア州)100部を、安定剤(ThermChek−SP175,Ferro Corporation,クリーブランド、オハイオ州)2.5部と混合し、その後、エポキシ化大豆油の5部と混合する。
【0108】
その後、得られた混合物を実施例5の生成物50部と混合し、実施例7を形成する。混合を、オービタルミキサーで約5分間行う。この混合物を、27mmのブラベンダー(BRABENDER)(登録商標)(model#DR2051)PolySpede二軸押出機(CW.BRABENDER(登録商標)Instruments,Inc.,南ハッケンサック、ニュージャージー州)の供給ホッパーに移す。この物質を、150℃、スクリュー速度65rpmで、2mmのロッドダイに通して押出す。この物質を水浴で冷却し、ブラベンダー社製ペレタイザーに注ぐ。
【0109】
実施例8を、実施例5の生成物の代わりに実施例6の生成物を用いて、同じ方法で調製する。
【0110】
ペレット化押出物をニッセイ社製射出成形機(Model#PS04E5A;Nissei−America,Inc.ガハナ、オハイオ州)に注ぐ。ASTM D638−90 Type I引張試験片(tensile bar)を以下の条件で射出成形する:加熱ゾーン1〜3の設定温度165℃、噴射ノズルの設定温度165℃、金型温度25℃、スクリュー速度25%、ショットサイズ53mm、背圧5%、第2の金型充填時間1.17秒および回復時間9秒、その後、金型から引張試験片を取り外す前に15秒冷却する。
【0111】
これらの成形した引張試験片の中の可塑剤負荷量を、TAサーマルアドバンテージソフトウェア(TA Instruments;ニューキャッスル、デラウェア州)を備えるTA Q50を用いて、熱重量分析(TGA)の重量損失データを用いて決定する。分析を、30℃でこれらの試料を平衡化することによって行い、その後、600℃まで10℃/分で温度を傾斜させる。「可塑剤の実際の重量%」と表示した分析の結果を表2に示す。
【0112】
ペレット化押出物のガラス転移温度(T)を、冷蔵の冷却およびTAサーマルアドバンテージソフトウェアを備えるTA Q200装置を用いる以下のASTM D−3418により決定する。約5mgおよび約15mgの範囲の均一な試料をT−0皿に置き、T−0蓋で圧着する。T値を表2に示す。
【0113】
ショアA硬度試験を、試験領域の成形した引張試験片の試料の厚さが3.2mmであることを除いてASTM D2240によって特定したように、デュロメータタイプA(Instron、ノーウッド、マサチューセッツ州)を用いて、これらの成形した引張試験片(外側の幅はゲージ幅よりも広い)の端で行い、測定値を15秒後にとる。試料ごとに10個の測定値の平均をとり、表2に報告する。
【0114】
水溶性物質の抽出を、ヘキサンおよび1%石鹸水溶液の両方で行う。ヘキサン(Fisher Scientific、ウォルサム、マサチューセッツ州)を、受取ったままの状態で用いた。この1%の石鹸水溶液を、脱イオン水およびIVORY(登録商標)石けんの削りくず(Procter and Gamble Co.、シンシナティ、オハイオ州)を用いて作製する。5種類の成形した引張試験片を試験し、平均値を各々について記録する。抽出前および抽出後の質量測定を、これらの成形した引張試験片上で行う。これらの成形した引張試験片を、周囲温度で抽出媒体中に(容器中につるして)完全に浸漬させる。浸漬の24時間後、これらの試料を抽出媒体から取り除き、これらの石鹸溶液試料を脱イオン水で軽くすすぎ、乾燥させる。全ての試料を24時間風乾させ、抽出後の質量を測定する。これらの試料の重量損失を表2に報告する。
【0115】
【表1】

【0116】
実施例9〜12
実施例9〜12を、以下の方法で全て別々に作製する:250mLの4口丸底フラスコに、Et−LGK43.62g(0.2モル)およびアジピン酸ジエチル(DEA)80.90g(0.4モル)を入れ、その後、Irgafos(登録商標)168(Ciba Corporation;フォーハムパーク、ニュージャージー州)0.0063gを加える。このフラスコの内容物を、窒素雰囲気下、60℃で撹拌する。12μl(マイクロリットル)のTi(イソプロポキシド)をこのフラスコに加える。このフラスコの内容物を110℃まで加熱し、3〜5トールで約5分間脱気し、窒素を再充填する。この反応混合物を230℃まで加熱し、完了するまでこの反応から凝縮物を蒸留する。このフラスコを周囲温度まで冷却する。これらの反応混合物を真空蒸留により精製し、残留出発物質を除去する。
【0117】
それぞれの場合の生成物は、構造IVによる化合物の混合物であり、式中、eは2であり、fは0であり、iは1であり、R10はエチルであり、R12は−(CHであり、R14はメチルであり、R15は水素である。実施例9〜12のそれぞれは、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を含む。これらは全て、未反応の出発物質を含む。これらの種の相対量を表3に示す。
【0118】
【表2】

