説明

ケーブル保持具、ケーブル保持具操作棒及びケーブル架設方法

【課題】建屋の軒先等に設置されている雨樋又は樋受け部材に作業性よく取り付けることができるケーブル保持具を提供する。
【解決手段】引き込み用のケーブル1を挿通させた状態で保持するケーブル保持体2と、該ケーブル保持体2を雨樋3に着脱自在に取り付けるための取付部材4と、からなり、前記ケーブル保持体2は、両端がラッパ状に拡径された筒体に形成され、前記取付部材4は、雨樋3の内側に面接触する内側係止辺部5と、雨樋3の外側に対応する外側係止辺部6と、の間に、雨樋3の端縁を嵌挿させる隙間が形成されて、前記内側係止辺部5と外側係止辺部6の上端が接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き込み用のケーブルを雨樋に沿わせて架設する際に使用されるケーブル保持具、ケーブル保持具操作棒及びケーブル架設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信用のケーブルを建屋内に導入する場合、一般に、幹線ケーブルから引き込み用のケーブル(ドロップケーブル)を分岐させ、これを幹線ケーブルの直近にある雨樋等に沿わせて建屋内への引き込み位置近傍まで導くようにしている。この際、引き込み用のケーブルは、例えば結束バンドなどの結束部材、あるいはモール、管路等によって雨樋等に取り付けられることが多い。なお、メッセンジャーワイヤを利用したケーブル引留具(例えば特許文献1参照)や電柱に引き留めのできる引留具(例えば特許文献2参照)、接着剤を用いたケーブル保持具(例えば特許文献3参照)も提案されている。
【特許文献1】特開2003−189449号公報
【特許文献2】特開2006−126531号公報
【特許文献3】特開2006−271067号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、結束バンド(例えば、インシュロック等)等の結束部材は、ケーブルを架設対象物に束ねるように緊締する面倒な作業を必要とするため、特に、高所においては、作業性がよくなく取付に時間を要するという問題がある。また、通常、雨樋などにケーブルを架設する際には、専用の高所作業車や梯子などが利用されるが、建物が密集している場合には、高所作業車や梯子を導入できないこともあり、そのような場合には、作業能率が著しく低下してしまう。さらに、梯子を導入できても設置角度を適切に設定できないために、危険を伴う場合もあった。また、接着剤を用いるケーブル保持具では、接着対象面の平坦性が要求されるため、ケーブルを保持させる場所が制約される難点があり、しかも接着対象面を清浄化するための清掃作業が面倒でもあった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、建屋の軒先等に設置されている雨樋又は樋受け部材に作業性よく取り付けることができるケーブル保持具、ケーブル保持具操作棒及びケーブル架設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明のケーブル保持具は、引き込み用のケーブルを挿通させた状態で保持するケーブル保持体と、該ケーブル保持体を雨樋又は樋受け部材に着脱自在に取り付けるための取付部材と、からなり、前記ケーブル保持体は、両端がラッパ状に拡径された筒体に形成されることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、ケーブル保持体の両端がラッパ状に拡径されているため、ケーブルを挿通させやすくなり、ケーブルをケーブル保持体に挿通させた状態で取付部材を雨樋又は樋受け部材に取り付ければ架設作業が完了するため、取り付け作業性のよくない結束バンドなどの結束部材を必要とせず、高所においても作業性よくケーブルを架設することができる。
【0007】
また、ケーブルが光ファイバーである場合、ケーブル保持体の曲率(中間部を挟むラッパ状の両端部間の湾曲度)を、ケーブルの許容曲げ半径に対応する曲率よりも小さく設定することで、ケーブル保持体に支持されたケーブルが過度に曲がるのを防止することができ、かつ応力集中を回避することもできる。
