説明

ケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置

【課題】 ケーブルが布設された既設管の内面の防錆を容易に行えるケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置を得る。
【解決手段】 ケーブル2が布設された既設管3の内面を防錆するに際し、既設管3の中にケーブル2を貫通させつつ防錆剤を既設管3の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置1を配置し、内面防錆剤塗布装置1はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔5を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部6を有し、その進行方向の後部における外周に防錆剤を既設管3の内面に塗布する防錆剤塗布部7を有し、その外周で進行方向の前部における防錆剤シール部6と後部における防錆剤塗布部7との間に防錆剤を既設管3の内面に接触させる防錆剤貯蔵部9を有する構造とし、内面防錆剤塗布装置1を進行方向に前進させつつ防錆剤貯蔵部9内の防錆剤を防錆剤塗布部7で既設管3の内面に塗布するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光通信の発達に伴いケーブルが広範囲に布設されている。ケーブルは地下に埋設された埋設管内に布設されるケースが多い。ケーブルが布設される埋設管としては、強度、耐久性、気密性、配管の容易さ等から、その殆どが鋼管となっている。この結果、鋼管の錆といった問題から避けられず、防錆対策が求められている。従来、鋼管からなる既設管の内面の防錆対策として、既設管内に炭酸ガス入り防錆水を注入し、既設管内面に防錆被膜を形成する防錆処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−184772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された既設管の内面防錆処理方法は、既設管の中にケーブルの如き布設物がない場合であって、ケーブルが布設された既設管の内面の防錆には、ケーブルが邪魔になって実施できないといった問題点があった。また、ケーブルが布設された既設管の内面の防錆処理方法は、現在のところ提案されていない。
【0004】
本発明の目的は、ケーブルが布設された既設管の内面の防錆を容易に行えるケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決する本発明の手段を説明すると、次のとおりである。
【0006】
請求項1に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法は、ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記既設管の内面に前記防錆剤を塗布することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法は、ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造とし、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記防錆剤貯蔵部内の前記防錆剤を前記防錆剤塗布部で前記既設管の内面に塗布することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法は、ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、その進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有する構造とし、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記防錆剤を前記防錆剤供給通路から前記防錆剤貯蔵部に供給しつつ前記防錆剤貯蔵部内の前記防錆剤を前記防錆剤塗布部で前記既設管の内面に塗布することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、ケーブルが布設された既設管の中に配置される内面防錆剤塗布装置本体を有し、前記内面防錆剤塗布装置本体はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、ケーブルが布設された既設管の中に配置される内面防錆剤塗布装置本体を有し、前記内面防錆剤塗布装置本体はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、その進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有し、前記防錆剤供給通路には外部から前記防錆剤を供給する防錆剤供給配管が接続されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項4または5に記載の、前記内面防錆剤塗布装置本体の前記ケーブル通し孔は前記内面防錆剤塗布装置本体の径方向の中心より下側に偏心して設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項4、5または6に記載の、前記内面防錆剤塗布装置本体はその前後方向の外周に周方向に沿って凹部を有し、前記防錆剤供給通路の末端が前記凹部に開口されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項4、5、6または7に記載の、前記内面防錆剤塗布装置本体は前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、ケーブルが布設された既設管の中に配置される第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とを有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とは可撓性のある連結具で連結され、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とにはその径方向の内側に進行方向の前後にそれぞれ貫通してケーブル通し孔を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の外周と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の外周に防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部及び防錆剤シール部との間には前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、ケーブルが布設された既設管の中に配置される第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とを有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とは可撓性のある連結具で連結され、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とにはその径方向の内側に進行方向の前後にそれぞれ貫通してケーブル通し