説明

ゲル化澱粉組成物およびゲル化澱粉組成物の製造方法

澱粉組成物は、澱粉とゲル化を起こさせる種を一緒にし、一緒にする前にまたは後の澱粉を蒸解してゲルを生成することによって作成される。このゲル化を起こさせる種は、(a)1種または複数のアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種、(b)イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種、および(c)水素結合することができる1種または複数の種、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される。本発明は、完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物も提供する。さらに澱粉組成物の作成方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙の製造における歩留まり向上剤として、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤としての使用に適している種類のゲル化澱粉組成物に関する。本発明はまた、こうしたゲル化澱粉組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2003年7月1日出願の米国仮特許出願第60/484,095号の特典を主張する。
【0003】
微粒子および他の製紙材料の歩留まりを改善し、ウエットエンド脱水(drainage)を改善するために、従来技術において多くの添加物が推奨されてきた。澱粉およびポリアクリルアミドが、この目的に頻繁に使用される。
【0004】
米国特許第6,451,170号(アンダーソン(Anderson)ら)は、カチオン化された架橋澱粉、および製紙機械のウエットエンドでのばらつきに対応する改変を可能にする澱粉の使用を開示している。
【0005】
カイザー(Keiser)らは、カチオン性凝固剤を添加したまたは添加しない高分子量の合成綿状物(flocculent)および/または澱粉と共にホウケイ酸塩を使用する製紙において、歩留まり(米国特許第6,361,653号)および脱水(同米国特許)を増大させる方法を明らかにしている。
【0006】
米国特許第6,274,112号(モフェット(Moffett)、シモンズ(Simmons))は、製紙における脱水剤および歩留まり向上剤として、飲料水の精製プラントにおける凝集剤として、また類似の用途において使用するための、シリカ・ミクロゲルを調製する連続方法を提示している。
【0007】
米国特許第6,238,520号(グリーンウッド(Greenwood))は、溶解していない澱粉粒子と、カチオン性高分子凝集剤と、ベントナイトなどのアニオン性微粒子網状凝集剤(microparticulate network agglomeration aid)と含む凝固スラリーを開示する。
【0008】
米国特許第6,235,835号(ニースナー(Niessner)ら)は、少なくとも1種のカチオン性ポリマーで変性した澱粉を提示しており、この変性澱粉は、a)アニオン変性した澱粉をカチオン性ポリマーと反応させる、またはb)天然の澱粉またはアニオン変性されていない澱粉を、アニオン変性剤の存在下でカチオン性ポリマーと反応させ、このポリマー変性澱粉を使用する方法によって調製される。
【0009】
バーンフィールド(Burnfield)(米国特許第6,217,709号)は、脱水剤および増強剤として適切なカチオン澱粉、カチオン性ガラクトマンナン・ゴムおよび酸を含む組成物を開示している。
【0010】
米国特許第6,168,686号(スートマン(Sutman)ら)は、カチオン性または両性の澱粉およびカチオン性高分子電解質を加え、それに続いて高分子量のアニオン性ポリアクリルアミド・コポリマーを加えることを含む、微粉の脱水速度および歩留まりを改善する新規な方法を提示している。
【0011】
米国特許第5,859,128号および同第6,048,929号(R.モフェット(Moffett))は、少なくとも1種の両性澱粉またはカチオン澱粉を、アルカリ条件下で歩留まり向上剤としての少なくとも1種のポリアクリルアミドと共に蒸解することによって調製した変性澱粉を含む完成紙料(paper furnish)を開示している。米国特許第5,482,693号(J.ラシュマー(Rushmere)、R.モフェット(Moffett))、同第5,176,891号(J.ラシュマー(Rushmere))および同第4,954,220号(J.ラシュマー(Rushmere))は、水溶性のポリ微粒子ポリアルミノケイ酸(polyparticulate polyaluminosilicate)ミクロゲルを生成する方法を提示している。
【0012】
米国特許第5,178,730号(H.ビクスラー(Bixler)、S.ピーツ(Peats))には、完成紙料に中/高分子量のカチオン性ポリマーを添加すること、または天然のヘクトライトを添加することによって、歩留まりの改善が実現できることが開示されている。
【0013】
米国特許第4,643,801号(K.ジョンソン(Johnson))は、歩留まりを改善するために、アニオン性高分子量ポリマーおよび分散シリカと一緒にカチオン澱粉を含むバインダーを明らかにしている。同様に、米国特許第4,388,150号(O.サンデン(Sunden)ら)は、コロイド状ケイ酸およびカチオン澱粉を使用すると改善が見られることを開示している。