【0119】
実施例13
500mLの4口丸底フラスコに、DEA191.91g(0.95モル)およびエチルレブリン酸のトリメチロールプロパンケタール(Et−LTMPK)62.30g(0.24モル)を入れる。Et−LTMPKを、国際特許WO2007/062118に概要が述べられている手順に従って合成する。この反応混合物を、窒素パージを行いながら12時間60℃まで加熱する。TPTの16μLをこのフラスコに加え、その後、この混合物を110℃まで加熱する。110℃の時点で、20トールの真空を5分間適用し、窒素を再充填し、この反応温度を230℃まで上昇させる。液体凝縮物を、温度を徐々に260℃まで上昇させながら収集する。約3時間後、このフラスコの内容物を周囲温度まで冷却する。
【0120】
この生成物は構造IVに相当し、式中、eは2であり、fは1であり、iは1であり、R10はエチル、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15はエチルである。実施例13は、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を54.6%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を11.2%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を3.2%含む。
【0121】
実施例14
250mLの3口丸底フラスコに、(国際特許WO2007/062118に従って合成した)アセト酢酸エチルのグリセリンケタール26.63g(0.13モル)、アジピン酸ジエチル105.37g(0.52モル)を入れ、窒素パージ下で12時間60℃まで加熱し、その後、温度を110℃まで上昇させ、さらに2時間、20トールの圧力をかける。その後、チタン(IV)イソプロポキシド7.5μLをこのフラスコに加え、窒素を再充填する。このフラスコを2.5時間、230℃まで加熱し、その後、さらに2時間240℃まで温度を上昇させる。この混合物を周囲温度まで冷却する。この生成物を約25分間、8トール、125℃で、未反応の出発物質を留去することにより精製する。
【0122】
この生成物は構造IVに相当し、式中、eは1であり、fは0であり、iは1であり、R10はエチルであり、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15は水素である。実施例14は、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を36.7%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を19.4%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を31.1%含む。
【0123】
実施例15〜16
250mlの4口丸底フラスコに、Et−LGK49.08g(0.225モル)およびコハク酸ジエチル((DESU)シグマアルドリッチ社、セントルイス、ミズーリ州)78.39g(0.45モル)を入れ、12時間、一定の窒素パージ下で60℃まで加熱し、出発物質を乾燥させる。TPT13.5μlをこの反応フラスコに加え、この反応混合物を25分間、110℃まで加熱し、その後、5分間、5〜8トールの真空下で脱気し、このフラスコに窒素を再充填し、210℃まで加熱する。凝縮物を収集し、監視し、この反応物の生成物への変換率(%)を決定する。この生成物(実施例15)は構造IVに相当し、式中、eは2であり、fは0あり、iは1であり、R10はエチル、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15は水素である。実施例15は、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を52%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を30%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を17%含む。
【0124】
実施例16を、Et−LGKの量を倍にすること、かつ反応時間を45分延長することを除いて、同じ方法で作製する。この生成物は構造IVに相当し、式中、eは2であり、fは0あり、iは1であり、R10はエチル、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15は水素である。実施例16は、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を69%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を24%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を7%含む。
【0125】
実施例17〜18
Et−LGKおよびセバシン酸ジエチル((DESE)シグマアルドリッチ社、セントルイス、ミズーリ州)を、上記の実施例15〜16について記載した手順と同様に反応させる。この反応温度は230℃であり、反応時間は、実施例17については46分、実施例18については35分である。セバシン酸ジエチルに対するEt−LGKの比は、実施例17においては2:1であり、実施例18においては4:1である。
【0126】
実施例17の生成物は構造IVに相当し、式中、eは2であり、fは0であり、iは1であり、R10はエチルであり、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15は水素である。これは、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を45%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を32%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を21%含む。
【0127】
実施例18の生成物は構造IVに相当し、式中、eは2であり、fは0であり、iは1であり、R10はエチルであり、R12は−(CH−であり、R14はメチルであり、R15は水素である。これは、sが1であり、vが0であり、かつwが1である種を73%、sが1であり、vが0であり、かつwが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、かつwが1である種を20%、ならびにsが1であり、v>1、かつw>2である種を6%含む。
【0128】
実施例19〜21
実施例19〜21を以下のとおりに調製する。サスペンショングレードのPVC粉末種(Type 2095 Georgia Gulf Corporation)100部を、安定剤(ThermChek−SP175)2.5部と混合し、その後、エポキシ化大豆油5部と混合する。実施例9の生成物を所定の負荷量で加え、約5分間、パドル翼を備えた調理用ミキサー中で混合する。この粉末を、150℃で、27mmのブラベンダー社製二軸押出機の供給ホッパーに移す。全ての物質を2mmのロッドダイに通過させ、水浴で冷却し、ペレット化する。ペレット化した物質を、3つの加熱ゾーンと165℃のノズル温度を備えるニッセイ社製射出成形機に注ぐ。金型温度を25℃に設定する。スクリュー速度を5mmのショットサイズで30%に設定し、5%の背圧を用いて、1.01秒の金型充填時間および11.5秒の回復時間で金型に充填する。
【0129】
ガラス転移温度を、ASTM D−3418に従って、実施例19〜21のそれぞれについて決定する。引張特性を、ASTM D638に従って測定する。ショアA硬度を、3.2mm厚の射出成形棒上で、15秒測定する(ASTM D2240)。結果を表4に示す。
【0130】
【表3】