【0008】
(2)前記ケーブル保持体は、前記取付部材に対して、相対回動自在に連結されるようにしてもよい。このようにすれば、雨樋に対するケーブルの保持角度が拘束されなくなるため、ケーブル架設の自由度が向上する。
【0009】
(3)前記ケーブル保持体は、開閉自在な半割れ状に形成され、かつ閉じ合せた状態を固定するための固定手段を備えていてもよい。このようにすれば、既に架設されている状態のケーブルにもケーブル保持体を挿通させることが可能になるため、ケーブル架設作業時の利便性が向上する。
【0010】
(4)前記ケーブル保持体は、弾発性を有し、かつ引き込み用のケーブルを挿入させるためのスリットを筒軸方向に有していてもよい。このようにすれば、既に架設されている状態のケーブルをスリットから挿入させることが可能になるため、ケーブル架設作業時の利便性が向上する。
【0011】
(5)前記スリットは、前記ケーブル保持体の筒軸に対して傾斜した角度に形成されてもよい。このようにすれば、ケーブル保持体に挿入したケーブルが脱落しにくくなる。
【0012】
(6)前記取付部材は、雨樋の内側に面接触する内側係止辺部と、雨樋の外側に対応する外側係止辺部と、の間に、雨樋の端縁を嵌挿させる隙間が形成されて、前記内側係止辺部と外側係止辺部の上端が接続されてなるものであってもよい。このようにすれば、取付部材の隙間を雨樋の端縁に嵌め込むことで、内側係止辺部と外側係止辺部の間に雨樋を挟むようにして取付部材を安定な係止状態に取り付けることができる。
【0013】
(7)前記外側係止部には、雨樋の端縁を締め付け固定するためのねじ部材が螺装されていてもよい。このようにすれば、ねじ部材を締結することによって、雨樋の端縁に対する取付部材の固定状態が安定化する。
【0014】
(8)前記取付部材は、樋受け部材に引っ掛けられる鉤状の引掛部と、該引掛部の基部に揺動自在に枢支される抜止片と、該抜止片を前記引掛部の開放端を閉じる方向に付勢する弾発部材と、からなり、前記樋受け部材に抜け止め状態に係止可能に構成されるようにしてもよい。このようにすれば、鉤状の引掛部を樋受け部材にワンタッチ動作で引っ掛けると、開放端を閉じる方向に付勢される抜止片によって、取付部材が樋受け部材に抜け止め状態に係止される。
【0015】
(9)本発明のケーブル保持具操作棒は、(1)乃至(8)の何れかに記載のケーブル保持具を受載支持して引き込み用のケーブルを雨樋又は樋受け部材に架設するためのケーブル保持具操作棒であって、
上部開放で底窄まり状の保持具受容器と、該保持具受容器内に引き込まれた状態でケーブル保持具を抱持状態に固定支持する拡縮自在な弾性体シートと、該弾性体シートを上方の待機位置と下方の着座位置との間で昇降させるために操作棒本体に設けられる昇降操作部材と、を備え、
前記弾性体シートは、前記上方の待機位置ではケーブル保持具を受載可能な略V字状に拡張し、前記昇降操作部材を操作することにより前記下方の着座位置に移動されると、前記保持具受容器に沿って両側が窄まり状となって受載したケーブル保持具を抱持状態に固定支持することを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、上方の待機位置で略V字状に拡張した弾性体シートに、ケーブル保持具を載せ、昇降操作部材を操作することによって、弾性体シートを下方の着座位置に移動させて窄まり状としてケーブル保持具を抱持状態に固定支持することができるので、そのケーブル保持具操作棒を操作することにより、別途、何らの作業補助具を必要とすることなくケーブル保持具を雨樋又は樋受け部材に作業性よく取り付けることができる。
【0017】
(10)前記支持具受容器の長手方向に対向し合う両側壁には、前記ケーブル保持具のケーブル保持体に挿通させたケーブルを落とし込むための切溝を形成していてもよい。このようにすれば、ケーブルを切溝に落とし込むことで、ケーブルを曲げずにケーブル保持具を抱持状態に固定支持することができる。
【0018】
