説明

ケーブル探査方法および装置

【課題】本発明の目的は、信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号を探査場所にある受信機まで伝送するケーブルを省略できるケーブル探査方法及び装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、前記電磁変換素子の近傍で前記ケーブルによって生じる磁束を、前記磁電変換素子で検出し、前記受信探査信号から取得された第1の位相情報を記録する記憶手段と、探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を前記第1の位相情報と比較する位相判定回路を備えることを特徴とする。
【効果】本発明によれば、信信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号を探査場所にある受信機まで伝送するケーブルを省略できるケーブル探査方法及び装置を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場や発電所等に敷設されたケーブルのうち、撤去対象となるケーブルを探査するケーブル探査方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等の施設内には、区画内の多数の機器からのケーブルが、計画されたケーブル経路に、天井または壁に設置されたサポート材でサポートされたトレイ等を用いて敷設されている。これらのケーブルは、高圧動力用ケーブル,低圧動力用ケーブル,制御用ケーブル,計装用ケーブル(計測用ケーブルとも言う)等の用途毎に分類されている。1つのトレイ内に敷設されているケーブルの本数は、例えば高圧動力用の場合、数本から十数本であり、低圧動力用の場合、十数本から数十本である。一方、制御用および計装用の場合、ケーブルが数百本程度となる。またケーブル1本当たりの長さは、数十mから数百m程度に及んでいる。特許文献1には、探査信号を探査したいケーブル(以下、探査対象ケーブルと称す)に注入し、離れた位置でケーブルに流れる信号を検出して位相で判定する技術が開示されている。送信機から探査信号を出力し、ケーブルに印加する。受信機では、ケーブルに流れる受信探査信号の位相が逆位相でない場合に外部出力回路を動作させる。また、送信探査信号にパルスを用いる場合にはパルスの極性を判定して、逆位相でないと判断した場合には外部出力回路を動作させる。
【0003】
一方、非特許文献1には、信号注入点の近傍で探査対象ケーブルに流れる探査信号を検出し、さらに離れた位置でも信号を検出して、両者の位相を比較して同相である場合には探査対象ケーブルと判定する技術が開示されている。特許文献1に記載の技術では、検出信号の位相情報を利用して探査対象ケーブルか否かを判定する。しかし、ケーブルの敷設条件によっては検出位相が変化することがあるため、非特許文献1で開示されているように探査信号注入点の近傍の検出位相と、探査信号注入点から離れた位置、すなわち探査したい場所での検出位相とを比較して判定する方式は有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−345344号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】日本原子力学会「2009年秋の大会」予稿集G33「ケーブルルート探査技術の開発」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら非特許文献1に記載の方式では、注入点近傍で検出する位相情報と離れた位置で検出する位相情報を比較するために、受信機までケーブルを新たに敷設する必要がある。信号注入点と探査したい場所の距離は、場合によっては数百メートル離れることもある。このケーブルを敷設したり引きまわしたりするのは非常に多くの時間を要する。そのため作業時間が増加するという問題がある。そのためにこのケーブルを不要にすることは重要な課題である。
【0007】