【0131】
ヘキサン、石鹸水、および鉱油での(実施例7〜8に記載の)抽出を、以下のように改良したASTM D1239に従って、実施例19〜21のそれぞれにおいて行う。試料をあらかじめ調整せず、抽出に1.4Lの容器を用いて、5反復の試料を同じ容器内に浸漬する。抽出結果を表5に示す。
【0132】
【表4】

【0133】
実施例22〜23および比較試料2
ポリ(乳酸)(PLA)樹脂(グレード4060D、Nature Works,LLC、ミネトンカ、ミネソタ州)を、真空下、40℃で4時間乾燥させ、配合する。PLAを、210℃で、60rpmで設定したブラベンダー社製3ピースボウルミキサーの中で、実施例12の生成物と配合する。2分間混合しながら、このPLA樹脂をこのボウルミキサーに注ぎ、その後、さらに8分間混合しながら、実施例12の生成物を加える。実施例22については、実施例12の生成物を10重量%加え、実施例23については、実施例12の生成物を20重量%加える。比較試料2には、可塑剤を加えない。配合試料を、真空下40℃で、4時間乾燥させる。カーバー社製モデル4122空気加熱プレートプレス(pneumatic heated plate press)(Carver,Inc.;ウォバシュ、インディアナ州)を210℃まで予熱する。試料を、空気加熱プレートプレス上で、5分間、2010℃で、圧力をかけずに加熱し、その後、5分間、5000ポンドの力でプレスする。これらの試料を水浴中で急冷し、室温まで温める。全ての成形品は、約0.075mmの厚さを有する無色透明のフィルムである。
【0134】
配合試料からの可塑剤の移行を、以下の手順を用いて測定する:溶融配合法で圧力をかけたフィルムの1インチ正方形を、青、赤と黒のSharpie(登録商標)マーカーで印をつける。これらの試料を、指定条件で、制御された湿熱チャンバー内に置き、インクへの変化を100日後に評価する。1〜5のスケールの移行挙動を用いる(すなわち、1(なし)インクに変化なし、2(非常にわずか)インクの端に小さな変化がある)、3(わずか)インクの端の走りがある、4(明確)触ってみると、表面にわずかな油性がある、および5(非常に明確)表面に目に見える油がある)。移行の結果を表6に報告する。
【0135】
ガラス転移温度(T)を上記に記載の一般的手順を用いて決定し、結果を表6に報告する。
【0136】
【表5】

【0137】
実施例24〜25および比較試料3
Ultraタルク609((TAlC)Specialty Minerals、ベツレヘム、ペンシルベニア州)10部を、ポリ(乳酸)樹脂((PLA)グレード4032D、Nature Works,LLC、ミネトンカ、ミネソタ州)100部とあらかじめ混ぜ合わせる。このプレミックスを、210℃で、ブラベンダー社製3ピースボウルミキサー中で配合し、10分間、60rpmで混合し、タルクを充填したマスターバッチを形成する。このマスターバッチを冷却し、粉にする。このマスターバッチを、乾燥混合物が1重量%のタルクを含むような比率で、未使用のPLA樹脂(グレード4021D、Nature Works,LLC、ミネトンカ、ミネソタ州)と乾燥混合する。この乾燥混合物を、210℃で、このブラベンダーの中で実施例12の生成物と配合する。ガラス転移温度(T)および融点(T)を、上記の実施例22〜23に概要を述べた手順に従って決定する。冷却結晶化温度(T)を以下の方法を用いて決定する:試料を、室温から210℃まで20℃/分で傾斜させた後、急冷し、その後、第2の傾斜を25℃〜210℃まで20℃/分で行った後、210℃〜25℃まで10℃/分の傾斜で冷却し、冷却結晶化温度(T)を、冷却スキャン中の結晶化ピークの最大値として決定する。熱測定および移行の結果を表7にまとめる。
【0138】
【表6】