【0014】
米国特許第4,066,495号(J.ボイト(Voight)、H.ペンダー(Pender))は、製紙工程中でパルプにカチオン澱粉およびアニオン性ポリアクリルアミド・ポリマーを添加して歩留まりを改善する方法を示す。
【0015】
米国特許第4,954,220号(ラシュマー(Rushmere))は、パルプおよびフィラー微粉を凝集させるためにアニオン性ポリケイ酸ミクロゲルを有機ポリマーと一緒に使用して、水の除去および微粉の歩留まりを高めることを明らかにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、澱粉を蒸解し、蒸解する前または後に、この澱粉をゲル化を起こさせる種と一緒にすることによって得られる組成物に関する。得られた変性澱粉組成物は、紙を製造する際の歩留まり向上剤として、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、澱粉およびゲル化を起こさせる種を蒸解させることによって製造される澱粉組成物も提供される。
【0018】
本発明によれば、澱粉、ポリアクリルアミド・ポリマー、およびゲル化を起こさせる種を蒸解させることによって製造される澱粉組成物も提供される。
【0019】
本発明によれば、澱粉、アニオン性または潜在的アニオン性のポリマー、およびゲル化を起こさせる種を蒸解させることによって製造される澱粉組成物も提供される。
【0020】
本発明によれば、完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物も提供され、この澱粉組成物は、澱粉およびゲル化を起こさせる種を含む。
【0021】
本発明によれば、完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物も提供され、この澱粉組成物は、澱粉、ポリアクリルアミド・ポリマー、およびゲル化を起こさせる種を含む。
【0022】
本発明によれば、完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物も提供され、この澱粉組成物は、澱粉、アニオン性または潜在的アニオン性のポリマー、およびゲル化を起こさせる種を含む。
【0023】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含むもしくは含まない)を、1種または複数のアニオン性、カチオン性、または両性の無機コロイド種と一緒にして澱粉組成物を形成すること、およびこの澱粉組成物を蒸解してゲルを生成することを含む。
【0024】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドを含むまたは含まない)を蒸解し、この蒸解した澱粉を、アニオン性または潜在的アニオン性ポリマーを有するまたは有さない、1種または複数のアニオン性、カチオン性、または両性の無機コロイド種と一緒にしてゲル化澱粉組成物を形成することを含む。
【0025】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含むもしくは含まない)を、イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種と一緒にして澱粉組成物を形成し、この澱粉組成物を蒸解してゲルを生成することを含む。
【0026】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドを含むまたは含まない)を蒸解し、この蒸解した澱粉を、イオン結合または配位結合することができる、アニオン性または潜在的アニオン性ポリマーを有するまたは有さない、1種または複数の種と一緒にして、ゲル化澱粉組成物を形成することを含む。
【0027】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含むもしくは含まない)を、水素結合することができる1種または複数の種と一緒にして澱粉組成物を形成し、この澱粉組成物を蒸解してゲルを生成することを含む。
【0028】
本発明によれば、完成紙料に添加するのに適した澱粉組成物を製造する方法も提供され、この方法は、澱粉(ポリアクリルアミドを含むまたは含まない)を蒸解し、この蒸解した澱粉を、水素結合することができる、アニオン性または潜在的アニオン性ポリマーを有するまたは有さない、1種または複数の種と一緒にして、ゲル化澱粉組成物を形成することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、溶液の清澄に関し、具体的には、セルロース種、無機充填剤、ならびにピッチ、脂肪酸、サイズ剤、有機フルオロカーボン、および製紙工程で使用される他の材料などの疎水性懸濁液の歩留まりに関する。従来技術は、通常、カチオン性歩留まり向上剤を製紙用完成紙料に加えることが中心である。
【0030】
