説明

ケーブルホルダー、コネクタ及び電気的接続装置

【課題】小型で且つ係止確認がしやすいケーブルホルダー、並びに、それを有するコネクタ及び電気的接続装置を提供する。
【解決手段】ケーブルホルダー4は、フラットケーブル3の端部領域を保持するものであり、板状部41と押圧保持部42とを有する。押圧保持部42は、端部領域の一部を板状部41に対して押圧する押圧面44sを有する。板状部41の被巻き回し部41bは、U字状に曲げられた導体露出部3rを内側から支持する。押圧保持部42は、板状部41に支持され且つ幅方向について被巻き回し部41bの両外側から突出する一対の支持アーム43,43と、押圧面44sが形成され且つ一対の支持アーム43,43に支持される押圧板部44と、を備える。板状部41には、突出形成された係止部41kが設けられ、押圧保持部42には、当該係止部41kに対して係止される係止受け部44kが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットケーブルの用コネクタに用いられる、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルの端部領域を保持するケーブルホルダー、並びに、それを有するコネクタ及び電気的接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブル用コネクタの一構成部品としてケーブルホルダーが用いられる。ケーブルホルダーは、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルの端部領域を保持するものである。
【0003】
従来のケーブルホルダの一例として、特許文献1に記載されているケーブルホルダ12は、ケーブル巻付部26と仮保持部27とを備えて構成されている。ケーブル巻付部26は、フラットケーブル11の導体露出部24が折り返されるように巻き付けられる部分を構成している。また、仮保持部27は、ケーブル巻付部26に対して回動自在に支持されている。そして、ケーブル巻付部26とこの仮保持部27との間にフラットケーブル11の接続用端部23が配置されている状態で仮保持部27が回動されることで、この仮保持部27によって接続用端部23を押圧して保持するようになっている(図7等参照)。
【0004】
上記のように構成されることにより、ケーブルホルダ12は、フラットケーブルの抜け止めを図って確実に保持状態を維持し、フラットケーブルと相手側端子との十分な接触力を確保する。
【0005】
【特許文献1】特開2007−4987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記のケーブルホルダのような、ケーブル巻付部の上面から、仮保持部がケーブル巻付部に対して垂直に突出している構成において、仮保持部を曲げ易くするために、仮保持部の根元部分の肉厚を薄くした場合には、根元部分の強度が弱くなる。その結果、仮保持部の弾性力が小さくなってしまう。一方、仮保持部の弾性力が大きいと、ケーブルホルダの係止時に明確なクリック感が得られ、作業者は容易に係止確認ができるので、仮保持部の弾性力が大きいことが望ましい。
【0007】
また、仮保持部の根元部分に肉盛りして肉厚を厚くすることで、仮保持部の根元部分を強化できるが、その場合、仮保持部の突出高さが高くなってしまうために、ケーブルホルダが大型化してしまう。また、上記のケーブルホルダは、フラットケーブルの仮保持部が、ケーブル巻付部の上面から垂直に突出しているので、低背化が困難である。
【0008】
このように、従来のケーブルホルダにおいては、低背化(小型化)と、仮保持部の弾性力の確保とが両立できていない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、小型で、且つ、係止確認がしやすいケーブルホルダー、並びに、それを有するコネクタ及び電気的接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明に係るケーブルホルダーは、フラットケーブル用のコネクタに用いられる、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルの一方の端部領域を保持するケーブルホルダーであって、板状に形成された板状部と、前記フラットケーブルの前記端部領域の少なくとも一部を前記板状部に対して押圧する押圧面を有する押圧保持部と、を有している。そして、前記フラットケーブルは、前記端部領域において導体が露出した導体露出部を有しており、前記板状部は、その一端部を含むように形成された被巻き回し部を有しており、当該被巻き回し部は、U字状に曲げられた前記導体露出部を内側から支持するように形成され、且つ、前記導体露出部を支持している状態においては、前記フラットケーブルの前記幅方向に沿うように形成されており、前記押圧保持部は、前記板状部に支持され且つ前記幅方向について前記被巻き回し部の両外側から突出する一対の支持アームと、前記押圧面が形成され且つ前記一対の支持アームに支持される押圧板部と、を備えて構成されており、前記押圧保持部及び前記板状部のいずれか一方には、突出形成された単数又は複数の係止部が設けられ、他方には、当該係止部に対して係止される単数又は複数の係止受け部が設けられている。
【0011】
この構成によると、フラットケーブルの押圧保持部が、被巻き回し部の幅方向外側から突出していることで、ケーブルホルダーを低背化できる。また、この構成により、支持アームの設計自由度が向上して、支持アームの弾性力を大きく設定できるようになり、ケーブルホルダーの係止時におけるクリック感が向上する。具体的には、支持アームの根元部分に肉盛りすることで肉厚を厚くしたり、支持アームの支持位置を変更したり、側面視において(幅方向に直交する断面において)支持アームを二点支持にしたりすることで、支持アームの弾性力を大きく設定できる。その結果、小型で、且つ、係止確認がしやすいケーブルホルダーが得られる。
【0012】
前記押圧保持部は、前記板状部に対して第1の位置及び第2の位置の間で変位し、前記第1の位置においては、前記押圧面と前記板状部との間の隙間が前記フラットケーブルの厚みよりも大きく、前記第2の位置においては、前記一対の支持アームが弾性的に撓み且つ前記係止部に対して前記係止受け部が係止され、前記導体露出部が前記被巻き回し部により支持された状態であって、且つ、前記押圧保持部が前記第2の位置にあるときに、U字状に曲げられた前記導体露出部と前記被巻き回し部とが接触し、且つ、前記押圧面と前記板状部との間で前記端部領域の少なくとも一部が押圧されて前記フラットケーブルが保持されてもよい。これによると、低背化しつつクリック感が得られるケーブルホルダーを、簡易な構成で具体化することができる。
【0013】
前記導体露出部が前記被巻き回し部により支持された状態であって、且つ、前記押圧保持部が前記第2の位置にあるときに、前記押圧面は、前記端部領域の少なくとも一部を、前記板状部に形成された一の面に対して押圧し、前記一対の支持アームは、前記板状部の中心よりも、前記板状部において前記一の面の反対側に形成された他の面側の位置から突出形成されていてもよい。これによると、ケーブルホルダーを確実に低背化できる。
【0014】
前記第2の位置においては、前記押圧板部の法線方向と前記板状部の法線方向とが一致してもよい。これによると、ケーブルホルダーをさらに確実に低背化できる。