孔を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の外周と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の外周に防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部及び防錆剤シール部との間には前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有し、前記防錆剤供給通路には外部から前記防錆剤を供給する防錆剤供給配管が接続されていることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項9または10に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前記各ケーブル通し孔はそれぞれ前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との径方向の中心より下側に偏心して設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項9、10または11に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前後方向の外周にはそれぞれ凹部が設けられ、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記防錆剤供給通路の末端が開口され、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前部に設けられてその先端に開口する防錆剤供給通路の末端が開口されていることを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置は、請求項9、10、11または12に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とはそれぞれの前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法によれば、既設管の中にケーブルを貫通させつつ防錆剤を既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、この内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ既設管の内面に防錆剤を塗布するので、ケーブルをこの内面防錆剤塗布装置の中に通して浮かしながら既設管の内面に満遍なく防錆剤を塗布することができ、ケーブルが布設された既設管の内面の防錆を容易に行うことができる。
【0020】
請求項2に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法によれば、既設管の中にケーブルを貫通させつつ防錆剤を既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、この内面防錆剤塗布装置はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周とケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に防錆剤を既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における防錆剤シール部と後部における防錆剤塗布部との間に防錆剤を既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造なので、この内面防錆剤塗布装置の径方向の内側のケーブル通し孔にケーブルを通して既設管の内壁から浮かしつつ、この装置で溜めている防錆剤を後部の防錆剤塗布部で既設管の内面に満遍なく塗布することができ、ケーブルが布設された既設管の内面の防錆を容易に行うことができる。
【0021】
請求項3に記載のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法によれば、内面防錆剤塗布装置として、前記請求項2で用いた内面防錆剤塗布装置の進行方向の前部に、さらに防錆剤を防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を設けた構造のものを用いて防錆処理を行うので、防錆剤貯蔵部に防錆剤供給通路から防錆剤を供給することにより、長区間の既設管の内面の防錆処理も容易に行うことができる。
【0022】
請求項4に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、ケーブルが布設された既設管の中に配置される内面防錆剤塗布装置本体を有し、この内面防錆剤塗布装置本体はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に防錆剤を既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における防錆剤シール部と後部における防錆剤塗布部との間に防錆剤を既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっているので、ケーブル通し孔にケーブルを通すことによりケーブルを既設管の内壁から浮かしながら内面防錆剤塗布装置本体を進行方向に前進させることができ、そして内面防錆剤塗布装置本体を前進させることにより、ケーブルが妨げになることなく防錆剤貯蔵部に貯蔵された防錆剤を防錆剤塗布部で既設管の内面に満遍なく塗布することができる。
【0023】
請求項5に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、前記請求項4で用いた内面防錆剤塗布装置の内面防錆剤塗布装置本体における進行方向の前部に防錆剤を防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を設け、この防錆剤供給通路には外部から防錆剤を供給する防錆剤供給配管を接続しているので、防錆剤貯蔵部に防錆剤供給配管と防錆剤供給通路とから防錆剤を供給することにより、長区間の既設管の内面の防錆処理も容易に行うことができる。
【0024】
請求項6に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、前記請求項4または5に記載の、前記内面防錆剤塗布装置本体の前記ケーブル通し孔は前記内面防錆剤塗布装置本体の径方向の中心より下側に偏心して設けられているので、ケーブルの重量により内面防錆剤塗布装置本体は、ケーブル通し孔側が常に下方に位置することになり、内面防錆剤塗布装置本体の進行時に該内面防錆剤塗布装置本体がケーブルの回りを回転するといった事態が阻止され、安定した状態で走行させることができ、内面防錆剤塗布装置本体の先端に防錆剤供給配管が接続されていても、この防錆剤供給配管がケーブルに巻き付くおそれがなく内面防錆剤塗布装置本体を容易に走行させることができる。
【0025】
請求項7に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、請求項4、5または6に記載の、前記内面防錆剤塗布装置本体はその前後方向の外周に周方向に沿って凹部を有し、前記防錆剤供給通路の末端が前記凹部に開口されているので、防錆剤供給通路から供給された防錆剤がこの凹部を経て下側に溜まりつつ上昇して凹部内に充満して内面防錆剤塗布装置本体の後部側の外周の防錆剤貯蔵部を満たすことになり、既設管の内面に一様に防錆剤を塗布することができる。
