説明

ケーブル抜止め構造及び画像形成装置

【課題】ケーブル抜けが発生するのを防止することができ、電源コネクタと電源ケーブルとを確実に連結することができるようにする。
【解決手段】電源ケーブル37と、電源コネクタ30と、電源コネクタ30と対向する位置に、電源ケーブル37を挿入するための開口部41が形成された筐体と、開口部41を開閉するシャッタ部材50とを有する。電源ケーブル37に第1の係合部が、シャッタ部材50に第2の係合部が形成され、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられる。電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられるので、ケーブル抜けが発生するのを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル抜止め構造及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタにおいては、画像形成ユニット、LEDヘッド、転写ユニット、定着器等を備え、前記画像形成ユニットは、画像形成ユニットの本体、すなわち、画像形成ユニット本体、及び該画像形成ユニット本体に対して着脱自在に配設されたトナーカートリッジを備え、前記画像形成ユニット本体内には、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、現像ブレード、トナー供給ローラ、クリーニングブレード等が配設されるようになっている。
【0003】
前記プリンタにおいては、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて、静電潜像が形成される。また、前記トナーカートリッジから画像形成ユニット本体内に供給されたトナーは、トナー供給ローラによって現像ローラに供給され、現像ブレードによって現像ローラ上にトナーの薄層が形成される。そして、現像ローラ上のトナーを、感光体ドラム上の静電潜像に付着させ、該静電潜像を現像することによって感光体ドラム上にトナー像が形成される。続いて、該トナー像は、転写ユニットの転写ローラによって用紙に転写され、定着器において用紙に定着させられて、画像が形成される。
【0004】
ところで、前記プリンタにおいては、前記感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ等を回転させるためのモータを駆動したり、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ等に高圧の電圧を印加したりするために、プリンタの本体、すなわち、装置本体内に電源基板が配設され、該電源基板に電源ケーブルを介して電力が供給されるようになっている。
【0005】
そのために、装置本体の筐体に電源コネクタが配設され、電源基板と電源コネクタとが装置本体内の接続ケーブルによって接続されるとともに、電源コネクタに結合ピンが、電源ケーブルに結合穴が形成され、結合ピンを結合穴に嵌入することによって、電源コネクタと電源ケーブルとが連結されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−145551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、プリンタを移動させた際に、電源コネクタと電源ケーブルとの連結が外れてケーブル抜けが発生することがある。
【0008】
そこで、結合ピンと結合穴との隙間を小さくすることによってケーブル抜けが発生するのを抑制することが考えられるが、結合ピンと結合穴との隙間が小さくなると、結合ピンを結合穴に嵌入する作業が困難になり、嵌入が不十分になり、電源コネクタと電源ケーブルとを確実に連結するのが困難になってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、ケーブル抜けが発生するのを防止することができ、電源コネクタと電源ケーブルとを確実に連結することができるケーブル抜止め構造及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明のケーブル抜止め構造においては、電源ケーブルと、装置本体内に配設された電源コネクタと、該電源コネクタと対向する位置に、前記電源ケーブルを挿入するための開口部が形成された筐体と、前記開口部を開閉するシャッタ部材とを有する。
【0011】
そして、前記電源ケーブルに第1の係合部が、前記シャッタ部材に第2の係合部が形成され、前記電源コネクタと電源ケーブルとが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ケーブル抜止め構造においては、電源ケーブルと、装置本体内に配設された電源コネクタと、該電源コネクタと対向する位置に、前記電源ケーブルを挿入するための開口部が形成された筐体と、前記開口部を開閉するシャッタ部材とを有する。