【0139】
実施例26〜33
実施例26〜33を以下のとおりに調製する。サスペンショングレードのPVC粉末種(Type 2095 Georgia Gulf Corporation)100部を、安定剤(ThermChek−SP175)1.5部と混合し、その後、エポキシ化大豆油2.5部と混合する。実施例9、10、12、14〜18の生成物それぞれを、実施例26〜33の可塑剤として用いる。可塑剤を50phrで加え、手動で混合し、HAAKE PolyLab押出機(Thermo Scientific;ウォルサム、マサチューセッツ州)に注ぐ。この混合物を、10分間、150rpmで共回転スクリューを用いて、165℃で溶融混合する。この配合PVC混合物を、1mmの厚さになるまで、カーバー社製モデル4122空気加熱プレートプレス(Carver,Inc.;ウォバシュ、インディアナ州)の中で、165℃で融解、圧縮する。試料を、5分間、圧力をかけずに加熱する。圧力を段階的に(1000ポンドの力、2500ポンドの力、4000ポンドの力)かけ、解放する。試料を、1分間、5000ポンドの力でプレスする。試料を水浴中で急冷し、最終的に室温にする。全ての物質は、その表面に粘着性のない無色透明から淡黄色のフィルムである。
【0140】
ショアA硬度を、実施例19〜21に概要を述べた手順に従って、全体の厚さが3mmである多量のフィルム上で測定する。ヘキサン抽出を、室温で24時間、ヘキサン6mLに浸した1mmの厚さの、事前に重さを量った1インチ正方形において行う。その後、これらの試料を取り除き、軽く押さえて水気をとり、24時間平衡化する。試料の重さを測り、質量損失(%)を決定する。熱、硬さおよび抽出の結果を表8に示す。
【0141】
【表7】

【0142】
実施例34−35
ポリ酢酸ビニル(PACE 383 Forboの接着剤)は、90:10の重量比で実施例11の生成物と共に溶融混合する。粘度を、20rpm、25℃で、ブルックフィールド社製RVT粘度計を用いて測定する。得られた可塑化ポリビニルアセテートの混合物は、実施例34と命名する。実施例35を、エチレン酢酸ビニル共重合体90部(Duroset E−200HV、Celanese Corporation)と実施例11の生成物10部とを溶融混合することによって作製する。得られた混合物の粘性を、混合後に25℃で、さらに7日後に約25℃で測定する。実施例34は、初期の粘性が6040cpsであり、7日後の粘性は6420cpsを示す。実施例35は、初期の粘性が5500cpsであり、7日後の粘性は5600cpsを示す。
【0143】
乾燥フィルムの特性を、#16巻線ロッドを用いて1.6ミルの未乾燥フィルムをガラス板の上に適用した後に観察する。ガラス板を水に浸し、耐水性を決定する。硬化の速度を、#16巻線ロッドを用いて1.6ミルの未乾燥フィルムをクラフト紙に適用することによって測定する。第2のクラフト紙のシートを、接着剤フィルム上部に適用する。硬化時間を、クラフト紙の上部層を引っ張る際に繊維の裂け目が観察されるまでの時間として評価する。全ての物質は、同様の硬化速度を有する。オープン時間を、#16巻線ロッドを用いて1.6ミルの未乾燥フィルムをクラフト紙に適用することによって評価する。コピー用紙を、5秒間隔で接着フィルム上に配置する。接着層を一晩乾燥させる。紙片をはがして、繊維の裂け目を探す。オープン時間を、未乾燥フィルムを敷いてから、繊維の裂け目が観察されるまでの最初の区間の時間として定義する。
【0144】
実施例34は表面タックの無い丈夫な、柔軟性のあるフィルムを形成する。オープン時間は20秒である。これらのフィルムを水に素早く入れる(blush)と、再分散する。実施例35は、表面粘着性のある滑らかな柔軟性のあるフィルムを形成する。オープン時間は35秒である。これらのフィルムを(水に)素早く入れても、再分散しない。
【0145】
比較として、実施例34を、実施例11の物質を市販の可塑剤(Benzoflex(登録商標)LA−705およびBenzoflex(登録商標)50、共にGenovique社製、ローズモント、イリノイ州)と置き換えて2回繰り返す。それぞれが、実施例34と同様の結果を提供する。
【0146】
さらなる比較として、実施例35を、実施例11の生成物をBenzoflex(登録商標)50物質またはフタル酸ジブチルと置き換えて2回繰り返す。再び、非常によく似た結果が得られる。
【0147】
実施例36
レブリン酸(580.2g、5.0モル)、1,3−プロパンジオール(209.5g、2.75モル)、および硫酸(39.5mg、22μL、50ppm)を、窒素下、170℃で2時間撹拌しながら空の2Lの4口丸底フラスコに加える。理論上揮発性物質の78%を収集した後、この反応混合物を減圧下に置く。48分後に、理論上揮発性物質の97%を収集する。粗反応混合物を室温まで冷却する。
【0148】
この粗反応混合物(390.95g(1.44モル))および1,2−プロピレングリコール(328.4g、4.3モル、Brenntag)を、1リットルの3口丸底フラスコに加え、10トールの真空下で4時間撹拌しながら70℃まで加熱する。4時間後、理論上揮発性物質の85%(44mL)を収集し、プロピレングリコール(93.2g、1.22モル)および硫酸触媒(18mg、10μL)を加える。この反応混合物を、さらに4時間、8トール真空下、80℃で撹拌する。残りの揮発性物質(100mL)を回収し、この反応物を室温まで冷却する。粗生成物を、二塩基性リン酸ナトリウム20gを用いて中和し、濾過する。中和した濾液を蒸留およびヘキサン抽出により精製し、構造
【化27】