【0026】
請求項8に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、前記請求項4、5、6または7に記載の、記内面防錆剤塗布装置本体が前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されているので、既設のケーブルの外周に容易に内面防錆剤塗布装置本体を装着させることができる。
【0027】
請求項9に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、ケーブルが布設された既設管の中に配置される第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とを有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とは可撓性のある連結具で連結され、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とにはその径方向の内側に進行方向の前後にそれぞれ貫通してケーブル通し孔を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の外周と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の外周に防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部及び防錆剤シール部との間には前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっているので、ケーブル通し孔にケーブルを通すことによりケーブルを既設管の内壁から浮かしながら内面防錆剤塗布装置本体を進行方向に前進させることができ、そして内面防錆剤塗布装置本体を前進させることにより、ケーブルが妨げになることなく防錆剤貯蔵部に貯蔵された防錆剤を防錆剤塗布部で既設管の内面に満遍なく塗布することができる。しかも、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部との間を防錆剤貯蔵部としたので、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の間隔を調節することにより、防錆剤貯蔵部を広げることができ、多量の防錆剤を貯蔵することができるので、防錆剤貯蔵部内に貯蔵する防錆剤の量管理が容易となり、防錆剤が不足して未塗布部が生じるような事態を回避することができる。
【0028】
また、第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とが、可撓性のある連結具で連結されているので、この内面防錆剤塗布装置の全長が長くなっても、この連結具の部分で屈曲でき、既設管に曲がりがあっても容易に通過させることができる。
【0029】
請求項10に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、前記請求項9に記載の内面防錆剤塗布装置の第1内面防錆剤塗布装置本体の進行方向の前部には防錆剤を防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を設け、防錆剤供給通路には外部から防錆剤を供給する防錆剤供給配管を接続している構造になっているので、防錆剤貯蔵部に防錆剤供給配管と防錆剤供給通路とから防錆剤を供給することにより、長区間の既設管の内面の防錆処理も容易に行うことができる。
【0030】
請求項11に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、請求項9または10に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前記各ケーブル通し孔はそれぞれ前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との径方向の中心より下側に偏心して設けられているので、ケーブルの重量により第1内面防錆剤塗布装置本体及び第2内面防錆剤塗布装置本体は、ケーブル通し孔側が常に下方に位置することになり、第1内面防錆剤塗布装置本体及び第2内面防錆剤塗布装置本体の進行時に該第1内面防錆剤塗布装置本体及び第2内面防錆剤塗布装置本体がケーブルの回りを回転するといった事態が阻止され、安定した状態で走行させることができ、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の先端に防錆剤供給配管が接続されていても、この防錆剤供給配管がケーブルに巻き付くおそれがなく前記第1内面防錆剤塗布装置本体及び第2内面防錆剤塗布装置本体を容易に走行させることができる。
【0031】
請求項12に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、請求項9、10または11に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前後方向の外周にはそれぞれ凹部が設けられ、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記防錆剤供給通路の末端が開口され、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前部に設けられてその先端に開口する防錆剤供給通路の末端が開口されているので、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の防錆剤供給通路から供給された防錆剤がこの凹部を経て下側に溜まりつつ上昇して凹部内に充満し、続いて前記第1内面防錆剤塗布装置本体の後部側から前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との間の防錆剤貯蔵部に流れ、防錆剤貯蔵部を満たした防錆剤が前記第2内面防錆剤塗布装置本体の防錆剤供給通路から第2内面防錆剤塗布装置本体の凹部を経て下側に溜まりつつ上昇して凹部を満たすことになり、既設管の内面に一様に防錆剤を塗布することができる。
【0032】
請求項13に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置によれば、請求項9、10、11または12に記載の、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とはそれぞれの前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されているので、既設のケーブルの外周に容易に内面防錆剤塗布装置本体を装着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係るケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1乃至図7は、本発明に係るケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置の第1実施例を示したもので、図1は本例の内面防錆剤塗布装置の概略図、図2は図1に示す内面防錆剤塗布装置の一部省略側面図、図3は図2の一部省略縦断面図、図4は図2の一部省略左側面図、図5は図2のA−A線断面図、図6は本例で使用される防錆剤シール部の正面図、図7は本例のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法の実施状態を示す要部拡大断面図である。