(11)本発明のケーブル架設方法は、前記(9)項乃至(10)項の何れかに記載のケーブル操作棒を使用して、雨樋又は樋受部材に引き込み用のケーブルを架設するケーブル架設方法であって、
前記雨樋又は樋受部材に前記ケーブル保持具を取り付ける工程と、
前記引き込み用のケーブルを前記ケーブル保持具のケーブル保持体へ係止する工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】
このような方法によれば、ケーブル操作棒を使用することにより、別途、取り付け部材を家屋等に設置することなく、雨樋又は樋受部材を利用してケーブルを簡易に架設することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のケーブル保持具は、ケーブル保持体の両端がラッパ状に拡径されているので、ケーブルを挿通させやすくなり、ケーブルをケーブル保持体に挿通させた状態で取付部材を雨樋又は樋受け部材に取り付ければ架設作業が完了するため、取り付け作業性のよくない結束バンドなどの結束部材を必要とせず、高所においても作業性よくケーブルを架設することができる。
【0021】
また、ケーブルが光ファイバーである場合、ケーブル保持体の曲率(中間部を挟むラッパ状の両端部間の湾曲度)を、ケーブルの許容曲げ半径に対応する曲率よりも小さく設定することで、ケーブル保持体に支持されたケーブルが過度に曲がるのを防止することができ、かつ応力集中を回避することもできる。
【0022】
本発明のケーブル保持具操作棒は、上方の待機位置で略V字状に拡張した弾性体シートに、ケーブル保持具を載せ、昇降操作部材を操作することによって、弾性体シートを下方の着座位置に移動させて窄まり状としてケーブル保持具を抱持状態に固定支持することができるので、そのケーブル保持具操作棒を操作することにより、別途、何らの作業補助具を必要とすることなくケーブル保持具を雨樋又は樋受け部材に作業性よく取り付けることができる。
【0023】
本発明のケーブル架設方法は、前記雨樋又は樋受部材に前記ケーブル保持具を取り付ける工程と、前記引き込み用のケーブルを前記ケーブル保持具のケーブル保持体へ係止する工程と、を含むので、ケーブル操作棒を使用することにより、別途、取り付け部材を家屋等に設置することなく、雨樋又は樋受部材を利用してケーブルを簡易に架設することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の実施の形態に係るケーブル保持具及びケーブル保持具操作棒について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、雨樋用のケーブル保持具Kの一例を示し、この例では、引き込み用のケーブル1を挿通させた状態で保持するケーブル保持体2と、そのケーブル保持体2を雨樋3に着脱自在に取り付けるための取付部材4と、からなり、その取付部材4は、雨樋3の内側に面接する内側係止辺部5と、雨樋3の外側に対応する外側係止辺部6と、の間に、雨樋3の端縁を嵌挿させる隙間が形成されて、その両係止辺部5,6の上端が接続されてなり、かつ、その外側係止辺部6には、雨樋3の端縁を締め付け固定するためのねじ部材7が螺装されている。
【0025】
一方、ケーブル保持体2は、両端がラッパ状に拡径された筒体に形成され、取付部材4に対して、スイベル8を介して相対回動自在に連結されている。そのスイベル8は、筒状に形成された本体内にスラストベアリングが内蔵されて上本体9と下本体10が相対回動自在に連結され、その上本体9には取付部材4が固定され、下本体10にはケーブル保持体2が固定されている。
【0026】
このような構成によれば、ケーブル保持体2の両端がラッパ状に拡径されているため、ケーブル1を挿通させやすくなり、ケーブル1をケーブル保持体2に挿通させた状態で取付部材4を雨樋3に取り付ければ架設作業が完了するため、ケーブル架設時の取り付け作業性がよく、高所においても作業性よくケーブル1を雨樋3に架設することができる。
【0027】