【0015】
前記一対の支持アームは直線状に形成されており、前記押圧保持部が前記第1の位置にあるときに、前記板状部の表面に平行な第1平面に対して、前記一対の支持アームがなす鋭角の大きさは、前記第1平面に対して、前記押圧板部の表面に平行な第2平面がなす鋭角の大きさよりも大きくてもよい。これによると、一対の支持アームの弾性力を確保しつつ、全体としては低背化することができる。
【0016】
前記一対の支持アームは曲線状に形成されており、前記押圧保持部が前記第1の位置にあるときに、前記板状部の表面に平行な第1平面に対して、前記一対の支持アームがなす角度は、前記一対の支持アームの根元部に近付くに連れて90度に近付いてもよい。これによると、一対の支持アームの弾性力を確保しつつ、全体としては低背化することができる。
【0017】
前記一対の支持アームは、前記板状部の中心よりも前記一端部側の位置から突出形成されており、且つ、前記一端部側の位置から、前記一端部側に対して反対の他端部側の位置へ向かうように形成されていてもよい。これによると、ケーブルホルダーの配線方向の長さを短くすることができる。
【0018】
前記一対の支持アームが、前記幅方向に直交する平面に沿うように設けられていてもよい。これによると、ケーブルホルダーが幅方向に広がらないので、幅方向長さを最小限にすることができる。
【0019】
前記一対の支持アームのそれぞれは、前記幅方向に直交する断面において、前記板状部に対して片持ち状に支持されていてもよい。これによると、押圧保持部の構成を簡易なものとすることができる。
【0020】
前記板状部は、前記幅方向について前記被巻き回し部の両外側に、前記被巻き回し部に垂直な板状の一対の鍔部を有しており、前記一対の鍔部の両外側には、二つの前記係止部のそれぞれが設けられており、前記一対の支持アームは、前記一対の鍔部の両外側から突出していてもよい。これによると、係止部、支持アームがある構成を簡易に具体化できる。また、鍔部があることで、フラットケーブルの保持が安定する。
【0021】
前記板状部は、前記一対の鍔部から、前記幅方向について両外側へ向かって突出した一対の突出支持部を有しており、前記一対の支持アームは、前記一対の突出支持部から突出しており、前記一対の支持アームのそれぞれと、前記一対の鍔部のそれぞれとの間には隙間が設けられていてもよい。これによると、鍔部と支持アームとの間に隙間が設けられることで、正面視において、鍔部と支持アームとの間に溝ができる。これが逆嵌合防止溝となるので、コネクタ嵌合プラグに逆嵌合防止突起等を設けることで、コネクタ嵌合プラグに対する嵌合時の逆嵌合を防止することができる。
【0022】
前記板状部に設けられている前記係止部又は前記係止受け部は、前記板状部の中央よりも、前記一端部側に対して反対の他端部側の位置に配置されていてもよい。これによると、逆嵌合防止溝のための配線方向についてのスペースを大きく確保することができる。
【0023】
また、本発明に係るコネクタは、上記のいずれかのケーブルホルダーと、当該ケーブルホルダーが嵌合されるコネクタ嵌合プラグと、を有し、前記ケーブルホルダーは、前記コネクタ嵌合プラグに設けられた係合受け部に対して係合する係合部を有しており、当該係合部は、前記板状部の表面において、前記幅方向に沿って伸びるように配置されている。ケーブルホルダーの側部に係合部が設けられていると、係合部の長さは、厚み方向よりも長くすることができない。そこで、この構成により、係合部を板状部の表面に配置することで、係合部の長さを幅方向に長くすることができる。そのため、簡易な構成により、コネクタ嵌合プラグからケーブルホルダーが外れにくいフラットケーブル用のコネクタが得られる。
【0024】
また、本発明に係る電気的接続装置は、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルと、上記のコネクタと、前記フラットケーブルに対して電気的に接続される複数のコンタクトを備え、且つ、前記コネクタが挿入されるベース部と、を有している。これによると、簡易な構成により、コネクタ嵌合プラグからケーブルホルダーが外れにくい電気的接続装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下においては、説明の便宜のために本発明の好適な実施形態例のみを示すが、これにより本発明を限定するものではない。
【0026】
(全体構成について)
まず、図1を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電気的接続装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る電気的接続装置の接続完了状態を示している。
【0027】
電気的接続装置1は、離れた位置にある電子部品等を電気的に接続するために用いられるものであり、フラットケーブル3と、コネクタ2と、ベース部6と、を有して構成されている。また、コネクタ2は、ケーブルホルダー4と、コネクタ嵌合プラグ5と、を有して構成されている。図2には、電気的接続装置1の各構成部品を示している。なお、図1、2以下の図面においては、フラットケーブル3の全体を示しているわけではなく、ケーブルホルダー4に保持される側の端部付近のみを示しており、それ以外の部分は省略している。図1のフラットケーブル3に示した断面Gが、その省略領域との境界となっている。以下、各構成部品について説明する。
【0028】
(フラットケーブル)
フラットケーブル3は、パーソナルコンピューター内部における電子部品間の接続等に用いられるもので、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されている(図1参照)。具体的には、フラットケーブル3は、樹脂皮膜3p(図1参照)で覆われた複数の導体3j(図1参照)を帯状に束ねて構成されている。
【0029】
フラットケーブル3は、ケーブル本体部3c、端部領域3tを有している。端部領域3tは、フラットケーブル3の二つの端部領域のうちの一方であり、また、フラットケーブル3の端部領域3tには、複数の導体3jが露出した導体露出部3rと、導体露出部3rよりも先端側の被押圧部3dとが含まれている。本実施形態においては、被押圧部3dは樹脂で被覆されているが、被押圧部は、被覆されていない導体露出部と同様に、樹脂で被覆されていなくてもよい。
【0030】
また、本実施形態においては、フラットケーブル3は、導体露出部3rがU字状に曲げられた状態で、ケーブルホルダー4に保持される(図2の丸で囲った3v部分参照)。ここで、U字状に曲げられたフラットケーブル3において、ケーブル本体部3cのある側を下部3f、被押圧部3dのある側を上部3bとする(図2参照)。
【0031】
本発明に適用可能なフラットケーブルの例として、IDEケーブルやSCSIケーブルなどが挙げられる。なお、フラットケーブル3の少なくとも一方の端部領域において導体露出部が設けられていればよく、図示しない他方の端部領域においては、導体露出部が設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。また、図2に示すように、本実施形態におけるフラットケーブル3の配線方向(図2の矢印方向参照)は、コネクタ2のベース部6に対する嵌挿方向に一致する。
【0032】
(コネクタ)