【0035】
本例の内面防錆剤塗布装置1は、ケーブル2が布設された既設管3の中に配置されるものであって、内面防錆剤塗布装置本体4を有する。この内面防錆剤塗布装置本体4は、その外径が既設管3よりも小径で既設管3の中を移動可能な径に形成されており、その径方向の内側に進行方向の前後に貫通して、既設管3の中に布設されているケーブル2を貫通させるケーブル通し孔5を有し、その進行方向の前部における外周には防錆剤シール部6を有し、その後部における外周には防錆剤を既設管3の内面に塗布する防錆剤塗布部7を有し、その外周で進行方向の前部における防錆剤シール部6と後部における防錆剤塗布部7との間に、既設管3との間で防錆剤貯蔵空間8形成し防錆剤を既設管3の内面に接触させる防錆剤貯蔵部9を有し、その進行方向の前部には防錆剤を防錆剤貯蔵部9に供給する防錆剤供給通路10を有し、防錆剤供給通路10には外部から防錆剤を供給する可撓性のある合成樹脂管等の防錆剤供給配管11が接続された構造になっている。
【0036】
本例では、内面防錆剤塗布装置本体4は、本体中央部12と、本体中央部12の進行方向両端面に取り付けられ、本体中央部12との間に防錆剤シール部6と防錆剤塗布部7とを挟着して固定する本体先端部13と本体後端部14とで構成されている。本体先端部13と本体後端部14には、それぞれ周方向に複数のボルト通し孔15が形成され、また、本体中央部12の進行方向両端面にはボルト通し孔15に対応する位置にねじ穴16が形成されており、ボルト17により本体先端部13と本体後端部14が本体中央部12の進行方向両端面に取り付けられている(図2、図3)。図面では、ボルト通し孔15、ねじ穴16及びボルト17の一部を省略している。
【0037】
また、本体中央部12と本体先端部13と本体後端部14とで構成される内面防錆剤塗布装置本体4に有するケーブル通し孔5は、ケーブル2の外径より大きく形成されていて、ケーブル2が自由に通過できるようになっている。本例では、ケーブル通し孔5は、内面防錆剤塗布装置本体4の径方向の中心より下側に偏心して設けられている(図3)。
【0038】
また、本体中央部12と本体先端部13とで挟着される防錆剤シール部6はゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で円板状に形成されたものからなり、その外径は既設管3の内面に密着し且つ摺動可能な大きさに形成されている。また、円板状の防錆剤シール部6には、本体先端部13のボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成され、ケーブル通し孔5と対応する位置にケーブル通し孔19が形成されている。更に、後に詳述する防錆剤供給通路10と対応する位置に防錆剤供給通路孔20が形成されている(図6)。
【0039】
また、本体中央部12と本体後端部14とで挟着される防錆剤塗布部7はゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で、防錆剤シール部6と同様に、円板状に形成されものからなり、その外径は既設管3の内面に接触し且つ摺動して防錆剤を既設管3の内面に塗布可能な大きさに形成されている。また、円板状の防錆剤塗布部7には、図示しないが前述した防錆剤シール部6と同様に、本体後端部14のボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成され、ケーブル通し孔5と対応する位置にケーブル通し孔19が形成されている。
【0040】
また本例では、内面防錆剤塗布装置本体4を構成する本体中央部12の長手方向のほぼ中央には、周方向に沿って防錆剤貯蔵部9となる凹部21が設けられている。そして、内面防錆剤塗布装置本体4の前部に有する防錆剤供給通路10は、本例では、本体中央部12の前側及び本体先端部13に、一端が本体先端部13の先端面に開口し、他端が防錆剤貯蔵部9となる凹部21に開口して形成されており、本体先端部13の先端面に開口する防錆剤供給通路10に防錆剤供給配管11が接続され、外部から防錆剤貯蔵部9となる凹部21へ防錆剤が供給されるようになっている(図2)。
【0041】
更に本例では、本体中央部12と本体先端部13と本体後端部14とで構成される内面防錆剤塗布装置本体4は、ケーブル通し孔5を横切る分割面22により径方向に2分割されている。分割面22で2分割された一方の半本体中央部12aにはボルト通し孔23が形成され、他方の半本体中央部12bにはねじ穴24が形成され、ボルト25で連結されるようになっている。そして、ボルト25で連結された半本体中央部12aと他方の半本体中央部12bとで構成された本体中央部12の両端面に2分割された半本体先端部13a、13bと半本体後端部14a、14bとがボルト17により取り付けられるようになっている(図2、図3、図4、図5)。
【0042】
また、本例では、本体中央部12と本体先端部13とで挟着される防錆剤シール部6と本体中央部12と本体後端部14とで挟着される防錆剤塗布部7は、外周端からケーブル通し孔19に渡ってスリット26が設けられており、スリット26を広げケーブル通し孔19を開けることができるようになっている(図6)。
【0043】
更に本例では、内面防錆剤塗布装置本体4の前後に牽引ワイヤー27が連結され、牽引ワイヤー27により前方に牽引されて進行するようになっている。
【0044】
次に、上記のように構成された内面防錆剤塗布装置1を用いたケーブル布設既設管の内面防錆処理方法について説明する。
【0045】
本例は、図1に示すように、地面28の下に埋設された、内部にケーブル2が布設された鋼管よりなる既設管3について実施される。このような既設管3は、通常、隣接するマンホール29a、29bの間にそれぞれ布設されている。
【0046】
本例では、既設管3の中にケーブル2を貫通させつつ防錆剤30を既設管3の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置1を配置し、この内面防錆剤塗布装置1を牽引ワイヤー27で牽引して進行方向に前進させつつ既設管3の内面に防錆剤30を塗布する。
【0047】
詳細に説明すると、先ず、マンホール29a内で、内面防錆剤塗布装置1の内面防錆剤塗布装置本体4のケーブル通し孔5にケーブル2を貫通させる。本例では、防錆剤塗布装置本体4は、本体中央部12と本体先端部13と本体後端部14とで構成され、ケーブル通し孔5を横切る分割面22により径方向に2分割されているので、本体中央部12と本体先端部13と本体後端部14とを分割した状態で、一方の半本体中央部12a、半本体先端部13a、半本体後端部14aのケーブル通し孔5に入れ、その分割面22に他方の半本体中央部12b、半本体先端部13bと半本体後端部14bの分割面を重ね、そして、防錆剤シール部6と防錆剤塗布部7のスリット26を広げケーブル通し孔19を開けて、ケーブル通し孔19内にケーブル2を通し、半本体中央部12aと他方の半本体中央部12bとをボルト25で連結し、ボルト25で連結された半本体中央部12aと他方の半本体中央部12bとで構成された本体中央部12の両端面に2分割された半本体先端部13a、13bと半本体後端部14a、14bとをボルト17で取り付けることにより、内面防錆剤塗布装置本体4のケーブル通し孔5にケーブル2を貫通させることができる。