また、ケーブル1が光ファイバーである場合、ケーブル保持体2の曲率(中間部を挟むラッパ状の両端部間の湾曲度)を、ケーブル1の許容曲げ半径に対応する曲率よりも小さく設定することで、ケーブル保持体2に支持されたケーブル1が過度に曲がるのを防止することができ、かつ応力集中を回避することもできる。
【0028】
そして、取付部材4の外側係止辺部6に螺装されているねじ部材7を締結することによって、雨樋3に対する取付部材4の固定状態がしっかりと安定化する。そして、ケーブル保持体2が、取付部材4に対して相対回動自在に連結されているので、雨樋3に対するケーブル1の保持角度が拘束されなくなるため架設の自由度が向上する。
【0029】
図2(a)は、ケーブル保持体2を筒軸方向に半割れ状に形成したケーブル保持具Kの例を示し、この例では、断面が半円弧状に形成された一方の保持体21と他方の保持体22が下端でピン軸23によって枢結され、一方の保持体21の上部に突設された係止凸片21aに対して、他方の保持体22の上部に形成された被係止孔22aを抜け止め状態に被嵌させることによって両保持体21,22を閉じた状態に保持できるように構成される。なお、21aと22aで本発明の固定手段を構成している。
【0030】
このように構成すれば、ケーブル1が既に架設されている場合でも、容易に、ケーブル保持具Kに支持させることができ、また、先に、ケーブル保持具Kを雨樋3に取り付けた後で横からケーブル1を嵌め込むこともできるため、ケーブル架設作業の作業性が著しく向上する。
【0031】
図2(b)は、ケーブル保持体2を弾発性を有する素材で形成し、そのケーブル保持体2に、ケーブル1を挿入するためのスリットSを筒軸に対して傾斜した角度に形成した例を示す。そのスリットSの幅はケーブル1の太さよりも細くして脱落を防止できるようにする。このようなスリットSを設けることにより、既に架設されている状態のケーブル1をスリットSから挿入させることが可能になるため、ケーブル架設作業の利便性が向上する。また、そのスリットSがケーブル保持体2の筒軸に対して傾斜した角度に形成されているため、挿入したケーブル1がより一層脱落しにくくなる。
【0032】
図3は、取付部材4を鉤状に形成した例を示し、この場合、その取付部材4を樋受け部材11に引っ掛けられる鉤状の引掛部12と、該引掛部12の基部に揺動自在に枢支される抜止片13と、該抜止片13を引掛部12の開放端を閉じる方向に付勢する弾発部材14と、からなる。このようにすれば、鉤状の引掛部12をワンタッチ動作で樋受け部材11に引っ掛ければ、抜止片13によって取付部材4を樋受け部材11に抜け止め状態に係止させることができる。その引掛部12には、樋受け部材11に安定な状態で係止するように、樋受け部材11に面接触状態で当接するような平坦部12aを形成するのが望ましい。
【0033】
図4(a)〜(d)は、撤去作業を容易にしたケーブル保持具Kを示し、この例では、鉤状に形成した引掛部12の基部に揺動自在に枢支される抜止片13の先端を反り返るように湾曲させて湾曲端部13aを形成しており、その湾曲端部13aを樋受け部材11に押し当てることによって、撤去時に樋受け部材11を交わしてケーブル保持具Kを取り外すことができるようにしている。即ち、図4(a)に示すように、引掛部12が樋受け部材11に引っ掛けられた状態から、ケーブル保持具Kを上方に押し上げるように操作して、樋受け部材11に抜止片13の湾曲端部13aを押し当て(図4(b)参照)、さらにケーブル保持具Kを上方に押し上げて、弾発部材14の付勢力に抗して抜止片13を図示時計回りに回動させ(図4(c)参照)、樋受け部材11から引掛部12を抜き取ることができる(図4(d)参照)。このように、ケーブル保持具Kの押し上げ操作により、引掛部12を樋受け部材11から容易に取り外すことができるため、間接活線作業におけるケーブル保持具Kの撤去作業が容易になる。
【0034】