コネクタ2は、上記のようにケーブルホルダー4とコネクタ嵌合プラグ5とを有して構成されている(図1参照)。ケーブルホルダー4は、フラットケーブル3の端部領域3t(図2参照)を保持するものである。より具体的には、ケーブルホルダー4は、端部領域3tを保持することで、コネクタ2から外れないようにフラットケーブル3を保持し、また、フラットケーブル3の接続端子としての構造的強度を確保するために導体部分の骨格となる。ケーブルホルダー4の詳細な構成については後述する。
【0033】
(コネクタ嵌合プラグ)
コネクタ嵌合プラグ5は、コネクタとしての強度を確保するための部材であり、コネクタ2をベース部6から取り外すときに把持される部分となる。コネクタ嵌合プラグ5には、嵌合穴部5hが貫通形成されており、嵌合穴部5hにはケーブルホルダー3が嵌合される(図2参照)。また、コネクタ嵌合プラグ5の嵌合穴部5hの内部には、二つの逆嵌合防止突起52,52が設けられている。また、嵌合穴部5hの内部には、二つの係合受け部51,51が凹状に形成されている。
【0034】
(ベース部)
ベース部6は、図示しない電子部品に電気的に接続されており、コネクタ2がベース部6に挿入されることで、フラットケーブル3と当該電気部品とが電気的に接続される。具体的に説明すると、角筒状に形成されたベース部6には、コネクタ2が挿入される挿入孔6hが形成されている。また、ベース部6は、複数のコンタクト61を有しており、複数のコンタクト61のそれぞれは、嵌挿孔6hの内部において、フラットケーブル3の複数の導体3jと接触する接触部分と、外部に露出して図示しない電子部品と接続される露出部分と、を有して形成され、複数のコンタクト61は、幅方向(図2参照)に沿って配列されている。そして、コンタクト61は、コネクタ2がベース部6に挿入されたときに、コネクタ2の端子である導体露出部3rと接触する。すなわち、コネクタ2とベース部6との接続が完了すると、導体3jと、ベース部6側の電子部品とは、コンタクト61を介して電気的に接続されることになる。
【0035】
なお、本実施形態においては、トップタイプのベース部について説明しているが、サイドタイプのベース部についても適用可能である。
【0036】
(ケーブルホルダーの詳細について)
次に、ケーブルホルダー4の詳細な構成について説明する。ケーブルホルダー4は、板状部41と押圧保持部42とを有して構成されている(図2参照)。また、押圧保持部42は、板状部41に対して第1の位置及び第2の位置の間で変位するように構成されている。以下、図を参照しつつ、板状部41、押圧保持部42のそれぞれの詳細について説明する。
【0037】
図3は、ケーブルホルダー4の斜視概略図であり、図4は、ケーブルホルダー4において、押圧保持部42が第1の位置にある状態を示す拡大概略図である。図5は、ケーブルホルダー4において、押圧保持部42が第2の位置にある状態を示す拡大概略図である。図4、5は、図3の丸で囲んだA部のB矢視図である。また、図6は、図3のC矢視側面概略図である。図7は、図3のD−D’矢視断面概略図である。図6、7は、押圧保持部42が第1の位置にある状態を示して
いる。また、図6において、板状部41の内部の破線は、被巻き回し部41bを含む板状部41の本体部の輪郭線である。図8、9は、ケーブルホルダー4にフラットケーブル3が保持される状態を示す斜視概略図であり、図8は押圧保持部42が第1の位置にある状態を、図9は押圧保持部42が第2の位置にある状態を示している。
【0038】
(板状部)
板状部41は板状に形成されており、被巻き回し部41bを有している。被巻き回し部41bは、板状部41の一端部(図2の破線部J参照)を含むように形成されている。さらに、被巻き回し部41bは、フラットケーブル3が取り付けられたときに、U字状に曲げられた導体露出部3rを内側から支持するように形成され、且つ、導体露出部3rを支持している状態においては、フラットケーブル3の幅方向に沿うように形成されている(図8参照)。すなわち、被巻き回し部41bは、幅方向に沿って伸びるように形成されている(図3参照)。また、被巻き回し部41bには、導体露出部3rの複数の導体3jが配置される複数の溝41hが、U字状に曲げられた導体露出部3rの形状に沿って形成されている。すなわち、複数の溝41hのそれぞれは、板状部41に形成された上面(一の面)41p、及び、上面41pの反対側に形成された下面(他の面)41qにおいては、フラットケーブル3の配線方向(図3の矢印方向参照)に沿うように、また、板状部41の一端部においては、幅方向に直交する平面(図3の参考平面K参照)に沿って且つ円弧状に形成されている。
【0039】
また、板状部41は、幅方向について被巻き回し部41bの両外側(幅方向について被巻き回し部41bを挟んでの両外側)に、被巻き回し部41bに垂直な板状の一対の鍔部41t,41tを有している(図3、4等参照)。また、板状部41には、突出形成された二つの係止部41k,41kが設けられている(図3参照)。具体的には、二つの係止部41k,41kのそれぞれは、一対の鍔部41t,41tの、幅方向について両外側に設けられている。また、板状部41に設けられている係止部41k,41kは、板状部41の中央(図6のR参照)よりも、板状部41における一端部側に対して反対の他端部側(図3、6参照)の位置に配置されている。
【0040】
また、板状部41は、一対の鍔部41t,41tから、幅方向について両外側へ向かって突出した一対の突出支持部41m,41mを有している(図3、4等参照)。
【0041】
また、ケーブルホルダー4は、その下面41qにおいて、二つの係合部46,46を有している(図2、3等参照)。係合部46,46は、コネクタ嵌合プラグ5に設けられた係合受け部51,51に対して係合するように構成されており、係合部46,46は、板状部41の表面(下面41q)において、幅方向に沿って伸びるように配置されている(図2参照)。
【0042】
また、鍔部41t,41tの高さ方向について最も低い部分には、幅方向内側へ突出する一対のレール部41r,41rが設けられている(図3参照)。そして、フラットケーブル3がケーブルホルダー4へ保持された状態においては、フラットケーブル3の下部3fは、レール部41r,41rによって支持されることになる(図9参照)。これにより、フラットケーブル3に対する保持がより安定する。なお、レール部41r,41rはなくてもよい。
【0043】
(押圧保持部)
押圧保持部42は、フラットケーブル3の端部領域3tの被押圧部3dを板状部41に対して押圧することでフラットケーブル3を保持するために設けられている。また、押圧保持部42は、板状部41に支持され且つ幅方向について被巻き回し部41bの両外側から突出する一対の支持アーム43,43と、一対の支持アーム43,43に支持される押圧板部44と、を有して構成されている(図8参照)。なお、一対の支持アーム43,43において、対称配置されたそれぞれの支持アーム43は同様の構成を有しているので、以下の説明においては、一方の支持アームについて説明し、他方の支持アームについての説明を省略することがある。
【0044】
押圧保持部42は、板状部41に対して第1の位置及び第2の位置の間で変位するように構成されている。押圧保持部42が第1の位置にあるときには、押圧面44sと板状部41との間の隙間(図8のW1参照)がフラットケーブル3の厚み(図8のW2参照)よりも大きい状態となる(図3、4、6、8参照)。一方、押圧保持部42が第2の位置にあるときには、一対の支持アーム43、43が弾性的に撓み且つ係止部41kに対して係止受け部44kが係止される(図5、9参照)。