【0048】
このようにしてケーブル2を貫通させた内面防錆剤塗布装置本体4の前部に有する防錆剤供給通路10に、進行側にあるマンホール29bから既設管3の中に通した防錆剤供給配管11を接続し、更に、内面防錆剤塗布装置本体4の前後に牽引ワイヤー27を連結する。
【0049】
このようにして、既設管3の中に内面防錆剤塗布装置1を配置したら、防錆剤供給配管11から防錆剤30を供給する。防錆剤供給配管11から供給された防錆剤30は防錆剤供給通路10から防錆剤貯蔵部9となる凹部21に入り、下側に溜まりつつ上昇して既設管3との間で形成される防錆剤貯蔵空間8を満たす。
【0050】
この状態から内面防錆剤塗布装置本体4を牽引ワイヤー27で牽引して進行方向に前進させることにより、内面防錆剤塗布装置本体4の後部における外周に有する防錆剤塗布部7で防錆剤貯蔵空間8に満たされた防錆剤30を既設管3の内面に塗布できる(図7)。このとき、既設管3内に布設されているケーブル2は内面防錆剤塗布装置本体4のケーブル通し孔5に貫通し、既設管3から浮いた状態となっているので、ケーブル2の存在が障害となることなく、防錆剤30を既設管3の内面に満遍なく且つ確実に塗布できる。そして、防錆剤供給配管11から防錆剤30の供給を続けることにより、長区間の既設管3の内面の防錆剤30の塗布を容易に行うことができる。
【0051】
また、牽引ワイヤー27での牽引による内面防錆剤塗布装置本体4の走行にあっては、本例では、内面防錆剤塗布装置本体4のケーブル通し孔5は内面防錆剤塗布装置本体4の径方向の中心より下側に偏心して設けられているので、ケーブル2の重量により内面防錆剤塗布装置本体4は、ケーブル通し孔5側が常に下方に位置することになり、内面防錆剤塗布装置本体4の進行時に該内面防錆剤塗布装置本体4がケーブル2の回りを回転するといった事態が阻止され、安定した状態で走行させることができ、内面防錆剤塗布装置本体4の先端に接続されている防錆剤供給配管11がケーブル2に巻き付くおそれがなく内面防錆剤塗布装置本体4を容易に走行させることができる。
【0052】
図8乃至図12は、本発明に係るケーブル布設既設管の内面防錆処理方法及びケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置の第2実施例を示したもので、図8は本例の内面防錆剤塗布装置の概略図、図9は図8に示す内面防錆剤塗布装置を構成する第1内面防錆剤塗布装置本体の一部省略側面図、図10は図8に示す内面防錆剤塗布装置を構成する第2内面防錆剤塗布装置本体の一部省略側面図、図11は本例の内面防錆剤塗布装置の一部省略縦断面図、図12は本例のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法の実施状態を示す要部拡大断面図である。なお、前述した第1実施例と対応する部分には、同一符合を付して示している。
【0053】
本例の内面防錆剤塗布装置1は、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bを有し、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bは進行方向の前後に可撓性のある連結具31で連結されている。この第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bは、第1実施例の内面防錆剤塗布装置本体4と同様に、その外径が既設管3よりも小径で既設管3の中を移動可能な径に形成されており、その径方向の内側に進行方向の前後に貫通して、既設管3の中に敷設されているケーブル2を貫通させるケーブル通し孔5を有している。
【0054】
そして、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aは、その外周に既設管3の内面との間をシールする防錆剤シール部6Aと、ケーブル通し孔5の内周にケーブル2の外周面との間をシールする防錆剤シール部6Bを有し、また第2内面防錆剤塗布装置本体4Bは、その外周に防錆剤を既設管3の内面に塗布する防錆剤塗布部7と、ケーブル通し孔5の内周にケーブル2の外周面との間をシールする防錆剤シール部6Cを有し、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの存在箇所で第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの防錆剤シール部6A,6Bと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの防錆剤塗布部7及び防錆剤シール部6Cとの間に、既設管3との間で防錆剤貯蔵空間8を形成し防錆剤を既設管3の内面に接触させる防錆剤貯蔵部9を有し、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの前部には防錆剤を防錆剤貯蔵部9に供給する防錆剤供給通路10を有し、防錆剤供給通路10には外部から防錆剤を供給する可撓性のある合成樹脂管等の防錆剤供給配管11が接続された構造になっている。
【0055】
本例では、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aは、本体中央部12Aと、本体中央部12Aの進行方向両端面に取り付けられ、本体中央部12Aの進行方向先端面との間に防錆剤シール部6Aを挟着して固定する本体先端部13Aと、本体中央部12Aの後端面との間に防錆剤シール部6Bを挟着して固定する本体後端部14Aとで構成されている。本体先端部13Aと本体後端部14Aには、それぞれ周方向に複数のボルト通し孔15が形成され、また、本体中央部12Aの進行方向両端面にはボルト通し孔15に対応する位置にねじ穴16が形成されており、ボルト17により本体先端部13Aと本体後端部14Aが本体中央部12Aに取り付けられている(図9、図11)。図面では、ボルト通し孔15、ねじ穴16及びボルト17の一部を省略している。
【0056】
また、第2内面防錆剤塗布装置本体4Bは、本体中央部12Bと、本体中央部12Bの進行方向両端面に取り付けられ、本体中央部12Bの進行方向先端面との間に防錆剤シール部6Cを挟着して固定する本体先端部13Bと、本体中央部12Bの後端面との間に防錆剤塗布部7を挟着して固定する本体後端部14Bとで構成されている。本体先端部13Bと本体後端部14Bには、それぞれ周方向に複数のボルト通し孔15が形成され、また、本体中央部12Bの進行方向両端面にはボルト通し孔15に対応する位置にねじ穴16が形成されており、ボルト17により本体先端部13Bと本体後端部14Bが本体中央部12Bに取り付けられている(図10、図11)。図面では、ボルト通し孔15、ねじ穴16及びボルト17の一部を省略している。
【0057】
また、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bに有するケーブル通し孔5は、ケーブル2の外径より大きく形成されていて、ケーブル5が自由に通過できるようになっている。本例では、ケーブル通し孔5は、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bの径方向の中心より下側に偏心して設けられている(図11)。
【0058】