図5及び図6は、ケーブル保持具操作棒Bを示し、このケーブル保持具操作棒Bは、上部開放で底窄まり状の有底の支持具受容器15と、該支持具受容器15内に引き込まれた状態でケーブル保持具を抱持状態に固定支持する拡縮自在なゴムシート16と、そのゴムシート16を上方の待機位置(図5(a)の位置)と下方の着座位置(図5(b)の位置)との間で昇降させるために操作棒本体17に螺装される昇降操作部材18と、を備え、そのゴムシート16は、上方の待機位置ではケーブル保持具Kを受載可能な略V字状に拡張し、昇降操作部材18の下端に取り付けた操作部18aを回動操作することで、ゴムシート16が下方の着座位置に移動されると、支持具受容器15の内側斜面に沿って両側が窄まり状となって受載したケーブル保持具Kを抱持状態に固定支持できるように構成される。そして、支持具受容器15の長手方向に対向し合う両側壁には、ケーブル保持体2に挿通させたケーブル1を落とし込むための切溝15aを形成している(図6(a)参照)。なお、昇降操作部材18は、操作棒本体17に螺装されるだけでなく、押し引き自在に挿入されるようにしてもよい。
【0035】
このような構成によれば、上方の待機位置で略V字状に拡張したゴムシート16に、ケーブル1を挿通させたケーブル保持具Kを載せ、昇降操作部材18の操作部18aを回動操作することによって、ゴムシート16を下方の着座位置に移動させて窄まり状としてケーブル保持具Kを抱持状態に安定な状態で固定支持することができる(図5,図6(b)参照)。その際に、ケーブル1は支持具受容器15の切溝15aに落とし込まれるため、ストレートな状態が維持される。従って、そのケーブル保持具操作棒Bを操作することにより、別途、何らの作業補助具を必要とすることなく、また、脱落を懸念することなく、ケーブル保持具Kを雨樋3に作業性よく取り付けることができる。なお、図3に示すケーブル保持具Kも同様に、このケーブル保持具操作棒Bに安定に固定支持させることができ、樋受け部材11に対してケーブル保持具Kを作業性よく取り付けることができる。
【0036】
尚、本発明は、実施の形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、必要に応じて、適宜、設計変更や改良等は自由である。また、各実施の形態間での構成の組み合わせも自由である。図1及び図3に示したケーブル保持具Kでは、ケーブル保持体2は、スイベル8を介して取付部材4に相対回動自在に連結されているが、ケーブル保持体2と取付部材4は固定状態に一体化されてもよい。また、図1では、取付部材4は、雨樋3の片側に被嵌状態に取り付けられているが、雨樋3の両側に被嵌されるようにしてもよい。また、取付部材4の外側係止部6に螺装されているねじ部材7を省略してもよい。また、接着剤等で固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態に係るケーブル保持具の斜視図である。
【図2】(a)は異なるケーブル保持具の要部断面図、(b)は別のケーブル保持具の要部側面図である。
【図3】同さらに別のケーブル保持具の斜視図である。
【図4】(a)〜(d)は同異なるケーブル保持具の撤去作業の段階的な説明図である。
【図5】(a)は本発明の実施の形態に係るケーブル保持具操作棒のゴムシートにケーブル保持具を受載させた状態の要部断面図、(b)はケーブル保持具を固定した状態のケーブル保持具操作棒の要部断面図である。
【図6】(a)は同ケーブル保持具を固定した状態のケーブル保持具操作棒の正面図、(b)は同側面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ケーブル、2…ケーブル保持体、3…雨樋、4…取付部材、5…内側係止辺部、6…外側係止辺部、7…ねじ部材、11…樋受け部材、12…引掛部、13…抜止片、14…弾発部材、15…支持具受容器、15a…切溝、16…ゴムシート、17…操作棒本体、18…昇降操作部材、21a,22a…固定手段、K…ケーブル保持具、B…ケーブル保持具操作棒、S…スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き込み用のケーブルを挿通させた状態で保持するケーブル保持体と、該ケーブル保持体を雨樋又は樋受け部材に着脱自在に取り付けるための取付部材と、からなり、
