説明

ゲルマニウム含有粒体

【課題】従来よりも生理的活性効果が低減しにくいゲルマニウム含有粒体を提供しようとするもの。
【解決手段】ゲルマニウムが分散された防水性樹脂により基体の表面に被膜が形成・固化された。防水性樹脂の被膜中に分散されたゲルマニウムは湯中などに溶出していき難いものとなっている。そして、前記ゲルマニウム含有粒体を複数個ネットに入れ浴槽に浸漬して使用すると、通常の風呂に入った場合(同じ温度)よりもよく温まることができた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は風呂の浴槽に浸漬したり、また皮膚に直接貼り付けて使用したりすることができるゲルマニウム含有粒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、直径5mm程度のゲルマニウムセラミックボールを目の細かい洗濯用ネットなどに入れ、家庭用の風呂の浴槽に浸漬するものがあった(非特許文献1)。
このゲルマニウムセラミックボールを浴槽に浸漬しておくと、風呂につかるだけで単なるお湯そのものの場合よりも血行がよくなって体がポカポカとよく暖まるというものである。
ここで、ゲルマニウムは金属と非金属の中間に位置する半導体であり、32℃以上になると電気を通す導体となる。そして、科学的なメカニズムは不明であるがゲルマニウムには血行をよくし関節や筋肉をほぐす働きがあり、肩こり・冷え・腰痛・疲労・不眠・神経痛などに効果を発揮する。
ところで、上記ゲルマニウムセラミックボールはセラミック材料とゲルマニウムパウダーとが焼成されたものと考えられるが、浴槽に浸漬した場合、次第にゲルマニウム成分が溶出していき経時的に温浴効果その他の生理的活性効果が低減していくという問題があった。
【非特許文献1】アイズアソシエイツ株式会社 ホームページ「ゲルマニウムセラミックボール」<http://www.store-mix.com/ko-bai/product.php?afid=3723131&pid=126234&hid=57407&oid=7452>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこでこの発明は、従来よりも生理的活性効果が低減しにくいゲルマニウム含有粒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明のゲルマニウム含有粒体は、ゲルマニウムが分散された防水性樹脂により基体の表面に被膜が形成・固化されたことを特徴とする。
このゲルマニウム含有粒体は前記の構成を有するので、防水性樹脂の被膜中に分散されたゲルマニウムは湯中などに溶出していき難いものとなっている。そして、前記ゲルマニウム含有粒体を複数個ネットに入れ浴槽に浸漬して使用すると、通常の風呂に入った場合(同じ温度)よりもよく温まることができた。前記ゲルマニウムとして例えばパウダー(粉)状のものを用いることができる。前記基体として例えば次述の多孔質粒体を用いることができる。
【0005】
(2)前記基体が多孔質粒体からなることとしてもよい。このように構成すると、基体の表面積が大きなものとなるのでゲルマニウムの付着密度を高くすることができ、生理的活性効果をより有効に発揮せしめることができる。
ここで、前記多孔質粒体として、例えばシリカゲルや活性炭を挙げることができる。このうちシリカゲルは機械的堅牢性に優れるという利点がある。この多孔質粒体は球状でも立方体状でも形状は問わないが、球状とした場合にはその直径を例えば5〜6mmに設定することができる。また、前記防水性樹脂として例えばエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0006】
(3) 前記多孔質粒体は吸液していることとしてもよい。
風呂に浸漬して43℃程度になると、多孔質粒体の空孔部が気体の場合は空気が膨張して内圧が高まり表面の被膜に亀裂等を生じさせることがあり得るが、前記のように吸液させることにより昇温時の体積膨張を気体の場合よりも抑制して亀裂や破壊の発生を抑制することができる。吸液させる液体としては水が一番安全で好ましい。
【発明の効果】
【0007】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
防水性樹脂の被膜中に分散されたゲルマニウムは湯中などに溶出していき難いものとなっているので、従来よりも生理的活性効果が低減しにくいゲルマニウム含有粒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