【0013】
そして、前記電源ケーブルに第1の係合部が、前記シャッタ部材に第2の係合部が形成され、前記電源コネクタと電源ケーブルとが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられる。
【0014】
この場合、電源ケーブルに第1の係合部が、シャッタ部に第2の係合部が形成され、電源コネクタと電源ケーブルとが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられるので、ケーブル抜けが発生するのを防止することができ、電源コネクタと電源ケーブルとを確実に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの背面を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるシャッタ部材の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の第1の状態を示す側面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の第2の状態を示す側面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるシャッタ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0018】
図において、Prはプリンタ、Csは該プリンタPrの装置本体の筐体、10は画像形成ユニット、21は媒体としての用紙Pを収納する媒体収容部としての用紙カセット、27は定着装置としての定着器である。
【0019】
前記画像形成ユニット10は、画像形成ユニット本体10a、及び該画像形成ユニット本体10aに対して着脱自在に配設され、現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容部としてのトナーカートリッジ10bを備える。
【0020】
前記画像形成ユニット本体10aは、時計回り(矢印方向)に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム11、該感光体ドラム11に当接させて反時計回りに回転自在に配設され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ12、前記感光体ドラム11に当接させて反時計回りに回転自在に配設され、感光体ドラム11の表面に形成された潜像としての静電潜像にトナーを付着させて現像し、現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ14、該現像ローラ14に当接させて反時計回りに回転自在に配設され、前記トナーカートリッジ10bから供給されたトナーを現像ローラ14に供給する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ15、先端を前記現像ローラ14に当接させて配設され、現像ローラ14上に均一な現像剤層としてのトナー層を形成する現像剤層規制部材としての現像ブレード16、感光体ドラム11上に残留したトナーを回収するクリーニング部材としてのクリーニングブレード18等を備える。
【0021】
前記感光体ドラム11の上方には、感光体ドラム11と対向させて露光装置としてのLEDヘッド13が配設され、該LEDヘッド13は、感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。また、前記感光体ドラム11の下方には、感光体ドラム11と対向させて転写部材としての転写ローラ17が反時計回りに回転自在に配設され、該転写ローラ17は、感光体ドラム11に形成されたトナー像を用紙Pに転写する。
【0022】
また、装置本体における画像形成ユニット10の下方には前記用紙カセット21が配設され、該用紙カセット21の前縁に、用紙Pを1枚ずつ媒体搬送路Rtに繰り出すための繰出部材としてのホッピングローラ22が配設される。そして、前記媒体搬送路Rtにおけるホッピングローラ22より下流側には、搬送ローラ23、24及びレジストローラ25、26が配設される。
【0023】
さらに、媒体搬送路Rtにおける前記レジストローラ25、26より下流側に、前記画像形成ユニット10及び転写ローラ17が、画像形成ユニット10より下流側に、用紙Pに転写されたトナー像を定着させて画像を形成するための前記定着器27が配設される。該定着器27は、第1のローラとしての加熱ローラ27a及び第2のローラとしての加圧ローラ27bを備え、加熱ローラ27a及び加圧ローラ27bによって用紙P上のトナー像が加熱され、加圧される。そして、前記定着器27より下流側に、用紙Pを排出するための排出ローラ対28が配設される。
【0024】
次に、前記構成のプリンタPrの動作について説明する。