また、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの本体中央部12Aと本体先端部13Aとで挟着される防錆剤シール部6Aはゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で円板状に形成されものからなり、その外径は既設管3の内面に密着し且つ摺動可能な大きさに形成されている。また、円板状の防錆剤シール部6Aには、本体先端部13Aのボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成され、ケーブル通し孔5と対応する位置にケーブル通し孔19が形成されている。更に、後に詳述する防錆剤供給通路10と対応する位置に防錆剤供給通路孔20が形成されている。
【0059】
また、本体中央部12Aと本体後端部14Aとで挟着される防錆剤シール部6Bはゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で、防錆剤シール部6と同様に、円板状に形成されものからなり、その外径は既設管3の内径より小径で且つ第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの外径より大径に形成され、また、ケーブル2の外周面に密着し且つ摺動可能な大きさの位置にケーブル通し孔19が形成されている。また、円板状の防錆剤シール部6Bには、本体後端部14Aのボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成されている。
【0060】
また、第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの本体中央部12Bと本体先端部13Bとで挟着される防錆剤シール部6Cはゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で円板状に形成されものからなり、その外径は既設管3の内径より小径で且つ第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの外径より大径に形成され、また、ケーブル2の外周面に密着し且つ摺動可能な大きさの位置にケーブル通し孔19が形成されている。また、円板状の防錆剤シール部6Bには、本体後端部14Aのボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成されている。更に、後に詳述する防錆剤供給通路10と対応する位置に防錆剤供給通路孔20が形成されている。
【0061】
また、本体中央部12Bと本体後端部14Bとで挟着される防錆剤塗布部7はゴム、スポンジ、フェルト等の軟質素材で円板状に形成されものからなり、その外径は既設管3の内面に接触し且つ摺動して防錆剤を既設管3の内面に塗布可能な大きさに形成されている。また、円板状の防錆剤塗布部7には、本体後端部14Bのボルト通し孔15に対応する位置にボルト通し孔18が形成され、ケーブル通し孔5と対応する位置にケーブル通し孔19が形成されている。
【0062】
また本例では、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bを構成する本体中央部12A、12Bの長手方向のほぼ中央には、周方向に沿って凹部21が設けられている。そして、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの前部に有する防錆剤供給通路10は、本例では、本体中央部12Aの前側及び本体先端部13Aに、一端が本体先端部13Aの先端面に開口し、他端が凹部21に開口して形成されており、本体先端部13Aの先端面に開口する防錆剤供給通路10に防錆剤供給配管11が接続され、外部から凹部21へ防錆剤が供給されるようになっている。また、第2内面防錆剤塗布装置本体4Bにも、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと同様に、本体中央部12Aの前側及び本体先端部13Aに、防錆剤供給通路10が、その一端が本体先端部13Aの先端面に開口し、他端が凹部21に開口して形成されている(図11)。
【0063】
更に本例では、第1実施例の内面防錆剤塗布装置本体4と同様に、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bは、ケーブル通し孔5を横切る分割面22により径方向に2分割されている。分割面22で2分割された一方の半本体中央部12Aa、12Baにはボルト通し孔23が形成され、他方の半本体中央部12Ab、12Bbにはねじ穴24が形成され、ボルト25で連結されるようになっている。そして、ボルト25で連結された半本体中央部12Aa、12Baと半本体中央部12Ab、12Bbとで構成された本体中央部12A、12Bの両端面に2分割された半本体先端部13Aa、13Ab、13Ba、13Bbと半本体後端部14Aa、14Ab、14Ba、14Bbとがボルト17により取り付けられるようになっている(図9、図10、図11)。
【0064】
また、本例では、防錆剤シール部6A、6B、6Cと防錆剤塗布部7には、第1実施例の防錆剤シール部6と防錆剤塗布部7と同様に、外周端からケーブル通し孔19に渡ってスリット(図示せず)が設けられており、スリットを広げケーブル通し孔19を開けることができるようになっている。
【0065】
更に本例では、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの前部と第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの後部に牽引ワイヤー27が連結され、牽引ワイヤー27により前方に牽引されて進行するようになっている。
【0066】
次に、上記のように構成された内面防錆剤塗布装置1を用いたケーブル布設既設管の内面防錆処理方法について説明する。
【0067】
本例は、図8に示すように、地面28の下に埋設された、内部にケーブル2が布設された鋼管よりなる既設管3について実施される。このような既設管3は、通常、隣接するマンホール29の間にそれぞれ布設されている。
【0068】
本例では、既設管3の中にケーブル2を貫通させつつ上記のように構成された内面防錆剤塗布装置1を配置し、この内面防錆剤塗布装置1を牽引ワイヤー27で牽引して進行方向に前進させつつ既設管3の内面に防錆剤30を塗布する。
【0069】
詳細に説明すると、先ず、マンホール29a内で、内面防錆剤塗布装置1を構成する第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bとのケーブル通し孔5にケーブル2を貫通させる。本例では、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bは、第1実施例の防錆剤塗布装置本体4と同様に2分割されているので、第1実施例の防錆剤塗布装置本体4と同様にして、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bとのケーブル通し孔5にケーブル2を貫通させる。
【0070】
このようにしてケーブル2を貫通させた第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの前部に有する防錆剤供給通路10に、進行側にあるマンホール29bから既設管3の中に通した防錆剤供給配管11を接続し、更に、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの前部と第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの後部に牽引ワイヤー27を連結する。