(式中、R=−(CH−)を有する化合物297.4gを得る。
【0149】
実施例37
100mLの3口丸底フラスコに、1,3−プロパンジオール((PDO)シグマアルドリッチ社;セントルイス、ミズーリ州)7.61g(0.1モル)およびEt−LGK44.50g(0.22モル)を入れる。このフラスコの内容物を、90℃まで加熱しながら5トールの圧力で攪拌し、窒素を再充填する。チタンテトライソプロポキシド1.56μLを窒素パージでこのフラスコに加え、その後、このフラスコの内容物を200℃まで加熱する。約2.5時間後、この反応混合物を104℃まで冷却し、および第2の液体を約5トールの減圧下で蒸留する。それ以上の蒸留物が収集されなくなるまで、減圧を維持する。このフラスコを、周囲温度および大気圧まで冷却する。
【0150】
この生成物は、構造
【化28】




を有する化合物を約80.9%、および構造
【化29】


を有する化合物を約3.0%含む(式中、いずれの場合にも、Rは−(CH−である)。
【0151】
実施例38〜39および比較試料4
ポリ乳酸(PLA)(PLA6062;NatureWorks LLC,ミネトンカ、ミネソタ州)4.65gを、200℃で二軸配合機(Haake MiniLab II,Thermo Scientific)に入れる。配合スクリューを150rpmで共回転させた。実施例5の生成物0.35gを、この配合機の中で溶融したPLAに滴加し、10分間混合する。押出物を、ダイフェースから押し出し、収集する。この生成物を実施例38と命名する。実施例39を、実施例6の生成物を実施例5の生成物と置き換えることを除いて、同じ方法で作製する。比較試料4を、可塑剤を全く含めずに同じ方法で作製する。
【0152】
比較試料4(端正なPLA樹脂)のTは57℃、およびTは162℃を示す。実施例38のTは549℃、およびTは163℃を示す。実施例39のTは51℃、およびTは163℃を示す。
【0153】
実施例40
実施例5の生成物の起泡性の傾向および流動点を、それぞれASTM D892 IP146(発泡特性−シーケンスI、IIおよびII)、およびASTM D97に従って評価する。泡量(ml)を、5分間と10分間の吹き付け期間の終了時に決定する。全ての場合において、泡量は0mlであることを報告する。流動点は−33℃である。
【0154】
実施例41
250mLの3口丸底フラスコに、Et−LPK(40.42g、0.20モル)、エチレンジアミン(67mL、1.00モル)、およびエチレングリコール(l0μL)を入れる。このフラスコの内容を、120℃で40分間、130℃で15.25時間、および140℃で6.74時間加熱する。この反応混合物を室温まで冷却する。この粗生成物は、Et−LPK:エチレンジアミンの1:1付加物を78%、Et−LPK:エチレンジアミンの2:1付加物を12.5%含む。
【0155】
実施例42
3口丸底フラスコに、Et−LGK1258.28gm(5.76モル)、および1,4−ブタンジオール198.26gm(2.2モル)を入れる。このフラスコの内容物を16時間70℃まで加熱し、窒素を再充填する。チタンイソプロポキシド73.5μL(0.25×10−3モル)を、窒素パージ下でこの反応混合物に加える。このフラスコの内容物を6時間200℃まで加熱する。凝縮物を収集し、この凝縮物を298.9gm収集したときに、この反応物を冷却し、GPCおよびHNMRにより分析する。この生成物は黄色の粘性液体である。この生成物は、構造IIに対応する化合物の混合物であり、式中、eは2であり、fは0であり、xが2であり、zは0であり、Rは水素であり、Rは−(CH−であり、R14はメチル基であり、R15は水素である。この混合物は、約1375の分子量を有する種を約14%、約894の分子量を有する種を13%、約682の分子量を有する種を21.5%、約478の分子量を有する種を30%、約303の分子量を有する種を19%および少量の残留Et−LGKを含む。
【0156】
実施例43
3口丸底フラスコに、実施例42の反応生成物129.68gm(0.28モル)およびエチル4−(2−メチル−1,4−ジオキソラン−5−イル)ペンタン酸170.32gm(0.84モル)を入れる。このフラスコの内容物を、窒素パージ下で16時間、70℃まで加熱する。チタンイソプロポキシド11μL(0.37×10−3モル)を、窒素パージ下でこの反応混合物に加える。このフラスコの内容物を20時間210℃まで加熱する。凝縮物25.2gを収集し、過剰のモノマーを、真空下、200℃で3時間除去する。
【0157】
実施例44〜46および比較試料4
PVCディスクから活性炭への可塑剤の移行を、ASTM D1203−A4に従って測定する。0.5mmおよび1.0mm厚のディスク上で試験を行う。条件は70℃で24時間である。フタル酸ブチルベンジルは比較試料4の可塑剤である。実施例6の生成物を、実施例44の可塑剤として用いる。実施例5の生成物を実施例45の可塑剤として用いる。実施例43の生成物を実施例46の可塑剤として用いる。このテストにおける質量損失は、試料からの移行を示すので、絶対値が小さいほど、優れた結果を示す。結果を、表9に報告する。
【0158】
【表8】