【0025】
前記画像形成ユニット10において、感光体ドラム11が時計回りに回転させられ、感光体ドラム11の表面が、帯電ローラ12によって一様に、かつ、負の極性に帯電させられる。そして、前記LEDヘッド13によって感光体ドラム11の表面が照射され、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。
【0026】
続いて、現像ローラ14上のトナーが前記静電潜像に付着させられ、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0027】
また、前記用紙カセット21に収容された用紙Pは、ホッピングローラ22によって1枚ずつ分離させられて繰り出されると、媒体搬送路Rtに沿って、搬送ローラ23、24によって搬送され、レジストローラ25、26によって斜行が矯正された後、画像形成ユニット10に送られる。
【0028】
該画像形成ユニット10において、用紙Pは感光体ドラム11と転写ローラ17との間を通過し、このとき、転写ローラ17によって感光体ドラム11上のトナー像が用紙Pに転写される。なお、転写後に感光体ドラム11上に残留したトナーは、クリーニングブレード18によって掻き取られる。
【0029】
続いて、トナー像が転写された用紙Pは、定着器27に送られ、該定着器27において、トナー像が加熱され、加圧されて用紙Pに定着させられ、画像が形成される。その後、用紙Pは、排出ローラ28によって装置本体外に排出され、スタッカ部Skに積載される。
【0030】
ところで、前記感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像ローラ14、トナー供給ローラ15、転写ローラ17、ホッピングローラ22、搬送ローラ23、24、レジストローラ25、26、加熱ローラ27a、加圧ローラ27b、排出ローラ対28等を回転させるために、駆動部として、各モータが配設され、該各モータは、モータを駆動するための制御部であるモータ制御部としての図示されないモータ駆動用の回路基板に接続される。
【0031】
また、前記帯電ローラ12には、感光体ドラム11の表面を帯電させるために、現像ローラ14には、トナーを静電潜像に付着させるために、トナー供給ローラ15には、トナーを現像ローラ14に供給するために、転写ローラ17には、トナー像を用紙Pに転写するために、それぞれ所定の電圧が印加され、帯電ローラ12、現像ローラ14、トナー供給ローラ15、転写ローラ17等は、電圧を印加するための制御部である電圧制御部としての図示されない電圧印加用の回路基板に接続される。
【0032】
そして、装置本体内において、各回路基板は電源装置としての電源基板45に接続され、該電源基板45は接続ケーブル46を介して第1の連結要素としての電源コネクタ30に接続される。また、該電源コネクタ30は第2の連結要素としての電源ケーブル37を介して図示されない商用電源に接続される。
【0033】
したがって、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを連結することによって、前記電源基板45に電力を供給することができる。
【0034】
ところで、例えば、図示されない電源スイッチがオンの状態でプリンタPrを移動させた際に、電源コネクタ30と電源ケーブル37との連結が外れてケーブル抜けが発生することがある。
【0035】
そこで、本実施の形態においては、ケーブル抜けが発生するのを防止するために、電源コネクタ30と電源ケーブル37との連結部にケーブル抜止め構造が配設されるようになっている。
【0036】
次に、該ケーブル抜止め構造について説明する。
【0037】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の平面図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの背面を示す斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の側面図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるシャッタ部材の斜視図である。
【0038】
図において、Prはプリンタ、Csは筐体であり、該筐体Csは、前壁Pa、後壁Pb、第1の側壁Pc、第2の側壁Pd及び頂壁Peを備える。
【0039】
また、Skは前記頂壁Peに形成されたスタッカ部、30は断面が所定の形状、本実施の形態においては、矩形の形状を有する電源コネクタ、37は電源ケーブル、40は、筐体Csの所定の面、本実施の形態においては、後壁Pbの所定の箇所、本実施の形態においては、下方の一部を箱状に突出させて形成されたカバー部、Rmは該カバー部40によって形成された連結要素収容室、41は前記カバー部40の電源コネクタ30と対向する位置に形成された開口部、46は接続ケーブル、50は、前記連結要素収容室Rm内において、カバー部40の前壁40aに沿って上下方向に移動自在に配設され、開口部41を開閉する主開閉部材としてのシャッタ部材である。なお、前記電源コネクタ30、電源ケーブル37及びシャッタ部材50によってケーブル抜止め構造が構成される。