【0071】
このようにして、既設管3の中に内面防錆剤塗布装置1を配置したら、防錆剤供給配管11から防錆剤30を供給する。防錆剤供給配管11から供給された防錆剤30は防錆剤供給通路10から凹部21に入り、凹部21を経て下側に溜まりつつ上昇して凹部21内に充満し、続いて第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの後部側から第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bとの間の防錆剤貯蔵部9に流れ、防錆剤貯蔵部9を満たした防錆剤が第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの防錆剤供給通路10から第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの凹部21を経て下側に溜まりつつ上昇して既設管3との間で形成される防錆剤貯蔵空間8を満たす。
【0072】
この状態から第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bを牽引ワイヤー27で牽引して進行方向に前進させることにより、第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの外周に有する防錆剤塗布部7で防錆剤貯蔵空間8に満たされた防錆剤30を既設管3の内面に塗布できる。このとき、既設管3内に布設されているケーブル2は第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bのケーブル通し孔5に貫通し、既設管3から浮いた状態となっているので、ケーブル2の存在が障害となることなく、防錆剤30を既設管3の内面に満遍なく且つ確実に塗布できる(図12)。そして、防錆剤供給配管11から防錆剤30の供給を続けることにより、長区間の既設管3の内面の防錆剤30の塗布を容易に行うことができる。
【0073】
また、本例では、第1内面防錆剤塗布装置本体4Aと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの存在箇所で第1内面防錆剤塗布装置本体4Aの防錆剤シール部6A,6Bと第2内面防錆剤塗布装置本体4Bの防錆剤塗布部7及び防錆剤シール部6Cとの間に、既設管3との間で防錆剤貯蔵空間8形成し防錆剤を既設管3の内面に接触させる防錆剤貯蔵部9を有するので、防錆剤を大量に貯蔵しておくことができ、防錆剤の供給管理が容易となる。
【0074】
また、牽引ワイヤー27での牽引による第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bの走行にあっては、本例では、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bのケーブル通し孔5は第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bの径方向の中心より下側に偏心して設けられているので、ケーブル2の重量により内面防錆剤塗布装置本体4は、ケーブル通し孔5側が常に下方に位置することになり、第1実施例と同様に、第1、第2内面防錆剤塗布装置本体4A、4Bを安定した状態で容易に走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係るケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置の第1実施例を示した概略図。
【図2】図1に示す内面防錆剤塗布装置の一部省略側面図。
【図3】図2の一部省略縦断面図。
【図4】図2の一部省略左側面図。
【図5】図2のA−A線断面図。
【図6】本例で使用される防錆剤シール部の正面図。
【図7】本例のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法の実施状態を示す要部拡大断面図。
【図8】本発明に係るケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置の第2実施例を示した概略図。
【図9】図8に示す内面防錆剤塗布装置を構成する第1内面防錆剤塗布装置本体の一部省略側面図。
【図10】図8に示す内面防錆剤塗布装置を構成する第2内面防錆剤塗布装置本体の一部省略側面図。
【図11】本例の内面防錆剤塗布装置の一部省略縦断面図。
【図12】本例のケーブル布設既設管の内面防錆処理方法の実施状態を示す要部拡大断面図。
【符号の説明】
【0076】
1 内面防錆剤塗布装置
2 ケーブル
3 既設管
4、4A、4B 内面防錆剤塗布装置本体
5 ケーブル通し孔
6、6A、6B、6C 防錆剤シール部
7 防錆剤塗布部
8 防錆剤貯蔵空間
9 防錆剤貯蔵部
10 防錆剤供給通路
11 防錆剤供給配管
12 本体中央部
12a、12b、12Aa、12Ab、12Ba、12Bb 半本体中央部
13、13A、13B 本体先端部
13a、13b、13Aa、13Ab、13Ba、13Bb 半本体先端部
14、14A、14B、 本体後端部
14a、14b、14Aa、14Ab、14Ba、14Bb 半本体後端部
15 ボルト通し孔
16 ねじ穴
17 ボルト
18 ボルト通し孔
19 ケーブル通し孔
20 防錆剤供給通路孔
21 凹部
22 分割面
23 ボルト通し孔
24 ねじ穴
25 ボルト
26 スリット
27 牽引ワイヤー
28 地面
29a、29b マンホール
30 防錆剤
31 連結具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記既設管の内面に前記防錆剤を塗布することを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆処理方法。
【請求項2】
ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造とし、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記防錆剤貯蔵部内の前記防錆剤を前記防錆剤塗布部で前記既設管の内面に塗布することを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆処理方法。
【請求項3】
ケーブルが布設された既設管の内面を防錆するに際し、前記既設管の中に前記ケーブルを貫通させつつ防錆剤を前記既設管の内面に塗布する内面防錆剤塗布装置を配置し、前記内面防錆剤塗布装置はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、その進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有する構造とし、前記内面防錆剤塗布装置を進行方向に前進させつつ前記防錆剤を前記防錆剤供給通路から前記防錆剤貯蔵部に供給しつつ前記防錆剤貯蔵部内の前記防錆剤を前記防錆剤塗布部で前記既設管の内面に塗布することを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆処理方法。
【請求項4】