【0045】
また、押圧保持部42は、フラットケーブル3を保持するときに、フラットケーブル3の端部領域3tの被押圧部3dを板状部41に対して押圧する面となる押圧面44sを有しており、具体的には、押圧面44sは、押圧板部44の、板状部41側の面に形成されている(図3、4、6等参照)。なお、押圧面44sは、端部領域3tの少なくとも一部を板状部41に対して押圧するものであればよく、被押圧部以外の部分をも押圧するように構成されていてもよい。
【0046】
また、押圧保持部42には、二つの係止部41k,41kに対して係止される二つの係止受け部44k,44kが設けられている(図3参照)。係止受け部44kについて具体的に説明する。押圧板部44には、押圧板部44から突出するように、且つ、幅方向に直交する平面に沿って板部が設けられ、この板部の幅方向内側において、円弧状係止受け部44mが突出して設けられている(図4参照)。なお、係止受け部は係止部に対して係止されればよく、その形状はこのようなものには限られない。なお、本実施形態においては、板状部41に二つの係止部41kが、押圧保持部42に二つの係止受け部44kが設けられているが、押圧保持部及び板状部のいずれか一方に、突出形成された単数又は複数の係止部が設けられ、他方には、当該係止部に対して係止される単数又は複数の係止受け部が設けられていればよく、板状部に係止受け部が設けられ、押圧保持部に係止部が設けられていてもよい。また、係止部、係止受け部の数も二つには限られず、一つ、又は、三つ以上であってもよい。
【0047】
また、本実施形態においては、被巻き回し部41bの両外側に一対の鍔部41t,41tが設けられており、その両外側に二つの係止部41k,41kが設けられているが、鍔部はなくてもよく、その場合には、係止部(又は係止受け部)は、被巻き回し部の外側に直接設けられていてもよい。例えば、押圧保持部が幅方向内側において係止されるケーブルホルダーにおいては、押圧保持部を係止するための鍔部が、幅方向について押圧保持部の両外側に必要となり、鍔部の分だけ幅が長くなってしまうが、本発明の一実施形態としては、鍔部をなくしてもよく、そのようにすることにより、鍔部の分だけ、ケーブルホルダーの幅方向の長さを短くすることができる。
【0048】
一対の支持アーム43,43は、一対の鍔部41t,41tの幅方向について両外側から突出している(図3、4等参照)。より具体的には、一対の支持アーム43,43は、板状部41の一対の突出支持部41m,41mから突出している。なお、本実施形態においては、一対の支持アーム43,43は、一対の突出支持部41m,41mから突出しているが、このような構成には限られない。例えば、一対の鍔部41t,41tから直接突出していてもよい。また、鍔部はなくてもよく、その場合、一対の支持アームは、被巻き回し部の両端から直接突出していてもよい。また、一対の支持アームは、被巻き回し部の両外側に設けられていればよく、この構成を満たす限り、一対の支持アームのさらに幅方向外側に、(板状部の一部として)別の部材(例えば別の鍔状部材)等が設けられていてもよい。
【0049】
また、一対の支持アーム43,43のそれぞれと、一対の鍔部41t,41tのそれぞれとの間には隙間が設けられており(図3、4等参照)、この隙間は逆嵌合防止溝(隙間)45として機能する。
【0050】
次に、図6等を参照しながら支持アーム43の高さ方向の配置について説明する。高さ方向に着目すると、支持アーム43,43は、板状部41の中心(高さ方向における中心。図6のQ参照)よりも板状部41における下面41q側の位置から突出形成されている(図6における支持アーム43の根元部N参照)。さらに、支持アーム43は、中心Qよりも上面41p側の位置へ突出しており、押圧面44sは、フラットケーブル3の端部領域3tの被押圧部3dを、板状部41の上面41pに対して押圧するように構成されている。ここで、「板状部41の中心Qよりも板状部41における下面41q側の位置」とは、図6における中心より下方の位置のことであり、高さ方向について、図6のSで示した範囲を意味している。
【0051】
次に、図6等を参照しながら支持アーム43の配線方向の配置について説明する。配線方向に着目すると、支持アーム43は、板状部41の中心(配線方向における中心。図6のR参照)よりも一端部側の位置から突出形成されており、且つ、その一端部側の位置から、一端部に対して反対の他端部側の位置へ向かうように形成されている(図3、6等参照)。
【0052】
また、支持アーム43は、板状部41の法線方向(図6の矢印方向参照)に対して傾くように配置されており、本実施形態においては、支持アーム43と板状部41の表面に平行な第1平面との間の角度は約45度となっている。この傾きは、支持アーム43の適度な曲げやすさを確保するためにアーム長さを長く取りつつ、低背化させるためのものである。また、この起こし角度が90度に近いほど、支持アームが曲げ難くなり、無理に曲げたときに折れ易くなってしまう。そのため、起こし角度は小さい方が良い。しかし、起こし角度が小さすぎると、適度な弾性力を得られない。そのため、本実施形態のような直線状の支持アームに関しては、支持アーム43と板状部41との間の角度が45度程度であることが好ましい。
【0053】
次に、図6等を参照しながら、側面視における、押圧保持部42及び板状部41の角度配置について説明する。支持アーム43は直線状に形成されており、押圧保持部42が第1の位置にあるときに、板状部41の表面に平行な第1平面に対して、支持アーム43がなす鋭角の大きさ(θ1参照)は、第1平面に対して、押圧板部44の表面に平行な第2平面がなす鋭角の大きさ(θ2参照)よりも大きい(図6参照)。
【0054】
また、図9に示すように、押圧保持部42が第2の位置にあるときには、押圧板部44の法線方向(図9の矢印N2方向参照)と板状部41の法線方向(図9の矢印N1方向参照)とが一致する。
【0055】
また、図3のD−D’矢視断面である図7に示すように、支持アーム43は、幅方向に直交する断面において、板状部41に対して片持ち状に支持されている。なお、支持アームは両持ち状に支持されていてもよい。また、支持アーム43は、幅方向に直交する平面(図3の参考平面K参照)に沿うように設けられている。
【0056】
ケーブルホルダー4は以上のように構成されている。本実施形態に係るケーブルホルダー4は樹脂製であり、その樹脂としては多種多様なものを使用できる。
【0057】
(保持動作)
次に、ケーブルホルダー4へフラットケーブル3を固定保持する保持動作について図を参照しつつ説明する。ここでは、導体露出部3rがU字状に曲げられた状態のフラットケーブル3についての、ケーブルホルダー4への保持動作について説明する。
【0058】
(第1の位置)
まず、フラットケーブル3をケーブルホルダー4における保持位置へ配置する必要がある。具体的には、フラットケーブル3の下部3fが板状部41の下面41q側に配置され、且つ、上部3bが板状部41の上面41p側に配置されるように、そして、被押圧部41bと導体露出部3rの内側とが接触するように、フラットケーブル3をケーブルホルダー4に対して配置する。ここで、押圧保持部42が第1の位置にあるときには、上記のように、押圧面44sと板状部41との間の隙間(W1)がフラットケーブル3の厚み(W2)よりも大きい状態になる(図8参照)。それにより、押圧保持部42と板状部41との間へ、フラットケーブル3の端部領域3t(特に、被押圧部3d)を容易に通すことができるので、フラットケーブル3を、ケーブルホルダー4における保持位置へ容易に配置することができる。