【0040】
前記電源コネクタ30内に、第1の結合要素としての図示されない複数の結合ピンが突出させて形成される。また、前記電源ケーブル37は、断面が所定の形状、本実施の形態においては、矩形の形状を有する結合部47、該結合部47と隣接させて形成され、断面が所定の形状、本実施の形態においては、矩形の形状を有するヘッド37x、該ヘッド37xに接続されたケーブル部37y等を備え、前記結合部47内に前記結合ピンが嵌入される第2の結合要素としての図示されない複数の結合穴が形成される。そして、前記ヘッド37xは、結合部47と隣接させて形成され、断面積が大きい第1部位としての大端部37a、ケーブル部37yと隣接させて形成され、前記大端部37aより断面積が小さい第2部位としての小端部37b、及び前記大端部37aと小端部37bとの間に形成され、前端(大端部37a側の端部)から後端(小端部37b側の端部)にかけて断面積が徐々に小さくされる第1の抜止め部としての、第1の係合部としての、かつ、第3部位としてのテーパ部37cを備える。
【0041】
なお、該テーパ部37cの前端の断面積と大端部37aの後端(テーパ部37c側の端部)の断面積とが等しくされ、テーパ部37cの後端の断面積と小端部37cの前端(テーパ部37c側の端部)の断面積とが等しくされる。また、本実施の形態においては、小端部37bも前端(テーパ部37c側の端部)から後端(ケーブル部37y側の端部)にかけて断面積が徐々に小さくされる。
【0042】
前記カバー部40は、前壁40a、頂壁40b、底壁40c、左側(プリンタPrの後壁Pbに向かって左側)の側壁40d及び右側(プリンタPrの後壁Pbに向かって右側)の側壁40eを備え、前壁40aに前記開口部41が形成される。また、前記側壁40d、40eにおける上下方向の複数箇所、本実施の形態においては、3箇所に、シャッタ部材50を案内する案内部材としての凸部42が、互いに対向させて突出させて形成される。なお、前記シャッタ部材50及び凸部42によってシャッタ機構が形成される。また、本実施の形態においては、シャッタ部材50を案内する案内部材として、複数の凸部42が形成されるようになっているが、上下方向に延在させて帯状体を形成することができる。
【0043】
前記シャッタ部材50には、シャッタ部材50を上下方向に移動させることができるように、取手50aが連結要素収容室Rm内から外方に向けて突出させて形成され、操作者が取手50aを把持してシャッタ部材50を第1の位置、すなわち、下位置(図4に示される位置)に置くと、開口部41を閉じることができ、第2の位置、すなわち、上位置に置くと、開口部41を開くことができる。なお、シャッタ部材50に突片50cが、前記取手50aと同じ高さの位置で連結要素収容室Rm内に向けて突出させて形成される。
【0044】
そして、前記取手50aより上方に閉鎖部101が、取手50aより下方の幅方向における中央に、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを連結したときに電源ケーブル37のヘッド37xが収容されるヘッド収容部102が、該ヘッド収容部102の両側にヘッド保持部103が形成される。前記閉鎖部101は、開口部41を閉じたときに開口部41を十分に覆うことができるように所定の寸法を有する。前記ヘッド保持部103は、電源コネクタ30と連結された電源ケーブル37を両側から挟むことによって、電源コネクタ30と電源ケーブル37との連結が外れてケーブル抜けが発生するのを防止する。
【0045】
また、シャッタ部材50における左右の両縁には、上下方向に延在させて薄肉部から成る被案内部52が形成される。前記シャッタ部材50を凸部42によって円滑に案内することができるように、凸部42と前壁40aとの距離をd1とし、被案内部52の厚さをw1としたとき、距離d1は厚さw1よりわずかに大きくされる。そして、凸部42と前壁40aとの隙間にシャッタ部材50を誘導することができるように、前記被案内部52の上端及び下端に、テーパ面から成る誘い込み部53が形成される。なお、前記凸部42及び被案内部52によって摺動案内部が構成される。
【0046】
前記ヘッド保持部103には、ヘッド収容部102に臨ませて、ケーブル抜けが発生するのを防止するための第2の抜止め部としての、かつ、第2の係合部としての挟持部54が上下方向に延在させて形成され、該挟持部54に係合面としての傾斜面54aが形成され、該傾斜面54aの下端部には、ヘッド収容部102内にヘッド37xを誘導する誘い込み部55が形成される。なお、前記傾斜面54aは、ヘッド収容部102の開口面積が、開口部41に近いほど小さく、開口部41から離れるほど大きくなるように形成される。また、傾斜面54aの傾斜角度と、テーパ部37cの傾斜角度とは等しくされる。