本発明は、カチオン性または両性の澱粉を、1種または複数のアニオン性、カチオン性、または両性の無機コロイド種と蒸解させることによって得られる組成物に関する。澱粉は、好ましくは、約0.01〜0.30のカチオン置換度(degree of cationic substitution)を有し、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。蒸解工程の結果、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に添加することができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができるゼラチン状生成物になる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。あるいは、カチオン性または両性の澱粉を単独で蒸解させ、1種または複数のアニオン性、カチオン性、または両性の無機コロイド種を、蒸解工程後に澱粉溶液と一緒にして、ゲル化を起こさせることもできる。澱粉は、好ましくは、約0.01〜0.30のカチオン置換度を有し、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。この無機コロイド種とこの澱粉溶液を一緒にすると、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に加えることができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができるゼラチン状生成物がもたらされる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。
【0031】
本発明は、カチオン性、アニオン性、非イオン性または両性の澱粉を、イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種と蒸解させることによって得られる組成物に関する。この澱粉は、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。蒸解工程の結果、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に添加することができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができるゼラチン状生成物になる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。あるいは、カチオン性、アニオン性、非イオン性または両性の澱粉を単独で蒸解させることができ、イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種を、蒸解工程後の澱粉溶液と一緒にして、ゲル化を起こさせることができる。この澱粉は、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。このイオン結合または配位結合する種とこの澱粉溶液を一緒にすることにより、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に加えることができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤に使用することができるゼラチン状生成物がもたらされる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。
【0032】
イオン結合または配位結合することができる種は、多価イオンを含有する種、複数の一価のイオンを含有する種、およびリガンド配位子種(liganding coordination species)からなる下位群(subgroup)から選択することができる。こうした種(多価、一価およびリガンド配位子)は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ホウ素、酸素、硫黄、窒素、リン、炭素などの元素、およびケイ素を含有する化合物またはイオンを単独でまたは組み合わせて含むまたは含有することができるが、それだけに限定されるわけではない。
【0033】
本発明は、カチオン性、アニオン性、非イオン性または両性の澱粉を、水素結合することができる1種または複数の種と共に蒸解することによって得られる組成物に関する。この澱粉は、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。蒸解工程の結果、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に添加することができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができるゼラチン状生成物になる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。あるいは、カチオン性、アニオン性、非イオン性または両性の澱粉を単独で蒸解させ、水素結合することができる1種または複数の種を、蒸解工程後に澱粉溶液と一緒にして、ゲル化を起こさせることもできる。この澱粉は、澱粉を変性するのに有効な時間水溶液中で約60℃を超える温度で蒸解させるべきである。この水素結合する種とこの澱粉溶液を一緒にすると、歩留まり向上剤として製紙用完成紙料に加えることができる、または水性分散液から固体および他の懸濁物質を取り除くための清澄剤として使用することができるゼラチン状生成物がもたらされる。この組成物は、ポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性ポリマーを含有することもできる。
【0034】
こうした水素結合することができる種としては、ホウ酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などの無機種、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどのオリゴマーおよびポリマー、ならびにポリ酢酸ビニルやポリ(n−ビニル−2−ピロリジノン)など水素結合することができる他のオリゴマーまたは他のポリマーを含む部分を含有する、グリコールやポリオールなどの有機種の単体または組合せを挙げることができるが、それだけには限定されない。