【0059】
そして、フラットケーブル3が、ケーブルホルダー4における保持位置へ配置されると、被巻き回し部41bの複数の溝41hに、フラットケーブル3の導体露出部3rにおける複数の導体3jが嵌り、導体露出部3rが被巻き回し部41bにより支持された状態となる(図8参照)。また、この保持位置においては、フラットケーブル3の下部3fが、レール部41r,41rによって支持された状態となっている(図8参照)。
【0060】
(第2の位置)
押圧保持部42が第1の位置にある状態では、フラットケーブル3は固定保持されておらず、フラットケーブル3はケーブルホルダー4から容易に取り外される状態であるため、フラットケーブル3をケーブルホルダー4に対して固定する必要がある。具体的には、指などにより、押圧板部44を板状部41の方向へ押圧して、押圧保持部42を、第1の位置から第2の位置へ変位させることで(図6の矢印H参照)、フラットケーブル3の端部領域3tの被押圧部3dを板状部41に対して押圧してフラットケーブル3を固定保持する。
【0061】
上記のように、ケーブルホルダー4は、押圧保持部42が第2の位置にあるときには、一対の支持アーム43、43が弾性的に撓み、且つ、係止部41kに対して係止受け部44kが係止されるように構成されている。(図5、9参照)。そして、フラットケーブル3が、ケーブルホルダー4における保持位置へ配置され、導体露出部3rが被巻き回し部41bにより支持された状態において、押圧保持部42を第2の位置に移動させると、U字状に曲げられた導体露出部3rと被巻き回し部41bとが接触し、且つ、押圧面44sと板状部41との間で端部領域3tの被押圧部3dが押圧されて、フラットケーブル3がケーブルホルダー4により保持される。また、この状態では、押圧面44sは、端部領域3tの被押圧部3dを、板状部41に形成された上面41pに対して押圧する(図9参照)。また、この保持完了状態では、押圧面44sと、フラットケーブル3の被押圧部3dとが接触する。以上のようにして、ケーブルホルダー4へフラットケーブル3が固定保持される。
【0062】
また、図9に示すように、押圧保持部42が第2の位置にあるときには、押圧板部44の法線方向(図9の矢印N2方向参照)と板状部41の法線方向(図9の矢印N1方向参照)とが一致する。
【0063】
(嵌合動作)
次に、コネクタ嵌合プラグ5へケーブルホルダー4を嵌合する嵌合動作について説明する。まず、コネクタ嵌合プラグ5の嵌合穴部5hの内部へ、ケーブルホルダー4を嵌合させる。このときに、ケーブルホルダー4の押圧保持部42は、第2位置にある状態となっている。この嵌合動作においては、コネクタ嵌合プラグ5に設けられた係合受け部51,51に対して、ケーブルホルダー4の係合部46,46が係合することで、コネクタ嵌合プラグ5へのケーブルホルダー4の嵌合動作が完了する。また、逆嵌合防止突起52,52が、ケーブルホルダー4の逆嵌合防止溝45,45と嵌り合う場合にのみ、ケーブルホルダー4のコネクタ嵌合プラグ5への嵌合が可能となるため、表裏を間違えた状態でケーブルホルダー4が装着されてしまうことが防止できる。以上のようにして、コネクタ2が組み立てられる。
【0064】
次に、ベース部6へコネクタ2を挿入する挿入動作について説明する。まず、ベース部6の挿入孔6hの内部へ、コネクタ2を挿入する。そして、コネクタ2の挿入が完了すると、フラットケーブル3の複数の導体3jと、ベース部6の複数のコンタクト61とが接触して、フラットケーブル3とベース部6とが電気的に接続される。また、コネクタ2をベース部6から取り外すときには、コネクタ嵌合プラグ5部分を把持して取り外すことになる。
【0065】
(効果)
本実施形態に係るケーブルホルダー4によると、以下のような効果が得られる。まず、本発明に係るケーブルホルダー4は、フラットケーブル用のコネクタ2に用いられる、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブル3の一方の端部領域3tを保持するケーブルホルダー4であって、板状に形成された板状部41と、フラットケーブル3の端部領域3tの一部である被押圧部3dを板状部41に対して押圧する押圧面44sを有する押圧保持部42と、を有している。そして、フラットケーブル3は、端部領域3tにおいて導体が露出した導体露出部3rを有しており、板状部41は、その一端部を含むように形成された被巻き回し部41bを有しており、当該被巻き回し部41bは、U字状に曲げられた導体露出部3rを内側から支持するように形成され、且つ、導体露出部3rを支持している状態においては、フラットケーブル3の幅方向に沿うように形成されており、押圧保持部42は、板状部41に支持され且つ幅方向について被巻き回し部41bの両外側から突出する一対の支持アーム43,43と、押圧面44sが形成され且つ一対の支持アーム43,43に支持される押圧板部44と、を備えて構成されており、板状部41には、突出形成された二つの係止部41k,41kが設けられ、押圧保持部42には、当該係止部41k,41kに対して係止される二つの係止受け部44k,44kが設けられている。
【0066】
この構成によると、フラットケーブル3の押圧保持部42が、被巻き回し部41bの幅方向外側から突出していることで、ケーブルホルダーを低背化できる。また、この構成により、支持アームの設計自由度が向上して、支持アームの弾性力を大きく設定できるようになり、ケーブルホルダーの係止時におけるクリック感が向上する。具体的には、支持アームの根元部分に肉盛りすることで肉厚を厚くしたり、支持アームの支持位置を変更したり、側面視において(幅方向に直交する断面において)支持アームを二点支持構造にしたりすることで、支持アームの弾性力を大きく設定できる。その結果、小型で、且つ、係止確認がしやすいケーブルホルダーが得られる。また、支持アームの根元部分を強化することで、支持アームが折れ難くなる。また、部材の形状によって支持アームの強度を高くすることができるので、(一般に低コストである)強度の弱い樹脂を採用することができる。
【0067】
また、押圧保持部42は、板状部41に対して第1の位置及び第2の位置の間で変位し、第1の位置においては、押圧面44sと板状部41との間の隙間がフラットケーブル3の厚みよりも大きく、第2の位置においては、一対の支持アーム43,43が弾性的に撓み且つ係止部41k,41kに対して係止受け部44k,44kが係止され、導体露出部3rが被巻き回し部41bにより支持された状態であって、且つ、押圧保持部42が第2の位置にあるときに、U字状に曲げられた導体露出部3rと被巻き回し部41bとが接触し、且つ、押圧面44sと板状部41との間で端部領域3tの一部である被押圧部3dが押圧されてフラットケーブル3が保持される。そのため、低背化しつつクリック感が得られるケーブルホルダーを、簡易な構成で具体化することができる。
【0068】
また、導体露出部3rが被巻き回し部41bにより支持された状態であって、且つ、押圧保持部42が第2の位置にあるときに、押圧面44sは、端部領域3tの一部である被押圧部3dを、板状部41に形成された上面(一の面)41pに対して押圧し、一対の支持アーム43,43は、板状部41の中心よりも、板状部41において上面41pの反対側に形成された下面(他の面)41q側の位置から突出形成されているため、ケーブルホルダーを確実に低背化できる。