この実施形態のゲルマニウム含有粒体は、パウダー状(粉状)のゲルマニウム(GeO、ゲルマニウム・ジオキサイド、二酸化ゲルマニウム)を分散させた防水性樹脂(コーティング用のエポキシ樹脂/一般市販品)により、基体たる多孔質粒体(直径が5〜6mmのシリカゲル/一般市販品)の表面に被膜を形成し乾燥し固化させたものとしている。具体的には、前記多孔質粒体(シリカゲル)に水道水を吸水させた後、パウダー状ゲルマニウムを分散させたエポキシ樹脂で被覆した。直径が5〜6mmのシリカゲルを核にしたゲルマニウム含有粒体の1粒当たりのゲルマニウムの付着量は0.02gと算出された。
前記ゲルマニウム含有粒体100〜150個を約20cm四方のネット袋に収容し、風呂の浴槽に浸漬して入浴するようにした。そして、複数人を対象として官能評価を行った(n数=20名)。すると「入浴後の暖かさが朝方まで持続した。」「指先の毛細血管の流れが改善された。」「肌がすべすべになった。」など有効であるとの過半数の感想が得られた。すなわち、風呂に浸漬したゲルマニウム含有粒体はその防水性樹脂の被膜を介して体に実際に生理的活性効果を及ぼしているものと考えられた。
【0009】
次に、この実施形態のゲルマニウム含有粒体の使用状態を説明する。
このゲルマニウム含有粒体は前記の構成を有するので、防水性樹脂の被膜中に分散されたゲルマニウムは湯中などに溶出していき難いものとなっており、従来よりも生理的活性効果が低減しにくいという利点があった。
また、風呂に浸漬して43℃程度になると、多孔質粒体の空孔部が気体の場合は空気が膨張して内圧が高まり表面の被膜に亀裂等を生じさせることがあり得るが、前記のように吸液させることにより昇温時の体積膨張を気体の場合よりも抑制して亀裂や破壊の発生を抑制することができるという利点があった。
【0010】
(実施形態2)
この実施形態のゲルマニウム含有粒体は、パウダー状(粉状)のゲルマニウム(GeO、ゲルマニウム・ジオキサイド、二酸化ゲルマニウム)を分散させた防水性樹脂(コーティング用のエポキシ樹脂/一般市販品)により、多孔質粒体(直径が5〜6mmのシリカゲル/一般市販品)の表面に被膜を形成し乾燥し固化させたものとしている。具体的には、前記多孔質粒体(シリカゲル)に水道水を吸水させた後、パウダー状ゲルマニウムを分散させたエポキシ樹脂で被覆した。直径が5〜6mmのシリカゲルを核にしたゲルマニウム含有粒体の1粒当たりのゲルマニウムの付着量は0.02gと算出された。
前記ゲルマニウム含有粒体1個を絆創膏に付着させ、凝っている箇所の皮膚に直接貼り付けてもらうようにした。そして、複数人を対象として官能評価を行った(n数=20名)。
すると、肩こりや腰痛がかなり改善され有効である、との過半数の感想が得られた。すなわち、凝っている箇所に貼り付けたゲルマニウム含有粒体はその被膜を介して体に実際に生理的活性効果を及ぼし、肩こり・冷え・腰痛・疲労・不眠・神経痛に対し血行をよくして関節や筋肉をほぐしたりする働きをするものと考えられた。
【0011】
次に、この実施形態のゲルマニウム含有粒体の使用状態を説明する。
このゲルマニウム含有粒体は前記の構成を有するので、防水性樹脂の被膜中に分散されたゲルマニウムは外方に飛散していき難いものとなっており、従来よりも生理的活性効果が低減しにくいという利点があった。
【産業上の利用可能性】
【0012】
このゲルマニウム含有粒体は風呂の浴槽に浸漬して血行を促進したり、また肩こり・冷え・腰痛・疲労・不眠・神経痛に対し皮膚に直接貼り付けて血行をよくして関節や筋肉をほぐしたりする働きが期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウムが分散された防水性樹脂により基体の表面に被膜が形成・固化されたことを特徴とするゲルマニウム含有粒体。
【請求項2】
前記基体が多孔質粒体からなる請求項1記載のゲルマニウム含有粒体。
【請求項3】
前記多孔質粒体は吸液している請求項2記載のゲルマニウム含有粒体。

【公開番号】特開2007−306952(P2007−306952A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135927(P2006−135927)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(399049981)株式会社オメガ (70)
【Fターム(参考)】