【0035】
こうしたカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性の澱粉は、製紙において以前から使用されているもののどれでも、あるいは他の適切な澱粉でもよい。カチオン澱粉は、コーン・スターチ、バレイショ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉などの材料を生成する一般の澱粉のいずれから得られるものでもよい。カチオン化は、塩化3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムを加えて様々な窒素置換度を有するカチオン澱粉を得るなど、任意の適切な手順によって実現することができる。澱粉上のカチオン置換度(窒素/澱粉の重量%)は、約0.01から約0.30の範囲とすることができ、好ましくは0.02から0.15である。バレイショ澱粉など自然に存在する両性澱粉または合成による両性澱粉を選択することもできる。
【0036】
製紙工場において澱粉蒸解器(starch cooker)を使用して、蒸解を実施するのが好都合かもしれない。ジェット蒸解器(jet cooker)などのバッチ蒸解器または連続蒸解器を選択することができる。蒸解中の固形分は、約15%未満が好ましいが、適切な混合を実施できる場合は、より高い固形濃度を使用することもできる。一般に、バッチ蒸解は、約60℃から約100℃の範囲内の温度で、好ましくは大気圧で行う。大気圧より高い圧力でバッチ蒸解を実施することも可能であり、したがってより高い蒸解温度の使用が可能となる。通常、連続ジェット蒸解は、約60℃から約130℃の範囲内の温度で、好ましくは1気圧以上の圧力で行う。澱粉の分解が避けられる場合、より高い蒸解温度を使用することができる。
【0037】
澱粉または混合澱粉およびゲル化誘発種の溶液を蒸解する時間は、澱粉が少なくとも部分的に可溶化できるのに十分なものとすべきである。選択される蒸解時間は、選択した成分、蒸解装置および温度によって変わるが、通常、1秒未満から約1時間の範囲内の時間である。より低い蒸解温度では、一般に、より長い蒸解時間が必要となる。
【0038】
溶液のpHは、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸を生成する二酸化炭素、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、従来の酸、塩基、または酸もしくは塩基の塩で調整することができる。ミョウバン、ポリ塩化アルミニウム、およびアルミン酸ナトリウムやアルミン酸カリウムなどのアルミン酸塩のようなアルミニウム化合物は、pHを変え、歩留まり性能を高めるために使用することができる。
【0039】
この変性澱粉組成物は、微粉、充填剤および他の懸濁物質の歩留まりを高めるための歩留まり向上剤として任意の適切な完成紙料に加えることができる。この完成紙料は、様々な木材パルプおよび無機充填剤を含むことができ、通常、約3から約10の範囲内のpHを有する。したがって、化学、機械、化学機械および半化学パルプを、粘土、軽質または重質炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、滑石および必要に応じて他の無機充填剤と一緒に使用することができる。こうした充填剤は、通常、全紙重量に対する重量%で5%から30%の充填レベルで使用されるが、いくつかの特殊な用途では35%以上のレベルに達することもある。
【0040】
本発明の特定の一実施形態は、完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物を含む。この乾燥澱粉組成物は、澱粉、場合によってはポリアクリルアミド、および/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーおよびゲル化を起こさせる種を含む。本発明の乾燥澱粉組成物は、乾燥混合物として調製し、輸送し保存することができる。水など任意の適切な液体を乾燥澱粉組成物に加えて、完成紙料への添加物として、蒸解および添加に適した湿潤溶液(wet solution)を作成することができる。
【0041】
完成紙料が1種または複数のアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種をも含む場合、特に有利な結果が得られる。好ましくは、このコロイド種は、アニオン性コロイドである。こうしたコロイド種としては、モンモリロナイト、ベントナイト、チタニア、シリカ・ゾル、アルミニウム変性シリカ・ゾル、ケイ酸アルミニウム・ゾル、ポリケイ酸、ポリケイ酸ミクロゲルおよびポリアルミノケイ酸ミクロゲルの単体または組合せを挙げることができるが、それだけには限定されない。
【0042】
乾燥澱粉組成物、湿澱粉組成物または完成紙料は、内部サイズ剤、湿潤および乾燥強度増強剤、殺虫剤、アルミニウム化合物(ミョウバン、アルミン酸塩、ポリ塩化アルミニウムなど)、カチオン性ポリマー(歩留まり向上剤および凝集剤)、アニオン性ポリマー、両性ポリマーおよび/または別に追加する澱粉など、他の一般的な添加物を含むこともできる。特にアルミニウム化合物は、本発明の歩留まり性能を高めることが分かった。