【0047】
次に、前記構成の抜止め構造の動作について説明する。
【0048】
まず、初期状態において、操作者が、カバー部40の開口部41を閉じているシャッタ部材50の取手50aを把持し、シャッタ部材50を上方に移動させると、開口部41が開かれる。
【0049】
このとき、シャッタ部材50における左右の両縁に被案内部52が形成され、被案内部52の上端及び下端に誘い込み部53が形成されているので、凸部42と前壁40aとの隙間にシャッタ部材50を円滑に誘導することができる。
【0050】
次に、前記開口部41を開いた状態で、操作者が電源ケーブル37の結合部47を連結要素収容室Rm内に挿入すると、前記電源コネクタ30内の結合ピンが結合部47内の結合穴に嵌入され、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結される。
【0051】
結合ピンの結合穴への嵌入が十分であり、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが確実に連結されている場合は、操作者がシャッタ部材50の取手50aを把持し、シャッタ部材50を下方に移動させると、開口部41が閉じられ、ヘッド収容部102内にヘッド37xが収容される。この状態で、前記テーパ部37cと挟持部54とが係合させられ、電源ケーブル37の電源コネクタ30から外れる方向への移動が規制される。なお、テーパ部37c及び挟持部54によって移動規制部が構成される。
【0052】
このとき、傾斜面54aの下端部に誘い込み部55が形成されているので、ヘッド収容部102内にヘッド37xを円滑に誘導することができる。
【0053】
これに対して、結合ピンの結合穴への嵌入が不十分であり、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが確実に連結されていない場合は、大端部37aにヘッド保持部103が当たり、シャッタ部材50を下方に移動させることができず、開口部41を閉じることができない。
【0054】
また、電源コネクタ30と電源ケーブル37との連結を解除する場合、操作者は、シャッタ部材50の取手50aを把持し、シャッタ部材50を上方に移動させて開口部41を開く。この状態で、電源ケーブル37を引くと、電源コネクタ30から電源ケーブル37を抜くことができる。
【0055】
なお、前記開口部41を開くことなく電源ケーブル37が引かれると、テーパ部37cと挟持部54とが係合させられているので、シャッタ部材50は、図1の矢印A方向に押されてカバー部40に押し付けられる。したがって、それ以上、電源ケーブル37を引くことができないので、電源ケーブル37が電源コネクタ30から外れる方向へ移動することがなく、ケーブル抜けが発生するのを防止することができる。
【0056】
このように、本実施の形態においては、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結された状態でテーパ部37cと挟持部54とが係合させられるので、ケーブル抜けが発生するのを防止することができ、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを確実に連結することができる。
【0057】
また、結合ピンの結合穴への嵌入が不十分であり、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを確実に連結することができない場合は、シャッタ部材50を閉じることができないので、電源ケーブル37が抜けやすい状態であることが分かる。したがって、ケーブル抜けが発生するのを未然に防止することができる。
【0058】
さらに、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結されていないときは、シャッタ部材50によって開口部41が閉じられているので、ほこり等の異物が筐体Cs内に進入するのを防止することができる。
【0059】
そして、シャッタ部材50と凸部42とが係合させられるので、シャッタ部材50が紛失するのを防止することができる。
【0060】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0061】
図6は本発明の第2の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の第1の状態を示す側面図、図7は本発明の第2の実施の形態におけるケーブル抜止め構造の第2の状態を示す側面図、図8は本発明の第2の実施の形態におけるシャッタ部材の斜視図である。
【0062】