【0159】
実施例47〜48
62.5重量%のPVC−2095、1.9重量%のThermChek−SP1363、3.1重量%のエポキシ化大豆油(ESO)、3.1重量%のラウリン酸エチル、1.9重量%のテキサノール−イソブチレート、および27.5重量%の可塑剤(実施例47については(実施例5)および実施例48については(実施例6))を、徐々に可塑剤を添加しながら、2分間、低速の調理用ミキサーを用いて混合することにより作製する。ペーストが形成されると、この組成物をさらに5分間撹拌する。この組成物は、40℃、25mmHgの真空オーブン中で脱気し、アルミ皿上に置く。これらの試料を、165℃のカーバーモデル4122空気加熱プレートプレスに置く。試料を10分間、圧力なしで加熱する。これらの試料は、硬い柔軟性のあるディスクを形成する。
【0160】
実施例49〜52および比較試料5〜6
規定量のグリセロールモノステアレート(GMS)(Alfa Aesar)またはポリブチレンテレフタレート、(PBT)(Sabic Innovative Plastics,Valox 310)を含むポリカーボネート(PC)(Sabic Innovative Plastics、Lexan 121R)4.65gを、規定温度で二軸配合機(Haake MiniLab II,Thermo Scientific)に入れる。配合スクリューを100rpmで共回転させる。実施例9〜12と同様に調製した可塑剤を、この配合機中の溶融樹脂にピペットにより滴加し、10分間混合する。この可塑剤は、sが1であり、vが0であり、wが1である種を56%、sが1であり、vが0であり、wが2であるか、またはsが1であり、vが1であり、wが1である種を25%、sが1であり、v>l、かつw>2である種を11%含む。この押出物をダイフェースから押し出し、収集する。実施例をDSCにより分析し、これらの結果を表10に報告する。それぞれの試料を、以下のプロファイルに従って実行する:第1のサイクル、−80℃〜200℃まで10℃/分で加熱;−80℃まで10℃/分で冷却;第2のサイクル、200℃まで10℃/分で加熱。T値を、DSCの実行の第2のサイクルから計算する。
【0161】
【表9】

【0162】
本開示は、開示した要素または言及した要素のいずれかを適切に含み、構成し、または本質的に構成し得る。例示的に本明細書に開示した開示を、特に本明細書に開示されていない任意の要素がない状態で適切に実施することができる。上記の様々な実施形態は単に例示の目的で提供されており、本明細書に添付した特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。様々な改変および変更が、本明細書に図示し、記載した実施例の実施形態およびに適用に従うことなく、かつ以下の特許請求の範囲の真の趣旨および範囲から逸脱することなく行われ得ることが認識されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造I
【化1】


に対応する構造を有する化合物(式中、
aは0〜12であり;
bは0または1であり;
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R、R、およびRは、独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
xは少なくとも1であり;
yは0または正数であり、x+yは少なくとも2であり;
は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各Zは、独立して、−O−、−NH−または−NR−であり、ここでRは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)。
【請求項2】
各Zが−O−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
yが0または2であり、xが少なくとも2である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
全てのaが2であり、全てのRがメチルである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
yが0であり、xが2である、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
yが1であり、xが1である、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
構造
【化2】


を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
構造
【化3】


を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
が1つ以上のエーテル基またはエステル基を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
がC〜Cアルキルである、請求項1〜8のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
請求項1に記載の2つ以上の化合物を含む混合物。
【請求項12】
構造II
【化4】


に対応する構造を有する化合物(式中、
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R、R、およびRは、独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
は水素または
【化5】


であり;
は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各R14およびR15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各Zは、独立して、−O−、−NH−または−NR−であり、ここでRは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各aおよび各eは、独立して、0〜12であり;
各bおよび各fは、独立して、0または1であり;
各iは0または1であり;
各jは0〜100であり;
wは1〜100であり;
xは少なくとも1であり;
yは0または正数であり;
zは0または正数であり、ただし、Rが水素である時、zは少なくとも1である)。
【請求項13】
各Zが−O−である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】

【化6】



(J=0、zは少なくとも1であり、wは1〜15)である、請求項12または13に記載の化合物。
【請求項15】

【化7】


(z=0、x=1、wは1〜15)である、請求項12または13に記載の化合物。
【請求項16】

【化8】


(z=0、xは1より大きく、wは1〜15)である、請求項12または13に記載の化合物。
【請求項17】
が水素であり、jが0〜15であり、zが少なくとも1である、請求項12または13に記載の化合物。
【請求項18】
全てのaが2であり、全てのRおよびR14がメチルである、請求項12〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
が1つ以上のエーテル基またはエステル基を含む、請求項12〜18のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
請求項12に記載の少なくとも2つの化合物を含む混合物。
【請求項21】
請求項1に記載の少なくとも1つの化合物および請求項12に記載の少なくとも1つの化合物を含む混合物。
【請求項22】
構造III
【化9】