【0043】
前に述べたように、澱粉組成物の製造方法は、澱粉、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマー、ならびに1種または複数のアニオン性、カチオン性もしくは両性の無機コロイド種を一緒にして澱粉組成物を作成し、この組成物を蒸解することによって実施することができる。また、この方法は、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含む澱粉溶液を蒸解し、この蒸解した澱粉溶液を1種または複数のアニオン性、カチオン性もしくは両性の無機コロイド種と一緒にして澱粉組成物を作成することによって実施することもできる。また、この方法は、澱粉、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマー、ならびにイオン結合もしくは配位結合することができる1種または複数の種を一緒にして澱粉組成物を作成し、この組成物を蒸解することによって実施することもできる。また、この方法は、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含む澱粉溶液を蒸解し、この蒸解した澱粉溶液をイオン結合または配位結合することができる1種または複数の種と一緒にして澱粉組成物を作成することによって実施することもできる。また、この方法は、澱粉、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマー、ならびに水素結合することができる1種または複数の種を一緒にして澱粉組成物を作成し、この組成物を蒸解することによって実施することもできる。また、この方法は、場合によってはポリアクリルアミドおよび/またはアニオン性もしくは潜在的アニオン性のポリマーを含む澱粉溶液を蒸解し、この蒸解した澱粉溶液を水素結合することができる1種または複数の種と一緒にして澱粉組成物を作成することによって実施することもできる。
実施例
【0044】
実施例の全ての灰分歩留まり(ash retention)試験は、別段の記載がない限り、56%漂白広葉樹クラフト、24%漂白針葉樹クラフト、および20%炭酸カルシウムからなる模擬的に作られた(simulated)完成紙料を使用して行われた。このパルプを、カナダ標準ろ水度350mlまで精製した。灰分歩留まり試験は、125Pスクリーンを備えたブリット・ジャー(Britt Jar)を使用し、1250rpmで作動させて実施した。TAPPI標準T−261に従って白水サンプルから灰分歩留まりを決定した。
【実施例1】
【0045】
この実施例は、アニオン性無機コロイド状シリカの存在下で蒸解済み澱粉とアニオン性ポリアクリルアミドを一緒に混ぜ合わせてから完成紙料に添加すると、どのようにして3種の添加剤を別々に添加するよりもよい歩留まり値が得られるのかを実証するものである。カチオン澱粉(A.E.ステーリー(Staley)からのスタロック(Stalok)180)を、澱粉20g(乾燥)[dry grams]を蒸留水1980gと混ぜ合わせることによって調製した。次いで、このブレンドを、センサおよびシミュレーション付き自動バッチ澱粉蒸解器(Sensors and Simulations auto−batch starch cooker)において、20分の予熱サイクルおよび96℃で30分の蒸解サイクルで蒸解した。蒸解後、この澱粉を室温まで冷却した。アニオン性ポリアクリルアミド(SNF Floger社からのAN923)を、蒸留水999g中にポリマー1g(乾燥)を水和させることによって0.1%に調製した。この0.1%PAM溶液をマグネティック・スターラーで1時間撹拌した。オンデオ・ナルコ(Ondeo Nalco)の製品であるコロイド状シリカ(N−8671)を、水799g中に1g(乾燥)当量のシリカを混合することによって調製した(0.125%溶液)。
【0046】
ブレンドを、最初に1%蒸解済み澱粉277gを硫酸でpH5.0に調整することによって調製した。次に、0.1%PAM23gを澱粉に加え、完全に混合した。次いで、この混合物のpHをアルミン酸ナトリウムでpH7.8まで高めた。最後に、0.125%シリカ14.7gをこの澱粉/PAM混合物に加え、完全に混合した。
【0047】
対照実験として、澱粉およびPAMを別々にただし同時に完成紙料に加えた。澱粉およびPAMを添加して10秒後に、コロイド状シリカを完成紙料に加えた。澱粉、PAMおよびシリカの用量は、それぞれ15lb/ton[ポンド/トン]、0.125lb/tonおよび0.1lb/tonとした。澱粉/PAM/シリカ・ブレンドを、15lb/tonの割合で完成紙料に加えた。灰分歩留まりの結果を、以下の表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
この結果は、澱粉、アニオン性ポリマー(PAM)およびアニオン性コロイド種(シリカ)を一緒に混合してから完成紙料に加えることにより、これらの添加物を別々に加えるのに比べて、灰分歩留まりが増加することを示している。また、澱粉およびコロイド状シリカをPAMなしで一緒にすることにより、シリカを澱粉に加えてから蒸解する場合、灰分歩留まりの利益が期待できるはずである。
【実施例2】
【0050】
この実施例は、イオン結合することができる種の存在下でカチオン澱粉およびアニオン性ポリアクリルアミドを一緒にすることの効果を実証するものである。この実施例では、スタロック(Stalok)180カチオン澱粉およびAN923アニオン性ポリアクリルアミドを、実施例1と同じ手順を使用して調製した。