この場合、主開閉部材としてのシャッタ部材50の内面における所定の箇所、本実施の形態においては、上端部に、突片としてのブラケット112が連結要素収容室Rm内に向けて突出させて形成され、前記ブラケット112の先端に、第1の係合要素としての係合ピン56が形成される。
【0063】
また、筐体Cs内の所定の部材、本実施の形態においては、筐体内支持体Frに電源スイッチ38が取り付けられ、該電源スイッチ38の本体、すなわち、スイッチ本体38aに対して揺動体としてのトグル38bが揺動自在に支持され、該トグル38bの先端に、第2の係合要素とのしての係合ピン66が形成される。
【0064】
そして、筐体Cs内においてカバー部40と隣接させて、連結部としてのリンクアーム61が、図示されないフレームに形成された支持部としてのリンクピン60を揺動支点として揺動自在に支持される。前記リンクアーム61の一端には、第1の被係合要素としての長溝状の被係合穴h1が、他端には、第2の被係合要素としての長溝状の被係合穴h2が形成され、前記結合ピン56と被係合穴h1とが摺動自在に係合させられ、前記結合ピン66と被係合穴h2とが摺動自在に係合させられる。
【0065】
また、前記筐体Csの第1の側壁Pc(図3)の所定の箇所に、電源操作部としてのスイッチ(本実施の形態においては、シーソースイッチ)70が配設される。そして、該スイッチ70と係合ピン66とが連結部材としてのリンクバー62を介して連結される。
【0066】
したがって、スイッチ70を操作することによって、電源スイッチ38のオン・オフ動作を行うことができる。また、電源スイッチ38のオン・オフ動作に連動させてシャッタ部材50を上下方向に移動させ、開口部41を開閉することができる。
【0067】
そのために、前記シャッタ部材50において、取手50aより上方に閉鎖部101が、取手50aより下方の幅方向における中央に、第1の連結要素としての電源コネクタ30と第2の連結要素としての電源ケーブル37とを連結したときに電源ケーブル37のヘッド37xが収容されるヘッド収容部102が、該ヘッド収容部102の両側にヘッド保持部103が形成される。
【0068】
該ヘッド保持部103には、ヘッド収容部102に臨ませて、ケーブル抜けが発生するのを防止するための第2の抜止め部としての、かつ、第2の係合部としての挟持部54が上下方向に延在させて形成され、該挟持部54に係合面としての傾斜面54aが形成され、該傾斜面54aの下端部には、ヘッド収容部102内にヘッド37xを誘導する誘い込み部55が形成される。
【0069】
また、前記挟持部54には、上下方向に延在させて案内部としてのガイド溝58が形成され、該ガイド溝58に沿って、副開閉部材としてのシャッタ57が上下方向(図8における矢印方向)に移動自在に、かつ、挟持部54に対して摺動自在に配設され、ヘッド収容部102を開閉する。前記シャッタ57は、閉鎖部121、及び該閉鎖部121の上端に、連結要素収容室Rm内に向けて突出させて形成された突片122を備え、シャッタ57の最下位置で突片122がシャッタ部材50の突片50cに当接させられる。なお、前記閉鎖部121は、ヘッド収容部102を閉じたときにヘッド収容部102を十分に覆うことができるように所定の寸法を有する。
【0070】
次に、前記構成の抜止め構造の動作について説明する。
【0071】
まず、操作者が、前記スイッチ70を操作して、画像形成装置としてのプリンタPrの電源が遮断される位置、すなわち、オフ位置(図6に示される状態)に置くと、リンクバー62が下方に移動させられ、トグル38bが回動させられ、電源スイッチ38がオフにされる。そして、リンクアーム61が図6における反時計回りに回動させられ、シャッタ部材50は上方に移動させられ、カバー部40の開口部41が開かれる。このとき、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを連結することができる。
【0072】
続いて、操作者が、電源ケーブル37の結合部47を連結要素収容室Rm内に挿入すると、前記電源コネクタ30内の結合ピンが結合部47内の結合穴に嵌入され、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結され、スイッチ70を操作して、プリンタPrの電源が投入される位置、すなわち、オン位置(図7に示される状態)に置くと、リンクバー62が上方に移動させられ、トグル38bが回動させられ、電源スイッチ38がオンにされる。このとき、リンクアーム61が図6における時計回りに回動させられ、シャッタ部材50は下方に移動させられるが、結合ピンの結合穴への嵌入が十分であり、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが確実に連結されている場合は、カバー部40の開口部41が閉じられ、ヘッド収容部102内にヘッド37xが収容される。この状態で、前記テーパ部37cと挟持部54とが係合させられる。なお、シャッタ57は電源ケーブル37に接触するので、下方に移動させられず、シャッタ部材50だけが下方に移動させられる。