に対応する構造を有する化合物(式中、
aは0〜12であり;
bは0または1であり;
iは0または1であり;
各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
、R、およびRは、各々独立して、メチレン、アルキルメチレン、またはジアルキルメチレンであり;
各Rおよび各Rは、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
各R23は、1〜36個の間の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
cは0〜12であり;
dは0または1であり;
nは1〜100の数である)。
【請求項23】
nが1〜15であり、aおよび全てのcが2であり、RおよびRがメチルであり、R23がアルキル基である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
構造
【化10】


を有する、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
請求項22に記載の少なくとも2つの異なる化合物を含む混合物。
【請求項26】
請求項22に記載の少なくとも1つの化合物および請求項1または請求項12に記載の少なくとも1つの化合物を含む混合物。
【請求項27】
構造IV
【化11】


に対応する構造を有する化合物(式中、
各eは、独立して、0〜12であり;
各fは、独立して、0または1であり;
各iは、独立して、0または1であり;
各R10は、独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各R14および各R15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
12は、共有結合、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
wは1〜100の数であり;
vは0〜100の数であり;
sは少なくとも1である)。
【請求項28】
sが1〜3である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
sが1である、請求項25に記載の化合物。
【請求項30】
v=0である、請求項27〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
構造
【化12】


を有する、請求項27に記載の化合物。
【請求項32】
構造
【化13】


(式中、vは少なくとも1である)を有する、請求項27に記載の化合物。
【請求項33】
w+v≧3である、請求項32に記載の化合物。
【請求項34】
wおよびvが各々1〜10である、請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
構造
【化14】


を有する、請求項27に記載の化合物。
【請求項36】
請求項27に記載の少なくとも2つの化合物を含む混合物。
【請求項37】
請求項27に記載の少なくとも1つの化合物、および請求項1に記載の少なくとも1つの化合物、請求項12に記載の少なくとも1つの化合物または請求項22に記載の少なくとも1つの化合物を含む混合物。
【請求項38】
請求項1〜10のいずれかに記載の化合物および有機重合体を含む組成物。
【請求項39】
請求項11〜16のいずれかに記載の化合物および重合体を含む組成物。
【請求項40】
請求項22〜24のいずれかに記載の化合物および重合体を含む組成物。
【請求項41】
請求項27〜35のいずれかに記載の化合物および重合体を含む組成物。
【請求項42】
請求項11、20、21、25、26、36または37のいずれかに記載の混合物および重合体を含む組成物。
【請求項43】
前記重合体のガラス転移温度よりも少なくとも5℃低いガラス転移温度を有する、請求項38〜42のいずれかに記載の組成物。
【請求項44】
前記重合体のガラス転移温度よりも少なくとも30℃低いガラス転移温度を有する、請求項38〜42のいずれかに記載の組成物。
【請求項45】
前記化合物または混合物が、前記化合物または混合物および前記重合体の総合重量の0.1〜90%を構成する、請求項38〜44のいずれかに記載の組成物。
【請求項46】
前記重合体が熱可塑性である、請求項38〜45のいずれかに記載の組成物。
【請求項47】
前記重合体が熱硬化性である、請求項38〜45のいずれかに記載の組成物。
【請求項48】
前記重合体が、ポリ(塩化ビニル)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(乳酸)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ尿素−ウレタン、ポリカーボネート、アクリル重合体、スチレン−アクリル重合体、ビニル−アクリル重合体、エチレン−酢酸ビニル重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルアセテート、エラストマー、それらのホモ重合体類、またはそれらのランダムなグラフト共重合体もしくはブロック共重合体、またはそれらの混合物(blend)もしくは混合物(mixture)を含む、請求項38〜47のいずれかに記載の組成物。
【請求項49】
前記組成物が、ラテックス、分散系、またはエマルションの中で分散相を形成する、請求項38〜48のいずれかに記載の組成物。
【請求項50】
前記化合物が、前記重合体と溶融混合または溶液混合される、請求項38〜48のいずれかに記載の組成物。
【請求項51】
前記組成物がプラスチゾルである、請求項38〜48のいずれかに記載の組成物。
【請求項52】
前記化合物の少なくとも一部が前記プラスチズルの液相にある、請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
1種類以上の架橋剤、アジュバント、着色剤、付着防止剤、強靭化剤、溶媒、充填剤、金属微粒子、臭気除去剤、潤滑剤、熱安定剤、UV安定剤を含む光安定剤、難燃添加剤、顔料、発泡剤、加工助剤、耐衝撃性改良剤、凝集溶剤、抗酸化剤、またはそれらの任意の2つ以上の組み合わせをさらに含む、請求項38〜52のいずれかに記載の組成物。
【請求項54】
フタル酸ジアルキル、ジイソ酪酸トリメチルペンタニル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル、フタル酸アルキルベンジル、アジピン酸ジアルキル、トリアルキルトリメリテート、クエン酸アルキリル(alkylyl)トリアルキル、アゼライン酸ジアルキル、グルタル酸ジアルキル、セバシン酸ジアルキル、ジアルキルシクロヘキサンジカルボン酸、ペンタエリスリトールエステル、グリセロールエステル、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸エステル、グリコールジベンゾアート、エポキシ化大豆油、およびそれらの混合物からなる群から選択される1種類以上の添加剤をさらに含む、請求項45〜61のいずれかに記載の組成物。
【請求項55】
請求項38〜54のいずれか一項に記載の組成物を含む製品。
【請求項56】
重合体と、可塑化量の請求項1に記載の少なくとも1つの化合物、請求項12に記載の少なくとも1つの化合物、請求項22に記載の少なくとも1つの化合物、請求項27に記載の少なくとも1つの化合物、もしくはそれらの2つ以上の混合物とを溶融混合または溶液混合することを含む、重合体を可塑化するプロセス。
【請求項57】
化合物が前記化合物および前記重合体の総合重量の0.1〜90%を構成する、請求項56に記載のプロセス。
【請求項58】
a.(A)構造
【化15】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(B)触媒および(C)構造R(OH)を有するポリオールまたは構造R(NRH)もしくはR(NHを有するポリアミン(ここでRは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび請求項1に記載の化合物を形成すること(式中、t=x+y、R20は、最高で36個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)
を含む請求項1に記載のエステル化合物もしくはアミド化合物の作製法。
【請求項59】
試薬(C)が構造R(OH)を有するポリオールである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
tが2であり、ポリオ−ルに対する前記アルキルケタールエステルのモル比が2:1〜10:1の範囲にある、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
a.(1)構造
【化16】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(2)構造
【化17】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、(3)触媒および(4)構造R(OH)を有するポリオールまたは構造R(NRH)もしくはR(NHを有するポリアミン(ここでRは、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび請求項12に記載の化合物を形成すること(式中、t=x+y+z、R20およびR21は、各々独立して、最高で36個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)
を含む請求項12に記載のエステル化合物またはアミド化合物の作製法。
【請求項62】
試薬(C)が構造R(OH)を有するポリオールである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
tが2であり、ポリオールおよびヒドロキシアルキルケタールエステルの総合モル数につき前記アルキルケタールエステルを2〜10モル提供する、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
a.(1)構造
【化18】