【0051】
この実施例では、3種の澱粉/PAMゲルを、様々なイオン種の存在下で調製した。調製した各々のゲルのカチオン澱粉のpHを硫酸で5.0に調整してから、アニオン性ポリアクリルアミドと混合した。第1のゲルを、1%カチオン澱粉277gを0.1%アニオン性ポリアクリルアミド23gと完全に混合することによって調製した。次いで、この混合物のpHを水酸化ナトリウムで6.5に高めた。塩化カルシウムを除いて第1ブレンドと全く同様に調製した第2の澱粉/PAMゲルを澱粉に加えてから、PAMを加えた。この塩化カルシウムを、Caイオン:PAMが1.6:1の比で加えた。次いで、このブレンドのpHを、水酸化ナトリムで6.7まで上げた。第3のブレンドを、カチオン澱粉(pH5)277gを0.1%アニオン性ポリアクリルアミド23gと完全に混合し、次いでアルミン酸ナトリウムでpH調整することによって調製した。
【0052】
対照実験として、澱粉およびPAMを別々にただし同時に完成紙料に加えた。澱粉およびPAMの用量は、それぞれ15lb/tonおよび0.125lb/tonとした。澱粉/PAMブレンドを、15lb/tonの割合で完成紙料に加えた。灰分歩留まりの結果を、以下の表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
この結果は、イオン結合することができる種(CaイオンおよびAlイオン)を澱粉およびPAMに添加することによって、灰分歩留まりが増大することを示している。PAMなしでイオン結合種を澱粉に加えると、澱粉単独に比べて灰分歩留まりが著しく改善されることも予想される。さらに、イオン結合することができる種を澱粉と混合してから蒸解した場合も、同等の改善が予想される。
【実施例3】
【0055】
実施例3は、蒸解済み澱粉と水素結合することができる種を一緒に混合してから完成紙料に添加すると、どのようにしてこれらの添加物を別々に添加するよりもよい歩留まり値が得られるのかを実証するものである。カチオン澱粉(S.L.180)を、実施例1と同じ方法で調製した。この場合、使用した水素結合することができるポリマーは、蒸留水999g中にポリマー1g(乾燥)を水和させることによって0.1%に調製した、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)からのポリ酢酸ビニル(PVAC)(ポリコ(Polyco)2152)とした。
【0056】
ブレンドを、1%カチオン澱粉277gを0.1%PVA溶液23gと完全に混合することによって調製した。
【0057】
対照実験として、澱粉およびポリ酢酸ビニルを別々にただし同時に完成紙料に加えた。澱粉およびポリ酢酸ビニルの用量は、それぞれ15lb/tonおよび0.125lb/tonとした。この澱粉/PVACブレンドを、15lb/tonの割合で完成紙料に加えた。灰分歩留まりの結果を、以下の表3に示す。
【0058】
【表3】

【0059】
この結果は、蒸解済み澱粉を水素結合することができる種と混合することにより、完成紙料に2種の材料を別々に添加した場合を上回る灰分歩留まりの増大がもたらされることを示している。
【実施例4】
【0060】
実施例4は、澱粉と水素結合することができる種とのブレンドを一緒に蒸解してから完成紙料に添加すると、どのようにしてこれらの添加物を別々に添加するよりもよい歩留まり値が得られるのかを実証するものである。カチオン澱粉(S.L.180)を、実施例1と同じ方法で調製した。この場合、使用した水素結合することができるポリマーは、蒸留水999g中にポリマー1g(乾燥)を水和させることによって0.1%に調製した、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)からのポリ酢酸ビニル(PVAC)(ポリコ(Polyco)2152)とした。
【0061】
カチオン澱粉20g(乾燥)を蒸留水1813.4gと完全に混合することによってブレンドを調製した。次に、澱粉スラリーに0.1%PVAC166.6gを加えた。次いで、このブレンドを、センサおよびシミュレーション付き自動バッチ澱粉蒸解器で、20分の予熱サイクルおよび96℃で30分の蒸解サイクルで蒸解した。蒸解後、この澱粉ブレンドを室温まで冷却した。
【0062】
対照実験として、澱粉およびポリ酢酸ビニルを別々にただし同時に完成紙料に加えた。澱粉およびポリ酢酸ビニルの用量は、それぞれ15lb/tonおよび0.125lb/tonとした。この澱粉/PVACブレンドを、15lb/tonの割合で完成紙料に加えた。灰分歩留まりの結果を、以下の表4に示す。
【0063】
【表4】

【0064】
この結果は、澱粉を水素結合することができる種と共に蒸解することにより、完成紙料に2種の材料を別々に添加した場合を上回る灰分歩留まりの増大がもたらされることを示している。
【0065】
以下の実施例の灰分歩留まり試験は、85%ハンマーミル写真複写用紙、7.5%SAPPIサマセットカバー光沢コート紙(Somerset Cover Gloss coated paper)、7.5%テンベック(Tembec)BCTMP、および15%追加未使用炭酸カルシウムからなる模擬的に作られた完成紙料を使用して行われた。これらの成分を一緒にブレンドして、アルカリ性の材木を含まないコート紙を生産する商業用製紙工場でしばしば見られる、ゼータ電位、充填剤含量、導電率など典型的な完成紙料特性を得た。
【0066】