【0073】
これに対して、結合ピンの結合穴への嵌入が不十分であり、電源コネクタ30と電源ケーブル37とが確実に連結されていない場合は、大端部37aにヘッド保持部103が当たり、シャッタ部材50を下方に移動させることができず、開口部41を閉じることができない。
【0074】
また、電源スイッチ38がオンの状態で電源ケーブル37が引かれると、テーパ部37cと挟持部54とが係合させられているので、シャッタ部材50はカバー部40に押し付けられる。したがって、それ以上、電源ケーブル37を引くことができないので、電源ケーブル37が電源コネクタ30から外れる方向に移動することがなく、ケーブル抜けが発生するのを防止することができる。
【0075】
さらに、操作者が、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを連結することなく、スイッチ70を操作してオン位置に置くと、図7に示されるように、リンクバー62が上方に移動させられ、リンクアーム61が時計回りに回動させられ、シャッタ部材50は下方に移動させられる。このとき、シャッタ57は電源ケーブル37に接触しないので、シャッタ部材50と共に下方に移動させられ、開口部41を閉じる。
【0076】
なお、スイッチ70がオン位置に置かれると、トグル38bが回動させられ、電源スイッチ38がオンにされるが、開口部41が閉じられるので、電源コネクタ30と電源ケーブル37とを連結することができない。したがって、電源スイッチ38がオンにされた状態で電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結されることはない。
【0077】
このように、本実施の形態においては、スイッチ70とトグル38bとがリンクバー62を介して連結され、トグル38bとシャッタ部材50とがリンクアーム61を介して連結されるので、誤ってスイッチ70がオン位置に置かれても、開口部41が閉じられた状態にされる。したがって、電源スイッチ38がオンにされた状態で電源コネクタ30と電源ケーブル37とが連結されるのを防止することができる。
【0078】
前記各実施の形態においては、プリンタPrについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用したり、電源コネクタと電源ケーブルとの連結を必要とする機器に適用したりすることができる。
【0079】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0080】
30 電源コネクタ
37 電源ケーブル
37c テーパ部
41 開口部
50 シャッタ部材
54 挟持部
Cs 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)電源ケーブルと、
(b)装置本体内に配設された電源コネクタと、
(c)該電源コネクタと対向する位置に、前記電源ケーブルを挿入するための開口部が形成された筐体と、
(d)前記開口部を開閉するシャッタ部材とを有するとともに、
(e)前記電源ケーブルに第1の係合部が、前記シャッタ部材に第2の係合部が形成され、前記電源コネクタと電源ケーブルとが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられることを特徴とするケーブル抜止め構造。
【請求項2】
前記第1の係合部と第2の係合部とが係合させられた状態で、電源ケーブルの電源コネクタから外れる方向への移動が規制される請求項1に記載のケーブル抜止め構造。
【請求項3】
前記シャッタ部材が開口部を閉じた状態で、前記第1の係合部と第2の係合部とが係合させられる請求項2に記載のケーブル抜止め構造。
【請求項4】
前記シャッタ部材は電源スイッチのオン・オフ動作に連動して前記開口部を開閉する請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル抜止め構造。
【請求項5】
(a)電源ケーブルと、
(b)装置本体内に配設された電源コネクタと、
(c)該電源コネクタと対向する位置に、前記電源ケーブルを挿入するための開口部が形成された筐体と、
(d)前記開口部を開閉するシャッタ部材とを有するとともに、
(e)前記電源ケーブルに第1の係合部が、前記シャッタ部材に第2の係合部が形成され、前記電源コネクタと電源ケーブルとが連結された状態で、第1の係合部と第2の係合部とが係合させられることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−114176(P2013−114176A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262115(P2011−262115)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】