ケーブルが布設された既設管の中に配置される内面防錆剤塗布装置本体を有し、前記内面防錆剤塗布装置本体はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっていることを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項5】
ケーブルが布設された既設管の中に配置される内面防錆剤塗布装置本体を有し、前記内面防錆剤塗布装置本体はその径方向の内側に進行方向の前後に貫通してケーブル通し孔を有し、その進行方向の前部における外周に防錆剤シール部を有し、その進行方向の後部における外周に前記防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部を有し、その外周で進行方向の前部における前記防錆剤シール部と後部における前記防錆剤塗布部との間に前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、その進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有し、前記防錆剤供給通路には外部から前記防錆剤を供給する防錆剤供給配管が接続されていることを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項6】
前記内面防錆剤塗布装置本体の前記ケーブル通し孔は前記内面防錆剤塗布装置本体の径方向の中心より下側に偏心して設けられていることを特徴とする請求項4または5に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項7】
前記内面防錆剤塗布装置本体はその前後方向の外周に周方向に沿って凹部を有し、前記防錆剤供給通路の末端が前記凹部に開口されていることを特徴とする請求項4、5または6に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項8】
前記内面防錆剤塗布装置本体は前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されていることを特徴とする請求項4、5,6または7に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項9】
ケーブルが布設された既設管の中に配置される第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とを有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とは可撓性のある連結具で連結され、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とにはその径方向の内側に進行方向の前後にそれぞれ貫通してケーブル通し孔を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の外周と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の外周に防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部及び防錆剤シール部との間には前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有する構造になっていることを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項10】
ケーブルが布設された既設管の中に配置される第1内面防錆剤塗布装置本体と第2内面防錆剤塗布装置本体とを有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とは可撓性のある連結具で連結され、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とにはその径方向の内側に進行方向の前後にそれぞれ貫通してケーブル通し孔を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の外周と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の外周に防錆剤を前記既設管の内面に塗布する防錆剤塗布部と前記ケーブル通し孔の内周に防錆剤シール部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の存在箇所で前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤シール部と前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記防錆剤塗布部及び防錆剤シール部との間には前記防錆剤を前記既設管の内面に接触させる防錆剤貯蔵部を有し、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の進行方向の前部には前記防錆剤を前記防錆剤貯蔵部に供給する防錆剤供給通路を有し、前記防錆剤供給通路には外部から前記防錆剤を供給する防錆剤供給配管が接続されていることを特徴とするケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項11】
前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前記各ケーブル通し孔はそれぞれ前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との径方向の中心より下側に偏心して設けられていることを特徴とする請求項9または10に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項12】
前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体との前後方向の外周にはそれぞれ凹部が設けられ、前記第1内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記防錆剤供給通路の末端が開口され、前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前記凹部には前記第2内面防錆剤塗布装置本体の前部に設けられてその先端に開口する防錆剤供給通路の末端が開口されていることを特徴とする請求項9、10または11に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。
【請求項13】
前記第1内面防錆剤塗布装置本体と前記第2内面防錆剤塗布装置本体とはそれぞれの前記ケーブル通し孔を横切って径方向に分割されていることを特徴とする請求項9、10,11または12に記載のケーブル布設既設管の内面防錆剤塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−68028(P2009−68028A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234266(P2007−234266)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(302059953)株式会社メーシック (24)
【出願人】(000100942)アイレック技建株式会社 (45)
【Fターム(参考)】