灰分歩留まり性能を試験するために、メーン州立大学で開発された脱水/歩留まり装置を使用した。使用手順は、TAPPI標準T−261に記載されるものと同様であった。
【実施例5】
【0067】
実施例5は、カチオン澱粉とポリマーのブレンドをアルミニウム化合物の存在下で一緒に蒸解した場合、灰分歩留まり性能が高められることを実証するものである。この実施例では、アニオン性ポリマーの7M CMCを、前の実施例に記載したように調製した。蒸留水で未蒸解カチオン澱粉のスタロック(Stalok)160の溶液を作成し、次いで全溶液に対して固形分が6.0重量%となるように50:1(澱粉:CMC)の比(乾燥)で水和CMCとブレンドした。次いでこの溶液のpHを、アルミニウム化合物であるアルミン酸ナトリウムを使用して9.0に上げた。次いで、この溶液を、ジェット蒸解器で255°Fで蒸解した。
【0068】
対照実験として、澱粉およびCMCを、それぞれ20lb/tonおよび0.4lb/tonの用量で別々にただし同時に完成紙料に加えた。この澱粉/CMCブレンドを、20lb/tonの割合で完成紙料に加えた。灰分歩留まりの結果を、以下の表5に示す。
【0069】
【表5】

【0070】
この結果は、蒸解する前に、アルミニウム化合物を含む、澱粉とアニオン性ポリマーCMCをブレンドすると、澱粉およびCMCを完成紙料に別々に添加するよりも優れた性能が得られることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉を、ゲル化を起こさせる種と一緒にし、一緒にする前にまたは後の澱粉を蒸解してゲルを生成することができる澱粉組成物であって、前記ゲル化を起こさせる種が、
(a)1種または複数のアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種、
(b)イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種、
(c)水素結合することができる1種または複数の種、およびそれらの組合せからなる群から選択される、澱粉組成物。
【請求項2】
前記ゲル化を起こさせる種が、モンモリロナイト、ベントナイト、チタニア、シリカ・ゾル、アルミニウム変性シリカ・ゾル、ケイ酸アルミニウム・ゾル、ポリケイ酸、ポリケイ酸ミクロゲル、ポリアルミノケイ酸ミクロゲル、およびそれらの組合せからなる群から選択されるアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種を含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項3】
さらにポリアクリルアミドも含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項4】
さらにアニオン性または潜在的アニオン性基を有するポリマーも含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項5】
さらにアルミニウム化合物も含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の澱粉組成物を含む、完成紙料。
【請求項7】
さらにアルミニウム化合物を含む、請求項6に記載の完成紙料。
【請求項8】
前記ゲル化を起こさせる種が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ホウ素、酸素、硫黄、窒素、リン、炭素、ケイ素を含有する化合物またはイオン、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、イオン結合または配位結合することができる種を含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項9】
前記ゲル化を起こさせる種が、ホウ酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などの無機種、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどのオリゴマーおよびポリマー、ならびにポリ酢酸ビニルやポリ(n−ビニル−2−ピロリジノン)など水素結合することができる他のオリゴマーまたは他のポリマーを含む部分を含有する、グリコールやポリオールなどの有機種、およびそれらの組合せからなる群から選択される水素結合することができる種を含む、請求項1に記載の澱粉組成物。
【請求項10】
完成紙料用の添加物を形成するのに適した乾燥澱粉組成物であって、
澱粉と、
(a)1種または複数のアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種、
(b)イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種、
(c)水素結合することができる1種または複数の種、およびそれらの組合せからなる群から選択される、ゲル化を起こさせる種と
を含む、澱粉組成物。
【請求項11】
前記ゲル化を起こさせる種が、モンモリロナイト、ベントナイト、チタニア、シリカ・ゾル、アルミニウム変性シリカ・ゾル、ケイ酸アルミニウム・ゾル、ポリケイ酸、ポリケイ酸ミクロゲル、ポリアルミノケイ酸ミクロゲル、およびそれらの組合せからなる群から選択されるアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種を含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項12】