前記ケーブル保持体は、両端がラッパ状に拡径された筒体に形成されることを特徴とするケーブル保持具。
【請求項2】
前記ケーブル保持体は、前記取付部材に対して、相対回動自在に連結されることを特徴とする請求項1に記載のケーブル保持具。
【請求項3】
前記ケーブル保持体は、開閉自在な半割れ状に形成され、かつ閉じ合せた状態を固定するための固定手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル保持具。
【請求項4】
前記ケーブル保持体は、弾発性を有し、かつ引き込み用のケーブルを挿入させるためのスリットを筒軸方向に有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル保持具。
【請求項5】
前記スリットは、前記ケーブル保持体の筒軸に対して傾斜した角度に形成されることを特徴とする請求項4に記載のケーブル保持具。
【請求項6】
前記取付部材は、雨樋の内側に面接触する内側係止辺部と、雨樋の外側に対応する外側係止辺部と、の間に、雨樋の端縁を嵌挿させる隙間が形成されて、前記内側係止辺部と外側係止辺部の上端が接続されてなることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のケーブル保持具。
【請求項7】
前記内側係止辺部又は外側係止辺部には、雨樋の端縁を締め付け固定するためのねじ部材が螺装されていることを特徴とする前記内側係止辺部又は外側係止辺部には、雨樋の端縁を締め付け固定するためのねじ部材が螺装されていることを特徴とする請求項6に記載のケーブル保持具。
【請求項8】
前記取付部材は、樋受け部材に引っ掛けられる鉤状の引掛部と、該引掛部の基部に揺動自在に枢支される抜止片と、該抜止片を前記引掛部の開放端を閉じる方向に付勢する弾発部材と、からなり、前記樋受け部材に抜け止め状態に係止可能に構成されることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のケーブル保持具。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載のケーブル保持具を受載支持して引き込み用のケーブルを雨樋又は樋受け部材に架設するためのケーブル保持具操作棒であって、
上部開放で底窄まり状の保持具受容器と、該保持具受容器内に引き込まれた状態でケーブル保持具を抱持状態に固定支持する拡縮自在な弾性体シートと、該弾性体シートを上方の待機位置と下方の着座位置との間で昇降させるために操作棒本体に設けられる昇降操作部材と、を備え、
前記弾性体シートは、前記上方の待機位置ではケーブル保持具を受載可能な略V字状に拡張し、前記昇降操作部材を操作することにより前記下方の着座位置に移動されると、前記保持具受容器に沿って両側が窄まり状となって受載したケーブル保持具を抱持状態に固定支持することを特徴とするケーブル保持具操作棒。
【請求項10】
前記保持具受容器の長手方向に対向し合う両側壁には、前記ケーブル保持具のケーブル保持体に挿通させたケーブルを落とし込むための切溝を形成していることを特徴とする請求項9に記載のケーブル保持具操作棒。
【請求項11】
請求項9乃至10の何れかに記載のケーブル保持具操作棒を使用して、雨樋又は樋受部材に引き込み用のケーブルを架設するケーブル架設方法であって、
前記雨樋又は樋受部材に前記ケーブル保持具を取り付ける工程と、
前記引き込み用のケーブルを前記ケーブル保持具のケーブル保持体へ係止する工程と、を含むことを特徴とするケーブル架設方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−178268(P2008−178268A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11542(P2007−11542)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503320061)株式会社エネルギア・コミュニケーションズ (92)
【Fターム(参考)】