本発明の目的は、信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号と探査場所で検出する信号を測定し、両者の位相情報を比較して探査対象であるか否かを判定する場合に、信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号を探査場所にある受信機まで伝送するケーブルを省略できるケーブル探査方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、環状のクランプを有する電磁変換素子と、交流の電磁信号を送信探査信号として前記電磁変換素子によりケーブルに印加する送信機と、前記ケーブルに流れる送信探査信号によって生じる磁束を検知する磁電変換素子と、前記磁電変換素子により検知する受信探査信号を受信する受信機とを備え、前記電磁変換素子の近傍で前記ケーブルによって生じる磁束を、前記磁電変換素子で検出し、前記受信探査信号から取得された第1の位相情報を記録する記憶手段と、探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を前記第1の位相情報と比較する位相判定回路を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号と探査場所で検出する信号を測定し、両者の位相情報を比較して探査対象であるか否かを判定する場合に、信号注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号を探査場所にある受信機まで伝送するケーブルを省略できるケーブル探査方法及び装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の好適な実施例を説明する図である。
【図2】送信機の構成を示す図である。
【図3】受信機の構成を示す図である。
【図4】送信機及び受信機の動作を説明する図である。
【図5】受信機の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の好適な実施例を示す図である。
【図7】本発明の第2の好適な実施例を示す図である。
【図8】本発明の第3の好適な実施例を示す図である。
【図9】本発明の第3の好適な実施例であり受信機の構成を示す図である。
【図10】本発明の第3の好適な実施例であり受信機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の各実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の第1の実施例であり、探査対象ケーブル5に信号を注入し、注入点の近傍で探査対象ケーブル5に流れる探査信号の位相を検出するステップ1と、探査地点において探査対象ケーブル5、あるいは図示しないそれ以外のケーブルに流れる信号を検出し探査対象ケーブル5であるか否かを判定するステップ2からなる。はじめにステップ1について詳細に説明する。
【0013】
送信機1からケーブルを探査するための送信探査信号を電磁変換素子2に出力する。上記探査対象ケーブル5に流れる送信探査信号によって生じる磁束を検知する環状のクランプを有する磁電変換素子4を探査対象ケーブル5に取り付け、受信探査信号の位相を受信機3にて検出する。磁電変換素子4は電磁変換素子2の近傍の探査対象ケーブルにクランプする。検出した位相φ1の値は受信機3に保有したメモリ42に記録しておく。
【0014】
ステップ2においては、探査位置において磁電変換素子4をケーブルに取り付けて、流れる信号の位相φ2を検出する。受信機3では、検出位相φ2−φ1を演算し、その結果が−90°〜+90°の範囲であれば探査対象ケーブル5とし、これを逸脱する場合には非探査対象ケーブルと判定する。
【0015】
送信機1の構成を図2に示す。送信機1はタイミング検出用信号11aを生成するタイミング検出用信号発生回路11、位相検出用信号12aを生成する位相信号発生回路12、これら回路から出力される信号を合成して送信探査信号13aを出力する合成回路13、合成回路13で作成される送信探査信号13aを増幅する増幅器14からなる。増幅器14から電磁変換素子2に送信探査信号15が出力される。
【0016】
受信機3の構成を図3に示す。受信機3は磁電変換素子4によって検出された受信探査信号31に対して所定の帯域の周波数を通過させるフィルタ32,増幅器33,受信探査信号31の位相信号の始まりを検出するタイミング検出回路34,位相を検出する位相検出回路36,切替器41,メモリ42,位相判定回路43,表示器38からなる。
【0017】
送信機1及び受信機3の動作について図4を用いて説明する。送信機1からはタイミング検出用信号11aと位相検出用信号12aからなる図4(a)の送信探査用信号15を探査対象ケーブル5に電磁変換素子2を介して印加する。この送信探査用信号15は探査対象ケーブル5の芯線(シールド線がある場合にはシールド線)に伝播される。探査対象ケーブル5に流れる送信探査用信号15は磁電変換素子4によって受信探査用信号31として非接触で検出される。検出された受信探査用信号31はフィルタ32,増幅器33を介してタイミング検出回路34,位相検出回路36に入力される。受信探査用信号31の構成信号であるタイミング検出用信号11aを受信すると、タイミング検出回路34でタイミング検出用信号11aの最後を検出して図4(b)のようにタイミング信号35を出力する。