【0069】
また、第2の位置においては、押圧板部44の法線方向と板状部41の法線方向とが一致するので、ケーブルホルダーをさらに確実に低背化できる。
【0070】
また、一対の支持アーム43,43は直線状に形成されており、押圧保持部42が第1の位置にあるときに、板状部41の表面に平行な第1平面に対して、一対の支持アーム43,43がなす鋭角の大きさは、第1平面に対して、押圧板部44の表面に平行な第2平面がなす鋭角の大きさよりも大きい。そのため、一対の支持アームの弾性力を確保しつつ、全体としては低背化することができる。
【0071】
また、一対の支持アーム43,43は、板状部41の中心よりも一端部側の位置から突出形成されており、且つ、この一端部側の位置から、一端部側に対して反対の他端部側の位置へ向かうように形成されている。押圧保持部は、フラットケーブルの、導体露出部の端子部分を除く他端部側領域(本実施形態における被押圧部3d)を押圧保持する必要がある。しかし、支持アームが、板状部41の中心よりも他端部側の位置から突出形成されており、且つ、この他端部側の位置から、反対の一端部側の位置へ向かうように形成されている場合には、フラットケーブルの他端部側領域を押圧保持するために、支持アームは、配線方向について、フラットケーブルの他端部領域よりもさらに他端部側の位置から突出することになり、(板状部の配線方向長さがなること等により)結果として、ケーブルホルダーの配線方向の長さが長くなってしまう。そこで、上記のような構成とすることにより、支持アームの突出位置が、配線方向について板状部41の長さの範囲内に収まるので、ケーブルホルダーの配線方向の長さを短くすることができる。
【0072】
また、一対の支持アーム43,43が、幅方向に直交する平面に沿うように設けられているために、ケーブルホルダーが幅方向に広がらないので、幅方向長さを最小限にすることができる。
【0073】
また、一対の支持アーム43,43のそれぞれは、幅方向に直交する断面において、板状部41に対して片持ち状に支持されているので、押圧保持部の構成を簡易なものとすることができる。
【0074】
また、板状部41は、幅方向について被巻き回し部41bの両外側に、被巻き回し部41bに垂直な板状の一対の鍔部41t,41tを有しており、一対の鍔部41t,41tの両外側には、二つの係止部41k,41kのそれぞれが設けられており、一対の支持アーム43,43は、一対の鍔部41t,41tの両外側から突出しているので、係止部、支持アームがある構成を簡易に具体化できる。また、鍔部があることで、フラットケーブルの保持が安定する。
【0075】
また、板状部41は、一対の鍔部41t,41tから、幅方向について両外側へ向かって突出した一対の突出支持部41m,41mを有しており、一対の支持アーム43,43は、一対の突出支持部41m,41mから突出しており、一対の支持アーム43,43のそれぞれと、一対の鍔部41t,41tのそれぞれとの間には逆嵌合防止溝(隙間)45が設けられているので、これによると、鍔部と支持アームとの間に隙間が設けられることで、正面視において、鍔部と支持アームとの間に溝ができる。これが逆嵌合防止溝となるので、コネクタ嵌合プラグに逆嵌合防止突起等を設けることで、コネクタ嵌合プラグに対する嵌合時の逆嵌合を防止することができる。
【0076】
また、板状部41に設けられている係止部41k,41kは、板状部41の中央よりも、一端部側に対して反対の他端部側の位置に配置されている。これによると、逆嵌合防止溝のための配線方向についてのスペースを大きく確保することができる。
【0077】
また、本発明に係るコネクタ2は、ケーブルホルダー4と、当該ケーブルホルダー4が嵌合されるコネクタ嵌合プラグ5と、を有し、ケーブルホルダー4は、コネクタ嵌合プラグ5に設けられた係合受け部51に対して係合する係合部46を有しており、当該係合部46は、板状部41の表面において、幅方向に沿って伸びるように配置されている。例えば、ケーブルホルダーの側部に係合部が設けられていると、係合部の長さを、その厚み分より長くすることができない。そこで、この構成により係合部を板状部の表面に配置することで、係合部の長さを幅方向に長くすることができる。そのため、簡易な構成により、コネクタ嵌合プラグからケーブルホルダーが外れにくいフラットケーブル用のコネクタが得られる。
【0078】
また、本発明に係る電気的接続装置1は、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブル3と、コネクタ2と、フラットケーブル3に対して電気的に接続される複数のコンタクト61を備え、且つ、コネクタ2が挿入されるベース部6と、を有している。これによると、簡易な構成により、コネクタ嵌合プラグからケーブルホルダーが外れにくい電気的接続装置が得られる。
【0079】
次に、図10を用いて、本実施形態に係るケーブルホルダー4による効果について、より詳細に説明する。図10は、本実施形態に係るケーブルホルダー4を説明するための側面視参考説明図であり、(a)、(b)、(c)は説明のための参考例に係るケーブルホルダーの概略図、(d)は本実施形態に係るケーブルホルダー4の概略図である。図10(a)〜(d)においては、押圧保持部に当たる部材、並びに、係止部及び係止受け部の構成は異なるが、その他の板状部に当たる部材の構成は同様のものとなっている。また、図10(a)〜(d)においてEで示した部分は、フラットケーブル(図示せず)の被押圧部分に当たり、(a)〜(d)のケーブルホルダーの全てにおいて共通の領域となっている。
【0080】
まず、図10の(a)に示すように、ケーブルの配線方向について他端部側(図参照)であって板状部の上面から、支持アームが板状部に対して垂直に突出している構成において、支持アームを曲げ易くするために、支持アームの根元部分の肉厚を薄くすると((a)のF部分参照)、根元部分の強度が弱くなる。その結果、支持アームの弾性力が小さくなってしまい、また、根元部分が脆く折れやすくなる。ここで、図10(a)のケーブルホルダー900の支持アームの根元部分の肉厚を厚くして、根元部分の強度を大きくした場合には、支持アームが曲げ難くなってしまう。また、この状態では、支持アームが高さ方向に大きく突出している。
【0081】
そこで、この状態から、支持アームの根元部分の強度を大きくし、且つ、支持アームを曲げ易くしようとした場合には、根元部分の肉厚を厚くし、且つ、支持アームを長くすることが考えられる(図10(b)参照)。また、低背化のために、支持アームを、板状部の法線方向に対して傾けて配置することが考えられる(図10(b)参照)。この場合に、E部を押圧できるようにするため、ケーブルホルダーは、図10(b)のように、板状部の他端部側の面から配線方向(他端部側)に突出する補助支持部を設け、補助支持部の他端部側先端から支持アームが突出するような構成になるので、支持アームの突出開始位置については、(a)のケーブルホルダー900に比べて配線方向について他端部側へ設定することになってしまう。しかし、この場合には、高さ方向に高く、また、配線方向に長くなってしまう。
【0082】