を有する1つ以上のアルキルケタールエステル、(2)構造
【化19】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、および(3)触媒を含む試薬を接触させること、
b.反応させて、アルコールおよび請求項22に記載のエステル化合物を形成すること(式中、R20およびR21は、各々独立して、最高で12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である)
を含むエステル化合物の作製法。
【請求項65】
(1)構造
【化20】


を有する1つ以上のヒドロキシアルキルケタールエステル、(2)ポリカルボン酸の完全エステルまたは部分エステル、および(3)触媒を含む試薬を接触させること;かつ反応させて、エステル化合物およびアルコールを形成すること(式中、eは0〜12であり、fおよびiは、各々独立して、0または1であり、各R10は、独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、各R14および各R15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基である)
を含むエステル化合物の作製法。
【請求項66】
試薬(2)がジカルボン酸のジエステルであり、ジカルボン酸のジエステル1モルにつきヒドロキシアルキルケタールエステルの少なくとも1モルが接触する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記試薬が、ヒドロキシアルキルケタールエステル、ポリオール、ジオール、またはそれらの任意の2つ以上の混合物と異なるアルコールエステルをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記触媒が、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンチモン、もしくはスズを含む有機金属または無機化合物から選択される、請求項65〜67のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記エステルが、IV
【化21】


(式中、
各eは、独立して、0〜12であり;
各fは、独立して、0または1であり;
各iは、独立して、0または1であり;
10は、独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
各R14および各R15は、独立して、水素、ヒドロカルビル基、または置換ヒドロカルビル基であり;
12は、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり;
wは1〜100の数であり;
vは0〜100の数であり;
sは少なくとも1である)
に対応する構造を有する、請求項65〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
請求項69に従って作製されるエステル。
【請求項71】
a.
【化22】


に対応する構造を含む化合物と、R(OH)に対応する構造を含むポリオールとを反応させて、水および
【化23】


に対応する構造を含む化合物を形成すること、
b.
【化24】


に対応する構造を含む化合物を加えること、
c.反応させて、水および請求項1に記載の構造を有する化合物を形成すること(式中、a、b、R、R、R、RおよびRは、請求項1で定義したとおりであり、xは少なくとも1であり、yは0または正数であり、t=x+yである)
を含む、請求項1に記載の化合物の作製法。
【請求項72】
抗酸化剤および請求項1、請求項12、請求項22または請求項27に記載の化合物を含む潤滑剤組成物。
【請求項73】
少なくとも2つの接触面を潤滑する方法であって、前記2つの接触面の間に、請求項71に記載の潤滑剤組成物を導入することを含む方法。

【公表番号】特表2012−530724(P2012−530724A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516383(P2012−516383)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/039554
【国際公開番号】WO2010/151558
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(510015279)サジティス・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】