タイミング信号35の相関値のピークが得られるが、この時点が位相検出用信号12aの始まりになる。位相検出回路36はタイミング信号35(相関値のピーク時点)をもとに位相検出用信号12aの位相情報を検出する。ステップ1において取得する位相情報(φ1とする)は切替器41によってメモリ42に出力され、記録される。このメモリ42は、記憶手段に相当する。切替器41は探査作業に従事する作業者が、ステップ1ではメモリ42に、ステップ2では位相判定回路43に出力するよう切り替える。ステップ2においては、位相判定回路43が、位相検出回路36から切替器41を経て出力される位相情報(φ2)と、メモリ42から送信された、ステップ1で記録した位相情報φ1の差(φ2−φ1)を計算する。計算結果が同相、すなわち−90°〜+90°の範囲であれば探査対象ケーブル5とし、これを逸脱する場合には図示しない非探査対象ケーブルと判定する。この判定結果は表示器38によって表示される。
【0018】
タイミング検出用信号11aはランダムな時系列信号で構成されており、例えば、正規分布のランダムノイズが適当である。これ以外にもM系列でも使用できる。位相検出回路36では、位相検出用信号12aから位相情報を取得するものであり、具体的にはsin(2πft+φ)で示されるφの値を取得する。ここでfは位相検出用信号12aの周波数である。この位相検出情報を切替器41に出力する。電磁変換素子2は半割れタイプのクランプ構造とすることでケーブルへの着脱が容易になる。
【0019】
受信機3は図5に示す回路構成としてもよい。図3とほぼ同一であるがタイミング検出回路44は別途取得するタイミング情報45を用いる。この場合は、送信探査信号にタイミング検出用信号11aは不要であり、代わりに送信機1にはタイミング情報出力回路を備えて、タイミング情報45を出力する。タイミング情報45は例えば位相検出用信号12aの先頭を示すトリガ信号であり、送信機1と受信機3を無線で接続して伝送する。受信機3ではタイミング情報45を取得すると、位相検出回路36を動作させて受信探査信号31の位相φ1あるいはφ2を出力する。
【0020】
φ1及びφ2を測定する際に用いる磁電変換素子31はケーブルを1本乃至数本単位でクランプする形状(例えばカレントトランス)がよい。この場合には、測定場所周辺の機器から放射されるノイズによる影響を抑制して測定できるため、ノイズによる探査精度の低下を防止できる効果がある。また、φ2を測定する場合にはクランプしたケーブルに探査対象ケーブル5が限定できるため、探査対象ケーブル5を1本に特定できる効果がある。
【0021】
一方、図示しないが、φ1およびφ2の測定には磁電変換素子としてアンテナを用いてもよい。アンテナは、例えばダイポール,ループ,コイル等の形状が利用可能である。φ1を測定する場合には、電磁変換素子の近傍において探査対象ケーブル5にアンテナを近接させて、探査対象ケーブルから放射する探査信号をアンテナで検出し、受信機3で位相φ1を得る。これをメモリ42に記録する。探査位置でφ2を測定する場合にはトレイ上またはトレイ近傍にアンテナを設置してケーブルから放射する探査信号を検出し、同様に受信機3で取得する。アンテナを用いることで、φ1の測定にあっては、探査ケーブルの近傍にアンテナを設置すればよく、探査対象を他のケーブルに変更する場合にも厳密な設置位置の変更が不要となるため探査作業時間を短縮できる効果がある。φ2の測定にあっては、トレイ上の数本〜から数十本のケーブルについて、1本乃至数本ずつクランプすることなく探査して、トレイ上に探査対象ケーブルが含まれているか否かを判定できる。そのため、例えばトレイの分岐点においてどちらのルートに探査対象ケーブル5が含まれているかをトレイ単位で判定する場合に探査時間を短縮できる効果がある。
【0022】
また図示しないが、φ1の測定にはケーブルを1本単位でクランプする形状(例えばカレントトランス)とし、φ2の測定ではアンテナを用いるようにすることも可能である。φ1の測定においてはカレントトランスにすることでノイズを抑制した測定ができ、φ2の測定についてはトレイ単位で判定できる効果がある。
【0023】
なお、タイミング情報を取得する方法は、上記だけでなく他の手段、例えばGPS(全地球測位システム)衛星からの到来信号,交流商用電源,標準時刻電波を利用する手段であってもよい。その場合でも本発明は適用可能であり、タイミング情報を取得する手段は本発明の本質ではない。
【0024】
これとは別に、送信探査信号をパルス信号として、位相判定の代わりに受信機で検出する信号、すなわちパルスの極性で判定する場合でも同様である。注入点近傍において検出するパルスの極性情報を記録しておき、探査したい場所で検出するパルスの極性と比較して同一極性の場合に探査対象ケーブルであると判定すればよい。