さらにポリアクリルアミドも含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項13】
さらにアニオン性または潜在的アニオン性基を有するポリマーも含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項14】
さらにアルミニウム化合物も含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項15】
請求項10に記載の澱粉組成物を含む、完成紙料。
【請求項16】
さらにアルミニウム化合物を含む、請求項15に記載の完成紙料。
【請求項17】
前記ゲル化を起こさせる種が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ホウ素、酸素、硫黄、窒素、リン、炭素およびケイ素を含有する化合物またはイオン、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、イオン結合または配位結合することができる種を含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項18】
前記ゲル化を起こさせる種が、ホウ酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などの無機種、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどのオリゴマーおよびポリマー、ならびにポリ酢酸ビニルやポリ(n−ビニル−2−ピロリジノン)など水素結合することができる他のオリゴマーまたは他のポリマーを含む部分を含有する、グリコールやポリオールなどの有機種、およびそれらの組合せからなる群から選択される水素結合することができる種を含む、請求項10に記載の澱粉組成物。
【請求項19】
澱粉組成物を製造する方法であって、澱粉を、ゲル化を起こさせる種と一緒にし、一緒にする前にまたは後の澱粉を蒸解してゲルを生成することを含み、前記ゲル化を起こさせる種が、
(a)1種または複数のアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種、
(b)イオン結合または配位結合することができる1種または複数の種、
(c)水素結合することができる1種または複数の種、およびそれらの組合せからなる群から選択される、方法。
【請求項20】
前記ゲル化を起こさせる種が、モンモリロナイト、ベントナイト、チタニア、シリカ・ゾル、アルミニウム変性シリカ・ゾル、ケイ酸アルミニウム・ゾル、ポリケイ酸、ポリケイ酸ミクロゲル、ポリアルミノケイ酸ミクロゲル、およびそれらの組合せからなる群から選択されるアニオン性、カチオン性または両性の無機コロイド種を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ポリアクリルアミドがさらに、前記澱粉および前記ゲル化を起こさせる種と一緒にされる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
アニオン性または潜在的アニオン性基を有するポリマーがさらに、前記澱粉および前記ゲル化を起こさせる種と一緒にされる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
アルミニウム化合物がさらに、前記澱粉および前記ゲル化を起こさせる種と一緒にされる、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記ゲル化を起こさせる種が、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、ホウ素、酸素、硫黄、窒素、リン、炭素およびケイ素を含有する化合物またはイオン、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、イオン結合または配位結合することができる種を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記ゲル化を起こさせる種が、ホウ酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などの無機種、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどのオリゴマーおよびポリマー、ならびにポリ酢酸ビニルやポリ(n−ビニル−2−ピロリジノン)など水素結合することができる他のオリゴマーまたは他のポリマーを含む部分を含有する、グリコールやポリオールなどの有機種、およびそれらの組合せからなる群から選択される水素結合することができる種を含む、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2007−530707(P2007−530707A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517821(P2006−517821)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021167
【国際公開番号】WO2005/004812
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(505323817)ズィ、ユーニヴァーサティ、アヴ、メイン、ボード、アヴ、トラスティーズ (3)
【Fターム(参考)】