そこで、この状態からの小型化を考えると、図10(c)のように、支持アームを支持する補助支持部の突出開始位置を、板状部の他端部側の面であって、且つ、(b)のケーブルホルダー901よりも図における下方位置から突出させることが考えられる。また、押圧保持部に当たる部材において、支持アームと、押圧板部とを、側面視において同一直線上でなく、押圧保持部が支持アームよりも(図において)より水平に近くなるように形成することが考えられる。これにより、ケーブルホルダー902を、(b)のケーブルホルダー901に比べて低背化できる。しかし、配線方向についての長さは変わらず、長いままである。
【0083】
そこで、支持アームが、板状部の配線方向における端部から(または当該端部から配線方向に突出した補助支持部から)ではなく、板状部における被巻き回し部の幅方向についての両外側から突出するような配置にしたものが本実施形態に係るケーブルホルダー4である(図10(d)参照)。このようにすることで、ケーブルホルダーを低背化しつつ、支持アームの強度を大きく設定することができる。そのため支持アームの弾性力を大きく設定でき、さらに、支持アームが折れ難くなる。また、支持アームを長くすることで、曲げやすいコネクタが得られる。
【0084】
また、図10(a)〜(c)のケーブルホルダーでは、フラットケーブルの折り返された側(本実施形態における上部3b側)の長さは、フラットケーブルが、押圧保持部に当たる部材と接触する位置までの長さに限定されてしまうが、本実施形態に係るケーブルホルダーでは、このようにケーブル長さが限定されることがないので、折り返された側を必要な分だけ長くすることができる。
【0085】
(変形例)
次に、上記の実施形態に係るケーブルホルダーの変形例について、図11、12を参照しながら、上記の実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、上記の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。図11、12は第1、第2変形例に係るケーブルホルダーの側面概略図であり、上記の実施形態における図3のC矢視図に相当するものである。
【0086】
(第1変形例)
まず、第1変形例について説明する。本変形例に係るケーブルホルダー104においては、支持アーム143の根元部の厚みが上記の実施形態に比べて厚くなっている(他方も同様)。このように支持アーム143の厚みを増大させても、全体としての高さが高くなったり、配線方向の長さが長くなったりすることがない。そのため、ケーブルホルダーを大型化することなく、支持アームの弾性力を大きくすることが可能となる。
【0087】
(第2変形例)
次に、第2変形例について説明する。本変形例に係るケーブルホルダー204においては、支持アーム243は曲線状に形成されており(他方も同様)、押圧保持部242が第1の位置にあるときに、板状部241の表面に平行な第1平面に対して、支持アーム243がなす角度は、根元部243nに近付くに連れて90度に近付く(他方の支持アームについても同様)。このような構成にすることによっても、一対の支持アームの弾性力を確保しつつ、全体としては低背化することができる。また、側面視(図12参照)において、支持アーム243と押圧板部244とが、曲線的になだらかに接続されるために、接続部分における応力の集中が緩和される。
【0088】
また、支持アーム243の、根元部(図12のN部分参照)と、押圧板部244に対する接続部(図12のP部分参照)とを結んだ直線は、板状部241の法線方向に対して傾くように配置されており、本変形例においては、当該直線と板状部241の表面に平行な第1平面との間の角度は約45度となっている。この傾きは、支持アーム243の適度な曲げやすさを確保し、ケーブルホルダー204を低背化させるためのものである。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【0090】
例えば、上記の実施形態においては、一対の支持アームは、板状部の中心よりも、板状部において上面の反対側に形成された下面(他の面)側の位置から突出形成されているが、一対の支持アームは、被巻き回し部の幅方向について両外側から突出していればこのような構成でなくてもよく、例えば、板状部の中心から突出形成されていてもよい。
【0091】
また、上記の実施形態においては、第2の位置において、押圧板部の法線方向と板状部の法線方向とが一致しているが、必ずしもこれらは一致していなくてもよく、例えば、これらの方向に、数度の角度差があってもよい。
【0092】
また、上記の実施形態においては、一対の支持アームが直線状に形成されている場合に、押圧保持部が第1の位置にあるときに、板状部の表面に平行な第1平面に対して、一対の支持アームがなす鋭角の大きさは、第1平面に対して、押圧板部の表面に平行な第2平面がなす鋭角の大きさよりも大きいが、このような構成には限られない。
【0093】
また、上記の実施形態においては、一対の支持アームは、板状部の中心よりも一端部側の位置から突出形成されており、且つ、この一端部側の位置から、一端部側に対して反対の他端部側の位置へ向かうように形成されているが、これは逆であってもよい(ただし、逆にした場合には、(効果)に記載したように、配線方向長さが長くなってしまう)。
【0094】
また、上記の実施形態においては、一対の支持アームが、幅方向に直交する平面に沿うように設けられているが、このような構成には限られず、例えば、上面視において、一対の支持アームがハの字状になるように配置されていてもよい。
【0095】
また、上記の実施形態においては、一対の支持アームのそれぞれと、一対の鍔部のそれぞれとの間には隙間が設けられているが、このような構成には限られず、この隙間はなくてもよい。
【0096】
また、上記の実施形態においては、板状部に設けられている係止部は、板状部の中央よりも、一端部側に対して反対の他端部側の位置に配置されているが、このような構成には限られず、係止部は、板状部の中心、又は、板状部の中央よりも一端部側の位置に配置されていてもよい。
【0097】
また、上記の実施形態においては、板状部の表面に、幅方向に沿った係合部が配置されているが、係合部はなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気的接続装置の全体斜視図。
【図2】図1の電気的接続装置の構成部品を示す分解斜視概略図。
【図3】図2のケーブルホルダーの斜視概略図。
【図4】図3のケーブルホルダーにおいて、押圧保持部が第1の位置にある状態を示す拡大概略図。
【図5】図3のケーブルホルダーにおいて、押圧保持部が第2の位置にある状態を示す拡大概略図。
【図6】ケーブルホルダーの側面を示す、図3のC矢視側面概略図。
【図7】幅方向に直交する断面における支持アーム部を示す、図3のD−D’矢視断面概略図。
【図8】ケーブルホルダーの保持位置にフラットケーブルが配置され、且つ、押圧保持部が第1の位置にある状態を示す斜視概略図。
【図9】押圧保持部が第2の位置にあり、ケーブルホルダーにフラットケーブルが保持された状態を示す斜視概略図。
【図10】本実施形態に係るケーブルホルダーを説明するための側面視参考説明図。(a)、(b)及び(c)は説明のための参考例に係るケーブルホルダーの概略図。(d)は本実施形態に係るケーブルホルダーの概略図。
【図11】第1変形例に係るケーブルホルダーの側面視概略図。