【0025】
続いて本発明の効果を説明する。本実施例では、電磁変換素子の近傍でケーブルによって生じる磁束を、磁電変換素子で検出し、受信探査信号から取得された第1の位相情報を記録する記憶手段(メモリ)と、探査場所にて磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を第1の位相情報と比較する位相判定回路を備える。そのため、注入点近傍で検出する探査対象ケーブルの検出信号を、探査場所にある受信機まで伝送するケーブルを省略できる効果がある。それにより、前記ケーブルの敷設やとり回しに要していた時間を削減でき、短時間でケーブル探査が可能になる。
【実施例2】
【0026】
図6および図7は本発明の第2の好適な実施例であり、第1の実施例とは受信機3のメモリ42の構成及び、探査手順が異なるため、この点について詳細に説明する。
【0027】
図6は本実施例における探査手順を示している。はじめに電磁変換素子2と磁電変換素子4を探査対象ケーブル5に取り付けて送信探査信号15を印加する(S1)。次に信号注入点の近傍で探査対象ケーブル5に流れる探査信号の位相φ1を測定する(S2)。S3においてケーブル番号とともに測定して得られたφ1を受信機3に備えたメモリ42に保存する。図7はメモリ42の構成を示しており、探査対象ケーブル番号とφ1を対応付けして記録する。探査対象ケーブル番号は他のケーブルと異なる番号もしくは記号,文字が適当であり、後で参照する際にケーブルを一意に特定できればよい。
【0028】
S4にて他のケーブルについても探査する場合には、先ほどと異なる探査対象ケーブル5に電磁変換素子2と磁電変換素子4を取り付け、S1からS3まで実施する。その後、メモリ42に記録された探査対象ケーブル5のうちの1本(以降の説明を容易にするためにケーブル#1と仮称する)を探査する際には、S5で電磁変換素子2をケーブル#1に取り付けて送信探査信号15を印加し、S6でケーブル#1のφ1を呼び出す。このφ1はS7でステップ2を実行する際に実施するφ2−φ1の演算におけるφ1として設定する。以上でケーブル#1を特定し、他の探査対象ケーブルについてもS5からS7を実施する。
【0029】
本実施例では以下の効果がある。複数のケーブルを順次探査する場合に、1本ずつφ1を測定(S1〜S3に相当)すると共に探査(S5〜S7に相当)を実施すると、作業員は探査対象ケーブル5が変わるたびにφ1を取得するために電磁変換素子2を取り付けた位置まで戻る必要がある。この際の移動距離は100m以上におよぶ場合があるため本数が多くなるほど移動に要する時間が増大し、探査時間の増大につながる。
【0030】
本実施例では、あらかじめ探査するケーブルのφ1の一部またはすべてを取得し、メモリに保存したうえで、探査場所において該当する探査対象ケーブル5のφ1を設定して探査する。別のケーブルを探査対象とする場合には、メモリ42から該当する探査対象ケーブル5のφ1を呼び出して設定し探査することができるので、電磁変換素子2を取り付けた位置までの移動が不要となって探査時間を短縮できる効果がある。
【0031】
なお、以上に示した全ての実施例において、ケーブル探査装置がメモリを備えるものとした。しかし本発明の本質は、φ1を記録しておき、φ2と比較できるようにすることである。したがって例えば、φ1を紙面などに記録しておく探査方法も同様に本発明の範囲に含まれる。また、作業員が記憶しておいてもよい。
【実施例3】
【0032】
図8は本発明の第3の好適な実施例である。本実施例は、受信機の構成が異なるとともに、ステップ1及びステップ2で示した探査手順を実施する代わりに受信機を2台備えるほかは他の実施例と同様であるため、以下ではこの点についてのみ詳細に記載する。受信機50及び51は通信装置52,53を備えている。受信機50は注入点近傍にて取得した探査対象ケーブルの位相情報φ1を、通信装置52を用いて受信機51に伝送する。図9は受信機50の構成である。位相検出回路36は、位相情報φ1を通信装置52に送る。通信装置52は、例えば無線LANなどによって、位相情報φ1を受信機51に伝送する。図10は受信機51の構成である。通信装置52から送信された位相情報φ1は通信装置53で取得し、位相判定回路43に送る。位相判定回路43では、受信機51の位相検出回路36から出力する位相情報φ2と通信装置53から出力する位相情報φ1を比較して、探査対象ケーブル5か否かを判定する。
【0033】
以上のような構成とすることで、受信機50と51の間で位相情報を伝送するためのケーブルを新たに敷設する必要がなくなり、さらにそのケーブルの取り回しも不要になる。結果として、これらに要していた時間を削減できるため短時間でケーブル探査できるようになるという効果がある。
【0034】
なお、第3の実施例においては受信機に通信装置を備えることとしたが、必ずしもこの方法でなくてもよい。例えば、受信機50及び51に作業員を配置し、受信機50で検出する位相情報φ1を作業員が電話やトランシーバなどの通信手段で受信機51に配置した作業員に伝達しても同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0035】
1 送信機
2 電磁変換素子
3,50,51 受信機
4 磁電変換素子
5 探査対象ケーブル
11 タイミング検出用信号発生回路
11a タイミング検出用信号
12 位相信号発生回路
12a 位相検出用信号
13 合成回路
13a,15 送信探査信号
14,33 増幅器
31 受信探査信号
32 フィルタ
34 タイミング検出回路
35 タイミング信号
36 位相検出回路
38 表示器
41 切替器
42 メモリ
43 位相判定回路
52,53 通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のクランプを有する電磁変換素子と、交流の電磁信号を送信探査信号として前記電磁変換素子によりケーブルに印加する送信機と、前記ケーブルに流れる送信探査信号によって生じる磁束を検知する磁電変換素子と、前記磁電変換素子により検知する受信探査信号を受信する受信機とを備え、
前記電磁変換素子の近傍で前記ケーブルによって生じる磁束を、前記磁電変換素子で検出し、前記受信探査信号から取得された第1の位相情報を記録する記憶手段と、
探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を前記第1の位相情報と比較する位相判定回路を備えることを特徴とするケーブル探査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のケーブル探査装置であって、前記磁電変換素子としてカレントトランスを用いることを特徴とするケーブル探査装置。
【請求項3】
請求項1に記載のケーブル探査装置であって、前記磁電変換素子としてアンテナを用いることを特徴とするケーブル探査装置。
【請求項4】
請求項1に記載のケーブル探査装置であって、前記磁電変換素子は、第1の位相情報取得にカレントトランスを用い、第2の位相情報の取得にアンテナを用いることを特徴とするケーブル探査装置。
【請求項5】
請求項1に記載のケーブル探査装置であって、前記磁電変換素子は、第1の位相情報取得にアンテナを用い、第2の位相情報の取得にカレントトランスを用いることを特徴とするケーブル探査装置。
【請求項6】
環状のクランプを有する電磁変換素子と、交流の電磁信号を送信探査信号として前記電磁変換素子によりケーブルに印加する送信機と、前記ケーブルに流れる送信探査信号によって生じる磁束を検知する磁電変換素子と、この磁電変換素子により検知する受信探査信号を受信する受信機とを備え、
前記電磁変換素子の近傍で、前記磁電変換素子で検出する前記受信探査信号から取得する第1の位相情報と、
探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を取得し、
前記第1の位相情報を記録しておき、前記記録した第1の位相情報と前記第2の位相情報を用いて探査対象ケーブルか否かを判定することを特徴とするケーブル探査方法。
【請求項7】
請求項6に記載のケーブル探査方法であって、前記第1の位相情報は複数の探査対象ケーブルについて前もって取得しておき、前記第2の位相情報を取得する時点において前記複数の第1の位相情報のうち、その時点で前記送信探査信号を印加しているケーブルの第1の位相情報と前記第2の位相情報が同相である場合に探査対象ケーブルであると判定することを特徴とするケーブル探査方法。
【請求項8】
環状のクランプを有する電磁変換素子と、交流の電磁信号を送信探査信号として前記電磁変換素子によりケーブルに印加する送信機と、前記ケーブルに流れる送信探査信号によって生じる磁束を検知する磁電変換素子と、この磁電変換素子により検知する受信探査信号を受信する受信機とを備え、
前記電磁変換素子の近傍で、前記磁電変換素子で検出する前記受信探査信号から取得する第1の位相情報と、
探査場所にて前記磁電変換素子により検出する受信探査信号から取得する第2の位相情報を取得し、
無線通信手段によって伝達された第1の位相情報と、前記第2の位相情報を用いて探査対象ケーブルか否かを判定することを特徴とするケーブル探査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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