【図12】第2変形例に係るケーブルホルダーの側面視概略図。
【符号の説明】
【0099】
1 電気的接続装置
2 コネクタ
3 フラットケーブル
3r 導体露出部
3t 端部領域
4,104,204 ケーブルホルダー
41,141,241 板状部
41b 被巻き回し部
41k 係止部
41m、141m、241m 突出支持部
41p 上面(一の面)
41q 下面(他の面)
41t 鍔部
42,142,242 押圧保持部
43,143,243 支持アーム
243n 根元部
44,244 押圧板部
44k 係止受け部
44s 押圧面
45 逆嵌合防止溝(隙間)
46 係合部
5 コネクタ嵌合プラグ
51 係合受け部
6 ベース部
61 コンタクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットケーブル用のコネクタに用いられる、幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルの一方の端部領域を保持するケーブルホルダーであって、
板状に形成された板状部と、
前記フラットケーブルの前記端部領域の少なくとも一部を前記板状部に対して押圧する押圧面を有する押圧保持部と、を有し、
前記フラットケーブルは、前記端部領域において導体が露出した導体露出部を有しており、
前記板状部は、その一端部を含むように形成された被巻き回し部を有しており、
当該被巻き回し部は、U字状に曲げられた前記導体露出部を内側から支持するように形成され、且つ、前記導体露出部を支持している状態においては、前記フラットケーブルの前記幅方向に沿うように形成されており、
前記押圧保持部は、前記板状部に支持され且つ前記幅方向について前記被巻き回し部の両外側から突出する一対の支持アームと、前記押圧面が形成され且つ前記一対の支持アームに支持される押圧板部と、を備えて構成されており、
前記押圧保持部及び前記板状部のいずれか一方には、突出形成された単数又は複数の係止部が設けられ、他方には、当該係止部に対して係止される単数又は複数の係止受け部が設けられていることを特徴とするケーブルホルダー。
【請求項2】
前記押圧保持部は、前記板状部に対して第1の位置及び第2の位置の間で変位し、前記第1の位置においては、前記押圧面と前記板状部との間の隙間が前記フラットケーブルの厚みよりも大きく、前記第2の位置においては、前記一対の支持アームが弾性的に撓み且つ前記係止部に対して前記係止受け部が係止され、
前記導体露出部が前記被巻き回し部により支持された状態であって、且つ、前記押圧保持部が前記第2の位置にあるときに、U字状に曲げられた前記導体露出部と前記被巻き回し部とが接触し、且つ、前記押圧面と前記板状部との間で前記端部領域の少なくとも一部が押圧されて前記フラットケーブルが保持されることを特徴とするケーブルホルダー。
【請求項3】
前記導体露出部が前記被巻き回し部により支持された状態であって、且つ、前記押圧保持部が前記第2の位置にあるときに、前記押圧面は、前記端部領域の少なくとも一部を、前記板状部に形成された一の面に対して押圧し、
前記一対の支持アームは、前記板状部の中心よりも、前記板状部において前記一の面の反対側に形成された他の面側の位置から突出形成されていることを特徴とする請求項2に記載のケーブルホルダー。
【請求項4】
前記第2の位置においては、前記押圧板部の法線方向と前記板状部の法線方向とが一致することを特徴とする請求項2又は3に記載のケーブルホルダー。
【請求項5】
前記一対の支持アームは直線状に形成されており、
前記押圧保持部が前記第1の位置にあるときに、前記板状部の表面に平行な第1平面に対して、前記一対の支持アームがなす鋭角の大きさは、前記第1平面に対して、前記押圧板部の表面に平行な第2平面がなす鋭角の大きさよりも大きいことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項6】
前記一対の支持アームは曲線状に形成されており、
前記押圧保持部が前記第1の位置にあるときに、前記板状部の表面に平行な第1平面に対して、前記一対の支持アームがなす角度は、前記一対の支持アームの根元部に近付くに連れて90度に近付くことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項7】
前記一対の支持アームは、前記板状部の中心よりも前記一端部側の位置から突出形成されており、且つ、前記一端部側の位置から、前記一端部側に対して反対の他端部側の位置へ向かうように形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項8】
前記一対の支持アームが、前記幅方向に直交する平面に沿うように設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項9】
前記一対の支持アームのそれぞれは、前記幅方向に直交する断面において、前記板状部に対して片持ち状に支持されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項10】
前記板状部は、前記幅方向について前記被巻き回し部の両外側に、前記被巻き回し部に垂直な板状の一対の鍔部を有しており、
前記一対の鍔部の両外側には、二つの前記係止部のそれぞれが設けられており、
前記一対の支持アームは、前記一対の鍔部の両外側から突出していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項11】
前記板状部は、前記一対の鍔部から、前記幅方向について両外側へ向かって突出した一対の突出支持部を有しており、
前記一対の支持アームは、前記一対の突出支持部から突出しており、
前記一対の支持アームのそれぞれと、前記一対の鍔部のそれぞれとの間には隙間が設けられていることを特徴とする請求項10に記載のケーブルホルダー。
【請求項12】
前記板状部に設けられている前記係止部又は前記係止受け部は、前記板状部の中央よりも、前記一端部側に対して反対の他端部側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のケーブルホルダー。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載のケーブルホルダーと、
当該ケーブルホルダーが嵌合されるコネクタ嵌合プラグと、を有し、
前記ケーブルホルダーは、前記コネクタ嵌合プラグに設けられた係合受け部に対して係合する係合部を有しており、
当該係合部は、前記板状部の表面において、前記幅方向に沿って伸びるように配置されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項14】
幅方向に配列された複数のケーブルを有して構成されたフラットケーブルと、
請求項13に記載のコネクタと、
前記フラットケーブルに対して電気的に接続される複数のコンタクトを備え、且つ、前記コネクタが挿入されるベース部と、を有する電気的接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−270059(P2008−270059A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113671(P2007−113671)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】